[過去ログ] 【太陽の道】緑の党・日本ボランティア会19【ツバメ】 (755レス)
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715: 2023/01/27(金)19:14 AAS
松魚何より好いのは現なまぢや
一同、これは/\とばかり、感歎す。菩薩、裸男を顧みて、『この歌の對に、「我が好き」を作つて見ずや』といふ。裸男の如き馬鹿者の頭より、これに對すべき妙歌の、湧き出づべき筈は無けれど、『出來ません』と跳ね付くるは、餘りに無愛想也。『いづれ、ゆつくり考へて見申さむ』と、お茶を濁す。
 驛より程近き千駄ヶ谷町に、六一菩薩と稱する洋畫の聖あり。六十一歳になりて初めて一子を擧げたるを以て、斯く名づく。旗本の名家に生れ、夙に勝海舟に識られて、畫を海外に學びたる老大家、西洋の筆致に日本的の趣味を加へたる一種靈妙の畫風、當代に異彩を放てり。而して檜葉菩薩と最も親しき仲也。檜葉菩薩ふと思ひ出したる風にて、六一菩薩を呼び寄せ、山行を勸む。六一菩薩、裸男を顧みて、『高尾山の高さは如何ばかりにや』と問ふ。『勾配は九段坂よりも緩やかなり、路程は僅々十數町、先づざつと、九段坂を五倍したるものと見れば可ならむ』と云ひしに、半信半疑の樣子にて、『ともかくも山の麓までおつきあひ申さむ』と云ふ、はゝあ、解よめたり/\、檜葉菩薩の賢明、三馬鹿の陰謀をそれと見拔き、釣られたる風をして、そつと三馬鹿を出し拔き、麓にて待ち合はす相手にとて、六一菩薩を招きたるよな、その手は喰はぬと、裸男開き直り、『六一菩薩は御老體也。然れども先生は天下の豪傑、而も御年なほ壯也。よもや、山を見て腰を拔かし、我輩も六一菩薩と一緒に、などとは申さるまじ』と念を押せば、『男子の一諾、言ふにや及ぶ』と氣張り給ふ。
 酒肴は蕭何の寅藥師が一切取揃へて汽車に乘る。中野、荻窪、吉祥寺の諸驛を經るほどに、一望茫々、昔の武藏野の俤なしとせず。十口坊、句あり。曰く、
武藏野の果や山あり麥の秋
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