真・恋姫夢想【凡将伝Re】5 (444レス)
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(1): 一ノ瀬◆lAEnHrAlo. [saga] 2022/05/16(月)22:36 ID:YFoWzSuU0(1/4) AAS
「で、どこまでやる気なんだ?」

張紘の問いが室に響く。
義兄弟三人が集まり酒を酌み交わし、久闊を除していた席のことである。
まあ、宴席の場が紀霊の執務室であったのは多少の問題があるかもしれないがよくあることである。
なにせ、防諜的な意味では万全であるし、楽進や典韋などという最上級の料理人が料理を提供してくれるのだからして。
火酒に柑橘の汁を搾り湯で割ったものを喉に流し込み、いつになく饒舌な紀霊のふとした沈黙に問いかけたのは既定路線ですらあったかもしれない。

「経済制裁、やるなら母流龍九商会(うち)がその尖兵となるだろうからな。
 ある程度の見込みは聞いときたい」

素面では聞けないし言えない。
張紘というのはそれくらいには善性の人格である。それをよく知る沮授は黙って杯を重ねる。
省27
93: 一ノ瀬◆lAEnHrAlo. [saga] 2022/05/16(月)22:36 ID:YFoWzSuU0(2/4) AAS
◆◆◆

どこまでやるか。
聞いてしまった。聞かずにはいられなかった。即座に答えがなくてよかった。いや、ない方がよかった。
紀霊というのは袁家という、傍目には蟲毒の集団にいるとは思えないほど清冽で、善性で、快男児であった。
その人格は自分を拾ってくれたあの時と変わることなく、まぶしく映る。
だからこそ、彼にそんなことを決めてほしくなかった。選ばせるつもりはなかった。
そうして、生じた沈黙を都合よく解釈していたのだが。

「……田畑に塩、井水に毒まではやらない」

やりたいことではなく、やらねばならないことに真正面から向き合い、まっとうするのだ。紀霊という男は。
そして、今回についてもそうなのだな、と再認識する。
省9
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(1): 一ノ瀬◆lAEnHrAlo. [saga] 2022/05/16(月)22:38 ID:YFoWzSuU0(3/4) AAS
「いや、すっきりした。これはきちんと。そう、きっちりと方針を発信せんといかんところだった。
 ありがとうな、張紘。いつだってお前は俺を正しくしてくれるよ。
 ほんと、お前に会えてよかったよ」

「よせやい、おいらこそ拾われた身さ。
 恩、って言うとお前は嫌うけどな。
 おいらは拾われたのが二郎でよかったと思ってるよ」

むしろ、とも思う。だから、多分、田畑に塩。井水に毒。
そんなことを言われても付き合ったろうなと思う。いや、もっと悪辣な施策であっても、だ。
民を数字として見ることに慣れすぎていて、それを自覚してなお前を向く。
顔も名前も知らない数字の一つのために世を糺す。
省33
95
(1): 一ノ瀬◆lAEnHrAlo. [saga] 2022/05/16(月)22:39 ID:YFoWzSuU0(4/4) AAS
本日ここまですー
感想とかくだしあー

今回の題名はなにかな
面子、くらいを考えていましたがちょっち違うわね

よろしくお願いします。
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