[過去ログ] 上条「俺がいる限り、テメェは一生最強には届かねぇんだよ!」 (792レス)
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1 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/08(火) 22:16:03.79 ID:Bqi6lCIz0(1/2)
闇条「お前…ムカつくな」の続編になります。
前スレ vip2chスレ:news4ssnip
暗部組織に身を置く上条さんが物語を再構成する内容です。
オリジナル設定にご注意ください。
更新は不定期です。
カップリングは不明。
原作やアニメの設定を混同しています。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396962963
2 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 22:17:49.59 ID:ITpFQ4xO0(1)
おおあの人か
3 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 22:26:13.35 ID:VoxNKqFa0(1)
応援してる
どうでもいいけどこのSS読んでフレンダ好きになった
4 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 22:28:24.97 ID:818H7qcZ0(1)
スレタイですでに激熱
5 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 22:30:17.00 ID:gMCVwZqAO携(1)
立て乙!
妹編楽しみしている
6 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 22:41:09.71 ID:xa3R00Xy0(1)
不定期と言いながらほぼ毎日更新する>>1は素敵
7 ◆HmDjqt09PA 2014/04/08(火) 22:58:33.52 ID:Bqi6lCIz0(2/2)
第一回目の更新は〇時三〇分です。
8 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 23:03:20.14 ID:Qh6rZkxl0(1)
フレンダに出番を・・・
9 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/08(火) 23:15:28.50 ID:KkK5D6pF0(1)
このスレタイの闇条さんは熱血漢って感じ
10 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 23:30:47.53 ID:keGxbZsc0(1)
前スレ見てフレンダが好きになりました
11 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 23:41:46.70 ID:AWZiyVOy0(1)
いま前スレ読んだが結構面白いな
ここの上条とフレンダの関係すきだわ
12 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 00:13:58.21 ID:oFpajqeU0(1)
このSSではフレンダ死なないよね?
13 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga] 2014/04/09(水) 00:17:33.36 ID:Uo6sN/Kb0(1/3)
そういう意味では原作のフレンダ勿体無かったよな。
だがあの扱いだからこそのSS人気なのかもしれないが
14 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 00:30:30.22 ID:ghP7r6ZW0(1)
言い方わるいがフレンダは原作であの扱いだから人気でたともいえるな
15 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:45:36.02 ID:Ha7TAlij0(1/41)
うわおたくさんレスありがとうございます。
身に余る言葉です。
では、そそくさと書いた少なめの投下をしますね。
16 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:48:17.01 ID:Ha7TAlij0(2/41)
―――学園都市。
二三〇万人という膨大な人口の八割を学生が占めるこの街は、科学にあふれている。
見渡せば、地面をアイススケートのように滑走する掃除ロボがごみを回収し、電柱の代わりに建てられた真っ白な風力発電のプロペラが風の煽りを受け回っている。
空を見上げれば宙に浮く気球が天気予報ならぬ天気予言を伝えているし、側面のスクリーンでニュース番組を映していたりもする。
なんでも、この街は外より数十年分科学が発達しているらしい。
そして、この街は超能力という、物理法則をねじ曲げて超常現象を引き起こす力の研究を進めている。
たとえばそれは、ある場所からある場所へ瞬間移動する力であったり、電気を操る力であったり、火をおこす力であったり…。
そんな不思議な力を、当然のように学生達が行使する、ここはそんな街。
17 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:49:37.88 ID:Ha7TAlij0(3/41)
「逃げろ逃げろォ。その分だけ長生きできンだからよォ」
ここは、学園都市の死角。路地裏。
ジメジメとした空気の漂うその細い道で、今まさに二人組の男女が鬼ごっこに興じていた。
監視カメラの及ばないこの薄暗く細い道には、めったに人が寄り付かない。
故に、街の日陰者であるスキルアウトや不良達にとってはホームグラウンドのようなものだ。
だが、路地裏に集まる人間は、なにもスキルアウトばかりではない。
人が寄り付かない、カメラにも映らない。そんな特性を利用して、ある非人道的な実験が進められていた。
薄暗い路地をひたすら走り続ける少女の、その遥か後ろからその声は聞こえてきた。
おそらく自分への呼びかけだと少女は認識しているが、答えない。足を止めればどうなるのか彼女はわかっている。
どこか狂気さえ感じさせる嬉々とした叫びを発したのは、少女を追う個性的な黒いTシャツに身を包んだ細身の少年。
18 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:50:23.63 ID:Ha7TAlij0(4/41)
対して、彼から逃げるように路地を駆け巡る少女は、名門常盤台中学の制服に身を包んでいた。
黒い暗視ゴーグル越しにも伝わってくる端正な顔立ち、肩までの茶色のショートヘア。
袋から出したばかりのようにきれいな真っ白のブラウスは、何故か赤黒い血で染まっている。
「ほらほらどォした?ペース落ちてンぞ」
楽しくてしかたがないというように上ずった声は、少女の真後ろから響いてくる。おそらく、もう距離は一メートルもない。
彼女が必死に走って開いた距離の貯金は、まばたきの間に〇になっていた。
少年の白く細い手のひらが肩に触れただけで、少女の背筋がビクッと強張る。心拍数が馬鹿みたいに跳ね上がる。
少年の方はそれすらも楽しんでいた。
「今俺がその気になったらオマエの身体なンてどォとだってできンだぜェ?」
19 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:50:59.83 ID:Ha7TAlij0(5/41)
真後ろからかかる少年の吐息に、少女の横髪がふわっとなびく。彼女は沈黙に徹したまま、あくまで距離を取ろうと足を動かし続けた。
単調なパターンに飽き飽きしたのか、少年の顔から表情といったものがサッと消え失せる。
彼は左手を少女の耳を抑えるように添えると、能力を使って彼女の身体を横合いに突き飛ばした。
ゴスッと鈍い音がして、少女の体がコンクリートの壁にたたきつけられる。脆い人体は、それだけで動きを停止した。
ぐったりとした少女の身体がズルズルと地面に落ちていき、血液がその後をなぞる。
少年はその光景を他人事のように眺めながら、ぼんやりした頭でトマトみてェだなァと考えた。
静かすぎる路地裏では、僅かな音でさえ目立ってしまう。少年は、だるそうに踵を返した後少女の呼吸の音を聞いた。
ひぃひぃと。必死に死に抗おうとするその音は、彼にとっては目障りな雑音でしかない。
「チッ。まァだ生きてンのか…鬱陶しい」
20 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:51:41.71 ID:Ha7TAlij0(6/41)
少年は面倒くさそうに少女の元へ歩み寄ると、彼女の顔の前にしゃがみこんだ。
湿気を含んだ彼女の吐息が、彼女の口元に散らばっていたガラス片を曇らせる。
彼女の顔は右半分がグチャグチャに潰されており、既に原型をとどめていない。
覗いているあの白いモノは頭蓋骨だろうか。少年はこんな状況でも、路上で虫を観察する小学生のような思考をする。
一〇秒ほどじっくり彼女を眺めた彼は、再びその顔から表情を消し、
「そンじゃ、もうイイか?そろそろ死ンじまえよ。出来損ない乱造品」
少年の細腕が、まるで傷をいたわるように彼女の顔に触れる。
もしかしたら手当をしているように映ったかもしれない。
「…ぃ…ぃ…ぁ」
声にならない少女の叫びは、そこで途切れる。
直後、まるで体の内側に爆弾が仕込まれていたかのように、彼女の体が文字通り爆発した。
21 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:52:26.92 ID:Ha7TAlij0(7/41)
上条「逃げろ逃げろ。それだけ長生きできるからな」
左手に握った軍用拳銃が、立て続けに火を噴いていく。
パン、パンと。銃口の先に付けられた細長いサイレンサーから、ごく少量の僅かな音が洩れる。
音こそ大したことはないが、鉛弾の威力は絶大で、既にその小さな軍用拳銃は五人の命を奪い取っていた。
上条は高笑いし、前を行く三人の男達を恐怖によって追い詰める。
拳銃を備え付けのホルスターに収めると、その背中を見失わないように駆け出した。
今日の依頼は、『学園都市外部の組織にブツを横流ししようとした内部組織の粛清』。
乗り気ではなかったが、特に断る理由もなかったために嫌々引き受けた依頼だ。
ザーッと、上条の耳に機械的な雑音が響く。イヤホンにつながっているのは、胸ポケットにしまわれた小型無線機だ。
これで下部組織と、フレンダ、依頼主(の仲介役)と話すことができる。
黒く小さな正方形のソレは、パッと見た限りでは板ガムの箱のようにも見える。
22 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:53:15.01 ID:Ha7TAlij0(8/41)
上条「ポイントA 座標G-78453に誘導中」
イヤホンに、若い男の了解という短い声が聞こえた。下部組織の男だ。
それにしてもこんな小組織の粛清なんて別に自分たちでなくてもいいんじゃ、と上条は考えるが、それは仕方のない事だった。
上条は『切り札』とまで称される組織のリーダーだが、その実体を掴んでいる人間は実際ごく少数であるため、『どっかの便利屋』として仕事を依頼してくる連中も多い。
彼らも噂として有名な『切り札』の存在は知っているのだが、それがこの少年のことを指していると知る人間が少ないのだ。
上条のあらゆる偽名は、あらゆる架空の組織のリーダーとして広く裏に蔓延していて、今日は、山川の名前で仕事をしていたりする。
ババーンという轟音とともに、予め仕掛けられていた爆弾が派手に爆発した。
スーツの男達の身体が、抱えていたいかにもなアタッシュケースが木っ端微塵にはじけ飛ぶ。
今回の依頼はブツの処分まで含まれているので、爆破処理してもなんの問題もない。
上条は全員の死亡を確認すると、残りの作業を下部組織に任せ、胸にしまった無線を粉々に握りつぶした。
ザーッブチッという機械音を最後に、イヤホンからはなんの音も聞こえなくなる。
上条「だれが山川だ。殺すぞクソが」
23 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:53:59.36 ID:Ha7TAlij0(9/41)
毒づいた上条を煽るように、後ろから頭の悪そうな明るい声が、
「山川さん」
カチャ、と音がしたが直後。やってきた少女の眉間に、黒く細長いサイレンサーが押し付けられた。
上条「まさかここでお別れになるとはな。遺言はあるか?」
上条は表情のない表情で少女を睨みつけ、低い声で言い放つ。
銃口越しに少女の震えが伝わってくるが、上条は特に気にしない。
フレンダ「じ、冗談じゃすまないから…」
上条「変わった遺言だ」
フレンダ「違う!」
直後、上条の左手から軍用拳銃が姿を消し、今度はフレンダの右手にそれが現れた。
上条「相変わらずすげえ能力だな」
上条は興味なさげに言って、踵を返し歩いて行く。
五歩ほど進んだところで、フレンダが彼の隣に並んできた。ご丁寧に、拳銃は彼女のホルスターに収められている。
24 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:54:39.74 ID:Ha7TAlij0(10/41)
フレンダ「結局さ、今日のご飯はどこで食べるわけ?」
上条「あー、そうだな。まぁいつものファミレスでいいんじゃねぇか?長居できるし」
フレンダ「また宿題やるわけ…?」
フレンダがひどくげんなりした様子で訪ねてくる。
上条がファミレスで宿題をするときは、いつもフレンダは完全放置。彼女がどんなに暇していようと、上条は一切構わない。
最近では、何でも頼んでいいという甘い言葉でさえ彼女には通用しなくなっていた。目下、それが上条の悩みである。
二人は、いつのまにか第七学区の大通りに出ていた。日の落ちかけた空は、青とオレンジが混ざった、紫がかった色になっている。
フレンダ「リーダー!あれ!あそこ!」
並んで隣を歩いていたはずのフレンダが、いつのまにか少し離れた場所に立っていた。
見れば、彼女は幅三〇メートルはあろうかという車も通る大きな吊り橋の上で、ひたすら橋の下を指さしていた。
溢れんばかりに押し寄せた野次馬が、携帯のカメラで写真を撮っているのがみえる。
25 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:56:16.03 ID:Ha7TAlij0(11/41)
上条「なんだよ。何だこの人混みは」
興味津々の様子で橋の手すりに両手をかけるフレンダに並び、同じように川を見下ろす。
橋の下の道にもたくさんの人だかりができていて、全員が川を覗きこんでいた。
いや、正確には川に浮かぶヘリコプターを眺めていた。
見た感じ機体はまだ新しく、ほんの少し前まで稼働していたようにみえる。
焼き切れたように焦げ跡の残るプロペラがその原因を物語っていた。
ふと、視線を泳がせる。川の両脇に何本も建てられた、風に煽られて回る風力発電の、その一本の支柱の上に、二人の少女がいた。
彼女らに気づいている人間は不思議なことにひとりとしていない。
上条「…へぇ」
上条は、あの二人の人物をよく知っていた。
驚きはない。なんとなく、この光景を見た瞬感にその情景が浮かんでいたのだ。
フレンダ「どうしたのリーダー、なんか嬉しそうだけど?」
上条「まったく、退屈しませんねぇ。この街は」
26 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 00:57:11.42 ID:Ha7TAlij0(12/41)
一回目ということでちょっと無理やり合わせてしまいましたが、今日はここまでです。
27 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 01:16:23.97 ID:eN6pLxQy0(1)
乙
禁書しか読んでないせいで少女が誰か分かんね
28 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga] 2014/04/09(水) 01:20:38.66 ID:Uo6sN/Kb0(2/3)
最後の一言で別スレ思い出したんだが、アレってもう落ちたんだっけ
29 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 02:04:26.56 ID:pDSml4f90(1)
二人の少女はアニレーS一話の美琴と黒子かな?
上条さんの台詞は一期美琴がラストに呟いた台詞というなかなかにくい演出だった
30 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 02:55:44.07 ID:E2Tnr+sA0(1)
乙
前スレはもう使わない感じかな?
31 ◆HmDjqt09PA 2014/04/09(水) 03:01:54.07 ID:Ha7TAlij0(13/41)
>>30
はい。依頼出してきました。
ではまた今日になるのかな?夜に更新します
32 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [age] 2014/04/09(水) 06:44:10.53 ID:vjIlJgtRo(1)
禁書は病院に運んでそのままになったのか
33 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 07:00:22.81 ID:hArEruKF0(1)
ふふふ。やはりこのSSでも。私のことなんて。誰も覚えていない。
34 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 07:37:10.46 ID:3x1wYGoC0(1)
>>33
恐らく完全にスルーされそうですね
お人好しの原作の上条さんが聞くに耐えられないようなことをされてたそうです
しかし運が良ければ後になって学園都市から上条さんに命令が下るかも
35 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 10:44:07.42 ID:Nrt19b/Q0(1)
ええっと……地獄少女かな?
36 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 11:38:54.32 ID:UtGkmgl1o(1)
「この怨み、地獄へ流します」
37 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 15:04:34.62 ID:4+J/I/xyo(1)
ああ、地獄少女か。
乙。待ってるよ
38 ◆HmDjqt09PA 2014/04/09(水) 16:54:47.32 ID:Ha7TAlij0(14/41)
22:00〜0:00の間には投下します。
39 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 19:39:34.22 ID:kyVI5+a20(1)
フレンダ大好きすぎて原作で死んだ時に原作買うの止めた俺が参上
フレンダがヒロインのスレは良スレ
40 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 20:00:37.63 ID:4fg1SJMe0(1)
しかし、フレンダが上条さんの元にいたら…
妹編で研究所で美琴と戦うのは絹旗か(滝壺は戦闘無理)? それとも直に麦野か?
絹旗だったらギョロ目ちゃんが無事に何かインストールできそうで、麦野だったら美琴がハードモードになるのかな(フレンダの忘れ物がないから)
41 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 20:05:14.05 ID:UwEn0Ao70(1)
フレンダとか原作でも殆ど出番はなく、超電磁砲の漫画でも単なるゲスキャラ
そしてアニメ二期が始まると同時にニワカ的な人気が爆発
そして同時に元々原作でもそれなりに出番があった絹旗スレが荒らされ始める
さて、ここから導き出される答えはなんでしょうか?
少なくても原作においてフレンダが死んだ当時は人気など殆どなかった
しかしそれを理由に原作読むのを止めたと高々に宣言
ageてまで馬鹿な主張をするのは止めた方がいいよ
42 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:02:13.48 ID:AzeRYyhU0(1)
>>40
そういうのは思ってるだけでいちいち書き込むなよ
43 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 21:35:26.14 ID:69Gf3sQFo(1)
>>41
ハイハイワロスワロス
44 ◆jPpg5.obl6 [saga] 2014/04/09(水) 22:01:19.00 ID:Ha7TAlij0(15/41)
では更新します
45 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:01:52.42 ID:Ha7TAlij0(16/41)
トリップミスった
46 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:03:03.12 ID:Ha7TAlij0(17/41)
第七学区。
私立常盤台中学は、学園都市でも五本の指に入ると言われる名門校で、その校舎を学舎の園に構える。
学舎の園とは、常盤台を含む五つのお嬢様学校が共同で運営する地帯で、並の学校の十五倍以上の面積を誇っている、いわゆるお嬢様の街。
洋風な外観で統一された街は、学舎の園の外とは別世界のような空間で、信号機のデザインでさえ外とは異なっている。
無論、男子禁制であり、たとえそれが警備員であっても性別が男なら入ることが出来ないという徹底ぶりだ。
それゆえ、学舎の園で暮らすお嬢様の中には、男性と会話したことすらない箱入りのお嬢様が存在していたりする。
もっとも、それが少数派であることは間違いないのだが。
昼前の学舎の園では、この街の恒例行事である身体検査(システムスキャン)が行われていた。
『記録、七八メートル二十三センチ。指定距離との誤差五十四センチ。総合評価レベル4』
記録を見たツインテールの少女は、首をブンブンと振りげんなりとした溜息を漏らす。
ノースリーブのランニングシャツのような体操服から伸びる白い腕に、粒状の汗が光っていた。
47 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:03:59.48 ID:Ha7TAlij0(18/41)
白井「はぁ…。絶賛大不調ですの。大きくて重たいものを遠くに飛ばすのは苦手なんですのよー。五〇メートル前後とかならミリ単位で修正できますのに」
光ファイバーが埋められた風変わりなグラウンドの上に引かれた砲丸投げのような外線の、その扇の根本のサークルに白井黒子は立っていた。
ただし、グラウンドに線を引いているのは外の学校が使うような白線ではなく、光の線だ。さらに、砲丸投げに比べると随分と引かれた扇の範囲が狭い。
白井をはじめとした『飛び道具系の能力者』が、同じように線の引かれたグラウンドの上で、各々能力測定を行っていた。
汗を拭う白井に、不意に横合いから高笑いが飛んでくる。パッとしない表情が、さらにジトーっとしたものに変わる。
この笑い声には随分縁があるなと考えながら、白井はうんざりした顔で笑い声の聞こえてくる方を見た。
「うっふっふ。あら白井さん、機械が導き出した数字に一喜一憂しているようでは、己の器が知れてしまってよ?もっと確固たる基準を自分の中に見いだせないようでは…ぷぷっ」
白井「………婚后光子」
48 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:04:53.87 ID:Ha7TAlij0(19/41)
婚后と呼ばれた少女は、体操服とは不釣り合いな豪奢な扇子で口元を覆い隠している。
少数とはいえど、こういういかにもなお嬢様が常盤台にはちらほらいる。彼女は白井の苦手とする少女だった。
婚后の能力は『空力使い(エアロハンド)』で、白井と同じ大能力者(レベル4)。
その能力は、あらゆる物体に風の『噴射点』を作り、ミサイルのように飛ばすことができるというもの。
大型トラックを軽く飛ばしたり、噴射点をいくつも作るなど応用も可能な、いわゆる『トンデモ発射場ガール』だ。
婚后「人の顔を見るなりその反応って…」
白井「人の落ち込み具合を見て爆笑している時点であなたの器の小ささが暴露されてますのよ」
婚后「まぁ、さすが誤差五四センチは言うことが小さくって。この分では、超能力者へと至るのはわたくしの方が先かしら」
婚后は扇子を開いたり閉じたりしながら、口元に手の甲を添え上品に高笑いする。
49 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:05:53.90 ID:Ha7TAlij0(20/41)
この程度の挑発に乗る白井ではないが、彼女は婚后の言葉に思わずぼんやりと考えこむ。
――超能力者。
確かに、高位能力者なら誰もが目指しているものだか、白井にはいまいち煮え切らない部分があった。
学園都市の生徒は、おそらくそのほとんどが、能力を極めていく先に超能力者という段階があると信じている。
だが、白井にはそうは思えない部分があった。
それは、七人しかいない超能力者の第三位、そのひとりのいつも傍にいるからこそ実感できることであるため、婚后には考えられないことなのかもしれないが、超能力者とはやはり次元
が違う。
白井自身、大能力者ということでエリート扱いされる事が多いが、それでも美琴との差は歴然だった。
どうしても白井には、いくら能力開発に勤しもうともその先が見えないのだ。
まるで、自分の登っていく階段は大能力者がてっぺんであるような。白井には、そう思わずにはいられない時があった。
婚后「って、聞いてますの白井さん」
不意に声をかけられ、白井はああ、と婚后に向き直る。
50 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:06:33.81 ID:Ha7TAlij0(21/41)
白井「…大体、三次元と一一次元では空間把握法が根本的に―――
婚后「そもそもわたくし、一年の分際で大きい顔をするあなたが気に入りませんの」
婚后は白井の言葉を待たずに一方的に告げる。
人に話を聞けと言うクセに、婚后は白井の話を聞かない。彼女は既にどっぷりと自分の世界に入り込んでしまっていた。
婚后「よろしくて?このわたくしが常盤台のエースとなった暁には―――
したり顔で自分語りを始めた婚后の口が、急にピタリと止まる。
彼女の口は、一体自分が何を話していたのか忘れてしまったように、ただあんぐりと広げられていた。
ゴドン!!と、地鳴りのような轟音が、辺り一帯に響いたのだ。まるで隕石でも落ちてきたのかというような衝動に、校舎がビリビリと震え、グラウンドが揺れる。
中には、腰を抜かして地面に尻餅をつく女子生徒までいた。
51 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:07:25.57 ID:Ha7TAlij0(22/41)
婚后「………な」
言葉を失いただ呆然とする婚后の頬に、どこからか雨粒のような水滴が落ちた。
ピチャリと頬を濡らすただそれだけのことに、婚后の肩がブルリと震える。
何がなんだか分からないという婚后に、白井はああ、とつまらなそうに呟いた。
白井「あなたは二学期からの転入組ですからご存じないかもしれませんが、いまあそこで能力の測定をしているのが常盤台のエースですのよ?」
白井が指さした先は、常盤台の校舎だった。校舎の裏側となるこのグラウンドからは見えないが、たしかあそこにはプールがあったはずだ。
婚后が考えるより先に、校舎の背丈を超す高さの水柱が上がる。直後、一拍遅れて轟音が鳴り響いた。
近くで、怯えていた女子生徒たちがその正体に気づき、色めき立ちはじめた。口々に、「御坂様ですわ」と賞賛の声を洩らす。
白井「馬鹿げた力ですわよね」
白井は言葉とは裏腹に、どこか誇らしげに語り始めた。
白井「プールに溜めた水を緩衝材に使って威力を削らなければまともに測定もできないほどの破壊力…」
スラスラと出てくる物騒な言葉に、婚后がたじろぐ。
52 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:08:21.78 ID:Ha7TAlij0(23/41)
冷や汗をかく婚后の後ろから、今度は明るい声が聞こえてきた。
やってきたのは二人の友人、湾内絹保と泡浮万彬だ。
湾内「御坂さん、本当に素晴らしい力ですわ」
泡浮「ええ。憧れますわ」
二人は水流操作系の能力者であるため、計測はプールで行われているはずだが…。
婚后がその旨を尋ねると、二人は楽しげな声で、
「避難ですって」
口元に手を添え、痛快そうに笑った。
白井「婚后さん。貴女、本気であの馬鹿げた一撃を真正面から受ける覚悟がおありですの?」
白井は呆れたような声色で、試すように尋ねる。
そして白井自身も地鳴りとともに湧き上がる水の柱を眺めながら、一人の少年の顔を思い浮かべていた。
彼ならば、或いは…と。
53 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:10:02.80 ID:Ha7TAlij0(24/41)
あの学生寮での激戦から、はや一週間が経とうとしていた。
上条当麻は、夕暮れ前のまだ昼間のように明るい街を窓越しに眺めながら、はぁ、と短い溜息を付く。現在、すべての授業が終わった帰りのHRの最中である。
教卓から首だけをのぞかせるホラーな教師月詠小萌が、なにやら明るい声色で何かをくっちゃべっているが、上条はまったく聞いていない。
ただなんとなく窓の外に目をやり、学生寮の方角をぼんやりと眺めていた。
直接の攻撃はなかったものの、余波による寮へのダメージは半端なものではなく、柱が歪み、窓が割れ、鉄製の柵がゴムみたいに歪んでいた。
今日は、どういう技術を使ったのか寮が元通りになったらしく、やっと我が家へ帰れる記念すべき日だ。
フレンダは早速我が家でダラダラと怠惰に過ごしているらしい。その旨のメールが授業中に何通か届いていた。
54 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:10:56.79 ID:Ha7TAlij0(25/41)
小萌「はーい、じゃあ帰りの挨拶をするのですよー。みさなさんさようならー!」
小萌の挨拶を皮切りに、生徒が一人、また一人と帰還していく。
上条はぼんやりとした頭を切り替え、座ったままでのっそりとカバンに教科書類を詰め始めた。
引き出しから取り出したすべての教科書を詰め終えたところで、机がゆらゆらと揺れる。上条は机上に紺色のスカートを確認し、だるそうに顔を上げた。
机の上に、吹寄制理が座っていた。
上条「もしもーし。あなた様の席は上条さんの机の上ではありませんのことよ」
吹寄はジトーっとした目つきで上条を見下ろすと、
吹寄「上条。貴様忘れてないわよね?」
うわ、無視かよ、といいかけた上条は、クラスの連中の心ないつぶやきに顔をしかめる。
55 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:11:44.61 ID:Ha7TAlij0(26/41)
『うわっ…鉄壁の委員長まで攻略する気かよカミジョウのやつ』
『忘れてないって何?デートの約束っ?』
『くっそー羨ましいぞカミジョウ!!俺も机に座って欲し〜!!』
『え?なにお前吹寄のこと狙ってんの?』
『バッ!声がでけーよ!』
上条「聞こえてんぞ阿呆共」
上条が牽制するようにいうと、引きつった笑みを浮かべたクラスメイト達が次々に教室の外へ散っていく。
まったく、と上条は再び吹寄を仰ぎ見た。
上条「忘れてないってなにかあったか?上条さんは別にお前と何か約束した覚えは…」
上条「…あ」
やっと思い出したかバ上条、と吹寄は溜息を洩らし、手に持った超健康補助飲料ガラナ青汁をストローで吸い始めた。
半透明な白いチューブの中に、不健康そうな青緑の液体がみえる。
56 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:12:38.20 ID:Ha7TAlij0(27/41)
上条「それ美味いのか…?」
上条が恐る恐る尋ねると、吹寄はストローを離し、その先を上条に向けてきた。飲んでみろ、ということらしい。
吹寄「ちゃんと美味しいわよ!試してみなさい」
上条「いや…とっても嫌な予感がするので遠慮しておく」
吹寄は美味しいのに…とつぶやき、ふたたび青汁を飲み始めた。
上条は思考を切り替え、
上条「なぁ、それどうしてもやんなきゃだめなのか?上条さんは新しい部屋の片付けとかいろいろあるんですが…」
吹寄「ああ、そういえば貴様と土御門の学生寮は火事だったんだってね」
上条(火事、ね…)
吹寄の言葉につられるように、今度は三バカ二名が寄ってきた。金髪と青髪だ。
57 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:14:04.79 ID:Ha7TAlij0(28/41)
土御門「それなら問題ないにゃー。俺んところは舞夏がやってくれてるし、カミやんの方は同居人の女の子がやってくれてるからにゃ―」
土御門は上条の前の席の椅子を引いてくると、逆さ向きのままでまたがるようにして座る。
青髪も習い、上条の隣の席から椅子を引っ張ってきた。
青髪「なんやカミやん!女の子と同棲してるゆうんはやっぱホンマなん?」
青髪の言葉に、吹寄がキッと眉を吊り上げ、
吹寄「同棲!?上条当麻ッッ!貴様の住居は男子寮でしょーが。どこまで校則をないがしろにする気なの!?」
上条「バカいえ!!吹寄さん?いつものコイツらの虚言ですよ?何を本気で怒ってらっしゃるんでせう?いやだなー」
上条はそそくさとカバンから下敷きを取り出し、
上条「それより熱いなー。吹寄扇いでやるよ」
パタパタと吹寄を仰ぐ。
そんなこんなで、なんとか話題をそらすことに成功した。
58 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:15:11.11 ID:Ha7TAlij0(29/41)
吹寄「ま、本題はそこじゃないからいいわ。よし、これで四人全員集まったわね」
上条「待て待て。俺を数にいれんのやめろよ」
ところで、フレンダはバカで怠惰である、というのが上条の評価だ。あの怠け者が気を利かせて部屋の荷物整理や掃除をしているとは考えられない。
こいつらに付き合っていては、とうとう今夜眠りにつけなくなってしまうのだ。
青髪「なにゆうてんねん。僕ら三人に吹寄入れてはじめて全員なんやで?カミやんの代わりなんて誰にも務まらんのや!」
なんかいい顔で熱弁する青髪に、土御門がうんうんと頷く。
土御門「つーか、罰則なんだから甘んじて受けろカミやん」
上条「テメェらに巻き込まれたわたくしめの立場は…?」
青髪「えー、僕ら三位一体、いや四位一体やで?」
吹寄「それはちがうけど」
吹寄「大体あたしの目が黒いうちに貴様をサボらせるわけないでしょーが!」
59 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:16:26.22 ID:Ha7TAlij0(30/41)
上条「何で俺がグラウンドの草むしりなんてせにゃならんのだ」
吹寄「仕方ないじゃない!親船先生に言われたんだから。てゆうか、あたしも巻き込まれた側なんだから!」
土御門「さ、さぁ!早速草むしりに行こうぜい!」
青髪「せやせや!なんでもやれば楽しいっちゅうねん!」
上条「…不幸だ」
吹寄「大体貴様も騒いでたじゃない上条!」
60 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:17:13.00 ID:Ha7TAlij0(31/41)
そんなこんなで、明るい夕日の射す放課後のグラウンド。
軍手を装備し、体操服に着替えた高校生四人が、せこせこと草むしりに興じていた。
暑いだろうに、吹寄は上から黒いジャージを羽織っている。
それぞれがむしりとった草が、それぞれの近くに山を作っており、そこそこの量になっていた。
運搬用に運んできた一輪車がとりあえずいっぱいになるくらいの量だ。
上条「…飽きた」
開始五分、とうとう上条が沈黙を破った。ため息をつく吹寄に対し、バカ三人はさっさと刃の短い草刈り鎌を地面に放る。
土御門「同感だにゃ―。正直やってらんねーぜい」
青髪「なんかこう単調な作業って性に合わへんわ」
61 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:18:13.73 ID:Ha7TAlij0(32/41)
どうどうとグラウンドにあぐらをかき雑談を始める。
吹寄「まったく、もう音を上げるの?」
上条「とかいいつつ、吹寄さんも手が止まってますぞ?」
土御門「結局同じ穴のムジナですたい」
吹寄は意地になって草をむしり始めたが、結局サボることに落ち着いた。
上条は彼女の葛藤に心のなかで手を合わせつつ、
上条「つーか、科学の街でこんなことやらせて。発火能力者呼べよ畜生」
軍手を丸めながらつぶやく上条に、吹寄が、
吹寄「それなら罰則の意味がないでしょーが」
ぐったりと地面に腰を落ち着けるモヤシっ子たちの耳に、体育館から楽しげな声が聞こえてくる。
バレー部やバスケットボール部だ。
62 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:19:29.86 ID:Ha7TAlij0(33/41)
青髪「カミやん、いくら目凝らしてもバレー部のスパッツはこっからじゃ見えへんで?」
まるで試してみましたと言わんばかりの青髪のセリフに、吹寄がうがーっと噛みつく。
吹寄「上条!貴様はまたそんなことを――
上条「いやいや、いまは青髪を攻める場面だと上条さんは思ったりするのですが!?」
うるさい、と吹寄。横暴である。
土御門「にしても体育館(むこう)は楽しそうだにゃー」
青髪「せや!混ざりに行かへん?黄泉川センセーなら混ぜてくれるんちゃう?」
吹寄「草むしりがあるでしょ!」
なんとなく上条を含めた三バカは体育館のほうが面白そうなので、えーと声を揃える。
63 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:20:27.39 ID:Ha7TAlij0(34/41)
と、そこへ、なんの偶然か通気用に開けられた鉄の扉から、バスケットボールがバウンドしながら転がってきた。
ボールを追うように、中から体育教師らしい若い女性がポニーテールを揺らしながら出てくる。遠目に見てもなかなかの美人だ。
よく見れば、上条らの担任教師、月詠小萌の飲み友達にして体育教師、黄泉川愛穂だった。
黄泉川「おー、月詠センセのとこの悪ガキどもじゃん?」
随分なご挨拶である。
黄泉川は転がるボールを片手でひょいっと拾い上げながら、
黄泉川「四人揃ってなにしてるじゃんよ?」
どうも、黄泉川は真面目ちゃん吹寄制理を含めたいつも一緒にいる四人を『悪ガキども』と認識しているらしい。
当然、吹寄は納得がいかないらしく、
吹寄「ちょっ!あたしを三バカ(こいつら)と一緒にしないでください!」
64 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:21:33.98 ID:Ha7TAlij0(35/41)
黄泉川「ほっほー。元気がいいじゃん。やっぱ子供はこうでなくっちゃねー」
と、吹寄の抗議は耳に入っていないらしい。
勝手に納得している黄泉川に再度抗議をしかけた吹寄だが、青髪のバスケさせてくださいとの言葉にあっさり飲み込まれてしまう。
黄泉川は四人とむしってある草を交互に見比べると、
黄泉川「でも、あれじゃんよ。なんかの罰則やってるんでしょ?」
青髪「そんなちゃいますよ!僕ら自発的に校舎を綺麗にしようと思いまして!」
嘘丸出しの青髪に黄泉川は小さく笑うと、
黄泉川「ようし、そんじゃあクラス対抗戦にするじゃんよ!」
ノリノリで四人を体育館へ招いた。
65 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:22:29.25 ID:Ha7TAlij0(36/41)
御坂美琴は、学舎の園を外にある女子寮を目指して歩いていた。
学校指定の黒いかばんを、お嬢様とは思えないボーイッシュな持ち方で担いでいる。
そもそも美琴は普段の素行からしてお嬢様らしくないのだが、有する能力のおかげで随分と慕われていた。
今も、歩いている途中で、さようなら御坂様と声をかけられる。そのたびに作り笑いで挨拶を返すのだが、心中では、
(様ってなによ様って…!わたしは中学生だっつーの!)
そういう意味では、美琴は上条当麻に心の何処かで感謝していた。彼だけは、美琴を唯一対等な人間としてみてくれる。
どこか見下している部分もあるのだが…。
上条のことで頭がいっぱいになっていた美琴は、行き先を変更し、上条とよく会う公園に寄ることにした。
運良く会えれば、また勝負を持ちかけるためだ。
今日は身体測定で能力の調子も抜群だったので、勝負するのが楽しみになってくる。美琴の足取りは、いつの間にか軽やかになっていた。
66 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:23:54.58 ID:Ha7TAlij0(37/41)
「御坂さぁーん」
ふいに、横合いから声がかけられた。いつの間にか足が止まり、声だけで相手を察した美琴はあからさま不機嫌になる。
声の主は、美琴の最も苦手とする常盤台生、食蜂操祈だった。
どういうわけか、今日は派閥の少女たちを引き連れていない。群れてばかりいる食蜂にしては珍しい光景だった。
食蜂「無視しないでぇ?御坂さんってばぁー」
食蜂は上品な歩みで美琴への距離を詰めてくる。
仲が悪いことと、相手が自分と同じ超能力者であることを考えれば、警戒して当然の相手だった。
御坂「なに?別にわたしはアンタに用事はないんだけど」
食蜂「ひっどーい。そんな邪険にしないで?」
食蜂は、なにかたくらむような不敵な笑みを浮かべ、金色の長い髪を指で巻きながら、
食蜂「ちょっと派閥の娘から面白いことを聞いちゃって、それを確かめに来たんだゾ」
67 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:25:13.56 ID:Ha7TAlij0(38/41)
御坂「…なに?」
美琴はちらっと食蜂を一瞥し、短く尋ねた。
正直、美琴はこれ以上食蜂と関わりたくない。言外に、さっさといえと語る。
食蜂「そんなに睨まないでよぉー」
食蜂は肩にかけたバックのチェーンを握り直しながら、御坂の前に立つ。
バックの口から、黒っぽいリモコンが見え隠れしている。
食蜂「上条当麻。…知ってる?」
食蜂の口から出た、さっきまで美琴が考えていた少年の名前に、彼女がえっと短く反応する。
なぜ、この女の口からその名前が出るのか。美琴は頭が困惑するのを感じ、
御坂「なんで…なんでアンタがあいつのこと知ってんのよ!」
言い方がかなりきつくなっていたが、美琴はそれに構うだけの余裕を失っていた。
なぜ自分がここまで動揺するのかさえ美琴はわかっていない。
68 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:26:04.95 ID:Ha7TAlij0(39/41)
食蜂「やっぱり。最近無駄にお友達増やしてるみたいだから忠告しようと思ってたんだけどぉ」
食蜂「わたしのテリトリーにまで手を出さないようにってね?」
食蜂はひじまで伸びた白いグローブで顎に手を当て、
食蜂「でもぉ…やっぱり間違いじゃなかったんだぁ」
御坂「は?」
食蜂「上条さんはわたしのお友達だからぁ、手を出されると困っちゃうんだけどなぁ?」
食蜂は、今度こそリモコンに手をかける。
美琴は危機を感じ取りサッと距離を取ると、
御坂「なに?やる気?」
食蜂はにこにこと浮かべた笑みを一瞬だけやめ、美琴を睨んだ。ように見えた。
直後、再び人当たりの良さそうな(美琴に言わせればなにかたくらんでそうな)笑顔を浮かべ、リモコンをしまう。
69 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:27:14.07 ID:Ha7TAlij0(40/41)
食蜂「一対一じゃ難しいもの」
御坂は、それでも警戒をやめない。第三位である美琴に警戒を抱かせるほど、食蜂は凶悪な能力を持っている。
食蜂は忠告したゾ、とだけ告げると、踵を返し歩き始めた。
御坂「私も一つだけ忠告しといてあげる」
食蜂は、首だけで振り返り、
食蜂「なぁに?」
御坂「アンタの方こそ、アイツになにかしたら私が許さないから」
なんだかんだ言いながら、いがみ合いながらも、美琴は今の生活が気に入っていた。
後輩の白井や初春、佐天らと遊んだりしながら、上条当麻と戦ったりたまに話したり。
口では悪態こそつくが、美琴が上条を大切にしていることに変わりはない。
食蜂は、美琴の脅しに一度だけ目を細め、
食蜂「お互いに、ね?」
再び笑みを浮かべて歩き始めた。
70 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/09(水) 22:27:57.18 ID:Ha7TAlij0(41/41)
今日はここまで
71 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 22:28:49.39 ID:7Mjrmdteo(1)
ダメだ
書け
72 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 22:35:23.01 ID:zKORYp8Qo(1)
乙ー
73 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/09(水) 22:42:24.80 ID:UEXnuKaH0(1)
乙です
74 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 22:45:55.45 ID:0H6fwPzdo(1)
おつかれー
75 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 22:48:12.41 ID:/Ht6mLHUo(1)
乙
みさきちキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
76 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/09(水) 23:23:07.78 ID:D2VntnJX0(1)
上条さんちには布団ではなく金髪が住み着いたのか
77 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga] 2014/04/09(水) 23:36:53.09 ID:Uo6sN/Kb0(3/3)
布団デックスは病院に担ぎ込まれて、そのまま病院に居ついたんだろうか。
カエル先生の「患者に必要なものは全て用意する」ポリシーを利用して病院食を50人前とか平らげているんだろうか。
しかし作者は何を考えて布団デックスに大食い属性なんか付け足したのやら
78 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 00:40:37.91 ID:QeW+KAYIo(1/2)
お い つ い た !
79 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/10(木) 06:58:13.60 ID:4NL5Y2Nx0(1)
今はもう夏休みを過ぎて2学期に入ったのかな?
80 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 07:22:14.62 ID:+uZaKrrL0(1)
そういえば麦野リベンジしないのな。それ程、打ちのめされたのか
81 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 08:00:19.49 ID:KX6KQ9ag0(1)
上条さん家には、働き者は同居しないという法則
82 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/10(木) 10:56:36.50 ID:uYGceBlf0(1)
>80
麦野はそのうちくるんじゃね?
83 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/10(木) 11:31:11.42 ID:jl5R1TTG0(1)
みさきち今後ストーリーに絡んでくるのか
それはそうと、このスレの妹達編はどう改変されるのか楽しみだわ
84 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 15:24:48.17 ID:4PzSc2NC0(1)
>>39
きめえ
85 ◆HmDjqt09PA [saga] 2014/04/10(木) 17:11:35.19 ID:G2QgCnbk0(1/17)
このあと神裂さんが再登場して自動書記とラストバトルするルートと
すっとばして妹達編入るのとどっちがいいですかね。後者の場合は省略するだけで先に影響はないです。
一応両方のプロットを用意してたのですが
自動書記は結構レス食いそうなので。科学側を推してる方が多いのでどうしたもんかなーと。
86 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/10(木) 17:38:34.81 ID:56znZTYt0(1/2)
>>84
前者の方は
このスレで無理でも
番外編として別スレとしてでも見てみたいです。
87 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/10(木) 17:39:34.53 ID:56znZTYt0(2/2)
あ、まちがえた。
>>86は
>>85にたいしてです。
88 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 17:41:55.37 ID:Kh7j+Ws7o(1)
>>85
個人的には是非とも前者で
89 ◆HmDjqt09PA 2014/04/10(木) 17:45:08.29 ID:G2QgCnbk0(2/17)
了解です。ちゃんと書くことにしました!
90 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:11:32.87 ID:xXdZbD3TO携(1)
記憶喪失だけはやめてくれ。。。
91 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:13:24.93 ID:CqtmuZOOO携(1)
自動書記の所はいらない。そんなんでレス食うならやめてほしいわ
92 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:32:51.23 ID:FSI4efwq0(1)
記憶失わないでほしい
93 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:52:42.77 ID:A6Mlxjtio(1)
自動書記も見たい
94 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 18:53:32.80 ID:EIsAKZOn0(1)
この上条さんなら記憶喪失にはならんだろ...
それよりも上条家に洋ロリ二人か...
期待だな
95 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:02:51.45 ID:pHl0yVw2o(1)
読んでる奴らの意見はあくまで参考として考えてくれよ
俺は考えてる話全部読みたいと思ってる
でも結局の決定権は>>1にあるから書きたいと思ったらと書けばいいしその逆でもいいよ
96 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:08:58.27 ID:vPKZNu9O0(1)
影響ないって言ってんだし記憶喪失しないんじゃね?
あと禁書も住みつかなさそう
97 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:35:26.84 ID:ksLis7yDO携(1)
禁書がどうなったか気になるんで前者で。
98 ◆HmDjqt09PA 2014/04/10(木) 19:48:08.84 ID:G2QgCnbk0(3/17)
自動書記編で書き進めてます。申し訳ない><
重大発表を楽しみにしながら続きを書くとします。
99 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 19:59:52.11 ID:lTxWNlUxo(1)
頑張れ
100 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/10(木) 20:23:50.04 ID:4DVIHY/fO携(1)
禁書さんはイギリスに早くかえれ
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 692 レスあります
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ぬこの手 ぬこTOP 0.317s*