ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 (700レス)
ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1520954906/
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671: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/11/19(日) 01:27:55.71 ID:o/BxMlBQ0 …十数分後・私邸前… 丹左衛門「……よし、門衛はおらんな」じりじりと網を狭めるように邸宅に忍びより、とうとう敷地を取り囲んだ丹左衛門たち……いつもなら正門に詰めているはずのフランス人警官はおらず、正門そのものも大きく開け放たれている…… 黒紋付きの男「約束通りのようにございますな……では、どうかお指図を」 丹左衛門「うむ……おのおの方、討ち入りでござる!」 …門前に立った丹左衛門が、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」かなにかのように芝居がかった言い方で宣言する……普通の人間なら気取っているようにすらとられかねない言い回しも、重々しい彼の声で聞くとぐっと引き締まる……丹左衛門の宣言と同時に、横についている一人が合図の手持ち太鼓を打ち鳴らす……同時に目隠しを掛けておいたランタンの覆いが一斉に取り払われ、庭先に赤々と燃える松明が投げ込まれると、邸宅の庭が鵜飼いの水面のように明るくなる… 銃手「ガトリング銃、準備整いました!」 班長「うむ……よーい、てっ!」 …大砲のような車輪付きの銃架に載せられた手回し式ガトリング銃がガラガラと引っ張ってこられ、レンガ造りの邸宅をぴたりとにらむと、指揮官格の侍が黒漆の柄に白毛のついた采配をさっと振り下ろした……合図と同時の銃手を務める洋装の兵がハンドルを回し「ダ、ダ、ダ、ダンッ!」と、邸宅の一階を右から左へ縫うように掃射し始める… 班長「そのまま撃ち続けよ!」 …チカチカと瞬く発砲炎でストロボのように周囲が照らされ、スタッカートのきいた銃声に混じって、命中した銃弾でレンガや窓の砕ける音、それに邸内からいくつかの悲鳴が聞こえた… 丹左衛門「ガトリング銃の斉射完了と同時に各隊は斬り込め! 狙うは政府の走狗のみ、手向かいせぬ限り女子供は斬るな! 書状や書類の類も破棄される前に確保いたせ!」 羽織の男「承知!」 …一方… ちせ「……佐伯どの、どうも妙じゃ」 事務官「というと?」 ちせ「いや、私が来た時には門衛にフランス人の警官がおったのじゃが……どうも今はおらぬように見える」 事務官「はて、それはおかしいな、交代はまだのはずだ……」食堂の柱時計と自分の懐中時計を見比べて首をひねっている…… ちせ「……それだけではない、この屋敷の周囲に殺気を感じる……それも一人や二人ではないようじゃ」持ってきた脇差の袋を解き、帯に差した…… 事務官「言われてみれば、なにやら表が騒がしいようだが……?」今度は邸宅の表でなにやら人声と馬車のような車輪の音が聞こえる……事務官は椅子から立ち上がり、窓辺に近寄って目を凝らした…… ちせ「……っ、伏せるのじゃ!」 …ちせに引き倒されるようにして事務官が床に伏せた瞬間、窓の向こうで銃火がきらめき、同時に窓ガラスが砕け散り、レンガやしっくいのかけらが室内中に飛び散った……柱時計に当たった銃弾で時計が調子外れの鐘を鳴らし、卓上の茶器が微塵に砕け散る… 護衛「佐伯事務官、何事で……ぐわぁっ!」ドアの外に控えていた護衛がピストル片手に飛び込んで来たが、部屋を掃射する銃撃にたちまち蜂の巣になる…… 護衛B「どうか床に伏せていてくだ……うぐっ!」もう一人の護衛は腰を屈めて事務官に近寄ろうとしたが、立派な樫材の扉に当たった銃弾が飛び散らした鋭い木片で喉を射抜かれ、床に崩れ落ちた…… 事務官「えぇい、何としたことだ! ここに襲撃を加えてくるとは!」 ちせ「これでは身動きもならぬか……無事か?」 事務官「どうにか。とはいえこのままむざむざと暗号書を奪われるわけには……」室内の電灯が割れて消え、銃弾がヒュンヒュンと耳元をかすめる…… ちせ「分かった……おそらく銃撃が止んだら敵が斬り込んでくるはずじゃ。私が囮になって連中と切り結ぶゆえ、暗号書を持って隠れていてくれぬか」 事務官「それでは遅かれ早かれ追い詰められてしまうだろう。この邸宅には裏口があるからそこまでたどり着ければ……」 ちせ「いや、連中とてそのくらいは考えているはずじゃ」そういった矢先に裏口の方でガラス窓が割れる音に続いて、炎が上がる音や物のはぜる音が聞こえてきた…… 事務官「……どうやら君の言うとおりのようだ。この邸宅は地下のワイン蔵があるから、私はそこに隠れていることにする」 ちせ「うむ……さ、早く」玄関道の砂利や砕けたガラスを踏みしめる音が次第に近づいて来る中、大使館員はそっと床を這って厨房へ行き、そこから地下室へ続く入り口に消えた…… ちせ「……ふぅ、これで心配事はなくなったの」庭に続く食堂のフランス窓はすっかり割れて大きな入り口になってしまっているが、そこから入ってくる人の気配を感じ取って、ほのかに青緑の光を放つ脇差を鞘走らせつつ「たたたっ……!」と駆け寄った…… 太刀を持った男「あっ!」 ちせ「はあぁ……っ!」抜き身を持った男が駆け寄ってくる小柄な影に気付くよりも早く、ちせの「備前兼光・改」が袈裟懸けに相手を斬り捨てた…… 太刀の男「うわ……っ!」 ちせ「ふぅ……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1520954906/671
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