【咲-saki-】咲「麻雀学園?」【安価】 (776レス)
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抽出解除 レス栞 あぼーん

29: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)22:00 ID:oR7ei4jBO携(11/18) AAS
誰が乗るか……!見え見えの泥船……!

それに私にはここに来た目的があるッ!

咲「ごめん、二条さん。私はここに残る」ヨッコイショ

泉「でも咲ぃ〜〜……」

咲「辛いことはたくさんあるだろうけど、お互い頑張ろうよ!どうしても困ったら、また相談してくれていいから、さ。愚痴聞くくらいなら私にだって出来るから……」
省5
30: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)22:23 ID:oR7ei4jBO携(12/18) AAS
和「それではいただきます」

憧「いただきまーす」

18時。夕ご飯の時間だ。

今日のご飯はヒレカツ定食。ホカホカの白米に、揚げたてのカツ。シャキシャキのキャベツに、瑞々しいプチトマトまで載っている。それにデザートにはケーキ!

憧「今日は、咲の歓迎会だから、和が特別サービスだって!」
省8
31: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)22:37 ID:oR7ei4jBO携(13/18) AAS
憧「ウチの寮、畑だけじゃなくて、豚も育ててるのよ。そこの黒豚。自分たちで育てて、食べる豚は格別よね〜」

咲「普段、新子さんは牧場の方で豚の世話をしているんですか?」

憧「は?そんなの1-D部屋の仕事じゃん」

和「でも、憧は家畜小屋の責任者なんですよ。だから、今日も一番いいお肉が手に入りました」

あとで知った話だ。新子さんが管理している家畜小屋の肉は、私達第1舎の人間の口に入ることはない。肉は概ね他の寮に輸出され、原村さん達は利益を得ているらしい。だから、夕食も他の寮の給食を自費で購入している。
省8
32: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)23:20 ID:oR7ei4jBO携(14/18) AAS
しかし、転機は突然訪れた。

夕食後の自由時間。私は部屋でウトウトしながら過ごしていた。

気がつくと、原村さんと新子さんがいない。

穏乃「明日は、各寮対抗の麻雀大会だから、室長会議だよ」

高鴨さんが教えてくれた。
省6
33: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)23:23 ID:oR7ei4jBO携(15/18) AAS
憧「ただいまーいやー、疲れた疲れた」

穏乃「おつかれさん」

咲「お疲れ様です」

和「今日の会議は長引きましたね」

憧「1-Cの大星、うるさいっちゅーの!こっちは各部屋の事情を考慮してバランスよく決めてるのに」
省13
34: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)23:27 ID:oR7ei4jBO携(16/18) AAS
試合当日。選手控室の空気はひりついていた。

先鋒の片岡さんが2着につけ、回した貯金は次鋒で大きく失われ、さらに中堅も手酷いミスが重なり10万点あった点数は4万点近くまで減っていた。

初瀬「うっ……ううっ……」ポロポロ

中堅の岡橋さんは、ひと目も憚らず泣いていた。

控室はお通夜みたいな雰囲気。
省12
35: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)23:33 ID:oR7ei4jBO携(17/18) AAS
向かった先に、姉はいなかった。

由子「咲ちゃん初参加なのーご祝儀ルールでいいかなのよー」

憩「ええですよーぅ」 第2舎 寮長 荒川憩 学園ランキング第2位

竜華「まあええやろ」 第3舎 3-C室長 清水谷竜華 学園ランキング第6位
省14
40: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/08(月)23:52 ID:oR7ei4jBO携(18/18) AAS
憩「ロン。24000。」

竜華「ロン!12000やな〜〜ごっつあんですー」

竜華「ツモ。8000-4000。あっ、咲ちゃんごめんなぁ、親っかぶりで」

憩「ロン。3900ですよーぅ」

憩「ロン。7700ですよーぅ」
省12
41: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)00:12 ID:5RlcUHpgO携(1/6) AAS
控室に帰ると誰もいなかった。

私は、寮に帰ることができず、ずっと控室の脇のトイレで吐いていた。

泣き疲れた頃、真瀬さんが来て、追い出されるように第1舎に帰った……

和「……」

寮内の講堂に、第1舎の寮生全員が咲の帰りを待っていた。
省12
42: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)00:17 ID:5RlcUHpgO携(2/6) AAS
由暉子「皆さんのお気持ちはわかりますが、まずは総括が先ではないでしょうか?」

2-Bの室長の真屋さんが、紛糾する場を収めた。

皆の注目が私に集まる。チームの大将として、敗戦の弁を述べろということだろう。

泣き疲れて、涙も枯れていた。感情が麻痺していたのは、少し私に有利に働いた。

冷静に考えられる。いくら原村さんの部屋で庇護があるとはいえ、このままじゃ私の立場は明日から最悪なものになるだろう。見えない形での嫌がらせに加えて、職員の目の届かない建物の影での暴力沙汰は日常茶飯事だ。
省9
44: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)00:39 ID:5RlcUHpgO携(3/6) AAS
咲「ううっ……」

この場を収めるにはこの方法しか思いつかなかった。

床に膝をついて、辺りを見渡した。私に対する激しい怒りのオーラが、少し和らいだのがわかった。

多分、皆わかっている。本当に悪いのは私じゃあない。

あの卓に、新人が付いて勝てるわけがないのだ。
省14
45: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)00:57 ID:5RlcUHpgO携(4/6) AAS
淡「ウチラの第1舎の予算はとっくに火の車、そこに更にこんな自体になったら、色々責任問題になるんじゃないかなー」

和「……」

大星さんはもう私の方を見てはいなかった。

淡「ユキ、私、昨日口酸っぱく言ったよね!第2舎からは荒川が大将で来そうって確かな情報があったから、大将は少なくとも室長クラスを出そうって!」

ユキ「確かに、言ってましたね」
省7
46: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)00:59 ID:5RlcUHpgO携(5/6) AAS
ここぞとばかりに大星さんが勢いづいていた。他の寮生達も、何も言わない。ただ、殆どの寮生が大星さんの側についているのは明白だった。

和「うーん……困りましたね」ポリポリ

和「私としては、咲さんの今後のいい経験になると思って、大将に推したんですが」

和「確かに私にこの敗戦の大きな責任はあります」

ざわ……ざわ……
省10
47: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/09(火)01:13 ID:5RlcUHpgO携(6/6) AAS
「太っ腹だよねー原村さん」
「10万点も勝つの、久しぶりじゃない?」
「やっと芋生活も終わりだよー」
ざわざわ

私は、床でうずくまっていた。

原村さんの一言で、お通夜みたいな空気は一変、まるで勝利のあとのように空気が緩んだ。

穏乃「負けたのに、ね」

咲「ふぇ?」
省9
48: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)00:12 ID:Z5HcE9Ryo(1/6) AAS
それから1週間後。

私は講堂で麻雀大会の映像中継をみんなと見ていた。

今週の第1舎のオーダーは、先鋒南浦さん、次鋒二条さん、中堅新子さん、副将真屋さん、大将大星さん。

割りと隙がなさそうな布陣に見えたけれども、結果は芳しくなかった。

大星さんが最後に一人気を吐いて、なんとか総合得点を6万点台に抑えたが、皆苦戦していた。
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49: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)00:14 ID:Z5HcE9Ryo(2/6) AAS
高鴨さんに付き合って畑仕事ばかりしたせいで、すっかり日に焼けてしまった。

あれから試合に出るチャンスは1度もなく、麻雀牌を触らせてさえくれない。

そして第1舎はこんな有様だから、基本的には強い人達だけで毎週試合を回しているらしい。

主力が原村さん、新子さん、真屋さん、片岡さん、大星さんの5人。それにプラスアルファして、滝見さんや南浦さんを加えつつ、その時々で適当に残りを埋めているようだ。

初瀬「自分はあんまり試合出たくないかな。マイナス3万点超えたらあるんだよ、イジメが。宮永さんは原村さんのオキニだからないんだろうけどさ」
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50: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)00:16 ID:Z5HcE9Ryo(3/6) AAS
泉「オーダーは原村さんが決めとるみたいやけど、実際は室長がそれぞれ自分の部屋から1人推薦して決めてるみたいやなー」

咲「部屋4つだよね」

泉「残り1枠は原村さんが指名して決めてるみたいやでー」

咲「あの、1個だけある雀卓は……?私、練習させてもらえないんだけど!」

泉「ああ、あれ。あれの権利持ってるの大星さんやから、大星部屋の連中か、大星さんの仲いい奴しか使えんのや。ウチも大星さんのとこやけど、新入りは触らせてすらもらえんで……」
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52: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)01:59 ID:Z5HcE9Ryo(4/6) AAS
淡「はぁ?試合に出たい?」

大星さんは目を丸く見開いて私の方を見た。

咲「はい。この前は、負けちゃったけど、私がここに来た理由。色々あるけど、麻雀が強くなりたくて。麻雀で、語り合いたい人がいるんです」

淡「和に頼めばいいじゃん。同じ部屋なんだし、和は咲のこと気に入ってると思うよ」

咲「原村さんに頼んでも……原村さん、部屋で麻雀の話しませんし」
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53: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)02:00 ID:Z5HcE9Ryo(5/6) AAS
淡「で、本気なの?」

咲「はい」

まっすぐ、大星さんの目を見る。

淡「基本的には同じ部屋の人を推薦するのがここのしきたり。私だって、室長としての立場があるし、ウチの部屋は結構やる気ある娘多いから」

淡「他の部屋の人、推薦するにはそれなりの理由がないと、多分納得してくれないんだよね」
省9
54: ◆TZolALn9r2 [saga] 2018/01/10(水)02:04 ID:Z5HcE9Ryo(6/6) AAS
大星さんの話は理にかなっている。彼女から見たら、私は麻雀下手くそな生意気な新入りに過ぎない。

でも、どこかでこの評価を覆さないと未来が見えないのもまた事実。幸い、この前の勝負で大負けはしたけれども、麻雀に関して掴めたところもある。

淡「どうしても出たいってなら、条件があるかな」

咲「条件?」

淡「負け分、自分で払うって言うなら推薦してあげる。それなら、他の室長にも話通せるし、他の寮生も納得するよ」
省4
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