【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.1 (996レス)
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1: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:12 ID:UjM5Y6Sh0(1/49) AAS
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※注意

・本作は「ダンガンロンパ」シリーズのコロシアイをシャニマスのアイドルで行うSSです。
その特性上アイドルがアイドルを殺害する描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊・自己解釈要素が含まれます。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。
・舞台はニューダンガンロンパv3の才囚学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

※過去シリーズ
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】
省20
2: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:16 ID:UjM5Y6Sh0(2/49) AAS
_____私はまだ、何者でもない。
3: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:17 ID:UjM5Y6Sh0(3/49) AAS
これから、何者かになって、階段を駆け上がって、光を浴びて、

そこでようやっと名前をもらう。

他の誰かに認識される。
他の誰かに記憶される。
アイデンティティとは、そうやって生み出されるものだ。
個人を決定づけるはずのものなのに、単独では完成し得ない矛盾を孕んだ要素こそがアイデンティティなのだ。

だから私は、必死に手を伸ばした。
この手の中に自分自身のアイデンティティがほしくて。
誰かにこの手を握ってほしくて。
省5
4: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:18 ID:UjM5Y6Sh0(4/49) AAS
私はそこでようやっと置かれている状況に気づいた。肌から伝わってくるひんやりとした感覚、息を吸うたびに喉にまとわりつく埃。
そして何より、手も足も曲げ伸ばしが自由にできないほどに窮屈であるということ。

「な、なんで……?!」

壁を壊そうと握り込んでハンマーのように何度もぶつける。
ゴンゴンと大きな音が響き渡り、そしてやがて……

バーン!

やっと、外に出た。
5: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:19 ID:UjM5Y6Sh0(5/49) AAS
「……痛た」

突然に解放されたことで、体重と勢いそのままに床に倒れ込んだ。

このお間抜け丸出しのちんちくりんが私。
下手すれば、そこらの街中で紛れ込んでしまいそうな凡庸な見た目だけど……
【アイドルである】という大きな個性がなんとかそれを食い止めてくれている……
そんな、ごくごく普通とはちょっとだけ違う女子高生。

七草にちか、16歳……アイドル。

こんにちは、私。
この滑稽で物哀しい物語の、お粗末な主人公さん。
6: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:20 ID:UjM5Y6Sh0(6/49) AAS
「なにこれ、監禁……?! 私なんか拉致ってもビタ一文出ないだろうに……」

落ち着きを徐々に取り戻した私は、打ち付けた肘をさすりながら立ち上がった。
自分が監禁されていたのは金属製のロッカー。
あまり使われていないのか埃が溜まっている様子。
幸い、中に雑巾付きの箒なんかはなかった。
ばっちいじゃなくて、薄汚い止まりだったことにわずかに感謝をしつつ、視線を周囲に移す。

……机が群生している。
机が生えてくる畑でもあればまさにこんな光景なんだろうなというぐらいに机が並んでいる。
それと向き合うようにして壁に取り付けられた黒板。その上には太陽のような顔してスピーカーが取り付けられている。
省5
7: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:21 ID:UjM5Y6Sh0(7/49) AAS
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

確か、バイト帰りじゃなかったっけ。
店でポップ作りに勤しんでて、知らず知らずのうちに随分と熱中。遅くまで残っていた。
ああ、明日はダンスレッスンだし早く帰らなきゃなとか、昨日のバラエティで芸人さんのいじり酷かったなとか、そんなことを考えながら、ぼーっと道を歩いていた。
うら若き乙女なんだし、多少警戒とかした方が良かったんだろうけど……安全に飼い慣らされていた私はそんなこともせず。

ただぼーっと、歩いていた。

そしたら突然後ろの方から急ブレーキの音が聞こえて、慌てて振り返ったら

「〜〜〜〜〜っ?!」
省2
8: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:23 ID:UjM5Y6Sh0(8/49) AAS
ああ、だめだ。結局なにも思い出せてないのと変わりない。
自分の記憶をいくら掘り起こしても出てくるのは使い物にならないものばかり。
私がここにいる理由、そしていつからここにくるのか。
その答えはいくら考えても出てきそうになさそうだ。

「はぁ……」

自分の無力さを噛み締め、あまりの使い物にならなさを嘆いていてため息をついた。

その時だった。

ガタガタッ
省7
9: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:25 ID:UjM5Y6Sh0(9/49) AAS
ダンッ!

ロッカーから吐き出されたその人物には見覚えがあった。
まんまるな頭に黒い髪、その中にはアクセントとして黄色いラインが走っている。
忘れたくても忘れられず、いつからか悪夢のように付き纏うようになって、視界にこびりついていた彼女。

「一体どうなってんだよ……痛た……」

【斑鳩ルカ】、美琴さんの元相方さんだ。

「……あ?」
省5
10: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:26 ID:UjM5Y6Sh0(10/49) AAS


ルカ「オマエか、オマエがやったのか……?!」

にちか「は、はぁ……?! 常識で考えてくださいよ、そんなわけないじゃないですか!」

ルカ「じゃあ事務所で、事務所単位で嵌めたのか?!」

にちか「いやいや……ちょっと落ち着いてください。私も斑鳩さんと同じで……今目を覚ましたところなんですよ」
省7
11: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:28 ID:UjM5Y6Sh0(11/49) AAS
ルカ「……ん、なんだこれ」

すると、机の棚に手を突っ込んだ斑鳩さんが何かを引っ張り出す。
ハガキ代ほどの大きさの紙にはデカデカと何か書かれているのが距離をとっていても確認できる。
近くに駆け寄り、肩の向こうから覗き見る。

にちか「『入学式のおしらせ』……?」

学校からの案内というにはあまりにもお粗末すぎる。
パンフレットというよりは子供の落書き。クレヨンで殴り書きしたかのような書体に、会場までの案内図は線がガタガタ。
かろうじてその会場が体育館であることだけが読み取れる程度の情報量。
あまりにも適当すぎる代物に、違和感を通り越して呆れすら覚えた。
省2
12: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:29 ID:UjM5Y6Sh0(12/49) AAS
にちか「や、別に良くないです? 私だって今の状況知りたいんですよ」

ルカ「……」

にちか「ちょっと〜……」

こっちの言葉は聞く気なし。どこまでも非協力的な姿勢を貫きたいらしい。
普段なら、別に見逃していた。自分だって、この人の存在をできる限り視界に入れたくはないし、仕事をする上での厄介者同士だと思っている。

でも、今は状況が状況だ。
全てが未知と不可解で囲われた中で、唯一この人の存在が既知の存在。地獄に垂らされた蜘蛛の糸のようなものと言ってもいい。
ここで決別なんかしたところで、お互いにメリットなんてないのは分かりきっているだろうに。
省6
13: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:30 ID:UjM5Y6Sh0(13/49) AAS
にちか「……はぁ、もう」

それならもういっそ、無理矢理にでもこっちを向けてやるしかない。
幸い、そういう経験は事務所で何回も積んでいる。デスクワークにお熱なあの人に、世話を焼かせるたびに何でもやった常套手段。
ここでやらなきゃ、何処でやる……?!

にちか「むきむきにちか〜!」

ルカ「……」

斑鳩さんは確かにこっちを向いた。
注意関心を引くという一点に於いては作戦は見事成功。
その他のマイナス要素に目を瞑れば。
省8
14: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:32 ID:UjM5Y6Sh0(14/49) AAS
ルカ「……とりあえず、ここから出るぞ。ここが学校にせよ、何にせよ。全貌を掴まないことには何もできないからね」

にちか「そうですね……さっきの紙に従うなら体育館に行ったほうがよさそうですけど」

ルカ「はぁ? ンなもん、罠に決まってんだろ」

にちか「……でも、こんなよくわかんない監禁をしてきた相手ですよ。下手に歯向かうと何されるか分からなくないです?」

ルカ「……チッ、じゃ、とりあえずは体育館目指すか」
省4
15: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:33 ID:UjM5Y6Sh0(15/49) AAS
にちか「な、なにこれ……?!」

ルカ「メ、メカ……?!」

私たちの体躯の数倍はありそうな青の機体に、ガトリングやら破砕機並みのアームやらが取り付けられたロボットが、待ち構えていた。

ルカ「や、やばい……逃げるぞ!」

にちか「えっ、ちょっ……先行かないでくださいよ!」
省6
16: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:34 ID:UjM5Y6Sh0(16/49) AAS
『あら? こっちに逃げてきちゃダメよ〜?』

ルカ「マジか……くそ、一体だけじゃねーのかよ!」

にちか「斑鳩さん、道変えましょう! 道!」

途中敵の増援が現れ、逃げ惑う場面もあったけれど、なんとか命からがらその場所へと辿り着く。
スチール製のスライドドア。上下左右にどっしりと広く壁を構えた、ドーム式の形状。
幼少期よりよくよく見慣れたその造形で、一眼にこれが体育館であると理解する。

ルカ「はぁ……はぁ……クソ、ひとまずここに退避するぞ」
省4
17: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:36 ID:UjM5Y6Sh0(17/49) AAS
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【体育館】

「あれ? にちかちゃん、にちかちゃんだ! おーい! 大丈夫? 怪我はない!」

私の名前を呼び、大きく両手を振る少女。
仰々しい天井の光に照らされ、いつも以上にその金髪のツインテールが輝く笑顔には見覚えがあった。

にちか「あ、あれ……?! 八宮さん……?!」

同じ事務所に所属しているアイドルの、【八宮めぐる】その人だった。
ただ、私たちを待っていたのは彼女だけではなかった。
省7
18: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:38 ID:UjM5Y6Sh0(18/49) AAS
夏葉「二人とも、早くこちらへ。あの機械たちはどうやらこの体育館の中には入ってこないようだから」

樹里「にちかとルカさんを入れて……これで16人か」

凛世「もうこれ以上……どなたも逃げてはこないのでしょうか……」

集められているメンバーはまちまちだ。
特に人選に明確な規則性は見当たらない。年齢もバラバラで、ユニットによっては全員が集まっていないところも見受けられる。

にちか「あ、あの……美琴さんを誰か見ませんでしたか?!」
省6
19: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:39 ID:UjM5Y6Sh0(19/49) AAS
にちか「……そんな」

夏葉「今は無事を祈るほかないわ……外に出ればあの機会が待ち受けている、今の私たちはここから出られないようだし」

にちか「で、でも……今こうしてる間にもあの機会に捕まってたりしたら……!」

思わず掴んだ両肘。
有栖川さんの両肘は震え、視線を落とせば指先が手のひらに食い込むほどに力が篭っていた。

夏葉「堪えてちょうだい。果穂と智代子の姿がなくて……私だって本当は探しに行きたいの」
省6
20: ◆vqFdMa6h2. [saga] 2023/05/27(土)21:41 ID:UjM5Y6Sh0(20/49) AAS
甜花「千雪さん……大丈夫、なのかな……」

甘奈「ダメ……携帯も繋がらない……それに、そもそも圏外になっちゃってる……」

あさひ「……あれ?」

愛依「どしたん、あさひちゃん?」

あさひ「……何か聞こえるっす。地響き? いや、これは……」
省7
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