見滝原に微笑む刹那(まど☆マギ×ネギま!) (685レス)
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556: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:40 ID:ioJ43ves0(1/21) AAS
それでは今回の投下、入ります。

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>>555

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「取り敢えず、刹那さんがごく最近、
このメガロメセンブリアにいた事は間違いないね」
省22
557: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:43 ID:ioJ43ves0(2/21) AAS
「?」

ほむらとさやかが見た相手は若い女性。
後ろから見ると民族衣装風の被り物が長く垂れているが、
二人の目は、ずれたサングラスの向こうに見えるキツネ目と、
大胆に切れ込んだワンピースから
半ばはみ出したたわわな膨らみに吸い寄せられていた。

「尋ね人かなお嬢さん達?」

ーーーーーーーー

裕奈がついっと目で促し、魔法使い二人、魔法少女二人は
省17
558: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:46 ID:ioJ43ves0(3/21) AAS
「待ってくれ、メイ、あんたも見ただろう、かずみに会ったんだろう?
かずみは、かずみは生きてるんだ、かずみはかずみなんだ。
大丈夫、大丈夫だ、かずみは大丈夫だ、
今回は上手く行ってるんだっ!」

「今回は?」

愛衣がぽつりと漏らした言葉に、
縋り付かんとしていたカオルが動きを止めた。

「今回は、ですか?」

いい加減のぼせを考えるぐらいに湯の中にあって、
省15
559: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:49 ID:ioJ43ves0(4/21) AAS
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ざばっ、と、愛衣が立ち上がる。
そして、つかつかと移動し、掛け湯を浴びて水風呂にずぶんと身を沈める。
愛衣が戻って来るのに合わせる様に、他の三人も泡風呂を上がると、
丁度空いていたメイン浴槽で四人が合流した。

「ってる………分かっ、てる」

熱めの湯に浸かりながら、やや落ち着いたとは言え佐倉愛衣から
突き刺さる様な視線を向けられていた牧カオルが、伏せていた顔を上げた。

「分かってる。あたし達は何を言われようが文句の言えた筋合いじゃない、
省16
560: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:52 ID:ioJ43ves0(5/21) AAS
「私達の口を塞いで、ちょっとでも稼いだ時間の間に
かずみちゃんと姿を消す」

そう告げて睨み付ける裕奈を、海香は静かに見据える。

「そんな事を考えてるんだったら、
あんたらがどうにか出来るのは一人だけ。
例え、刺し違える事になったとしてもね」

裕奈の手が緩み、カオルがゆっくりと距離を取る。

「だから、教えてくれないかな。
あの日、図書館島で何があったのか」
省15
561: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)03:54 ID:ioJ43ves0(6/21) AAS
「あら」
「ありゃ」

声を出したのは、巴マミと明石裕奈だった。

「珍しい取り合わせだな」

マミの背後で杏子が言った。
その間に、メイン浴槽の面々は湯を上がってマミ達に接近する。

「そっちこそ、一緒に温泉とか来るんだ?」
「お仕事の帰り」
省15
562: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:02 ID:ioJ43ves0(7/21) AAS
「入りましょう、あちらにはあちらの都合があるんでしょう」
「そうさせてもらうか」

そう言って、マミは手近なジェットバスに入る。
手すりに腕を絡めてジェットを背中に当て、
マミは身を反らせてご満悦にんーっと唸る。

「おー、気持ちよさそう」

マミと杏子と裕奈が三連のジェットバスを堪能している間、
魔法使い一人とあすなろの魔法少女二人は
気泡超音波風呂で体を温める。
省16
563: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:05 ID:ioJ43ves0(8/21) AAS
「改めて、デタラメな魔法の規模。
あなた達は間違いなく儀式魔法を、
恐らくは外付けの膨大な魔法知識から欲した事を検索し、
表示されたやり方を成功させる程度には使いこなしている」

「ええ、それで合ってるわ。
もちろん色々研鑽はしたけど多くは私の固有魔法。
そんな箱庭に現れた彼女は、
既に私達ですら存在の認識を失っていた特殊システムを精査して、
その欠陥を教えてくれた。
省18
564: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:10 ID:ioJ43ves0(9/21) AAS
「だけど、それ以上に、惹かれたのよ。
彼女は、そもそも私達が図書館島を欲したその気持ちを理解してくれた。
ゲートの分析、それ以前にあそこに到達する迄は
決して平坦な道のりではなかった。
それでも私達は、求められた通りにあの日、あの時に
求められた条件でゲートを発動させた。
それは、私達がそれをしたい、と思ったから」

「それは、理解してくれたから?」

裕奈の問いに、カオルが小さく頷く。
省12
565: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:11 ID:ioJ43ves0(10/21) AAS
ーーーーーーーー

「有難うございます」

桜咲刹那に緑茶の湯飲みを渡され、
ぺこりと頭を下げる鹿目まどかに刹那は優しく微笑んだ。
準備が整う迄と言う事で用意されたホテルのツインルームで、
まどかと刹那はツインのベッドに腰かけながらの一時を過ごしていた。

「あの話には、少々続きがあります」

刹那が口を開き、まどかは、
刹那に合わせる様にサイドテーブルに湯飲みを置いた。
省13
566: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:13 ID:ioJ43ves0(11/21) AAS
「だから、年を取らない、死なない、です。
実際には許容量を超えたダメージで死ぬ事もあるらしいですが、
大概の事では死にませんし、
多くの場合死の原因となる老いとも無縁の身となりました」

「えー、と、それってとっても、凄い、って言うか」

「ええ、古今東西の英雄、権力者の中には
その全てを懸けてでも欲した者もいます。
莫大な富と権力を得ながら、だからこそ、
それを永劫のものとしようとして、只一つままならぬ最期の時を恐れ、
省14
567: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:14 ID:ioJ43ves0(12/21) AAS
「そんなのって………」

「ええ、人の身として、それは本来とても辛い事です。
ネギ先生の様に、大勢の人達から慕われているなら尚の事、
その人達全てと別れても尚、生き続けなければいけない。
その事がずっと続くのですから。
しかし、ネギ先生はそれを受け容れて今、
二つの世界を救う為に奔走しています。
その計画の遠大さと障害の大きさを考えるならば、
魔法世界の英雄、王族の血筋であり、
省22
568: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:16 ID:ioJ43ves0(13/21) AAS
「その通りです。魔法世界に生きている者は誰も、
この世界で心を持ち生きて生活しています」

「ですよね」

「ですけど、その核となる魔力の枯渇により、
魔法世界の人々は、人々も動物も草木も建物も何もかも、
その世界そのものが消滅の危機を迎えた。
その解決策を巡る争いこそが、
夏休みに起きた私達、ネギ先生初め私達が戦った事件の本質です」

「消え、る、解決策………はい、確か、そんな映画だったと」
省20
569: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:18 ID:ioJ43ves0(14/21) AAS
「ええ、普通に考えても、火星が緑の惑星になるためには
とてつもない資金と労力、そして、時間がかかります。
あらゆる力を用いて縮めるにしても限度がある。
そして、計算上、どんなに早く計画が遂行されたとしても、
魔法世界の滅亡に追い付く事はあり得ない。
例え私達の全世界の総力を挙げたとしても、
計画が実現する前に魔法世界は滅亡します」

「それ、って、それじゃあこの世界は、ネギ先生が不老不死にっ」
「ええ、ですから、もう一人いるのです」
省23
570: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:20 ID:ioJ43ves0(15/21) AAS
まどかは、刹那の懐かし気な横顔を見る。
そう、まどかがパーティーで出会った時も、
あの可愛らしい、そして精悍な男の子、ネギ・スプリングフィールド。
そのネギと明日菜の関係は実に気楽な、
僅かな時間会っただけのまどかにも、仲の良い姉弟の様、
と言う刹那の言葉の真実がよく分かるものだった。

「本来は秘密である筈が、アスナさんにはネギ先生があの学校に来て即日に
ネギ先生が魔法使いだと言う事が発覚したと、
今思えば背筋が寒くなる笑い話です。
省17
571: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:21 ID:ioJ43ves0(16/21) AAS
「アス、ナ………あれ? アスナ、って、お姫様………」

「はい。アスナさんは、黄昏の姫君、そう呼ばれていた魔法世界の姫君でした。
魔法世界の中でも極めて希少な能力を持つ血筋である故に、
その人格は実質封じられ、戦争に於ける兵器として利用されて来た。
ええ、利用されて来たんです。

子どもの姿のままの百年余りを経て、そんなアスナさんを救出したのが
ネギ先生の父、ナギ・スプリングフィールド、
加えて、このかお嬢様の父上、当時の青山詠春氏を含む一団「紅の翼」でした。

「紅の翼」に救出されたアスナさんは、魔法に関わる記憶を封印され、
省17
572: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:23 ID:ioJ43ves0(17/21) AAS
「いえ、少々長いお話でしたので。
アスナさんは、ネギ先生と共に、この夏休みに発生した
魔法世界の滅亡危機を回避する事には成功しました。
しかし、魔法世界を支える魔力の枯渇により、
遠からぬ未来に魔法世界が滅亡する事に変わりはない。
それを回避するために、不老不死の身となったネギ先生は
魔法世界の依代である火星の開発に着手していますが、
時間が足りません、百年程」

「百年、ですか」
省21
573: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:24 ID:ioJ43ves0(18/21) AAS
「詰まりは浦島太郎ですね。
ですけど、浦島太郎の場合は竜宮城に行く前の記憶があります。
しかし、目覚めるアスナさんはその記憶すら失っています。
果たしてどちらが幸せなのか」

「幸せ、って、そんな、そんなのってないよっ!」

最後に自嘲めいた笑みを聞き、まどかは叫んでいた。

「だって、だってあんな、アスナさんあんなに、
みんなと一緒に、あんな、笑って………」

多分、さやかであれば
省22
574: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:26 ID:ioJ43ves0(19/21) AAS
「そんな、アスナさんだから、自らのルーツ、故郷、
そして、そこで出会った人々、自分を助けてくれた、
そのために命を懸けた人々、そうである人、
そうでない人達が生きる世界のために、自らの犠牲を選んだのです。
今迄出会い、共に歩んで来た人達との未来を失い、培って来た思い出を失い、
目覚めた時にはネギ先生以外の知り合いの誰もがその天寿を全うした後。
そうなったとしても、アスナさんはその道を、選ばれました」

「そんな………」

ふうっと息を吐き、説明を終えた刹那に、まどかが呟く。
省22
575: mita刹◆JEc8QismHg [saga] 2018/03/08(木)04:29 ID:ioJ43ves0(20/21) AAS


神様でも

ない限り


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