ひびき高等学園(元戸畑中央高校) (569レス)
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110
: 2017/02/21(火)05:33
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110: [sage] 2017/02/21(火) 05:33:32.48 ID:BY7DAcLx0 重く、低い声だった。俺の、声。夕闇に沈んだ。三白眼が一層暗くなるだろう。 少女はまたそこで皮肉めいた微笑をする。「……英雄」とだけ呟いた。言葉を失った。 答えを返すことができなくなった。言えなかったのだ。過去に背負うものは、すぐに言葉を紡ぐことを許さなかった。 ただ、謝罪の念が心の中で渦を巻く。すまないすまないすまないすまないすまない。心が、回る。 「旅の途中でしょう? あなたはこれからどこへいくの?」 「戦いはもう終わった。故郷に帰ろうと思ってる」 少女は瞳を閉じた。静かな雰囲気だった。美しかったが、それよりずっと哀しかった。まるでガラスの球に閉ざされた水のような危うさだった。 彼女の黒い髪が白くも見えてしまうような儚さもあった。例えるならばミアは、幻なのだ。ずっと西の砂漠に現れる、幻。 「ここから随分と遠い町だ。……君はこれからどうする?」 「一年、ここで暮らしてきた。でも、もう歩けない。……死ぬつもりだった」 ここ一帯は揶揄するなら、大地に祝福されてはいない。ここら一帯は豊かではなかった。しかし、食べ物にも水にもあまり困る事はない。 生きていけるのだ。町の大人も子供も、心はいつも穏やかだった。生きてはいける。でも、もう歩けないと彼女は言った。 心が深い闇の中にあるのだろう。死ぬつもりだったと彼女は言った。 過去に、苦しんでいるのだろう。年を考えてみれば彼女はまだ、十代半ばの少女だった。彼女も歩いたつもり。 だけれど、心は過去のまま。だから苦しんでいるのだ。 彼女は俯いていた。そのままの姿勢で彼に言った。「私はあなたにとって鎖なんでしょ? でも……あなたが負い目を感じる必要はない」 「すまない」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/lifework/1219506593/110
重く低い声だった俺の声夕闇に沈んだ三白眼が一層暗くなるだろう 少女はまたそこで皮肉めいた微笑をする英雄とだけいた言葉を失った 答えを返すことができなくなった言えなかったのだ過去に背負うものはすぐに言葉を紡ぐことを許さなかった ただ謝罪の念が心の中で渦を巻くすまないすまないすまないすまないすまない心が回る 旅の途中でしょう? あなたはこれからどこへいくの? 戦いはもう終わった故郷に帰ろうと思ってる 少女は瞳を閉じた静かな雰囲気だった美しかったがそれよりずっと哀しかったまるでガラスの球に閉ざされた水のような危うさだった 彼女の黒い髪が白くも見えてしまうようなさもあった例えるならばミアは幻なのだずっと西の砂漠に現れる幻 ここから随分と遠い町だ君はこれからどうする? 一年ここで暮らしてきたでももう歩けない死ぬつもりだった ここ一帯はするなら大地に祝福されてはいないここら一帯は豊かではなかったしかし食べ物にも水にもあまり困る事はない 生きていけるのだ町の大人も子供も心はいつも穏やかだった生きてはいけるでももう歩けないと彼女は言った 心が深い闇の中にあるのだろう死ぬつもりだったと彼女は言った 過去に苦しんでいるのだろう年を考えてみれば彼女はまだ十代半ばの少女だった彼女も歩いたつもり だけれど心は過去のままだから苦しんでいるのだ 彼女はいていたそのままの姿勢で彼に言った私はあなたにとって鎖なんでしょ? でもあなたが負い目を感じる必要はない すまない
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