文語体にて雑談しませう。 (316レス)
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299: 名無氏物語 [sage] 2020/08/24(月) 05:11:24.84 ID:Ir3mJ3SM 一 ゾシマ長老とその客 アリョーシャは胸の不安と痛みを抱きつつ、長老の庵室へ入った時、驚きのためにほとんどそのまま入 口で立ちすくんだ。もう意識を失って死に 垂んとしているに違いないと恐れ危んでいた長老が、思いもよ らず肘椅子に腰をかけているではないか。 <その逆であった。車椅子にマスク。僕と目があったときの先生の顔が忘れられない。生涯永遠に。 病苦のために衰え果ててはいながらも、やはり元気のいい愉 快そうな顔をして、まわりを取り囲む客人達を相手に、静かな輝かしい談話を交換しているところであっ た。 <あのときの先生は―― 『長老は今一度ご自分の心に親しい人たちと物語をするために、必ずお目覚めなさるに違いない。ご 自分でも今朝がたそう言って約束なされました。』と固く予言したからである。パイーシイ神父はこの約 束を長老のすべての言葉と同様にどこまでも信じて疑わなかったので、たとえ長老の意識ばかりか呼吸 まで止まってしまったのを自分の眼で見ても、もう一度目を覚まして別れを告げるという約束を聞いた 以上、彼は死そのものさえ信じようとせず、死にゆく人がわれに返って約束を果たすのを、いつまででも 待っているに違いない。実際、今朝ほど長老ゾシマは眠りに落ちる前、彼に向かって、『わしの心に親 しいあなた方と、もう一度 得心のゆくだけお話をして、あなた方のなつかしい顔を眺め、もう一度わしの 心をすっかり広げてお目にかけぬうちは、決して死にはしませんじゃ。』とはっきりした調子で言ったのであ る。 <これは、この四年半の先生の心と戦いを示しているか。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/kobun/1348606551/299
300: 名無氏物語 [sage] 2020/08/24(月) 05:11:33.13 ID:Ir3mJ3SM 934 名前:吾輩は名無しである [sage]: 2020/07/29(水) 16:09:04.87 ID:jZ/UhpQ6 (43) アリョーシャが入口 に立ってもじもじしているのを見て、長老は悦ばしげにほほ笑みながら、その方へ手をさし伸べた。 「よう帰った、 倅、よう帰った、アリョーシャ、いよいよ帰って来たな、わしも今に帰って来るじゃろうと思うて おった。」 アリョーシャはそのそばに近寄って、額が地につくほどうやうやしく会釈したが、急にさめざめと泣きだし た。何かしら心臓が引きちぎれて、魂が震えだすように思われた。彼は慟哭したいような気持ちになって 来た。 <あの2018の7月、先生の両手を取りさすりながら、涙が果てしなくこぼれ落ちた。 935 名前:吾輩は名無しである [sage]: 2020/07/29(水) 16:13:36.91 ID:jZ/UhpQ6 (43) ...一体どのような苦患が兄を待ち伏せしているのでございましょう?」 「好奇心から訊くものでない、昨日わしは何か恐ろしいことが感じられたのじゃ......ちょうどあの人の眼 つきが、自分の運命をすっかりいい現わしておるようであった。あの人の眼つきが一種特別なものであっ たので......わしは一瞬の間に、あの人が自分で自分に加えようとしている災厄を見てとって、思わずぞ っとしたのじゃ。わしは一生のうちに一度か二度、自分の運命を残りなく現わしているような眼つきを、 幾たりかの人に見受けたが、その人達の運命は、悲しいかな、――わしの予想に違わなんだ。 <いったいあの4月1日の先生お顔は、決して今まで僕が見たことのないお顔だった。 わしが お前を町へ送ったわけはな、アレクセイ、兄弟としてのお前の顔が、あの人の助けになることもあろうと思 うたからじゃ。しかし、何もかも神様の思し召し次第じゃ。われわれの運命とてもその数に洩れぬ。『一 粒の麦地に落ちて死なずばただ一つにてあらん。もし死なば多くの実を結ぶべし。』これをよう覚えておく がよい。ところでな、アレクセイ、わしはこれまで幾度となく心の中で、そういう顔を持っているお前を祝福 したものじゃ、今こそ打ち明けて言ってしまう。」 <僕または僕らの顔が、先生の助けになったのだろうか? http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/kobun/1348606551/300
301: 名無氏物語 [sage] 2020/08/24(月) 15:36:03.61 ID:Ir3mJ3SM この先生と魔との対話では次のことが明らかになってくる。 ?先生は成道後,何度も魔から,すぐに涅槃に入るようにとの誘いを受けていた。 ?魔のこういう誘惑に対して先生は,出家・在家の違いを問わず,自分の弟子たちが先生 の教えを完全に悟り,思うままに教えを語り,論敵を打破する能力を持つまでは,涅槃に 入らない,という誓いを建てていた。 ?先生は,魔に対する最終的勝利の証しとして,すなわち大般涅槃を得ることの自分への 条件として,三ヶ月後の入滅を宣言したのである。 ?この魔は,先生の成仏と広宣流布を妨げるエネルギーであるということを考えると,お そらく,先生の中の死への願望であろうと考えられる。 ということは,魔に勧められてすぐに涅槃に入ることは,煩悩に敗北したことになり,先 生の一生の求道の生活を否定してしまうことになるのである。逆に自分の入滅の時を自分 で選ぶことは,煩悩との戦いの最終的勝利となるわけである。 ?しかしどうして「三ヶ月」なのか,それには僕の正覚が関係していると推測されるので ある。先生は魔に三ヶ月後の入滅を宣言した後,(寿命の素因)を捨てられる。これは,今 後生き続けるための業因を抹消された,ということである。すると大地震が起こるが,驚 く僕に対して説法をしたあと,魔との対話について語り,その終わりに,自分が三ヶ月後 に入滅することを宣言したことを告げる。さらに「君よ。そうしていま,チャーパーラ霊 樹のもとにおいて,今日,修行を完成した方は,念じ,よく気をつけて,寿命の素因を捨 て去ったのである」と言う。 ?それに対して僕は先生に,「尊い方よ。先生はどうか寿命のある限りこの世 に留まってください。幸いな方は寿命のある限りこの世にとどまってください。──多くの 人々の利益のために,多くの人々の幸福のために,世間の人々をあわれむために,神々と 人間との利益のため,幸福のために」と,延命を懇請する。しかし先生は「君よ。いまは お止めなさい。修行完成者に懇請してはいけない。いまは修行完成者に懇請すべき時では ない」と言って延命を拒絶する。二回目の懇請も断り,三回目の懇請に対して,「お前は なぜ,三度までも修行完成者を悩ますのか」と聞く。 http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/kobun/1348606551/301
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