[過去ログ] 【R-18】由比ヶ浜結衣はレベルが上がりやすい (737レス)
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640: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [saga] 2016/01/12(火)23:17 ID:JITIuAeh0(1/29) AAS
どうも>>1です、遅れてしまい申し訳ありません
四話前半投下します
641: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:22 ID:JITIuAeh0(2/29) AAS
ゴールデンウィークも明けて五月病の倦怠が心身を蝕む中、俺は遅まきながらベッドを買った。
人間生きてさえいられればどんな状況にも適応出来てしまうもので、
実際フローリング布団にもそれなりに慣れてきたつもりだったが、
先日の帰省で味わった久々のベッド就寝はズボラな俺にすら睡眠の質を意識させるに十分だった。
やっぱ長生きしたきゃ睡眠は大事だわ、水木先生の睡眠力を俺にも!
というわけでベッド導入は生活向上には当然の成り行きであり、そこに他意は無い。
……ということにしてある。
ピンポーン
省4
642: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:23 ID:JITIuAeh0(3/29) AAS
一息吐いてビビリの余韻を静めながら扉へと向かう。
宅配でもないから判子も持たない。
新聞とか宗教の勧誘の可能性も微粒子レベルで存在しているけど。
ガチャリ、もう聞き慣れた音を耳にしながら扉を開くと、
「来たよヒッキー、やっはろー!」
何時も通り元気で馬鹿っぽくて愛おしい声色の、
こちらも聞き慣れてしまった珍妙挨拶が耳に入ってきた。
今日は俺の……恋人、であるところの由比ヶ浜結衣が遊びに来る予定だったのだ。
643: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:25 ID:JITIuAeh0(4/29) AAS
事の起こりは一昨日のこと。
ゴールデンウィーク終了後最初の土日前にベッド導入の話を由比ヶ浜としたのだ。
すると「見て見たい!」と過剰なくらいの反応で俺の部屋に押しかけることを
一方的に決定したのだった。やっぱコイツ変なとこで押しが強い。
正直ベッド見て見たいってだけで遊びに来るのはどうなのとぼっちの習性で思わなくもない。
そもそも学校帰りに遊びに来るのもしょっちゅうだけど。
ともあれ些細なことで騒ぎたがるのはリア充の性質だし、
何よりそれ自体は口実で由比ヶ浜は単に俺と一緒にいたかっただけなのかもしれない。
そう考えるととにかく恥ずかしく、また少しだけ嬉しくなる。
省4
644: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:26 ID:JITIuAeh0(5/29) AAS
狭く短い廊下を通ってリビングへ連れ立って行く。
事前に準備しておいたテーブルと座布団へ由比ヶ浜を誘導……する間もなく、
「これがヒッキーのベッドかー……えいっ!」
俺の脇をすり抜けて、由比ヶ浜は遠慮無しにベッドへとダイブした。
購入組み立てしたばかりの真新しいベッドの瑞々しい反発で由比ヶ浜はぼよんと跳ねる。
「わーふっかふかー! えいっ、えいっ!」
省6
645: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:27 ID:JITIuAeh0(6/29) AAS
「だって新しいベッドだし、遊びたいし」
「子供か」
「あたし達まだ成人前なんだから子供じゃん?」
「そういう意味での子供じゃねぇよ……」
投票権の範囲拡大とか成人年齢の引き下げの流れが出来てるっぽいし、
何より子供と言うには由比ヶ浜の肢体は爽やかで瑞々しくも熟れて包容力抜群の甘々なんだけどな。
果糖万歳。
省3
646: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:28 ID:JITIuAeh0(7/29) AAS
ゴールデンウィークが明けてからこっち、学内外問わず由比ヶ浜との距離は更に近くなった。
まだまだそれが恥ずかしく出来れば避けたいと思う逃げ腰は変わらずとも、
その距離を周囲に見せ付けてやりたいという感情も自分の中に生まれていた。
あの日を境に、俺は由比ヶ浜との関係を前向きに受け取れるようになったのだろう。
だがそれにしたってあの日の記憶や経験はあまりに鮮烈で濃密で、
それらが引き起こす衝動は生半なコントロールなど受け付けないほど爆発的に強力だった。
それこそ由比ヶ浜とのスキンシップは愚かただ話をしたり見かけるだけで、
由比ヶ浜のいない日常生活の中でも、
そもそも生殖性欲の一切関わらない哲学数式の話の中からですら、
省1
647: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:29 ID:JITIuAeh0(8/29) AAS
だからその……そーいうことを意識させる状況というのは、マズい。
由比ヶ浜の来訪が決まってからあらぬ妄想で心身共に浮き足立っていた。
二人きりの部屋、ベッドではしゃぐ彼女。
思わず「誘ってんの?」と口から滑りそうになるくらいおあつらえ向きのシチュエーション。
付き合い始めて一年以上、俺達はようやく共に歩み始めたが、まだ歩み始めたばかり。
何が正解で間違いかを判別出来る経験なんて持ってやしないのだ。
勘違いは、まだ怖い。
「ともかくベッドから降りて座れ、茶ァ淹れるから」
省8
648: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:31 ID:JITIuAeh0(9/29) AAS
いやもう何なのこの子……本当に誘ってんの?
ちなみに越してきた当初の一夜がアレだったもんで布団も一枚必要だろうとそっちも買っていた。
これは新しい方を自分用にしといて正解だったな……。
ここで「ヒッキーの匂いがする」とか言われてたらちょっとヤバかった。
というかその想像だけで既にヤバい。
「……買ったばかりで、当たり前だろ。 馬鹿なこと言ってねぇで早く降りろって」
「だからやだって……よーしヒッキーのより先にあたしの匂いつけちゃおー♪」
そして布団に全身を擦りつけ楽しそうにマーキングを始めた。
実に愛玩動物的……いやその喩えも危険が危ない。
省2
649: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:32 ID:JITIuAeh0(10/29) AAS
「本当お前、いい加減にしとけよ。 早く降りんと茶も菓子も出さんぞオイ」
何が彼女をそこまで駆り立てるのか……ならばその欲望を直接攻撃すれば何とか。
食欲には敏感な彼女のこと、これなら俺のグダグダ説得よりもまだ効果が――
「んー、だったらお茶もお菓子もいらないや」
――さいですか。
いやちょっと悩む素振りはあった。
でも効果があってこれだからやっぱ所詮俺だわ。
「それに座るならベッドにだって座れるじゃん? ここでいーよ」
省6
651: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:34 ID:JITIuAeh0(11/29) AAS
そしてベッドに寝転んでいた由比ヶ浜は起き上がるとベッドの縁に腰をかけた。
ちょこんと座る姿勢はまぁ可愛いんだが妙な疲労感からそこに感慨を抱くこともない。
疲れた時に肉食っても顎疲れるだけで味気ないよね……。
麻痺気味な思考で俺もフローリングに敷いた座布団へ腰を下ろそうとした……
「ヒッキーもこっちに座ろうよ」
ところで、由比ヶ浜が自分の隣のスペースをポンポン叩いた。
いやもう俺は座布団が良い、座布団が呼んでる……。
「いえそちらはおぜう様専用でせう」
省11
652: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:36 ID:JITIuAeh0(12/29) AAS
「変わんねぇなぁ海老名さんも」
「寧ろ卒業してからもっと自由になってる気がするよー」
あははと笑う由比ヶ浜の様子に幾分心が休まり、何食わぬ顔で座布団へ腰を下ろそうとすると、
「あ、ヒッキー隣! こっちこっち!」
間髪入れず由比ヶ浜の突っ込みが入る。チッ。
省6
653: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:37 ID:JITIuAeh0(13/29) AAS
おおう失敬な、専業主夫は志していたがダラけて暮らしたいとまでは――言ってたっけ、どうだろう。
「ともかく、声さえ届けば会話なんて成立すんだから場所なんて一々気にするもんじゃないだろ」
この話題が続くと墓穴掘りそうだったので強引に戻していく。
会話というコミュニケーションに於いてこの主張は正論だろう。
あくまで互いの声、言葉によるやり取りが主となるなら声さえ届く位置に居れば良い。
この場には俺と由比ヶ浜しか居らず、鼓膜の振動を邪魔する雑音も無い。
よってこれは絶対的に正しい。
省3
654: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:38 ID:JITIuAeh0(14/29) AAS
心臓が一気に破裂する。
そう錯覚するほど痛烈な鼓動。
僅かに視界が白み、足は重みを手放し浮遊感に踊る。
話だけ。
それで済まそうとしていた俺の間違いはとっくにバレていたのだ。
「話以外の、何をすんだよ」
それでも見苦しく本質から遠ざかろうとする俺だが、それを逃がすような由比ヶ浜ではない。
省4
655: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:40 ID:JITIuAeh0(15/29) AAS
「いや、その、でもだ、な、こう……なんだ」
毒か混乱か、霧状にバステを散布して弱点を突いてくる由比ヶ浜を前にしたら俺に為す術はない。
それでもとしどろもどろに抵抗する俺に、また有効な手。
「……それとも、ヒッキーはあたしの隣、イヤ?」
切なげに眉を寄せ、俯きながら上目遣い。
ゾクリ、背筋が震える。
省8
656: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:41 ID:JITIuAeh0(16/29) AAS
「……分かったよ、隣、座る」
「うん♪」
俺の敗北宣言を実に嬉しそうに受け取る由比ヶ浜。
そんな様も愛らしいのだが、なんか小町に似てきたような気がして複雑な気分。
アイツ、由比ヶ浜に変なこと吹き込んでねぇだろうな。
今度問い質してみようと心に誓い、俺は由比ヶ浜の勧め通りベッドの縁に腰掛けた。
「……ヒッキー?」
省10
657: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:43 ID:JITIuAeh0(17/29) AAS
「いやお前、距離があろうが俺とお前の間に誰か居るわけでも何か置かれてるわけでもない。 よって今はお前の隣に俺が居て、俺の隣にお前がいる状態ってわけだ」
「屁理屈過ぎるっ!」
「でもお前の隣でこうして会話してるんだから提示された条件は満たした筈だろ」
言われた通り屁理屈を垂れると由比ヶ浜は「むぅ」って感じに頬を膨らませた。
なんか小動物的だな、カワイイ!(伝説のスーパーサイヤ人的ニュアンス)
そしてそんな栗鼠チック由比ヶ浜は無言で身体をズラした。
方向は勿論俺の居る方。
距離が30センチくらいまで狭まる。
省4
658: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:44 ID:JITIuAeh0(18/29) AAS
「むー」
また由比ヶ浜が距離を詰めてくる。
「……」
応じて俺はまた距離を開ける。
「むぅー」
省8
659: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:45 ID:JITIuAeh0(19/29) AAS
「ちょ、おまッ!」
つい最近も味わったばかりの過剰な柔感がぎゅぅっと押し付けられる。
由比ヶ浜の体温と身体の感触はあまりに心地よく、それ故に危険だ。
何せ二人きりで、こうも密着して、場所は……ベッドだ。
「えへへぇ、やっと隣って感じだよー」
そんな俺の葛藤を知って知らずか、由比ヶ浜は抱きつく力を強めると腕に頬ずりまでし始める。
スリスリ。
省7
660: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage saga] 2016/01/12(火)23:47 ID:JITIuAeh0(20/29) AAS
「――ッ!」
そりゃビクッとする。
同じ不意打ちでの反射とは言え、さっきのインターホンに反応したアレなんか比じゃない。
幸福や快楽を司る神経を直接愛撫されたような、くすぐったくてムズ痒くて溜まらない感覚。
それは俺の意思を無視して下半身が血を集め始めるに十分過ぎる刺激だった。
マズい、これは本当に危ない。
ゴールデンウィークの時のように覚悟が決まっているわけでもないのに、衝動だけは同じくらいに膨らんでいる。
如何に親しみ想い合う仲だろうと、過ちを予期させるには十分過ぎるほど漲り高まっていく。
止まれ。
省6
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