第2回東方最萌トーナメント 44本目 (1000レス)
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656: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:42 ID:7a1PmOyE(1) AAS
何というか、今までこれ程興奮した試合は無かったよ。
勝ったリリーにも、奮戦したリグルにも、頑張った二人にはお疲れ様と
言ってあげたいところであります。
それはそうとインクが切れた(TAT)。

http://thm.just-size.net/up/src/thm20248.jpg
657: 優しさに抱かれて 2/9 [sage] 2005/02/25(金)23:42 ID:WLVBtONA(2/11) AAS
ゆっくりと瞳を開ける。
ぼんやりとした思考を、カーテン越しの日差しが活性化させる。
身を起こし、伸びと欠伸を同時にひとつ。目覚めは、悪くない。
カーテンを開けると、眩しい光が飛び込んでくる。日差しの強さを考えると、どうやらもう朝という時間帯ではないようだ。少し夜更かし

しすぎたかもしれない。かといって別に用事があるわけではないのだが。
それよりも、寒い。そろそろリリーホワイトが飛び回ろうかという季節だというのに、この冷え込みはどうしたものか。
身を震わせ、急いでいつもの服を身にまとう。元々生地の厚い服なので部屋着としては充分だが、外に出るならもう一枚羽織らないと辛い

かもしれない。
「おはよう、みんな」
ブランチの用意をしつつ、人形達に声をかける。それを合図に部屋のあちこちで眠っていた人形が目を醒ます。
露西亜人形達が散らかった机の上を片付け、上海人形は料理の手伝い。特に指示した覚えはないが、このあたりは人形達できちんと分担が

できているらしい。お陰で何をするにも人並み以上に早く済む。効率的だ。
「ふう・・・今日は何をしようかしらね」
トーストを頬張りながら終わってない作業があったか思い出す。
魔導書の書きとめは昨日済ませた。実験に必要な材料も充分。新しい人形も特に作る予定がない。本も大体読んでしまった。何より、今日

は少しアウトドアな気分だ。夢見が良かったからかもしれない。
「決めた、今日は外に出てみましょう」
当てがあるわけではない。もちろん冬の寒さが好きなわけでもない。とにかく気分だ。どこかの誰かと違って理論派を自称してはいるけど

、たまには気まぐれで行動したっていい。何より・・・
折角こしらえた冬用のコートを、着ないまま眠らせておくのは勿体無いじゃないか。
658: 優しさに抱かれて 3/9 [sage] 2005/02/25(金)23:43 ID:WLVBtONA(3/11) AAS
「ん〜・・・なかなか清々しいわね」
歩き慣れた魔法の森を散策する。森の木々は日光を遮るが、眩しさを感じない程度の明るさが私には丁度心地よい。それに、葉の間から覗

く木漏れ日はとても綺麗だ。
家に篭っていては見られないものが色々ある。雪解け水で澄んだ小川に泉。芽吹く新芽。冬眠から目覚め始めた動物達。
こうして感性を養うのもいいかもしれない。魔法や読書だけに熱中して粗忽な魔女になるのは御免だった。
ついでに自称都会派魔法使いとしては人気のある場所にちょっかいを出しに行くのもいいかもしれない。ここにはないものもたくさんある

だろう。主には人間とか。
ここには殆ど人間なんていない。物好きな黒白の魔法使いとか、後は視界を横切る誰かくらいで・・・
「・・・・・・・・・ん?」
ふと我に返る。今私は何を考えていたか・・・と、間違いない。さっき誰かが視界を横切ったのだ。
魔理沙ではない。あの特徴のある帽子は被っていなかった。それに森を根城にする妖怪にも見えない。そうすると・・・外からの来訪者か?
気になる。追いかけない理由はない。
軽やかに駆け出し、相手の行く手へと先回りすることにした。
木の陰に隠れ、そっと来訪者を伺う。そして少し・・・いや、結構驚いた。
子供だ。人間の女の子がとぼとぼと独りで魔法の森を歩いている。歳は・・・五、六歳だろうか。あまり見慣れない服装をしている。
前言撤回。どこをどう考えてもこんな子供が独りで魔法の森を訪れるはずがない。ここを訪ねてくるのは魔法に縁のあるものか、私や魔理

沙に縁のある厄介な知り合いが殆どなのだから。
「もしもし、お嬢さん?」
コンコン、と木をノック代わりに叩いて呼びかける。びくっとして振り返った瞳は、きょろっと大きく見開かれていた。
「ここは魔法の森よ。入っちゃいけないって教わらなかった?」
魔法の森は私達にとっては住処だが、その他多くの人間、妖怪にとっては迷いの森と言える場所だ。入ったが最後、もう外には出られない

・・・などということもありえる。当然近隣の大人は子供にも厳しく危険性を教え込んでいるはずなのだが・・・。
にも関わらず目の前の子供は全く警戒する様子がない。もしや頭の弱い子か・・・と、その時ひとつの可能性に思い至る。
659: 優しさに抱かれて 4/9 [sage] 2005/02/25(金)23:43 ID:WLVBtONA(4/11) AAS
「ねえ、あなたどこから来たの?」
「?」
「お家よ。どこか分かる?」
女の子はふと考え込み、そして背後を指差した。違う、それは元来た道であって多分家の方向ではない。
「えーっと・・・この森に来るまで、何をしていたの?」
子供ならではの理解の遅さが苛立たしい。できるだけ相手に合わせつつ、こちらの意図する返答が得られるよう質問を考えなければならな

かった。
「トモくんと遊んでたの」
「何処で?」
「公園」
トモくん、というのは遊び仲間だろう。そして公園で一緒に遊んでいた。
「それで、遊んでたらいつの間にか森にいたの?」
首を振る。
「お家帰ろうと思ってね、道路歩いてたらね、えっと・・・変なのがあってね」
変なの、と聞き眉をひそめる。具体性は全くなかったが、大体それが何なのか見当がついた。
「その変なのに近寄ったのね?」
「うん」
「そうしたらここを歩いてた、と」
頷く。
間違いない。この子は神隠しに遭ったのだ。どうやらあの隙間妖怪が余計な仕事をひとつしてくれたらしい。よりにもよってこんなところ

に放り出さなくてもいいのに。
ため息をつく。どうしたものだろう。
放っておけばきっとこのまま森で迷って飢え死にだろう。運良く森を出ることができたとして、ここはこの子の知る世界ではない。妖怪が

跋扈し人間を付け狙う幻想郷で、幼子がひとり生きていけるはずはない。
つまり・・・私が見捨てたら、それはこの子の死を意味すると。
・・・それはなかなか気分が悪い。
困り果てていると、視線を感じる。じーっと、女の子が私の顔を直視しているのだ。
「ママは?」
「え?」
「ママ、どこ?」
・・・参った。いい歳した大人ならともかく、こんな子供を見捨てたのでは私が悪党みたいではないか。
「はあ・・・分かったわよ。どうにかしてあげるから。感謝してよね、偶然私がアウトドアを楽しんでなかったら野垂れ死に確定だったのよ


「?」
「・・・やっぱりいいわ。あなた、お名前は?」
「美香」
「ミカね。ミカ、とにかく着いていらっしゃい」
ミカがぱっと顔を輝かせて私の手を握る。きっとこの子は今の状況なんて欠片も理解していないだろう。それでも、私が自分を助けようと

していることだけはしっかり理解したに違いなかった。
内心もうひとつため息をつきつつ、私はミカを連れて歩き出した。
660: 優しさに抱かれて 5/9 [sage] 2005/02/25(金)23:43 ID:WLVBtONA(5/11) AAS
まず第一に困ったのは、ミカの歩みの遅さだった。
私が大股というわけではない。極めて優雅に、かつ軽やかな足取りで歩いているつもりである。
しかしミカはとにかく遅い。いつものろのろとカタツムリが這うような速度で歩き、急かすとちょっとだけ小走りになるもののすぐまた元

に戻る。しかも手を離そうとしないものだから、私がミカに合わせてやる必要があった。
第二に、ミカが私の顔ばっかり注視していることである。
時折物珍しそうに周囲を見回すものの、基本的に私の顔から視線を外さない。別にだからどうということはないのだが、何だか居心地が悪

い。
もしかしたら心落ち着くお話でも聞かせてあげれば満足してくれるのかもしれないが、生憎私が覚えているのは魔導書の内容ばかりである

。そんなものを聞いて喜ぶ幼児はいないだろう。
結局ふたりして押し黙ったままとぼとぼと歩くしかないのだった。
「まずいわね・・・そろそろ陽が暮れる」
私ひとりのペースで歩けば森の外くらいには出られたはずなのに・・・見積もりが甘かった。
夜の森を歩くのはまずい。眠っていた妖怪達が起き出し、悪意ある森の妖精がざわめく時間。ましてやここは魔法の森なのだ。危険度は普

通の森とは比べ物にならない。
私はその程度の相手に屈するほど弱くはないが、人間の子供を連れていては不覚を取ることもあるかもしれない。何としてでも森の脱出だ

けは日没までに済ませなければならなかった。
「もう歩けない」
「・・・本気?」
一瞬耳を疑う発言に思わず問い返す。即座に頷いて、ミカはその場に座り込んでしまう。
最悪だった。
「もう少しだから、森を抜けるまでは歩いて頂戴」
「や」
「ねえ、いい子だから・・・」
「やぁー!」
駄々をこねる子供にはかなわない。そんな言葉を思い出したが、本当にてこでも動きそうになかった。
かく言う私の忍耐も限界が近い。そもそもなけなしの親切心で助けてやろうと思っているのにこの態度はなんだ。これじゃ見捨てられたっ

て文句は言えない。いっそ本当に・・・。
いや。頭を振って冷静さを取り戻す。私はそんな短気ではないはずだ。子供相手に本気になってどうする。
「それじゃ、少し休んだらまた歩くのよ」
「うん」
木の幹にもたれ掛かり休憩を取る。腰を下ろして気がついたが、少し足が痛い。思えば昼過ぎからずっと歩き続けていたのだ。運動不足気

味とはいえ私が辛いのだから、ミカは結構我慢していたのではないかと、ふと思った。
「くしゅん」
隣から聞こえる小さなくしゃみ。見るとミカは小さく縮こまり、素足を抱えて寒そうにしていた。
「こんな季節にそんな格好じゃ寒いに決まってるでしょ・・・今度からはちゃんと着込んで遊びに出かけなさい」
仕方なく、私のコートを貸してやる。ミカはそれを嬉しそうに受け取り、頭からすっぽり被ってしまった。随分暖かそうだけど、むしろコ

ートを貸してしまった私は寒い一方だった。
私は何をやってるんだろう。
こんなことをやっても何の得にもなりはしないのに。我侭に付き合って、歩調も合わせて、挙句寒い思いをしてコートまで貸してしまって


正直無駄なことは好きじゃない。幾ら気まぐれで散歩に出かけるとしても、行動の基本は合理的であるべきなのだ。
結局ミカを助けたとしても何か対価を貰えるわけでもない。見捨てたとしたって少々気分が悪いだけで、果たしてそれは暖かいベッドや空

腹を我慢してまでしなければいけないことなのだろうか。
661: 優しさに抱かれて 6/9 [sage] 2005/02/25(金)23:44 ID:WLVBtONA(6/11) AAS
うふふふ・・・

はっと顔を上げる。今笑い声が聞こえた。
「・・・何かいるよ」
ミカが不安そうに私にしがみつく。空耳ではない、確かに誰かが今笑った。
その考えを肯定するように、段々と大きく、広く、様々な笑い声が響きだす。
忍び笑い、大笑い、くすくす、けたけた、森全体が笑うかのように私達の周囲を取り囲む。
私としたことが、またもやしくじったのだ。昼間私がミカを連れて歩いているのを、悪戯妖精が妖怪達に知らせて周ったのだろう。
小さな幼子の肉は妖怪にとって極上のご馳走。噂を聞きつけた近隣の妖怪どもが大挙して現れたのだ。
こんなことならばもっと周囲に気を配っておけばよかった。
私らしくもない、後手に回って計算を崩されてばかりだ。それもこれもミカのせいで・・・いや、そんなことを言っている場合ではない。何

とかして切り抜けなければならなかった。
「やぁあー!!怖い、怖い!」
妖怪の脅かしに怯え、半狂乱で私にしがみつくミカ。最悪多数の妖怪相手に戦わなければならない状況では邪魔だったが、ここで振り払っ

てしまったら何をしでかすか分からない。
けれど。
ここでミカを放っておけば私は自由だ。妖怪達はミカを喰らえば満足して帰っていくだろうし、私も自宅は少々遠いにしても魔理沙の家く

らいなら立ち寄って夜を過ごすことができる。幾ら魔理沙とはいえ、夜中に現れた知人を追い出すことはないだろう。
そもそも人間を助けるなんて妖怪らしくない。人間を食べるのは私の趣味ではないが、わざわざ助ける必要性なんてなかったのだ。ここで

ミカを差し出すのは最も合理的で、最も妖怪らしい。
そうだ、私は何をやっていたんだろう・・・。
「怖いよ、ママ!ママぁ!!」
お母さん。
ミカの叫びに、無意識のうちに呟きが漏れる。
お母さん。
今朝の夢。暖かくて、優しくて、私を護ってくれたお母さん。
私は立ち上がり、周囲の妖怪達に向けて声を張り上げた。
「下賎な妖怪達、よく聞きなさい!この子はアリス・マーガトロイドが護るわ。手加減はしない、命知らずの大馬鹿者がいるならかかって

らっしゃい!」
私の声が森に響き、対照的に妖怪達のざわめきが静まっていく。
一種の賭けだった。もしまかり間違って半端に強い妖怪や知性の低い妖怪がいればそのまま押し寄せてくるかもしれない。一匹や二匹なら

ともかく、これだけの数に襲われればミカを守り通すのは絶望的だ。
私との実力差を理解し、命懸けの大博打を打つ馬鹿がいないことを祈るしかなかった。
662: 優しさに抱かれて 7/9 [sage] 2005/02/25(金)23:44 ID:WLVBtONA(7/11) AAS
やがて、気配が薄らいでいく。ぽつぽつと妖気が消え、しばらく経った頃には完全に周囲は静まり返っていた。
「・・・もう、大丈夫よ」
賭けは成功だ。安堵の息をつき、再び腰を下ろす。が、ミカは掴んだ腕を放してはくれなかった。
「ほら、もう怖いやつらはいないわ。だから、ね?」
それでもミカは泣きべそをかいたまま、私から離れない。身体は強張り、とても休める様子ではない。
「うーん・・・・・・・・・あ。ねえミカ、ちょっと見て」
ひとつ閃いた私は、隠していた上海人形を取り出し、草の上に寝かせる。そして私が指を鳴らすと、邪魔にならないよう眠っていた上海人

形が目を醒まし、起き上がる。
それを見たミカの瞳に、好奇の光が灯る。
「この子は上海人形って言うのよ。よろしくねミカ」
とことこと歩み寄った上海人形が手を差し出し、握手を求める。ミカはおずおずと上海人形の手を取り、ゆっくり握手した。
歩き、飛び、舞う上海人形と戯れるミカ。そこにはもう恐怖の色はない。
こんな生き方をしていたせいだろうか、すっかり忘れていた。人形劇は、子供を楽しませるためにこそ上演されるものなのだ。

しばらく遊んでいたミカは、やがて疲れが出たのか眠ってしまった。頃合と見た私は上海人形を戻し、ミカを背負って再び歩き始めた。
「本当、子供って手がかかるのね」
苦笑交じりに呟く。我侭で、怖がりで、言うことを聞かなくて。でも護りたいと思う。
今、この背にある重みがそのまま命の重さなのだと、私は実感していた。
魔法の森を抜ける。森全体にかかった迷いの制約に縛られることはもうない。
ミカが熟睡しているのを確認した私は、そのまま空へと飛び出した。
向かう先は、博麗神社。
663: 優しさに抱かれて 8/9 [sage] 2005/02/25(金)23:45 ID:WLVBtONA(8/11) AAS
「霊夢、霊夢・・・起きて、霊夢」
「うるさいわねぇ・・・安眠妨害するのは誰よ?」
ミカの眠りを妨げないよう、静かに呼びかける。安眠妨害と言いながらすぐ出てくるあたり、霊夢もまだ寝てはいなかったのだろう。
「・・・アリス、とうとう人攫いになった?」
「違う。隙間妖怪の神隠しに遭った子を保護したのよ」
「・・・へえ」
霊夢が意外そうに呟く。それは仕方ない。私だって意外なんだから。
「隙間妖怪に頼んで元の世界に帰してあげようと思ってるんだけど、手伝ってくれないかしら。あいつどこにいるか分からなくて」
「えー。私だって知らないわよそんなの」
「お願い」
そう言って、頭を下げる。面食らっている様子が、気配で分かる。
「仕方ないわねえ・・・いいけど今は寝る時間よ。また明日ね」
「泊まっていっていいのかしら?」
「あんただけなら追い返すけど、その子背負ってるから許可」
理由のつけ方がいかにも霊夢らしい。本当に私ひとりだったら追い返されていただろうか?
「ほら、その子はこっちに寝かせて。あんたはあっち」
「ええ」
霊夢が三人分の布団を敷いてくれるのを待って、私はミカを布団に寝かせようとする。
・・・が、また離してくれない。
「・・・ま、いっか。このまま一緒に寝るわ」
「ご苦労ねえ・・・」
ひとり分布団敷いたのが無駄になったとか言いながら、霊夢が布団に潜り込む。私も、ミカと一緒の布団で眠ることになった。
ミカの顔が目の前にある。安心しきって、可愛らしい寝顔だった。
密着しっぱなしなのは少し苦しいけれど、何だか可笑しくて微笑みが漏れる。
「ママ・・・・・・・・・」
起こしてしまっただろうか。息を殺して静かにミカの顔を見ると、変わらずすやすやと眠っている。寝言のようだ。
「・・・お母さんの夢、見ているのね。やっぱり寂しいのかな」
「・・・そうかしら?」
すっかり眠っていると思っていた霊夢が、首だけこちらに向けて言う。
「私には、アリスをお母さんだと思って夢見てるように思えるんだけど」
「・・・私が?お母さん?」
まさか、と一笑しようと思って・・・やめる。
ミカがもう一度ママ、と呟き私の胸に顔を寄せる。
・・・今日だけは、私がミカのお母さんでもいいかもしれない。
664: 優しさに抱かれて 9/9 [sage] 2005/02/25(金)23:45 ID:WLVBtONA(9/11) AAS
次の日、私と霊夢は紫を探そうと思いどこを当たるか相談していた。
・・・が。
「あらあら〜、あなたいつの間に子持ち妖怪になったのかしら?」
「・・・誰かさんのせいでね」
きっとずっと見ていたに違いないのだ、この隙間妖怪は。いつからかは知らないが、私が困る様子を見て笑っていたのだろう。
「ともかく、話が早いわ。ミカを元の世界に戻してあげて頂戴。じゃなきゃ私と霊夢があんたを懲らしめるわよ」
「そんなことしなくても、そのくらいお安い御用ですわ。対価は充分に頂きましたし」
そう言って、扇子で口元を隠し笑う。やっぱり、間違いない。
内心憤慨していたが、ミカの前で弾幕ごっこを始めるわけにもいかない。この気まぐれ妖怪が気を変えないうちに、ミカを帰してやらなけ

ればならなかった。
「それじゃ、ミカ・・・お別れね。これであなたもお家に帰れるわ」
頷くミカ。
「紫」
「ええ」
紫が扇子で空中に線を描くと、そこに黒い隙間が現れる。この向こうは、ミカが元住んでいた世界に繋がっているはずだった。
「この向こうに行けばあなたのお家よ・・・さあ」
ミカの背を押してやる。すると昨日と同じようにとぼとぼと歩き出し・・・途中でこちらに向き直り、私に飛びついてきた。
「ミカ・・・?」
「・・・ありがとう、アリスママ」
ぎゅっと私を抱きしめて、とびっきりの笑顔を見せると・・・後はもう振り返ることなく隙間へと飛び込んでいった。
「・・・・・・・・・」
余韻とでも言えばよいのだろうか。少しだけ、ミカの温もりが身体に残っている気がした。
「それでは私はお役御免。また来ますわ」
声を聞き振り返ると、もうそこに紫の姿はなかった。充分堪能したということだろうか。
「・・・で、結局私は何だったわけ?」
ひとり、霊夢だけが困ったように頭を掻いていた。
「ふう・・・私も、帰ろうかしら」
「もう帰るの?あんな辛気臭い森に積極的に帰ろうっていう気持ちは理解できないわ」
「いえ」
つまらなさそうに言う霊夢に、微笑みかける。
「・・・魔界にね、久しぶりに帰ってみようかと思うの」
霊夢がぴたっと動きを止めて私の表情を伺う。そしてふーんと頷くと、至極真面目な顔で言った。
「ま、たまには親孝行してきなさいよ。ただし、何かお土産必須」
流石、霊夢だ。
「何かあればね・・・それじゃ、行ってきます」
「はいはい、行ってらっしゃいな」
早く行けと手を振る霊夢に見送られ、飛び立つ。
・・・帰ったら、何て言おう。長く空けて心配かけましたとか、空けた間に何かありましたかとか・・・。
いや、やっぱり最初はこうだ。

ただいま、お母さん。

End
665: EXAM【また撫でてね。1】 (iabfOabA) [sage] 2005/02/25(金)23:47 ID:7eVAkftQ(1/3) AAS
観客席は周りが煩い。
あいつの所だと、あいつ自身が煩いだろうし、
さて、お土産も持ってきたし、大丈夫でしょう。
コンコン、
あの子の部屋のドアをノックする。
「はーい、どうぞ〜」
なんとも気の抜けた声だ。
ガチャ、
「あ、霊夢〜」
おわ、着替え中だったのね・・
って、なんで入室を許可するのよこの子は
「ルーミア、少しお邪魔してていいかしら?」
「うん、いいよ〜。」
もぞもぞと、真新しい衣装に着替えながら返事が返ってくる。
「あ、いい匂い!、霊夢、それなに?」
やっぱり気がついたわね
「あぁ、これ?
肉まんよ。
お茶を煎れてくれたらあげるわよ?」
「あ、うん、すぐ煎れるからまってて。」
着替え終わって、嬉しそうにお茶の準備をしてくれる。
「あ、ゆっくりでいいわよ。
それにしても、白い服って珍しいわね。」
白のパーティドレス。
フリルが多目の可愛らしい感じね、
頭には、いつものリボンと対になるように反対側にも似たようなリボンを結んでいる。
少し子供っぽいけど、ルーミアにはお似合いかも。
まぁ、実際お子様だしね。
「えへへ、こういう楽しい時用の服なんだよ?
似合う?」
「まぁ、馬子にも衣装ね。」
「わーい、霊夢に褒められた〜」
嬉々として湯呑みを出してくれる。
いや、ルーミア、褒めてないわよ?
と突っ込みたくなったけど、まぁいいか。
「あ、はい、肉まん。」
お土産兼、おやつとして持ってきたものだ。
実は通常のサイズよりも大きかったりする。
あ、まだ温かいわね。
ルーミアに手渡してあげる。
「わぁ〜・・食べていい?」
「食べ物を食べずにどうするつもり?」
「いただきまーす、あむ、あふ、はふ、もぐもぐ、」
ふふ、思ったより中は熱いようね
私も一口食べる。
お、思ったより美味しいわね
「おいし〜」
「ほんと、中々ね。」
「もぐもぐ、そういえば、なんで私の控え室なんてきたの?
霊夢はアリスと仲良いんでしょ?」
「んー、アリスねぇ・・・
仲は悪くは無いけど、顔見せるたびに煩いのよね・・」
「ふーん、そーなのかー・・・えへへ、」
突然、ルーミアが嬉しそうにはにかむ。
「もぐ、・・どうしたの?」
「なんかね、みんなアリス応援してるけど、霊夢が来てくれて嬉しいなって」
「・・・食べれるから、とか言わないでしょうね?」
ズズズ、とルーミアの煎れてくれたお茶をすする。
あら、ぬるいわね・・・
「ううん、言わないよ・・・って、私がいつもお腹空かせてるみたいじゃない」
666: lunarkami [sage] 2005/02/25(金)23:47 ID:WLVBtONA(10/11) AAS
ちょっと早いかなあ・・・と思いつつアリスの先行支援です。
優しさに抱かれて、lunarkami作

えーっと、珍しく魔理沙が出ない作品になりましたとさ。ちょっと意図的に作風変えてみました。
いつもと比べるとちょっと難産の作品になりましたが・・・
こういうアリスもいいなあ、と思ってもらえると幸いです。

全文です
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm3855.txt
667: EXAM【また撫でてね。2】 (iabfOabA) [sage] 2005/02/25(金)23:48 ID:7eVAkftQ(2/3) AAS
「あ、それよりルーミア、」
「なぁに?」
「お茶がぬるいわよ。
お茶の適温しらないの?」
「ぅ・・ごめん・・」
「まぁいいわ、私が特別に煎れてあげる。」
そう言って、自分の湯呑みを持って立ち上がり、流しの方に行こうとした時、
ガツッ
私にしては珍しく、足を引っ掛けてしまった。
「アッ」
「ぅ?」
一瞬だった。
私はよろけながらも、なんとか踏ん張るが、
私の持った湯呑みはルーミアに向かって宙を舞う。
「キャアッ!?」
ガタッ、ドンッ、バシャァア!、ゴト・・
湯呑みを避けようと、体を捻るが、それが仇となって椅子から崩れ落ちてしまう。
殆ど残っていた中身は全部ルーミアに降り注いでいた。
・・・・・一瞬の静寂
「ご、ごめんなさい、大丈夫?」
私はすぐさまルーミアの様子を見る。
「あ・・・・・ぅッ・・っく・・ぅ・・」
泣いていた。
床に仰向けになって、
両手で溢れる涙を拭いながら、
嗚咽を漏らしていた。
「ちょっと、どこか打ったの?痛い場所は?」
すぐ傍によって私は心配する。
もうすぐ時間だというのに・・・怪我でもしたら、私の責任だ・・・
「ひく、・・ぃたく、ない・・・ぐしゅ、ぅうう、」
その時、濡れて汚れてしまった彼女の衣装と、床に転がった半分の肉まんが目に入った。
あ・・
「ぁ・・ご、ごめんなさい・・」
「れ、むの・・っく、せいじゃ、ない、ひっく・・
せっかく、の、ひっく、にくま、ん、・・ごめ、なさぃ、ぐしゅ、」
私のせいじゃないって?
それに、肉まんを落として泣いているんじゃないみたいだし・・
じゃあ、何が・・・悲しいの?
「どう、せ、・・負ける・・ヒック、けど、グスッ」
今日の試合のこと・・・?
「み、んなに、・ひっく、見せ・・たかった・・のに・・ぐすッ、汚しちゃ、た・・ふえぇぇん、」
そっか・・・彼女の周囲はいつも夜。
夜に動く妖怪たちは、誰も見向きもしない。
だって、意味が無いから。
人間たちは夜は眠りに着くから、誰も彼女を知らない。
だって見ることが無いから。
特別な日だから、お祭りだから、みんなに見てもらおう、知ってもらおうと、
この子は頑張ってたのね・・
668: EXAM【また撫でてね。3】 (iabfOabA) [sage] 2005/02/25(金)23:48 ID:7eVAkftQ(3/3) AAS
私は泣きじゃくるルーミアの頭をやさしく撫でてあげる。
「うぇぇええぇ、ひっく、ぐしゅ、れいむ・・?ひっく、」
「大丈夫、私は見てあげたでしょ?」
「・・・でも、」
「よく聞きなさい、」
「ぅう?」
擦りすぎで真っ赤になった目で私を見つめる。
「不本意ながらも、私の周りには必ず誰かがよってくるわ。
特に妖怪。」
ルーミアはキョトンとしている。
「つまり、いつでも、その格好で私の近く、例えば、神社にでもこれば
集まってる奴らにでも見せれるでしょ?」
「・・・ぁ・・・」
やっと判ったみたいね。
私は布巾を取ってくると、ルーミアを起こして拭いてあげる。
「あ・・・ありがと・・・ありがとね・・れいむ・・ぅぅう、」
またもや泣き出す。
「ほら、泣かないの、私の肉まん半分あげるから、ね?」
肉まんを受け取ると、それを口に含む。
「ぐしゅ、もぐもぐ、うん・・・」
やっと泣き止んでくれた。
「ほら、着替えないと時間無いわよ?
それに風邪をひくわ。」
「霊夢、手伝ってくれる?」
まぁ、私のせいでもあるし、ね
「仕方ないわね、5分で済ませるわよ」

===少女着替え中&手伝い中===

宣言どおり、私はルーミアの着替えを5分で済ませた。
ただ、着替えの最中、
ブラウスの下に何もつけてないとか、
靴下を座っていないと履けないとか、
ドロワースを着用していないとか、
ルーミアの非常識な所が判明した。
空とんでるんだから、せめドロワースは穿きなさいよ・・・
まぁ、今はつっこんでる暇は無い。
「ルーミア、汚しちゃってごめんね。」
「うぅん、仕方ないよ、事故なんだから・・・
あ、そうだ、終わったら、アレやってくれたら許してあげる。」
「・・・アレ?」
「うん、アレ〜」
そういって、私に耳打ちする。
あぁ、ソレね・・・まぁいいか、
「うん、わかった。
それじゃ、がんばってらっしゃい」
「うん、いってくるね〜」
元気良く手を振って会場に向かう通路に消えた。
「・・・また撫でてね。か・・・」

んー、懐かれちゃったみたいね・・・
でも、嫌な感じはしないし、まぁ、いいか・・

おしまい。
669: lunarkami 解説を代行する程度の能力 [sage] 2005/02/25(金)23:50 ID:WLVBtONA(11/11) AAS
えー、アリス支援しといてなんですが何やら解説代行頼まれたので代わりにやります。
あやつめorz

2月26日、三回戦第七試合はルーミアvsアリス・マーガトロイド

ルーミアは二回戦にて旧作キャラクター最後の砦である幽香を打ち破って勝ち上がってきました。
Win版東方では最も最初に出会うボスキャラクターであることや、数々の名台詞がみんなに愛され、親しまれてきたようです。
そーなのかーは東方流行語大賞になったんでしたよね。

対してアリスは一回戦でパチュリー、二回戦で霊夢という共に強豪であるキャラクター相手に勝利を収めてきました。
現在最も勢いの乗ったキャラクターのひとりと言ってもよく、既に列強の仲間入りを果たしているのは確かなようです。

比較するならば、人気投票、勢いともにアリス有利。
しかし、最萌に潜む悪魔はそうそう油断を許してはくれません。
アリスが強者の道を行くのか、ルーミアが足元をさらい下馬評を跳ね除けるのか。
間もなく試合開始です。
670: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:50 ID:ge8UQJqc(1) AAS
今のところ第二回で開始から三時間以降に逆転してるのはリグルだけ。
他は三時間以降(ほぼスタートから)そのまま。
次は蟲の業を解き放って全戦逆転で優勝だ!
671: 『一緒に行こう』1/2 [sage] 2005/02/25(金)23:51 ID:amMUBnTk(1/3) AAS
(今日の相手はルーミアかぁ……)
 既に3回戦にもなっているお祭りの控え室に向かうアリス。
 最初は多くの参加者がごった返していた廊下も、徐々に歩きやすくなってしまった。

「よう」
 今日の試合での戦術を考えていたアリスを呼ぶ、聞き慣れた声がする。
 もう居ないはずの声に驚きながら声の主を見ると、控え室の傍の壁にもたれ掛かっている魔理沙の姿があった。
「あら魔理沙、相変わらず暇そうね」
「暇で悪かったな、折角応援しに来てやったって言うのに」
「……それはどうも。でも、相手が違うんじゃない?」
「なんだ?私はルーミア側なのか?」
 そうだったのかー、などとブツブツ言っている魔理沙に構わず、アリスは控え室に入ろうとする。
「って……おい!」
 と、魔理沙が慌ててアリスの前に立つ。
「いきなりな態度じゃないか。今日はお前の応援だぜ」
「もう……、私は試合に専念したいの」
 前回の霊夢との試合ではただ、お祭りを楽しんでいただけだったアリスだが、
 もう今は負けられない理由が出来てしまったのだ。
「何をそんなに怒ってるんだ?」
「別に怒ってなんていないわ」
「ちょっと落ち着けよ、まるで私と戦ってるみたいじゃないか」
(私が魔理沙と……?)

「……私はルーミアに勝って次へ進む」
「…………」
 訝しげな顔をしている魔理沙の横を抜けながら。
「その次は亡霊かあの悪魔の妹ね」
「お前……」
 負けられない。
「魔理沙の贔屓の妹君に伝えて、ちゃんと上がってくるようにって」
 魔理沙とフランドール・スカーレットとの試合は、誰の目にも楽しそうな試合だった。
 終始互角でありながら必死になるでもなく、まるで二人で踊っているかのようだった。
 それに……。
「あの子とはいずれやり合わなければならないと思ってたの」
「…………」
 僅差でフランドールの勝利に終わった先の試合。
 アリスの脳裏に焼き付いているのは、決着後に抱き合っていた二人の姿。
 泣きながら魔理沙に飛び付いていたフランドールと、それを優しくあやす魔理沙。
「絶対に負けないからって伝えて」

「……ぷっ」
 声高に宣言するアリスを見て、魔理沙の口から空気が漏れる。
「くっ……はっ、ははははっ!!」
「な、何よ!」
 いきなり笑い出す魔理沙。
「はっ、アリスッ……やっぱりお前は面白いぜ」
「何よ、何が言いたいのよ!」
672: 『一緒に行こう』2/2 [sage] 2005/02/25(金)23:51 ID:amMUBnTk(2/3) AAS
 訳が分からないアリスは、笑い声から逃げるように控え室のドアへ手を伸ばすが、伸びた腕を魔理沙が掴む。
「っ、随分と……可愛いらしいことを言うじゃないか」
 ビクッ。
 予想外の接近にアリスの鼓動が跳ね上がる。
「ちょっ、魔理沙!?」
 アリスの腕を掴んだのとは反対の腕で魔理沙が控え室のドアを開き、アリスを引っ張るように部屋の中へと入っていく。

「ちょっと入るぜ」
 部屋に入ると魔理沙は、掴んでいたアリスの腕を放して、部屋の奥の窓の方へと歩いていく。
「ぁ……」
 突然の事に混乱していたアリスだが、離れていく手を名残惜しそうに目で追う。
 だが、そうしている自分に気付き、雑念を払うように慌てて首を左右に振る。
「アリス」
「っ、急に何よ!」
「心配するな。フランは妹みたいなもんだ」
 いつの間にか窓に背を向けていた魔理沙と目が合う。
「……べ、別に心配なんて」
 恥ずかしくなって少しだけ目を逸らせたアリスは、魔理沙の背後に夜空を見た。
(星……)
 普通の魔法使い・霧雨魔理沙は星の魔法を好んで使う。
 それはまるで彼女の存在を表しているかのように輝き、光を放つ。
 例えアリスの気分が暗く沈んでいても、その光は失われず、アリスの心にはっきりと存在し続ける。

「アリス、こいつを持っていけ」
「え?」
 魔理沙が自身の髪に手を伸ばす。
 掴むのは帽子ではなく、長い髪に結んであるリボンだ。
 スッ。
 あっという間にリボンは解け、そのまま梳き上げた魔理沙の長い髪がきらきらと広がる。
「ちょっ、リボンなんか解いてどうするのよ」
「人前で髪を流すのは久しぶりなんだが、鬱陶しいか?」
 そんな事を言いながら魔理沙がアリスの正面まで歩いてくる。
「わ、私にはリボンを結ぶほど長い髪はないわ」
「ならポケットにでも入れておいてくれ」
 強引にアリスの手にリボンが握らされる。
「私の番はもう終わってしまったが、お前と一緒に参加している気分になるのも悪くなさそうだ」
「魔理沙……」
「優勝する役、任せたぜ」
 満面の笑みを浮かべる魔理沙。
 それを見たアリスは、手に持ったリボンを自分の左腕の手首あたりに結びつける。
「……ありがと。ついでだから付けて行く事にするわ」
「はは、似合ってるぜ。頑張れよ、アリス」

 少女が光を手に歩き出す。
 弾幕はパワーだと言ったこの光と一緒なら、この先どんな壁があっても壊していける。
 さぁ行こう、まずは目の前の一枚からだ。

 ―――アリス・マーガトロイド 入場。
673: ふぃん [sage] 2005/02/25(金)23:51 ID:amMUBnTk(3/3) AAS
と言うわけでアリス入場SSでした。
まだ始まってないので投票は後ほど〜。

テキスト版はこちら↓
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm3859.txt
674: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:52 ID:GhCuU4k2(2/2) AAS
わたしたち
わたしたち
このひを どんなに
このひを どんなに
まちのぞんで いたことでしょう。
さあ いのりましょう。
さあ いのりましょう。
ときは きたれり。
いまこそ めざめるとき。
おおぞらは おまえのもの。 たかく まいあがれ!
よいやみの ようかいルーミアは よみがえりました。
ルーミアは やみのしもべ。
こころ ただしきものだけが
そのせなかに のれるそうです。
675: リングアナウンスをする程度の能力 [sage] 2005/02/25(金)23:55 ID:K5qFjTss(1) AAS
三回戦も今夜を含めて残すところあと二戦!
もはや試合の結果は誰にも分からない・・・!

三回戦第七試合!

青コーナー!
笑顔が可愛い元祖食いしん坊!
そのちょっとお馬鹿な感じがもうたまらない!
金髪と幼い容姿もツボを突く!
妄想設定EX化を生かし燃えの方もばっちりカバー!
さぁ今こそ!その赤く映えるリボンを解き放つとき!
宵闇の妖怪 ルーミア!

赤コーナー!
霊夢との因縁も果たし気合十分!
ロリータファッションが似合う魔法使い!?
普段はツンツンでも本当は寂しがりや!
素直になれない可愛い優等生!
人はコレをツンデレと呼ぶ!
七色の人形遣い アリス・マーガトロイド !

投票は五分後!
676: 誤爆防止age [age] 2005/02/25(金)23:56 ID:f6FdH.3Q(1) AAS
AA省
677: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:57 ID:NCm02M5c(1) AAS
AA省
678: (HtnecUB6) [sage] 2005/02/25(金)23:57 ID:Ay8qYw7o(2/3) AAS
 暗い通路の、奥。
通路の向こうに微かに見える明かりの方向からは、
開戦を待ちわびる観客の喧騒が聞こえてくる。
これからまさに戦いに挑まんとしている、七色の人形使いこと
アリス・マーガトロイドは、ステージを見やって、ふぅっ、と一つ息をついた。

「どうした?辛気臭い顔して」
聞こえてきた、嫌というほど聞き慣れた声に、顔すら向けずに応じる。
「辛気臭い顔なんてしてないわ。むしろあんたがいつも能天気過ぎるのよ」
「一応、私はそんなに能天気じゃないつもりなんだがな。霊夢よりは」
「ちょっと魔理沙、それはどういう意味よ」
聞こえてきた、これまた聞き慣れたもう一つの声。
ここに至ってようやくアリスも顔を向ける。
見知った巫女と魔法使いの姿が、そこにあった。
「言葉通りだぜ。
 で、アリス。随分と緊張してるみたいだが」
「そりゃまぁ、ね。前回は最初で負けちゃったのが、今回はもう3戦目。
 ここで勝てばベスト8だもの、緊張もするわよ。
 ……こういうときばかりは、あんたの神経の図太さが羨ましいわ」
「失礼な、私はこう見えて繊細な乙女心の持ち主だぜ?」
「あんたのどこが繊細な乙女なのよ……」
とほほ、といった感じで苦笑するアリス。
と、霊夢が口を挟む。
「まぁまぁ、でも、こうやって喋ってたらちょっとは楽になったでしょ?」
「ん……まぁ、ね」
「私とやったときみたく、自信を持ってやってくればいいの。
 結果なんて、後からついてくるものなんだから。
 正直言って、今のあんたなら普通にやれば誰にも負けないわよ。
 それはあんたとやった私が、一番良く知ってる」
「……ありがと、霊夢」

 と、ステージの方からアナウンスの試合前口上が聞こえてきた。
「あ、そろそろ始まるみたいね。それじゃ行ってくるわ、霊夢、魔理沙」
「おう、せめて応援くらいはしてやるぜ」
「客席で、見てるからね」
2人に見送られ、上海人形とともに、アリスはステージへと進んでいった。

「所詮闇は黒一色、七色に敵うはずもない。覚悟なさい、宵闇の妖怪」
679: (HtnecUB6) [sage] 2005/02/25(金)23:59 ID:Ay8qYw7o(3/3) AAS
「……」
ステージへと通じる、通路。
ルーミアは一人、珍しく神妙な面持ちで佇んでいた。
「……あ、いたいた。やほー、ルーミア」
「あ、ミスティちゃん……」
そのルーミアに声をかけたのは、夜雀ことミスティア・ローレライ。
夜の妖怪であり、能力的にもルーミアに近いミスティアは、
普段からルーミアと組んで人を狩ったりしていたのである。
……が、すぐにミスティアもルーミアに元気がないことに気付く。
「どしたのルーミア、元気ないみたいね……緊張、してるの?
 あんたにしては珍しいわねぇ。まぁ、場が場だし、仕方ないか」
「あ……うぅん、違うんだよ〜〜」
「え?」
と。
ぐぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜、という、大きな音。
「……」
「……あはは、昨日から何も食べてなくって、ね……」
苦笑いするルーミアに、
「はぁ、やっぱこんなときでもあんたはあんた、か……」
がっくりと肩を落とし苦笑するミスティア。
「人間の一人でも狩ってきてあげたいところだけど……。
 あいにくとこの会場内じゃ殺生は禁止だしねぇ。
 とりあえず今はこんなもんしかないけど、食べる?」
そう言ってミスティアが取り出したのは……フライドチキン。
「……ミスティちゃん」
「? 何よ?」
「……共食い?」
「う゛。……い、いーのよ、鳥は鳥でもこれは鶏だもん。
 それより、食べるの?食べないの?」
「も、もちろん頂くよ〜」
言うが早いか、さっそく齧り付くルーミア。
「んぐ、んぐ、おいし〜よぉ〜」
「あんた、本当に美味しそうに食べるわよねぇ……。
 ま、喜んでもらえるのは嬉しいけど」

 ルーミアが5本目のチキンを平らげた頃。
ステージの方から、アナウンスの試合前口上が聞こえてきた。
「……あ、時間だ、行かなきゃ」
言ってルーミアは立ち上がる。
「あ、もうそんな時間かぁ……」
「ミスティちゃん、チキン、ありがとね」
「いーよいーよ。お代は今度一緒に人間狩ったときに頂くから」
「そ、そんなぁ〜」
「あはは」
なにげに物騒な会話で、脱力するルーミアと、笑うミスティア。
「……ルーミア」
「なに?」
「頑張ってね」
「……うん、ありがと」
ミスティアに見送られ、ルーミアはステージへと軽やかに歩いていった。

「よ〜し、人形さんたちみーんな、私の闇で飲み込んであげるよっ!」
680: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:59 ID:fvAqLNRQ(3/3) AAS
祭りの時間だ
681: 名無しさん [sage] 2005/02/25(金)23:59 ID:zN7HUbVw(2/2) AAS
ルーミア支援1枚目です。
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm3862.jpg
682: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:00 ID:QiU4sbJA(1) AAS
AA省
683: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:00 ID:kneAqS.U(1/2) AAS
[[TH26-y8rYkBH0-ZZ]]

今回はいっぱいいっぱいで全然支援ダメでしたorz
ごめん<<アリス>>……

せめてもの落書きを支援にかえて――
(一応健全志向ブレインの方はご注意ください)

「頑丈になる方法? ああ、単純なことだ。鍛えりゃいい」
「鍛えるって……具体的に言ってよ」
「トレーニング」
「そりゃあ、してるわよ。頭脳派の私でも最低限の体力は必要だからね」
「最低限じゃ話にならないぜ。もっと鍛えまくれば私みたいに強くなれるぜ?」
「どこかの野良魔法使いみたいに体力馬鹿になるつもりは、あいにくないの」
「ちなみに具体的にはこれくらい激しいトレーニングだ」
http://marisa.2-d.jp/saimoe/thsm_alice10.jpg
「……うきゃあああああああっ!!? って! って! 何よこの写真! いつの間にこんな!? ってそうじゃなくてえーと!! あ、こら、逃げ……っ!」

「あ、アリスが勝ったらその度にこのコレクションのシリーズ1枚ずつ公開ってのはどうだ?」
「嫌に決まってるでしょ!! ……ってコレクションって何よーーーーーーーっ!?」
684: 名無しさん [そーなのかー] 2005/02/26(土)00:00 ID:pTZbbWOI(1) AAS
AA省
685: (7rnHhSH2) [sage] 2005/02/26(土)00:00 ID:Ccc0TaR6(1) AAS
[[TH26-nt/0f/eJ-ZZ]]
あれだねぇ、うん。
自分のトリップがルーミア票になっちまうぐらい(ここしたらばだから下八桁しか出ないけど)ルーミアのことが好きだ。
怒ってる顔もかわいいし、何よりあの色っぽい唇!!

わからねぇよ、って人は今すぐ総本山から紅魔郷体験版ダウンロードしてやって見て来い!!
(対戦相手のアリスのほうは妖々夢の体験版でも見ることができるので、永夜抄以前は知らないって人は見とけ。)

追伸:俺のトリップを以ってして投票したやつはどこのどいつだ?

<<貧乳でレーザーが閉じられない程度の能力 with 色っぽい唇>>
686: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:00 ID:aH9hY0WQ(1) AAS
[[TH26-ReUUEwKE-ZE]]
今日はこれから帰省して丸一日近くチェックできないので投票!
<<アリス>>!油断は禁物だ!

さーて、帰るとするか

ADSL
687: 伊佐南 [sage] 2005/02/26(土)00:01 ID:QPHTFaOw(1/2) AAS
[[TH26-Z/vOFlTn-ZZ]]

さあ、宴の始まりだ!
俺はこの23時間フルに<<ルーミア>>を支援するぜ!

と見得を切ったものの、SSいまだ執筆中……(汗)
書き上げたる、意地でも書き上げたるーーーー!
688: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:01 ID:DeEay9BM(1) AAS
[[TH26-TUw/fQY5-ZD]]
<<ルーミア>>に一票
今日も元気にわはー。
689: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:01 ID:f8iVX3e.(1) AAS
AA省
690
(4): 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:01 ID:Bmf8vQzo(1) AAS
[[TH26-lq01uwji-ZB]]

笑顔の可愛い<<ルーミア>>に一票。
そして支援絵〜
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm3861.jpg
691: 名無し [] 2005/02/26(土)00:01 ID:dTIq1K5Y(1) AAS
[[TH26-pT5qJFod-ZZ]]

<<アリス・マーガトロイド>>に1票。
霊夢を倒したのだからもう優勝しかない!
692: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:02 ID:JuBFfZIw(1) AAS
[[TH26-Ib2FPbIT-ZB]]
<<アリスかわいいよアリス>>
東方CATV
693: xとわx [] 2005/02/26(土)00:02 ID:aEEVYT5Y(1) AAS
[[TH26-iZ7oM9BG-ZE]]
<<アリス・マーガトロイド>>に1票!
私にはこれからも最萌えですよw
とろ〜
694: EXAM (iabfOabA) [sage] 2005/02/26(土)00:02 ID:XaP1heIA(1) AAS
[[TH26-PwH1n6Pg-ZZ]]
↓また撫でてね。の原文です
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm3857.txt

Exは、ロアの血を吸う前(ロングな頃)のアルクみたいなお姉さんだと妄想。
霊夢とのカップリング好き。
そんなレア趣向な私の一押し。
<<ルーミア>>サービス
違いの判る皆様にオススメです。
695: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:02 ID:nlhvHoN.(1/2) AAS
[[TH26-lZbqODIA-ZB]]
<<アリスかわいいよアリス>>
東方CATV
696: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:02 ID:dZHiiiQc(1) AAS
[[TH26-yF76GwOt-ZD]]
<<アリス>>に一票!!
人形にズルズルと引っ張られて滑走する姿が最高!
697: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:03 ID:5V/uhM2.(1) AAS
[[TH26-3N6IkiH3-ZJ]]
>>690
も、萌えた・・・
<<ルーミア>>に一票!!
698: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:04 ID:uKq62ca.(1) AAS
[[TH26-nAz7gLhp-ZB]]
<<アリスかわいいよアリス>>
東方CATV
699: 名無しさん [] 2005/02/26(土)00:05 ID:p1EHLGSA(1) AAS
[[TH26-sEM30kUC-ZE]]

<<人類は十進法を採用しました!!>>

一面ボスの意地を見せてやれ〜!!
700: & (9zsLJK2M) [sage] 2005/02/26(土)00:05 ID:5kEV3rPA(1) AAS
[[TH26-aZ6ckETk-ZB]]
<<アリス・マーガトロイド>>に一票。
いや、もう文句なしに。

東方ADSL
701: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:05 ID:J.E4OmdA(1) AAS
[[TH26-G2s..stD-ZZ]]

<<アリス>>かわいいよアリス。
ツンデレっぽし、金髪だし、ブーツで蹴るし、金髪だし。

「兄者、ルーミアも金髪だが」
702: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:05 ID:Zz4Owdxk(1) AAS
[[TH26-hV6P5D5.-ZE]]

七色も悪くはないんだが
闇の中に光る紅一点も捨てがたい

折角だから俺はこの紅いリボンを選ぶぜ
<<ルーミア>>
703
(1): 深い (59bXQnLc) [sage] 2005/02/26(土)00:06 ID:P1r6K/zc(1) AAS
今回もコードが取れなかったので支援を先に

   _,........,_
 , ´,.-== ,ヽ
 i (ノノλノ)リ
 ルイ) ゚ ヮ゚ノ) アリスでありんす
  `,く_,`ハ,イつ
  ,(,ノ┐ハゝ
  `'-i'_ィ,ァ"´

http://th-alt.mine.nu/thpicbbs/data/IMG_000205.jpg
704: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:06 ID:gnbSi4TA(1) AAS
[[TH26-tQ.XMhg.-ZA]]
<<叩いてもアー○が喚かない方>>
705: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:06 ID:RhclLwno(1) AAS
[[TH26-gpWULgFa-ZZ]]
<<アリス>>かわいいよ、くぁわいいよアリス。
706: B(ry (BYK4Xag2) [sage] 2005/02/26(土)00:06 ID:bdsTuvP6(1) AAS
AA省
707: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:BpGJ2gF.(1) AAS
[[TH26-3ZStyIP2-ZA]]
<<ルーミア>>に1票です。わはー
708: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:ztkOneTk(1) AAS
[[TH26-1a8S5aVk-ZA]]
<<アリス>>は俺が守る!!
709: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:Vk.f2L/A(1) AAS
[[TH26-21l/9yGv-ZE]]
<<アリス>>

adsl
710
(1): アイズ小野 [] 2005/02/26(土)00:07 ID:56TQ1QmU(1/2) AAS
[[TH26-UHQoGLz7-ZE]]
ルーミア大好きだが我が最萌は<<アリス・M>>だ!
ルーミアはムーンライトレイくらい閉じれる様になりましょう。
711: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:1dNFF2OU(1) AAS
[[TH26-RCUVMyPj-ZZ]]
<<アリス>>最高
712: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:aYwWV.HI(1) AAS
[[TH26-re6GPD8K-ZD]]
<<アリス>>

回りくどい設置系にもかかわらずレーザー使えるなんて!
性能萌えの意味不明な叫び。
713: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:07 ID:96fHl45U(1) AAS
[[TH26-DgXNqIRk-ZZ]]
<<アリス・マーガトロイド>>に一票。
人形の敵を取るまでは負けるわけにはいかんのですよ(決勝じゃん
714: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:09 ID:OgeJUKHs(1) AAS
[[TH26-H0bk683B-ZE]]
<<アリス>>に一票
715: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:09 ID:ZZc8TX6o(1) AAS
[[TH26-NTOjcp.j-ZZ]]

範囲の狭さはパワーで押し切れ!
我が永夜抄の心の友<<アリス>>に一票!
716: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:09 ID:uNVkeCHk(1/2) AAS
AA省
717: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:09 ID:ngDHd/Uk(1) AAS
[[TH26-lzLoIhm5-ZK]]
>>690
うほっいい<<ルーミア>>
718: 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:10 ID:VyTS8YWo(1) AAS
[[TH26-F3IGec43-ZE]]
<<ルーミア>>に1票っっ…
719
(4): 名無しさん [sage] 2005/02/26(土)00:10 ID:SkOzPOqQ(1) AAS
[[TH26-ojRTlwDl-ZG]]
<<アリス・マーガトロイド>>に一票。
やっぱり可愛い。

支援絵付きです。上海ですが…。
http://thm.just-size.net/up/src/thm20249.jpg
様付けは変かな…。
1-
あと 281 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.160s*