監督「しずくさんー!次の死体B役お願いしますね」しずく「は、はい!」 (40レス)
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13: [saga] 10/02(水)02:19 ID:Yqju1EfpO携(13/33) AAS
贅沢な時間が終わり、奢ってくれた部長にお礼を言い、まっすぐ家に帰った。

しずく「ファックッッッ!!!!!」

ガァン!!!!

しずく「名前無しの分際で説教すんな!!!!」

生まれて初めてモノに当たったかもしれない。
家賃3万円の風呂無しアパートの壁が私の拳で凹んでしまった。
けどそれを悔やむ心の余裕すらない。
省8
14: [saga] 10/02(水)02:21 ID:Yqju1EfpO携(14/33) AAS
何処からだろうと手に取ると東京の市外局番からだった。
普段なら知らない番号は取らないが今日はなぜか取ってしまった。

しずく「はい」

『こちら西木野病院です。桜坂しずくさんの携帯で間違い無いですか?』

しずく「えぇ…」

西木野病院はここらで1番大きくて有名な病院だ。
先生が美人で人気があると聞いたことがある。
省2
15: [saga] 10/02(水)02:23 ID:Yqju1EfpO携(15/33) AAS
(西木野病院)

しずく「かすみさん!!」

かすみ「しず子…来てくれたんだ!」

元気に私を迎えるかすみさん。
しかしその顔は先日私と会った時よりもやつれて骸骨のようになっていた。

真姫「栄養失調で運ばれてきたんです。あまりにあなたに会いたいというから本来禁止されてるけど特別に電話したんですよ」
省7
16: [saga] 10/02(水)02:24 ID:Yqju1EfpO携(16/33) AAS
かすみ「最近バイト入れてなかったからあまりセミナーに行けてなかったんだ。少し休んでからまた…」

しずく「かすみさんのバカっ!!!」

かすみ「ひぃっ!!」

しずく「そんな状態になってもあの悪徳商法に縋ろうとするなんて訳わかんないよ!!!」

かすみ「あ、悪徳じゃ無いよ!」
省3
17: [saga] 10/02(水)02:26 ID:Yqju1EfpO携(17/33) AAS
真姫「失礼しました。しずくさん、少し話せますか?」

しずく「え、えぇ」

(廊下)

しずく「あの、さっきは…」

真姫「あの子の言ってる悪徳商法の教祖は紫色の髪の毛をした胡散臭い関西弁を話す女じゃなかった?」
省9
18: [saga] 10/02(水)02:29 ID:Yqju1EfpO携(18/33) AAS
真姫「希も昔はいい子だったんだけどね………」

しずく「そうなんですか?」

真姫「ま、今があんなんじゃ説得力ないか。今日はもう帰りなさい」

しずく「はい…ありがとうございました。失礼します」

(帰り道)
省10
19: [saga] 10/02(水)02:31 ID:Yqju1EfpO携(19/33) AAS
(しずくの家)

しずく「げひゃひゃひゃひゃ……お前を殺すぜー!」

かすみ「やめてしず子ー!!」

しずく「………どう?」

かすみ「うーん、多分落ちると思う」
省5
20: [saga] 10/02(水)02:32 ID:Yqju1EfpO携(20/33) AAS
かすみ「あはは……あとしず子になら殺されてもいいかな〜なんちゃって」

しずく「………」

かすみさんは冗談のように言っているが、私には本気のように思えた。
だから私はかすみさんの両手を握って真っ直ぐ視線を合わせた。

かすみ「し、しず子……?」

しずく「冗談でもそういう事言わないで」
省5
21: [saga] 10/02(水)02:34 ID:Yqju1EfpO携(21/33) AAS
演劇の練習が終わり、今日のスタジオに向かう私。
途中で忌まわしい建物が見えた。

しずく「………」

前回かすみさんと行ったセミナー会場だ。
ちょうど信者達がホクホク顔で怪しい壺やお札を持って出てくるところだった。

私は真姫さんと会話した内容を思い出す。

『あの子と一緒にいてあげて希の矛盾点を自分で気づかせてあげることよ』
省7
22: [saga] 10/02(水)02:37 ID:Yqju1EfpO携(22/33) AAS
しずく「」

監督「今日はいいじゃねぇか死体B役!!本物の死体かと思ったぜ!ひゃひゃひゃひゃ!」

しずく「ありがとうございます!!」

監督「死体が喋んな!!」

しずく「す、すみません」
省9
23: [saga] 10/02(水)02:39 ID:Yqju1EfpO携(23/33) AAS
風に揺られて東條教会の裏手に続くドアがギィギィと鳴っていた。
誰かドアを閉め忘れたのだろうか。

しずく「………」

魔が差した、と言わざるを得ない。
私は考えるより先に足が動いた。
空いているドアを通り、建物に無断で侵入してしまった。

子供ならイタズラで済むが大人の私は不法侵入罪、犯罪だ。バレたら全てを失う。
しかし相手も法を犯している団体だ。
私は躊躇わない事にした。

しずく「何かかすみさんの洗脳を解くきっかけがあるかも……」
24: [saga] 10/02(水)02:41 ID:Yqju1EfpO携(24/33) AAS
1階は全ての部屋の電気が切れており人の気配を感じなかった。

しずく「流石にドアは戸締りされているか……」

敷地内を歩き回るが空いているドアは無い。
もう帰ろうかという時、それは起こった。

花陽「ギャアアアアアアアアア………!!!!」

しずく「っ!?」
省2
25: [saga] 10/02(水)02:43 ID:Yqju1EfpO携(25/33) AAS
しずく「はぁ……はぁ…………!」

まともな叫び声では無い。
中で拷問まがいの事が行われていることを感じさせる声だった。
私は恐怖で足を震わせながら窓を見た。

しずく「これを破れば………」

私は近くにあった石を掴んで窓にぶん投げた!!
バリィン!!と拳ほどの大きさの穴ができたため、手を突っ込みクレセント錠をこじ開け部屋内に侵入した。

そこは事務室のようだった。
私は帰りたい気持ちをなんとか胸の奥に押し込み、真実を明るみにする事にした。
26: [saga] 10/02(水)02:45 ID:Yqju1EfpO携(26/33) AAS
1階に人の気配はない。
だが異様な……お経のような声がかすかに響いていた。

しずく「下から……地下からだ」

私は階段を探す。
かすみさんと行ったセミナー会場に近づくほど声は鮮明に聞こえてきた。

だが地下への道が分からない。

しずく「どこだ……どこだ……」
省6
27: [saga] 10/02(水)02:48 ID:Yqju1EfpO携(27/33) AAS
階段を降りるか逡巡していると地下から声が聞こえてきた。
段々声は近づいてくる。

しずく「やばい……どこかに隠れないと!」

私は掃除ロッカーの中に隠れて階段を観察する。
私が隠れて数秒後に地下から何人も信者達が出てきた。

そこまでは想像していた。
しかし彼らが持っていた「モノ」に私は息を呑んだ。
28: [saga] 10/02(水)02:50 ID:Yqju1EfpO携(28/33) AAS
凛「この遺体はどうします?」

ことりの母「浄化しなければならないから処理場に運ぶぞ」

しずく「嘘でしょ……」

花陽「」

担架に人の遺体を乗せて運んでいたのだ。
その遺体は全裸で体中火傷後が酷かった。
目の前の光景が現実なのか分からず気を失いそうになった。
省4
29: [saga] 10/02(水)02:53 ID:Yqju1EfpO携(29/33) AAS
絵里「しかも開きっぱなしだ!だれか侵入しているんじゃないか!?」

しずく「ひっ!!!」

見つかったわけでもないのに自然と情けない声が漏れ出す。
そして反射的にロッカーのドアを押し除けて出てしまった。
ドアを開ける音を聞いていた信者達がこちらに近づいてくる。

逃げなきゃ!!!

ことりの母「いたぞ!!」
省2
30: [saga] 10/02(水)02:55 ID:Yqju1EfpO携(30/33) AAS
しずく「窓だ!!」

ことりの母「捕まえたぞ!!」

目の前に窓があるのに肩を掴まれてしまう私。
ここで捕まれば先ほどの遺体のように殺されるかもしれない……。

私は以前演劇で学んだ護身術を反射的に繰り出した。

しずく「りゃあああああ!!!!!」
省4
31: [saga] 10/02(水)02:58 ID:Yqju1EfpO携(31/33) AAS
しずく「このまま走って逃げる!」

ガシッ

ことりの母「逃さんぞ!!」

信者はしつこく私の足首を掴んで足止めしてくる。

しずく「離してください!!!」
省7
32: [saga] 10/02(水)03:00 ID:Yqju1EfpO携(32/33) AAS
このまま逃げることもできる。
だが私は自分でも気付かないうちに割れたガラス片を手に取っていた。

しずく「早く逃げないと………」

ことりの母「ひゅー……ひゅー………」

何をしているの私?
こんなにガラスを強く握りしめて……手から血が出ているじゃない。

ザッザッ………
省7
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