真・恋姫夢想【凡将伝Re】5 (444レス)
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36: 一ノ瀬◆lAEnHrAlo. [saga] 2022/03/07(月)21:56 ID:K6OXCmyW0(3/5) AAS
あっけにとられて放ったその言葉をきっかけにその場の空気が一気に緊張を孕む。
流石だな、と曹操は内心彼女に対する評価を二段階ほど上げる。
そこに気付くのはかの馬騰の薫陶なのであろう。本来の彼女はそのような些事に興味を抱かないほどに天衣無縫であったのだろう。
その天女に、地に足をつけさせた馬騰の手腕、いやさ親心に曹操は口を緩ませる。
「そこの馬鹿娘が言った通り、です。
つまり、この漢朝。それは実質華琳さまの御手にあると言っていいでしょう。
忌々しいあの、目の上のたんこぶである袁紹を除いて今上陛下を手中に収めることも可能。そう、このような好機、ないでしょう」
荀ケのその言葉。
瞬時に張遼は激昂する。
「あほか!月や詠の過ちを繰り返すんか!そんなもんな!」
その、張遼の言葉を遮ったのは夏候惇である。
「霞。
――少し黙れ」
異例である。
夏候惇は常に曹操の言を受けて動くのみ。思うままに言葉は放つ。それは全て主である曹操の判断基準のためのもの。
だから曹操の決に口を挟むこともないし、その前段階にて言の葉を発することもなかった。
だからこそ荀ケが戸惑う。
「アンタ……」
荀ケが更に何か言おうとするのを、ニヤリ、と口角を歪める。
「華琳様。私としては、二郎に肩入れしていただきたく」
曹家の大剣。一の家臣。夏候惇である。
その言は、重い。
そして夏候惇はそれを知って、言うのだ。言ったのだ。
「……へえ、どうしてかしら?」
曹操の問い。
ふむ、と夏候惇は頷く。それはそうだろう。これまで曹家と袁家は、裏でも表でも激しく争ってきていたのだから。
「なに、生まれてくる子。父(てて)なし子にするのは可哀想だな、というだけのことです」
愛しげに腹を撫でる夏候惇。その光景にその場が凍りつく。
「あ、アンタ、正気?華琳様以外に身体を許すとか、ありえないでしょうが!この、この……!」
荀ケの弾劾を、夏候惇は余裕を持って受け止める。
「だから貴様は馬鹿なのだ。血を繋いでなお華琳様に忠節を。
それが私の、夏候家の家長たる私の役目。
少なくとも私はそう思っている。そしてその子種として二郎以上の男がいるものかよ」
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