[過去ログ] 【今や我は死神なり】能力者スレ【世界の破壊者なり】 (1002レス)
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1 (チベット自治区) 2014/07/05(土) 20:00:15.62 ID:W0jsYTmfo(1/2)
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。


無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。


【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【したらば板:internet_14029】 


【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。
・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。
・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。
・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。


前スレ【vip2chスレ:part4vip
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
903 (関西地方) 2014/08/06(水) 20:56:47.84 ID:HRAe3WAno(3/8)
>>902


……!


【光が、何かを映し出した。視界に入った存在に、彼女は一瞬ぎょっとするのだろう】
【そして自分が今目にしているものをまじまじを見つめる】
【……役者、あるいは劇団員のような恰好だ。ひどくこの場所にそぐわない】

【こういう人はほとんどの場合、特殊な思考を持っていることが多い】
【それを意識してか、警戒を滲ませた表情のまま彼女は、スケッチブック≠めくり】


『返す言葉も無いです…。けど、ちょっと探しもの(?)をしているだけですから。
 もう少しすれば帰りますよ。だから大丈夫です。

 …あなたがその「獣」でなければの話ですけどねっ。』


【ほんの数秒ほど続いた行為は文章を書く≠アと】
【そして書いたものをそちらへと向けるのだから――意図を察することができるかもしれない】
【つまり彼女は声を出せないようだった。夜だが特殊なペンにより文字自体が発光するため、読めない、ということはないだろう】
904 (関西地方) 2014/08/06(水) 21:10:48.25 ID:D8V02w9eo(2/5)
>>903

【何も話さず、何やらごそごそとスケッチブックを捲る彼女】
【──少し怪訝な顔をしたが、書き始めたところですぐに、『察した』様だ】


なるほど、話せないのか。…、…あぁ、警戒させてしまったかな?
心配せずとも、僕はヒト≠セ。 蒙昧たる獣ではないさ。
尤も、この時勢。 『一般人も獣に見える』と言うのならそれも、致し方ないことだろう。
クアデロン・ルティアーニ≠ェ著書、『社会の到達点』、357ページで述べている通りだ。


【よく話す。 彼が挙げた名前は、学者か誰かが書いた本の名前だろうか】
【鼻にかかった声と、話すたびに大袈裟な身振り手振り。 ──見た目と相まって、確かに怪しい】
【が、彼の言を信じるのならば『悪者』では無いようで── 】


……ところで。


探しもの≠ニ云うのは、どの様なものかな?
僕に手伝える類の物なら、手を貸そうじゃないか。 なに、遠慮はしなくてもいいよ、レディ?


【別世界風に言うなら、英語圏のネイティブがするような発音で言葉を切ると、足を彼女の方へと進める】
【五歩先程まで接近すれば──形の良い唇を上げて、右手を胸に当て、礼をした】
905 [sage saga] 2014/08/06(水) 21:16:51.73 ID:JGwZUUs8o(4/4)
>>900

【谷山の心底不愉快そうな悪態を、マリオンは潮風でも浴びるように気分良さげに受け取りつつ、腹の内では別の計算を巡らせている】
【――――コイツは良くも悪くもトチ狂った劇薬≠セと。使い方を誤れば危険極まりないが、うまく使えば存分に状況をかき回すことが出来る】
【自らが毒に犯されるリスクをあっさりと背負い込める歪んだ精神。それはマリオンだけではなく、谷山にもあるモノの筈だ】


おうおう、わかってんじゃねェか。
せいぜいその警戒心を忘れないこった――――オレとしても、簡単に潰れられちゃあ退屈なんでな。
ピエロは最後まで滑稽に踊るのが仕事だ、勝手に退場すんじゃねェぞ。


【マリオンとしては、その劇薬をここで暴発させる気は無かったのだろう。だからこそ敢えて何も仕掛けず、この場限りとはいえ信頼≠勝ち取る事を選んだ】
【この男は、利用できる。将来がどうなるかはこれから詰めていくとして、盤面をかき乱す暴れ駒として少なくともしばらくは使いようがある】
【谷山がチャチな釣り餌に騙された間抜けな小魚だろうと、敢えて釣られて捕食者の喉元に喰らいつこうとする殺人魚だろうと、ここで逃す手はない――――】


あぁ、せっかくタダで情報くれてやったんだ、期待に応えて面白おかしく引っかき回してくれよ?
……そうだ、そのPHS、そっちからも連絡は取れるからよォ。もしオレに頼みごと≠ェあれば気軽に言ってくれや。
情報提供でもなんでも請け負ってやるよ。……たァだし、無料サービスは今回でオシマイだ。ひひっ、貸した分はきっちり返してもらうぜェ?

――――あばよ、谷山基樹。オレの手の上で踊り狂ってる間は手を貸してやるよ。


【わざわざ情報を提供したのもこの男なりの意図あってのことなのだろう。谷山がその意図通りに動く義理はないが、抜け出すのも簡単ではない】
【連絡すれば助けてやる、なんて親しげな言葉の裏に、この男がどんな狡猾な罠を仕込んでいるのかは今のところわからないが】
【――――谷山が少年を担ぎ上げたのを咎めなかったのは、今日限りのサービスのようなもの。この男へに安易に貸し≠作るのは、確実に危険だ】

【狂笑を貼り付けたまますべて言い終わると、マリオンは恣意的に谷山を一睨みして、彼と同じく振り返りもせず路地の奥へ消えていくだろう】
【愉しげな捨て台詞と共に、狂気に満ちた会合は終わる――――濁った青色の奥では既に、混沌とした策謀が組み上がりつつあるのだった】


/お疲れさまでしたー!
906 (関西地方) 2014/08/06(水) 21:31:08.92 ID:HRAe3WAno(4/8)
>>904

【納得する彼の言葉にこくりと相槌を打つ。どうやら話せないことで間違いないらしい】
【さて――見るからに怪しい、いや妖しいこの男。妖しくはあるが、どうやら悪党の類ではないようで】
【それを彼女が信じたのかどうかはわからないが、少なくとも突っぱねるような素振りはなく】


『えーと、探し物というか、探し幽霊というか…これを探しているのですが…。』


【ぺらり、男が読み終えたタイミングで彼女はスケッチブックのページをめくるだろう】
【そこには簡単な依頼書が貼り付けられているはずだ。内容は、というと】


【 ※ 調査依頼 ※

 最近目撃情報が多く寄せられている黒い幽霊(もしくは影)のようなものの調査をお願いします。
 目撃情報が最も多い地域は○○のコンビニエンスストアの裏手です。
 なお、この幽霊と接触した人の中には魔術による攻撃を受けたという情報もあります。
 実害は無かったようですが、調査される際は十分に注意してください。

                                                        フルーソ警察 】


【――らしい】
【こんな誰の興味も引かなさそうな調査依頼を引き受けるのだから、彼女もよほどの物好きなのかもしれない】
【依頼書の横には小さく、「ではお願いしてもいいですか」と、そう付け加えられていることだろうか】


【手伝うか、否か。男がどちらを選んだとしても変わらない事象がある】
【視線を落とせば、もしかするとそれに気付く可能性もあるだろう】
【少女のすぐ後ろ、足下に潜む、確かな輪郭を持った、黒い何かの存在を――】
907 (関西地方) 2014/08/06(水) 21:45:44.23 ID:D8V02w9eo(3/5)
>>906

【彼女が提示した『調査依頼』に目を通し──軽く右眉を上げる】
【幽霊、が実在するかは定かでないが、おかしなもの≠フ原因はこの世に溢れている】
【さもありなん、と納得し、気障に前髪を掻き上げ──】


ああ、任せたまえ。──、僕自身、その霊≠ノ少し、興味が湧いた。
…、…果たして、霊に『実体』はあるのだろうか。 ──、フフッ。


【──少し、『着眼点』がおかしいのが気になるが、協力をする意思はあるようだ】
【彼女のスケッチブックに合わせて、少し落としていた腰を上げると ──】


さて。


 其処に居るのは ── 、  一体何処の悪戯っ子だ ?


【笑みを浮かべたまま、彼女の右肩に左手を掛け──自分の方へと、引き寄せようとする】
【彼女がそれに従わなくとも、重要なのは『攻撃』。 ポケットから右手でメス≠取り出すと】
【黒い『何か』をけん制するように、その脇、直撃しないように、地面に投げつける】
908 (チベット自治区) 2014/08/06(水) 22:04:06.28 ID:M4/n908To(1)

暑さに耐えられそうもないゾウ

【くるくるとした黒い天然パーマに、色白の肌。】
【赤いフードつきトレーナーに、茶色のハーフパンツ。】
【年相応──否、それよりも背の低い青年である。】

【人気の少ない公園で、夜空を見上げている。】
【──無造作に、手に持つ空き缶を公園の外──街灯に照らされた道路へ放った。】
909 (関西地方) 2014/08/06(水) 22:17:45.50 ID:HRAe3WAno(5/8)
>>907

【これは偏見だが――勉学に秀でた人ほど幽霊などの非科学的な存在を信じていないイメージがあった】
【だから一笑に付してそれで終わりかと思ったのだが、意外にも興味を湧かせたらしい】
【少しずれた着眼点に、彼女は言葉を返そうとして――】

【そこで不意を突かれたような表情になるのだろう。バランスを崩しそうになりながらも、少女は前へ】
【入れ替わるように、投擲されたメスが彼女の足元の何か≠ヨと向かってゆく】
【カッ、とメスが地面に突き立つと同時にそれは廃屋へと駆け出してゆく】

【闇に紛れて視認し辛いが、大きさはざっと大人の靴程度だろうか。細長いしっぽも、確認できるかもしれない】
【相当に素早いこともわかるはずだ。特に何もなければ、それは崩れた壁の穴を通り廃屋の中へと逃げてゆく】


『今のが幽霊でしょうか。何だか思っていたよりも小さ


【彼女が紡いでゆく文字を、至近距離の今ならば追えるだろう。しかしそれは途中で途切れることとなる】
【代わりに伸ばされるのは彼女の指だ。それは正しく、男の背後に向けられていることだろう】
【振り返ったならそこには――煙を集めて固めたような影が、立っているはずだ】

【今度の存在も、また黒い。しかし異なるのはその大きさだ】
【長身である男よりも、その影はなお高い。そして覆いかぶさるようにして佇んでいるのだ】
【言ってしまえばそれだけなのだが、にたりと笑みを浮かべる様は酷く不気味かもしれず――】
910 (関西地方) 2014/08/06(水) 22:37:55.87 ID:D8V02w9eo(4/5)
>>909


…、…コンビニの裏手=@── 、そして、今の『リトル・シャドウ』。
成程。 フフぅー、……案外、幽霊≠ナはないのかも知れない、『スケッチブック・レデ── 、ん。

【 ──男の瞳は、廃屋へ逃げてゆく『何か』を見逃さなかった】
【少女の文字は、彼の認識を追認する。 『逃げた』ということは、『意思』がある】
【コンビニの裏手にも、意思≠持って出現していた、と言う事だ】
【彼が考えたのは、案外、『残飯狙いの生物』 、か ──と 】


 …… 何だ。 見る限り、『実体』が無いじゃあないか。


【──少女の指差す方向を振り向けば、其処には煙の巨体=z
【笑みを浮かべるそれに、彼はがっかりしたような表情を浮かべると、ジャケットに手を掛け──】


……レディ、キミは廃屋の『影』を追いたまえ!
解が僕の『ニューロン』の導き出した通りなら、そちらが本命=I


──、 端役は、僕で十分ッ!!


【不気味さ、と言えば負けていない言動と表情と共に──ジャケットを、巨体の顔に投げつける】
【顔面まで届くことはないかもしれないが、彼の姿≠ェ『巨体の視界』から暫し、消えるだろう】
【と、同時に男は身を低くして、巨体の足元≠ヨ。 そのまま脇を転がり、『後方』を取ろうとする】

【尤も──、巨体に視覚≠フ概念がなければ、無駄な真似だ。 彼の動きは筒抜け、飛んで火に入る夏の虫、か】
911 [sage saga] 2014/08/06(水) 22:39:16.66 ID:bQxfHTxz0(1/2)
【――郊外にある森、その中にある大きな泉の、その畔】
【蜜柑の房のようにぽってりとした半月が空から照らす、そよぐ風にさざめく水面は、きらきらと宝石のように煌いて】
【どこかで聞こえてくるのはふくろうの声、それと、獣が吠える声が――まるで別世界からの音のよう、微かに聞こえ】

…………ん、ぅ、――。

【ごく普遍的に自然な森。そんな誰もが想像するよな景色は、ただ、数十分ほど前に壊れていた。というよりも、壊されていた】
【なぜなら、そこには魔力由来の煌きが暴力的なほどに踊っていて、縦横無尽にあれじゃない、これじゃない、かたちを作らされて】
【心得のある者が見れば魔術の練習だとも気付けるだろうが、そうでなければ――何をしているのかも分からないような、光景で】

【――桜色の絵の具と紫色の絵の具をぐちゃらと混ぜたような色合い、それが彼女の持つ魔力の色、そして今宵森を照らす色】
【水と、風と。異なる属性を宿して踊る煌きは、遠くからでも窺えて――獣は逃げる変わりに、人はおびき寄せるのかも】

【ふわっと魔力が躍らせた風に髪が踊る、艶やかに純粋な黒色は、ただこの場では桜色と紫色に蹂躙されるよう、照らされて】
【黒色と赤色の丸い眼にもその色が映り込む。耳元に飾られた片方だけのピアスは、――それらには染まらない、月白色で】
【胸元に提げた桜をモチーフにした首飾り、ひるりと翻るワンピースの裾は、レースとスパンコールの色合いで飾られて】
【胸と腰とを大きなリボンで飾ったデザイン、しっとりと黒色に沈む布地が、その真っ白な肌をよく映えさせ】
【ころんっとしたショートブーツの足元がほんの少しだけ湿った地面に跡を付ける、歩いてきた跡、佇む跡、たくさんの足跡を】

はっ……、

【――そんな光景がふと壊れたのはいつ頃だったか。音を上げるように切羽詰った吐息が一つ鳴いて、そうなれば、】
【瞬くような早さで組み立てられたモノが壊れていく、崩壊してはきらりきらりと舞い上がる魔力の欠片は、まるで冬の細雪のような】

【地面に降り積もっては消えていく魔力の煌き、その中で荒く息をする少女の姿は。――誰かが来れば、きっと、すぐに見つかるのだった】
912 (関西地方) 2014/08/06(水) 23:01:25.00 ID:HRAe3WAno(6/8)
>>910

【投げつけられたジャケット。巨体に実体が無ければその存在をかき消してしまうのだろうが――】
【ジャケットは地面に落ちなかった=Bつまり、巨体にかぶさったのである】
【しかし巨体は置物のようにぴくりとも動こうとしない。簡単に背後へと回れるだろう】

【――男が巨体に対し何らかの行動を起こそうとした瞬間に、ようやく巨体は動き始める】
【反応が鈍すぎることこの上ない。動きはしっかりと目で追えるはずだ】

【影の下部が広がり、巨体の身長が縮む。人間でいうところのキックだろうか】
【突くように四方に伸びたそれは狙いがめちゃくちゃだが、運が悪ければ当たってしまうかもしれない】
【実体はあるが、直撃してもそこまで痛くはないだろう。この巨体は相当に弱い】



【少女はといえば、男の指示通り小さな影を追って廃屋へと入ってゆく】
【しばらくすれば廃屋の窓や開いたドアの向こうから蒼い光が見えるかもしれないが――】
【声無き彼女の行動は、ほとんどわからない。入って確かめるしかないだろう】
913 (関西地方) 2014/08/06(水) 23:08:06.19 ID:HRAe3WAno(7/8)
>>912
/すみません追記です
/下三行のどこかに、【それきり何の動きも感じられなくなるだろう】
/を補完してください…
914 (関西地方) [sege saga] 2014/08/06(水) 23:09:03.19 ID:QTXn98AFo(1)
>>911
【ぞわりとした感覚が背筋を撫でた】
【逃げなければならない、しかし見に行かなければならない】
【野生の本能と理性、その二つの矛盾する思いが足を石膏像のようにした】

 ……

【ついさっきすれ違った熊は酷く怯えていた、蛇はひたすらに自らの巣穴へとその鎌首をするりと差し込んだ】
【しかし、だからと言ってこれを見逃せるわけでもない】
【一応正義組織に属するモノとして、危険というものへ対処するのもまた仕事】

 ……

【ついてない、そう思いながら安っぽい油の匂いを漂わせるカンテラ、カランカチャンと鳴らしつつ、歩みを進める】
【あちらの方向は湖畔だったか、自然的でまた人間の感性に照らし合わせれば美しいともいわれる光景が待っているものだと、その影は思っていた】

【先ほどまで、木々にまぎれかすかに見えていた不思議な色合いの光はもう洩れてはいない】
【そしてその中、荒い息を吐く少女】
【先ほどの光は魔法か、ならばカノッサなどがこの地にある何かを狙って送り込んできたのか】
【そう思考するも、すぐに途切れた、足元を見やれば足跡、これをわざわざ残すようなものを単独で送り込むだろうか】

【全ては憶測、確かめるしかあるまいとガサリと音を鳴らし茂みから出てくる影】

 ……そこの童女、何をしている?

【若くも、年老いてもいないような声、その声は少女に問いかけるもの】
【月に照らされた姿は深く深く深緑色のローブを着込んでいて】
【袖も裾もずいぶん余っているらしく、袖の先はぶらぶらと揺れ、裾の先は地面を引きずっている】
【先述の通り、子供よりかは体は大きいが、大人とすれば非常に体格が小さい】

【その存在は、カンテラを少女に向ける】
【小虫はその光にたかり、羽を僅かに焦がしては離れていく、まるで先ほどの事など何もなかったかのように】
915 (関西地方) 2014/08/06(水) 23:16:13.53 ID:D8V02w9eo(5/5)
>>912


【後方に回り、すかさず攻撃に移ろうとした時点で、巨体はようやく動きを始める】
【──、いきなり攻撃をしなかったのは力量≠測る意図もあったのだが、それにしても、だ】
【試しに『蹴り』を待って、それをわざと、防御態勢で『受けて』みるが──】


…、… レイト<b! & ォオーーー 、── ライト=@!!
フッハッハァ!! 成程ッ!! キミの方には『意思』が無いようだッ!!


【『遅く』、『軽い』。 妙なテンションで放たれた叫びは、そう言いたいのだろう】
【──矢張り、『実害がない』、と。 先程の依頼書に書かれていたのは、確かなようだ】
【彼は能力≠発動させ、右手に『黒色物質』を纏わせると ──】


≪Ruffian≫ ッ!! ……、キミは其処で大人しく!して居たまえッ!!


【右手を突き出し、巨体の『胴』の辺りへ放つ──もし阻害されなければ、触手の様に巻きつき】
【巨体をその場に縛り付ける#、だ。 強度は相当に高く、巨体の力では脱出は困難かもしれない】

【もし、一連の動作が成功すれば──彼はジャケットを拾い上げ、廃屋に入ろうとするだろう】
916 [sage saga] 2014/08/06(水) 23:30:22.95 ID:bQxfHTxz0(2/2)
>>914

【時刻はこんな夜更けだ、当然、月は高くにあって、星が煌いて、辺りは暗くって。明るさなんて、ないはずなのに】
【それが例えば角灯や懐中電灯程度の明かりだったなら。動物たちはここまで怯えなかっただろうし、驚かせることもなかったはず】

【(街中とかでやるよりはいいだろうと思っていた、ひとに見られると、――なんだか恥ずかしいような気がして)】
【(動物のことは。怖がらせてしまうかもっていう心はあんまりなかったように思う。ちょっとなら大丈夫って、慢心)】

【短く荒かった吐息はそのうち、ひとつひとつが長く深いものになる。そうして深呼吸をして、落ち着こうとしているような】
【気だるげに閉じられていた眼がゆっくりと空を見上げる、――ちょうど天の川が見えているのだけれど、少女の瞳にそれは映らず】
【――なんてことなく、魔力の光に晒されていたからだった。目が焼けて、星がきれいに見えない――溜息がちに、視線を下ろせば】
【ちょうど、そのタイミングだ。がさりと聞こえてくる音、(それこそ熊か何かと思って、僅かに身構える気配があった)】

…………魔術の練習、してたの。今日なら、“せんせい”が居るから……。

【けれど――現れたのは布の塊のようなモノ、喋るなら中身はヒトだろうと検討をつけて、返す言葉は少しだけ鋭い声音】
【鈴とよく似た声だ。りんと涼やかで、よく響いて、夜を清らかにしながら抜けていくような――そんな錯覚がするぐらいに】
【まあるい目がほんの僅かだけ伏せられて相手を見やる、カンテラの明かりに、ほんの少しだけ眩しそうに身体を揺らして】

ごきげんよう、……あなたはだれ? ……わたしに、何か用事?

【――空っぽの両手を不安げに胸元に添えると、左手の薬指にあるリングが煌いた、指先は、胸元のリボンをきゅっと摘んで】
【自分がしていたことは認めながら、そんなに大それたことをやっていた自覚はない。だからこそ、とぼけるような言葉を返す】
【魔力の明るさと辺りの暗さは彼女の瞳を焼いて盲目的にしてしまった。今もまだ――瞳を細めがちなのは、よく見えていないからなのだろう】

【きらりと魔力の欠片、最後のひとつが地面に落ちて、やがてそっと消えてなくなっていくなら】
【空間はきっと元通りの正常/清浄を取り戻す。自然的で、ひとの手の加わらない美しさ、水面に浮く月影など宝物のよう】
【あっという間に場の支配権は自然に戻り、ふたつある影は取り残されてしまったような錯覚、この、月明かりの中に】

【(その少女の身体からは澄んだ水のような気配がした、それが、どこか人外的というか、不思議な感じを少女に与えて)】
【(蛇めいて艶めく瞳がローブ姿の相手を改めてじっとりと眺める、そうして――相手の言葉を、待つのだった)】
917 (関西地方) 2014/08/06(水) 23:51:27.95 ID:HRAe3WAno(8/8)
>>915

【影と黒色物質。黒と黒、同じ色のそれらはしかし混ざり合うことはなく】
【巨体を縛り付けるはず――だった】

【結果から述べると巨体は消滅した。原因は巻きついた触手だろう】
【非常に脆いのか、それとも別の要因か、ともかく力が加わった瞬間に四散したのだ】
【――四散した影は確かな魔翌力≠伴いつつ、まさしく煙のようにして廃屋へと流れてゆくだろう】


【屋内に入ったのならば、先に少女が入ったのにもかかわらず酷く静かに感じられるだろう】
【前に道はなく、左手に部屋がある。本来扉があったであろう場所の向こうには、】
【明かりが付けっ放しの懐中電灯が落ちているはずだ】

【部屋に入ったのならば少女を見つけられるだろう。ただし――壁に固定された状態の彼女を、だ】
【ぴくりとも動けないように首、腕、脚、銅の全てを、やはり黒い影のようなもので縫い付けるように拘束されている】
【もし男がその道に精通しているならば、この影≠ヘ魔術のようなものであると推測できるかもしれない】

【だが、ゆっくりと考えている暇は無さそうだった。何故なら、急に少女が苦しみ始めるのである】
【拘束から逃れようと首を動かし、酸素を求めるように口を開ける。表情には苦悶が滲み始め、血の気が無くなってゆく】
【おそらく首を絞められているのだろう。明確な害意≠ェ、この魔術のようなものからは見てとれる】

【なぜか苦しみながらも彼女は指を指していた。指先は隣の部屋に向けられているようだが――如何せん暗い】
【加えて「キキッ」という鳴き声が足元から聞こえてくるだろう。懐中電灯の明かりに一瞬だけ写ったその姿は、まさしくネズミだ】
【相当大きい種なのか大人の靴ほどのサイズはあり、壁の穴へと走ってゆくだろう。こちらは対して気にしなくともよさそうだが――】

【さて、この状況、男はどのように対処するのだろうか――】
918 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 00:01:31.86 ID:+VzcxwB4o(1/6)
>>916
【その、少し鋭い声を受けてその影は返す】

 魔術の練習か

【そんなそっけない声、別に詮索しているわけでもないのに深く突っ込むわけでもない】
【今は、と注釈がつくのは確かだが】

 ご機嫌よう、か、人に誰か尋ねるときは自分から、と言うのは人間の常識だと聞いたことがあるけどな

【どこか嫌味のような発言だ】
【だが、本人の口調は一切嫌味っぽくはない、純粋に聞いたことがあるからという理由で言っているようだ】

 誰かと聞かれればUTの一団員だが
 ……用事は簡単にいうとパトロールしていたら不審な光を見つけたから見に来ただけだ

【もしカノッサが怪しい魔術でも使用していたのなら一大事だからな、と述べるローブの存在】
【なるほど、確かに合理的だ】

【ふと、周囲に残っていた光の残滓が全て溶け消えるのを感じる】
【しばらくすればここにも動物が戻ってくるだろう】
【一応聞きたいことはあるが、相手の出方をうかがわなければどうしようもない】
【少女はどこか人らしくない気配を感じる、人間でも同じだが突如として暴れだしたら対処はしなければならないだろう】
【ただ、それが少し面倒なだけ】
919 (関西地方) 2014/08/07(木) 00:14:22.09 ID:+ajfcKz8o(1/3)
>>917


【── 足元に落ちていた電灯を拾い上げ、部屋に入る】
【見れば、『貼り付け』にされた彼女。 男は眉を顰めると、右手から『黒色物質』を首元へ放つ】
【狙いは気道を圧迫する影。先ほどと同じような耐久力なら、息は確保出来るはずだが──】


…、…やれやれ。
誰だか知らないが、随分と無粋≠ネ真似をするじゃあないか。
──、が。 その『無粋さ』もまた、ヒトの『崇高たる点』だ。
シークレット・マンorウーマン! ……キミの 『部位』 にも、少し、興味が湧いてきたよ。


【どちらにせよ、術者≠倒さねば、根本的な解決にはならない】
【──足元を這いまわり、壁に消える畜生は無視。動物に出来る真似ではない】
【恐らく『敵』は、彼女が指差す隣の部屋=B 暗くて見えないが──ならば】



≪   ラフィ =@ッ  ── 、── !!!



【──声と共に、両手をクロスさせ】
【彼の『背』に出現したのは、黒色物質≠フ塊。 次いで、六本の『触手』が伸びる】
【隣部屋の方を向くと、更に触手は樹の枝≠フ様に枝分かれし、網状を作り──】



             アン<b ──!!  ≫


【彼が両腕を大きく広げると──その網目≠ゥら、次々に『黒色弾』が隣の部屋へ向けて放たれる】
【強度は廃屋の壁を撃ちぬくには十分。 人体に当たれば、貫通はしないが突き刺さり、流血させる程度】
【壁の向こうに居るであろう『何か』い向けて、数十発の弾丸が襲い来る──】

【――見えないのなら、数で攻める=B詰まりは、そういうことだろう】
【先に仕掛けてきたのは向こう。 ならば、死んでも文句なし──そんな表情を彼は浮かべていた】
920 [sage saga] 2014/08/07(木) 00:22:36.52 ID:NDFM6Hcf0(1/5)
>>918

【「そう」と少女は頷いて返した、“せんせい”とやらはどこにも見えないのだが、――なんて思っていれば】
【虚空に向かって伸ばした手が手招きみたいな仕草をする、そうすると……夜に真っ黒な木々の中から飛び出す影が】
【――ばさりと少女の手に舞い下りるのだった。大きな翼、鮮やかな紫色の羽色、そう、大きな、鳥】

……わたしはわたし、りんね……鈴音・シュトラウス。……所属とかは、ないの。

【少女はその鳥に「どうだった」とか、「上手になった?」とか、話し掛けていたようだが――】
【相手に名乗れと言われた気がするなら存外素直に名乗るのだった。その名は、櫻と、異国と、混ぜたような音階】
【どこにも所属していないという。でも――そう、相手が“UT”の構成員なら、彼女を見たことがあってもおかしくはないのだ】

【なぜって。酒場の手伝いをしているのだった、店員さんみたいにして、お金も貰って、お料理を作ったり、お酒を用意したり】
【つい最近から酒場で仕事をするようになった少女。それが彼女で、――会えば挨拶くらいはしてくれる子だから、或いは、】
【一言二言ぐらいなら会話をしていたっておかしくはないはず。でも、もちろん、会話したことがなくったって、おかしくはない】

UT……? ……わたしね、UTでお手伝いしてるよ、でも、会ったことは……――、
ない、かな……? ……ごめんなさい、顔が見えないから分からないの。

【見せてくれたらいいんだけど、と吐息がちな声がする。そうやって言ったのは、自分はそこでお手伝いしてるというそれで】
【お話したことあったっけ。申し訳なさげにそう尋ねるのだった、緩やかに首をかしげると、さらりと長い髪が流れて揺れて――】

……この子がわたしの、“せんせい”。わたしのお友達なの、……ちょっと、変な子だけど、悪い子じゃないよ。

【それから。手に止まるその鳥を紹介するのだった、曰く魔術の“せんせい”で、“お友達”で、――それを真顔で言うから】
【そろそろ不審者感も極まってくるだろう、そんな頃合だ。彼女が、その鳥に「ねえ」なんて話し掛けて――鳥が、それに応えるのは】

【まず風が吹いた。紫色を僅かに帯びる風、それが、先に彼女がぶちまけていた魔力の纏っていた風属性と同じだとは】
【気付いてもいいし気づかなくてもいいし――それより見るべきは風がイキモノのようにその鳥に纏わること、風の繭のよう】
【すると。いつの間にだろう、少女の腕に掴まっていたはずの鳥は消えて、変わりに細腕に腰掛ける――少女、の姿】

【鮮やかに眩い紫色の髪。それは膝を通り越すほどまであって、同じ色で眼窩に嵌まる瞳は、何でも面白いという風に見つめ】
【これまた紫色のドレスはどこから現れたのか、ふわあっとそれこそ魔法みたいに広がって――腕から降りたときに、足音はしなかった】

「そう、上手になった。もっと練習すればいい、ボクが教えてあげるからね」

【にこりっとした笑いを少女に向ける、なんとなしに頭をさらっと撫でて、そうしたなら、紫の少女は体を相手へと翻し】
【「ごめんねえ、ボク忙しいから、もう行かなくっちゃあ」だなんて。軽く笑いながら言うのだから信憑性などない、嘘みたいに】
【でもだからって引き止められるつもりなんてないようだった。「じゃあ」と紡ぐ声は宣言で、誰にも変えられない、決まったこと】

【――はじめに現れたときにそうしたみたいに、また風がその姿を包んで、瞬きがひとつ、ふたつ、みっつは掛からない】
【気付けばそこにもうその姿はないから。風みたいに現れて風みたいに消えた姿、その痕跡は、もうどこにもなかった】
921 (関西地方) 2014/08/07(木) 00:44:04.01 ID:Lu61IsLZo(1/2)
>>919

【迫る黒色物質に少女は目を瞑る。次の瞬間、先ほどまでの苦痛が嘘のように無くなった】
【続けて展開されるは黒色の弾幕――隣の部屋へと集中砲火されるそれに容赦はなく】
【隣の部屋の壁や家具を粉々にしてゆくのだろう】

【……やがて最後の弾が撃ち終えられたならば、砂埃が朦々と立ち込めてくるのだろう】
【それほどまでに凄まじい攻撃だったらしい。少しすると――砂埃に紛れて影が姿を現した】


【無数の風穴が空いた影は――外で四散した巨体とよく似ていた】
【そいつは最後に不敵な笑みを浮かべると、その場に崩れて消滅してしまうだろう】
【つまりハズレ、なのだろうか。真実は不明だ。ただ影が居た場所に親指ほどのトンガリ帽子≠セけが残されていて】

【やがてどうやって抜け出したのか、少女が男の隣に立つだろう。そして男の袖を引いて注意を引こうとする】
【手にはスケッチブック。彼へと向けられたページには、やはり文章が記されていて】


『あなたが入ってきた途端にあわてて隣の部屋へと逃げて行ったのでもしかしたらと思ったのですが…
 一体何だったのでしょうか…。ともかく助けていただいてありがとうございました。
 私ひとりだとどうなっていたことか…。

 でも、多分ですけど依頼されていた幽霊はさっきのみたいですね。
 トンガリ帽子は貰って行ってもいいですか? 報告と一緒に提出しようと思います。』


【幽霊の正体。それはわからず仕舞いだったが、その実態を掴むことはできた】
【ひとえに男のお陰である。少女は彼に深く礼をした後、廃屋から出ようとするだろう】


/すみません、もうすぐ〆ですが持ち越しお願いします…
922 (関西地方) 2014/08/07(木) 00:46:49.50 ID:+ajfcKz8o(2/3)
>>921
/了解です。
/明日というか、今日にでも此方側の〆の文を置いておくので、どうぞお休みください。
923 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 00:47:38.03 ID:+VzcxwB4o(2/6)
>>920
【鳥、一瞬だけちらりと視線を向ける】
【名のある魔術師は鳥などを使役すると聞いたことがある、おそらくこの鳥もそのたぐいか何かだろうか】

 リンネ・シュトラウス……、リンネ?

【どこかで聞いたような、そう首をひねるローブの存在】
【カンテラがからりと揺れて火が一瞬だけ揺らぐ】
【この人物が知らない、または覚えていないのもまた当然といえる、なぜなら……】

 ああ、酒場で手伝いしているあの子か
 すまないね、人の顔を覚えることがどうにも苦手で
 あのセリーナが雇った人材だ、一応信用に値するだろう

【そういうとパサリとフードを外す……その下にあるのは犬の頭で】
【灰色の短い毛並にラピスラズリのような色合いの瞳、隠れているがちらっと青いスカーフ】
【額にゴーグルをつけた、犬の頭が】

 ……アゾット、エーゼットオーティーエイチでAzothという
 普段は元弾薬庫か酒場の隅にいるから、リンネが知らなくてもおかしくない

【この前から酒場の隅にはしょっちゅう犬がいた、青いスカーフを付け、ゴーグルをかけ、右前脚に包帯を巻いた、灰色の犬が】
【だが、ほとんど寝そべって丸くなっており、喋る気配も歩く気配も見せなかった、若干毛並がぼさっとしてる犬】
【だから挨拶をかわすことなんてなくて、交わしても鈴音が一方的に声をかけただけだろう】

 で、その鳥が師匠と……

【そして次の瞬間、変貌した鳥……いや、紫の少女に犬は軽く目を張る】
【だが、その紫の少女は鈴音に声をかけ、そのまま消えてしまった】

 ……なんだったんだ?

【犬がそう呟くのも、無理ない話であった】
924 [sage saga] 2014/08/07(木) 01:07:01.85 ID:NDFM6Hcf0(2/5)
>>923

【ふわあと吐息が零れた、相手が見せた顔は――人間と違っていたし、それよりも見覚えがあったから】
【セリーナに言われたことがあった、スカーフをした犬をキッチンに入れるなと、それを覚えていた、最初の頃】
【犬が居るらしいと聞いていたし動物好きなら探していたし、はじめて見たときは、きっと、きゃあきゃあと頭でも撫でられて】
【その後もたびたび話し掛けてきたり、あまったお肉をただ焼いただけのものを持ってきたり――なんて、あったのかも】

Azoth……あぞっと。わあ、本当に喋るんだ……、喋ってくれないからね、お姉ちゃんが嘘吐いたのかなって――

――思ってたんだよ、でも本当なんだ。本当に喋る……、……わあ、不思議、……。

【――彼女は彼よりも新参だった、まだまだ来たばかりで、酒場の隅っこで転がる犬を不思議そうに眺めたりして】
【でもセリーナの言う喋る犬とは違うのかなとも思っていた。だって彼は喋らないし、歩かないし、――ただの犬みたいだし】
【だから今になってちゃんと理解する、彼は歩いたり喋ったりする新手の犬なのだと。きらきらした瞳が、彼を見つめて――】

うん、……ちょっと不思議でしょ、でも、いい子なんだよ……わたしも、何度も助けてもらってるし。
この間もね、――助けてもらっちゃった、ふふ。……ごめんね、ずっと忙しいみたいなの、だから、たまにしか来てくれなくて――。

【それから、彼女のことに話題が移れば。というよりも彼が呟くのを見れば、少しだけ困った風に表情を笑わせて】
【地面に落としていった紫色の羽根をついと拾い上げる、それから、ひらひらとまるで扇子でするように扇いだりして】
【助けてもらった、というところで寂しげに笑ったのが不思議だった。何か悲しいことでもあったみたいに、――でもそれは一瞬だけ】
【えいと拾った羽根を放り投げる、――風もないのにどこまでも上空まで舞って行く羽根は、そのうちに見えなくなった】

……ねえ、わたし、そんなに不審だったかな。あんまり、目立たないようにしてたつもりだったんだけど……。
こんなとこひとが来ないって思ってたの、だのに見つかっちゃうし……。……なんだろ、もっと奥でやればいいのかなあ。

家でやるとね、ペットがびっくりするから……、だから、ここならいいかなって――。

【それから、何に憚るのかひそめく声が尋ねる、内緒話するトーンで紡ぐのは、つまり自分がどれだけ変だったかって】
【やっぱり自覚がないのだった。まして家だとペットを驚かせるだなんて、――野生動物を驚かせたくせに、言う】

【(ああも魔力をぶちまけるのは大体どこでやっても目立つと思うのだけれど)】
925 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 01:28:10.20 ID:+VzcxwB4o(3/6)
>>924
【例え撫でられようと肉をもらおうと喋りかけられようと】
【この犬は頑なに沈黙を保ってきた、ただラピスラズリの瞳で見返すだけで】
【しかし気にすることはない、この犬が酒場で話したことは数える限り二回しかないのだから】
【だが、現実として今は喋っているのだ】

 まあ喋って歩き、そして器用な以外は普通の犬だがな……

【輝く視線を浴びせられ、どこか申し訳なさそうにいう犬】
【本人――この使用方法があっているかはわからないが一応本人と言おう――は、ただの犬だと】
【もっともそれが事実かはまた別の話だが】

 たまにでも会いに来てくれるあたり、まだ良心的じゃないか

【その悲しそうな、寂しげな表情は、人の感情の起伏に敏い犬と言う種族ならすぐにわかるもので】
【でも、そこを問いかけることはない、それを問いかけるには――遠い】

 ……あのな、無理にでも気づく
 死んでる森じゃないんだから野生動物だっている、彼らは敏感だ、あんなに光っていたらすぐに逃げる

【遠くからでも見えるほどにまぶしかった、そうため息をつきながら返す】
【まるで繁華街のネオンのようだ、とも】
926 [sage saga] 2014/08/07(木) 01:41:02.19 ID:NDFM6Hcf0(3/5)
>>925

【それでも彼女は気にしたことがなかった、だって、犬って普通は喋るものじゃないから】
【喋ると聞いていたからおかしいなあとは思ったけれど、それだけだ。気分もあるだろうと、そう考えて】
【(インコだって喋らないときは喋らない。そういうものだと思っていた、適当だけれど、それが楽といえば楽で)】

普通の犬は喋らないよ、だって、それが普通だもん……、……いつから喋るの?
どうやって言葉、覚えたの? 本とかで覚えるのかな――ふふ、

【ただの犬とは思わなかった、だって、ただの犬って言うものは喋らないのだから。答えは、ごくごく簡単なもので】
【本で言葉を覚える犬、なんてものを想像したら微笑ましくてつい笑ってしまう。そうすると、顔のあどけなさがよく目立つ】
【これで。これで、UTの酒場で客に奢られてお酒を飲んでいたりするのだから――どうしたもんかと思うのだけれど】

【いちおう。いちおう、成人はしているらしいのだった。というより、成人してから一年なんて過ぎているわけで――まあ】

…………うん、そうだよね、忙しいのに来てくれるんだもんね……、たいへん、だよね。

――でも、本当は退屈なんだよ。だけれどね、一緒に暮らしてる子が居て、その子が帰ってこないと怒るんだって――。

【問いかけられないならその悲しみは流れて消える、ただ、そっと寂しげに納得してみせる表情だけが、そこに残って】
【でも。くすりと笑うとこっそり教えてくれることがあった。一度聞かせてもらったのだと言う、秘密ゴトみたいに、彼にも教えて】
【お姫様なのだと彼女は言っていた。聞いた限りでは時分もそうだって思う、お姫様みたいな子、――会ったことは、ないけれど】

……――そっかあ。

【それから、ふわーっと吐息が零れる、きょとんとした顔は、どれぐらい理解したのかは怪しいものなのだけれど】
【視線が掌に落ちる、観察するようにじっとりと見つめると――滲み出すように、じわじわと。先と同じ魔力が溢れ出し】
【桜色/紫色。でも今となっては分かる、その紫色が、さっきの鳥/少女が持つ気配と同じであること、同じ魔力であること】
【(だとしたら、少女は他人の魔力を持っていることになる。それが少しだけ不思議なのだった、ふたり分の魔力なんて――珍しい)】

どうしよう、びっくりさせちゃったかな……。

【掌に浮かべた魔力の色。指先で引っ張るようにすれば伸びて、くにゃりと曲げれば曲がって、まるで質のいい粘土のような挙動をする】
【そうして練り上げていくのはお花の形だ。八重咲きの桜にも似た、ふわふわ、ぽんぽん、まあるいお花のかたち】
【彼女はそれをAzothの頭に乗っけてやろうとするのだろう。耳に立てかけるように、そうっと、添えるようにして】

【それが叶うなら、少女は一瞬だけ嬉しげに笑う、笑って――すぐに、しょんぼりと眉を伏せるのだ】
【じわじわと後悔めいた感情が忍び寄ってくる、ひどいことをしたんだって、――最後のほうなんて、泣きそうにすら見えた】
927 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 01:58:45.32 ID:+VzcxwB4o(4/6)
>>926
 ずいぶん小さいころ、親から教わった
 「人間の言葉は覚えておいて損はない」って、猫の言葉や鳥の言葉とか、いろいろな言葉も教えてもらいたかったんだがな……

【本を読んで覚える、というわけではなさそうだ】
【もっとも、ある程度の知識があれば本を読んで覚えられるのだろうが……0から覚えるとなると不可能にも近い】

【そんな純粋なことを聞いてくる少女、でも酒場で働いているとなれば一応成人の部類なのだろう】
【分別のある大人か、年だけ取った子供かは別においておいて】

 一緒に暮らしている相手か……

【そういうと、犬はわずかな間目を閉じる】
【なにか引っかかることでもあったのだろうか、だが再び開いた眼の中にはその疑問を解消する種はあまりなく】
【精々、何か昔を思っていた程度しか感じられない】

 ……

【そして、あの紫の少女と目の前の少女はどこかつながっているのだろうか】
【そうすれば、あの寂しげな様子にも説明がつくのだが、そう犬は思いつつ、目の前の少女の魔力の光に目をすっと細める】

 びっくりはさせただろうな
 彼らは強力な魔法にあらがう術を持っていない
 目の前で突然、ナイフが突きつけられたら驚くようにな

【例え手品に使うような刺さらない仕掛けのナイフだとしても、と犬は言う】
【あの時感じた悪寒、魔力というのはそういう悍ましさも兼ね備えている】
【それを大量に放出するということも、また周辺に無差別にナイフのようなものを見せびらかしているもので】

【そんなことを言っている内に、魔力は花となる、そしてきょとんとした様子のまま花をそっと頭に添えられる】

 ……森じゃなくてUTの地下基地の方ならどうなんだ?

【そして、泣きそうな表情を見せる少女に、犬は問いかける】
【森じゃなくてUT地下の設備なら音も光も漏れずに済むだろうに、と】
928 [sage saga] 2014/08/07(木) 02:13:11.99 ID:NDFM6Hcf0(4/5)
>>927

【親から教わったという答え、それはそれで興味深かった。だって、親――きっと犬だろう――も喋れたということ】
【その光景を見てみたいだなんて思ってしまう、きっとかわいらしい気がして……そっと、脳裏に浮かべてみる】

【――どうだろう。彼女はヒトとは違うひと、それなら、人間らしく決め付けるのは、彼女には辛い話なのかもしれない】
【大人と見るには子供っぽくて、でも、子供と言い切るには大人っぽくて。ぐちゃぐちゃに絡まる、年齢の糸は】
【きっと彼女にも分からないまま。それでも――昔よりはずっと“まし”なのだ、これでも、大人になれた】

うん、……いいなあ、一緒に暮らせたら、もっといろいろ教えてもらえるのに……。
……本に書いてない魔術とかをたくさん知ってるの、でも、わたしには難しくて出来ないことばっかり……。

――とっても魔術が上手なんだよ、あんまり見せてくれないけど……。

【こくりと頷く、そうして彼の思案に返すのだ、一緒に暮らせたらいいのになんて願望、そっと囁いて、夜に溶かし】
【それはいかにも向上心のように聞こえて、その実、違う。“さびしい”のだと知れたかもしれない、彼女は、寂しがっていると】
【左手の指輪も何の役にも立たない。ただ時折来てくれるのを待って、いつでも、去っていくのを見送って――】

あー……、……。

【あっさりと肯定されてしまう、それどころか、もうちょっと深くまで責められている気がして、余計にどうしようもない】
【どうしたって自分が悪かったって思いしる、というより、自分だって銃が怖くて、玩具の銃だって怖くって、それなら、】
【おんなじような気持ちじゃないかと思う。――ぺたんと顔を覆った両手、真っ白な指先は、すらっとして、まるで蛇のよう】

……川とかの近くの方がやりやすいって思うの、水がいっぱいあるところのほうが……、だから……、
――……今度からは、そうしてみる。お姉ちゃんに借りてもいいか、聞いてみる……。

【そんな指の隙間からちらっと覗いた瞳。最初の頃は言い訳するとい一緒にふらふらと振れて、ただ、そのうちに、しゅんと沈む】
【頼んでみるとのことだった。お姉ちゃん、というのは――まあ、セリーナのことで。そう呼ぶように言われていて、】
【あのセリーナのことだからきっと快く貸してくれるだろう。それがせめて救いになって――】
929 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 02:28:08.90 ID:+VzcxwB4o(5/6)
>>928
【しかし、それを語るときの彼は幸福と言う言葉とはかけ離れた様子でもあったと、追記しておこう】
【不幸そうと言うわけでもない、だが幸せではなさそうだった】

【犬は、そんなことには気づけぬまま、人より多少変わった人間と認識している】
【そもそも、変わり者の巣窟のような場所にいて変わり者だと認識するには相手がよほど変人でないと難しいものだ】
【そういった点から、この少女は一応一般的な常識を兼ね備えているようには思える】

 気軽に一緒に暮らそうなんて言えれば楽なんだろうな
 でもそうできないから悩んでいる……あったことのないお姫様とあの鳥

【そこに疎外感と嫉妬を感じているのではないか、という言葉は、そっと飲み込まれた】
【告げられなかった言葉の代わりに、犬は「単純に解決できたらいいのにな」と続けた】

 まあまだまだ若いんだ、今のうちに失敗できてよかったと考えればいい

 ……ああいう魔力は人をおびき寄せる、しかもあの魔力の光に物怖じしない頭がどこか飛んでる奴が
 私はパトロールと言う名目だったから来たがな……

【はぁ、とため息をつく、ああいう地からのようなものを発散すればいやがおうにも人を引き付ける】
【善人だろうが、悪人だろうが】
【その後誘拐でもされれば事態はもう自分だけで収まる話ではなくなるからだ】

【そういう親切心からの忠告か、はたまた純粋に迷惑に思っているのか、おそらくそのどちらもなのだろう……】
930 [sage saga] 2014/08/07(木) 02:51:35.03 ID:NDFM6Hcf0(5/5)
>>929

【犬が感情の機微に敏感なみたいに、子供というのも大概敏感なものだ。彼女は、子供ではない(ということになっている)のだが】
【ふと温度差があるように思えた、それなら、ふっと言葉を噤んで――……黙る。けれど、あまり露骨になりすぎないように】
【だから――このままその話は終わるのだろう。昔のことを聞き出すには、まだ、それが許される距離じゃないから】

それならいいのに……でも無理だよ、来てくれない。分かってるの、だからね、しょうがない。
たまに来てくれるだけで十分だよね、……だって、本当はわたしたち、関係無いんだもん。

……何年か前にね、助けてくれたんだよ。それからずっと助けてもらいっぱなし、……――いい子なんだよ、とっても。

【嫉妬。しているのかもしれなかった、見たこともない誰かに、あの子の庇護を独り占めしている、だれかに】
【それが自分だったら良かったのにとふと思いそうになることがある。そんな思考を締め出すのは、簡単だけれど】
【ぎゅっと握り締めた手で紫色が煌く、――それだけで十分だってもう一度言い聞かせる。生かしてくれた、それだけで】

……ちょっとぐらいなら、わたしだって戦えるんだよ。怖がりだし、そんなに強くないし、だめだめだけど――、

――……ううん、次から気をつけるね。お姉ちゃんに聞いてみて、大丈夫って言われたら、UTでやる。

【――ふと、反論めいたことをしてしまったのは何でだったか。なんだか虫の居所が悪かったのかもしれない、ほんの、少しだけ】
【だからすぐに気付けて撤回する、(それにしたって、駄目駄目だといいながらも戦えるというのは、少しだけ矛盾していたけど)】
【力がないわけじゃない。もっと強くなるために魔術の練習なんてしている、――でも、どうして、していたのだったか】

【(褒められたかったって、それだけだったように思える。“彼女”は褒めてくれる、でも、欲しいのはその手じゃない)】
【(でも。せめて褒めてくれるその手が欲しかった。だから、練習を続ける。ただそれだけの、不純な動機)】

【――そんな彼女の背後でふとがさりと音がする、風か、獣か。ぴくりと揺れた肩は、ふっと、意識を褪めさせて】
【それから、ワンピースのポケットから取り出すもの。古びた金の鎖の懐中時計、軋む音で蓋を開けたなら】

……ごめんね、わたし、そろそろ帰らなくっちゃ。ペットを家に置いてきてるの、――。
ばいばい、アゾット。また、UTで――、……気をつけて、帰ってね?

【現在時刻を確認して帰宅すると決定。文字盤から上げた視線は、彼を少しだけ申し訳なさげに見つめて――】
【ぱちんと閉じた蓋、懐中時計を元のポケットに押し込みながら。何にもなければもう帰るのだろう、会話を終わりに向けて】
【ばいばい、と手を振る仕草、最後に、彼の頭をふと撫でようとするのだけれど――大人びた彼には失礼かと、その手を止めて】

【きらりと少女の足元から舞い上がる魔力の煌き、妖精のようにくるくると身体を包んで――ふつん、と】

【消える姿は、転移魔術によるものだった。最後に残すのは、魔力の残滓――花弁みたいにひらひらと舞散る、それだけ】

/眠気がひどくなってきたので、この辺りでっ、おつかれさまでした!
931 (関西地方) [sege saga] 2014/08/07(木) 03:13:12.25 ID:+VzcxwB4o(6/6)
>>930
 しょうがない……その言葉が切り捨てるものを直視してはいけない、と言っておく

【鼻から息を吐きつつ、告げる言葉】
【可能性を切って捨てれば、その先にあるものも、自身の望んだものもすべてありえない、起こりえたかもしれない事象となる】
【それをやめろとは言わない、ただ、それを直視すれば……心に大きなひびが入る、それを思っての発言】

 本当ならいいんだがな……まあ、気を付けてくれよ?

【小さく、声を紡ぎながら、何に気を付けるかは明言しないまま】
【聞いても答えてはくれないだろうか】
【魔力を放出し動物を驚かせることか、誘拐されることか、彼女の内面の脆弱性を指しているのか】
【それをとらえるのは、一介のヒトの心でしかない】

 ……ああ、私は大丈夫だ、それよりリンネの方が……

【と、言葉を紡ぐ前に、ふわりと魔力のきらめきが彼女を包んで】
【先ほどの鳥が風の繭なら、これは花の繭か、どちらにせよ、その場に彼女の姿はなくて】

 ……狐にでも化かされた、とか

【どこか蛇を連想させる少女、狐と言うにはまたおかしな話】
【だが、またどこか信じられないような光景ばかりを見た彼の感想としては、まだ現実を見据えているものではあるのかもしれない】

//はい、おつかれさまでしたー
932 (兵庫県) 2014/08/07(木) 10:04:44.02 ID:jG6ngIsLo(1/3)
【路地裏】


 これで、七人目かぁ……
 噂は流れてるみたいだけどさぁ、だぁれもあいつ自体を見たわけじゃないのよねぇ……


 【フード付きのパーカーを着た、緑色の髪のショートヘアーの女がいた】
 【彼女自身は、このような、犯罪者や、悪人が集まりやすい場所にいるような人間に見えない】
 【彼女の両手が赤く染まっていなければ……の話だが】


 私の情報が流れないように、念入りにこの世界からあなたの命を消してあげる。


 【女は満面の笑みを浮かべながら、男の死体に向かって緑色の液体を右手から放つ】
 【グツグツと煮立った液体のように遺体は溶けて消えてゆく】


 あいつを消せたら、私の目的は達成できるの
 だから、あいつを知ってる奴を探してどこにいるか聞き出さないとねぇ……


 【女は強力な殺気を出しながら笑う】
 【もはやそれは、人間の物ではなく、化け物のそれであった】


 【どうやら、彼女は人を探しているようだ……】
933 (兵庫県) 2014/08/07(木) 14:58:53.11 ID:jG6ngIsLo(2/3)
/>>932再募集です
934 (関西地方) 2014/08/07(木) 14:59:03.61 ID:+ajfcKz8o(3/3)
>>921


…、…やれやれ。 得体の知れない相手は苦手だよ。
全く。 此処まで働いて収穫≠ェ無いとは ──、と。

【消え去った影を見て、一言。 質量の減少した黒色物質を消滅させ、悩ましげに頭に手を当てる】
【──、収穫≠ニ言える物なら、手掛かりになりそうな帽子が有るのだが】


ん。 ──そうだな、其れはキミが持って行きたまえ。
僕には余り、興味の湧かないシロモノだ。それに、礼には及ばないさ。


嗚呼、後 ──。


【 「帰るのなら、来た道を戻るといい。」 】


【──彼女が、笑顔の彼の指示に従ったのか否かは、定かでないが】
【もし、その言通りに来た道を戻ったのなら、別段何も、『異変』は無いだろう】
【だが、三叉路の『正面』。 男の居た方向へ足を進めるのなら、── 】


 …… 『声帯』 。    じゅるり=@。


【耳≠奪われ、気絶した男が転がっている。】
【今宵の此処に、『マトモ』な者は、皮肉にも──声を発せない彼女しか居なかったのかも知れない】


/では、これで此方の方は〆させて頂きます。お疲れ様でした!
935 (兵庫県) 2014/08/07(木) 16:34:34.84 ID:jG6ngIsLo(3/3)
/>>932再募集です
936 (関西地方) 2014/08/07(木) 19:19:34.91 ID:Lu61IsLZo(2/2)
>>934

【帽子を持って行ってもいいと聞けば、少女は頭を下げるのだろう】
【指示には首を傾げてみせる。来た道を戻る――その必要性を全く感じられなくて】
【拒否する理由もなくこくりと頷くけれど、その表情は、あまり納得していないようだった】

【目的も果たしたことだし、もうここにいる理由はない】
【彼女はスケッチブックをバッグに仕舞うと、男へともう一度お辞儀をして】
【最後に笑顔を添えると、そこから去ってゆくだろう――】


【――帰り道。三叉路へと差し掛かった折。ふと、男の言葉を思い出した】
【わざわざあんな忠告じみた指示を出したのだ。きっと今日通らなかった道のどちらかに、何かあるのだと予想して】
【好奇心から足は正面≠フ道へと運ばれる。数十秒ほど歩いたところで――彼女はそれに出くわすのだろう】

【―――声無き悲鳴が木霊したのは、言うまでもないことであった】




【……これは、余談】
【人生において知らなくてもいいことは沢山ある。これもきっとそのひとつ】

【狭い場所から別れた二人を見つめる眼があった。それは靴ほどの大きさで長い尾を持つ――黒いネズミのものだった】
【先ほどまで二人の周りをうろちょろとしていたネズミは、心なしか少し残念そうな顔をしていることだろう】
【やがて視界から二人が消えると、短く鳴き声を響かせて、自身の身体を影≠ナ覆ってゆくはずだ】

【そして完全に闇と同化してしまえば――その姿は跡形もなく、どこかへと消え失せる】
【そう、このネズミこそ二人を襲った張本人だったのだ。男が廃屋でこのネズミを見逃してしまうのも無理はないだろう】
【ネズミが魔術を行使するなど、誰が想像できようか】

【これはきっと知らなくとも良いことだ。しかし世界には――】
【たくさんの不思議が転がっていると感じさせるには十分な出来事、だったのかもしれない】

/お疲れ様でしたっ!
937 2014/08/07(木) 19:26:07.90 ID:lwdjOD3ao(1/5)
【森の中】

……やれやれ。仕方がないとはいえ、本当に生傷の絶えん仕事なのじゃ
傷跡が残らなければよいのじゃがな


【人気もなく静まり返った夜の森の中】
【その一角、木々が離れた開けた場所で大きな切り株に座る少女がいた】

【身長は140cm程度であろうか。腰まで伸びた炎のように鮮やかな紅蓮の髪と、漆黒の瞳をしている】
【桜色の簡素なデザインの着物を纏い、胸元には"緋色の鷹"を模したワッペンを付けており】
【傍には茶色の鞘に収まった剣を立てかけていた】

【もし、この少女の姿を見かけることになったならば】
【その周囲にある"奇妙な物体"も目に留まることになるだろうか】
【それは、"人の形をした折り紙"であった】
【精巧に人体を再現したものではなく、所謂「やっこさん」などと呼ばれるヒトガタである】
【体高は170cmにも届こうかというその折り紙は、少女の方へと短い腕を差し出して、淡い光のようなものを少女に向けて放っていた】
【見るものがいれば、"癒しの力"であると察することも可能であろうか】


久しぶりにゆっくりと温泉にでも浸かって来たいものじゃな
折角、気兼ねなくこの身で湯を味わえるようになったのじゃ……一度は行っておかねばな


【などと誰に聞かせるでもなく呟き、少しばかりリラックスした様子で息を吐いていた】

【もし誰かが近くを通りかかることがあったならば、この奇妙な光景が目に留まることもあるだろうか】
【また、静かな森であるため音はよく響く。近くで何かがあれば少女が反応するかもしれない】


【――】


【ところかわって、"昼"の町外れ】

うーん……やっぱりいい音だなぁ……

【中心部から外れた閑散とした雰囲気の漂う町外れ】
【その一角に建つ小さなお店の前に一人の少年の姿があった】

【身長は150cm前後であろうか、黒いタキシードのような服に赤い蝶ネクタイという童話めいた衣装を纏っている】
【先端が緩くウェーブがかったふわふわの金髪と、澄んだサファイアのような碧眼を持ち】
【全体的に線が細く、少女めいた面立ちと儚げな印象をした少年であった】

【少年の前にあるのは風に揺られてチリンチリン……と、綺麗な音を鳴らす"風鈴"】
【看板の下に吊られた其れは、どこか清涼感を与えてくれる気がした】


エアコンはまだ買えないけど……気分くらいは涼しくならないとね
ふふ、デザインもちょっと可愛いし……飾りとしても結構いいかも……


【ほんわかとした笑みを浮かべながら、指先で軽く弾いて音を鳴らす】
【表面に描かれた赤い金魚の絵がふらふらと揺れて、夏の日を彩っていた】

【「義肢、魔銃のご依頼承ります!マジックショップ<Fairy's Gift>」】
【そう書かれた看板を下げたその店は】
【白い壁に赤色の三角屋根、丸い窓に半円形の黄色い扉】
【まるで物語に出てくるような、可愛らしい外観の建物であった】
【店の壁には「アクセサリー、始めました!」という張り紙が見える】

【本日もまったりと営業中であった】

/1時で持ち越しになります!
938 (SSL) [saga] 2014/08/07(木) 20:51:50.91 ID:bGeAu0Nk0(1/4)
>>937
/まだいらっしゃいますか?
939 2014/08/07(木) 21:00:28.48 ID:lwdjOD3ao(2/5)
>>938
/おりますよー
940 (SSL) [saga] 2014/08/07(木) 21:20:21.27 ID:bGeAu0Nk0(2/4)
>>937 >>939

【切り株の周りに広って、暗き森を照らす薄明かり】
【それに惹かれてやってくるのは、何も羽虫や野ネズミの類だけではない】
【――もし足音に気付けば、あなたはそこに、一人の少女が訪れようとしていることに気付くだろう】

【凛々しいダブルブレザーの上に、いかずちの息吹を吐くワイヴァーンの刺繍が入ったマントを羽織り】
【二つ結びの琥珀色の長髪に、魔女じみた三角帽子を被った碧い眼の少女だ。背丈は、160cmにちょっと届かないくらいか】
【小柄な少女の和装とは対照的な洋物だが、彼女もまた、古風な装束で身を固めていると分かる】

【そして彼女は、濁世のたしなみか、腰に細長く尖った決闘向けの両刃剣――レイピアを差している】
【だが抜き放とうと用心しているようには見えず、その様子……特に足取りからは、かなり疲弊していることが伺えた】

(不気味な人形ね……でも、治癒の術が張られているのは確かだわ)
(あのワッペンが偽物じゃなかったら、信用できそう……)

【木陰を縫って少しずつ着物の少女の方へ近づいて行く「魔女」は、その胸元に正義の印≠認めると】
【余計な警戒心を見せるのをやめて、ゆっくりと目の前に歩み出ようとする】

こんばんは、初めまして……えっと、通りすがりでこんなことを頼むのはどうかと思うのだけれど……
そのお人形さん、あとで少しばかり貸していただけないかしら?

【口元に左手を当てて申し訳無さそうに言う「魔女」からは、微かな血の匂いが漂っていて】
【その『源』を眼でたどれば、衣装の右脇腹部分が大きく裂け、その下に包帯が巻かれていることが分かるかもしれない】

/では、よろしくおねがいします!
941 2014/08/07(木) 21:37:42.90 ID:P6AW8Gnwo(1)
【酒場】

【蒸し暑い夜から逃げるように客達はこの酒場に集まる】
【そのせいで更に店内は蒸し暑くなるのだがアルコールの入った客には関係ない】
【不意に勢い良く入り口のドアが押し開かれる。冷たい空気と共に1人の男が店内に飛び込んでくる】

【古い型のサングラスをかけた背の高いやせた男。黒いスーツ地のスラックスに青いシャツ、濃紺のネクタイにスーツベスト】
【慌てた様子で汗をかきながらグラス片手にフラフラする客を押しのけてカウンターに一直線に走って行く】

ヘイ、ヘイ…マスター!…ああ、その…一旦、ちょっと失礼!…いつも通りにしてくれりゃいいからさ

【そう言って男はひょいとカウンターを乗り越えてその下に身をかがめる。それから直ぐに二人組みのチンピラが現れて】
【店内を見渡した後、店主に詰め寄る。『さっきの男は何処だ』とか『アイツを捕まえりゃ金が入るんだよ』と話し声が漏れる】
【店主は店の奥へ通じる扉を指さして『裏口から逃げた』とぶっきらぼうに答えると二人組みは店主を押しのけて出て行った】

…いやぁ、はは…悪いね、いつも。………ま、その…ビールもらおうかな。…ああ、失礼

【カウンターから這い出てきた男は苦笑いをしながらカウンタによりかかり、ポケットから取り出した煙草に火を付けた】
942 2014/08/07(木) 21:38:53.47 ID:lwdjOD3ao(3/5)
>>940

…………ふむ。


【紅蓮の少女は、視界に現れた彼女を少し目を細めながら観察する】
【その動作や声色などに敵意や害意が存在しないかと鋭い目線で探りを入れて】
【発された言葉を数秒かけてじっくりと吟味した後】


――夜の森は物騒じゃからな、迷って獣にでも襲われたのかの?
よいぞ、ちと妙な動きをさせるが……黙って受け入れるなり目を閉じて耐えるなりするがいい


【小さく息を吐きながら、彼女に対してそう答えを出した】
【紅蓮の少女が手をゆっくりと上げて、"対象"を指差しヒトガタに思念を送ると】
【ヒトガタの短い腕が帯を解いたようにシュルシュル……と細長く伸びて、患部に巻き付いていこうとする】

【素材は見たまま"紙"、であろうか】
【どういう原理で動いているのか、滑らかで生物のような動作だ】
【もし何の抵抗もなくこの行為を受け入れたならば、ゆっくりとだが痛みが和らぎ傷口が治癒していくだろう】


……その様子じゃと、手負いのまま随分と歩いてきたのではないか?
"得物"をそこに置くのならば、しばしわらわの隣に座らせてやってもよいぞ

傷を癒して去るにしても、その様では途中で行き倒れるのが関の山じゃろうからな


【そして、妙に偉そうな……高圧的な様子の口調で彼女に対してそんな言葉を投げかける】
【少々刺があるようにも聞こえるかもしれないが、内容は親切心から来ているものであった】

【大きな切り株は、少女二人を載せても十分すぎるほどのスペースが存在している】
【もし、彼女がこの提案を受け入れるならば】
【紅蓮の少女は少し体を横にずらして、自分の隣を小さくポンポンと叩く仕草を見せるだろうか】
【近づく場合は伸びたヒトガタの腕が撓む為、踏まないように少々注意が必要かもしれないが】
943 (SSL) [saga] 2014/08/07(木) 22:13:16.42 ID:bGeAu0Nk0(3/4)
>>942

ええ。油断していたもので、深くはないけれど手傷を。
いいところで治癒の術者が見つかって助かった。恩に着るわ。

【――と、淀みなくつらつら述べる「魔女」であったが】
【彼女から漂う血の匂いは、かなり古い≠烽フだ。獣と格闘して、ずっと森の中に居たとは考えにくい】
【伺える傷が熊の爪や猪の牙によるものと比べればだいぶ浅いこともあり、疑わしく思っても無理はないだろう】

……近くで見てみたら意外と可愛いものね、このお人形さん。
骨が入っているみたいに動くのには、ちょっと驚いたけど……。

【「んっ」と小さく声を上げるだけで、彼女は腕の巻き付きを受け入れる】
【この手の人物が有する東洋趣味・珍品好きを擽ったのか、人形への評価は遠目に見ていた時とは一転していたが】
【ビジュアル以上に、その動きの精緻さが「魔女」の眼を丸くさせていた】

【人形師と呼ばれる魔術師は彼女も何度か見たことがあるが、それは凡そゴーレム使いか、さもなくば屍術師に与えられる称号だ】
【天然にしろ人工にしろ、そういう手合が行使する「人形」には関節と駆動系が備わっている】
【この奇妙な平面の物体がいかなる方法で高度に操作されているのかは、考えても見当がつかなかった】

あら、小さいのに随分とお利口さんね……、とは言えお互い初対面、警戒するのも当然かしら。
せっかくのお誘いだし、傷が治るまで側に居てあげる。 ――寂しいなら、添い寝までしてもいいわよ?

【幾らか余裕――素、とも言う――が出てきたのか、偉そうな口ぶりには自分も高慢に答えるだろう】
【それでも少女の誘いには応じて、彼女はレイピアを鞘ごとその場に置く】

【マント同様にワイヴァーンの意匠が凝らされ、十字鍔を翼に、ナックルガードを尾に見立てたそれは】
【さながら、飛竜の顎門から発される息吹を刀身によって表現しているかのような、芸術的な代物だった】
【何か魔術的な加工が施されている形跡はないが、相当に値の張るものであることは間違いない】

944 2014/08/07(木) 22:37:19.18 ID:lwdjOD3ao(4/5)
>>943

ほう……わらわの"芸術"の素晴らしさが判るとは、悪くない目をしておるな

じゃが、あまり手荒に扱ってはくれるなよ
見ての通りすぐに破れてしまう代物なのでな?


【自身の作り出した"作品"を評価する言葉に、若干ながら嬉しそうな声色が混ざる】
【ヒトガタは簡易的に人体の形状を模しただけのモノで、立体感が薄い】
【腕に至っては手で摘んで引き裂くことすら可能なほどにまでペラペラである】

【一般的な人形のような部品の組み合わせで稼働するような其れではあるまい】
【恐らくは異能、術の類であろうか。櫻の国の術を知っていれば"式神"に似ていると察することも出来るかもしれない】


……思った以上に余裕があるようで、幸いというべきか面倒というべきか。

ぬかせ……生憎と添い寝をする相手は間に合っておるからの
わらわを魅了するならば、あと二回りは身体を大きくしてもこもこの体毛を生やしてくるがいい
さすれば愛でてやることを考えてやらんでもないぞ?


【彼女の軽口とも取れる言葉に、ふん、と小生意気そうな表情を浮かべながら返す】
【添い寝の相手は大きな獣かなにかであろうか】
【大凡少女に求めるには難易度が高すぎるであろう要求であった】


さて……まずは何を語るにしても名を知らねば始まらんな

わらわはカミナ、カミナ・ゲルギルじゃ
見ての通りかは知らんが、SCARLETの新米隊員といったところかの


【こほん、と小さく態とらしい咳払いをし場を仕切り直すと】
【まずは紅蓮の少女――カミナは自身の名と所属を明かす】


御主の名も教えるがよい。
その立派な誂えを見るに、何処ぞの騎士様のようにも見えるがの


【カミナは、少女の名を尋ねると同時に】
【彼女の得物やマントに記された見覚えのない形状の装飾に興味を示す】
【個人の趣味にしては豪奢に思えるその様に、何処かの自分の知らない組織に属した人間ではないか予想しているようだ】
945 (SSL) [saga] 2014/08/07(木) 23:05:00.89 ID:bGeAu0Nk0(4/4)
>>944

ふっ、どうして私が愛でられなきゃいけないのよ。……まぁ良いわ。

【伸びきった人形の腕を引きちぎらないよう気を付けながら、切り株に腰掛ける】
【冗談を長々と引きずるつもりは、彼女にもないのだろう】
【少女が咳払いすると、合わせるようにリボンタイをまっすぐに直した】

立派なのは確かね。だけれど、騎士なんてもんじゃないわよ。
私の名前は、ロザリンド・ルーゼンホルト――水国伯爵家、ルーゼンホルト家が長子。
あなたが気にしているケープと剣にあしわられた翼竜は、当家の家紋のモチーフよ。驚いたかしら?

【名乗りを促されると、「魔女」は待ってましたとばかりにその名を告げた】
【だが、水の国の歴史や、或いは戦史に通じていなければ、ルーゼンホルトなどという家名は聞いたこともない者が大半だろう】
【それもそのはず――この一族は一世紀も前には既に没落し、今や本家以外は爵位を失った遠い昔の軍事貴族だ】
【まして相手は水の国以外の出身と見える。ロザリンドの自信とは裏腹に、微妙な反応が帰ってくる可能性が高い】

そういうあなたは、カミナ・ゲルギル……。櫻の姓にしてもあまり聞いたことが無いわね。
かなり荒々しい響きだけれど、遠方から来たのかしら?
しかも「あの」SCARLETに身を置き、奇妙な紙の術を使う――さて、どこから尋ねてみるところかしら。

【ロザリンドの装いと出自が凡そ一致している一方で、カミナの素性を質そうとするのは難しい】
【眼を見張るような紅蓮の髪、東方の装束と秘術、あまり聞いたことのない苗字――】
【あれこれと考えを巡らせてはみるものの、提示された諸要素がぴったりと一つの線で繋がらない】
【この小さな身体に、どれだけ数奇な経歴が刻まれているのだろうと、ロザリンドは首を傾げるばかりだった】

946 2014/08/07(木) 23:36:48.30 ID:lwdjOD3ao(5/5)
>>945

ルーゼンホルト……ふむ、聞かぬ名じゃな。
まぁ、元よりこの国の貴族の名などわらわは覚えておらぬがのぅ――。


【「それにしても貴族様か……色々と納得がいったのじゃ」と、締めくくる】
【納得がいった、とは装いの他に口調などのことも含めた発言であろうか】
【ロザリンドが高貴な身分を持つ少女であると知った上でも態度は変わらず】
【先程同様の調子で彼女に応えていった】


……じゃろうな。わらわの名はこの国の者の養子になって変わっておる
国の名が混ざりあえば多少判りづらくもなろうよ


【カミナ・ゲルギル――最初の"カミナ"に関しては漢字で表すことが出来るが】
【姓、ゲルギルはそれこそ奇妙な当て字にでもしない限りは存在しない名であろう】
【東方の血にしては異質な赤髪に、珍しい術。幼い童女のような容姿にもかかわらず"SCARLET"の所属】
【見た目からその過去を、素性を察することは恐ろしく困難であった】


尋ねてもよいが、答えられるかは知らぬぞ。
わらわは……そうじゃな、"みすてりあす"な女じゃからな。訊かれても話せぬことの方が多いのじゃ

それに、わらわばかりが聞かれるのも癪じゃし、何でもかんでも尋ねられても困る
御主の質問に応える対価は……そうじゃな。ロザリンドよ、御主の"秘密"1つと交換ということでどうじゃ?


【カミナが鮮やかな髪を軽く掻き上げるような仕草を見せながらも】
【少々ばかり意地の悪そうな、試すような表情を浮かべながら彼女にそう返事をした】
【知りたいならば相応の対価を……先に素性を喋らせておいて、あんまりな提案ではあるが】
【そういう条件でならば幾らか話すつもりはあるようであった】

947 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 00:11:19.81 ID:dDxltlN/0(1/8)
>>946

あなたはあなたで随分おしゃまというか、おじんくさい≠よね。じゃなーっ、のじゃーっ、て。
櫻の方では、騎士……サムライ、だったか……の家に生まれた娘が、こんな風に話すって聞いたわよ。

それがはるばる、大陸まで養子に出されたとはね。苦労もあったでしょうに。

【実のところ、家が凋落しきってから生まれた子であるロザリンドは、きらびやかな社交界と縁がない】
【だから、特徴的な語り口のカミナについて、これが「本物」なのだろうかと邪推してしまう】

【幼いながらに余裕ある佇まいと、揺らぐことのない意志で輝く瞳――】
【貴族の理想像のようなこの少女をそばで観ていると、愛おしいような、慕わしいような、何ともいえない気持ちがした】

私の秘密……うーむ、困ったわね。たった16年の人生で、隠し通してきた事なんて有ったかしら。
そうね。交換条件が交換条件だし、身の上話の続きでよくて?

約束するから、まずカミナの話を聞かせて欲しいわ。
此方は名乗るついでにいつものクセで、自分が何者かちょっと話してしまったものね。

【いきなり悪戯めいた表情を突き付けてくるカミナに、ロザリンドはきょとんとして】
【それから少し考えると、ませた子供を見る時のように微笑ましげな表情になり、自分から出せるものを提示した】
【貴族である、という以上の自己の実情。ただし、どこまで話すかは相手を見て決める、という意図を言外に含ませている】
【――とは言え、その聞かれてもいない内から喋り出す性情からすると、話の「食い逃げ」をされることは無いだろうが】
948 [sage saga] 2014/08/08(金) 00:35:25.69 ID:0qxKH0NSo(1/6)
>>947

サムライ……これまた何とも色気のない例えを持ち出してきたものじゃな

わらわを見たらほれ、そんな可愛げのないものではなく他に浮かばんかの?
姫君とか、御主と同じ貴族のお嬢様とかな……わらわにピッタリであろう


【ロザリンドの予想に対して、カミナは少々ばかり微妙な表情を見せた後に】
【指先で赤髪の端をくるくると巻き取る仕草をしながら、上目遣いに彼女を見やりながらそんな事を口にする】
【どうにもこの少女は、自分の"容姿"に自信があるようである】
【果たして、本当に「そういった身分」であるかを察することは未だ難しそうではあるが】


くくっ……そう大層な秘密は求めておらぬからそれでよいぞ
あまり勘ぐって、貴族様のいらぬ騒動に巻き込まれるのもゴメンじゃしな

まぁ、互いを知るための余興のようなものじゃ
肩の力を抜いて、世間話の一つと思ってゆるりと話すがよいぞ


【含んだような、独特な笑い方をしながらそう告げる】
【"秘密"、といってもロザリンドの深くまで探るつもりはないようだ】
【飽く迄も、休息中の会話のテーマのようなものだろう】
【カミナが口にしたように、少しばかり捻くれてはいるが自己紹介のようなものであった】


むっ……まずはわらわの話か。
そうじゃのぅ、何を語ってよいものか――……御主も興味を持っておったようじゃし、あれでいいかの?


【其処まで言葉を紡いだ瞬間、カミナの頭上2mほどの位置の空間が突然じわり……と歪む】
【そして空間から滲み出るようにして大きな平面の物体が"生まれだした"】

【それは1.5m四方ほどの大きさをした白い"紙"であった】
【紙は空中で見えない手で触れられているかのようにパタパタとひとりでに折られ始め】
【数秒と経った頃には一つの形をして顕現していた】

                  
                【<貴宝院流不切正方形一枚折り・鶴>】


【それは"折り鶴"。人一人を軽々と載せられるようなサイズの其れは】
【長く薄い翼を羽ばたかせると、空を切りながら二人の前まで飛翔しふよふよと浮かんでみせた】


これがわらわの力――「カミオリ術」なのじゃ
どうじゃ? 御主の秘密を知る対価としては十分すぎる出し物じゃと思うが


【無から紙を生成し、"折る"ことで特性を付与し自在に操る特異な術】
【先程から癒しの力を放っている"ヒトガタ"もこれで生成したのだろう】
【カミナは自身の誇る術を若干ドヤ顔気味に披露しながら、「次は御主の番じゃぞ?」と彼女の話を促した】
949 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 01:08:49.28 ID:dDxltlN/0(2/8)
>>948

【二人の頭上に突如として現れた「紙」が瞬く間に「鳥」となる】
【それだけなら手品の一言で片付けることができるが、折られた鳥は、その姿通りに翼をはためかせ、飛んで見せた】
【いま自分に腕を巻きつけている人形が、まさしく「人の形」に相応しい動きをするように】

なんてこと……これは確かに「芸術」ね。
しかもただのオブジェじゃない。作られた形、込められた意味通りに動く。術式のプログラム化は私もしているけれど、柔軟性が段違いだわ。
或いは、言霊=\―最も単純だけれど、強力な魔術のかたち。命じたとおりに事象を操る、あれにも似ている……。

【――驚嘆し、そして感激したのだろう。ロザリンドは魔術や呪術に造詣が深いつもりだが、こういうものは見たことがない】
【カミナの方と浮遊する鶴の方とを交互に見遣りながら、あれこれとコメントする姿には】
【飄然と澄ました常態からは計り知れない、歳相応の好奇心が滲み出ていた】

……ごめんなさい、まくし立ててしまって。でもそれだけすごいのよ。いま以上に誇りなさい。
このお人形さんだけじゃなくて、紙で見立てられれば何でも作れるなんてね。なかなか有ることじゃないわ。
「キホーイン流」って言うのかしら。櫻にも、こんなにすごい秘術を伝える家が――あっ。

【興奮しながら、なおも言葉を紡ぎ続けるロザリンド】
【だがある事に思い至ると、まるでヘソクリを見つけた時のように悪い顔をしながら、唇を結んだ】
【『憶測』であるため確証はないが、カミナが大きな反応をすれば――】

【ただし、今のロザリンドの立場は「語り手」に変わろうとしている】
【その辺りを突っつけば――こんな素晴らしいものを見せた後でもあるし、甘んじて話題を変えるだろう】
950 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 01:10:14.71 ID:dDxltlN/0(3/8)
/すいません、事前に仰っていた一時になってしまいましたね……レスが遅くて申し訳ないです
/自分はあした終日家にいますので、ロールを再開できる時間を教えて頂きたいです
951 2014/08/08(金) 01:15:56.26 ID:0qxKH0NSo(2/6)
>>950
/いえいえ、お気になさらずです!持ち越しはこちらの事情に付き合って頂いているわけですし
/19:00頃には帰宅しますので、その辺りの時間帯には返レスできるかと!
/では、またよろしくお願いします。おやすみなさーい
952 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 01:50:57.96 ID:dDxltlN/0(4/8)
/次スレです!
vip2chスレ:part4vip
953 (兵庫県) 2014/08/08(金) 17:46:17.10 ID:CPd0tHRIo(1)
【路地裏】


 これで、七人目かぁ……
 噂は流れてるみたいだけどさぁ、だぁれもあいつ自体を見たわけじゃないのよねぇ……


 【フード付きのパーカーを着た、緑色の髪のショートヘアーの女がいた】
 【彼女自身は、このような、犯罪者や、悪人が集まりやすい場所にいるような人間に見えない】
 【彼女の両手が赤く染まっていなければ……の話だが】


 私の情報が流れないように、念入りにこの世界からあなたの命を消してあげる。


 【女は満面の笑みを浮かべながら、男の死体に向かって緑色の液体を右手から放つ】
 【グツグツと煮立った液体のように遺体は溶けて消えてゆく】


 あいつを消せたら、私の目的は達成できるの
 だから、あいつを知ってる奴を探してどこにいるか聞き出さないとねぇ……


 【女は強力な殺気を出しながら笑う】
 【もはやそれは、人間の物ではなく、化け物のそれであった】


 【どうやら、彼女は人を探しているようだ……】
 【故に彼女は今、周囲の状態に敏感だ、誰かいればすぐに気づくだろう】



 【また別の路地裏】


 最近、行方不明者が増えているみたいだな……
 奴らはこの世界に存在しないしぁ……

 【黒いソフト帽を被ったライダースジャケットの男が溜息をついた】

 【彼はどうやら、行方不明者が増えた原因を探しているようだ】

 正直俺が動くのは間違っているかもしれないんだよなぁ……
 警察みたいな組織の所属じゃないわけだしよぉ……

 【男は路地裏を歩く、自分への危害はどうでもいい】
 【男は周囲を警戒しているようだ】

 でも、やれることはやらないとな!!
954 [sage saga] 2014/08/08(金) 19:21:00.65 ID:0qxKH0NSo(3/6)
>>950

……ほほう、その格好を見た時から"術師"の類じゃとは思っておったが
随分とまた饒舌に語るものじゃな

じゃがこれは、御主の想像とはちと違う代物やもしれんの
「カミオリ術」は、"無から紙を生み出す事の出来る"わらわ達の血統にのみ伝えられる術
謂わば血に宿る異能を自在に操る為の手段じゃ。

御主がどのような術を扱うかは知らぬが、参考にしようとは思わぬことじゃな


【ロザリンドの興味津々な様子に、表情の変化は薄いも声色を少しばかり弾ませながら言葉を返す】

【"紙を生み出す術"ではなく"紙を生み出す異能を扱うための術"】
【字面では似ているように見えるが、前提条件からして全く違う非常に珍しい形式の術であった】
【特定の異能を持っていることが条件となってくるため、使い手は非常に限られてくるようである】


――……ふむ。まさかこれだけを見て思い至るとはな
ロザリンドよ、御主は思った以上に知識を蓄えておるようじゃな

じゃが、わらわの"秘密"は一先ずここまでじゃ
くくっ……先を知りたくば相応の対価を支払ってからにするがよいぞ
それがわらわの気を引く内容ならば……少しはこの口も軽くなるやもしれんな


【ロザリンドが術の正体に感づいた様子を見せると】
【カミナは目をパチクリとしたあと、感心するような声でそう洩らした】
【知っているのが異常というわけではないが、限定的すぎて国内でも余り名が知られていない術である】
【魔女のような格好をした――実際に"魔女"なのであろうが】
【彼女の知識の広さを一欠片ながらも察すると、カミナは素直に相手を認め――しかし、直接的に口にすることはなかった】

【自分のターンを終了させて】
【期待するような、焦らすような様子で少しばかり楽しげに口元を吊り上げ】
【彼女がどのような話をしてくれるだろうかと、横から顔を見上げながら口が開くのを待っていた】
955 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 20:23:27.80 ID:dDxltlN/0(5/8)
>>954

や、それほどでもないわ。単に祖先の日記や蔵書に、東方の家系に伝わる秘術や兵法の記述がちらほら有ったってだけ。
「カミオリ術」の名を直接聞いたことは今まで一度もないし。
ほら、当て推量を自信たっぷりに言ってみると脈があるかも知れない――って、経験則に従った結果よ。

【カミナが声音を変えて評価してくれたのが嬉しいのか、ロザリンドはにこりとウィンクして見せる】
【半ばはったり≠フつもりで出した話が間違ってもいなかった。ということは、彼女はやはり稀な血族に連なるのだろうか】
【訊ける所まで聞いてみたいとも思ったが――、一方的に喋らせるのは不公平だ】

さて、自分で仕掛けた罠にハマったわね……。
あれだけの技を先に見せられたら、釣り合うような話はおいそれと用意できないもの。
私の魔術を見てもらってもいいけれど、派手なのだと山火事≠ェ怖いし……

……ええい、悩んでも仕方ない。とりあえず約束通りに喋ってみるわね。

【まるで決闘に向かう時のように帽子をかぶり直し、息を整え】
【話を頭の中でまとめると、ロザリンドは自分が置かれた状況を滔々と語りだした】

――さっきから「貴族のお嬢様」だなんて言ってもらっているけれど、本当はそんなにご大層な立場じゃないの。
私が、ではなく、ルーゼンホルトという家自体が。

あなたの所と同じように、ルーゼンホルト家も魔術の扱いに適した体質を継承する血脈だった。
ところが、女の人しかそれを受け継がなくてね……しかも悪いことに戦闘に特化した才能だから、とにかく古い社会で居所作りに苦労したのよ。
戦乱の時代のうちは、力で誤魔化していくことが出来たけれど、一度国がまとまると政治の殴り合いに弱くて。
血もどんどん薄まっていき、100年も前――私のひいおばあさまの代には、ルーゼンホルト家は没落していたわ。

だけれどこの一世紀の間、誰も豪奢な衣装やあの剣のような遺産を必要以上に売り払おうとはしなかった。
資本家になる才能が無いと確信していたのも理由の一つだろうけれど――それ以上に、歴史への誇りがあったからだと私は信じているわ。

【始めは悔しさが滲んでいた口ぶりは、いつの間にか熱っぽい長広舌に変わっている】
【彼女が背負うものは、先祖の名。もはや時代遅れのガラクタだとしても、投げ捨てることを許せなかった宝物】

……だからこそ、先祖返りみたいに術師としての能力を備えて生まれてきたからには、この家をもう一度盛り立てていきたいの。
私は本気よ。軍や公安へのコネはもう擦り切れて久しいけれど、
――だったらこの手でカノッサやGIFTに膺懲を下し、ルーゼンホルトの名を天下に轟かせて見せるわ。

【その決意表明を区切りに、数十秒ぶりに口を噤んだロザリンドは、自分がいつの間にか握りこぶしを作っていることに気付いた】
【人にとってはつまらない話だろうに、だいぶ熱くなってしまったらしい――】
【ちょっとだけ恥ずかしそうに眼をきゅっと瞑って、深く息を吐き、少女はカミナの反応を待った】

956 (関西地方) 2014/08/08(金) 20:28:09.11 ID:RG77q+bWo(1/7)

【 路地裏 】



【 ──ごつん 】

【    ──ごつん     】



【路地裏には、『何か』を壁に打ち付けるような音が響き続ける】


……はーぁ、暇で暇で仕方ないワ。
『次』はまだかしらねェ。 こんな雑魚ばっか狩っても、全然楽しくナイナイナイのヨ。
ねェ、貴方はどう思うかしら。 ──、あァ、今、ちょっと意識飛んでタ?♪


【マゼンタのシャツに白いネクタイ、金の長髪に銀縁眼鏡、黒のクォーターパンツに黄のハイソックス】
【――と、ヴィヴィッドな色の目立つ趣味の悪い服装をした、中性的な相貌の男≠ナある】
【右腕の派手な腕章には、『Timy-XCIII』―― 93≠意味する文字が記されていた】


…、…まぁダ、話さない気かしラ。
個人的に長く保つ男は好きヨ。良いわ、死ぬまで一緒に居てあげル。 


【彼が掴んで壁に打ち付けているのは、男の頭部>氛汳jは既に気を失いかけていた】
957 2014/08/08(金) 20:54:18.85 ID:F5z3mak4o(1/7)
>>956
/まだ大丈夫ですかね?
958 2014/08/08(金) 20:55:26.66 ID:0qxKH0NSo(4/6)
>>955

むっ……するとわらわはまんまと嵌められたという事かの?

ふん、このカミナ様を策に掛けるとは生意気なことをしおるのじゃ
こうなっては……生半可な話では許してやれぬかもしれんのぅ?


【そう言いながらも、悪い気はしていない語調である】
【自身に特に害が無かったこともあってか、気にするような事とも考えていないようだ】
【ただの戯れあい、会話のスパイスのようなものと捉えて彼女の話に耳を傾けた――】


【――】


(なるほど――名を聞かぬはずじゃな……)


【語られる内容は"よくある"転落劇】
【時代の流れに乗れず没落していった古い貴族の話であった】
【異世界の知識が取り入れられることにより近代化も進み、古い風習が置き去りにされていく昨今】
【貴族のような特権階級自体、今は余り見かけることも少なくなってきていた】

【そんな世の中で、目の前の少女は自身の力で、血に宿る才で家を復興したいという】
【熱の篭った語りや仕草から、その決意が生半可な物ではない事はカミナにも伝わってきていた】
【ロザリンドの語った決意表明をしかと聞き入れて、数秒の間吟味し……】


……参ったの、これではわらわの方が釣り合わぬではないか
その歳で、お家の為に其処まで心血を注げるとは立派なモノじゃよ

じゃが――

【……そんな言葉を、洩らした】
【今度は実に判りやすい形で彼女の覚悟を、決意をカミナは認めた】
【認めた上で――続けて声を乗せる】


――じゃがな、女一人で幾ら息巻こうが現実的ではないのぅ
御主の力がどの程度の代物かは知らぬが
この世界は一振りの剣や術の一つで変えられる程優しく出来てはおらん
具体的な策もなしにただ力を振るった所で、名を上げることは難しかろうよ

……わらわに言われずとも、そんな事は重々承知の上であろうがの。


【カミナの口から紡がれた声は、厳しい現実を突き付けるようなものであった】
【どういった意図でこの言葉を紡いだのか、何を考えているのか】
【遊びのような秘密の交換を一旦切って、カミナはじっと彼女の目を見つめながら反応を待った】
【"何か"を期待するように、"何か"を確かめるように――】
959 (関西地方) 2014/08/08(金) 20:56:55.22 ID:RG77q+bWo(2/7)
>>957
/はい、おりますよ
960 2014/08/08(金) 21:11:23.57 ID:F5z3mak4o(2/7)
>>956
【――――――――こつ。こつ。こつ】


【ごつん、ごつん、と何かをぶつけるような音が響く路地裏に、もう一つの音、ハイヒールがコンクリートを打つ音が響く】
【直後、ゆらりと人影が一つ揺れたと思えば男の背後に女は現れていて】
【真っ赤なスーツに真っ赤な肩まで伸びた髪、そして吊り目という目つきの悪さをサングラスで隠している】
【赤、朱、紅、とにかく目立つ赤色の格好をした女。そんな彼女は男にこう問いかける】

よう、こんなところで何してんだ?随分と穏やかじゃねぇなぁ…

【やはり荒っぽい口調。だが男は果たして気づけるだろうか】
【女が尋常ではない――いわば、修羅場をくぐり抜けてきたような――――そんな雰囲気を】

【返答次第では、さらにその雰囲気を増大させるだろう】
/では、よろしくお願いします!
961 (関西地方) 2014/08/08(金) 21:20:15.76 ID:B5LyqE5Wo(1)
【路地裏】


【夏――ただでさえ暑いのに陰鬱な空気の路地裏は酷くじめじめしていた】
【場所によってはその辺に捨て置かれたゴミが腐り悪臭を放ってもいる】
【できることならば、近づきたくはない場所だろう】


……40……41……


【だが、そこにはひとつの影があった】
【真っ黒のボサボサ短髪と、深淵を思わせるかのような漆黒の三白眼に、】
【服装も黒としか形容できないような、黒のピーコートに黒のジーパン】
【そしてやっぱり黒色の眼帯を右眼につけた、そんな――暗い顔の少年だ】

【10代半ばに見える彼が行っているのは、いわゆる筋トレというやつだった】
【ごくごく普通の腕立て伏せ。顔は汗でびっしょりになっていて】


……45……っ、よんじゅう――

――はぁっ、はぁ……あー、もうこれくらいでいいや。暑いし


【中途半端な回数だが、そこで限界が来たらしく地面に寝転がってしまう】
【大きく呼吸を繰り返す本人は、気にしている様子はないが――汚い】
【もしこの場所に誰かが来るとすれば、少年はどのように映るのだろうか】
962 (関西地方) 2014/08/08(金) 21:21:38.20 ID:RG77q+bWo(3/7)
>>960

【背後に現れた女。 ──その方向を一瞥もせず、男の頭を手放すと】
【掌を軽く振って、臭いをかぐ。「血で汚れちゃったわネ。」と、不満げに呟き】


…、…あラ。ちょっとだけ楽しそうな子ネ。
でもダメヨ。そんなに剥き出しの『雰囲気』出しちゃア、男にはモテないワ。


【──振り向く彼。93≠フ文字が女にも見えるだろう】
【それがどの様な意味を持つかは、推して測るべし、と云う所だが──】


見て分かんなイ? ──、悪さ≠オてンのヨ。


【にやり。 三日月の様に口角を釣り上げ、一足進め。ぐぃ、と顔を、彼女の顔の至近距離に近づけた】
963 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 21:34:16.03 ID:dDxltlN/0(6/8)
>>958

……ええ、カミナの言うとおりよ。
今みたいに散漫に悪党を追い立てるるのには限界がある。
現に、今の私にはこの傷をじっくり治すだけの持ち合わせすら無いわ。

【服の替えはあるのにね、と自嘲気味に零しながら、ロザリンドは式神の上から腹の傷に触れる】
【疼くような痛みは、今やわずか。癒しの術の効き目は十二分にあるらしい】
【――しかし、これからも傷を負うたびにカミナのように親切な人物に巡り会えるとは限らない】
【それどころか、満足な戦いをできないまま、悪漢に全てを奪われる末路だってあり得る】

もちろん「貴族は指揮する立場でなければ」なんて、甘えたことをほざきたいから一人でいるわけではないの。
だけれど、軍の魔術部隊や、他に相応な組織力を持つ所からラブコールを受けるのはまだ無理よ。
私自身が――まだ、自分への信頼と釣り合うだけの成果をあげられていないんだもの。

【ずっと強気に振る舞っていたロザリンドの碧い瞳が、明らかな弱みを垣間見せた】
【彼女は確かに自らの力を誇っている。だからこそ、それを証明しないまま、誰かに必要とされたくないのだ】
【矜持――それはこの少女の力の源泉だが、同時に大いなる重荷でもあった】

カミナ、私はきっと怖いのよ。一人で何もできないってことが。
それが論理的に正しいことだとしても……自分だけで何も成し遂げていないうちに、「家」以外の何処かへ所属してしまうのが恐ろしいの。
わかっていても、割り切りたくないのよ。 ――おかしな話よね。

【カミナの品定めするような視線を感じて、ロザリンドは俯く】
【……年下の娘に詰問されてようやく、冷静に自分の気持ちを分析できるとは、いやはや情けない】
【これでは、彼女が注いでくる期待めいたものにも到底答えられないだろう】
【ただそれでも後には引きたくなくて、少女は頭を垂れながらも、二回りほど低いところにあるカミナの眼を見つめていた】
964 2014/08/08(金) 21:35:22.47 ID:F5z3mak4o(3/7)
>>962
はん、あんたは"男"じゃなくて"オカマ"だろうが
まあ、あたしの雰囲気を感じ取った事は褒めてやるよ

【口角を嫌味たっぷりにつり上げ、女はニヤニヤとサングラス越しに男を見つめ返す】
【そして見える"93"の数字。これは果たして何の意味を持つものだろうか、女はそれをふと疑問に思う】

"93"ねぇ……何かのナンバーかこりゃ?
だとしたらカノッサ機関のナンバーズかい?お前は?

【サングラスを外し、目つきの悪さと真紅の射抜くような鋭い視線が相まって、それはまるで蛇睨みのよう】
【女は自身の推測を口に出し、男に確認する】
【当たるにせよ外れるにせよ、男が悪さをしているのは間違いないらしいようで】

ほーん…あ、そ
――――で、あたしをどうするつもりかな?

【至近距離に迫った男に動じる事も臆する事もせず、あくまで大胆で豪胆に、むしろ女も面白そうに口角をつり上げて笑ってみせる】
【その顔はどこか挑戦的なもの、挑発しているようにも思える】
965 (関西地方) 2014/08/08(金) 21:43:45.98 ID:RG77q+bWo(4/7)
>>964

【ナンバーズか、との問には、「見りゃ分かるでショ」と軽く返し】
【──、と。寄せていた顔を引っ込めると、両掌を挙げて見せて】


── べっつにィー?


こんなトコで出会った、ソコソコ相手にすんノ面倒臭そうな奴と戦う気は無いワ。
アタシ、戦うのは好きだケド、『戦闘狂』じゃないモノ。……ソ・レ・よ・り。


【地に突っ伏した男の首根っこを掴み上げると、自分の体の前に掻き抱いて】
【ぐりぐり、と指先でこめかみを圧迫すると、男はうめき声を上げる】


アンタ、効率的な『拷問』の仕方とか知らないかしラ?
さっきからやってるんダケド、意外と根気強いのよネ。 ──、ホラ、アンタどこの回し者ヨ。


【そう言って、膝蹴りを男に一つ。 彼の方から『戦闘』に持ち込む気はないらしいが──】
966 [saga] 2014/08/08(金) 22:01:48.44 ID:F5z3mak4o(4/7)
>>965
へぇ、カノッサか……
……へへっ、ビンゴってとこだな

【女自身が今現在追っている組織の一つ、カノッサ機関。その構成員である目の前に男】
【女はさぞ嬉しそうに笑う。だが、それは顔だけの話であって目は一切笑ってなどいないのだが】

おいおいおいおいおい、つまりあたしが強すぎるから戦いたくないって事だろ?
いやー、人気者は辛いねぇ、"人類最強"なんつってさぁ!

【面倒臭そうという男の言葉を都合良く解釈。それは絶対たる自信の現れか】
【この女は自らを"最強"と自称、自負している。それほどまでに自らに圧倒的な自信を持っているのだ】

んー?知ってるぜぇ?あたしは何だって知ってる
教えてやろうか?あぁ、いやいや、返答はいらん。強制的に教えてやるよ

【効率的な"拷問"など、いくらでもこの女は知っている】
【そしてそれを強制的に教えてやろうと言うのだ、但し――――――】

―――――――お前の身体でなぁッ!!!

【――――刹那、女は左脚を軸にくるりと身体を回転させて、素早く回し蹴りを放つ】
【鍛え抜かれた脚力、しかもハイヒールなのでその威力は言うまでもなく凶悪だ】
【喰らえば、数メートル程男は吹き飛ばされる事になるだろう】
967 2014/08/08(金) 22:04:04.75 ID:0qxKH0NSo(5/6)
>>963

……ふむ、それは残念じゃの。悪くない人材じゃと思うたのだが
御主があえて茨の道を歩むというのならば、無理に手を引くわけにも行かぬよな――


【大方予想は出来ていただろうが、カミナはロザリンドをスカウトするつもりだったようだ】
【各国の軍や警察組織が結託し作り上げた超国家部隊――SCARLET】
【これに所属するならば、組織としての恩恵と……何よりも各所への強力な"コネ"が手に入る】
【貴族としての大成を求める彼女にとって、よい道ではないかと考えていたのだが、望まぬ道を強制することも出来ない】

【カミナはロザリンドの夢を応援してやりたかった】
【果て無き道を一人突き進もうとする様が"妹"とあまりにも重なって見えたから】
【苦しみ足掻き、幾度も柔肌を傷つけながら歩みを進めるであろう事が目に浮かぶようであったから】

【紅蓮の少女は「――残念じゃの」。と締め括り、頭を振って小さく息を吐いた】


御主の言う通り、世の中判っておっても選べぬ事はある

効率的で綺麗に均された道が必ずしも正しいとは限らぬものじゃからな
その矜持で貫いた果てにだけ、見えてくる光景もあるじゃろう――


【カミナは、掌を開いて天に翳すような仕草を取った】
【すると、その手に乗るようにして小さく空間が歪み一枚の紙が姿を現し】
【先程同様に見えざる手で操られるようにパタパタと、形を変えていき――やがて一体の"ヒトガタ"が姿を現した】

【サイズはロザリンドを癒している其れとは比べ物にならないほど矮小で、10cmもないだろう】
【少女がそれに"神気"を灯すと、ヒトガタの表面に黒い染みが浮かんでいき……文字として刻まれた】


――気持ちに区切りがついたならば、何時でも"SCARLET"の門戸を叩くがいいぞ
わらわが推薦してやれば幾つかの面倒な手続きも省略できるじゃろうからな

それに……組織に属さずとも、背負う重荷を軽くする方法はある
例えばそうじゃな……誰とは言わんがふと森で出会った知人に頼ってみるなども、面白いかもしれんぞ?


【くっくっ、と独特の含んだような笑い声を小さくあげながら】
【カミナは小さなヒトガタをふわふわと浮かばせながらロザリンドの手の方へと飛ばす】
【そこに記されているのは、カミナの"電話番号"と"メールアドレス"だ】
【意図に関しては……敢えて、記すまでもないだろう。どうやらこうして関わろうとする程度には、気に入られているようであった】
968 (関西地方) 2014/08/08(金) 22:14:40.31 ID:RG77q+bWo(5/7)
>>966


……ふゥ。アタシよりも頭おかしいわネ、アンタ。
そういう生き方してる、ト ──

【──回し蹴りの予備動作を認識すると、彼は男を背負い上げつつ身を低くする】
【結果として、回し蹴りが捉えるのは拷問されていた男=B 彼は数メートル吹き飛び、壁に打ち付けられた】


 いつか、 バケモン≠ノ出会って、半身 喰 い 千 切 ら れ る わヨ。


【「アタシのことじゃないわヨ♪」──、そう、付け加えつつ、伏せた身体から俊敏に横へ飛ぶ】
【この時点で、両者の距離は数メートル。 先程の蹴りが掠ったのか、切れた頬から伝う血を、べろりと彼は舐めて】


──ドラスティック≠ヘ、『ハレとケ』の間に生まれるのヨ!!
アンタみたいな脳筋には、理解できないでしょうけどネェ!!

【話しつつ立ち上がり、懐から取り出したのは二つの鎖=z
【紫色≠フ光を帯びたそれを──、両手に持ちつつ振り回し、相手の出方を見計らう】
969 [sage saga] 2014/08/08(金) 22:37:33.50 ID:U7zJPFTZ0(1)
【街中――カフェ、店内のケーキケースの前】
【大通りに面した道は街灯に照らされる明るさ、ちっとも不安なんて抱かないぐらいの、眩さで】
【道と店内を分ける大きなガラスのドアから乱反射して入ってくる光が店内を――足元をチラチラと照らす、生き物みたいに】

そうねえ、またたび入りのケーキってないのかしら。あなたってばとっても喜びそう、好きでしょう? そういうの。
……あら、嫌なの? びっくりだわ、あなたのことだから好きだと思ったのに。残念ね、ペットショップまで探すつもりだったのよ。

…………――あら、切れちゃった。

【膝に添えていた手がひらりと解かれる、整えるようにスカートの布地を撫でる手には、指出しの手袋が嵌められていて】
【くすくす笑いで切れた携帯を見つめればスカートのポケットに押し込む、それから、空っぽになった両手は胸元で組まれ】

何にしてあげようかしら、そうね、あの子が好きそうなもの……。

【――濃い藍色の髪、赤と黒であしらった髪飾りはちょっぴりゴツいというか派手というか、その色合いによく目立って】
【髪と同じ色をした瞳が瞬く、――ちょっぴり日焼けした肌は、髪の長い大人しげな印象を薄めて、ただ、快活には見えなくて】
【黒を基調にしたワンピース、おなかのところが破れたようなデザインだけれど、きちんと当ててある布は、おなかを見せることはなく】
【傷口のように真っ赤な布地を覗かせて――足元は底の厚いブーツ、少し高い身長と合わせると、女性としては高めになって】

分かんないわ、味見していこうかしら――。

【――そんな女はふとケーキケースから視線を逸らすと、そう独り言めいて、足を向けるのはカフェのほう】
【ケーキケースの中のケーキはもちろんカフェで食べられて、他にも軽食があって、飲み物も一揃いはあって】
【そんなお店。一部の雑誌なんかで美味しいと有名になっている店らしいけれど、――だから、なのかもしれないけれど】

【こんな時間にしては混んでいる店内。紺色の彼女は運よく空いた席にストレートで通してもらえたようなのだけれど】
【もし誰かが訪れるなら。相席、という可能性がずいぶんと大きいような状況で。それなら、店員が案内する席といえば】
【店の隅っこ、窓際にある、4人掛けの席――(紺色の女が案内された、その席である)】
970 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 22:41:48.86 ID:dDxltlN/0(7/8)
>>967

【カミナの真摯な想いを鑑みると、わがままなを押し通すことに気が咎めないでもない】
【詳しくは分からないが、彼女はロザリンドよりずっと多くの経験を、戦場で重ねてきた人物だ】
【その意見には重みがある。素直に受け容れるのが、双方にとって正解なのではないか、と】

【――しかし、こうして抱えた想いは、認めてもらった後に撤回するほど軽くはない】
【不思議な力を帯びた紙人形を受け取り、その「文面」を読むと、ロザリンドは迷いなく澄んだ笑みを浮かべた】

……ありがと。でも、矢文か狼煙で連絡しろって言われるかと思って、内心びくびくしてたわよ。

いずれ、一仕事果たしたら――その時はSCARLETを訪ねるかもしれない。
「悪くない」人材ではなく、考えうる「最高」の人物としてね。

【琥珀色をした髪の房をさらりと撫でる気取った仕草と共に告げる言葉に、他意はない】
【彼女にとってそれは冗談でも何でもなく、いずれ成されるべきことだった】

それまではカミナのことを……ええ、『盟友』として頼らせてもらうわ。
だからあなたも、必要なときに私を呼びつけることができることを覚えておいてね。

【そこまで言ってから、何秒か逡巡を挟んだのち――】

……あ、あと………私のことは、「ローザ」って呼んでもいいわよ。
ロザリンドってちょっと言いにくいでしょ。

【わずかばかり、頬を赤らめつつ――自分を愛称で呼ぶことを提案するだろう】
【方向性は違えど、彼女もカミナに対して大いに気を許しているようだった】
971 [saga] 2014/08/08(金) 22:56:14.19 ID:F5z3mak4o(5/7)
>>968
チッ……外したか。盾にするなんて卑怯な真似しやがって
まあ頑丈って言うくらいなんだからまさかあれ程度で死にやしないだろ。邪魔だし寧ろ好都合ってとこだな

【吐き捨てるように女は言う。だが特に男に対して謝罪の言葉や反省の態度は塵ほどにも見られず】
【寧ろ"邪魔だ"と一蹴り。彼の耐久力を信じて、女はこれ以上彼について思考する事をやめる】

その化け物ですら凌駕してやるよ、逆にあたしがそいつの半身を食い千切ってやろうじゃねえか!なんつってな

【男の様子を見れば、紫色の光を帯びた二つの鎖を手に持っている】
【振り回されるそれに当たらないよう、少しだけ後方に下がる】

はん、鎖とは何とも悪趣味じゃねえか。さすが拷問大好きな事だけあるな

【女はそれでも余裕綽々。口角を上げて笑っている】
【それはどこか、楽しんでいるようにも見えて】

ふん。それじゃあ戦う前に自己紹介と参ろうぜ

あたしは――――ある所では《赤い閃光》!ある所では砂漠の鷹《デザートイーグル》!ある所では死の赤色《デッド・レッド》!あるところでは奇跡の親戚《ジャイアント・キリング》!
その正体は――――人類最強の請負人こと、"常夜 蓮"だ!
改めまして初めまして!――――"あたしの敵"―――――以後、よろしくさせて貰うからな!

【これは名乗り。これは明確なる宣戦布告】
【目の前の男を、カノッサを"敵"と認めた蓮は高々と声を上げ、宣言する】
【「――――お前はあたしの敵」と】

【そして、いつの間にやらその右手に長さ2m程の太刀を握っているのが分かるだろうか】
【真っ赤な、紅蓮の刀身をしたまるで芸術品のようにも思えるそれを携え、そして―――】

―――――――行くぜぇ!!

【女は刹那の間にして駆け出していた】【男の眼前目掛けて】【しかし、その鎖に充分警戒しながら】
【まずは小手調べ――――肉薄に成功すれば横一文字に真っ直ぐ一閃するだろう】
972 2014/08/08(金) 23:07:25.85 ID:0qxKH0NSo(6/6)
>>970

昔は術で連絡を取ったものじゃが、組織でやっていくには文明の利器も必要なのでの
諸事情で繋がらぬ時もあるが……まぁ、メールを連絡を寄越してくれればその内目も通せるじゃろう


では……大いに期待させてもらおうか、ロザリンド・ルーゼンホルト

今は何処も畏も人手が足らんのでな
御主のような確固とした気概を持った人材は喉から手が出るほど欲しいのじゃ


【この言葉に嘘がないことはカミナの目や声質から察することが出来るだろうか】
【彼女の言葉に期待を込めて、しかと胸の内で受け止めて仕舞い込んだ】


【――】


――……ぷっ、くくくっ……!
なんじゃ、少しは可愛げのある顔も出来るではないか……!


【顔を赤くして恥ずかしげに語るロザリンドを見て、カミナは何とも愉快げに笑う】
【馬鹿にした調子ではなく、どことなくフレンドリーな雰囲気を漂わせるような】
【そんな笑みを数秒の間浮かべた後に】


……判ったぞ"ローザ"。御主の力が欲しい時は遠慮なく声を掛けるのじゃ
SCARLETとしてではなく、一人の"盟友"として御主の手腕を頼らせて貰うことにしようか


【その提案を快く受け止めていくのだった】
【最初に放っていた警戒心はどこへやら、カミナは童女のようにコロコロと笑いながら】
【片手で彼女の肩を軽くトントンと叩こうとする】


……さて、身体の具合はどうじゃ?
疲れが残っておるならばもう少し付き添ってやってもいいがの――


【告げる声は、今宵の別れを左右する内容の其れであった】
【話し始めてそれなりに時間が経ち、もう深夜といっても差し支えのない刻であろう】
【夜の森は獣や魔物などが活性化し、危険である。いつまでも滞在し続けるわけにも行かなかった】

【もしここを去るならば、カミナは巻きつけていた"ヒトガタ"の腕を外し、ローザを森の出口まで送っていこうとするだろう】
【もう少しばかりここに留まるならば、あえて其れを止めるようなこともしない】
973 (関西地方) 2014/08/08(金) 23:13:34.05 ID:RG77q+bWo(6/7)
>>971

【「こっちは自己紹介する気ないワヨ。」と、つれない一言──】
【名を覚えられては付け狙われる、と云う打算的な思考からだ。彼女は『執念深い』人物に見受けられる】


……えらい物干し竿≠ヒェ。
そういうのデ、『超近接距離』に持ち込んじゃうとォ──


【──横一文字。 軌道を認識したなら、鎖を一本離し、両手で一本の鎖≠ノ持ち直す】
【「ギリギリ」というタイミングで刀の軌道上に鎖を持ってきて、防御=z
【丁度、鎖と刀の鍔迫り合い──表現はおかしいが──という形になろうか】


     とってもいい、支点≠ノなるのヨねェ♪


【──言葉と同時、彼は軽業師の様に、蓮の刀の威力を利用して『飛び上がる』】
【鎖を握ったまま、刀との接触点を支点としてくるり、と一回転。 丁度、刀を飛び越した′`になろうか】

【もし、一連の動作が成功したなら──着地の流れそのままに、蓮の脇へ蹴りを叩き込もうとする】
【最も、何処かで動作を阻害することも可能だが──】


/最長でも30分以上かかる様なら、分量少し減らした方がいいかもです。
/こっちもそちらの分量に合わせるので、どうぞ楽な分量で返してください。
974 [saga] 2014/08/08(金) 23:27:10.22 ID:F5z3mak4o(6/7)
>>973
ちっ、つれない野郎だ…
名前も名乗れないんじゃ女からモテないぜ?

【鎖と刀の鍔競り合い―――実に奇妙だが、そう表現するしかないこの状態】
【尚も軽口を叩く。それは果たして相手を舐めているのか、それとも何か打算があっての事なのか】
【と、ここで男は刀との接触点と支点にして飛び上がった】
【それはさながら軽業師や曲芸師のよう。流れるような一連の動作にはどこか美しさも感じられて】

ぐっ……
へへっ、良いねぇ、面白くなってきたぜ

【脇への蹴りをまとも喰らう。これで苦悶の表情を晒す事になるかと言えばまったくそうではなく、むしろ笑っている】
【蓮はこの男を強者と判断した。戦いを楽しむ節がある彼女は、それを喜んでいるのだ】

さぁて、それじゃあお返しだ…!

【脇腹の痛みを気にする事もなく、肉薄している状態の軽く男に軽く足払いをかけようとする】
【それが成功し、男の態勢が崩れるならば蓮は袈裟斬りに刀を振るうだろう】
975 [saga] 2014/08/08(金) 23:27:56.75 ID:F5z3mak4o(7/7)
/っとと、書き忘れ…
/申し訳ありません、自己紹介のところを考えていたら大分時間がかかってしまいました…
976 (SSL) [saga] 2014/08/08(金) 23:38:00.14 ID:dDxltlN/0(8/8)
>>972

ふん、「少しは」が余計ね。
私はいつでも良くできた、可愛らしい顔をしているはずよ?

【いつもの調子に戻りながらも、ローザは内心、温かな気持ちでいた】
【高慢で強気な振る舞い、そしてストイックさのせいで、彼女には友人と呼べる人物が少ない】
【だけれども、カミナは「友」としての自分を受け容れてくれた】
【正直、それがどんな意味を持っていくのかは未だ分からないが――掛け値なしに喜ばしく思っているのも、確かだ】

……だいぶ良くなってきたわね。元から近道を辿っているだけだったから、長居する気は無かったのよ。
でも、今日は――街の灯が見えるところまで、エスコートしてもらおうかしら。

【肩を叩かれても、響くような痛みは感じられなかった。この調子ならすぐにでも動けそうだ】
【ただ大事を取ってカミナに先導してもらうことを、ローザは選ぶ】
【――或いは、ほとんど初めての友人と、もう少しだけ長い時間を共に過ごしたかったのかもしれない】

【立ち上がり、今まで自分の傷を治してくれていた人形の背中を労うようにさすると】
【レイピアを拾い上げて再び腰に佩き、カミナと共に、先ほどとは打って変わった確かな足取りで歩き出そうとするだろう】
977 (関西地方) 2014/08/08(金) 23:44:19.59 ID:RG77q+bWo(7/7)
>>974

【蹴りを叩き込んだ勢いそのままに、上段から鎖を叩きつけようとするが】
【──、思ったよりも、相手の『耐久力』が高い。行動を中止し、一度、距離を取ろうとするが】


うッ ──、 っはァ!? 


【同時に放たれた足蹴りに引っかかり、態勢を崩す】
【結果として回避は不完全に終わり、袈裟斬りは決まりきらないまでも、右肩を深々と切り裂いた】


…、…だぁー、もウ!! これだから『面倒』なのヨ!!
いいワ、次の『接触』で決めるワ!! フィジカルお化け相手に長々とやってられないってのヨ!!


──≪Electrocutionist≫ッ!!


【──が、距離を取る動作は継続】
【再び両者の距離は数メートルに広がる。 一方は肩部に裂傷、一方は腹部に打撲──No.93≠ェ些か不利か】
【現に、右手をだらりと下げ、左手一本で鎖を持っている彼。 だがまだ、『勝機』はある、と踏んでいるようだ】

【と、彼が『能力名』を叫ぶと──鎖が、電気≠帯びる。 能力=Aということだろうか】


/いえいえ、此方こそキツい言い方でゴメンなさい。
978 [saga] 2014/08/09(土) 00:01:58.49 ID:dzxBfZiNo(1/4)
>>977
あー……いってぇ……

【足払いからの袈裟斬りは見事に成功。男はその距離を開いていく】
【蓮は蹴りを喰らった脇腹を片手でさする。どうやらかなり効いたらしい】

誰がフィジカルお化けだこら!
っと―――――なるほど、そういう能力ね

【男が何かを叫んだ後、鎖は電気を帯びる】
【つまりはそういう能力か、まだ何かあるかもしれないが、少なくとも最低でもそれだけは分かった】

そっちがその気なら、こっちも見せてやるよ!

―――炎よ、全てを焼き尽くすが如く炎獄よ、顕現せよ!!―――

【蓮もまた、能力の全てを出し切ってはいなかった】
【紅蓮の刀は、灼熱の炎を纏う】【空気が焼き焦げるような臭いがたちまち辺りに充満する】

さぁて、第二ラウンドってところかぁ?

【灼熱の刃を携えながら、"接触"の時を待つ】
【男の言う通りになるのであれば、これで勝負が決まるという事か】
979 2014/08/09(土) 00:03:55.96 ID:CfbKrWuZo(1/2)
>>976

そうじゃな……わらわの知る中では
十指に入る程度には愛らしかった、と云うておこうかの?

わらわ程に世界を巡っておれば、それはもう数多の美女と出会ってきておるからな
これでも随分と高く買ってやっておるのじゃぞ、ローザよ


【「――無論、一番はわらわじゃがな」などと】
【赤髪をサラッと風に靡かせながら語る口には、相変わらず容姿への自信で溢れていた】
【どこまで本気で言っているのか、冗談めかした声質が混ざっているため判りづらいであろうが】


うむ――ならば、早くこんな辛気臭い場所から立つとしようかの
わらわも人里が恋しくなってきた頃合いじゃしな


【カミナは脇に立てかけていた剣を手に取り、腰に括り付けると】
【長く座っていたせいか少しばかり億劫そうに腰を上げて立ち上がった】


ふむ、ならば丁重に送り届けてやらねばいかんのぅ

幾らか治っておるとはいえ、わらわの"癒し"は簡単な処置に過ぎぬ
いつ傷口が開いてもおかしくはないからの――


【撫でられた"ヒトガタ"は、カミナが操作したのかそういう意志が存在するのか】
【手を揃えて膝に添え、深々とお辞儀をしながらふわ……と煙のようにその場から消えていった】
【傷口に関してはカミナの言う通り、専門家が処置したような代物ではなく】
【止血や、自然回復力の向上といった簡易治療に過ぎない】
【完治させるならば後で改めて、そういった筋を頼る必要があるだろうか】


――ではお手をどうぞ、ローザ"姫"
今宵は"騎士"カミナが無事に街までお届けしましょう……とまぁ、これはちと似合わんな

どうもローザは初々しいというか、危なっかしく見えるのでな
今後のためにも、今の内にわらわで少し慣れておくがよいぞ――


【トトト……と小さな足で彼女の隣に並ぶと、気取ったような台詞を吐いたあと】
【改めて言い直して、ローザの方へとそっと片手を差し出した】
【見た目はまるで逆なのに、まるで妹にでも接するかのような過保護な態度である】

【もし、ローザが手を取ったならばカミナはそっと握り返し】
【そのまま森の道を共に歩き、街の方まで同行していくことだろう】
980 (関西地方) 2014/08/09(土) 00:15:03.23 ID:sHy6BweFo(1/4)
>>978

【──炎と電気、二重の熱源で辺りの空気はさながら戦場≠フそれと化す】
【顕現した業火に男は眉を顰めると、軽く腰を落として】


(……さっきの剣撃が、今度は掠っても終わりって訳ネ。)
(となるト、一旦完全に躱すか、捨て身でこっちの電撃加えるか──、はァ。)


【思考の後、行動を開始。 まずは直線的に彼女の方へ走行し──】


── ≪Electrocutionist≫ッ!!


【──繰り出したのは、右手=B 動きは鈍く、出血も酷いが、此方も鎖と同様『電気』を纏っている】
【狙うのは蓮の顔面=B テレフォンパンチと言って差し支えない軌道のモノ──、何らかの『狙い』が有るのか、無いのか】
981 [saga] 2014/08/09(土) 00:33:36.41 ID:dzxBfZiNo(2/4)
>>980
【そう―――――ここは、戦場】
【カノッサ機関No.93と、自称"人類最強"との戦い。殺し合い】
【焼き焦げた臭いが鼻をくすぐる。不思議と心地いい、何ともおかしな気分だ】
【―――――あぁ、楽しい】

【男が繰り出したのは、右手】
【鎖と同様に電気を纏っており、蓮の顔面へと迫る】
【当然喰らえば唯では済まない。だが、当然拳を繰り出した隙が生まれるはず】

【ならば、と刀を持っていない左腕で顔面をガード。電気を纏った拳を受ける事となる】

つぅっ…!

【強い電流が、電圧が流れこむのを感じる】
【激しい熱と、痛み】

【だが、これで隙は生まれたはず。蓮は刀を突き出す】
【炎の熱量は凄まじく、少し近づいただけで火傷してしまいそうな程】
【それが肌に触れれば―――――――言うまでもない、容易く皮膚など焼き尽くし、貫いてしまうだろう】
982 (SSL) [saga] 2014/08/09(土) 00:36:19.79 ID:XY8r4OQW0(1/2)
>>979

頼んだのは私だけど、それ、耳がくすぐったい……。
それに慣れろと言われても――今どきそんな変質者見たことないわよ。

【やはり、生まれがそうというだけで、高貴であることの面倒な側面はよく知らないのだろう】
【カミナの幼い手をぎこちなく握り返しながら、苦笑を浮かべる】

【背丈や見た目の印象は真逆で、どうにも不釣り合いな役どころだけれど】
【「憧憬」の想いを寄せている相手に格好良く囁かれると、何か、定義できない°C持ちが沸き上がってくるようで】
【ぴったりと手を重ねた状態なのもあり、気が気でない――】

【立派な人物とはいえ、こんな子供相手にどきまぎするのは、もしかして相当ヘンなのではないかと】
【自分に疑いを持ったローザは、雑念を振り払うようにぷるぷると首を振った】


【それはさておき、何事も無ければ、二人は林道で危ない目を見ることもなく街の手前まで辿り着くはずだ】
【流石に手練が二名。仮に獣が迂闊にも襲いかかってきたとして、「歯牙にもかけず」と言ったところだろう】

……さて、そろそろ安全圏かしらね。
屋敷まで辿り着けばちょっとばかりの蓄えがあるし、祖先の治癒魔道具も置いてある。
根治の方法には困らないわ。心配はしないでちょうだい。

私ね、誰かとこんなに気安く話せるようになったのは初めてかもしれないわ。
今日はありがとう、カミナ。そして――今度とも、よろしく。

話の続きも……また、聞かないといけないものね。それじゃあ、ごきげんよう!

【都市のほとりに至ったところでローザは、カミナに末永い付き合いを望む言葉をかけて】
【呼び止められることが無ければ、いつになく綻んだ顔つきのまま去りゆくだろう】
983 [sage saga] 2014/08/09(土) 00:36:25.36 ID:oX9r/fLT0(1)
【街中――池やちょっとした林のある公園】
【満月とは違った丸いお月様が葉っぱの隙間から照らしこむ、ぎざぎざの光は、辺りを不確かに照らして】
【しゃらしゃらと葉の擦れる音はそれだけで涼しげ、夜のせいもあってか、ゆるく冷える気温は、きっと心地よく】
【けど遠くの空を見ればビルの影が見えたりする、そんな景色。昼間ならば、憩いの場として賑やかな、その場所も】

……――――、

【こんな時間になれば人通りも少ない。時折見かけるとなると、ジョギングをしている青年とか、そんなものばかりで】
【だからこそその姿は目立つのかもしれなかった、木々の陰にこっそりと隠れて、くすくすと笑い声を零すような、“だれか”】
【もし――不審がって誰かが覗き込むなら。不思議と月明かりの差し込むその場所、佇む誰かの姿は、とってもよく見えるはずだった】

【――月明かりに煌く黒髪はハイライトを背負う、天使の輪……だなんて呼ばれるそれを、まるい頭の天辺に煌かせて】
【黒色と赤色のオッドアイは丸みを帯びた、けれどちょっぴりだけ釣ったかたち。真っ白な肌の色に、それはきっとよく映えて】
【セーラー襟のワンピース。胸元にふわっと咲かせた真っ赤なリボンタイが、黒布を鮮やかに彩って】
【ぷわっと広がる裾と、そこから伸びる足。爪先のころんっとしたパンプスが、落ちた小枝やらを踏みつけていた】
【右の耳には宝玉の欠片をあしらったピアス、左手の薬指には銀色の指輪。長い睫毛で瞬けば、それが少女だと知れて――】

【彼女には何が見えているのだろう、くすくすと楽しげな声が止まらない。さながら幽霊でも見ているような、その光景は】
【けれど夜の中に目を凝らせば、すぐ傍の木――その枝の一振りがにょろりと動くのにきっと気付けるのだ、にょろり、にょろりと】
【――すっと少女の手が動いている枝に伸びる、すると、その枝は待ってたという風に、腕に絡んで行って――、】

……――、?

【ぱちくり、瞬いた瞳と首を傾げた仕草が重なる。ふと感じた違和感は、覗いている誰かに対してか、近づく誰かに対してか】
【“華奢な右腕に暗く緑がかった灰色の蛇を巻き付けたまま”、蛇に向けていた笑顔を僅かに凍らせたそれで、少女は視線を投げた】

【(ふわっと漂う魔力は彼女のものだろう。滝の傍で感じるのに似る、涼やかに細かな水の魔力)】
【(だから、辺りが少しだけ涼しく感じられた。夏の夜に、ぽっかり落ち込んだように涼しい場所、或いは異質)】
984 (関西地方) 2014/08/09(土) 00:41:38.73 ID:sHy6BweFo(2/4)
>>981

【──右手が入った≠フは、彼にとっては意外だった】
【分かって打った、テレフォンパンチ。彼のプランでは、『捨て駒』──つまりは】
【右手を斬らせ、左の鎖で相手を捉える。『肉を切らせて骨を断つ』戦法だったのだ】


(…、…こ、これは──不味い、すっごく──)


 ──不ッ味いわネェーーーーーーぇええぇッ!!!


【勝負の世界には、往々にしてこういうことがある】
【──、彼の敗因もまた、『傲慢』。 自らのセンスに自信があるからこそ、技巧に凝る】
【結果、肉を切らせた≠フは蓮の方であり──】


ぐ、ぁ、ぁぁあああああああああーーーーーーーーぁぁあああッ!!!
熱ッ!! 畜生、『燃える』ッ!! ああああーーーーーあぁぁぁああぁああぁ!!!!!


【──剣は彼の肌を貫き、炎上≠ウせる】
【その場に倒れ込み、必死にころがるも、火勢が衰える気配はない──】


【── 蓮の勝利、だろうか】
985 [saga] 2014/08/09(土) 01:00:57.64 ID:dzxBfZiNo(3/4)
>>984
【肉を斬らせて骨を断つ。この戦法においては、必ず相手からの攻撃を受けの態勢で臨まなければならない】
【それがどんな攻撃であろうと、最適と思ったタイミングで受け、また、最小限の被害に抑えなければならないのだ】
【自分から仕掛けての戦法など愚の骨頂。攻める時はひたすら攻める。蓮だったら、きっとそうしたはず】
【ともかく――――――これにて、勝敗は決したはずだ】

あ、これ左腕折れてるかも……まあ良いや

【左腕はだらんと垂れ下がっている。顔には出さないがかなりの激痛だ。動かす事もできなさそうなくらいに】

お前さんは強かった、ただ、相手が悪かったんだ
だから、誇って良いぜ

【転がりまわる男に、一転して柔和な笑みを浮かべて賛辞の句を送る】
【例え敵だったとしても、強者には敬意を払わなければならない。それが蓮の矜持であり、勝ち誇らない事が誇りでもある】

じゃあな、あたしの敵

【最後に止めを刺そうと、もう一度男に刀を一突きしようとするだろう】
【だが、蓮は完全に油断しきっている】
【まだ何かハプニングでも起これば、対処しきれないであろう】
986 2014/08/09(土) 01:01:30.41 ID:CfbKrWuZo(2/2)
>>982

む? 別に誰彼構わず手を繋げというておるのではないのじゃ
御主がいずれ貴族として大成し、様々な者たちと接するならば人馴れしておく必要があるじゃろうからの

社交の場では外向けの"猫"でも被れば問題なかろうが
今後はわらわのように個人的に親しくする仲間との出会いもあるじゃろう

そんな時にツンケンとしておっては、折角の機を逃すやもしれんからの―


【こちらは特に動揺する様子もなく、自然な仕草で手を取って隣を歩いている】
【カミナから見たローザが、人との触れ合いに慣れていないように見えていたのだろうか】
【何処まで本気かは判らないが、一応考えあっての行動だったらしい】


【――】


【森で何かに襲われることもなく、二人は街までは何事もなく到着する】
【ここまで歩いた疲労と、微かに頭に過ぎり始めている眠気を払うようにカミナはうぅん……と伸びをすると】
【繋いでいた手を離し、街の門の近くで改めてローザの方へと身体を向けた】


ほう、ならばわらわはローザの初めての友達ということか
……うむ、なかなか悪くない響きなのじゃ

こちらこそ、今宵は良き出会いであった。
縁の巡り合わせがあればまた、こうして語らうとしようか――


【「――ではの。健勝であれよ」と、微笑みながら彼女に返事をすると】
【去っていく彼女の背に軽く手を振った後、カミナは踵を返し"森の方へと帰っていく"】


……うむ、少しは気も楽になってきたかの
仕事とはいえ、悪党と戦ってばかりでは肩が凝って仕方がないからのぅ……時には休息も必要よな


【この出会いが後に何かしらの影響を齎すのか、今は誰も知る由はなく】
【カミナは少しご機嫌そうな調子で独り言を呟きながら帰路についていくのだった】

/お疲れ様でしたー!
987 (SSL) [saga] 2014/08/09(土) 01:05:10.86 ID:XY8r4OQW0(2/2)
>>986
/絡みありがとうございましたー!
988 (関西地方) 2014/08/09(土) 01:13:52.81 ID:sHy6BweFo(3/4)
>>985


【──、少しの間、男は藻掻き続けていたが、次第にその動きも止まる】
【呻き声を上げ、炎に包まれ炭化し始めた顔を上げると、其処には切っ先>氛氈z



このッ!! 『アタシ』がッ!! 死のう≠チてのヨッ!!!!
早く、早く『助け』ッ!! …、…そんな、こんな、アタシ≠ェッ!!!!
こんな所で死ぬ!? 全然、ドラスティック≠カゃないッ!!!!
まだ全然!!! Timy`sシーン≠ヘぁぁああああああああぁあああぁぁあーーーーーー──!!!!!!


あの、ォ !!!!!クソ   、、   


 【 ──彼の身体を、トドメの一撃が 貫く 】 

【最早、身体を動かす気力も消えたのか、完全に脱力した体で、死は接近してゆく】
【首もだらり、と力を無くし、── ごつん、と地面に打ち付けられて】



…、…Eclipse=c…ッ!! 裏、切、…… り 。 ── 、  ぁ



【── そのまま、絶命した】  【意味深な単語≠、置き去りに】
989 [saga] 2014/08/09(土) 01:31:35.97 ID:dzxBfZiNo(4/4)
>>988
【もがき苦しみながらも、男は絶命する。最後に意味深な言葉だけを残して】

あぁ?裏切りだぁ?

【あの助けを求めた言葉は、誰に対しての言葉なのだろうか】
【蓮でなかったとすれば、それはまた別の人物】
【つまりは協力者、本来ならば危なくなった時に助けてもらうはずの約束が破られた―――そういう事、なのだろうか】
【しかし死人に口無し。今となっては男はただの炭。物言わぬ"人間だったもの"】

やれやれ、ともかくこれで一人始末っと…
おあつらえ向きじゃねぇか、火葬の手間が省けて

【炎の刀は光となって四散し、消えていった】
【そして左腕を押さえながら、踵を返す】

あー、つっかれた…病院行かねえと…
あとは、裏切りだとかの事についても調査しねぇと……あー、やる事いっぱいじゃねえか

【まだまだ終わったわけではない。カノッサとの戦いは始まったばかり】
【だが、これで一歩近づいた】
【取り敢えずは、そう思う事にしよう】

【蓮が立ち去った後の路地裏には、ただの大きな炭が残るだけ】
【だが、それも風が吹けば飛ばされ、最終的には何事もなかったかのように、元通りとなるのだろう】

/これで〆ですかね…ありがとうございました!
990 (関西地方) 2014/08/09(土) 01:42:05.24 ID:sHy6BweFo(4/4)
>>989

【──、彼女が去ってから暫くして、満身創痍の男が立ち上がる】
【『オカマ』の方ではない。 ──、先ほど蹴り飛ばされた、男だ】


「……、助、 か 、った ──の、か。」


【ひゅう、ひゅう、と荒い息を吐きながら、這って炭≠ノ進み、オカマの死を確認する】
【途絶えそうな意識の中、先ほど聞こえた『単語』がリフレクション ──】


「…、… Ecli   、、  pse   ……。」


「伝え 、なけ、れば 。 …、… ──ティムー、ル =@は、 『アットレッツォ』 、 …… 。」


【attrezzo=@── 『走狗』 】

【──、彼が何を知り、何を知ったのか。 それは今現在、誰にも分からない】
【確かなのは、Eclipse≠ニいう存在が、大きな影のように、存在していること ──】


/お疲れ様でした!
991 (チベット自治区) 2014/08/09(土) 11:51:18.22 ID:xbqukPUzo(1)

暑さに耐えられそうもないゾウ

【くるくるとした黒い天然パーマに、色白の肌。】
【赤いフードつきトレーナーに、茶色のハーフパンツ。】
【年相応──否、それよりも背の低い青年である。】

【人気の少ない公園で、夜空を見上げている。】
【──無造作に、手に持つ空き缶を公園の外──街灯に照らされた道路へ放った。】
992 (SSL) 2014/08/09(土) 12:16:42.72 ID:NYApfCds0(1)
【その痛みを、僕は知っている】
【脳を突き刺す痛み、大脳が横に裂けていくような激痛】
【発生していた不快感を痛みと感じたのは数分前】

【いつもどおり、バイトの帰り道のことだった】
【多くの人が様々な行き交う大通り】
【雑踏は目と耳を覆うようなほど強大で、人ごみはあまり好きではなかった】
【「少し帰り道を変えよう」、そう思うことは決して珍しい思考ではない】
【そもそも、新しいものを発見することが好きな自分にとって普段通らない道というものは非常に興味深かった】

【わき道にそれた、裏通り】
【この世界において、この手の道が決してよいものではない事は十分知っている】
【だが、まだお昼時。少し雲がかかってお日様が見えないがこんな時間に危険な連中はそうはいないはずだ】

【その決断を脳内で済ませて道なりに進んだときに、見た】


【真っ赤に血走った目に、鋭い八重歯】
【その整った顔立ちを鮮血に染めた男性を見たのだ】
【日の光に当たらない、日陰で】
【すでに真っ青な女性の首筋に噛み付いて、体液をたっぷりと口内に流し込む人物を】

【―――――本で読んだことがある】
【日の光を嫌い、人の血を飲んで生きていく生き物】

【確か――――――吸、血鬼―――――】


―――――――――。

――――――。

――――。



「な、何で……こ、こんなに……痛ッ!!!」

【そこは真っ赤だった】
【壁もアスファルトも近くを流れる用水路も】
【その場にいる―――――惨たらしい死体とたった一人の少年も】

【肩に届く程度に伸びた白色の癖毛】
【宝石を思わせる紅色の瞳】
【細く線の細い華奢な女性的な身体をした少年】
【白のカッターシャツに黒のベストを身に纏っている】
【両腕には「盾」を思わせる赤い刺青が入っおり】
【首には何らかのタグのようなペンダントがついている】

【腹部や手足を破壊された男性の遺体を前にして、座り込んでいる少年の姿がそこにあった】
【頭を押さえ、まるで痛みに耐える様に苦しむ姿は破壊衝動を抑えるかのようで】
【その凄惨たる現場を、作った張本人に見えるかもしれない―――――。】

【話しかけるのは危険かも知れない。 貴方の自由だろう―――――】
993 (長屋) 2014/08/09(土) 12:58:11.09 ID:S13kLVEXO携(1)
>>992は>>991と絡んでやれよ
994 (兵庫県) 2014/08/09(土) 15:58:44.70 ID:J57ZxvC2o(1/2)
【路地裏】


 これで、七人目かぁ……
 噂は流れてるみたいだけどさぁ、だぁれもあいつ自体を見たわけじゃないのよねぇ……


 【フード付きのパーカーを着た、緑色の髪のショートヘアーの女がいた】
 【彼女自身は、このような、犯罪者や、悪人が集まりやすい場所にいるような人間に見えない】
 【彼女の両手が赤く染まっていなければ……の話だが】


 私の情報が流れないように、念入りにこの世界からあなたの命を消してあげる。


 【女は満面の笑みを浮かべながら、男の死体に向かって緑色の液体を右手から放つ】
 【グツグツと煮立った液体のように遺体は溶けて消えてゆく】


 あいつを消せたら、私の目的は達成できるの
 だから、あいつを知ってる奴を探してどこにいるか聞き出さないとねぇ……


 【女は強力な殺気を出しながら笑う】
 【もはやそれは、人間の物ではなく、化け物のそれであった】


 【どうやら、彼女は人を探しているようだ……】
 【故に彼女は今、周囲の状態に敏感だ、誰かいればすぐに気づくだろう】



 【また別の路地裏】


 最近、行方不明者が増えているみたいだな……
 奴らはこの世界に存在しないしぁ……

 【黒いソフト帽を被ったライダースジャケットの男が溜息をついた】

 【彼はどうやら、行方不明者が増えた原因を探しているようだ】

 正直俺が動くのは間違っているかもしれないんだよなぁ……
 警察みたいな組織の所属じゃないわけだしよぉ……

 【男は路地裏を歩く、自分への危害はどうでもいい】
 【男は周囲を警戒しているようだ】

 でも、やれることはやらないとな!!
995 (兵庫県) 2014/08/09(土) 18:29:41.02 ID:J57ZxvC2o(2/2)
/>>994二十時まで再募集
996 2014/08/09(土) 18:40:01.06 ID:tUA5YE18o(1/5)
うめ
997 2014/08/09(土) 18:40:17.03 ID:tUA5YE18o(2/5)
うめ
998 2014/08/09(土) 18:40:27.47 ID:tUA5YE18o(3/5)
うめ
999 2014/08/09(土) 18:40:39.74 ID:tUA5YE18o(4/5)
うめ
1000 2014/08/09(土) 18:41:44.49 ID:tUA5YE18o(5/5)
俺能にきてね♪
【俺能世界】俺が能力授けるからこの世界で戦え【新世界】Part41
vip2chスレ:part4vip

1001 1001 Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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魔法科高校の劣等生 魔法師大乱交編 @ 2014/08/09(土) 18:37:52.46 ID:M3NEEacOo
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苗木「うぉぉお!!前書き死ね!クソッタレ!!」山田「!?」 @ 2014/08/09(土) 18:32:38.12 ID:EqEI1TF00
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結衣「ほんと、あきらめが悪い最低最悪な女」 @ 2014/08/09(土) 17:24:12.72 ID:q94l/xQ3O
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