空海「十住心論」要約と、真言宗の寺院墓地 (20レス)
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1: 2024/12/10(火)05:03 ID:Z7UXGXr50(1) AAS
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関連スレ
真言宗の寺院墓地(全県)と、十住心論の全巻要約
2chスレ:kyoto
3: 06/17(火)16:06 ID:L1X5/cJb0(1/6) AAS
空海コレクション「十住心論(じゅうじゅうしんろん)」(ちくま学芸文庫)抜粋 00.大綱序
生きとし生ける者たちは迷っているために、帰るべきわが家を知らないから、地獄(じごく)や餓鬼(がき)や畜生(ちくしょう)の世界に沈んで、四種の「生あるもの」に生まれかわり死にかわりして、さまよい苦しんでいる。
「四生」とは、1.母胎から生まれる、2.卵から生まれる、3.湿気から生まれる、4.突然に生まれる。
如来は、そのような無知な者をあわれんで、その帰るべき道を、お示しになったのである。帰り道には、「まっすぐなもの」もあれば、「まがったもの」もある。
しかし、密教のすばらしい車は、虚空を速やかに飛び越えて、この一生の間に、かならず到着することができる。
いま、この「大日経(だいにちきょう)」を根拠として、真言行を実践する者の、心のありかたの次第を明らかにしてゆこう。
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心1
省8
4: 06/17(火)16:06 ID:L1X5/cJb0(2/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心2
・地獄趣
二つの八大地獄がある。炎と寒であって、たがいに通ずることはない。煮られ、ただれることは、魚や鳥のようであり、焼かれることは、いつの年に終わるのであろう。
極熱地獄は、「殺し」「盗み」「男女の道を乱すこと」「飲酒」「虚言」「偏見」「修行の尼に過失を起こさせること」の七悪による。
無間地獄は、「母を殺す」「父を殺す」「聖者を殺す」「仏の身体を傷つける」「教団の和合を破壊する」 という五つの重罪による。
・餓鬼趣
すべての餓鬼は、みな貪りや妬みが原因となって生ずる。さまざまな悪心によって、さまざまな悪業をつくり、飢渇の火によって、その身を焼かれる。
省9
5: 06/17(火)16:07 ID:L1X5/cJb0(3/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心3
・龍趣
「正法念処経」に言う。
――法にしたがう行為をなす龍王の住む宮殿には、熱沙を雨降らさない。それは、前世において外道の戒をうけ、布施をするけれども、清浄ではない。
――善心をもっているので、時には雨を降らし、もろもろの世間の五穀をみのらせ、豊作の安楽を与え安穏にして、霰(あられ)の災厄を降らさず、仏・法・僧の三宝を信じて、四天下に甘露の雨を降りそそがせる。
――理法にかなった行ないをしない龍王の住むところには、常に熱沙が降り、宮殿やその眷属を焼き尽くし、それらは滅してまた生ずるのである。
・阿修羅(あしゅら)趣
省6
6: 06/17(火)16:07 ID:L1X5/cJb0(4/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心4
・人間趣(1/2)
「華厳経(けごんきょう)」に言う。
――殺生の罪は、生ける者を地獄・餓鬼・畜生に堕とすことになる。
――もし、人間界に生まれれば、二種類の報いを受ける。一つは、短命であること。二つは、多病であること。生命を傷つけ殺すからである。
「華厳経」に言う。
――盗みの罪は、生ける者を地獄・餓鬼・畜生に堕とすことになる。
省10
7: 06/17(火)16:08 ID:L1X5/cJb0(5/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心5
・人間趣(2/2)
「華厳経」に言う。
――悪口の罪は、生ける者を地獄・餓鬼・畜生に堕とすことになる。
――もし、人間界に生まれれば、二種類の報いを受ける。一つは、常に不快な声を聞くこと。二つは、「言葉を発するところに、常に諍いがある」こと。もろもろの道徳に逆らっているからである。
「華厳経」に言う。
――「正しい意味内容のない言葉」の罪は、生ける者を地獄・餓鬼・畜生に堕とすことになる。
省11
8: 06/17(火)16:09 ID:L1X5/cJb0(6/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 01.異生羝羊心(いしょうていようしん) - 煩悩にまみれた心6
・羝羊外道
「時間や物質要素や自在天が存在の本源だ」と考える外道、ヨガの実習で自我を究竟する外道、魂の存在を主張する外道、「すべての存在は自然に有る」と考える老荘、三十の大外道は、それぞれに、真実に迷い輪廻する。
仏教の中の犢子部(とくしぶ)と、および説一切有部(せついっさいうぶ)との両部は、「過去・未来・現在の、三世を通じての実在がある」と主張している。
もし、「過去・未来・現在が実在している」のであれば、「数取趣(さくしゅしゅ。個体存在)が存在している」のと同じである。
これは、仏のお説きになった、三種の真理のしるし「諸行無常(しょぎょうむじょう)、諸法無我(しょほうむが)、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」に矛盾する。
インドのもろもろの菩薩(ぼさつ)が、種々の論を著して、これらの主張を論破している。
省5
9: 06/18(水)10:54 ID:2jjQhYZV0(1/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地1
愚童持斎心(ぐどうじさいしん)というのは、すなわち、人間としての存在(人趣)において、やや善なる心がきざし、迷える者が、自分の心の根底に本来、有する、仏の心に帰るはじめである。
あやまちを知れば、かならず改め、賢人を見ては、「それと等しいものになろう」と思い、初めて因果の道理を信じ、だんだんと善い行ないと悪い行ないの、報いの結果にうなずく。
・六心
種子(しゅうじ)の心とは、「大日経疏(だいにちきょうしょ)」に言う。
――世の中には、遠いはるかな昔より、今に至るまで、次第に伝え伝えられてきた、善と言われる物事がある。突然として、おのずから善に対する思いが生ずる。
牙種(げしゅ)の心とは、「大日経」に言う。
省9
10: 06/18(水)10:55 ID:2jjQhYZV0(2/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地2
・三帰戒(さんきかい)
子牛に母牛がなければ、必ず死ぬことは疑いがなく、ヤマイヌや狼が、すべて走って、やって来る。
生けるものが仏に帰依しなければ、悪魔や鬼人が、みな、やって来て取り囲む。世間の道徳をたもって犯すことがなければ、来世に美名をはせる。
王は彼に語って、汝が恐れなきことを求めるならば、我が国境から出てはいけない。我が教えに違反してはいけない。必ず汝を救い護るであろう、と言うようなものである。
仏・法・僧の三宝に帰依し、仏の教えに違うことがなければ、悪魔に囚われることはない。
・五戒
省11
11: 06/18(水)10:55 ID:2jjQhYZV0(3/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地3
・十善戒
「正法念処経(しょうぼうねんじょきょう)」巻二に言う。
――殺生と怨みとを離れて、慈しみを生ずれば、神々に守護される。死後、天界に生まれる。
――盗まず、「足る」を知って施せば、みな信頼する。死後、天界に生まれる。
――異性に対する邪まな行為を離れて、煩悩の心がなければ、自分の配偶者に満足し、もろもろの善きことを摂める。死後、天界に生まれる。
――嘘を離れたならば、すべての人は、みな信じる。死後、天界に生まれる。
省8
12: 06/18(水)10:55 ID:2jjQhYZV0(4/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地4
・不正治(ふしょうじ)国王
「金光明経(こんこうみょうきょう)」に言う。
――四天王(してんのう)は、ともに仏に申し上げた。
――もし人間の王があり、その国土に、この経典があっても、広まっておらず、よく聞こうと願わず、供養することがない。
――正しい理法を信ずることなく悪人に親しみ、国中の大臣と役人とが、「へつらい」と「おもねり」を心にいだいて、ともに、ことごとく非法を行う。
――国を守護する諸天および薬叉(やくしゃ)は、国の領土を捨て去って他方に行く。国土に、災害変事が、たびたび現れる。
省11
13: 06/18(水)10:56 ID:2jjQhYZV0(5/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地5
・正治国王(2/3)
――「国王のすぐれた特性」というのは、どういうことか。
――王族に生まれ、あらゆる人民を恵み養い、仏・法・僧の三宝を浄らかに信仰する。これを、「族姓が高い」と言う。
――詩歌管弦の遊びを興し、命令が広く行きわたって、滞ることがない。
――群臣たちが、少々のあやまちを犯すことがあっても、よく許す。群臣たちに「大きな誤り」があっても、重い法律をもって刑罰せず、過失の軽重によって、あわれみをもって裁く。
――群臣の心が清廉であれば、時々、正しく円満な言葉でいたわり、恩賞をわかち与える。忠実で、潔白で、よく法律にしたがう人の進言を信じ用いる。
省11
14: 06/18(水)10:57 ID:2jjQhYZV0(6/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 02.愚童持斎心(ぐどうじさいしん) - 道徳の目覚め・儒教的境地6
・正治国王(3/3)
――「王の愛すべきもの」とは、どのようなものか。
――すべての正しい事柄をはっきりと認識し、手段を講じて争うことなく反対派を包容する。
――倉庫の増減を考えて、物惜しみせず平等に、時候の様子にしたがって給与する。医者に食事の内容を聞いて、その指示にしたがって、分配する。
――「王の善き事柄を勤め修める」とは、どういうことか。
――国王がいて、王子・大臣と、ともに布施を実践し、受戒・瞑想をなし、護摩の息災と増益をなし、壇を建立して師より法を授かり、「弟子となることを許可される」灌頂(かんじょう)の法を受ける。
省11
15: 06/19(木)17:32 ID:v336EH3M0(1/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地1
愚かな児童のような心も、心のうちにある、絶対真実の影響によって、苦を嫌がる。
仏の戒めを守って天界に生まれ、善を修めて地獄を脱しようとする。そうなると、下をにくむ心と、上を喜ぶ願いが、はじめて起こってくる。
嬰童(子供)とは、「初心ということ」から名づけられ、無畏(畏れなきこと)とは、「煩悩の束縛を脱すること」にちなんで名がたてられた。
・仏教以外の三宝(さんぼう)と世間的な瞑想
「大日経」に言う。
――これは天であり、すべての楽を与える者である。もし真心をこめて供養すれば、願いとするところのものは、みな満足する。
省10
16: 06/19(木)17:33 ID:v336EH3M0(2/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地2
・十六外道
第一は、「原因の中に結果がある」と執われる雨際(うさい)外道。
第二は、「本よりある存在が、条件によって顕れる」と考える、インド六派哲学の、精神・物質の二元論や、声常住論。
第三は、「過去・未来という時間が実在する」と考える、インド六派哲学の勝論(かつろん)や、バラモン教系の時間論。
第四は、「自我が実在する」と考える、ジャイナ教や、仏教部派の犢子部(とくしぶ)。
第五は、最高神イーシーカを祀る外道などで、「何か永遠なるもの」を考える。
省11
17: 06/19(木)17:34 ID:v336EH3M0(3/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地3
・瞑想の四段階と精神世界
初めの瞑想とは、「順正理論(じゅんしょうりろん)」に言う。
――下方の段階である、欲望の世界を対象とするとき、粗大・苦悩・障害のうち、1つがあらわれる。
――上法の段階である、離生喜楽地(りしょうきらくじ。「欲望の世界の悪を離れる」ことによって生ずる喜楽を得る段階)を対象とするとき、静寂・殊妙(しゅみょう)・分離のうち、1つがあらわれる。
第二の静慮(じょうりょ)とは、 「順正理論」に言う。
――第1段階の瞑想を対象とするとき、粗大・苦悩・障害のうち、1つがあらわれる。
省14
18: 06/19(木)17:34 ID:v336EH3M0(4/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地4
・欲界(よっかい)の諸天 - 食欲と性欲との、二欲を有する者の住処
「起世経(きせきょう)」に言う。
――帝釈天(たいしゃくてん。雷霆神《らいていしん》インドラ。仏法の守護神)の宮殿の外に、三十三天の宮殿がある。
「倶舎論」に言う。
――次の生涯において、仏となることが約束されている菩薩は、都率天(とそつてん)の中に生まれる。
十の善を修めることによって、下の部類は、星・月・日の天宮に生じる。
省11
19: 06/19(木)17:35 ID:v336EH3M0(5/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地5
・無色界(むしきかい)の諸天 - 精神世界
「倶舎論」に説一切有部(せついっさいうぶ)が言う。
――精神世界には、物質的存在がないから、方向も場もない。
「瑜伽論(ゆがろん)」の五十三に言う。
――精神世界の中には、瞑想の対象界としての身体があって、すべてを変ずる。
諸師の説くことが不同である。引用は右のとおりである。
省12
20: 06/19(木)17:37 ID:v336EH3M0(6/6) AAS
空海コレクション「十住心論」(ちくま学芸文庫)抜粋 03.嬰童無畏心(ようどうむいしん) - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地6
・真言の密意(2/2)
すべての世間の「条件によって、生起するもの」の存在は、さまざまな色彩・形態・相をそなえている。
「一切万有は、本来、生起しない」ことを阿字が象徴表現する、と説く、その阿字門に入るならば、すべての相を離れることになる。
相を離れた相とは、「真実そのものを身体とする仏が、すがたかたちをとった色身(しきしん。生身の仏)」であって、曼陀羅をそなえている。
世天の真言と大日如来の真言とは、「別ならざるもの」なのである。この一字を読誦すれば、すべての、人・天の、教えの法門を持つことになる。
「大日経」に言う。
省11
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