カルネアデス・プリズム(名探偵コナン×竜とそばかすの姫) (156レス)
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12: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/10(水)20:01 ID:mpYq59rk0(12/13) AAS
「ああ、グラタンはいつも通り美味しいわよ。
仕事柄、詳しい事は言えないんだけどね。
先生も私も随分手を尽くした仕事で結果がBAD END。
しかも、理由が全然関係ない只々ありふれたハードラック。
それでぷっつり終わりなんだからやり切れない」

「お疲れ様です」

「うん」

安室の労いに緑が返答し、緑は食事に戻る。

「御馳走様」
省10
13
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/10(水)20:03 ID:mpYq59rk0(13/13) AAS
「ええ、資料の整理をね。
只でさえ気が重い事件で気が重い終わり方だったのに、
だからこそ、今回は貴重な案件だから
うん十年後に回顧録が書ける様に記録しておくって先生がね。
もちろん表に出す時は分からない様に脚色する事になるけど、
早い内に記録は整理しておくって」

「特に記憶は変わってしまいますからね」

「そういう事」

安室の言葉に緑が答える。
省7
14: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:42 ID:bhK3+YVq0(1/12) AAS
それでは今回の投下、入ります。

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>>13

 ×     ×

「哀ちゃん?」
省14
15: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:46 ID:bhK3+YVq0(2/12) AAS
「ふうん。じゃあガキンチョと一緒で良かったんじゃない?
哀ちゃんならついでに一人ぐらい乗せてくれたでしょう」

「別に、電車とバスで来られる場所だから
そこまでしてもらう事でもないわ」

「ふうん」

何処か意味ありげな園子に、哀はちょっとじとっとした視線を向ける。
そして、園子は、後々の事を考えて
「蘭ねーちゃん」と言ってみたい衝動を懸命に堪えていた。
そのまま、到着したバスに乗り込む二人だったが、
省16
16
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:48 ID:bhK3+YVq0(3/12) AAS
「じゃあ、俺は仕事して来っからよ」

「うん」

毛利小五郎と蘭が言葉を交わす。
かくして、防犯アドバイザー兼地域番組ゲストとして
招待されていた小五郎と一旦別れ、
園子を含む一行は近くの河川敷へと出発した。

ーーーーーーーー

「メイプルリバー杯、高校生の部」
省17
17
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:50 ID:bhK3+YVq0(4/12) AAS
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「あちらに見えますのがー、
西多摩市北部住民センターでございまーす」

何か思う所があったのか、道路に戻り暫く歩いていた一行の先頭で、
鈴木園子は開き直ったかの様に前方に見える建物を案内した。

「に、してはちょっとお洒落だね。ロッジみたいだ」

半ば林に埋もれる様に見える瀟洒な建物に、真純が感想を漏らす。
省18
18: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:52 ID:bhK3+YVq0(5/12) AAS
「空手だね、蘭君の知り合いかい?」

「まあね、ちょっと驚かせてやろうって思ったんだけど、
僕の方が驚いたかな? 少し会わない間に
バリツ使いからブルース・リーに乗り換えたのかな毛利君?」

「ボクが蘭君の? それは光栄だね。
確かに、蘭君はウィザード級の絶対的完全犯罪スペシャリストを
向こうに回してでも逢瀬を楽しむに値するぐらいには魅力的だからね。
だけど、郵便受けに人形が踊って、空気孔からロープが這い出た部屋の暖炉に
呪いの附木を放り込まれてから誤解でした、なんて喜劇は御免被るよ」
省16
19
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:54 ID:bhK3+YVq0(6/12) AAS
真純の問いに園子が答えた。
確かに、160センチを過ぎた辺りかと言う、およその所は中肉中背。
さっぱりショートカットした艶やかな黒髪に
やや童顔で黒目がちの整った顔立ちは美少女寄りの美少年を思わせる。
癖っ毛でやんちゃっぽさが先に立つ真純とも好対照とも言えたが、
逆に、ミチルの方はほっぺの絆創膏が玉に瑕だった。

「世良真純、最近帝丹高校に転校した蘭君、園子君のクラスメイトだ」

真純が名乗りを上げ、右手を差し出す。

「改めまして、ういしみちるです、よろしく」
省11
20: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:56 ID:bhK3+YVq0(7/12) AAS
「そ、ミチル君は蘭のライバルだからね。
港南高校女子空手部のエースで応援団の花形。
渾名がミチル君で十人に一人はミチル様。
港南の王子様とは彼女の事よ」

園子が、何故かオーホホホと高笑いでもしそうな勢いで簡潔に説明してくれた。

「そうそう、甲子園でも格好良かったんだから」

「ああ、聞いたよ。あの時は大変だったね」

(ああー、大変だったよ。
流石にオメーの晴れ姿迄は気が回らなかったな)
省5
21: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)02:58 ID:bhK3+YVq0(8/12) AAS
「王子様、ねぇ」

「ん? ………うげっ」

真純の視線を追って、園子がたじろいだ。

「ちょっとそれ、
前会った時は世良ちゃんよりちょいマシぐらいだったじゃない」

「何気に失礼だな、園子君は。
ボクらでついついネタにしてるものだから、
失礼したの、ボクから謝るよ」
省19
22: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)03:00 ID:bhK3+YVq0(9/12) AAS
「マイクロフトだったかな、毛利君の想い人は?」

「ミチルくんっ!」

「ボク、新一兄ちゃんの親戚だからー」

「ほおー」

つ、つ、つ、と顔の向きを正面に戻したコナンは、
にっこり笑う澄んだ瞳を見て、洪水の汗をイメージしていた。
省13
23: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)03:02 ID:bhK3+YVq0(10/12) AAS
「君の正体は、さしずめ謎の秘密結社に改造手術を受けて小さくなった
平成のシャーロック・ホームズと言った所かな?」

「そうなんだ。ボクの正体は
改造手術を受けて変身能力を身に着けた仮面ヤイバーなんだー。
ワァーッハッハッハッ」

両腕を斜め上に向けて高笑いするコナンの前で
振り返った路留はくくくっと笑い、
年下の男をうまくだましてケッコンしたおばさんやら
名○偵○シンなるキャラクターやらが出没するアニメであれば
省6
24: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)03:04 ID:bhK3+YVq0(11/12) AAS
「………灰原」

「言っておくけどブスとか鴆毒とか
ソクラテスニンジンとかの処方はやってないから
スコップでも枕でも自分で用意してちょうだい」

「ああ、俺は旅に出る。探さないでくれ」

「大丈夫よ、あの子達にはちゃんと説明しておいてあげるから
新キャライケメングラマーお姉ちゃんに迫られて
蘭姉ちゃんの眼前で見せた江戸川君の勇姿をmovieで見せたら
説得力十分でしょう。まあ、仮面ヤイバーを
省16
25
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/11(木)03:07 ID:bhK3+YVq0(12/12) AAS
「お疲れ様」

目の前の哀が目を見張った、と、思った時には、
コナンはほぼ真横から頬の触れ合いそうな距離で路留の声を聞いていた。
思わず「ひっ」と声を出して
後退しようとしたコナンの背中がぼんっと跳ね返される。

「可愛いお子様、って言うのも大変だね」

それだけ言ってコナンの後ろで立ち上がった路留は、
ひらひら手を振ってその場を離れる。

「あれれー、気に入られちゃったかなー」
省9
26: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:00 ID:5h8GnX5I0(1/8) AAS
それでは今回の投下、入ります。

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>>25

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「ちょっと待って、忘れ物」
省20
27: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:03 ID:5h8GnX5I0(2/8) AAS
ーーーーーーーー

「ねえ、ここ応援生徒の控室があるんだよねっ?」

立て続けの乾いた爆発音を追って二階に上ったコナンが、
並走する路留に尋ねた。

「そうだよ、実行委員会で僕らのために
二階と三階の部屋を借りてくれてるんだ」

世良を先頭にコナン達が到着したのは、
階段もある二階エレベーターホールだった。
省20
28: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:04 ID:5h8GnX5I0(3/8) AAS
「やだ、やだ、たす、やだ………」

「踏み込もう!」

「そっちかっ!!」

中からの声を把握したコナンが提案した時に、
職員を連れてエレベーターホールを出た小五郎の声が聞こえた。

「女の人の悲鳴が聞こえた、ここから助けを求めてる」
省19
29: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:06 ID:5h8GnX5I0(4/8) AAS
「おっし、落ち着け、大丈夫だ」

「呼吸を整えて、張り付いてるなら無理に動かさないでいいから、
動くならゆっくり手を動かして」

少女に駆け寄り、汚れていない二の腕や鎖骨を取りながら
声を掛けたのは小五郎と真純だった。

「これ、誰かにやられたのか?」

「分から、ない」
省17
30
(1): 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:07 ID:5h8GnX5I0(5/8) AAS
「もしもし、……です、こちらに刃物で顔を切られた女性がいます。
消防と警察に連絡を、それから………」

「蘭君、119番に電話を、まず救急車と警察への連絡をオーダーして。
指令台がパンクしない程度なら情報伝達は複数でも確実な方がいい。
園子君は部屋の撮影を頼めるかな。
踏み込んでしまった場所からなるべく動かない様になるべく満遍なく」

「うん」
「分かった」

真純の言葉に蘭と園子もスマホを取り出す。
省10
31: 探竜唱◆2k5pFFm6nI [saga] 2021/11/14(日)02:09 ID:5h8GnX5I0(6/8) AAS
ーーーーーーーー

「どう? 動ける?」

「ちょっとうるさい、うん、大丈夫」

「分かった」

当たり前だがしんどそうな被害者の様子を確認すると、
真純は近くの長机をスマホで念入りに撮影する。
省14
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