ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 (716レス)
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633: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/10(金)01:26 ID:YFmv1LJs0(1) AAS
…数週間後…
訓練生「……ルーシー、ミスタ・シルバーがこの本をミス・パープルに渡してこいって」
栗色「え、私? わざわざ私に頼まなくたって、そのまま貴女たちが持って行けばいいのに……」
訓練生B「そう言われても困るわよ。とにかくそうするよう言われただけだもの」
訓練生「そういうこと……ねぇ、もしかしたら「あれ」じゃない?」
訓練生B「……あぁ、なるほど♪」
訓練生「ね、そう考えたら……くすくすっ♪」
栗色「なに? 何がおかしいの? ……そもそも「あれ」って?」
訓練生「ふふふっ、そりゃあ「あれ」ったら「あれ」よ……ルーシーは今までなかったみたいね♪」
…栗色髪の訓練生に教官からの用事を伝えた二人は、身内にしか分からない冗談を聞いたようにくすくすと忍び笑いを漏らしている……眉をひそめて本を受け取ると、肩をすくめて歩き出した…
栗色「まったく、何がおかしいんだか……」
…ミス・パープルの教室…
栗色「失礼します、ミス・パープル」
パープル「あら、いらっしゃい……貴女がここに来るなんて珍しいわね?」
…とにかく艶やかで色っぽく、周りに漂う空気さえ甘く匂い立つような「ハニートラップ」とその対処法を担当している教官のミス・パープル……ロココ調の豪奢な椅子に腰かけ、ティーカップをかたわらに置いて読書をしているだけだが、ロングドレスからちらりとのぞくすべすべとした白い胸元やストッキングにくるまれたくるぶしだけで、たいていの訓練生たちはすっかり骨抜きにされてしまう…
栗色「シルバー教官から本を渡してくるよう頼まれまして……どこに置きましょうか?」
パープル「ああ、頼んでおいた本ね♪ ならここに置いてくださる?」白い長手袋に包まれたすんなりとした綺麗な指がかたわらのテーブルを指さした……
栗色「はい」
パープル「ありがとう……せっかくだから、お茶でもいかが?」吐息の交じるような甘い声で発するお礼の言葉が桃色の艶やかな唇から漏れると、小机の向かい側を指し示した……
栗色「ええ、せっかくのご厚意ですし……」
パープル「まぁ、嬉しい♪ それじゃあかけて?」
…一事が万事、動きの端々までしなやかで色気があるパープル……ティーポットを取るといい香りのする紅茶をカップに注ぎ、それから上品なケーキやクッキーといったお菓子を勧めた…
栗色「いただきます」
パープル「美味しい?」
栗色「ええ、美味しいです」
…バターと卵をふんだんに使ったさくさくとしたクッキーや、甘い砂糖漬けの果物が載ったふわふわのスポンジケーキ……こういう機会でもなければ「ファーム」では食べることの叶わない上等なお菓子に、栗色髪の訓練生も年相応に嬉しく思いながらひとつふたつと手を伸ばした…
パープル「ここではなかなか食べる機会もないものね……お代わりは?」
栗色「……っ、すみません。意地汚くって」
パープル「ふふふっ、遠慮しないでいいのよ? 私だってついつい食べてしまうもの……もっとも、これはここだけの秘密♪」整った色っぽい顔立ちにチャーミングな笑みを浮かべ、軽いウィンクを投げた……
栗色「ええ、口外はしません」
パープル「ありがとう……っと、いけない」
栗色「平気です」
パープル「ごめんなさいね、私ったらそそっかしくて……///」
…スプーンを砂糖つぼへと戻そうとして目測を誤ったのか、訓練生の手の甲に砂糖をこぼしたパープル……そっと手を伸ばすと丁寧に砂糖を払い、そのまま優しく手を包み込んだ…
栗色「ただの砂糖ですから大丈夫です」
パープル「……そう?」
栗色「ええ」
パープル「でも、こんな風に砂糖が手について……ん♪」砂糖の小さな結晶が星空のように散りばめられた手を取ると、そっと唇をつけた……
栗色「教官……っ///」
パープル「お願い、パープルって呼んで……♪」
栗色「っ……ミス・パープル……」手を取って甘い声でささやきかけるパープルに対して、数回あった訓練の時のように引け腰になっている……
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