ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第三幕 (469レス)
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1: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:16 ID:CXQiijtko(1/12) AAS
ミュウツー『……これは、逆襲だ』
ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
の続きです

・本編ゲーム(赤緑〜XY)の設定をベースに、『逆襲』の設定、首藤要素、妄想を盛り込んだ世界です

・『逆襲』のミュウツーが、ななしのどうくつからヤグルマのもりへ飛び出します

・そんなミュウツーが、ヤグルマの森でいろんなポケモンや人間たちと出会います

・人間キャラ、肩書きの設定もおおむねゲーム準拠、アニポケ由来のキャラはほとんどいません
省4
2: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:19 ID:CXQiijtko(2/12) AAS
見慣れた寝床がようやく見えてきた。

木肌は青白く、ぼんやりと光っている。

月明かりと、地面に落ちた淡い反射とを受けている。

暖かみのある色ではないのに、心のどこかでほっとした。
省18
3: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:23 ID:CXQiijtko(3/12) AAS
ミュウツー『いや、その……』

ダゲキ「ほんとうに、ごめんね」

ミュウツー『……まあ、気にするな』

本音を言えば、ぐったり疲れている。

肉体的にというよりも、どちらかといえば精神的にだ。
省17
4: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:26 ID:CXQiijtko(4/12) AAS
ミュウツー『だが、だからどうしたというのだ』

いやな空気だ。

あまりいいものではない。

刺さなくていい釘を刺そうとしているような気もした。

ミュウツー『善良であるかもしれないあの男ひとりを取り上げたところで』
省16
5: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:31 ID:CXQiijtko(5/12) AAS
焦れていく感覚すら伴いながら、ミュウツーはそう強調した。

なんとか言葉になったのはこれだけだ。

言いたいことの半分も伝えられていない。

ダゲキ「わかってる」

ダゲキ「あの ニンゲンだったら、よかったかな、って」
省19
6: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:36 ID:CXQiijtko(6/12) AAS
ミュウツー『……好きにしろ。私は寝たい』

ジュプトル「ねればいいのに」

ミュウツー『お前たちがいつまでも喋っているから、寝られないんだろうが』

ヨノワール「すみません」

ダゲキ「ごめん」
省16
7: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:38 ID:CXQiijtko(7/12) AAS
呼び止めれば、彼らはきっと、もうしばらく留まってくれるに違いない。

ほんの少しだけなら、きっとわがままに付き合ってくれる。

ちゃんと、自分で、言いさえすれば、の話だ。

ジュプトルが機敏に首を曲げ、傍らのダゲキを見上げた。

ジュプトル「のせて」
省18
8: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:42 ID:CXQiijtko(8/12) AAS
あっけない挨拶をすませ、ふたりは青黒い闇の中へ踏み込んでいった。

ミュウツーはその後ろ姿を、ひやひやしながら目で追う。

昏い木々に紛れて、ふたりの姿はすぐに見えなくなった。

やかましいジュプトルの声だけは、まだかすかに響いている。

しばらくするとその声も聞こえなくなった。
省19
9: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:43 ID:CXQiijtko(9/12) AAS
ヨノワールがゆっくりとこちらを向く。

敵意はもとより、怯えも卑屈さも今は見られない。

その大きな目玉に、怖気を震うような輝きはもうなかった。

ミュウツー(いや、ひょっとすると……)

ミュウツー(はじめから、そんなものはなかったのか)
省16
10: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:47 ID:CXQiijtko(10/12) AAS
くるくると目を動かし、ヨノワールは瞬きを繰り返す。

しばらくして首を力強く横に振り、ミュウツーをやや不安げに見た。

ヨノワール「……それも、ある……かもしれない、ですが……」

ミュウツー『では、お前は何が理由だと思う』

ヨノワール「たぶん……あの……」
省16
11: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:52 ID:CXQiijtko(11/12) AAS
ヨノワール「いままで、ふたりは……だれとも」

ヨノワール「なかよく なかったのです」

ミュウツー『チュリネや、フシデもいただろう』

ヨノワールは首を横に振る。

ヨノワール「それは、ちがいます」
省16
12: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/24(水)23:57 ID:CXQiijtko(12/12) AAS
冷静を装い、そっけなく返答する。

だが腹かその背中側か、身体の柔らかい部分がこそばゆかった。

これではまるで――

彼らが楽しそうにしているのは、自分が来てから。

そんなはずはない。
省16
13: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:01 ID:RJx23RzYo(1/7) AAS
ヨノワールの言葉はただの感想だ。

こちらの反応は、あまり気にしていないように見える。

ミュウツーは視線を落とした。

なんだか、頭がどろどろと重い。

まるで何かの決意表明のように、その声は自信に満ちている。
省17
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(1): 2016/02/25(木)00:07 ID:UaE5hp+i0(1) AAS
一年以上やってるんだっけ?凄いなあ
15: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:08 ID:RJx23RzYo(2/7) AAS
ヨノワール「ふたりは……であった」

ヨノワール「であえたんです」

ミュウツー『……』

ヨノワール「この、コトバは……いせきに ありました」

ミュウツー『遺跡?』
省17
16: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:12 ID:RJx23RzYo(3/7) AAS
ヨノワール「よんで もらいました」

ミュウツー『……そのニンゲンにか』

ヨノワール「ほんとう だと、おもいます」

ミュウツー『あのふたりを見て、お前はそう思うのか』

ヨノワール「あなたと であって、いままでと、ちがった」
省10
17: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:15 ID:RJx23RzYo(4/7) AAS
ミュウツーは息を飲み、吐き出しかけた言葉を飲み込んだ。

ヨノワールの言葉がじわじわと頭に忍び込んでくる。

何も言い返せなかった。

肯定も、否定も、茶化すことも、異論を唱えることさえもできない。

できることといえば、ただ喉の奥で呻き、押し黙るだけだ。
省13
18: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:18 ID:RJx23RzYo(5/7) AAS
どれほど時間が過ぎただろうか。

夜はさらに更け、森は静かに息をしていた。

遠いさざめきと風に揺れる葉の音が聞こえる。

どれも、いつも聞こえている音ばかりだ。
省17
19: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:20 ID:RJx23RzYo(6/7) AAS
ミュウツー(さっきの話も、聞かれていたのだろうか)

それならそれで構うものか、とミュウツーは覚悟を決める。

夜明けを待つ暗い森。

そのさらに向こう。
省5
20: ◆/D3JAdPz6s [saga] 2016/02/25(木)00:29 ID:RJx23RzYo(7/7) AAS
今回はここまでです

ご無沙汰しとります

今やどれくらいの方が読んでくださってるかわかりませんが
これからもマイペースに書いていきます
楽しいからいいんですけどね

>>14
振り返ってみると2年半です!
やーよく続いたもんです

ではまた
省2
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