[過去ログ] 【天空に描け】能力者スレ【光のアーク】 (1002レス)
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1 (中部地方) 2014/06/14(土) 01:15:42.95 ID:HWzDyONto(1/5)
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。
無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。
【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【したらば板:internet_14029】
【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。
・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)
【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。
・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。
勝手に世界を氷河期などにはしないように。
・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について
確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
なので、全面的な禁止はしていません。
ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。
前スレ【vip2chスレ:part4vip】
wiki 【http://www53.atwiki.jp/nrks/】
31 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/14(土) 20:01:45.44 ID:Igws2bih0(1/5)
【――――――――雷の国『セードムシティ』】
【機関に占拠されて後、ほぼ1年が経とうとしていたこの都市で、いよいよ最後の決戦が始まる】
【未来を得るのは、はたして美徳か悪徳か――――それは、この世界の人間の価値観における、1つの代理戦争とも言えるものだった】
【力で都市を支配する機関の『RAGNAROK LABORATORY』と、力で解放せんとする雷の国国軍】
【築き上げられる屍の山は、はたしてどちらの道を切り開くのだろうか――――――――】
【――――『セードムシティ』上空 高度6000m】
【周辺に展開される防衛網を攻撃し、本体を突入させるための『抑え』と『囮』を担う対地攻撃用ヘリコプターが、速度を上げて接近していく】
【そして始まる降下――――眼下に、物々しく動き出す都市の姿、そして大量に接近してくる、巨大な『鷹』達の姿が一望できる光景だ】
――――『ガルーダ』の一団が接近してきます!
まずはここを越えなければ、対地攻撃は困難、更に敵の対空砲撃も!
「――――んな事は分かってる、事前に聞いてるだろう!? パイロット、お前はとにかく対空砲火だけ意識してれば良い!
『ガルーダ』の抑えの為だけで、俺はここに居るんだからな……ッ」
<ま、私たちがちゃんとやらなきゃ、本丸が突っ込もうにも突っ込めないんだから、頑張るしかないってね
精々露払い、頑張っちゃお……!>
「……言われずともだ。ガンナー、麻酔銃と催涙ガス、ちゃんと用意しとけよ……!」
【ハッチを開き、左右から1機づつ展開する銃座の後ろに、それぞれ兵士とは別に身を乗り出している影がある】
【赤いぼさぼさに伸び放題の髪をした青年と、ピンク色のセミロングの髪をはためかせている女性――――】
【高度故か、口に酸素吸入器を括り付け、転落防止用のベルトを装着しながら、銃座に備えるガンナーに寄り添う様にして、接近する『鷹』達を見据える】
【一瞬の間をおいて。展開しようとする『鷹』の集団に対して、そのヘリコプターから閃光が走り、叩きのめされた『鷹』が墜落していく】
【更に女性の放つ閃光は二度三度と閃き、青年の閃光は意志を持つ様に旋回しながら、更に『鷹』を穿ち、その動きを大きくかき乱していった】
「よし今だ、残りの機体も下ろして対地攻撃を始めさせろ! もう一度言うが、お前らはとにかく地面に注視してれば良い!
俺が居るからには、空の連中は1匹だって逃がしゃしないからな……ッ!」
<言っとくけど、対空砲火だけは絶対に避けてよね!? 私たちはともかく、あんたたちはそんなの喰らったら生きてられないんだから!>
りょ、了解!!
【上空の乱れを突く様に、雲間から更にヘリコプターが降下してくる。その数、都合5機――――展開と同時に、上から下から銃撃の行きかう撃ち合いが始まる】
【違うのは、上からの銃撃が麻酔弾や催涙弾をメインとしているのに対し、下からの銃撃は対装甲弾や炸裂弾である事だろうか】
【ぶつかり合いとしては小規模な、小競り合いと言う様な光景。過去に繰り広げられた戦場から言えば、そう表現する事も出来るだろう】
【だが、決して命懸けの戦いである事には変わりなく。何より――――そんな小競り合いで終わる様な決戦ではない】
「――――頼むぞ……ッ!」
【尚も行き交う『鷹』を睨みつけ、旋回し飛び回る閃光で叩きのめしながら。赤い髪の青年は上空へと視線を移してポツリと呟く】
【この戦いの行く末を決する『本丸』――――それが動き出すのはこれからだ】
/セリーナの方、続きをお願いしますー!
32 (チベット自治区) [!蒼_res] 2014/06/14(土) 20:06:12.71 ID:hRpym2aVo(1/7)
【―――暴風。悪意の渦巻く"神鳴り"の大地に、強く激しい風が凪ぎこんでいた。】
【終わる事のない戦いに、終止符を撃たんとすべく。鋼鉄の翼を持った巨大な鳥が、空を舞う時。】
【傲慢なる大地の支配者は、天空から降る"正義"の光により穿たれ、貫かれ、そして裁かれることだろう。】
【―――まさしく其れは、"神"の"審判"が下る時、と言い換えても良い。"雷光"となった護国の意思が今、大空より舞い降りる―――。】
>>ALL
【夕闇が降り始めた時刻、『雷』の名を持つ国土の上空付近を、一機の巨大な兵員輸送機が飛行していた。】
【窓から見た空の向こうでは既に、陽が殆ど沈みかけており、真っ赤になった陽光が雲の海間を妖しく染め始める。】
【機体は気流に揉まれながら高高度を真っ直ぐに飛行して、時折内部に振動をガタガタ、と伝えながらも戦地へと向かっていく―――】
【雷の国・国軍が用意した大型兵員輸送機、その名を『AAPC(Air Armored Personal Carrier)−U フレズヴェルグ』。】
【今日、今この機体内部に集まっているのは通常では考えられない面子―――総勢9名もの、正義を名乗る能力者の戦士達だ。】
【本来軍用である筈のこのフレズヴェルグの内部に、兵士より多くの"能力者"が乗員しているという状況が、現状の全てを物語っていた。】
【集った全員が神妙な面持ちになっているかどうかはともかく、戦場に機体が近付くに連れ、緊張が高まるのは皆同様か。】
【差し迫った最終決戦への幕開けが、まさか地上からの攻撃ではなく高高度からの降下作戦になろう等と、誰が予測出来ただろう。】
【―――まず、予測など出来まい。何故なら本作戦の立案を担当した当の本人でさえ、突拍子もない作戦だとそう考えていたのだから。】
【その時、"Beeeeee!!"―――という警告音声が機内に響き渡った。それは降下準備の開始を意味する音だ。】
【作戦内容・概要に関しては逐一、機内においても搭乗後に軍本部の人間から全員に説明がなされていたのだが】
【此処でもう一度、その内容を確認すべく―――というよりもむしろ、前代未聞の突入作戦直前に、気合を入れるべくして】
【機体に乗ってからずっと沈黙していた一人の女―――テンガロン・ハットが特徴的な"ガンマン"の彼女が、立ち上がり、口を開いた。】
/続きますよー
33 (チベット自治区) [!蒼_res] 2014/06/14(土) 20:07:46.63 ID:hRpym2aVo(2/7)
――――――――――――――――ふぅ。オーライ。
……なんだか、予想外に落ち着かないモンだね、そもそもアタシが飛行機慣れしてないってのも、影響してるのかな。
旅客機だったらもうちょっとは静かに、愉しく旅を出来るのにね。この機体、頑丈さとスピードがウリらしいんだけど、
機内食は愚か、スプライトやダイエット・コークの一つも出てこないとなると、皆も緊張して肩肘張っちゃうよね。ふふっ。
―――さて。紹介が遅れて申し訳ない。
アタシが今回の降下作戦を軍の皆と一緒に考え、立案した張本人の―――セリーナ・ザ・"キッド"だ。
ここに集まってくれた皆には、むしろ"UT"……UNITED TRIGGERの創立者、って言った方が分かりやすいかな。
……って言っても、殆どの人はアタシと面識があるんだけど、ね!
まさかこんなに豪華なメンバーが集まってくれるとは思わなかったから、本当に今ビックリしてるんだ!
だから―――作戦計画者として、先ずは今日集まってくれた皆に、お礼を言わせて貰うよ。
こんな危なっかしい―――とんでもなく危険な、命知らずの作戦に駆けつけてくれて本当に、ありがとう。
始る前に最後の確認になるけど―――今回の作戦の目的はたった一つ。
それはグラトンの捕獲でもカノッサ兵の撤退でもなければ、ましてや都市自体の奪還でもない。
あくまで―――我々の大本の目的は変らず、たった一つだけ。
それは、今現在も敵として囚われている『住民』達の本当の意味での、"解放"だ。
どういう経緯があったにせよ、彼等は今、進んでカノッサの兵力に加わって『対外ボランティア』なんて名乗って
アタシ達を迎撃する手筈をそろえている筈だ。これは正直言って、余りいい状況とはいえない。
カノッサの兵士だから気軽に撃ち殺せる、とか。そういう意味で言ってるんじゃないよ。
どうあれ人の命は重い、そこはきっとここに集まった皆なら、分かってくれてる筈だしね。
―――ただ、問題はその気じゃなかった人間がそういう気になってしまう状況を、
あの狂った科学者は人為的に作り出すことが出来る技術を持ってる、っていうその点だ。
これが広がれば、何れ世界は誰一人として彼に対する抵抗をする事無く、支配下に置かれる事になる。
そんな―――そんな、悲しい世界に、人としての尊厳や、自由は存在しない。
そして其れは今、現状雷の国に住む人々の多くが、"自由"を奪われている事も意味しているんだ。
ハッキリ言わせて貰うけれど、グラトンの『捕獲』及び『撃破』と言うのは、この目的を達する為の手段に過ぎない。
だからこそ、絶対に必要な事なんだけれど―――大本を辿れば、その本分は『民間の救助』にある。
これからアタシ達が降下する地獄のような場所では、そんな当たり前の事が分からなくなってしまうかも、しれない。
だから今一度、ここに集った皆にはこの作戦の本当の目的を胸に刻んで欲しい。
アタシが銃を握るのは―――いや、アタシ"達"が、武器を握るのは、決して"敵を殲滅する為"じゃあ、ない。
"―――人を助けてこその、英雄(ヒーロー)だ。"
……もうこの世界には居ないけど、昔アタシの憧れだったある人の、残した最後の言葉。
これを戦地へ向かう諸君らへの最後の手向けとして、挨拶を終了したいと思う。
/まだいきますよー
34 (チベット自治区) [!蒼_res] 2014/06/14(土) 20:08:26.28 ID:hRpym2aVo(3/7)
【『"キッド"さん、間も無く目的地上空付近到達だ!5分で降下開始してくれ!!』―――そんな言葉が聞こえてきたのは】
【長いセリーナの独白が、やっと終了してからの事だった。レッドだったランプの色が『グリーン』へと早変わりし、再び警告音が鳴る。】
【セリーナは何時もの服装の上に降下用の装備を身につけ、分厚い軍服を身に纏うと、開閉したハッチの方へ向かい颯爽と、踊り出た。】
―――ロウさん。
貴方は何時も、アタシの中で輝かしい戦歴を誇る、"英雄"だ。
今日もそのお手並みを、じっくりと見せてもらいます。よろしく頼みましたよ、"先輩"ッ!
―――ミハエルさん。
UTの1メンバーとして、貴方の活躍には大いに期待しています。
軍部で培った実力、それをこの作戦でも存分に発揮して、正義を見せ付けてやってください。
―――カズネちゃん。
また、こうして一緒に仕事が出来ることを心から誇りに思います。
貴女の爆発的な火力は、アタシのソレを超える。怒りの"鉄槌"を、これでもかってくらい下してやって!
―――アゾットさん。
初任務、随分大変なモノになっちゃったね。でも―――貴方が作ってくれた、
このUTのエンブレムを胸に刻んで、一緒に頑張ろう。今度こそ、"護る"為に、ね。
―――谷山さん。
久しぶりに出会えたと思ったら、まさか戦場だったとはね。
でも、ある意味アタシも貴方も、そっちの方が"似合い"、なのかもしれない。
貴方の正義を必要としている人間が居る、この戦いで起こった全てを―――しっかり、伝えて欲しい。
―――ライラくん。
君とはこうして、大きな戦場で再会することが多いね。
そのたびに、何時も君の底力には助けられて―――本当に、感謝してるよ。
今日もまた、おねーさんは情けない姿を晒す事になるかもしれないから―――しっかりサポート、よろしくっ!
―――ワイルドさん。
ずっとずっと、お世話になりっぱなしだけど、これで"ハート"の一件にも、ようやくケリが着く。
貴方から貰った新しい武器―――このパーム・オブ・ストレングス<剛毅の掌>で
アタシはアタシの正義をきっちり、切り開いてみせるよ。
そして―――カミナさん。
一緒に戦うのはこれが初めてになるけど、アタシ達は皆、上手くやれるとそう信じてる。
想いは其々違えど、集った理由は皆同じ、この作戦で―――連中との何もかもを、終わらせてやろう。
さあ……みんなで、"英雄"になろうじゃないかい。
UT・及び能力者合同作戦突入部隊―――出撃開始ッ!!
【―――ゴォン、という鈍い音と共に、ハッチが全開状態になると、夕焼けが機内へとなだれ込む。】
【セリーナは全員に背を向けると先ず、最初にハッチから飛び出し、そして―――降下を、開始した。】
【続く全員が機体から飛び降りたのならば、まさにそれは雷の国に降り注ぐ"稲妻"のようにも見えて―――】
/これより、イベント『RAGNAROK LABORATORY―審判の日』を、開始します!
35 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/14(土) 20:11:43.39 ID:Igws2bih0(2/5)
【――――『RAGNAROK LABORATORY仮設プラント』第6小規模実験棟】
【光量の落とされた室内にも、外からの銃声や怒号が、ひっきりなしに飛び込んでくる】
【もはや稼働する事無く、半ば打ち捨てられた様なその屋内に、4人の人間の影があった】
――――いよいよ、じゃな……わしらが勝つか、それとも負けるか。世界を下すか、それとも飲み込まれてしまうか……
全部が全部、この一事に掛かっておる……今日、この時の為にわしも、そしてお前たちも存在していた様なもんじゃ……
「…………」{…………}<…………>
【薄暗い室内に、ぼうっと浮かび上がる4つの影。しわがれた老人の声が響く中、それに向かう3つの小さな影は、ただ沈黙する】
【やがて老人の声も収まると、シュルシュルと衣擦れの音が響き始め、4人は身に纏ったものを脱ぎ捨てていく】
【互いの顔すら良く見えない暗闇の中、少しづつ緊張感が高まっていった】
……往くぞ。今まさに死地の中へ……この世界に、最後の勝利を齎す為に。この混迷を、終わらせるために……じゃ
{うん……}<ウゥッ……>
「……おじいちゃん……」
どうした……? 今ここで足を止めても、残るのは『負け犬』の道だけじゃ……それはお前の最も嫌うところじゃ無かったかの……?
お前は違うのじゃろう……あの『負け犬』とは…………
「…………負ける、くらいなら…………私は……『私』なんて、要らない…………! 『負け犬』になる、くらいなら……!」
…………そうじゃ、それで良い…………ッ
【全てを脱ぎ捨てた4人の影が、寄り添ってその身体を抱き合わせていく。強く強く、まるで互いを絞め殺す様に】
【――――グシュッ……ブシュリ……ギチッ……ニチャ……ガシィッ――――】
【隔離されているこの空間はその瞬間、時の流れすら置き去りにして。ひたすらに全ての事象を内向きに閉じ込めていった】
〔――――時間を稼げ! 1秒でも多く、時間を稼ぐんだ!〕
〔敵が来たら迷う事は無い! 後の事なんて考えずに全弾撃ち尽くせぇぇぇ!!〕
〔は、はい!! …………撃ち殺して、食ってやる……!〕
【そんな実験棟の外では、わずかにこの地に残った20人ばかりの兵士たちが、その手に思い思いの火器を携え、侵入してくる敵を迎撃するべく乱射していた】
【2種に分けられた制服を着込んだ兵士たちは、とにかく前方だけを見据えて、狂った様に弾丸をまき散らす】
【否――――実際、狂っているのではないか、そんな事を思わせる様な兵士も、中にはいる】
【眼を血走らせ、歯ぐきを剥き出しにして口を食いしばり、口から唾液を垂らしながら、おぼつかない手つきで火器を前方へと向ける――――そんな兵士が、一定数】
【彼らが侵入者に対して、こうも過剰な火力をぶつけて『時間稼ぎ』を行っている理由は、実に単純明快である】
【侵入者たちが、常識を超えた力を身に纏う戦士たちである『能力者』だから。そして、「切り札の準備のため」と言って中へと入っていった≪No.6≫を守り切る為に――――である】
【一部では脱出すら始まっている中で、総大将とも言うべき≪No.6≫が取ったこの行動は不可解だが、侵攻軍としては見逃す理由は無い】
【そんな状況だからこそ、この場の空気は最初から、炎上した火薬庫の様に狂熱を帯びたものとなっていた】
/こちら主催です。よろしくお願いしますー!
41 (チベット自治区) [!蒼_res] 2014/06/14(土) 20:56:18.79 ID:hRpym2aVo(4/7)
>>35
【―――降下の完了。着地に見事失敗したセリーナは『うわっ、わわっ!?』だの『これ、絡まって、ひもがぁ―――だのと』】
【散々低空域でのたまった後、尻から地面に激突。パラシュートが無様な姿を隠す様にしてその上にはらり―――と被さった。】
【なんとも、締まらない始まり。だが、ある意味でこの女らしいと言えばらしいのだが―――ともあれ、彼女はパラシュートを剥ぎ取った。】
―――ぶはぁっ!? はっ、はぁっ、はぁっ……―――――――ふぅ。楽勝だったね。
もう二度とやりたくないけど。……昔は遊園地でよく、バンジーだのジェットコースターだの乗ったもんだけどなぁ。
いやはや、歳を取るってのは怖―――って誰がおばさんだ。アタシはまだ、20台だっての。
【そんな事を呟きながら、突入用の軍服を脱ぎ捨てるとセリーナは何時もの格好に戻り、ハットを大事そうに被って。】
【腰元に備えた二挺の拳銃―――愛銃、"弾"末魔とColt.SAAの有無を確認してから、颯爽と仮想プラントの方へ駆けつけた。】
【幸い、降下地点付近には見張りの兵士も居なかったのだが―――矢張り、プラントに近付くに連れ、チラホラと見えてくる敵兵の影。】
(……ラボの仮説プラント、恐らくは此処に奴が居る……筈。その証拠に警備が段々と手厚くなってきてる。)
(兵士の数は―――ざっと数えて20、前後か。それにしても様子が―――……オーライ。"アレ"が、対外ボランティアさんか。)
―――ってぇ事は。身体をブチ抜いて眼を覚まさせる方法は、あんまり好ましくない、ってワケだね。
【―――実験棟の外、プラントを守護しようとする兵士達の前に、彼女は物陰から堂々と、姿を現し声を掛けた。】
【テンガロン・ハットに白のシャツ、土気色のベストには"UT"のエンブレムを携え―――そして腰には、ガン・ベルト。】
【ウェスタン・ブーツが『セードムシティ』の大地を踏み抜けば、一陣の風がびゅう、と靡き―――金色のショートヘアを、揺らした。】
"……迷う事は、無い"―――ね。確かにそうだ、敵を見つけたら撃て、すかさず撃て、それが戦闘の基本。
だけどその前に、敵かどうかを見極める大事な作業がある、って事を、みんなちょっと忘れてるんじゃないかい。
……だから、敵かどうかも分からない相手に向けて銃を向けるのが怖いから、そんなにライフルを握る手が震えるのさ。
人間が戦うにはね、覚悟、ってモンが一番重要になるんだ。元々"兵士でもない"アンタ達に―――その、覚悟はあるかい。
銃を握り。人に向け。構え。引き金を引き。命を奪う。その―――覚悟が、あるのかい。
残念だけど、震える手で撃つ銃が、良い結果を残す事なんてこの世には絶対に無いんだ。断言するよ。
―――悪い事は言わない。全員、道を空けて投降しろ。警告は、一回までだ。
この警告を無視し、アタシ達に銃を向ける場合―――アタシはアンタ達を、"鎮圧"するよ。
【そうして、たった一度の警告を告げる。撃つな、投降しろ、と。】
【ソレもそのはず、相手は対外ボランティア、つまりはこの街の住民達だったのだから。】
【だがそれでも、戦うと言うのなら―――セリーナはガン・ベルトにゆっくり手をかけ、眼前の兵士らを睨むだろう。】
【―――とはいえ、当然殺傷するつもりは無いのだが。しかし銃使い<ガン・スリンガー>がこの窮地を】
【犠牲者を出さずに切り抜ける事が出来るのかどうかは―――まだ、わからないのだった。】
/よろしくおねがいします!!
43 2014/06/14(土) 21:03:53.80 ID:xs5Cju0+o(8/9)
>>31>>33
【作戦開始地点に向けて上空を行く輸送機の中】
【集まった9人の正義の能力者の内一人――カミナ・ゲルギルは】
【今代の英雄、正義の筆頭セリーナ・ザ・キッドの演説を口を挟まず聞いていた】
【その視線は、最初は何かを見極めようとするかのように厳しいものだったが】
【彼女の語る言葉を耳にする内に徐々に軟化し、最後には口元を吊り上げて笑みを浮かべていた】
――良いな。口先だけではなく、言葉の一つ一つに人を惹きつける"力"があるのじゃ
此処までは文句なしの合格点をくれてやろう
言われるまでもない、カノッサの下衆共の顔はいい加減見飽きておったからな
御主も仕損じるでないぞ……"正義のリーダー"よ
【彼女から掛けられた声に対して】
【短く……だが、妙に感情が篭った重々しい声色で応えると】
【それ以上コミュニケーションを取ることもなく、"降下準備"を始めた】
(――谷山とジンジャー……あとは、いつか見たロウとかいう男か)
(他の者の安否も、いずれは確認したいものじゃな)
【最後に、参加者達の顔を一瞥した後――胸に緋色の鷹の紋章を刻んだ少女は戦場へと舞い降りた】
>>40
【栄光と慈悲の広場上空に一瞬巨大な影が差した】
【もしそれを見上げたならば、影の正体を察することは難しくないだろう】
【それは巨大な"鳥"。翼長は15mに達し、其の全身は純白に染まっていた】
【視力に優れていれば、その鳥が純粋な生物ではなく何かで作られた模造品】
【"折り紙"によって生成された物体であると知る事も可能であろうか】
【そして――その鳥の背から、其れと比較して余りに小さな何かが飛び降りた】
【空を裂く帯のように髪を靡かせ、背中の"翼"を羽ばたかせながら】
【左右に2mにも及ぶ突撃槍の如き物体を従えて――】
――――カニバディィィィィイイルッッ!!
【<貴宝院流不切正方形一枚折り・槍飛行機>】
【――一人の人物が、倒すべき"悪"の名を叫びながら降下してくる】
【身長は140cm程度であろうか。長く伸びた炎のように鮮やかな紅蓮の髪と、漆黒の瞳をした少女だ】
【身に纏う桜色の和服の背から白い三角形の翼を伸ばし、大きく羽ばたかせながら】
【一直線に加速し、矢の如き勢いで地表に接近すると――左右に追従させていた"折り紙"をカニバディールに向かい射出した】
【それは巨大な"紙飛行機"。神気により特性付与されたことにより先端が鋼鉄に近い強度となっており】
【降下の勢いをそのままに加速させた其れは、直撃すれば凄まじい貫通力となって襲いかかるだろう】
【だが反面軌道自体は読みやすく、また先端を外せば威力は激減し】
【水や火などにも弱く、それらをぶつけられることで弱体化することもあるだろう】
【少女は、カニバディールらから5m程度離れた位置に】
【"翼折り紙"をホバーのように作用させながら着地し、射[ピーーー]かのように苛烈な意志を込めた視線で睨みつける】
【この程度の小手先の技、挨拶替わりにもなるまい。恐らく今宵は、互いに死力を尽くすのだから――】
約束通り、貴様の醜い首を貰いに来たぞ!
――貴様らも年貢の収め時じゃ、今から念仏でも唱えておくがよい――!
【隠しもしない敵意と、殺意を振りまきながら吐き捨てるようにして宣言すると】
【――少女、カミナ・ゲルギルの左右の空間がじわりと歪み、大きな"紙"が出現する】
【紙は空中で見えない手に操られるようにしてパタパタと折られ、何かの形を作り始めた】
/カニバディールの方、ミハエルの方よろしくお願いします!
46 (東京都) [sage saga] 2014/06/14(土) 21:14:33.58 ID:f3A5+C4so(1/3)
>>31-35,41
【ヘリの中、緊迫した空気の中でうつむき気味に佇む一つの青年】
【平常時以上に念入りに刺々しく逆立てられた、新雪よりも白骨よりも遥かに白い短髪】
【服装は、アンダーアーマーにカーゴパンツ、防刃繊維のジャケット、安全靴といったもの】
【腰に巻いたベルトポーチはパンパンに膨れ上がり、幾つものナイフの鞘とリボルバーのホルスターも下げられている】
【ベルトポーチの中を両手で確認し、装備に不備がないかの最終チェックを行っていく】
【戦草を煎じたドリンクを、一気に煽る。身体に巡り来る活力、いざというときの為の物だが、今がいざというときだ】
「英雄、か」
【セリーナの口上を、装備の確認をしながら耳に収めていき、自嘲気味な笑みを浮かべた】
【右目の傷を左手でなぞる。汚れた力と混ざり合ったこの肉体で、英雄を名乗れる自信は無い】
【だが、だからといって谷山は英雄たち≠ニ並び立つことを恐れない、ためらわない】
【なぜなら――――】
「――ヒーローは俺の仕事じゃァない。……だが、ヒーローを作るのは俺の仕事だ。
ヒーローの活躍を伝えるのが俺の仕事だ。俺は俺のするべきことをするだけだ。
俺は、俺の進むべき道を歩むだけだ。――元justice……行かせてもらうよ」
【――――英雄になれなくても、英雄を生み出すことは可能だから】
【伝えるもの。この英雄の群れの為すだろう偉業を、余すこと無く伝えなければならない】
【彼らのなす事を正しく伝えるために、奴らのなした事を正しく伝えるために】
【動く。立つ。歩む。走る。――――刮目し、その目で全てを見届け、生還する道を】
【飛翔。風が身を叩く、速度が増していく。青年の五感が変容していく、最適化された世界を捉える為に】
【着地。パラシュートの制御を上手く行い、なんとか事なきを得た】
【服装の乱れを整え、風で乱れた剣山のような短髪を逆立て直して、己の頬を強く叩く】
「ま、なんだ。こういう場でなきゃ普通にもっかい位飛んでも良かったかね。
割りと涼しいし、悪くなかったよ」
【ニヤニヤとセリーナの方に目線を向けながら、谷山は軽く屈伸をして】
【そして、迷うこと無く駈け出した。前に進む動作に、淀みは無かった】
【『RAGNAROK LABORATORY仮設プラント』第6小規模実験棟】
【無数の銃弾の群れ、20人ほどの兵士の群れ。恐慌し、狂ったその姿は尋常の空気ではない】
【だが、その空気を引き裂き加速する影が有る。その内の一人の髪が、瞳が神経系が――ライムグリーンの燐光を得た】
「――Hello World.」
【変貌する姿、変貌する気配。人の本能的恐怖を煽る、哲学者の卵の気配が周囲の空気に混ざりこんだ】
【ライムグリーンの瞳の光は、兵士たちに向けられて。説得をするセリーナの一歩前に、谷山は歩みだした】
「……俺は他の連中程優しくない。逃げるなら追わねえ、見ないふりをするなら潰さねえ。
だが、俺の前に立ちはだかるなら。俺の正しさ≠ノ立ちはだかるなら。
俺はお前らを鎮圧する事も、お前らを蜂の巣にする事も、ぶち殺す事も。躊躇いやしねえぞ?」
【谷山は、左腕を兵士たちに向かってかざした。半袖のボディーアーマーから覗くその左腕は人のそれに見えるもの】
【そらが瞬間的に破砕。そして、無数の結晶が空中に生成されて、それがあるべき場所≠ノ収束していく】
【収束した結晶は混ざり合い、最終的に新たな左腕を生み出した。無数の黄緑色のライン/回路が浮かんだ腕だ】
【その回路から、黄緑色の燐光が漏れだしていく。不吉な気配を帯びた、余りにも人工的な光の群れだ】
【その燐光は、視界を塞ぐ。燐光が触れれば、五感が歪む】
【感覚の異常の持続は大凡10秒程度。そして、その10秒で谷山はこの20人を何とかする事はできない】
【だが、その10秒があれば。谷山以外≠ェなんとかしてくれる。そう信じていた】
【兵士を観察する。微細な動き、特に指先に注視する。一人でもトリガーを引こうとすれば、谷山は迷いなく左腕を薙ぐ】
【薙いだ腕から放射される燐光は、先述したとおりの効果を与えるように飛び散っていくだろう】
(嫌な気配がするな――。いつもと変わらないとも言えるが……)
【奥から感ずる、嫌な気配。谷山基樹の異様な五感が、分厚い扉の奥の事象をおぼろげに認めたのだろうか】
【背筋を駆け抜ける寒気。その寒気を谷山は恐れた。そして、その恐れを指針とした】
【恐怖を、怒りを、絶望を飼いならし谷山基樹は己の五感を、思考速度を一段階強く強化した】
/*主催者様、セリーナの方、ライラの方よろしくお願い致します!*/
49 2014/06/14(土) 21:19:28.36 ID:ciHM2vAzo(1/4)
>>31-35 >>41 >>46
「―――……カノッサに堕ちたセードムシティと関わるのは、これが最初で最後って訳か」
【大型兵員輸送機、フレズヴェルグの中。夕焼けと宵闇が入り混じり、時折ガタゴトとその体を揺らす機内で男はそう呟いた】
【魔女が被るような大きな紫色の帽子を被り、同色で縁に金色の刺繍が施されたローブを羽織る】
【手に持っているのは、男の身長ほども有る長い木製の杖。つまる所、お伽話に出てくるような魔法使いの格好だ】
【呟いたその表情は、何とも形容しがたいそれであった】
【この街の住民たちは、何らかの手段でもって自分達の敵となってしまったのだから。"彼女"の言う「狂った科学者」は、それを人為的にしてしまったのだという】
【だから、普段カノッサの能力者達を相手にしているようには出来ない。しかし、彼らを何とかしなければ強大な悪にたどり着くことさえ出来ない】
「狩人(ハンター)って訳にはいかねーか。……でも」
【しかし男の顔は、決意を露わにしていた】
【彼らに対し、狩猟(ハント)は出来ない。けれども、この街に巣食う悪の科学者を倒せば、彼らを救う事が出来る】
【セードムシティの住人を救い出す。その決意と覚悟は、確りと刻み込んだようで】
「―――英雄(ヒーロー)になるのも、悪くねーかもな」
【頬をパチンッと叩いて、男の精神的な準備は完了した。後は降下用の装備を着こみ、悪の根城へと踏み出すだけ】
【……いや、まだだ。"彼女"が1人づつに声をかけ始めた。その声の向く先に合わせて視線を振ってみれば、何だか特殊な人も居るようで】
【そんな場違いなことを考えている内に、"彼女"は自分へと、サポートを宜しくと声を掛けてきた。男の言うことなんて、もう決まっていた】
「こちらこそだ、セリーナ。……っつっても、助けられてるのは何時も俺の方だけどな……。
1人じゃねーんだ。皆で力を合わせれば何でもできる―――何てことは、言うのも恥ずかしいから言わねーけどよ。
今日は英雄(ヒーロー)として、戦わせて貰うぜ。宜しくな!」
【男――ライラはそう言い切って。最後に左手の掌と右手の拳を突き合わせた。その数分後、ライラは人生初のスカイダイビングを経験する―――!!!】
【『RAGNAROK LABORATORY仮設プラント』第6小規模実験棟――ライラは勿論、その名を知らないが――、その上空】
【其処からでも僅かに見える、制服を着込んだ兵士たち。その絶叫を聞きながらライラは、彼らの実態をやっと理解する】
【洗脳というか、何かに取り憑かれて狂気を顕現させているといったほうがいいだろうか―――本当にこの街の住人だったのかと疑いたくなるような光景だ】
【しかし、残念ながらそれは事実。彼らを倒さねば、奥の棟内へと侵入できない事も事実。殺さず、無力化するのが一番の手段だろう】
【余裕綽々といった表情で(本当は冷や汗を隠しきれていないが)着地したライラはすぐさま装備を脱ぎ捨て、何時もの魔法使いの格好へと変貌する】
【なっさけねーな……と近くにいる誰かさんに呟きながら、ライラも早速、行動を開始する。このプラント内の悪へ向けての"雷"撃戦】
【見えてきた敵兵――洗脳されたセードムシティの住民――に軽く舌打ちをしつつも、やはりライラもその銃口の前へ、堂々姿を表した】
「……お前らの顔を見て理解したぜ。テメーら、どっぷりカノッサに漬かってる訳じゃねーだろ? ……だったら話は早いぜ、道を開けな。
―――そんな玩具で、俺を撃てると思うなよ? 今日此処でテメーらをカノッサの手から救い出す、このライラ=フェルンストレームをな」
【手に持った杖を前に突き出しながら、そう啖呵を切るライラ。右腕に填めた5本――5色のブレスレットは、既に発光していた】
【それがどのような意味を持っているのか、対外ボランティアの彼らにはわからないだろうが……その威圧感だけは、確りと感じ取ることが出来るだろうか】
51 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/14(土) 21:27:13.53 ID:Igws2bih0(3/5)
>>41>>46>>49
〔っ、耳を貸すな!! お前たちがすべき事はなんだ!? 機関の為、命を捧げる事だ!!〕
〔っぁ、があああああああああぁぁぁぁッッ!!〕
【所詮、と言うべきか。20人の一般兵士如きで、能力者の、それも選りすぐられた精鋭たちを止められるはずもない】
【良く見れば、恐慌をきたしている兵士は、2種の制服の片方ばかりに集中している事が分かるだろうか?】
【つまりは、そちらが現地徴用兵たる『対外ボランティア』で、比較的マシな方が、機関の古参兵に当たる面々なのだろう】
【しかし、恐慌をきたしている兵士たちの中にも、様子がおかしいものがいる――――牙をむき出しに、唾液をまき散らす様に『吼える』者が】
【――――≪No.6≫の狂気の産物の1つ『食人鬼兵(グールソルジャー)』。既に引き返せないその一線を越えさせられたものもまた、その場には居たのだろう】
【――――だが。時間稼ぎを命じられて、矢面に立たされた彼らは、結局のところ『捨て駒』でしかない】
【この兵士たちの行く末など、初めから決まっていたのである】
〔――――っぁ、うああああああああああああッッッ!?〕
【――――突如。彼らが背にして守り続けてきた実験棟が、大爆発を起こす。その余波を不意に背後から喰らい、その場にいた兵士たちも吹き飛ばされる】
【あるいはゴロゴロと無様に転がり、あるいは腕があらぬ方向にへし折れ、あるいは地面に赤い花をぶちまけながら身体の一部を砕き散らし】
【もはや彼らに時間稼ぎの役目を担うだけの力は失われてしまった――――否、もはや必要ないのだ】
――――――――ッフッフッフッフッフッフッフッフッ…………カッッッハッハッハッハッハッハッハ…………!!
【爆炎を背後に飛び出した『それ』は、ギシィッとアスファルトの地面を踏み砕きながら着地し、ゆっくりと面を上げる】
【――――全高が4mほどはありそうな、どす黒い色彩のメタリックブルーで彩られた、筋肉質の人型】
【背中には、その体躯を支えてなお余りあるだろうと言う説得力を持つ、巨大な一対の翼が折り畳まれ】
【肩口からは太く長い触手の先端に、それぞれ黒い髪の少女と赤い髪の少女の上半身だけが残っているものが、うねりながら飛び出していて】
【胸部には、様々な機械が無節操に肉塊で繋ぎ合わせられた上から、筋肉の蠕動によって不規則に開閉を繰り返す装甲板が被せられ】
【そしてその頭部は――――『半透明の蛸』としか表現の仕様が無い形状をしており、額の青い石と黄色の瞳を不気味に光らせる】
【蛸の頭――――本来は腹なのだが、一般にはそう呼び習わされている箇所には、半透明の中に2つの人間の脳が鎮座して、一方が一方を絡め取っている】
【そんな――――――――『化物』や『悪魔』と言う以外に表現しようのない何か。『それ』がこの場に姿を表したのだ】
……地獄の釜の蓋は、今開かれた……!! これがこの世界の終わりの始まり……!! 成功じゃ……この『身体』ぁ……!!
貴様らはもう、わしには勝てん!! わしが許す事はただ1つ――――『死ね』ぇぃッ!!
【既に人間の物ではない口から発せられるのは、しゃがれた怒号。その声に聞き覚えのある人物がどれほどいるかは分からないが――――それは正しく≪No.6≫、グラトン=ブルーガー=ウルバヌスのものだった】
【つまりはこの異形、彼の、グラトンのなれの果ての姿なのだ。その事実を信じられるだろうか?】
【確かにグラトンの研究は、生物の改造と言う分野にも及び、それによって生み出される産物をひたすらに求めていた。だがそれでも、人間がこんな風になる事など、想像できるだろうか?】
――――――――クゥァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッッッッッ!!!
〔あ、ガアアアアアあ、あ、あ、ああアア、ア……ッッッ!!〕
【そしてそのまま、グラトンの変異したその怪物は、咆哮する。それは『地獄の象』『悪魔の象』と言うのがいるなら、こんな叫びだろうと思わせる様な】
【そんな、甲高く全てを引き裂く様に耳を劈き、それでいて低く全てを押し潰す様に身体に轟く、暴力的な咆哮だった】
【かろうじて生き残っていた兵士が、頭を抱えながら身体を蝦反りに折り曲げ、そのまま身体を引き攣らせて硬直し絶命してしまう様な、死の咆哮】
【それは正しく、やってきた戦士たちを前にして絶望を叩きつける、悪魔の産声と言うべきものだった】
52 (SSL) [sage saga] 2014/06/14(土) 21:36:37.02 ID:O3v59YQQO携(1/2)
【機内でミハエルはセリーナの演説を聞いた、しかしその口は閉じられたままで】
【緊張感から来るものなのか、それは誰にも分からないだろうが、一つだけ確かな想いが彼にはあった】
【それは生きて帰ること、セリーナが自分の名を呼んだとき、少しだけ口を開いた】
……ああ、全員無事で帰ろう。
>>40
【パラシュートで降下していくと、自分の向かう先には広場が見える、しかしそれよりも目を引くものがそこには居て】
【まず目に写るのは 二つの異形、広場の光景はその次になる】
【それほどまでに目の前の異形は浮いていて、まるで水彩画の中に描かれた油絵だった】
【それらを瞳に写す人間の内の一人は、身長180以上はあるだろう男】
【アシッドグレイの長髪は後ろで一本に纏めていて、顔は20代後半程であろうか】
【白いワイシャツと黒のスラックス、靴は動きやすい黒のスニーカー】
【全て動きやすい服を選び、髪も結んでいることから 戦闘を想定した服装なのだろう】
【>>43のカミナがカニバディールに攻撃するのを見たなら、自分の相手はその傍にいる怪物になるのか】
【何にせよ、地上まで十数メートルのところでミハエルはパラシュートを外す】
【高い場所からの着地なら幾らか訓練されているし、何より的になるパラシュートでいつまでも飛行している訳にもいかない】
【しっかりと受け身をとって着地したなら】
(カニバディール…………昼の国の事件のアイツか……!)
生で見るのは初めてだ、お前がNo.29、カニバディールか……
一つ言っておく、俺は生け捕りなどと考えてはいない、お前が今言った通りだ。
…………殺し合いではない、殺すのは俺だけだ……!
【彼……ミハエル・ガーナランドは、これから目の前の敵と交戦することになる】
【正義とは思えないような言葉を放つ彼は、灰色の瞳でカニバディール達を見据えて】
【戦場という環境が、彼をそうさせるのだろうか】
【ミハエルは構える、と同時に彼の隣には小型のスロットマシンが出現して そのルーレットを回し始める】
【少ししてから止まると、そこには『4』と記されていた】
【その直後 彼の手には一つの武器が現れる、トンプソン機関銃に近い形状、やはり銃だろう】
【ミハエルはそれをカニバディール達に向けて乱射する、勿論容赦はない】
【十数秒間撃ち尽くしたなら、相手の出方を伺うだろう】
/ミハエルです、お二人様、本日はよろしくお願いします!
59 (チベット自治区) [saga] 2014/06/14(土) 22:08:51.07 ID:hRpym2aVo(5/7)
>>46>>49>>51
【―――ほんの一瞬だけだったが、セリーナは目を伏せた。そして止むを得ない、そう判断したのだろう。】
【すかさず名銃・コルトSAAを引き抜き、腰元で素早くファニング、クイック・ショットを決めようとした―――その時。】
【まず、結論から言えば弾丸は放たれなかった。兵の持った銃器を狙って放たれるはずだった45.は、放たれる事無く、銃毎地に落ちる。】
【そして更に言うならば―――その唐突な"爆発"、兵の護っていたプラントの崩壊の余波を受け】
【セリーナは爆風で吹き飛び、兵士達同様、風と地面に叩き付けられたダメージで幾つか、身体を痛めるが―――】
【それ以上に、彼女は激怒していた。痛む身体を押さえて無理やりに立ち上がり、その光景に眼を奪われ―――瞬間、吼える。】
―――――――グ、ラ、トン……!! ――――おまえ……ッ!!
それが―――……それが、"仲間"に向ける言葉かァッ!!
【手駒、確かにその通りなのだろう。役目が終わった、それも正しいかもしれない。だが、だがしかし。】
【彼等は半数が街の住民で、そしてもう半数はグラトンの、カノッサの仲間であったはずなのに―――この仕打ち。】
【奥歯をぎりり、と噛み締め。彼女は吹き飛んだコルトを拾い、素早く"弾"末魔を引き抜くと―――もはや、躊躇もせずに。】
『パーム・オブ・ストレングス/剛毅の掌』―――起動、アーマードチェンジッ!!
騎士怪醒――― ティターン・アーマー "RV" (レボリューション)
/続きますっ
60 (チベット自治区) [saga] 2014/06/14(土) 22:09:06.27 ID:hRpym2aVo(6/7)
>>46>>49>>51
【瞬間、彼女の身につけていた新型装備―――シンボリックウェポン、"剛毅の掌"が起動、変形。】
【通常状態ではガントレット型の装備であったそれが姿を変え、"弾"末魔の銃身に覆いかぶさるようにすると】
【ストック、狙撃スコープ、超ロング・バレルが"Colt Navy 51"のボディに追加装備として備わり―――刹那、発砲ッ!!】
【以前よりも威力を増した強烈な"魔弾"が、紫と黄金の交じり合った閃光を放ちながら眼前で停止、すかさず召還陣を起動ッ!】
【進化した"弾"末魔が放った召還陣は、蒼白いソレではなく美しい黄金に輝いており、その前面がセリーナの身体を透過した、瞬間。】
【セリーナはセリーナで、なくなっていた。太古の巨人族、ティターンの皮膚を模した強靭な魔力装甲の魔導鎧を装着し、怪物の様な姿に】
【―――だが、以前にティターン・アーマーを見た事がある者ならば、今回呼び出されたその武装に変化がある事に気付くか。】
【まず眼を引くのは大きな群青色のマント―――ガンマン風の装備に例えるならばポンチョにも似たそれは、対刃防弾の特殊繊維で】
【その上両腕部には二対の巨大なガントレットが付加され、更に胸部装甲、脚部装甲も追加の鎧で大幅に防御力を上昇させている。】
【そして見た目に一番大きな変化と言えば―――背中から肩にかけて装備された一つの巨大な"魔装銃"の存在。】
【折り畳み式の副銃身を持ったそれは控えめに見ても強烈なインパクトを残し、そして頭部、主に眼の部分には追加で】
【スカウターの様な装備も現れており―――つまり、ティターン・アーマーは"進化"していた。それも、革新的<レボリューション>に。】
グラトン……此処にいた兵士達は、半分は町の人間、そしてもう半分は、アンタの仲間だった人間達だぞッ!!
それを、こんなに……こんなに、傷つけて……あまつさえ"嘲哂う"その腐った性根、今度こそ……
今度こそこの―――セリーナ・ザ・"キッド"が、完全に叩き潰してやるッ!!
新しく手に入れた、『パーム・オブ・ストレングス』と―――進化した、"相棒"<弾末魔>の力でッ!!
【叫んだセリーナは咆哮の織り成す"音"の衝撃波を防ぐべく、マントを翻し前面に展開ッ!】
【すかさず襲い掛かった衝撃波を防ぎ切るが、それにより防護繊維は消耗、そしてセリーナ自身も後退、したが】
【―――それを物ともせず、彼女はマントを翻すと爆走、重い鎧のボディを風の様に奔らせ、そして両腕部の武装を起動ッ!!】
"コイツ"が―――生まれ変わったティターン・アーマーの、新しい武器だッ!!
【両腕部の副次装甲が展開すると、そこから特殊な形状をした銃口が左右の腕に一つずつ現れて】
【セリーナが両腕を構えると、その動作に伴い銃口は一斉に光り輝き、弾丸を発射―――否、放たれるのは弾丸ではなく。】
【もっと大型で、そしてそれでいて"矢"のような形をした特殊な―――ティザー・ダートだ。つまりは、電撃を発生させる鎮圧武装ッ!!】
【対人用の護身武器として活躍する、電撃を与える事で敵を無力化する小型の物は民間にも存在するが】
【このティターン・アーマーRVに装備された両腕のティザー・ショットは電力の大きさを自在に変化させられる優れもの。】
【民兵に対しては痙攣で済むレベル、そして強大な生命体に対してはその行動を阻害するような強烈な電気ショックを―――放つッ!!】
【ダートが命中すれば、そこからは肉体の、筋肉に作用するような高電流の電気ショックが一定時間、流出する。】
【セリーナの両腕から放たれたダートの数は左右二本ずつ、計四発の矢が巨大なボディめがけて直進するだろう。】
63 (東京都) [sage saga] 2014/06/14(土) 22:17:51.07 ID:f3A5+C4so(2/3)
>>49-51,59-60
「――ちィ……ッ!!」
【五感を強化し、思考を加速していたのが功を奏した】
【眼前で生じた爆発。無数の瓦礫の群れ、一歩前に出ている己。取る行動は決まっていた】
【右腕をホルスターに伸ばし、リボルバーを引き抜いた。都合六度、狙いなど決めること無く引き金を引く】
【放たれる弾丸の群れは散弾。Taurus M513 JUDGE MAGNUM=B世にも珍しい散弾拳銃≠セ】
【狙いはなく、ただ放たれる散弾によって瓦礫を散らすことを目的としたその行動は成功。致命傷は無かった】
【手早くベルトポーチからムーンクリップを取り出し、排莢。弾を入れ替え谷山はジャッジをホルスターに戻した】
【爆風を突き抜けて現れたのは、無機質と有機質の混ざり合った異形そのもの】
【それを見て、それを認識して。谷山は口元に笑みを浮かべた、正義を名乗るには余りにも歪なそれを】
【ばちりと紫電が神経系から放出される、右目と左腕から放たれる燐光が光量を増す、負の気配が増幅していく】
「――おーおー、醜いねェ糞野郎。
どーしてくれんだ、俺のサイトに載せる前に画像処理してモザイク掛けとかなきゃならねーじゃねーかよ。
……改めて理解したぜ。お前は敵だ。お前がお前にとっていくら正しかろうか知ったこっちゃない。
俺の正義の敵は、俺が斃す。俺が許すことも一つだけだ。『死ね』ゴミクズ――――ッッッ!!」
【言葉を連ね立てていく。その言葉が連なるほどに谷山の瞳には、言葉には、姿には熱が宿っていく】
【己の正義の敵≠斃すという強い意思の発露は、燐光の増加で如実に現出する】
【左手を右目にかざす。右目をえぐり出さんとばかりに強く強く、爪を立てて戦意を解き放つ】
「Hello World――――Over Clock!!」
【谷山の左腕だけに浮かんでいた黄緑色のラインが、右目の周囲に広がっていく。皮膚の一部が結晶化した】
【顔や首元から突き出る黄緑色の結晶は、アートマン体。生体とアートマンが混ざり合う谷山もまた、異形だ】
【そして、そのコンマ数秒後に襲いかかってくる咆哮。それに対して、谷山は息を深く吸い込んだ】
『シャアァ――――――!!』
【吐息に混ざるライムグリーンの燐光、結晶。そして強まる気配は――哲学者の卵のもの】
【与えられる恐怖と絶望を、谷山は己のよく知る狂気で上塗りした】
「ッハハハハ……! クズだなァテメェ。
だから死ね。――セリーナ! ライラ! 俺が隙を作る! テメェらは隙が出来たら好き勝手すればいい!!
んじゃ、死んでも死ぬなよ――ッ!! Code-BlackOut!!」
【左腕に纏わりつく燐光を収束し、腕をなぎ払うことで視覚化されたデータの波動を前方へと解き放つ】
【強い光は視界を遮り、触れたならば神経系に大量の不要な情報を送り込むことで、五感に異常を起こす効果を持つ】
【そして、右腕を跳ね上げるようにして動かし、その光の後に銀色の線を引く。ダガーナイフだ】
【それにもまた、違う効果が載せられている。当たってもダメージこそ殆ど無いだろうが、神経系を強化≠キる効果を発現させるものだ】
【痛覚を異常に励起させ、些細な動作にも痛みが付随する状態を起こすそれ。全身知覚過敏≠ニも言える異常だろうか】
【それらのどれもが、それ単体ではグラトンを斃すことは決して適わないもの。だが、それ以外が有れば良い】
【そして、今此処にはそれ以外がある。だから谷山は――徹底して相手を妨害し、隙を作ることに注力することとした】
(――いざとなりゃ、奥の手の奥の手。
4つ以上は使ったことは無いが。やってやるしかねェな、やるしかよォ……!)
【己のベルトポーチのポケットの一つに収まる哲学者の卵。それに意識を向けつつ】
【谷山基樹は鞘に収められていた肉厚の短刀身タイプのシースナイフを右手に握り、左手の中指と人差し指を滑らせた】
【そして、五感に意識を向ける。今から得られる情報は、全て敵を倒す術の策定とプロファイリングの材料となるものだ】
【相手の肉に覆われた関節部の構造、全体の筋量、重心のバランス、装甲板により阻害される動作範囲】
【異能を使用しない場合でその翼を用いることでどの程度の高度まで飛行が出来るのか、持続時間はどの程度か】
【その見ているだけで不快な異形の姿を、谷山は五感の全てを思考の全てを用いて認識し、分析を開始していた】
64 2014/06/14(土) 22:30:27.05 ID:ciHM2vAzo(3/4)
>>51 >>59 >>63
「……そうか、あっちの方が『対外ボランティア』って訳な……!」
【二種に分けられた制服と、恐慌とその制御に大別された彼らの反応は一致している。機関兵と対外ボランティアの見分けは一瞬で付いた】
【問題は、彼らをどう捌くか―――。見れば、対外ボランティアの方にもその様子がおかしい人間が居る。彼は、他よりも『一歩進んでしまった』のか】
【そんな彼らを魔法で、或いは二人の能力で、どうすればいいのだろう――――――そんな思考は、最初から必要なかった】
「クッ――――――ッ!!! なんだ!? 何、が――――――」
【突然の爆発。兵達は対処できなかったのか、はたまた対処など初めから想定されていなかったのか、その爆炎に次々と命を散らしていく】
【そんな一瞬の出来事の中、ライラには彼らを救う何て英雄じみたことは出来なかった。出来たのはただ、顔を腕で覆ってその熱気から逃れることだけ】
【遂には耐え切れず、後ろへと転がり、そして止まる。立ち上がった刹那、飛び出してきた『何か』に反射的に言葉を紡ごうとして―――口が止まり、息が詰まった】
「――――――あれが……、アレが人間だったっていうのか……!?」
【巨大で、おおよそ人間とは思えないような色で彩られた体躯。背中からは翼が生え、肩からは触手。その先端には少女の上半身】
【人体と機械をミキサーで混ぜ合わせたかのような胸の構造。そして頭は最早人頭ではなく、半透明の蛸。一つの脳が、もうひとつの脳を絡めとる】
【―――冒涜的だ。しわがれた声は、正しく出撃の前に聞いたグラトンというカノッサのNo.6。悪魔を体現した科学者のそれそのものだ】
【しかし彼も、また人間のはず。それが、コレの元の姿だというのだろうか】
【ライラは、沢山の異形の者を見てきた。特に、機関No.29の彼とは因縁が深い。だが彼も、その配下である盗賊団も、コレのようではなかった】
【こいつは既に、人間の領域を大きく外れているのだ。人間を止めたその怪物。もう人に戻ることなど出来ないのだろう】
「ッ……テメー……やってくれるじゃねーか。
セードムシティの住人だけじゃなく、カノッサの兵まで捨て駒ってか? 笑わせてくれるぜ……。
本ッ当に! 舐め腐ってんじゃねーぞグラトンッ!! その自慢の体、テメーの目論見ごと徹底的にぶっ潰してやるぜ!!!」
【直後、襲い来る咆哮に対してライラは防ぐ術を持っていない。だが、持っていなくても十分だった】
【なぜならば、ライラには精神力があったから。何度倒されても決して折れないそれを】
【数々の英雄たちに比べればまだ脆くても、グラトンの咆哮に十分耐えきれるような強靭なそれを持っていたから】
「 F 2 S 1 ! ! ! F r a m e B o m b e r ! ! ! ! 」
【防ぎきれば今度は此方の手番。赤と緑のブレスレットが減光し、ライラの眼の前に現れた同色の魔法陣を杖で思い切り突き上げれば】
【出現したのはサッカーボールほどの紅い球体だ。それが放物線を描き、さながらサッカーのループシュートのごとくグラトンへと迫るだろう】
【何も障害がなければ当たるのは胸の辺りだが、もし何かに当たることが有れば、その瞬間その球体は炎と衝撃波をまき散らして爆発する!】
【だが、グラトンの体と比べればその攻撃翌力は大きくないかもしれない。様子見の攻撃をしかける所、ライラも強かさを手に入れたようで】
67 (新潟県) 2014/06/14(土) 22:33:48.92 ID:Q9JMlHKxo(1/3)
>>48
【―――去年よりも、運が悪い。爆炎が視界を覆わんと襲い掛かった瞬間、そのような憂鬱な想いが彼の心内に充満していた】
【約1年前になるだろうか。あの時もこの町のこの場所で、機関員を相手に死闘を繰り広げた。その時の敵はもう少し落ち着いていたが今回はどうやら―――正反対らしい】
【悪意が命を奪わんと差し掛かる。そのギリギリの、瞬きすら許されない薄く細い時間の切れ目で―――ペンダントの宝玉が輝き、芳醇な魔翌力を一気に放つ】
【―――しかし彼の姿は爆炎が完全に包み、続いて轟音が殷々として鳴り響きながら追撃の焔が彼の居る位置めがけて何度も何度も飛来していき―――】
【―――音が鳴り止んだ頃には、本来の姿とは大きく離れた凄惨たる町並みがあった。どれほど猛烈で暴力的な攻撃だったかを、十二分に示すほどの崩れた姿だった】
【……煙が段々と薄くなっていき、彼が居たはずの場所がどうなっているのかを明らかにするだろう。形も残らず焼け焦げて死んだのかどうかを】
―――……くっそ、いきなり3発と宝玉使っちまったぜ……あー、クイックドロウなんて慣れてないことやったから左の人差し指がヒリヒリしやがる……
―――ったくよォ、姿が見えた瞬間この有り様ってホント……涎垂らした獣かっての。そんで格好だけはお上品なんだからさ……。
【―――氷の、ドーム。そう言える不自然極まりない透明なオブジェが、彼が居た筈の場所に造られていた】
【そしてその中に彼は居た―――彼女が攻撃を放った時から、一歩も動くこと無く。両手で握られた蒼い拳銃を見れば、どうやら氷のドームがこの銃によるものだと推測できる】
【かなりの厚みをもった氷のドームも、所々凹んでいたり、薄くなっていたりと数多の傷を負っている。ロウはドームの薄い部分に軽く前蹴りをかませば、脆く氷は砕け散った】
うわ、こりゃ下手すりゃ死んでたぜ……宝玉込みの「Ice cocoon」でもコレってどんな威力してんだよ……
【氷の繭からひょっこりと顔を出し、そして彼女の正面―――大体7,8m位の間合いまで歩めば。右手を蒼い銃から外し、そして空いた右手に赤い拳銃を具現化させる】
【その銃口でクイ、と押し上げたのは被っている蒼のソフト帽。灰色のジレに羽織られた白いシャツの右肩部分には、SCARLETの所属を示す紋章】
【ジーンズが履かれた腰には、2丁拳銃専用のガンベルトが巻かれており、そこには今握っている銃ではない、赤と蒼のリボルバーが収められている】
【そして首元には、宝玉のペンダント。そこから発せされる特殊な魔翌力を感じ取れたなら、其れが異質なモノ―――更に勘が良ければ「宝玉」であると解るだろうか】
【カノッサ相手に宝玉を晒す行為は、追われる覚悟を背負うと言う事。そして其れを跳ね返す自信も見える行為でもあった】
/すみません続きます
72 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/14(土) 23:01:06.90 ID:Igws2bih0(4/5)
>>59-60
クハッ……カッハッハッハッハッハ…………!! お前が来たのか、セリーナ!!
あの『ガラクタ』に、物好きにも憐憫の情など抱きおって……1つの組織のリーダーと聞くが、その言葉……それこそお笑い草じゃのぉ!!
……命など所詮、戦いに勝つための駒じゃろうに……我も彼も、全ては駒じゃよ!!
「負け犬が……生きる必要なんてないのよ!! 全ては勝つ事、勝った者こそ全てなのよッッ!!」
【蛸に、人間らしい表情を表す事は出来ない。ただその両の眼をギロリと向けながら、むしろその感情をこれ以上なく声に乗せてグラトンは嘲笑する】
【――――戦いを行う以上、マクロ的視点から見れば、確かに全ては1つの駒に過ぎない】
【それをグラトンは、己が命すらそれに過ぎないと言い放った。命の価値など――――こんな人間に説いても無駄に終わるだけだろう】
【そして、彼の一付属物と化した、黒い髪の少女――――シュバルツガイストもまた吼える。勝つ事こそ、全てに優先されると】
【自己の姿すら捨てて。それでもなお、彼女にとっては力を得て、敵に勝つ事の方が、ずっと重要だった】
>>63
っっぬっっ!? 貴様、その声…………ッカッハハハハハハ、そうか、貴様か……3年前のあのビル以来じゃのぉ……!!
貴様はわしを覚えてはおらんようじゃが……あの『ガラクタ』との『遊び』は、楽しかったかのぉ!?
【始め、その声にグラトンは一瞬思考を切り替える。それは、過去の記憶を呼び起こす為の運動で】
【求めていた情報は、割合すぐに引き出す事が出来た――――あの時、当時まだ≪No.616≫だった、ブラックハートと死闘を演じた少年の、あの声だ】
【「どこまでも追い詰め、そして殺す」と、姿も見ずに言い放ったあの少年が、こうも大仰に戦場に乗り込んでくるとは思わなかった】
【全く、これだから長生きとはしてみるものなのだ――――この奇妙な偶然に、グラトンはてらいなく喜びの感情を垣間見せる】
さあ、今こそ……今こそ、じゃ。死は、すぐ隣に待っておる。それがわしを迎えに来たのか、お前を迎えに来たのか……精々確かめようじゃないか!!
死の間際にいるからこそ、楽しまなきゃあ損じゃぞぉ!!
【グラトンは、死を恐れない。それは、2年9ヶ月前のあの時から何も変わらない】
【「こんな老いぼれにとって、死は隣人であり、かつ友人である」とまで言い放つこの狂人には既に、死への恐怖など無くなっている】
【今のこの言葉の応酬も、ただ子供がゲームに興じるような感覚で『楽しい』としか思っていないのだろう】
>>64
その通り……わしもつい30秒前までは、人間じゃったよ?
こんな一品物の身体、わしの主義からすれば褒められたもんじゃァないが……今お前たちに絶望を叩きつけるには、丁度良かろうッ?
【唯一、その外見に恐慌をきたしてくれた――――違う反応を返してきた――――完全に記憶にない男に、グラトンは自慢げにそう言葉を返す】
【ただ、その口調はどこか『ずるいことしちゃったよ』と言う様な、やりきれない色をも含んでいた】
【――――戦いは、質・量ともに揃えられた兵士がいてこそ。それがグラトンの命題であり、今までの研究の信条そのものだった】
【だからこそ、こんなイレギュラーな突出した強化は、本人の意に反していたのだが――――この窮地で頼るには、まあ丁度良い】
【――――狂った頭脳は、その程度の事しか考えていなかった】
さあ……吠えろ吠えろ。それもいつまでももたんのじゃから、今のうちに吠えたいだけ吠えとくんじゃよ……ッ!!
<アハハハハハハハ!! フゥアアアアアアアッッ!!>
【グラトンも、赤い髪の少女も、狂った様な激昂を滲ませていく】
【――――現在における機関の悪意の体現者。そんな言葉で形容されるのであろう老人も、その産物も、全てが狂っていた】
/続きます
73 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/14(土) 23:01:57.14 ID:Igws2bih0(5/5)
>>59-60>>63-64
さあ……わしもこの身体は初めてじゃ。まずは気になる所から、テストしてみようかの……!!
「ッッ、うああああああぁぁぁぁッッ!!」
【ゆらりと身体を起こし、身構えるグラトン。その体躯はもはや、『ウェンカムイ』よりも一回り大きな怪物と化している】
【ついさっきまで、動きは軽快なものの枯れかけていた老人の身体だった彼には、流石に違和感もあるのだろうが】
【それでも、自分の成すべき事は、全て頭の中に入っている。今はそれを実践しながら、身体で覚えていくだけだ】
【――――そこに、牽制とばかりに投げつけられる>>63のダガーナイフ。それに反応したのは、肩口から『生えて』いる黒い髪の少女だった】
【その両腕をクロスさせて、ダガーを受け止める――――彼女の腕は、鋼鉄の義手となっていた。生体に当てるよりも、そのダメージは少なく済む】
【――――ブラックハートの後継機である彼女ですら、この強大な悪魔の、あくまで一パーツに過ぎないのだ】
奇遇じゃのぉ!! わしも同じ様な武器を作ったよ……その時に苦労したのはなんじゃったか分かるか!?
簡単に電磁界が拡散してしまっては、役を成さんと言う事じゃよ!!
【隠そうともしない怒りを乗せて放たれる>>60の電撃。それに応え、グラトンは左手を向ける】
【次の瞬間、腕の一部が半液状に溶解し、人の頭ほどの細胞の塊が発射される。それは電撃と真っ向からぶつかり合い、爆ぜる】
【――――本業が兵器開発の科学者だったからこそ、そして似た様な兵器を見ているからこそ。グラトンにはその対処が取れた】
【そして、本来ジ・エンブリオンの特性だった細胞操作の、そのやり方の予行演習を、この瞬間にやってのけたのだ】
【――――同時に、電撃とぶつかり合い、爆ぜた細胞の一部が、飛沫となってセリーナへと振りかかろうとする】
【大部分は高熱で焼かれているものだが、『生きている』一部の細胞は、もし付着すれば浸食を起こし、免疫異常を引き起こさせ肉体にダメージを与えようとする】
【量は少数といえども、まともに浴びるのは推奨されないだろう】
うむ! 良い調子じゃ――――――――ッぶぉぁ!?
【細胞操作のコツは、今の一時で大体分かった。頷くグラトンだが、そこに>>64の放った球体が直撃する】
【まるでボクシングの選手がアッパーを浴びた様に、頭ごとのけぞる様にしてその場でたたらを踏む】
【――――強力な力を持っているとはいえ、グラトン自身が戦いに慣れている訳ではない。迂闊な隙を、見事に突かれた格好と言える】
<ッアアアアアアァァァァ!!>
【まるで、それを見て怒りを発した様な叫びを放ちながら、赤髪の少女が左手に持った銃を放つ。それは、電撃を弾丸にして発射する『ボルトシューター』】
【その30%出力の炸裂弾が、真っすぐに>>64向けて放たれた。被弾すれば、電撃のスタント炸裂のダメージを同時に受けてしまう事になる】
……ほれほれ、今度はこっちじゃぞ!!
【そしてグラトンの胸元から、不格好に突き出た2本の鋼鉄の足が、>>63と>>64に向けて散弾を発射した】
【元はと言えば、それは黒い髪の少女、サイボーグ戦士の、今は不要となった足。そしてそこに仕込まれたショットガンだった】
【それを、胸元から真っ向に向けて発射したのだ。腕など介する必要はない。その恩恵を最大限に生かして】
【――――>>63には、この一連の動きを見れば分かる事があるだろう。その全身の細胞は、グラトンの意のままに操り、更に変化を果たす事が出来る】
【その万能性は尋常ではなく、更に内に秘めているエネルギーも恐らくは、普通の生物とは峻別される大きなものだ】
【『一部だけ切り離す』『液化する』などの荒行も難なくこなす辺り。その全容をうかがい知るのは至難の業と言って良いだろう】
【しかもそれを攻撃に転用までしてくるのである――――戦士ですらないグラトンの、自信に満ちた態度の理由が分かるだろうか】
78 (チベット自治区) [saga] 2014/06/14(土) 23:33:34.53 ID:hRpym2aVo(7/7)
>>63>>64
―――オーライッ!! 諸々了解したよ、基樹君ッ!!
それじゃアタシの方は、デカイのをバンバン撃たせてもらうから―――接近戦は、任せたねッ!!
【変貌した谷山、そして魔法を放つライラ。セリーナは電撃を放った直後に今度は身を翻し、左方へと前転。】
【素早く敵の攻撃の軌道を見極め、そして自身は後方支援―――十八番の"火力攻撃"に移る為、一歩下がるだろう。】
>>72-73
【自らの肉体すらも―――いや、むしろ精神すらも『駒』だと吐き捨てる、その形相のなんと、恐ろしい事か。】
【彼の外見は今、この世のどんなモンスターよりも歪に、恐ろしいモノへと変化していたが―――その見た目以上に】
【彼は最初から、まだ変容する前の段階から既に、人間ではなくなっていたのだろう。それこそ、その意思は怪物のそれだ。】
―――……違う、そんな事無い……ッ!
全てを捨てて勝利に走ったところで、本当に得たい物を得られるとは、限らないんだッ!
最初から一つの目的のみに固執したら、人の可能性はそこで閉じてしまう―――アンタの求める勝利は、不完全だッ!!
【電撃と、肉体の衝突。爆ぜたそれらが飛び散って、広い範囲へと拡散する―――回避行動を取っていたセリーナにすら】
【その細胞はペチャリ、と張り付いて―――防護用マントが犠牲になり、それは急激な腐食を開始。マントの一部は、ひしゃげた。】
【眼帯状の『スカウター』に映る敵の能力は大きく分けて二つ。細胞を用いた多彩な力と、合体した少女達の個々が織り成す攻撃だ。】
(……あの脚部のショットガン、あれも以前に戦ったサイボーグ少女の一部……ッ!)
(ていう事は、その少女達とグラトンは"思考レベル"で融合している―――? だからこそ、)
(戦士ですらないグラトン自身がああも上手に細胞の分解・結合を行えるんじゃ―――……クソッ!)
……考えたって、仕方が無い。電撃がそう、簡単に防がれるなら―――……今度はもっと強烈なのを、お見舞いしてやるッ!!
【追加装甲を身に纏い、今や拳銃からリボルビング・ライフルへと変化した愛銃・"弾"末魔を構え、そして発砲。】
【轟音が鳴り響き、再びの発射と共に召還陣が展開―――瞬間、空間内にまたもや新たな武装がイン・ストールされていく―――!】
番犬吼々―――――――ケルベロス・マグナム " KO"(ノック・アウト)
【召還陣から取り出されたそれは―――銃、のような"何か"。否、そうとしか形容できない程の巨大な、武装。】
【拳銃と思わしき形状ではあるが、しかしそれでもグリップは驚く程大きく、なおかつ中心のシリンダーのサイズは、それこそ】
【通常のリボルバー拳銃とは比較にならないほどに巨大で、そして独特の存在感を放っている。装填される弾丸の大きさなど】
【大口径の特殊弾頭―――所謂、『スマートグレネード』等に代表される弾薬だ。なにより、このバケモノじみた拳銃の最大の特徴】
【それは銃身、つまりシリンダーから敵へめがけ真っ直ぐに伸びたそれ<バレル>が三つも、"三連装"に連なっている事だろうか。】
【西部劇にも良く出てくる、水平ニ連装のショットガンの上部に、もう一本のバレルを継ぎ足したかのような"歪"過ぎるフォルム―――。】
【銃身基部にはレリーフとして、地獄の番犬<ケルベロス>を模して精製された事を伺わせる彫像まで用意され。
【まさに、三つ首の砲身。そうとでも呼ぶしかない、強力な武装が姿を現した。だがこれもまた、今までの武装とは変わって】
【"ティターン・アーマー"同様に、見た目からして過去のケルベロスとは細部が異なっている。まず、眼を引くのは長くなった銃身だ。】
【今までのケルベロスが短銃身のバレルを三つ重ねた物だとすれば、この"KO"はロングバレルの銃を三つ重ねた様な肥大さを誇り】
【更に言えば三つ連なった銃身のその真ん中部分―――丁度穴になっているその部分にすらも、何かの"装飾"のようなものが見えて】
―――雷でダメなら、今度は燃えてみな、グラトンッ!!
【グルン、とバレルが回転。放たれた弾丸は以前の20mmスマート・グレネードを更に大幅大口径化した、爆裂マグナム弾。】
【30mmにもなろう巨大な弾丸が爆音と共に放たれると、猛スピードでグラトンめがけ飛翔、命中すれば炎と爆風を撒き散らすッ!】
79 (東京都) [sage saga] 2014/06/14(土) 23:41:22.70 ID:f3A5+C4so(3/3)
>>64,72-73,78
「そうか――てめェがブラックハートを作った奴か。
……なるほど。なるほどなァ――殺すしか無ェなァ……!」
【グラトンから発せられた言葉。それを受けて谷山の記憶が即座に検索され回答を返す】
【その回答には、静かながらも確かな敵意、悪意、殺意、狂気】
【声、体躯、燐光。それらから漏れだす気配の歪さが次第に増していく】
【哲学者の卵を使い続けてきた結果染み付いた、狂気の気配。それが、敵の狂気とせめぎ合う】
【支配された狂気によって、目の前の狂気に相対する青年。その瞳には、理性と狂気が同居する】
【己の牽制は通らず。そして、強者たるセリーナとライラの攻撃を様々な手法で捌いていくグラトン】
【まさに万能、まさに究極とも言えるその戦闘能力。得意に成るのもわかるというものだった】
「――っしゃァ!!」
【駆動音を耳に捉える。散弾を発射する前動作を開始する音に反応し、右腕が閃く】
【散弾の散布界を乱すように投擲されるナイフ。膝を曲げ、半身になることで命中範囲を狭くする対処】
【全身を貫く数発の散弾。盲管銃創が生まれ、鮮血がいくらか飛び散り、傷口からは燐光が漏れ、結晶が溢れだした】
「――――なるほど、なるほど。厄介だなァ。
普通の脳みそなら、これだけの並列処理を容易く成し遂げられるはずはない。
変更できないものは、それこそ脳程度って所、かねえ。いやぁ――これ、出し惜しみしてられねェな」
【分析する。もはや関節部の可動範囲や、装甲による可動の阻害も恐らく役には立たないだろう】
【弱点と言えるのは、グラトンの戦闘能力。言わば、直接戦闘の経験ともいえるもの】
【そして、脅威は状況対応能力と手数。その時点で、谷山は己の取るべき行動を決定した】
【左腕の傷に指を滑らせ、痛覚をごまかした。そして、右目と左腕がその光を俄に強めていく】
「Over Clock――――Quad Core」
【両手をベルトポーチに伸ばし、引きぬいたのは4つの哲学者の卵=z
【それを空中に放り投げ、それに向けて圧縮された光――悪意のデータ≠食らわせる】
【孵化に足るだけの餌を与えられた哲学者の卵は、宿主を持たぬままにその孵化を開始し、その力を解き放つ】
【無軌道に暴走していくその力の群れ。それに対して、谷山は右手を伸ばしていく】
【砕け、歪に、無軌道に成長していくその右腕に無数の口を彷彿とさせる裂け目が生まれ、そこに悪意の力だけが吸い込まれていく】
【地面に落ちて残ったのは、透明の結晶となった哲学者の卵。そして、青年の生身の左目が直後に崩れていく】
【崩れた左目の隙間を埋めるように結晶体が生成される。皮膚も崩れ、それを補うように結晶体が体表を覆う】
【神経系が粉砕し、粉砕された神経系がアートマンのそれに取って代わり、拡張。機能追加が行われていく】
【体組織の大凡30%のアートマン化。人とアートマンのもはやどちらとも言えないその姿、蛍石の戦士は口を開く】
『――――NEXT World=x
【無機質さと、濃厚な感情を併せ持った歪極まりない声。全身から突き出すライムグリーンの結晶が光を放射する】
【光を手元に収束させ、それを散弾としてグラトンに向かって射出する】
【その光は、実際は微細なアートマン体の結晶の群れ。表皮に食い込み、内部に記録されたデータを使用し切るまで存在しつづける】
【もし命中したのならば、決勝が消失するまでの5秒弱の間、視界には別の光景がオーバーラップし、聴覚には此処に居ないだれかの叫び声が木霊する】
【触覚には無数の人が触れる感覚が襲い来る、嗅覚には腐肉の匂い、味覚には嘔吐を感じさせるだけの】
【常人なら狂ってしまうだろうその異常も、恐らくグラトンの精神を壊しはしない。もはや壊れているのだから】
【だがしかし、五感全てにノイズが混ざる事で相手の行動に対する確実な妨害と為すことは可能だろうとした行動だった】
(思考を乱し続ける、判断力が落ちればあの対応力、応用力は少しでも削げるはず。
あの自由度、応用力は裏を返せばそれだけ思考力と判断力が必要となるもの。
なんだってできるからこそ、何をするかを良く考えなければならない――筈。
だったら、その考えをおかしくしてやればいい。おかしくし続けてやる……ッ!!)
『――――Imitation Saber』
【目を細め、己の中でイメージを固めていく】
【己のこれまで見てきた必殺技の見た目だけを再現し、その見た目という殻に己の異能をつめ込むその贋作の必殺】
【この異形を屠るにふさわしい技がないかどうか、谷山は己の脳内のアーカイブを検索し始めるのだった】
81 2014/06/14(土) 23:52:05.70 ID:ciHM2vAzo(4/4)
>>72
「チッ……こっちにとっちゃ助かったけどな……テメーみたいなのが世界にわらわら出てくるなんざ怖気が走るぜ。
だから、今此処で"狩る"ッ!!!」
【その通り、ライラは恐れた。見たことのない異形の生命体は、ライラの恐怖心を煽るには十分すぎるほどだ】
【だが、ライラも此処一年と数ヶ月の戦いの中で成長した。まだまだ未熟ながらも、冷や汗を垂らしながらも、そう杖を突きつけて言い放てる位には】
「吠えてやるさ、けど、最終的に負けるのはテメーの方だ、グラトン。
冥土の土産に覚えとけ、俺の名はライラ=フェルンストレームッ!! テメーを地獄に送るカノッサ機関ハンターだッ!!!」
【グラトン、そして肩から生えた少女の激昂にも、ライラは負けない。カノッサ機関のNo.に、絶対に負ける訳にはいかない】
【カノッサ機関ハンターとしての矜持が、ライラを名乗らせた。獲物を見る獅子のような瞳で、ライラはマッドサイエンティストだった何かを睨みつける――――――】
>>73 >>79 >>78
【ライラの初撃は、一応の成功と見ていいだろう。よくよく考えて見れば、グラトンはカノッサ機関のNo.とはいえ、ただの科学者だったのだ】
【そんな彼が、戦闘に慣れているはずもない。だからこそ、偶然とはいえ二人の攻撃の隙に入り込んだ「Frame Bomber」は、グラトンにたたらを踏ませたのだろう】
「……だけど……―――ッ!!! グッ……!!」
【「Frame Bomber」はライラの魔法の中でも中位の威力を持つ物だ。それが、たたらを踏ませる程度。やはり防御力と耐久力が桁違いだとライラは思案し】
【その直後、グラトンの武器をもう2つ理解することになる。―――触手の先に生えた少女達。絶叫するその姿は、先ほどの兵士に少しだけ被っていた】
【バチィ!! と音がして、銃から発射された電撃を咄嗟にガードした右腕がビリビリと痺れを来す。そして続けざまに、襲い来るショットガン】
「く……っそが!!!」
【脚に力を込めて横に跳び、全弾命中という悪夢から逃れようとするライラ。1,2発が左足を掠るが、未だ動けないほどの傷ではない】
【さらに言えば、電撃の弾丸を受けた右腕も痺れている程度だ。グラトンが知る由は無いが、ライラのが纏う服はとある姫の織った織物で出来ている】
【ニッ、と不敵な笑みを返すライラ。……だが、自我が3つ。1つの意志で全てを制御しているよりも厄介な相手だと、直感する】
「良いか! グラトンもテメーら二人もよく聞いとけ!
勝つ事こそが全てじゃねーんだッ!! 負けて手に入る物も有るってこと、今からテメーらに教えてやるッ!!
S 3 ! ! ! W i n d B l a d e ! ! !」
【何もかも、勝つためだけに捨て駒とする彼の言葉。ギリギリと歯ぎしりが止まらない】
【バッと手を突き出し、其処に緑の魔法陣が展開される。杖でたたっ切るように魔法陣を断てば、現れるのは緑色の所謂鎌鼬だ。三日月形で、直径は1mほどだろうか】
【それが2枚、それなりの速度で持ってグラトンへと迫る。狙いは胸部……ではなく、少女達の生えた触手の根本!!】
88 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/15(日) 00:29:48.03 ID:tc1R8eM+0(1/10)
>>78
「じゃあ負けてみなさいよ!! 負けは死、そしてみんなそこで終わり!! 不完全だから意味が無いって言うんなら、あんたから負けてみなさいよッッ!!
ここであんたが負ければあんたは死ぬし、私が負ければ私は死ぬんだ!! 勝たない事の、どこに正しさがあるって言うのよッッ!!」
【勝利に固執するその執念――――もはやそれは『妄念』と言えるレベルのそれだ。シュバルツガイストの言葉は、それに支えられて淀みなく反発する】
【負けは、即ち死――――彼女の家族、母も弟妹も、その真実に飲み込まれて死んでいった。それがシュバルツガイストの、全ての始まりだった】
【だからこそ、彼女は負ける事を極端に嫌った。それは『負け犬』、死に逝く者の辿る道でしかないと】
【――――実際、彼女を含めたこの場の戦士たちが行っているのは殺し合いだ。負けは、そのまま高い確率の死へと直結する】
【そんな言葉を吐くぐらいなら、今ここで負けて見せろと、シュバルツガイストは吼える】
【勝ちにこだわる事の――――その為に自身すら犠牲にする事の――――何が悪いのかと】
【――――『覇道』『最終勝利』を目指すグラトンにとっては、そんなシュバルツガイストの信条は、実に都合が良いものだったのだが】
>>79
……思い出したか、少年? 懐かしいのぉ、ヒャハァァァァァッハハハハハハハハハハ!!
さあ殺し合おう、今すぐ殺し合おう!! きっとあの時より、もっとずっと楽しいものじゃぞぉぉぉッッ!?
なんと言っても、わしが殺せるんじゃ!! お前も楽しめないはずが無い!! じゃからお前も死ぬんじゃよぉぉッッ!!
【感情とは、やはり共有されてこそである。グラトンは、自分が一方的に思い出している状況が改善され、自分の事も思い出された事で、歓喜する】
【あの時は、互いにとって不完全な邂逅でしかなかった。あれから3年近い時が経ってしまったが――――今こそ、決着の時】
【いつもの狂った昂りに、そうしたカタルシスが更に味を添えて。グラトンが激昂する】
【もはやこのまま、狂気の化身から狂喜の化身になってしまうのではないかと、そう思わせるほどに――――】
>>81
仕方なかろう。世界の最後の戦争なんて言うものは、得てしてそう言うもんじゃって言うからなぁ!!
わしとて、半端な覚悟で『RAGNAROK LABORATORY』などと名乗っとる訳じゃあありんせんのじゃよ!!
【究極的に突き詰めた兵器などと言うものに、美しさなど存在しない】
【いや、あるいはその機能美とも言うべきものは、確かにそこにはあるかもしれないが、そこに万人が感じ入る感動など、あるはずもない】
【嫌悪感など、あって当たり前。それを極限まで追求する為に、グラトンの研究は、今まで続けられてきたのだから】
っふっほほほほぉ!! カノッサ機関ハンターとは、これまた豪気な名乗りじゃ!! ま、一面で滑稽とも取れるがのぉ……!
ならばお前も知るが良い! わしはグラトン=ブルーガー=ウルバヌス……この世界に『最後の勝利』を齎すものじゃよ…………!!
【カノッサ機関を狩る事だけを存在意義と見做しているその名乗り。滑稽ながら、実に面白い――――グラトンの思考はそれだった】
【そんな、ほんのとっかかりだけでもグラトンは興味を抱き、そしてそれを笑い飛ばせる。それも彼の狂気故の反応なのだろうが】
【だが、蛸の目はほんの一瞬『最後の勝利』を口にする時だけ、真剣な光を帯びた】
【彼自身も、それについては確固たる思いを込めている――――そんな眼をしていたのだ】
/続きます
90 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/15(日) 00:30:53.58 ID:tc1R8eM+0(2/10)
>>78-79>>81
フハッ、あまり遊んどる場合でも無いのぉ……!!
さあ、お前たちには地獄を見せてやろう……これからたんまりとぉ…………ッ!?
【身体を成らすのに時間は必要だったが、だからと言っていつまでも準備運動をしているのも命取りだ】
【本格的に、敵を攻撃する方法を模索していかなければならない。その辺は、やはり慣れのないグラトンには『思考』のしどころなのだが】
【そんな暇すら切り裂いてしまう様に、>>81の鎌鼬が飛来する。巨体と言うだけならそうでもないのだが、慣れていない身体に咄嗟の回避は無理があった】
【ザクッ――――と、場違いなまでに小気味良い音を立てて、両の触手に深い切れ込みが入る。そのまま後ろに裂ける力が働き始めるほどの――――】
「きゃぁっ!! この……小賢しい真似をッッ!!」
<ウアッ!? グググァァァァァッ!!>
【――――半ば取りこまれているこの状況で切断などされようものなら、自分たちの命が危ない】
【咄嗟に2人の少女は、グラトンの体躯の肩に掴まる様にして、自分の根元を抱き寄せて耐える】
【行動は封じられるが――――この肉体には再生能力もある。何とかこのまま耐えきれれば良いのだ……】
……負けて作り上げる世界が、一体何になると言うんじゃろうのぉ!?
その為に、どれだけの代償を支払い続けるのか……勝ちを得ない限り、世界はいつまでも負け続けると言うのにのぉ!!
それも分からずに――――――――――――――――ッッ!?
【何か、グラトンにも思う所はあったのだろう。何らかの反論の様な言葉が紡ぎ出されようとしていたが、それよりも前に、>>79の結晶が降り注ぐ】
【そこから始まるトリップ、トリップ、トリップ――――ほんの一瞬での、認識する世界全ての変化は、グラトンに続く言葉を言わせなかった】
【何が起こったのか――――それを確認するよりも前に、グラトンはその光景に翻弄される】
おほぉぉぉほほほほほ!! なんじゃこれは!?!?!?
いつの間に麻薬など浴びたんじゃ、すぐに解毒しないとのぉ!!
【――――普通なら恐怖と錯乱に見舞われそうなその感覚も、グラトンにとっては楽しいものだった様で】
【だが同時に、現在の状況に望ましくないと言う認識も、また働いているらしく、麻薬の解毒をしなければ、と口走る】
【あるいはそれも錯乱の症状なのか――――あるいは、グラトンは本当にそんな事が出来るのか】
【麻薬で狂わされていく人間たちの事を思えば、それも恐ろしい話である――――もしグラトンが、真っ当にそれを活用していたら――――そんな事を考えるのは、野暮なのだろう】
これでも…………喰らえ!!
【やるべき事は、ただ敵に備える事。何が敵への備えになるのか――――それを考えるより前に、攻撃をしろ】
【それだけが、今のグラトンの思考出来た事の全てだった。そしてこの力は、それだけあれば十分なのだ】
【――――腹部から、強大な2本の肉の棒が隆起する。それには頭が付いていて、そして触角が付いていて――――巨大な蛇の姿をしている】
【――――生物兵器『オロチ』。その姿を、その細胞で模したものを、腹部から生やしたのだろう。そして、その特性である神経毒を、そこからまき散らす】
【辺り構わず、狙いなど付けず、ただ『まき散らす』――――散布する。どれだけ決められるかは分からないが、それでも多少の効果はあるだろうと】
――――――――ごぅあッッッ!!
【――――そんなフラフラに状況にあっては、>>78の爆裂マグナム弾も難なく命中する。炸裂するそれを受けて、グラトンは後ろへとよろめき、咄嗟に翼をはばたかせて後退する】
【片膝をついてしゃがみ込むグラトンの腹部には――――思ったよりも大きなダメージが見てとれた】
【どうやら、体表に突き出た機構の一部に、誘爆でも起こしたらしい。ダメージらしいダメージが見てとてる有効打だが――――それもあるいは治癒は不可能ではなさそうだ】
95 (チベット自治区) [saga] 2014/06/15(日) 00:55:29.99 ID:1k/es8eNo(1/6)
>>79>>81>>88>>90
【一撃を撃ち放ったケルベロスの銃身が鋭く焼きつき、そして先端が融解を始める―――たったの一発で、だ。】
【どれほどまでに強烈な攻撃を加えているのか、それだけで分かろうと言う物。セリーナは素早くハンマーを叩き起こし】
【直ぐに次弾を装填―――残る二発の弾を備えた"シリンダー"と共に、三連バレルもグルン、と回転し、次なる銃身が設置された。】
【一発、一発を撃つごとに銃身を消耗するからこその、三連バレル―――全弾を撃ち終える為に装備されたのが、この極限威力の銃だ】
(―――もっとも、それですら効果は"バツグン"―――……と言い難いのが現実、か。)
(悲しい事だねぇ、パワーアップしたケルベロスが直撃しても"コレ"か……なら、二発連続で、やるしかないッ!!)
……だから、不完全だって言ってるんだよ。
シュバルツガイスト、アンタの"不完全さ"は―――その"決め付け"にあるんだ……。
死が負けを意味する、それは確かだろう。けどね―――"負けがイコールで死に繋がる"とは、限らないんだ。
―――ボロボロに負けてこそ。そして、負けて尚、無様に這いずり回って"生きて"こそ……ッ!
掴める本当の勝利があるッ!! アンタはそれを知らないだろう……ッ!!
だから固執する、勝つことは相手を倒すことだけだと、"そう決め付けて"いるから……ッ!!
良いかい……アンタは決して、強くなんか無い。むしろ何も知らない、弱い存在だ、シュバルツガイストッ!!
それを―――……アタシが証明してやる。
【―――仮に、グラトンが融合することで強力な力を得ているのだと、するのならば。】
【こうは考えられないだろうか―――……彼と、"彼女等"を、"分離させられれば、或いは"―――と。】
【セリーナはそう考えた。シュバルツガイストの言葉を聴く限り、彼女もまた、ハートと同じ、悲しい生い立ちを持つ存在―――なら。】
(……シュバルツガイストに限らず。合体してるほかの女の子達も、バラバラにできれば……ッ!!)
(残ったグラトン一人で、全てが担えるとは思えない、だからこそ、"救う"価値がある……ッ!!)
>>ALL(ライラ、基樹)
……ライラ君、それに基樹君。アタシに考えがある。
ちょいと耳を貸してくれるとありがたいんだけど―――どうだろう、少しは余裕が、あるかなッ!
【セリーナは二人に向かってそう叫ぶと、すかさずケルベロスのニ撃目を発砲―――それも、地面目掛けて、だ。】
【着弾したケルベロスは轟音と共に爆風を撒き散らし、そして更に言えば―――付与された"風"の属性により、暴風を巻き起こす。】
【結果的にこの激しい風は>>90にて放たれた毒ガスを広範囲に散布することで薄め、吹き飛ばす効力を為すはずだ―――とはいえ。】
う、くぅ……ッ!? ごほっ、けほっ、……つ、くっ……ッ!!
【その全てを防ぎきれる筈も無く、強力なガスは鎧を通過しセリーナの肉体にダメージを刻む。】
【しかしそれでも、彼女は再び次弾を装填すると二人に向き直って、こんな言葉を告げる筈だ―――。】
……どうも、見た限りじゃ"怪物"さんには再生能力もあるらしい、コッチの手数が限られてる以上、これは明らかに不利だ。
持久戦に持ち込もうにも向こうは化け物、こっちは能力者と人間に魔法使い―――……多分、押し切られるのは時間の問題。
だから、ってワケじゃないけど……連中の力の源を絶つ、そんな戦いをしようと思う……ッ!!
―――元はどうあれ、グラトンは科学者だ。一介の科学者に、こんな戦闘を行える能力があるはずも無い。
であればこの力の根源は何か―――単純さ、合体してる女の子の力が、ソレだ。
だから端的に言うけど、この融合を解く方向で戦いを進めれば……勝機が見える、かもしれないッ!!
只闇雲に攻撃を重ねるんじゃない、あの少女達を救―――……。
……分離させて、戦うんだ。乗ってくれるかい?
【―――後半に出た言葉は、彼女の本心か、それとも単純に、効率を優先した結果なのか。】
【少なくとも、このまま戦力の力比べを続けても活路は見出せないと、セリーナはそう判断し―――彼らに、提案するだろう。】
98 (東京都) [sage saga] 2014/06/15(日) 01:17:01.72 ID:XF+n2rDHo(1/5)
/*分割します!*/
>>81,88,90,95
【谷山の思想は、どちらかと言うとグラトンに近い】
【敗北に価値がないわけではないが、最後には勝たなければならないという思想だ】
【そして、今この場に恐らく次はない。だから今この状況に於いては――】
『――勝つことが全てだッ! そこだけは認めてやる。
ああそうさ。生きて、最後に勝ってみせる。俺は勝つためなら負けることだって選んでみせる!!』
『ッ――――Imitation Saber魔剣ダモクレス!!=x
【そう、谷山は迷うこと無く宣言する。そして、谷山は虚空から兵器を引き出した】
【アートマンの結晶体を収束して創りだした、一撃で砕け散るその兵器。その姿の名は、魔剣ダモクレス=z
【この場に居るセリーナが用いる、強力な装備。それを見た目だけ再現したものだ】
『俺は殺す。人を殺すのは初めてじゃあない。
だがな、俺にとって殺人は手段であって目的じゃない。――そこが俺とお前の違いだ。
俺は戦いも殺し合いも全部――大っ嫌いなんだよォ!!
だから、争いを、殺し合いを、戦いを生むてめえみたいな奴は例外なく消してやるよ、殺してやるよォ!!
ああそうだ――――てめェは死ねェ!! 俺は生きてやる、絶対に、絶対にだァ――――ッ!!』
【グラトンの言葉に対して、安定性を欠いた谷山の精神は、むき出しの悪意と殺意と敵意を発露させる】
【谷山は正義だ。紛れも無く、正義だ。だが、善人ではない、そして悪人でもない。悪事も善行も双方行ってみせる】
【清濁併せ持つ、渾沌とした正義。セリーナのそれや、ライラのそれとは違う――歪で、狂って、折れ曲がっているのに真っ直ぐな意思】
【その正義は、哲学者の卵の影響によって殺意としてこの場には具現している。そして、その殺意は手元に剣となっている】
『……は、毒じゃねェよ。ハックだ。
てめえをハックして、クラックして、ブレイクしてやるよォ……!
分析して、脆弱性を見つけ、その脆弱性の対策をするだけ。
てめェをブチ斃すのはサーバー相手にするのとそう変わりゃあしねえわなァ!!』
【グラトンはたしかに強い。無数の攻撃手段を持ち合わせ、無数の防御策を持ち合わせる】
【だが、できることが多いものほど、把握しきれない弱点が多いものだ】
【機能制限という言葉を知らないようなグラトンは、高機能だが脆弱性の多いサーバのようなものでもある】
【要するに、谷山の選んだ戦いは、グラトンに対してゼロデイアタックを仕掛けるようなものだった】
『カ……ァ……ッ!!
この程度でェ……! 俺を、止められると思うかァアァァァアァァ!!!
神経が侵されたならダメな部分ぶち壊してもう一度作り直しゃいいだろうがよォ!!』
【神経毒。それを浴びた谷山は、しかしながらうろたえない】
【侵された部位を即座に放棄し、自壊と生成を繰り返し続けることで毒の効果をある程度軽減していく】
【と言っても、自壊と生成を繰り返す度に体躯と精神には負荷がかかり続けている事は間違いなかった】
【そして、セリーナから告げられる作戦。それを受けて、谷山は笑みを浮かべる】
99 (東京都) [sage saga] 2014/06/15(日) 01:17:27.31 ID:XF+n2rDHo(2/5)
>>81,88,90,95,98
『俺に出来ることは大して多くない。せいぜいあいつらの五感とかそういうのを狂わせる程度のもんだ。
俺の技は威力を持たない。だが、当たれば確実にあいつらに隙を作ってやることは出来る。そして俺は必ず当てる。
だから――、俺を信じろ。俺を信じて、準備をしておけ。――――哲学者の卵の力で、目にもの見せてやっからよォ』
【谷山は、このような大規模戦闘の場合には殆ど肉体にダメージを与えることができていない】
【それは、本人の身体能力の問題でもあったし、異能の適性の問題も有った】
【だが、今此処には2名の火力を持ったものが居る。そして、大切なのは適材適所】
【谷山はグラトンを倒せない。だが、倒すための布石になることは可能だ】
【笑みながら一歩前に出て、谷山は手に握りしめる剣を掲げた。そして、全身に燐光を纏っていく】
【纏わりつく燐光は、結晶となる。谷山の体表を、鎧のように覆い隠していく蛍石の群れ】
【足りない身体能力を一時的に底上げするために、谷山ははアートマンを纏った≠フだ】
【外部から強制的に動かすことで、無理やり技の再現を可能にするその荒業は、肉体に異様な負荷を与えるもの】
【だがそれでも、一度限りであれば大抵の技は再現することが出来る。武の心得を、銃の心得を持たぬ谷山が身につけた、本気の猿真似だ】
【谷山の口が動く。己の中で確定した動作を実行するための、起動コードを口にする為に】
『 ≪一の刃・陽炎=竅@』
【技名が口にされた直後に、谷山の姿が消え去った。そして現れたのはグラトンの正面】
【陽炎とは、相手へと突進しすれ違いざまに切裂くだけの簡単な技】
【魔人となったディック・ホワイトでなければ必殺にも成り得ないだろう単純なそれに、谷山は威力以外で一瞬だけ並んでみせた】
【その剣は、実態のないイミテーション。触れても肉を割くことは無い、骨を断つことはない、命を落とすことはない】
【だが、それは先ほどの結晶体による神経系の汚染よりもなお大きい影響を与えてみせる】
【神経系に流れこむデータ量は、先ほどの結晶の数倍どころではない。命中したのならば、全身に無軌道な命令が送り込まれかねない】
【そして、グラトンの肉体の神経系がどれほどのものかは分からないが、脳の処理速度と作業領域と神経系の帯域幅の限界を超えたならばグラトンというシステムは一時的にダウンする】
【即ち、一時的な意識の消失。そして意識復活後にも残る、神経系へのダメージが、この攻撃の与える効果の結論だ】
【体表に纏ったアートマンを負荷で自壊させながら、谷山はそのまま駆け抜けて、止まる】
【負荷が大きいのか、荒い息を吐いて片膝を突いた】
『――――ッ、ッ、ぉ……ォォォォオォォォォ!!!』
【皮膚が崩れ、ぼろぼろとなった身体で立ち上がる、人なのかアートマンなのかわからない何か、谷山基樹】
【全身に罅割れを生み出した状態ながらも、その瞳だけには強い意志を宿して】
【ぐずぐずの右手でナイフを引き抜き、グラトンへと向き直った】
101 2014/06/15(日) 01:28:14.17 ID:vMFzNCHxo(1/6)
>>88
「……さっすが、No.6なだけ有るぜ……テメーの覚悟は確り伝わったぜ、グラトン。
だけどな……、テメーが持ってくるその『最後の勝利』は、必ず人類を……いや、この星全てを滅ぼしちまうものだッ!!
確信を持って言いきってやるッ!!」
【ライラは、グラトンのその言葉に戯言などではない確りとした重みと、蛸の目に映る一層強い光を捉えていた】
【コレほどまでならば、逆に尊敬の念を覚えるくらいだ。……いや、尊敬を覚えて当然だろうか。巨大機関のNo.6はそれほどのカリスマ性を備えていて当然だ】
【彼にも強い意志が有る―――だが、此方にも負けられない理由が有る! 正義と悪の戦いは、意志と意志のぶつかりあいでもあった】
【そして彼の意志と同じくらいに、ライラの正義は燃えていた】
>>90
【3人の自我を有する怪物。別々に動く体と触手は、3対1ではなく、3対3と全く同じ様相を呈している】
【ならば、分断させてしまえば良い―――単純明快な作戦だが、そううまく行くほど、あの怪物も軟では無いようで】
【直撃を狙った風の刃は、触手に切れ込みを与えるもそのまま切り倒す事には至らない。チッと舌打ちするライラ】
「負けて、負けて―――人は強くなれるッ!! その代償さえも背負ってだ!!!
既に人を止めたテメーらには分からねーだろうが、俺には分かる! 今からお前らに見せてやる……負けて手に入れた物をなッ!!!」
【ライラの言葉は本気だ。負けることで見える世界を、グラトンにも、両側の少女達にも叩き込もうとしている】
【だが、あちらの戦力は圧倒的だ。さらに彼が言った「麻薬の解毒」。そして、腹部から這い出る肉塊に、ライラはある宿敵の姿を重ねる】
【ライラの予想が正しければ、あの化け物は再生能力持ち―――それも、とびきり強力なものだ】
>>95>>98>>99
「くッ……ゴホッ……ッ!! どうだろうな……ッ!! 少なくとも俺は今にもぶっ倒れそうだが……そういやセリーナッ! イメチェンしたなっ!」
【肉塊が吐き出した毒ガスをモロに受け、それでも倒れることなく軽口を叩けるのは、セリーナが放った風の魔弾のおかげだろう】
【それでも毒ガスの効果は強烈だ。ぶっ倒れそうなのは、案外冗談ではないらしい】
【セリーナの言葉を聞けば、やっぱりかとライラは頷く。再生能力については言わずもがなだが、それ以上に気になったのはあの少女達】
【科学者であるグラトンが強力な力を持った理由。確かに、あの少女達以外には考えられない。恐らく、彼女達は取り込まれる以前にグラトンの実験に巻き込まれている】
【怪物の力の源である少女達を分離する。いや、分離ではない。最初に彼女が言った言葉。『救う』のだ。ライラはその言葉を出すのを躊躇わなかった】
「……あたりめーだ。『救ってみせる』―――あいつらだって苦しいんだ……俺は協力を惜しまねーぜ。」
【それがどのような結果になるか分からない。分離した矢先、死んでしまうかもしれない。だけど、『救いたい』】
【なら、選んでいる暇はないだろ? そうもセリーナに言って、ライラは大きく深呼吸をした。只でさえ厳しいこの戦いの中、目標がもう一つできた】
「確か……谷山 基樹、だったか? だったら、俺達も信じろよ。お前が隙を作ったら、俺らも必ず一撃叩きこんでやる」
【輸送機内で聞いた苗字と、セリーナが言って名前を組み合わせて、初めて彼の名前を呼んだ。そして、彼の言葉をそのまま返した】
【もう一回、深呼吸して―――ローブの中から、何かを取り出した。小瓶の中に入った液体は、この戦いにおけるライラの奥の手であった】
104 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/15(日) 01:48:39.98 ID:tc1R8eM+0(3/10)
>>95>>98-99>>101
……貴様が言うたぞ、何をすべきかぁぁぁぁッッ!!
【荒れ狂う感覚情報の嵐。そこに更に火に油を注ぐ>>99の一撃。だが、その対策はグラトンにも見えている】
【――――肉体全てが液状化し、バシャッと細胞を捨てて、やや体躯を小さくしたグラトンが中から現われる】
【――――ダメになってしまった肉体、ダメになってしまった神経は『作り直して、捨ててしまえば良い』】
【強引なその方法は、喉元の火傷や胸元のダメージを更に悪化させて、醜い傷跡となって広がっていくが――――意識を落とす事はない】
【その代わりに――――思いがけず肉体へのダメージとなって、還元される事となった】
…………ッッ、じゃが…………もう終わりじゃ、これで……終わりじゃよ!!
お前たちなどに、わしの道を阻む事など出来ようものか!! お前たちも、これでおしまいなんじゃよ!!
残念じゃが……その愚かさをお前たちに理解させる時間すら与えられんなぁッッ!!
【足に力を入れて、片膝をついた状況から立ち上がり、その場で大きく大地を踏みしめ、力を込めていくグラトン】
【同時に、グラトンの足元が――――否、それだけに非ず、周辺の広いアスファルトの地面が、ひび割れて、陥没していく】
【ほとんど忘れ去られている事実ではあるのだが――――グラトンには、彼自身固有の能力と言うものが、やはり存在していたのだ】
【それは、重力制御の能力。……とは言え、その効果は決して強力なものではなく、日常に多少の影響を及ぼす程度でしかなかった】
【まして、戦場などで使い道がある様な類のものではなかったのだが――――しかし、今のグラトンは、その肉体の全てが強化されている】
【それに伴い、その能力による効果の範疇も大幅に強化され、今付近一帯の重力を強烈に増大させたのだ】
【場に居る全員が、立っているのもやっとで、歩き回るなど困難を極める――――そう感じさせるだけの重力増大を】
ッッッ、さぁ…………焼かれるが良いわ…………消え去れ、雑草よッッッッ!!!
【グラトン自身も、やはり力を籠めているのだろう。むしろ、その体躯を考えれば、一番重力増加の影響を受けるのは、他ならぬグラトン自身だ】
【それでもなおそれを強行するのは、無論の事、それが更なる攻撃の――――否、グラトンの腹積もりからすれば、最後の攻撃の布石だからである】
【――――今のグラトンの全身を構成する、暗いメタリックブルーの体色の筋肉が、仄明るく輝き始める】
【それは、強く強く、やがて眩しい位に明るく輝きを強め、そして次の瞬間――――強烈な光と熱を周囲へと無差別に放射する】
【――――グラトンの肉体構成のベースとして使われた、ジ・エンブリオンの持つ戦技『細胞熱線』である】
【遥かな巨躯を手に入れ、より出力の増したそれは、もはや爆発とも言える規模で、グラトンの周囲を薙ぎ払っていく】
【重力増大でも、あるいはダメージとなりうるかもしれないが、それはあくまで、獲物を逃がさないようにする為の『仕込み』でしかない】
【この強烈な熱線を真っ向から浴びせ、骨すら残さずに焼き尽くしてしまう為の――――――――】
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!」
<ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!>
【更に、肩の触手から生えるシュバルツガイストとクロス・ザ・ルビコンは、それに合わせて所構わず追撃の射撃を撃ちまくる】
【彼女らにも、確かに伝わったのだ。これを以って、グラトンは敵を一網打尽にする腹積もりなのだと】
【もしも重力に囚われてしまったら、回避の出来る状況ではない。何とかして、その熱線や付属する援護射撃を防御し切る事を考えた方が良いだろう】
【強烈な一撃である事は間違いないが、何とかしのぎ切る事が出来れば、チャンスはまだあるはずだ】
105 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/15(日) 01:49:19.78 ID:tc1R8eM+0(4/10)
/間違った……>>104の前に、これを挟みます……
>>95
「っ、貴……様…………!
……じゃあ、母さんは……麗果(れいか)は、幸実(ゆきざね)は!! ……私の、妹と弟は、何のために死んだって言うのよッッ!!
私がはいずり回って生きる為に、その為にみんな死んでいったって言うつもりなの!? そんなふざけた事を言う様なあんたを、私は絶対に認めない……ッ!!
『死んで花実は咲かない』……負けても、花実は咲かない……ッ。あんたを殺して、咲かせてやる……その時にこそ、私の命を……!!」
……フッ……ッフッフフフフフフ…………そうじゃな、お前はもうただの優果(ゆうか)ではない……お前は自ら望んで、『シュバルツガイスト』になったのだからのぉ……!
【「"負けがイコールで死に繋がる"とは、限らないんだ。」――――この言葉は禁句と言えた。シュバルツガイストの背負っている過去に照らして、禁句以外の何物でもなかった】
【負けた為に死んだ――――そうした因果によって、彼女は全てを失った。だからこその、この信念、この信条――――この妄念】
【それはシュバルツガイストにとり、彼女の時間、彼女の家族、彼女の生き方に対する、冒涜に等しい】
【そんな人間には、絶対に負けを叩きつけて、『口無し』にしなければならない。怒りの中にこそ自分を見出すシュバルツガイストのボルテージが、高まっていく】
【グラトンはそれを利用している。シュバルツガイストも――――利用される事を、上等と受け取っている】
【――――反発しあっていたブラックハートとグラトンの関係とは、対照的な利害関係が、そこにはあった】
>>98-99
っは……殺人が、目的だとでも思うたか? ……馬鹿め。だったらわざわざ、こんなに頭でっかちな人生なんぞ、送りはせんわ……!
【トリップは収まったが、まだ頭には激しい頭痛が残る。その中でも、グラトンはその言葉を拾い上げる。それは、到底無視できるような内容ではない】
……戦いを嫌って、殺し合いを嫌って……その果てに何がある?
そんな世界を、変えたいと思わんのか……ッ? どうすれば変えられるか、考えはせんのか……ッ?
――――世界の全てを手に入れ、そのシステムそのものを作り変える…………!!
それをせずに、世界を平穏にさせられるとでも思うたかぁぁぁッッ!?
ただ後手に回って争いの種を摘みとるだけで、世の中が静かになるとでも思っとるのかぁぁぁッッッ!!
そうやって、ただ安穏な今にだけコミットする様な輩が、世界を1つに纏める、邪魔になっとるんじゃろうが……ッッ!!
世界を勝ちとりもしないで、その有様に文句のつけようしかないお前に、世の平穏のあり方なぞ、説かれる謂われは無いわ、この白痴がぁぁッッ!!
世界の邪魔になるのは、貴様の方じゃよ……頼むから死んでくれ!! ――――新たな姿で世界をやり直す為ッッに!!
【――――狂気と破壊の悦楽に沈んでしまってはいても。グラトンが『最終勝利』を目指すその根幹は、変わらなかった】
【否、もう十分に曲がってしまった志だが――――それは、確かにこの狂気の老人の出発点だったのだ】
【そんな世界を変える為、そんな世界を憂いて、自らの力で何とかしようと立ち上がった――――その果てに、どこかで間違えた】
【そんなグラトンにしてみれば、谷山の姿は鏡映しの様なもの。理想の世界の為の、障害物でしかなかった】
>>101
……世界のあり方のビジョンは、お前には見えとるのかの……?
それを持ち得ない様な人間に、わしの往く道を否定させはせんぞ…………それは、『絶対』にのッ
【谷山に向かって滔々と叫び続けたその言葉の、続きとなるのだろうか――――狂ってしまったグラトンでも、それを失った訳ではない】
【その為に戦い、その為に進み続けている。それを軽い気持ちで否定されたくはない――――狂気とは正反対の、真摯な言葉で、グラトンはそれを叫んだ】
……わしがそれをしなければ、いずれ人間は己らで滅ぼし合うだけじゃよ…………!
【それも、グラトンには確信があった。自分の様な道に至る人間は、必ず現われる。その時力の振るわれようによっては、本当に人間を滅ぼしてしまう】
【それを弁えている自分だからこそ、何とかしなければならない――――そうでなければ、無秩序な力が、必ず自分自身を滅ぼすだろう、と】
120 2014/06/15(日) 02:42:27.77 ID:vMFzNCHxo(2/6)
>>105
「……だったら否定してやるッ! 俺には見えるさ、世界のあり方のビジョン!
テメーのような『世界のシステムを作り替えて腐りきる』世界じゃねー、もっと明るいビジョンがなッ!!」
【ここでも、ライラはグラトンの言葉に真っ向から反発する。当たり前だろう、グラトンの言うビジョンに、どうしても良い予感が浮かんでこない】
【だからライラは、反抗する、抵抗する、正面からその言葉を打ち砕こうとする。たとえそれが、無理だとわかっていても】
【この腐りきった理論を叩き壊し、全てを救うと心に決めたのだから】
「……決めつけてんじゃねーよッ!! テメーは自分で勝手に人間の可能性を捨ててるだけだッ!!
科学者ってのは、其処に可能性が有れば決して諦めないモンじゃねーのか!!!
諦めることが負けることよりもどれだけ哀れなことか、テメーは……其処のテメーらもまだ分かんねーのかッ!!!」
【所詮テメーの言うビジョンは、人間というものを諦めてるからそう考えるだけのちっぽけなモンなんだ―――叫ぶ。言葉を叩きつけるように】
【ライラの言いたいことはつまりこういうことであった。お前はただ、諦めているだけだと。勝手に可能性を決めつけて喚いているだけのただの老人だと】
【ライラは、たかだか一年半前にこの戦いへ身を投じた若造に過ぎなかった。けれど、戦っている内に色々なものを身につけた】
【自分の可能性を信じる事もその1つ。グラトンや少女達にはそれが欠如している……こんなライラにも、それは確信できた】
>>104
「ぐ……ッ、おおおおおっ!?」
(重力、操作……!? コイツ、……そうか、グラトン自身の、能力……!!)
【体が重くなる……どころの話ではない。ともすれば圧死してしまうほどの強力な重力増加に、膝をついてそのまま動けないライラ】
【そして、グラトンの体から発せられる光。恐らくこの後、強力な攻撃が繰り出されるのだろう。両側の少女達も、何か仕掛けてくるに違いない】
【万事休す。……しかし、ライラは諦めていなかった。負けられない。絶対に】
「絶対に、諦められねーんだよ……ッ!!! 俺は…………ッ!!!
E 3 + D … … … … U n d e a d S h i e l d ッ ! ! ! ! 」
【ライラが手に持った小瓶。その中身を飲み干すと、ライラの両目が紅く変色する。何らかの力が、今ライラに宿った】
【そのまま、黄色のブレスレットが減光すれば、地面に黄色と黒が混じった魔法陣が出現する。熱線が発射される直前、それを手で思い切り撃ち抜けば】
【突如ライラの前の地面が盛り上がり、簡易的な盾となる。しかし、所詮は地面だ。熱線、そして銃撃が当たれば、勿論ボロボロと崩れていく】
【……だが、その崩れた場所は再生する。まるでアンデッドのように、壊れても壊れても、その驚異的な攻撃を防ぎ続ける―――!!】
127 (SSL) [sage saga] 2014/06/15(日) 03:07:20.86 ID:DpfyO+25O携(3/3)
>>112
【解放され、斬撃を放った後にミハエルは自身の右腕を確認していた】
【締め付けられた時に、どうやら骨にひびが入ったらしい、利き腕の損傷は致命的でもある】
【しかし今はあともう一押しといった局面、骨のひび程度、気にしてもいられない】
【ウェンカムイの両腕が膨張して巨大な肉の棍棒となり、それを怪物が滅茶苦茶に振り回す】
【だからこそ軌道も読み辛く、対処も難しい、ミハエルの能力にはガードの力は無い】
【だから彼がとる行動は、交差点に廃棄されていた車の陰に隠れ、やり過ごそうと言うものだ、それしか方法はない】
【相手の攻撃が薙ぎ払いならば 車がつっかえになると考え、この行動を選んだのだ】
【勿論、車ごと吹き飛ばす程の怪力で薙ぎ払われたら食らうことになるのだろうが】
【もし、うまくやり過ごせたのなら、ミハエルはカニバディールとウェンカムイに向けて何かを向けているだろう】
【片方だけに固定用の車輪がついた、鉛色の砲台が敵を見据えていたのだ】
【見ると鎌は消えている、恐らくこれがミハエルの能力の内、最高火力を出す武器】
【エネルギーがバチバチと音を立ててチャージされていく………そして】
これでッ…………!終わりだァァァーーーーーーーッッッ!!!
【膨大なエネルギーが放出される、星の輝きのような青をしたそれは、まるでレーザー砲】
【正しくミハエルの全力を込めた一撃だ、果たして結果は……】
131 (SSL) [saga sage !red_res] 2014/06/15(日) 03:15:03.97 ID:tc1R8eM+0(6/10)
>>116-177>>120
残るは、お前一人じゃの……ライラ。どうする?
わしの、70年以上の歳月の結晶足るこの身体、この細胞、このグール共を前に、次はどうあがいて見せるのじゃ?
……逃げる、降るなどと言う選択肢は、もう存在しない……それは、分かってるんじゃろうな?
【セリーナは爆炎に飲み込まれて沈黙し、谷山は満身創痍で膝を負った。残るのは、防御で耐えきったライラだけである】
【グラトンはゆっくりとそこに近付いて行く。ダメージは大きく、細胞も消費したが、こちらはまだ戦える】
【よしんば、体力勝負となっても、筋力などの要素はやはり、今のグラトンに軍配が上がるだろう】
【積み重ねてきた、狂気の産物。全てはただ『勝つ』為だけに――――その結晶を携えたグラトンは、確かに勝つ気でいたのだ】
【――――だが、それを崩す予想外の介入が、その場に飛び込んできた】
【それは――――誰よりもグラトンの死を望んでいた、とある人物の作為――――】
なっ……ぐあッ!?
な、なんじゃ…………馬鹿な……!?
【――――突如、ハンドボールほどの大きさの、金属製と思われる3つの黒い球体が、どこからともなく飛来して、グラトンの身体に命中する】
【しかもそれは、そのまま落下する事無く、何度も何度もグラトンの身体を打ち据えて、更には発光してその肉体を叩きのめす】
【――――この現象、空で起こっていたとある出来事とそっくりだった。同時に、近づいてくるヘリコプターのローター音】
{――――――――お前ら!! 折れてるんじゃない!! 今だ…………その畜生を、ぶっ殺せぇぇぇぇぇぇぇ!!}
【顔を出しているのは、ぼさぼさの赤い髪をした青年――――セリーナだけは名を知っている、トライデント】
【頭痛を覚えるように頭を抱えながらも、眼下の戦場に、あらん限りの声で叫んだ。グラトンを、殺せと】
【その為に――――持ち場を離れてまで、1度きりの援護をしに来たのだろう】
き、貴様……ぐぅっ、うっとおしい……!!
【何度も何度もホーミングする3つの礫に、グラトンは大きくよろめいた】
【――――――――大きなチャンスである。同時に、恐らくは最後のチャンスだろう】
【あらん限りの力をぶつけて、グラトンを死に追いやる、その――――最後のチャンスなのだ】
135 (チベット自治区) [saga] 2014/06/15(日) 03:45:04.83 ID:1k/es8eNo(3/6)
>>130-131
――――――――――――……い、いや……。
しっかり、ぐっ……見て、るさ、シュバルツ―――…・・・ガイスト。
【爆炎に全てが消えるかと思った、そのときだった。】
【炎が一斉に立ち消え、とてもつも無い轟音と共に煙が一瞬にして晴れたその直後】
【姿を現したのは―――装甲が彼方此方吹き飛び、防護マントをズタボロに引き裂かれながら、尚も】
【―――尚も、崩れる事無く、"愛銃"たる進化した"弾"末魔を杖代わりに、その場に立ち塞がるセリーナ・ザ・"キッド"の姿だった。】
―――……ケホッ、けほっ……く、ううッ……ぐはぁっ、ああっ……ふぅ、うううぉぉぉッ……!!
……ハハッ……とんでもない、凄い勢いの攻撃、だったね……正直、こうして、立ってるのが、精一杯、だよ……
けど―――……見ているよ、ちゃんと。アタシはアタシが果てる姿を、きっちりと、見て―――いるとも。
……アタシは、幾多の攻撃に打ちのめされて……それでもきっと、何か、大切な―――……そう……
信念の様な、何かを残して―――そうして、息絶えるだろう。ああ、そうさ。アタシの、死に場所は……うぐっ、……戦場だ。
だけど……何も残さずに死ぬことなんて、絶対に有り得ないし……そんな死を、アタシは受け入れない……ッ!
そうだ、人間には生きようとする希望がある、生きようとする意志がある、何かを残そうとする、"自由"がある……ッ!!
死ぬかどうかを、決めるのは殺そうとする人間じゃない……アタシ自身が、アタシだけが、アタシの死に場所を決められるッ!!
それが自由だッ!! 生きるも、死ぬも、選ぶことが出来る、それが―――ソレが本当のいみで、人が自由になれるって事だッ!!
そしてアタシは―――……アンタや、グラトンに、こんな所で殺されるほど―――……ヤワな存在じゃ、ないッ!!
【一歩、踏み出す。又一歩、踏み出す。生きようとする意志が。死に抗う自由な精神が、脚を動かす。】
【"弾"末魔を、震える両手で構え、既に割れた頭部の鎧の隙間から、眼前の敵を睨みつけ、構える―――!】
【そしてそんなセリーナを、ライラを、谷山を鼓舞するようにして今、上空より最後の"援護"が加わって―――戦闘は、加速するッ!!】
……約束しただろ、トライデント君……生き残って、そして―――バーで一杯、引っ掛ける、ってさッ!!
【恐らくは―――先程の猛烈な熱線を防ぐ際に、使用したのであろう。最後の一発―――冷凍弾を装備していた】
【ケルベロス・マグナムを、三発を撃ち終えたそれを、何故かセリーナは"弾"末魔とは別の手で、構えるではないか。】
【本来であれば三発を撃ち切って、もはや使えない筈のケルベロス―――だがしかし、そこにKOへと進化した、意味が存在した。】
―――撃ち鳴らせッ!! 番犬の咆哮をッ!!
ラスト・ショット―――ノック・アウト・ブラスト!!!
【ケルベロス・マグナム KO―――その名に相応しい最後の一撃が、なんと銃身の"中央部"より、放たれた。】
【判るだろうか、三連にくっつけられたバレルには正面からみて、丁度丸い"穴"が生まれることが―――そしてこのKOは】
【その三連バレルの云わば隙間部分を、バレルに囲まれた穴を最後の銃身として、余りある強大な魔力の"砲撃"を、放っていたのだ!】
/つづきますっ
136 (チベット自治区) [saga] 2014/06/15(日) 03:45:29.45 ID:1k/es8eNo(4/6)
【その威力は今までの三発のどれよりも強力で、そして素早い魔力の弾丸と化して、一気にグラトンへ襲い掛かるッ!】
【そして更に言うならば、セリーナは破れたマントを全て剥ぎ取り、背中に装備した長大な―――"魔装銃"を自動で、展開ッ!】
【背中に装備されていたソレはフレキシブルな接続アーム部によって稼動、肩の上に移動して銃口を展開、更にオートでリロードッ!】
【―――装填される弾丸を選択する事でバレル内部の加圧が変化、なんと銃身の口径が変化するという】
【云わば可変式銃身<ヴァリアヴル・ライフル>の本武装は、最大口径の『13mmD−Es魔弾マグナム』を選択ッ!】
【長大口径のマグナムを発射するに当たって折り畳まれていた副銃身が起動、主銃身と結合されて―――見えるか、その巨銃が!】
【最大伸長1m50を超えるロング・バレルの魔力ライフルはセリーナの肩で標的<グラトン>を補足、ロック・オン。】
【そして最後に、"弾"末魔に新たに加わった機能の一つ―――チャージ・ショットの急速魔力充填が開始されるッ!!】
【構えたケルベロスの最後の一撃、ノックアウト・ブラスト。"アーマーRV"の追加武装、肩に装備された強大なライフルの一撃。】
【そして何より信頼する相棒、"弾"末魔の織り成す最後の一撃、チャージング・ショット―――銃口の輝きは今、最大に達して――――!】
――――――――ターゲット・ロック。全銃身用意――――撃ち方ッ!!
――――――――――始めェェェェェェェェェェェェェッ!!
【―――爆発的な銃声。三者が重なる、その時。】
【ケルベロス、ライフル、"弾"末魔。それぞれの魔力弾による驚異的な一斉射撃の弾幕が、今―――張られたッ!!】
139 (東京都) [sage saga] 2014/06/15(日) 03:53:24.44 ID:XF+n2rDHo(4/5)
>>120,130-131,135-136
「あ? だったら動くように世界を変えていけば良いだろうが。
力が無ければ力を手に入れれば良い。望んだように世界を変えられるように……ッ!!
見てきたから、見てきたものを変える……! お前とは違う形で……! それだけ、それだけだッ!!」
【それが虚言であることなど知っている。だが、それを真実にする術があると信じている】
【今の世界の仕組みは、確かにグラトンの言うとおりだろう】
【谷山がやろうとしていることは、グラトンのやり方をよりソフトに、そして他者を信ずる形で行うものだ】
【そして、谷山は折れず。グラトンの確信を前にしてなお、違うと強く主張して立ち続けていた】
【その直後に、爆炎に飲み干された谷山。そして、爆炎が晴れていったならば――――】
「……は……ッ、か……ふ……ッ」
【ボロ雑巾のようになって、地面に崩れ落ちている谷山が、居た】
【砕け散った結晶と、吐瀉物と、鮮血とその他体液にまみれて転がり、浅い息を吐く】
【もはや死に足を一本踏み入れているかのような、その有り様。あまりにも無様、余りにも凄惨な姿】
【だがそれでも、目だけはギラついていた。砕け散った結晶の群れが燐光に還元されていく】
「……ぜんっぜん……ッ、へい……キ……だねェ……ッ!
きカ……ねェよ……ッ…………ッ! 俺……ァ……ッ。
まけな……負けねえ……ッ!! 逃げネ……ぇ……!」
【確かな勝機を見出し、こちらへと歩んでいくグラトン】
【それを前に、もはや意地でしかないその虚勢を張ってみせる。そして思考を回す】
【この動かない肉体を、30%が失われた肉体でも、なんとかしてグラトンに対する勝利を得る術は無いかと】
【トライデント。その支援によって生まれた隙。その瞬間に、谷山は目を見開く】
【動かなくても良い。動く必要はない。谷山基樹の力の本来の姿を解き放てばいい】
【そして、それは一瞬で良い。一瞬の隙を付けなければ、どっちみち死ぬのだから】
「……いま、しか……無い……ィィっ……!!
ッ、お……ァ……!! Hello World=I!」
【戦場に飛び散っていた無数の結晶の群れが、全て燐光に還元され、グラトンの背後に収束していく】
【その燐光が再度結晶体に再精製。ワイヤーフレームで構成された、脆弱で歪なヒトガタを創りだした】
【Hello World Ver.β=Bレギンによって植え付けられた哲学者の卵。それが生み出したアートマンの最初の形】
【弱いそれに、全身全霊の意志と力を込めて。アートマンは拳を振りかぶった。纏わりつくノイズ、力で自壊していきながら振りぬく】
「届け――――――ェッ!!」
【放つ力は、これまでと変わらぬもの。神経系に負荷を掛け、意識を吹き飛ばすもの】
【他の者のそれとは違う。華やかではない、強力ではない、輝かしいものではない】
【だが、これが谷山基樹だ。これが、この全てが、この無様が、この無惨が――谷山基樹だッ!!】
「届ケ……ッ、届け……届け……ッ、俺は……ッ! 勝つ……ッ!! カつ……ッ!!」
【拳を、足を。ワイヤーフレームのアートマンは砕けながら打ち込み続けようとするだろう】
【砕けた肉体は、ワイヤーフレームという極小の構成で作られるものの為、再生は早い】
【殴り続けることで相手を縫い止めるという意識などもう既に無い。それ以外にもはや、できることが無い】
【だが、出来る事がそれしか無いが、それだけはできる。だから――谷山はそうするのだ】
「セリーナ……ァ、ライラァ……!
頼む……頼むぞ……ッ! 頼む…………!! 倒せェ……!!」
【谷山は、信じた。任せた。セリーナに、ライラに】
【朦朧とする意識の中で、最後に残ったのは――信ずる事だけだった】
142 (新潟県) 2014/06/15(日) 04:08:22.07 ID:X9rWTPP6o(2/5)
>>124
【―――何を言われようと紺碧の瞳に燈された焔は揺らぐことはなく、清冽な光を煥発している。―――そんな話は何度も聞いた、と言わんばかりの瞳だった】
【蒼い夢だと分かっているからこそ、死のリスクをより高く背負ってまで「不殺」を追い求める。現実的な言葉で冷えるほど、彼の精神(フサツ)は温くない】
【兇刃に身を切り刻まれ、痛みが電光石火の如く全身を駆け巡っているにも関わらず―――凛とした表情に、不動を感じさせる強き瞳。精神が彼の支柱となり彼を動かしていた】
……―――っぐ、っごほッ……択が多く……ないだと……?
そりゃアンタの目が節穴なんだ……よッ。 多くのやつはそうだ……見限ってるんだ……!!
誰も殺さずに、救う―――そんなこと出来るわけねぇってよ……選択肢はあるんだよ、ただ茨の道ってだけで、「ある」……!
リスク背負って……もっと必死になって……俺は「誰も殺さずに救う」という最高の択を求め続けるぜ……無論、死ぬまで……さ!!
【表情が力強くとも、言葉を遮る咳などから分かる通り彼の体力も残り僅か。必要経費がどれだけ重かったを示すように、彼の口から朱が伝う】
【全身が鉛に侵食されたかのように重く、特に兇刃が突き刺した部分は動かすだけでも激痛が走る。それでも動くのなら、戦える。まだ俺は「不殺」へと歩むことが出来る】
【大きく空気を肺に入れ込めば、ロウは両銃を消し、瞬時にホルスターに収まっていた2丁のリボルバーを抜き、力強く唱える―――!!】
―――行くぜコラ…… Mirage Magicians =@ ……………… 開 放 ォ ッ ッ ! ! !
【その言葉に、両銃が共鳴し―――魔翌力を爆発させ、そして姿を変える。今まで使っていた赤青の自動拳銃とは全く異なる姿、デザイン、そして威圧感―――】
【両銃を分類するならば、リボルバー式の装飾銃だろうが―――其れにしても規格外のサイズ。30cm近い全長であり、そして綺羅びやかに輝いている】
【右銃は朱、『Phoenix Heart』 。全体がメタリックレッドで爛々と輝き、黒のグリップにはSCARLETの紋章がメダルで埋め込まれ―――】
【長い銃身には不死鳥の装飾が彫られ金で彩色されている。シリンダー部に刻まれた「NK」の文字は、不殺を示すNonkilling≠指していた】
【左銃は蒼、『Deep Blue Dreamer』 。全体がメタリックブルーで煌めいており、黒のグリップにはペンダントの宝玉半ば剥き出しでが埋め込まれて】
【そして長い銃身には昇り龍の装飾が彫られ銀で彩色されていた。名前は分かる通り、不殺という青く甘い夢を叶えんとする彼自身を指していた】
【そして直後、埋め込まれた宝玉が激しく輝き―――弾丸が『Deep Blue Dreamer』から放たれる。だが方向は真上、跳弾も関係なく誰にも当たらないのだが―――】
【発射直後に、彼の身体が高々と真上に舞った。それはまるで弾丸の跡を追うように、高々と上がっていく。―――理由は勿論、弾丸にあった】
【見えただろうか、放たれた弾丸の側面から半透明の巨大な腕が生え、彼の首根っこを掴んだ姿が。弾丸から生えた腕が、彼を上空へと飛ばし、そして腕が消える】
―――……俺はよォ、人の思い通りに動くってのが嫌いでさァ。 人の思惑とか振り切って、力強く生きてそんで―――死んでいきたいのよ。
さぁて、これは―――こいつはアンタが予想出来てたことか? ―――違うよなぁ、なんせこの高さから落ちるだけでも打ちどころ悪けりゃ死ぬしなぁ……ヘッヘッヘ。
―――じゃ、いっちょ作らせてくれや……アンタを殺さずに捕まえて、そんで取り返すっていう―――最高の未来に向けてのシナリオをよォッッ!!!!
/続きます
143 2014/06/15(日) 04:08:31.68 ID:vMFzNCHxo(4/6)
>>131
「人間が見えてねーのはテメーの方だ、グラトンッ!!!
テメーが見てきた人間の歴史なんてな、表向きのことしか分かんねーんだ……ッ! お前の見たビジョンは、あくまでお前の想像に過ぎねーんだ!
俺の言うことも全て想像だ……だけどッ!! 過去の人間が『人間の可能性を信じていた』ことは確信を持って言ってやる!!!
可能性に、お前の言う幻想に縋れるのが、俺達人間だろうがあああぁぁぁぁッ!!!!」
【詭弁だった。だがライラは、人間の可能性を信じるという持論をあくまでも曲げなかった】
【たかが、まだ20歳の若者であるライラ。かたや高翌齢のグラトン。正悪の違いを除いても、その知識量ならグラトンが圧倒的だろう】
【しかし、いや、だからこそ、ライラは強く強く可能性を信じるのだろう。どんなに避難されようとも、どんなに叩き潰されようとも】
【その可能性は、無限大に広がっているのだから】
>>131
【グラトンの問に、ライラが答える気配はない】
【熱線が止んだ後、ライラの体力は著しく消耗していた。熱線によるダメージと、魔翌力の持続消費。口も聞けない程だ】
【そして、今のライラがグラトンに勝てる可能性など0に近い。このままなぶり殺しにされるだけだ】
【ライラが、たった一人でグラトンに向かっていっていたならば、だが】
「――――――へっ、1人、だ……ぁ? 笑わ、せんなよ、グラトン……ッ!!!
俺には仲間がいる、1人じゃねーから、まだ戦えるんだよぉ――――――ッ!!!」
【セリーナも、谷山もまだ戦えるという事なんて、最初からわかっていた。グラトンの「1人」という言葉を鼻で笑い飛ばした】
【突然やってきたヘリコプターは予想外だったが、彼も、自分たちの仲間なのだろう。そう思うと、俄然力が湧いてくる。今なら、なんでも出来そうな気がする】
【絶望を与える水先案内人、ウェル子と戦った時と同じ感覚―――重力がどうなっているのであれ、ライラは其処に立っていた】
【もう一本の小瓶の中身を飲み干し、再びライラの目が紅く変色する。それと同時に、ライラの目の前に出現したのは3つの大きな黒銀色の魔法陣!】
「地獄に落ちろ、グラトン=ブルーガー=ウルバヌス……ッ!!! テメーにはソコがお似合いだッ!!!
A 1 + D ッ ! ! ! ! B l a c k S i l v e r B l a s t ォ ォ ォ ォ ッ ! ! ! ! ! 」
【絶叫に合わせて杖を突き出せば、其処からは黒銀色の奔流―――いわば極太のビーム砲がグラトンに向けて発射される】
【絶大な魔翌力を伴い発射されたそれは、触れた物を消し飛ばせる程のパワーを持っている。】
【中央の一際大きなビームはグラトンの頭と胴を射程圏内に収めており、両端の2つのビームは触手の根本を狙っていた】
【そう、まだ救う事を忘れてはならなかった】
144 (新潟県) 2014/06/15(日) 04:08:40.20 ID:X9rWTPP6o(3/5)
/続きです
【『Deep Blue Dreamer』の銃口に集まる魔翌力の光。時間と共に増幅し、正義の光を集めて力に変える。―――必要以上に高く飛んだのは、この為だ】
【この高さから落ちれば、最悪死ぬまである。態々そのようなリスクを負ったのは、ギリギリまで魔翌力をチャージするための時間が欲しかったからである】
【宝玉の力も最大限借り、そして放たれた弾丸は―――魔翌力のブーストを受けて超加速。……否、それだけではない―――!!】
―――教えといてやる……こいつは『Twelve Six Strike』―――唯速いだけじゃねぇ。
魔翌力の超ブーストに加え、宝玉の魔翌力により俺のじっちゃんの霊を弾丸に加えた。……因みにじっちゃんの体重は100kg超。……この意味分かるか?
―――超加速の弾丸が、100kg以上の重りを乗せて垂直に降ってくるんだ。……ダリア、アンタの氷壁で耐え切れんなら……耐えてみろってんだよぉぉぉおおおおッッッ!!!
【12時から、6時の方向へ弾丸が急降下―――故に『Twelve Six Strike』。超加速に超重量の一撃はロウの中でも最高火力を誇り】
【その弾丸をあえてロウはぽっかりと空く部分ではない所を狙って落ちていった。目的は1つ。氷壁を粉砕することだけだった】
【氷壁が砕け散れば、彼女を守る氷壁が礫となって彼女自身に牙を剥く。しかしあくまで氷の礫、全身を傷付けようとも死ぬには至らない―――故に、「不殺」を遂行できる】
【あくまでも自分のプライドを貫き通した一撃だった。―――否、二撃だった。ワンテンポ遅らせて『Phoenix Heart』 から放った赤く輝く弾丸も、同じ箇所へと向かっていたのだ】
【もし1撃で砕ければ彼女に当たること無く地面にあたり唯無意味に火柱を3秒ほど立てるだけだろう。もし1撃で砕けなければ、この「灼熱弾」で砕く―――そのような算段】
【決死の一撃、否二撃。砕くことが出来ないのなら、地面へ強く身体を打ち付ける未来が決まっている彼に勝ち目はない。正に乾坤一擲とも言えた】
324 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 19:29:41.41 ID:YoagI+QVo(3/13)
『ひっ………た、助けてくれぇっ!!』
【――――さて、ラボトラリ内へ突入した三人。正面玄関奥の一階廊下を進んでいって最初に見えるのは、瓦礫の下敷きになった研究員の姿であるだろうか】
【足を挟まれて動けず、迫ってくる炎への恐怖に怯えているようだ。……ただ、傷自体はまったく軽症。瓦礫さえ退かしてやれば自力で脱出できるだろう】
【三人の力なら、彼を助けるのは容易であるはず。故に、この場でもっとも注意が必要なものは別にある――――】
≪カタ、カタ――――、≫
【……シーナは既に見たことがあるか。カタカタと音を鳴らして鳥のように細やかに首を動かす、黒い人形のような不気味なヒトガタ】
【百八十センチはある細長い体躯に、胸・腰・前腕・下腿の四箇所が金属製の装甲で覆われ、背中にはバックパックのようなものを背負っている】
【何より目を引くのは、顔面を丸ごと覆い尽くすほど巨大な眼≠セ。ある程度機械に詳しければ、それが巨大なアイカメラであることも理解できる筈】
【『クグツ』という名前の人形兵器――――ソレは唐突に右腕をゆらりと上げ、取り付けられた機銃で三人目掛けて発砲する!!】
【狙いは下半身。発射数は多いが、一発一発の威力は拳銃弾程度で防ぎやすい。また照準自体も甘いため、避けるのも特に難しくはないだろう】
【あまりに粗雑な銃撃。……これが牽制であると察するのは簡単か。『クグツ』はそうして適当に銃を乱射しつつ、瓦礫の下の研究員の方へ移動し――――】
【「ひいっ!!」と情けない悲鳴を上げる彼を素通りして、廊下の突き当りまで行くだろうか。……行き止まり? いや、違う】
≪カタ、カタ、カタ、≫
【廊下の床板が不自然に抉れている。力で強引に破壊されているようだが、それは……扉、にも見えるかもしれない】
【その先には、なにやら大きな隠し階段≠ェ見えるだろうか。『クグツ』は一通り撃ち終えると、その中へ消えていくだろう】
【地下室かなにかか――――まるで示し合わせたかのようなタイミングで、階段の奥から複数人の悲鳴のようなものが響き渡ってくるはずだ】
『あ、………っ』
【――――明らかに、誘われている。この先にいる首謀者≠ェ、ここまで来いと下劣な笑みを浮かべている】
【また不可解なのは、下敷きになった研究員がその階段を見るなり、いかにも「まずい」というような表情をすることか】
【階段の奥からは断続的に悲鳴が響く。恐らくはほかの研究員のものだろう。……周囲の状況の全てが、そこが怪しいと告げていた】
【研究員達を助け、首謀者を取り押さえる。その目的の為には踏み込むしかない……が、罠の可能性は十分にある。準備ぐらいはしていってもいいだろう】
【何か知っていそうな研究員を締め上げるでもいいし、他の二人と交流しておくでもいい。また周囲には、実験用の防塵マスクや手袋などが落ちていたり】
【地面にはステンレスの机の断片が転がって、壁面からは細い鉄骨なども飛び出している。これらは盾や武器としても使えそうだ】
/こちらがVS主催の文章となります、シーナさん、谷山さん、詩音さんの方はこちらに返信をば!
/本日はどうぞよろしくお願いします!
325 (山形県) 2014/06/21(土) 19:35:54.61 ID:acOQNwSRo(1/6)
【水の国西部――R.P.ラボトラリ・第四支部】
【渦巻くは悪意。あちこちから上がる火の手。――さて、GIFT以外に紛れ込んだ悪意はどこにあるか】
【――ここは、ラボトラリ二階・第一実験室。とても広いが、机等様々な障害物がある】 【そこで何やら棚を漁る黒い影】
「こォれは……なァーんだ、硫ゥ酸か……10……20…………100瓶! 風ゥ呂が作れるな」
「おォっと忘れ物のUSBメェモリ発見! ……ちィ、音楽ファイルしィか入ってねェ」
「一応盗ォっておォくが……うゥーむ、重ゥ要そうなデェータや珍しい薬はこォこじゃアねェーのか……」
【それは黒い外套を羽織っていて、頭部から二本の赤い角を生やした、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【首には岩石のように見えるコルセット的なモノを纏っていて、そして黒い褌一丁の服装だ】
【また、鋭く赤い牙や同じく爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼や同じく尻尾を持っている】
【その翼の先端には赤い爪があり翼膜は紫色、尻尾の先の方は紫色で先端には赤い棘があった】
【また、その悪魔の肩に乗っているコウモリの頭にUSBメモリが刺さっている事も、記述しておく】
「あァっちに研究用に使ってるらァしいノォートパソコンがあァったな……さァーて、行ィってみるか」
【……見る限りではGIFTメンバーではなさそうでいわゆる火事場泥棒と言うやつか、また、この顔に見覚えのある者もいるかもしれない】
【数々の数えきれない大小様々な罪で指名手配されている悪魔、"邪禍"ととても良く似た出で立ち――色が黒ければ完璧だった】
「さァっきまでは人間共が押ォし寄せて来ィてたが、よォーやく落ォち着いたしゆゥっくり漁れるってモノよ……首も据ゥわってねェしな」
【その部屋には僅かな血痕が残されていて、所々の机などがめちゃめちゃ。だが、死体なんて一つもなく……】
【幾らかの怪しげな薬を持ちながら、悪魔はこの部屋の中を堂々と歩いていた】
/こちら邪禍です、お二方よろしくお願い致します
327 [saga] 2014/06/21(土) 19:53:06.23 ID:EB34f2Eqo(2/7)
>>324>>325
【―――――――あれっ】
【どうして僕はこんな所に居るんだっけ?】
【確か、僕の部屋に変な人が突入してきて、それで……………】
【―――――駄目だ、まったく思い出せない】
【確かこの施設に襲撃者が来るから守れって言われた気はするけど、まあ良いか】
【どうせ暇なんだし、死なない程度に頑張るとしよう】
【うん、取り敢えず目の前で下敷きになっている研究員を助けよう】
【と、研究員の方へ歩み寄ってみるが】
うわっ、危なっ……
【目の前の、不気味な人形からの銃撃、咄嗟に身を翻して回避する】
【どうやら威嚇射撃、牽制のようだ】
【それは、真っ直ぐ廊下の突き当りまで進み……隠し階段の中に消えていった】
【後から悲鳴が聞こえたような気がするが、それに思考を留める事はない】
さて、どうするか
っておい、あんまり迂闊に突っ込むと………行っちゃったし
【クグツを追う谷山を見送り、自分は慎重に立ちまわるとしよう】
えぇっと………研究員さん、ここらへんで散らばってる物で使えそうなのはない?
あと、僕らにとって有用な情報を、全部聞かせてもらおうか
【隙間が作られた瓦礫を持ち上げ、脱出しやすいようにする】
【研究員が逃げるのに成功したら、色々と話を聞かせてもらおうか】
/渚中身です、お願いします!
328 [sage saga] 2014/06/21(土) 19:56:57.12 ID:aibuFOWoo(1/5)
>>322-324
「ふぅむ、なんというか……相変わらず苦労しておるようだの御主は?」
「知らぬ中ではない、悩みがあるならばシーナ様が聞いてやってもよいからな!」
【そんな事を"記し"ながら、自分の胸をトンと叩く仕草を見せる男がいた】
【その男……身長は190cm程であろうか、服の上から見ても分かるほど逞しい鎧のような筋肉を付けている】
【隆々とした身を漆黒の法衣で包み、右手には巨大なバトルハンマーを持ち、背には分厚い金剛石の刃を括りつけていた】
【そこまでは常人でもありうる格好であろうが、一つだけ異様とも言える要素が存在した】
【肩から生えており漫画のフキダシを思わせる"ボード"。その板上で黒い粒子が蠢き形を変えて】
【"一切声を発さない"この男の"台詞"を文字として表現していた】
【何はともあれ、男は指示通りに配置につき事件が起きるまで待機する】
【その間に何かしら会話などがあったかもしれないが、それは今宵の出来事とは関係のない話であろうか】
【――】
「思ったとおり派手にやるものだの――うむ、了解なのだ!」
「この天才魔術師シーナ様に任せておくがいい!」
【指示に対して短く返したあと、シーナは炎に包まれるラボトラリへと突入を開始する】
【上げられる呪詛の言葉には反応しない――取るに足らないモノであるとばっさり切り捨てているからだ】
【魔術師シーナは、マイペースを保ったまま】
【戦鎚を両手で握って構えながら内部への侵入を果たした】
「む……アレはいつぞやのガラクタ人形か!」
「小賢しいのだ!貴様の豆鉄砲など、私に届くと思うでないわ――っ!」
【突入した廊下に待ち構えていたのは、いつかの事件の時に対峙した"クグツ"】
【それを見た瞬間、その先にいる「黒幕」の不愉快な姿を頭に過ぎらせながらも】
【放たれようとする銃弾に対して、足を踏み込み即座に術を発動した】
【ラボトラリの床にシーナの魔力が流れ、干渉。対象範囲の地形を支配下に置き】
【次の瞬間、設定された現象が発生する】
【廊下のあちこちに無数の"壁"が出現する。床を隆起、硬化させることで生み出した"弾除け"である】
【高さは2m程度、横幅は人間一人が身を隠せる程度であろうか】
【シーナは目の前に作り出した壁を使い、放たれた銃弾を受け止めると】
【すぐさまその横を通り抜けて"クグツ"の元へと駆け抜けようとする――】
「ぬ、逃げよった……いや、誘っておるのかの?」
「面白いのだ……このシーナ様を罠に嵌めようなどという生意気な考えは叩き直してやらねばならんの!」
【――が、その直前で行動を停止させる】
【明らかに何らかの意図を持った逃走だ。その逃げた先、隠し階段の向こうには"備え"があるのだろう】
【集まった能力者達を一網打尽に出来るほどの凶悪な"策"が】
【しかし、シーナは強気な態度を崩さず来るなら来いと言わんばかりに突撃しようとするが――】
>>326>>327
「……なんだ貴様は? 初対面なのに随分と偉そうな奴だの」
「面倒くさいからさっさと入ってやりたいところだが――」
【――階段近くまで到達した時点で疾走を止めた】
【谷山から放たれた言葉に対して、不愉快そうに眉を顰めながらも】
「――出来るというのならば、やってみるがよいのだ!」
「ククク……優しい優しいシーナ様がしっかり守ってやるのだ!」
【谷山の言葉に理があることも判っているが故に従う】
【彼の近くで戦鎚を構え、爪先で床を軽くトントンと叩きながら作業が終わるのを待つ】
【シーナは先ほど見たとおり防御の術を持っている】
【もし何らかの攻撃があった場合何らかの支援があることを期待してもいいかもしれない】
【また、近くに先ほど生成した壁も残っている】
【そこに隠れて防御に使うこともできるかもしれない】
/シーナです、よろしくお願いします!
332 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 20:10:10.45 ID:YoagI+QVo(4/13)
>>326
≪カタ、カタ、カタ――――――ガ、ガガ、ガ≫
【谷山の、まさしく異能≠ニいう呼称こそが相応しいその力が――――『クグツ』への反撃として、その頭部を捉えるのが見えただろうか】
【ライムグリーンの波動が直撃したタイミングは、ちょうど『クグツ』が階段の奥へと消える直前であって】
【ワイヤーフレームの眼球が階段内に精査を掛ければ、階段を下る途中で機能を停止し、無惨に転げ落ちて損傷した『クグツ』の残骸が転がっているのがわかるだろう】
【……ただ、それ以上不審な点はない。せいぜい階段がかなり深く、地下二階程度の深さまで続いていることがわかる程度だろう】
【本当の罠≠ヘやはり、この階段を下りていった先にあるということか――――】
>>327
『ひっ――――お、おまえ能力者なんだろう! だったら道具なんて要らないんじゃないのか!?
持って行きたければその辺のものを適当に持っていけ! い、言っておくがその先に進んでも無駄だぞ! もう処理≠ヘ済んでるからな…………!』
【谷山と詩音の助力で瓦礫が退かされ、研究員はすかさずそこから這い出す。足の痛みや周囲の状況とは全く別の要因で動揺しているように見えて】
【……彼も『能力者』が嫌いであるらしい。吐き捨てるように言葉をかけると、さっさと立ち去ってしまうだろう】
【周囲にあるものは先程も述べた通りだが……強いて言えば、周囲は火の手が上がって煙が立ち込め始めている。それを防ぐ為に防塵マスクが特に効果的か?】
【――――この先にあるものは処理≠オてある。最後に残していった妙な言葉が、気にはなったが】
>>328
『まあ、これが僕の仕事ですから。――――僕は僕の責務を果たします。シーナさんもどうか、ご武運を』
【突入する前、アルフレドはシーナにそんな言葉を掛けていくだろう。前半は苦笑いで、後半は真剣な顔つきで】
【相変わらず真面目すぎるほど真面目な性格のようだが、それだけにその言葉も重い。……まして相手はエドガーを連れ去った仇敵なのだ】
【本当は自分が行きたい気持ちもあるのだろうが――――シーナの実力ならば、安心して任せられる。言葉からはそういう信頼も覗いていた】
【さて、階段については既に述べたとおり。谷山に破壊された『クグツ』が一体転がっているだけで特に異常はない】
【安心して進んでもいいだろう。もちろん……今のところは、の話だが】
>>>ALL
【三人が階段を下り切るまで、妨害は何一つない筈だ。ただコツコツという足音だけが静かに響く――――】
【地下二階分の深さを下りて、やがて最下層に辿り着いたなら。一体何年かけて地下をくり貫いたのか、そこには広大な空間が広がっているだろう】
【―――― 一言で評せば『工場』らしき場所であった。巨大な工業機械があちこちに設置され、その間を縫うようにベルトコンベアが部屋中を巡っている】
【ただし、それらは既に機能を停止している。まるで室内で爆弾でも爆発したかのように、なぜか真っ黒焦げになって破壊されているのだ】
【露骨な証拠隠滅……これが処理≠ニいう言葉の真意か。機械はまだ遮蔽物ぐらいには使えそうだが、部屋中には瓦礫が散らばっていて少々危険な状態だった】
「ひひっ――――どうやらお迎え≠ェ来たようだぜェ?」
【そして、耳障りな声は少し上から。三人の正面、現在地を地下二階とすれば地下一階に当たる高い場所に、部屋がひとつ見えるだろうか】
【恐らくは製造ラインの管理室か何かだろう。上から工場を一望できるよう、こちら側に面する壁がガラス張りになっていたようだが……】
【いまはそのガラスも粉々に砕け散って、部屋の奥には機械を制御するための大掛かりな端末が多数見え。その奥には白衣の人影が多数――――、】
【――――首謀者≠ヘその部屋の淵に立って、こちらを見下ろしていた】
【目を痛めそうに鮮やかな橙色の髪。長い前髪の隙間からは泥のように濁った青色の瞳を覗かせた、いかにも気性の荒そうな若い男だ】
【外見の方もライダースジャケットにダメージジーンズ、シルバーアクセサリーをいくつも身につけた服装で、まるで粗暴さの権化のよう】
【マリオン・リヴァーズ――――胸元に金十字≠フネックレスを垂らしたその男は、確かそういう名前だっただろうか】
/続きます
333 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 20:13:30.11 ID:YoagI+QVo(5/13)
「メリッサァ! オレがコイツらから話を聞き出すまでそいつらを引き付けとけ!」
は、はい…………っ!!
【そして、男の隣にもう一人。マリオンは少女の肩を軽く叩くと、下卑た笑みを浮かべて部屋の奥へ消えていくだろうか】
【……黒いブレザーにチェック柄のプリーツスカート、青いネクタイという学生服の上に、丈の長い白衣を着込んだ服装】
【癖っ気の強い紫色のショートヘアに、赤縁の眼鏡を着用して――――頭には、マリオンと同じ金十字≠象ったヘアピンを付けている】
【目鼻立ちは整っているものの、白緑色の瞳は不安定に揺らぎ、目元には隈まで出来てしまっているせいで、随分と神経質そうな印象がある少女だった】
【名前はメリッサ・ハーレイ――――前回、マリオンが起こした事件についての事前知識があれば知っているだろうし】
【シーナは前回の戦いで、詩音は学校内で見かけたことがあるかもしれない。元レイリスフィード学園高等部生徒会長にして、いまはGIFTメンバーのひとり】
あ、貴方たち………こ、ここは通さないからっ………!
【仮にもGIFTメンバーのひとりとして、それはあまりに情けのない態度に見えた。顔は緊張で真っ青になり、足も小刻みに震えているように】
【ただ、こちらへの敵対意識だけは本物のようだ。強く目を閉じたメリッサの前髪に、ばちりと静電気のようなものが散ったかと思えば――――】
≪カタ、カタ、カタ――――≫ ≪カタ、カタ、≫
≪カタカタ、カタ≫ ≪カタ、カタ、カタ≫
≪…………カタ、カタ、カタ≫ ≪カタ、カタ――――≫
【……入った時、室内には何もなかった筈なのに。何もない場所から突如として、六体の『クグツ』が姿を現す!】
【これで三人は、数の上では倍近い不利に陥ったことになる。そして気掛かりなのは、『クグツ』たちの姿が三種類あることか】
【最初に出会ったのと同じ、右腕に機銃を取り付けたものが二体。そして残り四体は、軽装甲と重装甲の対照的な二種がそれぞれニ体づつ】
【重装甲の二体はバックパックがかなり肥大化しており、巨大な砲台を二門も背負っている。他の部位の装甲もかなり分厚く、いかにも鈍重そうな外見で】
【軽装甲の二体はバックパックに羽を生やし、いかなる技術か空中でぴったりと制止している。両腕に小型機銃を取り付けているが、他の部位の装甲は薄い】
いっ―――――――― 一斉射撃!!
【半ば悲鳴じみた調子でメリッサが吠え叫べば、『クグツ』たちがそれに追従して動き出す。……それぞれ銃器を装備した六体に、一斉射撃という言葉】
【次の瞬間に何が起きるかは容易に想像できるだろう。ガガガガガガガ!!!という猛烈な音と共に、三人へ多量の弾幕が降り注ぐ――――!】
【最初に出会った機銃持ちの『クグツ』は三人の真正面に。空を飛んでいる羽付きの『クグツ』は斜め上の中空に。重装甲の『クグツ』は三人の左右に】
【階段を抜けたすぐの位置にいる三人を中心として、敵はこのように配置されている形だ。故にこの弾幕も、全員を取り囲むように射出される厄介なものではあるが……】
【包囲された状況にひるまず素早く動き出せば、回避行動をとる時間は十分にあるだろうし、機銃持ちと羽付きの銃撃に関しては相変わらず一発の威力は拳銃弾程度だ】
【遮蔽物に身を隠すなりなんなり、防御の方法もいくらでもあるが―――― この場で一番危険なのは三人の左右にいる重装甲の二体】
【肩にある二門は太いレーザー、腰元にあるミサイルポッドから小型ミサイルと、先の四体とは段違いの火力を持つ兵装で三人を狙ってくるのである】
【どちらも直撃すれば人体では到底耐えられない威力だ。特に注意が必要であるだろう――――】
337 [saga] 2014/06/21(土) 20:36:10.78 ID:EB34f2Eqo(3/7)
>>332
「………あぁ、そうですか」
【どうやら、彼も「異端」が嫌いらしい】
【何故なら「普通」なのだから、どこにでもいる、普遍的人物なのだから】
【だから、それ故に、人間は普遍的な物でない「異端」を排除する】
【徹底的に、完膚なきまでに、肉片も、跡形もない程に】
【人間なんて、そんなものだ】
【僕の所属しているレイリスフィード学園がそうであるように】
「………はぁ、まあ、精々逃げると良い」
「つまらない事で死なないように、ね」
【まあ、彼の態度は普通なのだろう】
【だから、責めるつもりなど毛頭もない】
【彼は「普通」の人間として、正しい判断、思考をしたのだから】
【何だか守りに来てるのに理不尽な気がするが、仕方ない】
【さて、それよりも何よりも、「処理」という言葉が気にかかる】
【どうせ如何わしい、禄でもない研究なのだろうが】
【まあ、先に進めば分かる事だ】
【適当に辺りを見回し、使えそうな物を吟味する】
【結局、防塵マスク辺りしか無さそうだ】
【というわけで、それを装着して、先行した谷山とシーナを追う】
――――――――――――
【さて、特にこれといった妨害もなく歩き続ける事しばらくして】
「うわぁ、すっげぇなこれ……」
【思わず感嘆してしまう】
【恐らくここが最下層、そこには広大な空間と、巨大な工業機械と、ベルトコンベアが、朽ちた状態であった】
【なるほど、処理とはこういう事か……まあ、僕には関係ない事なのだけど】
「………で、お前が首謀者か」
「何だよその髪、視覚を攻撃するためにあるのか?」
【耳障りな声がする方に振り向けば、如何にもな風貌をした男がいた】
【はっきり言ってしまえばチャラ男とか、不良とか、そんな部類である】
【思った事を口にしてしまったが、これを挑発と捉えるか否か】
【そして、さらに】
「わお、こいつはとんだサプライズだ……」
「こんな所で何やってるんです?生徒会長殿?」
「壇上に立っていたあの姿はどこへやら、今やすっかりと落ちぶれましたね」
【失望、幻滅、そんな感情が入り混じった声】
【少しは憧れていたのに、これだ】
【やっぱり人間は騙されやすい、化けの皮が剥がれた結果が、これだ】
【だから―――期待するのは嫌なんだ】
【まあ良い、戦闘開始だ】
【両手に50cm程の剣を召喚し、それを握る】
【そして一斉射撃、弾幕が轟音と共に此方に降り注ぐ】
【遮蔽物である機械の陰に隠れて、何とかやりすごそうとする】
【そして、隙が出来れば重装型に、真っ直ぐ剣の刃先を向けてを投げるだろう】
/すいません、一旦飯落ちです!
341 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 21:11:34.12 ID:YoagI+QVo(7/13)
>>337
「ッは!! 言うじゃねえかクソガキ――――ん?
ひひ、ひゃははははははははは!! こりゃあいい、メリッサ! どうやら後輩君のご登場のようだぜ!!」
あ、貴方うちの学校の………!? どうしてこんなところに!
――――私のことを何にも知らないくせに!! 知った風な口を利かないでよッ!!
【マリオンは詩音の挑発をむしろ愉しそうに受け止め、ふと気づくと大笑いし始める。人の神経を逆なでする不快な嘲笑を一通り終えれば、部屋の奥へ消えるだろう】
【逆に驚愕を浮かべたのがメリッサだった。壇上で生徒達に演説していた凛々しいメリッサとはまったく別の、ヒステリックで不安定な彼女がそこにはいた】
【……GIFTに入ったというくらいだ、相当鬱屈した感情を抱えていたらしい。詩音へ向かう剥き出しの怒気、それを体現するように前髪から火花が散った】
「ふん、『バスター』の装甲にそんな攻撃が効くものですか!!」
【さて、重装甲型に向けられた剣の投擲だが……これはメリッサの言の通り、残念ながらほとんど効果がないように見える】
【厳密には、『クグツ』――この重装甲型は『バスター』という名前らしい――が左腕を掲げ、その硬い装甲で防がれてしまったのだ】
【全身を覆う硬い装甲が特徴の『バスター』、生半可な攻撃は通りそうにない。……が、全身とは言っても、最低限の駆動範囲を確保する為、装甲がない部分もある】
【腕、足、首。その辺りの間接部には装甲がなく、真っ黒なフレームが覗いている。そこへピンポイントに攻撃すれば戦果を上げられるか――――?】
≪カタ、カタ―――――≫
【――――何にしても、それは次の攻撃を避けられればの話。『バスター』は反撃とばかり、肩口のレーザーを詩音へ向け】
【直後、二本の強力な光線がそちらへ飛翔する!! このレーザーの威力は先の通り、ボロボロの遮蔽物程度は容易く貫通してしまうだろう】
【この場合、防御ではなく回避に徹するのが賢いといえるか――――】
>>ALL
『――――――う、あ、ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!』
【三人がそれぞれ戦っている最中。部屋中に響き渡るような大声で、男の絶叫が響き渡ってくるだろうか】
【……それ以上の反応はない。悲痛な叫び声の後は、ただ『クグツ』たちの銃撃音や駆動音が響き渡るのみ】
【そういえば、先ほど部屋の奥には白衣姿の研究員らしき姿が見えただろうか。もしかすると――――マリオンが、彼らに何かしているのかもしれない】
350 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 22:12:51.05 ID:YoagI+QVo(8/13)
>>344
「話して――――話して何になったっていうのよ! 貴方だって、あの学校に何も思うところがなかったわけじゃないでしょう!?
この能力≠フせいで、私には居場所が無かった! 学校でも家でも、優等生を演じるしかなかったのよ!!
あの人が、マリオン様だけが私に居場所をくれたのよ――――だから、あの人のためなら……ひっ、人殺しだって!!」
【――――この鉄火場にはまるで場違いな、メリッサの咆哮。私は不幸だ、私だけが不幸だ、そう言い聞かせるような言葉】
【悲劇のヒロイン、という詩音の台詞も的を射ていたかもしれない。この未熟な心の隙を、マリオンに付け込まれてしまったというところか】
【ただ、人殺しをしたことがあるか――――その問いの答えは、メリッサの態度が如実に示しているはずだ】
【人を殺したことのある人間が、こんな青ざめた顔で震えているわけがない。……心のどこかで、恐らくまだ一線を越えられずにいるのだろう】
≪ガギ、ギ、ガ――――≫
【……『バスター』が重装甲の変わりに機動力のない兵器であったこと。そして何より、詩音の言葉でメリッサが精神的に動揺していたこと】
【この二つが良い方向に働いたようだ。投擲された剣はまず足を捉えて動きを縫い止め、その後見事に首を叩き落とすだろう】
【ただし、そこで油断していては危険だ。あれは人型ではあるがあくまで機械≠ナあって、頭を潰して終わりとは限らない】
【『バスター』の重火器が一斉に火を噴く――――見境無しに放射されたレーザーと小型ミサイルが一斉に詩音へと襲い掛かるだろう!!】
【頭部のアイカメラを失ったせいで狙いこそ適当だが、脅威には変わりない。棒立ちしていればレーザーに体を焼かれ、ミサイルの爆風で吹き飛ばされることになる】
【……そして、それが当たるかどうかに関わらず。詩音が相手にしていた『バスター』は完全に機能を停止して地面に転がる。まずは一体、といったところか――――】
>>345
「が、――――何なのよこのノイズっ、制御系が落ちる………ッ!?」
【ウィングが谷山に接触した瞬間――――がくん、とメリッサの頭部が揺れた。表情には驚愕が、額には脂汗が浮かんでいるだろうか】
【同時、谷山と接した羽付きの動きが急停止する。制御系に直接ダメージを叩き込む谷山の攻撃、どうやら『クグツ』には非常に良く通るようだ】
【羽付きは動きを停止した。そのまま掴むことにも見事成功するだろう。――――だがその時、メリッサの前髪で青い電光が爆ぜた】
「こんな、ものに、私がッ…………『フロート』ッ!!」
【多量の情報を『クグツ』に流し込む谷山だが、もし彼が『クグツ』の中で行われる処理を除きこめるのなら、次に驚愕するのは谷山の方であったかもしれない】
【突如として制御系に外部からの干渉が行われたかと思えば―――― 一時的とは言え谷山の送り込んだ情報が捌き切られる≠フである】
【間違いなくメリッサの力だ。恐るべきは、その常軌を逸した演算能力……GIFTに引き抜かれるというだけあって、彼女もまた非凡なものを持っているらしい】
【……実際には一瞬、制御系を取り戻す程度の干渉。しかしその間に、メリッサは羽付き――『フロート』という種類のようだ――にある命令を送り込む】
≪ギ、ギギギ、ッギ――――!≫
【――――自爆コード。谷山が『フロート』を掴んでいる状況を逆利用し、メリッサはそれを自爆させて大ダメージを与えようと試みる!!】
【近場にいれば当然危険だ。爆発自体も強い上、なまじ軽装甲なせいでフレームが粉々に砕け散って飛散、破裂手榴弾のように谷山を襲う】
/すみません、二つ続きます……
352 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 22:17:27.31 ID:YoagI+QVo(10/13)
>>ALL
「ひひっ――――さぁて、用事は済んだ。メリッサ、どけ」
は、はい………? マリオン様、ま、まさか――――っ!!
【――――そして。これは時間軸としては、これは三人が上記の『クグツ』達への対処を終えた後になる】
【部屋の奥から再びマリオンが姿を現し、全員を見下ろしていた。――――体中に返り血を浴びた姿で、だ】
【マリオンは三名ほどの研究員を引き摺ってきていた。全員口と目をガムテープで塞がれ、両腕を後ろ手に縛られて、意識を失っているようだ】
【メリッサがいち早く彼の目論見に気づいて戦慄の表情を浮かべるが……止めることはなかった。いや、怖くて止められないのだろう】
【ならば、下衆な笑顔を顔中に貼り付けて、研究員達を部屋の縁に移動させたマリオンを止められる者はもう、いない――――】
「おーい、オマエら! こっちもちょうど終わったんでなぁ、返して欲しきゃ返してやるよ!
――――ほれ。しっかり受け止めろよォ?」
【マリオンの行動はごく単純であった。どん、と――――部屋の縁まで引き摺ってきた研究員の体を軽く蹴る。たったそれだけ】
【たったそれだけだが、しかしそれがどれほど鬼畜な行為であったか。マリオンとメリッサがいる場所は建物の二階部分に相当する高さなのだ】
【手を使うどころか周囲の状況も確かめられず、そもそも意識すらない状態で、研究員達は頭から地面に落下する……どうなるかは、想像に難くないだろう】
………っ!!!
【しかし、その瞬間。メリッサが怯えるように目を背けたのに合わせて、その動揺が伝わったかのように『クグツ』たちの動きが鈍るのがわかるだろうか】
【やはり彼女、戦い慣れていないらしい。この隙を突いて研究員を助けに行くことも出来るし、そちらに興味がなければ素直に『クグツ』を撃破するでもいい】
【行動の余地は十分にあるが――――マリオンはメリッサの失態を咎めるでもなく、ただ愉しげに嗤っていた】
362 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 23:19:47.24 ID:YoagI+QVo(12/13)
>>355
≪ガガ、ギ、ギギ――――!≫
【飛行型のクグツ、『フロート』へ向けてシーナの戦槌が放り込まれる。あの機動性だ、今まで通りのパフォーマンスなら回避も出来ただろうが】
【……この時、谷山の攻撃で指揮官であるメリッサからの干渉が途切れていた。『フロート』の動きは必然、鈍ることとなり】
【右のウィングが爆発に巻き込まれて破損――――完全に直撃とはならなかったが、シーナの目論見どおり飛行能力を奪うことには成功するだろう】
「ひゃははははははははッ!! お人よしだなあオマエも!!
オラ、お人よしついでに傷の手当でもしてやったらどうだァ!!?」
≪カタ、カタ、カタ――――≫
【次いで、シーナへ攻撃の意図を見せたのはマリオン。谷山と同じようにして、シーナが助けた研究員を彼女の近くへ向けて放り投げ】
【同時、たった今叩き落した『フロート』と、シーナの背後にいる機銃持ちが銃口をそちらへ向ける。降り注ぐのは、またも三面からの同時攻撃!!】
【……機銃自体は先ほどと対して変わらない攻撃だ。この場合注意しなければならないのは、マリオンに投げられて正面から飛んでくる研究員だろうか】
【研究員は飛距離不足でシーナの近場にずしゃりと転がる。あまりにも無惨な姿で――――】
【注意しなければならない、というより、この場合逆に注意してはいけないのだ。そちらの救助に気を取られれば機銃への対処が遅れかねない】
>>356
う、 ―――るさい、うるさい、うるさい、うるさいッ!!!
今更あんな場所に未練なんかないわよ、報告したければ好きにすればいい!!
わ、私は、私は――――、
【谷山の情報攻撃を凌いでおいて、詩音からの精神攻撃にはこのザマ――――この幼い心こそが、恐らくメリッサの最大の弱点だった】
【うるさいうるさいと駄々をこねて、耳を塞いで、感情のままに騒ぐ。完全に冷静さを失っているが……これは何も、彼女のせいと言うだけではなかった】
【彼女がここまで焦燥する理由には、確実に。いま少女の背後で下衆な笑顔を浮かべて二人のやり取りを眺めている橙色の髪の男への恐怖がある】
「っひひひ、オイオイなんだよ少年。メリッサをこんだけボコボコに貶しておいて、このゴミ共は助けてやんのか?
お人よしだなあ――――お人よし過ぎて、想定通り♂゚ぎて笑えてきやがるぜェ!!」
【詩音の必死で疾走もあり、研究員は見事助けられるはずだ。残り二人に関しても谷山とシーナがそれぞれ救出した】
【――――だが。マリオンは何を思ってか、そんな詩音の姿を見て、心底愉しそうに嗤ってみせて】
363 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/21(土) 23:22:58.81 ID:YoagI+QVo(13/13)
>>ALL
【……三人が各々の方法で助けた研究員達は、背中に多数の刺し傷を負った酷い様相であるだろうか。体の末端部などは欠損している部位もある】
【凄惨な拷問を受けたことが容易に伺える姿。――――それが、とうの昔にショック死した死体≠ナあることに気づければ】
【もしくは、その体の中から響いてくる「カチ、カチ」という機械音を聞き取れれば、何らかの対処を取る時間はあるか――――?】
「ひひっ、ひひゃはははははははははははははははははははははははッッ!!!!
いいかオマエら、よォォォーく見とけ! これがオレたち『GIFT』に、『能力者』に歯向かおうとした愚かなブタどもの末路だ!!
――――無能に生まれてきた分際でェッ!! オレたちに逆らおうなんざ百万年早ェんだよ!!!」
【どす黒い感情の奔流が、部屋中に撒き散らされて。マリオンは橙色の髪を振り翳しながら右腕を大きく振り上げ、そこに握っていたスイッチ≠、躊躇いなく押す】
【――――研究員の体内からの音と、この男の下劣さを鑑みれば、何が起こったかは自明であろう】
【敢えて詳細は語らない。研究員の体内に仕込まれていた『爆弾』が爆発した、と――――ただそれだけ言えば十分なはずである】
【自らに歯向かった『無能力者』を弔うことすら出来ない無惨な状態に変えると同時に、三人へ強烈な揺さぶりを掛ける。それがマリオンの意図だった】
【当然ながら、研究員の近くにいればいるほど危険だ――――肉体的にも、精神的にも。咄嗟に逃げることが出来れば被害は軽減できるが、しかし……】
【彼らを助けようとする気持ちが強ければ強いほど、それは難しい判断となる。これは三人の正義感を逆手に取った、卑劣な策略であった】
う………、っ。
【……ひとつ幸いなのは、この行動の後、一時的に全ての『クグツ』の動きが停止することである。その原因が青い顔で蹲ってしまったメリッサであることは間違いない】
364 (山形県) 2014/06/21(土) 23:23:41.41 ID:acOQNwSRo(5/6)
「そォしてこォの棚の下に……PCだ」
「よォさげな情ォ報が入ってりゃア儲けモン、無ァかったらメディアットの強化に使えば良ォい」
【先程水酸化ナトリウムを取り出した棚の下にあったノートパソコンを堂々と盗めば、魔法陣に吸い込まれる】
【止めようと思えば止められるが、止めたとしてもPCが落下して破損するのは免れない】
【……中に何のデータが入ってるのかは、悪魔も把握していない。護ったは良いがロクでもない論文が入っていただけとか、そういう可能性もある】
>>358,
「ククク……研究所の使ってる粉末となァれば、質もそォれなりに良ォいはず」
「石鹸なァんざ比になァらねェ! 焼ァけ爛れやがれェェエエーーッ!」
【なお、補足だが……投げた手はどちらも左。右は流石に使えなかったらしい】
「やァはりあァの篭ォ手ッ! 水を操れる!」
【悪魔の前に展開されるは、魔翌力で作られた障壁。これによって押し寄せる水流を受け止める】
【だが完全には防ぎきれず、障壁が無くなったと思えばあちこちの爛れた悪魔の姿が見えるだろう】
【その手にはもう一本の水酸化ナトリウム粉末入りボトル。蓋を開けて投げるが、これは2人に当たることがない、理由は……】
「や……やァべェ……右眼に入った……眼ェがァァ、眼ェがァァアアアーーーーッ!!」
【……立体感の喪失、または単純に痛みによるブレ。高濃度の水酸化ナトリウム水溶液が眼に入って無事な訳がない、というか皮膚の時点でもう既に危険】
【首のコルセット的なモノは飾りでないのだろう、首の揺れ方が明らかにくっつきの悪いフィギュアの様なのだから】
【しかしこの悪魔、諦めが悪い――片目が潰れた程度で退散する程、ヤワな精神は持っていなかった】
「……俺様が塩基をばァらまいた理ィ由はもう一つッ!」
【伸びていた三匹の蛙の角先から水が流れ出てくる……雨漏りにしては多すぎるか】
「こォの火ィの手ッ! 利ィ用せェざるを得ェないッ!」
【そして、瀕死だった蛙が破裂! 肉片が飛ぶが、それを気にする余裕なんてない】
【破裂したのは、大量の雷属性エネルギーが身体から溢れだしたためなのだ、これは悪魔の方にも飛んでくるので無差別的である】
【それは地面に満たされた水を伝い、あっという間に辺りに広がる】 【範囲が広い分、エネルギーが分散するので最初の挟み撃ちよりは威力は弱い】
【なお、机の上等は濡れていなかったりなんだりで、エネルギーが殆ど伝わってこない。安全地帯というべきか】
【……さて、水に電気を流せば当然分解される。水酸化ナトリウムを投げて溶かさせたのは、分解効率を上げるため。】
【分解されれば水素と酸素になる。それを化合させる方法は――】
【……火の手はもうすぐそこまで迫っている、早急にこの悪魔をどうにかして急いで逃げるか、もしくは諦めて逃げるか】
【あるいは机等を盾にするという手も有るが、防ぎきれる保証は全く持ってないし、別の薬品の脅威もある、可燃性・爆発性のモノもあるのだ】
【なお、この時点ではまだ爆発しない。これはいわば、悪魔の仕掛けた時限爆弾だった。】
374 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/22(日) 00:28:49.87 ID:7WM+BX9so(1/18)
>>368
う、あ――――ぁ、
「オイオイ、何迷ってんだメリッサよぉ。オマエは、オマエのだァい嫌いな父親≠見殺しにしてここに立ってるんだぜ?
今更引き下がるなんざ――――許されると思ってんのか?」
【戯言≠ェメリッサの心を揺さぶり、追い込んでいく。この場でメリッサにもっともダメージを与えているのは間違いなく詩音だろう】
【ただし――――ここにはその戯言≠阻む外道がいる。マリオンがぎょろりと青色の瞳を動かせば、メリッサは縮こまって黙り込んでしまうだろう】
【本当の意味で彼女をマリオンから解放するには……どうしても、マリオンを彼女から引き剥がす必要がある】
「ハッ、舐めんなよクソガキ!! GIFT≠フ肩書きは伊達じゃねェ――――、ッ!!」
【投擲された二本の剣。それに対し、マリオンは腰元からサバイバルナイフを二本引き抜いて対応する。切れ味もサイズも、詩音の剣に勝ち目などなさそうだが】
【そこを埋めるのがマリオンの技量≠セった。正面から受けるのではなく、力を分散させて巧みに受け流す≠アとで剣を横方向に逸らしてみせる】
【しかし、どうやら男が想定した以上に剣の威力は高かったようだ。完全に威力を殺すことは出来ず、両肩に切り傷が刻まれるだろうか】
>>369 >>370
≪ギ、ガ、ガガガガ――――――≫
「――――メリッサァ!!!」
【メリッサの動揺で一時的に機能が停止してしまったが故に、『バスター』に避ける術は無かった。大量の結晶が回路内に情報を送り込む――――】
【それに対して対応したのはマリオンだった。咆哮はメリッサに向けられたもの、彼女は「ひっ」と縮み上がると即座に行動を開始する】
【……『バスター』が即座に再起動するのがわかるだろうか。光学制御に回していたリソースを放棄、レーザーの兵装を完全に捨てることで復帰スピードを速めたのだ】
【心なしか、情報を捌く速度が先程より上がっている。驚異的としか言いようが無く――――次に『バスター』へ叩き込まれた命令は、小型ミサイルの発射】
≪ギギガ、ガガガガ――――!!≫
【谷山に、ではなく。発射口を無理矢理逆転させ、自分の背後に向けて。これでミサイルポッドすらも欠損しつつも、『バスター』はその爆風によって高速で移動する】
【……何をするかと思えば、それだけだった。少しだけマリオンやメリッサの近場へ移動しはするものの、たったのそれだけ。企みは失敗したのか?】
――――――ッ、あ、ぐぅッッ!!!
【その行為に意味があったのかどうかは不明だが。メリッサへ向けて放たれた閃光に対して、戦い慣れしていない少女に避ける術も無く】
【びくん、と大きく彼女の体が跳ねる。白緑色の瞳がノイズの海の中へ沈み、全身から力が抜けるだろう。直撃、とみて間違いない――――が、】
「ハッ――――知ってるぜェ谷山基樹! テメェそのズタボロの醜い体になるまで戦って、それでもまだ生きてるじゃねえか!!
だったらわかるよなぁ、クズってのはゴキブリ並にしぶといんだぜ!? もうちょっと付き合ってけよ同類<b!!
おいメリッサ――――いつまでヘタレてるつもりだグズがぁあッ!!!」
ひ、っ、ぁ、あああ………………、
【マリオンが谷山へ向けて吼え叫ぶ。彼の発露した多大な狂気を目を大きく見開いて受け入れ、まるで同胞を受け入れるかのごとく、心底嬉しそうに――――】
【そして――――今回メリッサが目を覚ましたのは、間違いなくマリオンの手柄だった。叫び散らしながら頬を平手で叩き、メリッサの意識を強制的に保たせる】
【流し込まれた狂気を、自分への恐怖で塗り替えるかのように。メリッサにももう限界が見えているが、この行為であと僅かばかり、意識を保つこととなって……】
/二つ続きます
375 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/22(日) 00:29:24.20 ID:7WM+BX9so(2/18)
>>372
≪ガ、ギ、ギ、ガ――――――≫
【シーナの作り出した大蛇が、『クグツ』たちへと襲い掛かっていく。最初に餌食になるのは落下時の衝撃で足回りの駆動系に異常をきたしていた『フロート』だ】
【元々が軽装甲ゆえ、防御など出来るわけがない。ぐしゃりと無惨な音とともに『フロート』は潰れ、完全に行動不能となって】
【残りに関しても似たようなものだ。銃を喰いつかれて右腕ごと持っていかれ、武装を失って無力化されてしまう――――】
「グ、ッ………はん、テメェはどうせ、オレやGIFT≠ェどうしてこんな事をしてるのかにも興味はねェんだろうなァ!!
ただ気に入らねェ奴をブッ飛ばしたいだけ!! 物の理屈もわからねぇクソガキは、ずっと人形遊びでもしてろ――――!!」
【そして、マリオン達への攻撃を阻むものはもう無かった。迫る横薙ぎの一閃、マリオンは咄嗟にメリッサを突き飛ばし、自らも大きく後退して回避する】
【詩音の攻撃で傷ついたサバイバルナイフでは到底受けきれなかっただろう。回避に徹したのはいいが、メリッサを逃がすのに気を取られてタイミングは遅れ】
【――――腹部から、多量の血が飛び散った。今すぐ行動不能になるほどのものではないにせよ、相当の深手を負わせられたのは間違いない】
≪…………ギ、ガガガガ≫
【が、マリオンもそこでは終わらなかった。その後マリオンはメリッサを引き摺ってさらに大きく後退し、シーナを含む三人から距離を取るだろう】
【シーナは、それを追撃する事も勿論出来るのだが――――その前に、背後から襲ってくる機銃持ちの『クグツ』一体に対処しなければならない】
【機銃持ちとは言っても、もう機銃は失っている。であれば武装はただ一つ、自爆≠ニいう最後の手段のみ――――!!】
【『クグツ』はシーナの体に全力で組み付き、その状態で自爆。爆発の衝撃と飛び散る破片によって大きなダメージを与えようとする筈だ】
376 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/22(日) 00:32:59.21 ID:7WM+BX9so(3/18)
>>ALL
「おいおい、ドイツもコイツも……そう怒るなよ。いまバラバラになったのはオレたち全員≠フ敵だぜ? むしろ喜ぶべきだ、オマエらは。
――――メリッサァ! 見せてやれ!!」
は………はい………っ、!
【マリオンは下衆な笑みを浮かべて全員の怒りを受け止めると、メリッサに指示を飛ばした。バチリと彼女の前髪に電撃が散って】
【『オレたち全員』という言葉は、部屋中を見渡しながら紡がれた。つまりは、マリオンにメリッサ、それにシーナ、谷山、詩音】
【それはこの場にいる全員のことを指し示す言葉であった。三人の共通点なんてあるだろうか、その答えは――――】
【がこん、という音が天井から響くだろうか。見れば巨大なアームのようなものがレールを移動して、右側の壁の奥からこちらに向かってきていた】
【アームに運ばれてきたのは鉄製のコンテナだ。マリオンは拳銃を取り出して構えると、コンテナ下部の留め金へ正確無比に発砲、それを破壊するだろう】
「――――なにせ連中はここで、こんなモンを作ってたんだからよォ!!」
【ばがん、という豪快な音と共にコンテナが開く。そうなれば必然、その中身は三人のいる真下へぶちまけられることになって】
【マリオンの叫びと共に迎え入れられたのは、真っ白な粉末であった。それは空中で散らばって、三人全員へ降りかからんとする!】
【……もちろん、ただの粉末ではない。降り注いでくるのはいわゆる『違法薬物』の類。それもかなり凶悪なシロモノだ】
【少量吸い込んだだけならば、軽い風邪に罹ったような体のだるさと発熱に見舞われるだけで済む。しかしもし、大量に吸い込んでしまえば――――】
【軽い酩酊感と幻覚症状に襲われると同時、各々の『能力』が一時的に暴走≠キることになるだろう!!】
【どのような形で暴走するかは各々次第。体の不調に耐えて力を制御することが出来ればむしろ有利になりはするが……】
【そうでなければ当然、逆に危険だ。暴発した自分の能力で自滅することにもなりかねない】
【撒き散らされたクスリは煙状になって周囲を白く覆う。これが視界を悪くしてしまうと同時、周囲にはいわば毒物が浮遊しているような状態になってしまうか】
【マリオンとメリッサはといえば、懐から防塵マスクを取り出してこれを防いでいるだろう。……そういえば、詩音はまさに彼らと同じものを入り口で拾っていた筈で】
「このクスリ、『ヒュドラ』ってんだがよォ――――。
どうだ、なかなか悪質だろ? ウチの連中だけじゃねえ、コイツのせいで普通の能力者にも結構な被害が出てるらしいぜ?」
【『能力を暴走させる』という危険極まりないクスリ――――明らかに能力者を狙い撃ちにして開発された違法薬物】
【能力者の集団であるGIFTがこんなものを作るとは思えない。つまりこれは、この地下工場で、あの研究員達が作っていたものということか】
【知っている人間がこの場にいるかはわからないが、この『ヒュドラ』というクスリは少し前から密かに流通していたものだ】
【『HUD-16550』という特殊な物質と普通の麻薬とを混ぜ合わせた、いわゆるカクテルと呼ばれる種類の違法薬物】
【能力を強化する、などという偽りの触れ込みと誰にでも作れる手軽さで流通し、過去何件かこれによる暴走事件も発生している】
【……開発の経緯は、最初に出会った所長の様子を思い返せば容易に想像できるか。クスリによって能力者を暴走させ、評判を落とす……そんなところだろう】
【マリオンの目的はどうやら、このクスリの開発にこの研究所が――――ひいては母体であるレイリスフィード大学が関わっていることを暴くことにあったようだ】
「――――なぁ、オマエら。せっかく能力≠生まれ持ったってのに、こんなクズどもを守ってんじゃねえよ。
ひひっ、そうだ! オレらの仲間にならねえか!? 一緒に鍵≠手に入れて、この世のクズどもを一掃してやんのよ!!」
【三人がどう反応するかを愉しそうに観察しながら、マリオンは高らかに叫ぶ。『GIFT』に入れ、なんて――――】
【……今更、本気で三人がその言葉に乗ると思っているのだろうか。これは単なる戯言≠ゥ、それとも】
403 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/22(日) 02:56:45.87 ID:7WM+BX9so(8/18)
>>ALL
【――――三人の全力を受け、マリオンが起き上がる気配はない。谷山に精神を打ち砕かれ、シーナと詩音に肉体を打ち砕かれて】
【白目を剥いて大量の血を流す死に体がそこにはある。この分なら放っておいても死ぬだろう、そう確信させる光景だが――――】
【……ならばいま、マリオンが立ち上がったのはいかなるトリックなのか?】
【いや、立ち上がったのではない。マリオン自身の体には全く力が入っていない――――まるでクグツのように、何か≠ノ立ち上がらされたのだ】
「クズ≠ヘしぶといってよォ、オレァさっき言ったよなァ。
ひ、ひひひッ――――そういや、そこのクソガキ以外にゃあまだ、オレ自身の能力≠見せて無かったかァ?」
【……男が何かの力で起き上がったことではなく。谷山からすると、これが一番驚異的だったかもしれない】
【発狂して廃人になりかねないレベルの一撃を受けておいて、マリオンはまだ正気を保っていた。……いや、狂気を保っていた、というべきか】
【谷山からメリッサを救ったのは演算能力だったが、この外道を救ったものは何と評せばいいのだろう。とっくの昔に、狂気も絶望も飽和しているかのような――――】
【しぶとい、なんてレベルではない。三人から全力の殺意を向けられてなお、今すぐにも朽ち果てそうな体を晒してなお】
【この男は、肉体も精神も生きている=Bマリオン・リヴァーズという外道の最大の脅威は、この幽鬼じみた打たれ強さと妄執であるのかもしれない】
【――――ただ、どの道戦える状態ではないのは事実である。肉体は限界だし、精神にしても辛うじて意識があるという程度でしかなく】
【こんな狂気じみた男だが、誰よりも頭は回る。三人は気づくだろうか、メリッサがいつの間にか何処にもいなくなっていることに……】
/すみません、もう一個続きます!
404 (中部地方) [sage saga !蒼_res] 2014/06/22(日) 02:57:00.06 ID:7WM+BX9so(9/18)
「悪ィがまだ死ねないんでなぁ。今日はここまでだ。
オイ谷山ァァ!! テメェジャーナリストなんだろ? ひひっ、良かったなぁ大スクープだぜこりゃあよォ!! しっかり報道頼むぜェ?
シーナァァッ!! テメェもいずれ無関係の子供じゃいられなくなる――――そのうちもっと愉しいことになるだろうからよ、楽しみにしときなァ!!」
人殺し≠フクソガキィ!! 殺されてやれなくて悪ィなぁ!! 次も愉しく遊ぼうぜェ、同類クンよォォ!!!」
【ジジジ、という小さな音と共に……マリオンの姿が消えていく。相変わらず心底愉しげに、狂気じみた笑顔を浮かべながら――――】
【それが光学迷彩≠掛ける能力だと知っているシーナ以外は、マリオンがテレポートでもしたように見えたかもしれないが、実際は違う】
【よく耳を澄ませば――――『フロート』の飛行音が聞こえるだろうか? 発信源はマリオンのすぐ後ろ、いまのマリオンを支えているのは新しい『クグツ』だ!】
【光学迷彩≠フ力で予め姿を消させて、『フロート』の伏兵を部屋に仕込んでいたのだろう。最初から、負けたときの為の逃走経路を用意しておいたらしい】
「じゃあな、クソ野郎ども。――――もし無能力者共に幻滅して、GIFTに入りたいと思ったらいつでも歓迎するぜェ?
ひひ、ひひっ、ひゃあァッはははははははははははははははははははははははははははははァァーーーーーーーーーッッ!!!」
【ふざけているのか本気なのかわからない、狂った台詞を狂った哄笑と共にその場に残して――――マリオンの姿は完全に消え失せる】
【また耳を澄ませば、『フロート』を使って自分の体を運ばせ、部屋の天井にある空気供給用のダクトから外へ抜け出したのだとわかるかもしれないが】
【気づいたところでもう手遅れだ。今から外に出てマリオンを追っても間に合わないし、恐らく同じ方法で脱出させたであろうメリッサも同様】
【外道≠ニその仲間は、この場を捨てて逃げ出した。勝負はまた、預けられることになる――――】
【――――その後しばらくして、マリオンの撤退に合わせて地上のGIFT勢力も引き上げていくことだろう】
【今回の騒動は、あの外道の策略である、内通者を使った狡猾な奇襲から始まった。……救助隊と共に地下へやってきたあの刑事、アルフレドの表情は明るくない】
【ただ、三人の目の前で虐殺された研究員は少数派だったようだ。研究所はほぼ全焼してしまったが、大半の研究員達はどうにか救い出すことが出来たという】
【今回露呈した、『ヒュドラ』という能力者を殺す為のクスリの件が――――他のラボトラリや、レイリスフィード大学へ与える影響がどうなるかはまだわからない】
【だが……ひとつはっきりしているのは。あの外道はまた近いうち、心の弱みに付け込まれて利用される哀れな少女と共に、表舞台に現れるだろうということ】
【その時に備える為にも、いま三人は何も考えず休むべきだ。あの男の瞳にあった澱みも、蛇のように渦を巻く毒薬の香りも、すべて忘れて――――】
/これにて今回のイベントは終了となります!
/皆さんの〆文を確認した後で後日談的なものを投下する予定ですが、もし眠いようでしたら〆文は明日でも構いません!
/参加者の皆様、お付き合いありがとうございましたー!!
417 (関西地方) 2014/06/22(日) 13:10:10.58 ID:ff2edOWHo(1/12)
【 病院 】
【早暁。其処を訪れた者は、明らかな異変≠ノ気付くだろう】
【正面からロビーに入ったなら、先ず目にするのは『倒れた人々』──、否、眠った人々=z
【カウンターに座った看護師も、ロビーの椅子に座った患者も、外来患者すらそこかしこで眠っている】
【中に入ったなら僅かに感じるであろう、匂い=B──『ガス臭』だろうか】
【だが、ほんの『僅か』だ。この程度で、広いロビー全体の人々が気を失う事は考え辛い】
【──、そこまで思考が回ったところで、眠気≠少しだけ、感じるかも知れないが── 】
【どちらにせよ──此の病院内において、何か≠ェ起こっているのは間違い無い様だ】
【ロビーからはB1階、2階への階段と、中庭への扉が見えるが ──】
【 ── 】
【──三階、廊下】
「──今日の『メニュー』は何だった、アールウィン? 」
『忘れるなよ、兄者。 前ラクマ帝国行進曲風火炙り≠セ。』
「あぁ──、中々ドラスティック≠セな。
俺は“シャムウール交響曲”の方が好きだが、まぁ、悪くない──。」
『……、≪ La Belle au bois dormant(眠れる森の美女) ≫は正常運行。
帰りに“フルーソ公営美術館”に寄る時間も取れそうだ。早く終わらせよう。』
【直角に切り揃えたおかっぱに、切れ長の瞳。右手に持つのは一振りの長剣】
【──歩む二名の姿は『瓜二つ』……双子≠セろうか。歩幅までぴったりと合っている】
【コートの背にはカノッサ機関≠フ紋章と、No.85∞No.86≠フ文字──、『兄者』が、若い方か】
【──彼らが歩む廊下の突き当りを右に曲がった地点】
【階段の前で身を潜め、様子を伺っていたのは入院着を身に纏った、黒髪黒眼の少女】
【両手には着剣二丁拳銃を握り、息を押し殺して、──】
(…、…何、アイツら──、機関員=c、…いや、『ナンバーズ』……?
──、それに、何だか『眠気』が……、取り敢えず、二対一じゃ分が、悪い── 。)」
【彼らが近寄ってくる前に、彼女は足音を殺し、それでいて素早く、階段を下ってゆく──】
/何だか長々としてイベントっぽいですが、通常投下です
438 (関西地方) 2014/06/22(日) 19:26:37.99 ID:2R+PZQDDo(1/7)
【公園――広場】
【すっかり人もいなくなって、街灯が淡い光が静けさを映す、そんな場所】
【だがこんな時間だというのに広場を見ればひとつ、走っていることだろう】
【デニム生地のホットパンツ、足には運動靴を着用し、アーモンド形の大きな瞳を持った、そんな――精悍な顔つきの少女だ】
【薄い緑色のTシャツの背には猫ならしっぽだけで一瞬にして全てを語れ≠ニいう意味不明なフレーズが印字されている】
【背中にはさらに黒いしっぽが伸び、そしてくっきりとした銀色の短髪の間からは、黒い猫耳がちょこんと生えていた】
【おそらくランニングか何かだろう。しかし異様な点がひとつ――彼女の後ろにはあった】
ふーっ、ちょっと休憩……案外楽勝だにゃ。こんなんで強くなれるのかにゃ?
【広場沿いの道近くまで走ってきた少女は一旦立ち止まって呼吸を整える】
【普通のランニング後と変わらぬ様子だがその後ろには――身の丈以上はあろうかという土管があることだろう】
【つまり、彼女はそれと自分の腰とをロープで繋ぎ、まるでタイヤ引きでもするようにランニングしていたのだ】
【流石に疲れてはいるようだが、華奢な体格にそぐわない怪力の持ち主なのかもしれない】
【そんな彼女は――この場を通りかかった人にどのように映るのだろうか】
【路地裏】
【道路を走る車の音が聞こえて来る】
【建物に遮られた音はまっすぐに響いて来ず、まるで壁に隔てられた別世界からの音のようで】
【往来する人の数の差もそれを助長している。その証拠に、今起きている出来事にまだ誰も気付いていなくて】
「オイ! こいつ能力者だぞ!」
「でも弱そうだしやっちまおうぜ。ムカつく目ェしてやがるしよ」
「泣いて許してくださいって言えば半殺しで済むかもなぁ? アッハハハ!」
【三人ほどの男が少年を取り囲んでいた。いや、すでに喧嘩の最中だった】
【男たちは派手な衣服を身を包みジャラジャラとアクセサリーを付けた、いわゆる不良という風貌で】
【彼らは少年に殴りかかったり拘束しようとしたりするが――全てかわされていた】
痛、っ……ああ、鬱陶しいな
【少年の方もかわすことに精いっぱいのよう。握られた黒い魔翌翌翌力の剣も振るわれないままだ】
【しかしついに顔への打撃を許してしまう。不良達の下衆な笑みがこの上なく深まったのは言うまでもない】
【真っ黒のボサボサ短髪、深淵を思わせるかのような漆黒の瞳は三白眼で、】
【服装も黒としか形容できないような、黒のピーコートに黒のジーパン】
【そしてやっぱり黒色の眼帯を右眼につけた――そんな、暗い顔の少年は】
【突破口を見出すべく不良達を睨むのだろう。その眼にはある種の――覚悟が秘められていた】
785 2014/06/30(月) 01:57:55.69 ID:zRDoikMco(2/4)
【警告の声に応じて、屍人は迫り来る少女を見遣った。眼球が無いのに「見た」というのも妙だが、兎も角】
【この時、初めて屍人は少女という闖入者の存在を認識したのだ。屍人は少女の持つ力の脅威を知らないが、しかし、彼女が何者であるかは判る】
【肉だ。それも新鮮で、軟らかい。屍人の歪んだ口の端に涎が伝い落ち、俄かに息遣いが荒くなる。頬を斬られた事など意に介する素振りもない】
「た、助けて!助けてくれ!この女……いや、化け物、早く何とかしてくれえッ!」
【喚き散らす男とは対照的に、屍人は何も語らない。そもそも、何かを語るだけの知能を持っていない】
【どこまでも本能に忠実に、男の喉首を食いちぎるべく、ぶちりと口の端が裂けるほど大きく口を開いた】
【喉の奥にぶくぶくと泡立つ、屍肉色の粘液。舌は半ばから切り取られ、断面から腐汁を滴らせている】
【鋭い乱杭歯を剥き出しにして「死の接吻」を迫る屍人に対し、男は抵抗の術を持たない】
【爪の食い込んだシャツの背中には血が滲み、骨の軋むような音は増すばかり】
【運よく喉を食いちぎられなかったとしても、このままでは遅かれ早かれ、全身の骨を砕かれ、無惨に絞め殺されることだろう】
【狙うのならば、腕か頭だ。そのどちらかを刀で斬り落とせば、少なくとも今すぐに男が命を失う事はない】
【現在屍人は男に抱きついているため、結果的に男を盾にするような格好にはなっているが】
【奴がその立ち位置を有効に活用できるかどうかについては、甚だ疑問だ。……というか、まず無理だ】
876 (関西地方) [sege saga] 2014/07/03(木) 20:00:55.51 ID:19i3ilvKo(6/8)
>>876
うーん、やっぱり実弾を使う銃とは勝手が違うかぁ
強い弾がボーンと飛び出るわけではなくてするりと弾が出てくる……
【ふむ、と顎に手を当てて少し目をつむる青年】
【なにやら想像していたらしいが少しすると再び目を開ける】
うん、杖と水晶預けます、ジョシュア君
僕は、渡り鳥や旅人って言ったらいいかな?ウクっていいます
【と、店長の名乗りに対し、青年はこう答える】
時間に関しては大丈夫大丈夫、いつまでも待ってるからさ
お金に関しても心配しないで、ね?
【まるで時間、金、それらが限りないかのようにいう】
【どこかの富豪とかには決して見えないのだが……】
【その後、ジョシュアの名刺を受け取った青年は特にこれ以上なければ「それじゃあこれで」といって席を外すだろう】
【そうなれば、今日の依頼は完了となる】
955 (中部地方) [sage saga !red_res] 2014/07/05(土) 19:31:31.89 ID:4f+gnoYEo(2/10)
【『トラヴィス・アロウ・コントロールセンター』北部、データセンター】
【――――データセンター内部にいる五人はまず、進むごとに内部の損壊具合が大きくなっていることに気づくはずである】
【敵が内部を破壊して回った……にしては、壁や床の傷跡が妙だ。無作為に破壊されている様子ではなく】
【一箇所に攻撃が集中したような跡がいくつもある。そして床には、銃器類の破片――――恐らく誰かが、ここであの男に抵抗していたのだろう】
【……そして。その戦っていた人物が『TRAVIS』の社員、つまり非戦闘員だということは、もう少し進めばすぐにわかるはずである】
【自衛のためだったのだろうが、残念ながら力及ばず。腹部を貫かれたり頭を吹き飛ばされていたり、奥には無惨な死体が数人分転がっていて】
【ただ、あの戦神≠相手取ったにしては死体の数は少ない。社員はもっと多くいたはずだ、残りは逃げ去ったのだろうか、それとも――――】
――――強い。ああ、認めてやるとも小娘。たった一人で二人を相手によく戦ったと褒めてやろう。
だが……くだらん有象無象を守ろうとするからこういうことになる。貴様は強いが、強者≠ナはない………。
【一行が最後に辿り付くのは、ライトに照らされた巨大なホールであるだろう。元は資材置き場として使用されていた場所だが、状態は無惨の一言】
【床や壁や天井、あらゆる場所に焦げ跡が残っている。炭化して原形を留めない死体も……ここが、ガルマと社員たちの主戦場となったことは想像に難くない】
【そして――――注目すべきは。いや、意識していなくても強制的に釘付けになってしまうほどの圧倒的な存在感を放つ存在が、部屋の中央にいる】
【ゆったりとした白銀を身に纏う大柄な体躯は、まるで雲に覆われた巨山。燃え盛る炎を思わせる朱色の長髪が、巌のように険しい顔つきを照らし】
【火炎の髪が男の巨躯の上を流れ落ちていくさまは、さながら大自然が憤怒の声を上げ、灼熱の溶岩で山肌を焦がしていくかのよう――――】
【炎天の陽光の如き金色を宿す熾烈な双眸を湛え、人を人とも思わぬ天からの視線で世界を見下すその男】
【中空を裂いて走る円状の光の紋様と、そこを起点に燃え盛る紅蓮の焔からなる『後光』を背負ったその男は……戦神、ガルマ=ハド=ラジャルード】
/続きます!
956 (中部地方) [sage saga !red_res] 2014/07/05(土) 19:33:48.29 ID:4f+gnoYEo(3/10)
「………………、」
【ガルマの能力であり、その荘厳≠ネまでの威厳を支える真円の『後光』は、巨大な室内全域に燃え盛る威圧感を伝えているが】
【その気炎に精神を焼かれることなく冷静に部屋を見渡せば、ガルマの他にもう二人、室内に人間が存在していることに気づけるだろう。どちらも、女性だった】
【まず、ガルマの隣にいる方。褐色の肌によく映えるやや赤色の入った白髪、ツリ目気味の金色の瞳が特徴の、二十代程度に見える女である】
【長い後ろ髪をたてがみのように跳ねさせたセミロングの髪型に、暗い赤色のチューブトップの上と白色で丈の短いファー付きコートを羽織ったヘソ出しの格好】
【下はデニム地のホットパンツに茶色いショートブーツを合わせて大胆に生足をさらけ出した、露出度の高い服装をしている】
【耳には金色のピアス、腰回りには上部に小さなリングがいくつも嵌まった鉄製の腰当て、背中には巨大な槌と、派手な装飾品も多数身につけているが……】
【そんな粗暴な印象の割に、何も言わず俯いた姿はどこか痛々しい。――――『ミドナ』という名の快濶な女の面影は、すっかり成りを潜めていた】
『こ、のっ……何が戦神≠諱Aふざけるのも、大概にッ――――!』
【そして、もう一人――――レイリスフィード学園の制服を着込んだ少女。知っている者もいるかもしれない、『幸徳井佳乃』という名前だ】
【白い肌とうっすら紅に染まった頬、短く切り揃えられた眉に枝垂れるように長い睫毛が特徴的。漆で染めたような黒髪は、日に焼けてほんの少し赤紫色を差す】
【やや長めの前髪、顎までで揃えられたもみ上げ、胸までの長さの後ろ髪と、そのすべてを一直線に揃えた髪型をしており……その艶やかな黒は、血に浸かっている】
【赤く染まった薙刀を強く握り締めてガルマに吼える少女は、既に満身創痍の様相を呈していて――――気づくだろうか。雰囲気が、少しガルマに似ている】
【手負いとなって薄れてはいるが、どことなく神聖≠ネ感覚というか、場を制する威圧感のようなものが感じられる。相当戦い慣れていることも察せられるが、】
【――――先程のガルマの発言と道中の死体の数を鑑みれば、事の顛末も想像できるかもしれない。佳乃はガルマから社員たちを守って戦い、必死に被害を抑えて】
【しかしそのせいもあって、彼女自身はガルマに傷一つ負わせられず敗北してしまった。そして今まさに、絶体絶命の状態……そんなところか】
……貴様にもう興味は無い。さらばだ、神を騙る不届き者よ――――。
【ごう、とガルマの『後光』が強烈な光を発し、召喚された数本の光の手≠ェ鎌首を擡げた。佳乃は怪我のせいで跪いてしまっており動けない、このままでは……】
【――――この場に到達した五人には大まかに三つの選択肢がある。すなわち、ガルマか、ミドナか、佳乃かだ】
【最初に誰に関わるかはそれぞれの自由。だが、いずれにしてもこの瞬間の五人の行動が、今宵の戦端を開くことになるのは間違いない!】
/こちらがVS主催の文章になります、『BATTLE T』の参加者様はこちらにレスをば!
/襲撃側のお二人も順次投下を開始してください、本日はよろしくお願いします!
967 (SSL) [sage saga] 2014/07/05(土) 20:13:33.70 ID:Raj3xKOz0(2/3)
>>955-956
――――
な、何が起こってるんや……!
【今日は、初めての社会科見学だった。お弁当も母親に作ってもらい、友達と一緒に見学するのを前日から眠れないくらいに楽しみにしていた。】
【そんな楽しみに待っていた一日が暗転したのはつい先程の出来事。―――大きな衝撃音と共に、平和な社会科見学は惨事へと姿を変えたのだ。】
【修羅場と化したデータセンター。其処に居るのは一人の少女、逃げ遅れたのだろうか―――】
【黒く流れる長髪はまるで上質の糸のような艶とさらりとした風合いを持ち、走る度にふわりと揺れて】
【くりっとした大きなブラウンの瞳、あどけない可愛らしさを持つ顔。白い肌に、ほんのり赤みがさす頬】
【成長期とはいえ、体つきはまだまだ華奢で幼さが残る。まだまだ大人と言うにはほど遠くて、年相応に小さい】
【纏う服は汚れ一つないピカピカのブレザー。真新しい服の生地が入学して日が浅い事を物語る】
【首には緑色のネクタイ。親の手を借りずに頑張ったのだろう、少し歪んだ結び目から初めてネクタイを締めた苦労の跡が伺える】
【チェック柄のプリーツスカートから覗く足はすらりと細い。足元は白い靴下に黒い靴、これだってピッカピカの新品】
(―――みんな何処に行ったの!?私は何処に逃げたらええの!?)
【これは、どういうことだ。どうしてこんな事になっているのだ。分からない、分からない、怖い―――!!】
【周囲を見れば破壊の跡が無数に散らばり、何かとてつもなく危険な事が起こっているということが、幼い少女に分かる程。】
【走れども走れども誰もいない。恐怖はますます募り、けれど足は竦む……か弱い少女に今の状況は、あまりにも酷だった。】
【加えて、無残な死体の数々が少女の恐怖心を最大まで引き立てる。努めて見ないようにしても、嫌でも目に入ってしまう―――】
【迷い彷徨い、恐怖で精神的にも体力的にもいよいよ限界が近づいて―――逃げ惑う少女が最後に辿り着いたのは、大きなホールだった。】
【其処に居たのは、威圧感さえ覚える大きな体を持つ男と、褐色の肌の女と―――そして。】
【――――大切な“お姉ちゃん”が、今まさに襲われている姿だった。】
――――佳乃ちゃん!!
【無我夢中だった。学年でも上位に入る脚力を振り絞って必死で佳乃の元に駆け寄ると、そのまま佳乃を庇うようにして抱き抱え】
【火事場の馬鹿力とでも言うのだろうか、少女の身体からでは考えられないくらいの力で佳乃を抱えたまま後ろに退避しようとする!】
佳乃ちゃん!?大丈夫!?痛い所は無い!?
【―――後ろに退いたとはいえ、安全とは決して言えないだろう。無能力者の少女にこの窮地は余りにも過酷……】
【男が衣織に目をつけたら、間違いなく抗う術はない。さあ、どうなるのだろうか―――】
【一方その頃。】
「衣織……無事でいて――――!!」
【少し遅れて、ホールの方へ向かうもう一人の姿があった―――】
//宜しくお願いします!皐月は少し遅れて登場します!
969 (SSL) [sage saga] 2014/07/05(土) 20:21:53.45 ID:gXqhxl9kO携(1/2)
>>955-956
【今宵の防衛戦、一行に混じる一人には、他の者達よりも遥かに年老いた人物が居た】
【黒く短い、白髪混じりの髪はオールバックにして、年齢は60代程】
【普段は温厚そうな顔も、今は険しく、そして鋭いもので】
【服装は戦闘を想定して動きを阻害しない黒のTシャツに軍人に支給されるバトルドレスのズボン、腰には軍刀、それにズボンにはナイフ】
【そして体つきはとても軍人らしく、屈強ということが一目で理解出来るものだった】
……私の名はブラック・レッドライン。皆様、本日の防衛戦では宜しくお願い致します。
フレデリック殿、でしたかな、元であっても騎士団長であった貴方の実力、信じています。
それと君も、SCARLETの隊員の様ですな、今日はどうかよろしくお願いしますぞ。
【それぞれにそう挨拶するのは、データセンターのホールに行き着く途中の道だろう】
【その時を最後にすると、すっかり真面目そのものとなって、ホールへと歩みを進める】
【たどり着いたホールで見た光景、それはブラックが想定していた最悪の結果かも知れない】
【レイリスフィードの学生、今回の事件の首謀者たるガルマ、そしてかつての友の姿】
………………………………。
【迷いはある、しかしそれが動かない理由にはならない】
【ブラックはミドナを選ぶ、しかし攻撃は未だだ、それは判断材料も無いからで】
【今は彼女に言葉を掛けるだろう、そして歩み寄る、油断はしていない】
…………何故、貴女が此処に……?
……ミドナ……殿……………………
【六本腕の女、そう聞いて此処まで来た、もしかしたら……いや、そうであると】
【ブラックは彼女の前で、静かに、そう口を開いた】
/ブラックです!本日はよろしくお願いします!
972 (中部地方) [sage saga !red_res] 2014/07/05(土) 20:37:32.35 ID:4f+gnoYEo(4/10)
>>961 >>963
ぬ―――お前、アーシャ=ランスキャット! それに貴様はフレデリック・シャリエールか!
ククッ、この我の力を知っていてなお迷いなく突っ込んでくるとはな! 大した度胸よ、面白い………!。
祈りを捧げるのは貴様らの方だ! この、戦神の前になぁ――――!!
【今まさに佳乃へ下されんとしていた手が、ガルマの視線と共にアーシャに向いた。ズオッ、と――――その両腕に金色の光が宿る!】
【アーシャならば既に知っているだろう、両腕を鉄の如く硬質化させると同時、岩をも砕く腕力を付与するこの男の能力】
【そして、アーシャの突進と同時にガルマへ接近した影。以前ゼン=カイマにて合間見えた剛毅の男、フレデリックがそこにいて】
【――――楽しげな言葉と共に振り被られた神の両腕は、アーシャの拳とフレデリックの拳、その両方と正面衝突する!】
【どうやら、互いの威力はほぼ互角のようだ。防ぐというよりは相殺したというべきか、それによってガルマは難を逃れるだろう】
【アーシャとフレデリックの腕には必然、そこそこの反動が帰ってくるだろうけれど――――それはガルマも同じ。ましてアーシャの炎≠フ方は防いでいないのだ】
【右腕が焼け焦げているが、しかしガルマには余裕がある。彼はその場から一歩も動かず、愉しげに二人を見下ろしていた】
>>967
『な、っ―――衣織!? そんな、どうしてここに………ッ!!』
【思わぬ四人の闖入者によってどうにか命拾いし、軽く息を吐きながらその面々の顔に目を通す佳乃】
【SCARLET所属の二人はともかく、フレデリックがその場に居たことにまず驚いたようだったが……彼女の驚愕は、最後の一人に向いている】
【……佳乃にとって特別≠ナ、絶対に守らなければならな少女が。この戦神の前に立ってしまったことで、佳乃は悲鳴じみた声を上げた】
『く、ぅッ! だめ、衣織! 逃げて………っ、』
……、フン。
【怪我でまともに動けない佳乃は、多少顔を青くはするものの、衣織の力に逆らわず真後ろに退避するだろう。……が、ちらりとそちらを見る目があった】
【戦神が一瞬、衣織を射竦める――――と同時に、真後ろの『後光』が光を発した。佳乃に向くはずだった光の手≠ェ、衣織へ発射される……!!】
【数は三本。佳乃が必死の思いで立ち上がり、薙刀を使って二本は打ち落として見せるが……最後の一本が、衣織の右肩付近へ向かっていくだろう】
【光の手は高熱を帯びており、触るだけで火傷を負ってしまう。それが一直線に伸びてくるのだから、これは殆どレーザーの様なものだ】
【伸び上がる速度がそこそこ速いのに加え、多少追尾性もあるあたりが厄介。……ただしこの光の手、見ての通りかなり細い=z
【つまり、耐久性が無い。佳乃がやって見せたように、物理攻撃で破壊が可能なのである。そこを察せられれば凌ぐのも難しくない】
【……普通の戦士ならば、の話だが。引き付けて身を翻すだけで回避できる簡単な攻撃だけれど、衣織は、果たして――――】
/続きます!
973 (中部地方) [sage saga !red_res] 2014/07/05(土) 20:37:43.45 ID:4f+gnoYEo(5/10)
>>969
「………ブラック。どうして、」
【静かな言葉に、静かな言葉が返ってくる。……いや、静かなのは口調だけだ。その言葉には乱れに乱れた感情が乗せられていた】
【ガルマそっくりの金色の瞳が、ブラックを見やる。あらゆる感情がその中で吹き荒んで、それ以上は何も言葉を返せずに――――】
エイダ、我が愛しの娘よ。お前は父のために戦ってくれるのであろう?
――――何を迷っている?
「っ、う、ああああああああああッッ!!!」
【場を動かしたのはガルマの声だ。それを受けたミドナは半ば自棄のようになって、咆哮を上げる!】
【ブラックには弾かれるような躍動が捉えられるだろう。背中に構えた巨大な槌を振り翳し、確かな害意でもって、ミドナがブラックへ突撃してくる!】
【構えるのは骨をそのまま削り出したかのような白色の柄に、片側が鶴嘴のように尖った幅広の槌部分を持つハンマーだ】
【同時、彼女の能力が発動する。――――ゆらり、と朱色の腕が四本背中に蠢き、更に彼女自身の両腕にも真っ赤な光が宿るだろう】
【岩をも砕く腕力を持つ、六本の腕。ミドナはブラックに十分近づくと、六の剛力で槌をやすやすと持ち上げて、横薙ぎの一閃を振るう!】
【槌の巨大さもあって範囲は非常に広く、人間の骨程度なら軽く粉砕してしまう威力もあって危険。しかし動きは鈍重で、回避は十分に可能であるだろう】
/もう一つ続きます!
974 (中部地方) [sage saga !red_res] 2014/07/05(土) 20:40:13.36 ID:4f+gnoYEo(6/10)
>>ALL
クク……ッ、役者は揃った、というわけか。どれ、早速で悪いが始めようか。真なる選定≠、な。
――――その前に、ひとつ、良いことを教えてやろう。
【状況は四対二。衣織を抜いても数の上ではそちらが有利だ。過去、二度敗北しているガルマにとって、決して侮れない布陣であるはず】
【けれど。顔を上げて全員を見下すガルマには、悠然とした余裕が垣間見える。どころか、心からの愉悦に塗れた笑顔で一同を見渡すだろうか】
【アーシャに焼かれた右腕も、まるで意に介していない。早速始めようと言い放つ口調は、かつてなく愉しげであって――――】
神とは元来、強大な力を持ち得ているモノだが……力の由来は何も、生れ落ちたその時に決まるものではない。
貴様ならわかるか、フレデリック・シャリエール。ええ? 神に仕える身で我に逆らう不届き者よ。
……そう、例えば人の信仰=B下位の者から信仰されれば信仰されるほどに、その力を増す――――そういう類の神もまた、この世界に五万といる。
クク………ッ、ここまで言えば、いくら愚鈍な人間といえどもう解るであろう?
我は戦神、戦いを司る神。……我の力は畏れ≠フ力よ! 闘いを通じ、人間共から畏れられれば畏れられるほど、我は強くなる――――!!
【焼け付くような傲慢さすらも――――威厳に変わって。光り輝く後光は太陽のように燃え上がり、戦神≠フ精神の高ぶりを感知したのか】
【今まではガルマの背中を覆う程度のものだった後光が、一気に広がる。人の大きさを超え、猛獣の大きさを超え、やがて部屋中を埋め尽くすほど巨大に―――!!】
【燃え盛った火輪は黎明の星のよう。ただ近寄るだけで、砂漠に投げ出されたが如き灼熱を全身に感じることができるはずである】
【……そして、圧倒的としか言いようがない神の威圧≠焉B一般人なら相対しただけで気絶しかねない遥か天からの神威≠ェ、ガルマの全身から放たれている】
なぁ、アーシャ=ランスキャットよ。お前なら覚えているだろう?
前回の選定において、我が≪空往く旅人(ガガ・アドワガ)≫を使役していたことを。古代の神獣にも匹敵する僕≠、操れるようになっていたことを。
一度目は砂、二度目は櫻。たった二度の選定で、人間共は我を十分に畏れてくれた。既にあれほどの力を使える程に――――我の力は高まったということだ。
そして、今宵。この風における三度目の選定の結果は、どうであろうな? ……クク、ははははッ! 済まぬなぁ、人間相手に戯れが過ぎたか。
さぁ、いよいよもって準備は整った――――今こそ見せてやろう!! 真なる選定、真なる神の力≠ニいうモノを――――――ッッ!!!
【ガルマは大音声で吼え、口が裂けんばかりの凄絶な笑みを浮かべて天を仰いだ。両手を振り翳すそのさまは、まるで神が世界を掴み上げるかのよう――――】
【……変化はすぐに訪れる。ガルマの背後の巨大な『後光』が一気に後方へ移動し、部屋の奥の壁に轟音を立てて衝突する!】
【ジュウウウウ――――という鈍い音と漂ってくる悪臭は、『後光』が放つあまりの炎熱が壁板をぐずぐずに溶かしたがゆえのものだ】
【溶解した壁の奥にはもう一枚壁があったが、衝突の衝撃で崩れ出し、一部に大穴が空いた。……一同が守るべきサーバールームが、露出した】
【だが今ばかりは、そちらに構っている暇も無いかもしれない。『後光』の円の内側に、無数の光の手≠ェ犇いて見えるからだ】
【百、二百、三百……数え切れないほどのそれは即時―――― 一斉に、その掌の中に不気味な眼≠顕にした。ぎょろりと剥かれた視線が、一同を射貫いて】
【だが、その光の手≠ヘ何故か一同には向かわない。うぞぞぞぞ、と気持ち悪く蠢いて文字通り『手を伸ばし』、壁や床、天井の中へと消えていくだろうか……】
【――――つまり。今回、ガルマからの攻撃は無いということだ。ミドナの方に注意が必要なのは変わらないが、これはチャンスとみて間違いないだろう】
【しかし同時に、ガルマが何か……途轍もないことをしようとしていることも、恐らく間違いない。攻勢に転じるか防御を固めるか、五人はどう動く――――?】
980 [sage saga] 2014/07/05(土) 21:19:45.79 ID:1INsk9Wso(2/2)
>>972-974
フッ……成る程、ここまでしてその様子とは……確かに言葉は正しいようだな。
――信仰≠ヘ確かに、その神の力全てを決め得る物…。
人は神を敬うが、神はそれを信じ、考えだした人間が居なければ成り立たない
宗教とは得てしてそういうものだ。実際に居るか居ないかではない……人が信じるか、否か――。
……――だがなあ、ガルマよ?貴様が自信満々なのは実に結構だが
一つ忘れているのじゃあないか。人々が畏れる事≠ェ貴様にとっての信仰であり
そして力であるというのなら…――人々が貴様を畏れない≠ニすれば……。
つまり、そう……例えばここに居る人間が貴様を倒す≠セとか……
そういう事を人々が知って、見て、広く認知したのなら……く、クッ……この企業、世界的に有名なのだったな……?
【強烈に迫るガルマの圧=\―フレデリックはそれを、実に涼しい顔をして受けてみせた】
【既に、一度経験しているのだ。それも踏まえて、弱みを見せたがる男では無かったのもその理由だが】
【ズアッ!≠ニ構えた豪槍の力強さもまた、彼の姿勢と態度の根拠足りうるものであろうか】
【名はカテドラルとか言ったか。教会の至宝であるが、退魔の力を備えた立派な業物であり】
【彼はそれを構えて、正面からガルマに立ちはだかるのだった。――誰より前線に立つことが、彼の役目だと自認するかのように】
さ、て…――?貴様が奴≠ノ――グリースに殺されていなくて実に良かった、なあガルマ。
でなければ私がその首を切り落とすことも叶わないし、以前の鬱憤も晴らせぬというものよ
…――では征こうか。私の神と貴様の欺瞞、どちらが正しいのか証明しようではないか
無論、その方法は実に単純で明快に――どうせ貴様、小娘どもの生き死に自体に興味は無いのだろう?
それなら付き合え、そこのアーシャとか言う小僧と、私と、共に力比べと行こうではないか――なあ、ガルマ、ッッ―――!!!
【『小娘ども』とは、誰を指すでもない。強いて言えば佳乃、衣織、そしてミドナであろうが――】
【彼は彼女たちよりもガルマ一人を主眼に置き、同時に相手にも同じ事を求めたのだった】
【私を見ろ、と――そういうような初撃は、手にした豪槍に寄る槍衾≠ナあった】
【槍衾とは本来、大勢で一斉に槍を突き出す攻撃。――それと誤認するような鋭い連続の突き、というわけだ】
【狙うはまず最初にガルマの首。次いで右肩、左肩、そして鳩尾。途中で妨げれば順序のスキップも起きうるし】
【なんといっても高速、高圧の突きであるから威力は高いが、単純である事は否めない】
【常人を遥かに超えたガルマにこの攻撃が通るかは分からないし、槍特有の中距離という合間を取っていようが】
【光輪を駆使した彼であれば反撃も容易、か。それともう一つ、ガルマなら気付き得ることが一つだけ】
【それはフレデリックの口元が不自然に動いている事≠セ。会話が終わって尚も動きを止めていないのに気付けるか】
【――確か彼は、教会特有の術をいくつも知っていた。とすればそれが呪詛ではなく術式だとも勘付くことは出来るはずだった】
>>ALL(>>961>>967>>969)
……―――いいか貴様らッ!私達は此処で奴を倒さねばならん!
その理由は……言うまでもなかろう。理論でも、感情でも、原動力など何でも構わんッ!
ガルマという神騙りの愚か者を誅戮する――ただソレだけだ。力を貸せ、このフレデリックにッ――!
…――それと、子供は下がっていろ。そこの学生二人組み(>>967)など目障りだ
とっとと此処から離れるのだな……奴の放った手がなんだか知らんが、建物が崩れてからでは遅いのだからな――?
【―――これは、フレデリックが槍の突きでガルマに挑むより少し前の事となる】
【彼が声を放ったのは、明確な理由があったからではない。強いて言えばガルマを一人では倒せない、と】
【それを己が一番良く知っていて、その上で協力が欠かせないと分かっているからだろう】
【先ほどブラックが言っていた(>>969)が、彼は元であれ騎士団長なのだ】
【こういった声掛けだとか、統制のような真似事は慣れていると見える。――それと】
【衣織と、佳乃。彼女たちには、わざとらしく冷たい言い方で早く立ち去れと告げるのだった】
【今ならまだ間に合う。フレデリックが槍を構えて突っ込む隙を上手くすれば、或いは――と。】
988 (関西地方) 2014/07/05(土) 21:43:34.31 ID:FhLCm6fxo(3/4)
>>972-973>>980
ちッ――
【効いていないのか――いや、以前は弾き飛ばされるほどに力の差があった】
【ほとんど奇襲に近いとはいえ、ほとんど互角に持ち込めた。やはり勝てない相手ではない】
【とはいえ正面から戦って勝てる相手ではないということも理解できる。だが、やるしかない】
やっぱ俺だけじゃ火力不足か……
おっさん! ――いやフレデリック! 悪いが頼りにさせてもらうぜ?
あの戦神風情≠ノよ、人間様の拳をたっぷりとぶち込んでやろうぜ――!
【初撃を相殺された彼は、ホール入口付近まで素早く後退するだろう】
【広がった視野の中に、見覚えのある人物が居た――頼りになりそうな男が】
【この戦い、自分一人では勝利を得られない。】
>>967
【ついでに見えた、というのもおかしな表現ではあるが、この場にそぐわない人物も目に入る】
【逃げ遅れた学生であることは間違いない。彼女の腕の中には先程まで戦っていたと思われる少女もいるが――】
クソ、守ってやる余裕なんか無えぞ……!
おい譲ちゃん! できるだけ俺かごついおっさんの後ろに居ろ!
――て、この野郎……! ガキにも容赦無しかよ……!
【出来るだけ守ろうとはするようだが、彼もガルマの相手で精いっぱいだ】
【逃げるか、戦うか、それとも彼の言う通りにするか――彼女自身の動き次第で戦況は変わるだろう】
【ただ、彼ではたった今発射されたレーザーに対処することはできない。自身の力で切り抜ける必要がありそうだ】
>>974>>969
やっぱ連れてかれてたか、ミドナ。様子が変じゃねえか。何しやがった
そいつが傷つくとよ、泣く友達がいるんだ。だから――お前をぶっ飛ばして返してもらうぜ
【今回背負ったものは――正義だけではない。ある少女との約束も肩に乗っている】
【負けてもミドナだけは連れて帰らなければならない。だがそのミドナが仲間へと攻撃を繰りだしたではないか】
【この事態にアーシャは目を見張ったが――彼女の相手はどうやら、あの老人らしい】
【多少の気がかりはあるが、思う存分ガルマを相手取れる】
――それを聞いて俺が恐れるとでも思ってんじゃあねえだろうな
お前が強くなったからどうだってんだ。俺はお前を倒す――それだけだ
いくぞガルマァ! テメエが見下す人間の力がどれほどのものか――嫌ってほど教えてやるぜ!
【どれほど神圧≠受けようとも、彼は全く動じない。むしろ反発して闘気を滾らせてすらいた】
【勝てる見込みなど無いに等しいだろう。だが、せめて自分の役割くらいは果たすべきで】
業火拳爛の―――ブレイズアサルト<b!!!
【消えゆく光の手、何か企んでいることは明白だが、ここはとにかく攻めるべき】
【そう判断したアーシャは斜め前方へと跳ぶことだろう。フレデリックの邪魔にならないように配慮しての軌道】
【そこからさらに炎を噴出させて、一直線にガルマへと向かってゆく】
【――打ち出すのは先程と変わらない、右の拳。ただ寸前での踏み込みが、その威力を底上げしているだろう】
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