[過去ログ] 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」 (1002レス)
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637 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ] 2014/07/18(金) 03:05:05.83 ID:ZYMB0MP4o(1/2)
木曜日(次のとは言っていない)
嫌な予感はしていました
638 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/18(金) 03:09:20.39 ID:WiF2jgkQo(1)
ここで言ってる木曜は作中の一週間のことだろ 前のが水曜の話で次は木曜の話ってことでしょ
639 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/18(金) 03:17:16.89 ID:vIpRlL8x0(1)
俺たちの>>1が帰ってきた!
640 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/18(金) 20:48:12.88 ID:GXYqHYHx0(1/2)
ようやっとサイドMがスタートしましたねー
事前登録のおかげで、あまとうもゲット! 初期アイドルは薫くんをチョイス! え? どうでもいい? あ、はい。
今夜投下するよー
641 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/18(金) 20:50:10.28 ID:8a5xMTibo(1)
待ってます。金曜日だけど木曜日
642 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ] 2014/07/18(金) 20:50:23.11 ID:ZYMB0MP4o(2/2)
!?
643 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/18(金) 20:55:20.20 ID:BQUrQi3DO携(1)
え!?嘘!?
この1仕事しすぎ!
644 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/18(金) 23:57:36.25 ID:GXYqHYHx0(2/2)
ごめん、嘘ついた。
投下は明日致します。
645 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/19(土) 00:01:49.57 ID:pLA2feqFo(1)
おう、今はもうその明日やで
646 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/19(土) 03:47:04.83 ID:fTMm4ehPo(1)
明日の夜中二時くらいかな
647 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/19(土) 08:49:45.79 ID:gs1PeFbnO携(1)
土曜46時からかもしれん
648 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/19(土) 09:46:09.78 ID:ehJifMm40(1)
日本から日付変更線を越えれば今日になるし(震え声)
649 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/19(土) 21:50:42.50 ID:w4QUsNLg0(1)
夜中二時か・・・
650 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/19(土) 22:47:45.65 ID:lmPwJucB0(1)
まだ土曜日
651 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 00:19:41.06 ID:7cgLydjx0(1/2)
そして日曜日。
後2時間くらいかな?
652 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 00:20:37.77 ID:7cgLydjx0(2/2)
そして日曜日。
後2時間くらいかな?
653 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 01:20:43.70 ID:4SBxFEhG0(1/3)
全裸で待機してます。
654 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:16:32.20 ID:xehw/xfK0(1/15)
済まぬな。そろそろ投下しますで。
655 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:17:38.34 ID:aKcGwlB6o(1)
キター
656 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:18:17.73 ID:4SBxFEhG0(2/3)
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━!!!
657 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:22:12.39 ID:xehw/xfK0(2/15)
ー 木曜 thursday ー
さて、ここで改めて名言しておくが、俺は比企谷八幡である。
いきなり何を、と思われるかもしれんが、これはとても重要な事だ。
そう、重要な事なのだ。大事な事だからな。2回どころか3回言ってもいい。
今でこそ様々な人間と関わり、多少なりとも変化が見られたとしても、俺は俺だ。
そこだけは、どれだけ時間がたったても変わりはしない。
知らない人に話しかけられれば、盛大にキョドるし、
優しくされれば、何かあるのではと裏をかく。
伊達に、長年ぼっちはやっていない。
最近になって奇跡的に俺の事を友達と呼んでくれる奴らも出て来たが、それもごく稀だ。
658 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:24:24.84 ID:xehw/xfK0(3/15)
リア充を見れば、心の中で九九艦爆を出撃させるし、
昔の知り合いを見かければ、バレないようにと逃げてしまう。
どうしたって、変わらない所は変わらない。
だが、俺はそんな自分が好きだし、それで構わないと思っている。
他人に否定される事はあっても、自分くらいは肯定してやりたい。
だから俺は、今日も比企谷八幡であり続ける。
例え、
八幡「…………」
美波「…………」
現在進行形で、女の子と気まずくなっていたとしても、だ。
……やりづらい。
現在、俺は隣に座る彼女と仕事場へ向かっている。
足はタクシー。車の免許を持たない俺では、移動手段はどうしたってこうなる。
そしてただただ静かに鎮座している彼女は、新田美波。
今日、俺が付き添いを頼まれたアイドルだ。
659 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:26:05.74 ID:xehw/xfK0(4/15)
彼女は自信がキャンペーンガールとなっているラクロス全日本選手権の会場で、宣伝も兼ねた選手達への応援をする事になっている。
そして俺は、例によってその付き添い。理由は前川の時と似たようなものだ。
しかし、今回俺は思わぬ壁に衝突している。
前川の時以上に、いや。下手をすれば、今までプロデュースしてきたどのアイドルたちよりも厳しい状況かもしれない。
全ては、新田さんの人柄に起因する。
それと言うのもーー
美波「あ、あの、今何時くらいですか……?」
八幡「え、あー……8時、半、くらいですね」
美波「そう、ですか……」
八幡「ええ……」
美波「…………」
八幡「…………」
と、いった何とも言えないやり取りがずっと続いている。
何と言うか、ホントに……
八幡「(やりづらい……)」
660 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:27:50.16 ID:xehw/xfK0(5/15)
今にして思えば、これまでのアイドルたちが少々特殊だったのだ。
物怖じしないと言うか、強気というか、遠慮が無いというか。
基本受動的な俺に対し、グイグイ来る奴が多かった。
よく考えれば、同い年か少し年下が多かったからな。
気兼ねなく話しかけてこれたのは、それが理由の一つでもあるのかもしれん。
八幡「…………」
いや、あいつらなら例え年上でも同じように接してるだろうな。
予想ではあるが、断言出来る。
そしてそこに来て、年上の新田……さんだ。
正直、どう接していいのか分からない。
同じ年上でも、楓さんの時とは勝手が違う。
あっちはもっと年上だったし、何というか大人の余裕があった。
本人も気にせず話しかけてきたしな。
しかし新田さんは花も恥じらう19歳。
なんつーか、少女でもあり、大人の色気も出て来たりで……とにかくなんか緊張しちゃう!
まぁ最初は全然19歳だって知らなかったけどな。普通に女子高生だと思ってた。
しかも年齢を抜きにしても、新田さんはとても大人しい。
お淑やかというか清楚というか、間違っても「にょわー☆」とか言わないタイプだ。いや普通は誰だって言わんだろうけど。
無駄に元気があっても振り回されるだけだと思っていたが……
まさか、ここにきてあいつらの積極性にありがたみを感じる日が来るとは。
661 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:29:47.47 ID:xehw/xfK0(6/15)
別に新田さんの性格が悪いとは言わない。
むしろ個人的には好ましいまである。
だが如何せん……
八幡「(気まずい……)」
ホント、まさかこんな所で俺のコミュ力の無さを思い出すとはな。
俺も、プロデューサーとしてまだまだヒヨっ子なのだった。
美波「あ、あの……!」
と、ここで新田さんから再び声がかけられる。
ちなみにタクシーに乗ってからいくつか会話を交わしたが、その全ては新田さんからのものである。
し、仕方ないやん? そんな面識無いし、何話していいか分からないやん?
俺は窓の外から目を離し、新田さんへと顔を向ける。
さぁ次は何の話題だ? 天気か? 会話の墓場か?
俺はどんな話を振られてもいいように身構える。が、新田さんの発した言葉は、俺の予想の斜め上だった。
新田「ご、ごめんなさい……!」
八幡「…………は?」
思わず、間抜けな声が出る。
何を言われるかと思えば、何故か謝られてしまった。
え、俺何か謝られるような事した?
662 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:33:21.18 ID:xehw/xfK0(7/15)
新田「わ、私、今まであまり歳の近い男の人と話したこと無くて……だから、ちょっと緊張して……」
申し訳なさそうに、俯きがちに言う新田さん。
あーつまりなんだ。自分が緊張して上手く話せないから、そのせいで気まずい空気にしてしまって申し訳ないと、そう言いたい訳か。
別にそれは謝る事じゃないし、そもそも気まずいに空気にしている原因は俺にもある。
お人好しというか、律儀な人であった。
八幡「……いーっすよ。こっちこそすんません、年下のプロデューサーとかやり辛くて仕方ないでしょう」
美波「そ、そんな事ないですよ! 私なんかよりしっかりしてて、凄いと思います」
そう言って、やっと彼女は微笑んだ。
う……やばいな、本当に美人だ。これは勘違いしても責められない。いやしないけど。
というか、さっき何かとんでもない事を言ってなかったか?
確か、あまり歳の近い男と話した事が無いとかなんとか。
……マジかよ。こんな可愛いのに男の免疫ないとか、完全に誘ってやがるよ!(違います)
美波「あまり話した事が無かったですけど、比企谷さんがとても良い方で良かったです」
安心したようにそう言う彼女。
というか、比企谷さん呼びとな。年上なだけに、何とも違和感を覚える。
八幡「さん付けとか、敬語もいいですよ。年下なんですし」
美波「え? でも……」
八幡「そっちのが、かえって気遣っちゃいます」
少し卑怯な言い方だが、こう言えば彼女も諦めるだろう。
実際言った事は本音だし、普通に話してくれた方が俺も何かと気が楽だ。
663 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:35:11.80 ID:xehw/xfK0(8/15)
美波「そう……かな? ……じゃあ、よろしくね比企くん」
八幡「…………ええ」
ニコッと笑い、新田さんは少し恥ずかしそうに言う。
うぁぁああああああ天使か己はッ!!!!
し、しっかりしろ八幡! 戸塚だ、戸塚の笑顔を思い出せ!
俺は心の中で戸塚とのアバンチュール(妄想)に没頭するが、勿論新田さんはそんな事など知らない。
美波「今日はありがとう比企谷くん。プロデューサーさんが来れなくて困ってたから、助かっちゃった」
八幡「えっ? あ、あぁ。別にこれくらい大丈夫ですよ」
新田さんの言葉で、俺は現実に戻る。
危なかった。もう少しで超えてはいけない一線を超える所だった……
八幡「実際、俺が一緒にいてもやれる事なんて殆ど無いですしね」
美波「でも、男の方が付き添いなら危ない人に襲われる心配も少ないってプロデューサーさんが言ってたよ?」
八幡「まぁ確かに……でも、新田さんのプロデューサーならどっちにしろ心配無さそうですけどね」
美波「あ、あはは……うん……」
664 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:37:55.19 ID:xehw/xfK0(9/15)
思い出すは、あのやけにキリッとした金髪眼鏡の女プロデューサー。
美人でスタイルも抜群。ぶっちゃけアイドルとしても通用するような容姿の彼女だが……如何せん、残念だ。
なんでも男には興味が無いらしく、可愛い女の子をプロデュースしたくて一般Pになったらしい。何それ怖い。
元女子大の主席とは聞いていたが、まさかここまでとはな。
この間なんかは、アイドルたちのライブ衣装の試着に同伴して「メ、メニアーック!」とか言って鼻血出して倒れたらしい。だから怖ぇって。
美波「で、でも良い人なんだよ? 私の為に凄い頑張ってくれてるし。……まぁ、ちょっと薦めてくる衣装は恥ずかしいけど」
八幡「えっ」
なん…だと……
そうか。新田さんのやけに露出の多い衣装はそのせいだったのか。やるじゃねぇか変態プロデューサー!
世の美波ファンを代表して、心中で賛辞を送る。
美波「それに、比企谷くんの事も評価してたよ? プロデューサーさん、あまり男の人の事を良く言わないから、ちょっと驚いちゃった」
八幡「あーそれはまぁ……」
というのも、新田さんのプロデューサーと初めて話したのは最近になってからだ。
なんでも、凛のライブに感銘を受けたらしい。
直接会いに来て、なんか凛にハァハァしていたのは記憶に新しい。凛が怯えてて可愛かったです。
ちなみにその時に「あなた、中々良い趣味してるわね」と言われた。
いやアンタには敵いませんて。
俺はその時の事を思い出し苦笑する。
すると、そこで新田さんは別の話題を振ってきた。
665 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:40:11.98 ID:xehw/xfK0(10/15)
美波「……比企谷くん、一つ訊いてもいい?」
八幡「? 何です?」
美波「こんな事訊くのは、あまり良くないかもしれないんだけど……」
顔をしかめつつ、新田さんはおずおずと話し出した。
美波「私や凛ちゃんはシンデレラプロダクションのアイドルだけど、プロデューサーや比企谷くんは、その……正式には、社員じゃないよね」
八幡「……そう、ですね」
美波「だから、その……このプロデューサー大作戦っていう企画が終わったら……」
その続きは、言葉になることは無かった。
それでも、言わんとしてる事は充分に伝わっていた。
俺だって、気付いていなかったわけじゃない。
このプロデューサー大作戦という企画が終われば、俺も、新田と前川のプロデューサーも、
会社を辞めて、元の一般人に戻るのだ。
もしかしたら、そのまま正社員になる可能性もある。
以前に言ったように、この企画自体に選定的な意味合いがあるなら、それは決して低い可能性ではないだろう。
だがそれでも、確実な話ではない。
企画が終われば、別れがやって来る。
そう思っていた方が、きっと身の為だ。
666 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:43:02.32 ID:xehw/xfK0(11/15)
八幡「……やっぱり、プロデューサーと離れるのは寂しいですか?」
俺がそう訊くと、新田さんは俯き、やがて小さく頷いた。
美波「……うん。プロデューサーさんは、私に色んなものをくれたから」
その言葉を聞いて、ふと凛の顔が、凛と過ごしたこれまでの記憶が蘇る。
色んなものをくれた。その言葉はきっと、事実だろう。
そしてそう思っているのは、彼女のプロデューサーも同じはずだ。
俺が、そうだから。
美波「……比企谷くんは、どう思う? プロデューサーさんには聞けないけど、同じ立場の比企谷くんならどうなのかなって……」
八幡「…………」
アニバーサリーライブまで、既に二ヶ月を切った。
そしてそれが終われば、もう企画終了まで僅かな時間しかない。
つまり、それが凛との残された期間。
そんな事は分かり切っている。
だから、俺はーー
八幡「わからないです」
美波「え?」
667 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:44:59.35 ID:xehw/xfK0(12/15)
俺の言葉が意外だったのか、目を丸くする新田さん。
そんな新田さんに対し、俺は言葉を続ける。
八幡「……いや。というよりは、考えてる余裕が無いって感じですかね」
美波「余裕が無い……?」
八幡「ええ。だって、まだ企画は終わってませんから」
美波「っ!」
そうだ。
確かに別れはいつか必ずやってくる。
でもそれは、今じゃない。
八幡「そりゃ俺だって思う所が無いわけじゃないです。それでも、今は凛をトップアイドルにする事だけを考えるようにしてます」
美波「…………」
八幡「まぁ、問題を先送りにしてるって言われたらそれまでですけどね。……けど俺は、凛をシンデレラガールにしたくてプロデューサーやってるわけですから」
きっとこんな事、本人には言えないだろうな。
相手が新田さんだからこそ言える、今の俺の本音。
そしてこれはきっと、俺だけではない。
668 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:46:29.22 ID:xehw/xfK0(13/15)
八幡「……新田さんのプロデューサーも、たぶん同じだと思いますよ」
美波「っ! プロデューサーさん、も……?」
八幡「ええ」
新田さんとプロデューサーが、二人で話しているのを見た事がある。
本当に中が良さそうで、こんな俺からでも、確かな絆があるように感じられた。
まるで、姉妹のように。
美波「そっか……」
そして俺の言葉を聞いた新田さんは、少しだけ晴れやかな表情になっていた。
いつもよりちょっとだけ、力強い笑顔。
美波「それなら、私も頑張らないとだね」
八幡「……ですね。手始めにまずは、今日の仕事を片付けましょう」
美波「うん♪」
そうして、タクシーは仕事場へと向かって行く。
その後いくつか会話を交わしている内に気付いたが、いつの間にか普通に話せるようになっていた。
お互い、自分の胸の内を見せたおかげかもな。
669 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:49:27.63 ID:xehw/xfK0(14/15)
きっと、誰しもが等し並に悩みを抱えている。
それはアイドルでも、プロデューサーでも。
解消できたとは言えない。それでも、今このときだけは彼女を笑顔に出来た。
比企谷八幡は変わらない。
イケメンを見れば呪詛を唱えたくなるし、
可愛い子を見れば、どうせビッチだろうと決めつける。
我ながら、腐った目と性根をしているものだ。
しかし。そんな俺でも、一人のアイドルを笑顔に出来た。
ならやっぱり、
比企谷八幡という人間も、案外捨てたもんじゃない。
670 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/20(日) 02:51:24.44 ID:xehw/xfK0(15/15)
次回は金曜! 一週間も後半へ突入です。
美波ちゃんよりヒッキーが年下だという事実に最近気付く1。
671 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:52:21.16 ID:GvpcKUZ2O携(1)
乙!明日朝早いのに起きてた甲斐があったぜ!
672 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:53:45.85 ID:4SBxFEhG0(3/3)
乙!続き楽しみにしてます。
673 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:54:10.73 ID:uLQiK034o(1)
乙
674 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 02:56:32.49 ID:WcpzknEDo(1)
乙 次回も期待
美波のプロデューサーはいぬぼくの野ばらかww
675 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 03:18:40.99 ID:bhW/pkv2O携(1)
支援
676 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 03:31:37.26 ID:2l20FNtO0(1)
あの雪女は何やってんだよww
677 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 08:37:15.29 ID:yGWSTm5vo(1)
このままいくと節操なしととられて
マジで刺されかねんぞ
678 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/20(日) 17:06:50.23 ID:z7+cIFDNO携(1)
プロデューサーのCVもアイドルと同じでいいんじゃないかと思うような人だなw
そろそろ川島さん来てもいいと思うんだけど、大人枠楓さんなんだよなあ
679 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/20(日) 17:35:12.27 ID:QZ9+Ui+w0(1)
乙です!
野ばらさん、雑巾…一反木綿の世話はどうしたんだよ!?
680 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [[sage]] 2014/07/21(月) 10:15:31.37 ID:4eVgbwvA0(1)
更新してたorz
そろそろ本当に川島さんは来てもいいと思う
681 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/21(月) 11:15:49.53 ID:j0J3m/Iw0(1)
このシリーズが始まって今日でちょうど1年なんだよな
感慨深いものがあるな
682 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 12:39:00.30 ID:/s5VgONs0(1)
1周年おめでとう
いつも楽しませてもらってるよ
683 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/21(月) 21:25:35.36 ID:c4PLkUDc0(1)
一周年記念マダー?(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン
684 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 22:31:07.41 ID:wJ+wXROQ0(1)
一周年御目出度う御座います。
このSSの御陰で今や重課金兵の仲間入りです。
685 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 23:07:37.87 ID:RYS8kHCzo(1)
そうか
>>1はち○ろさんの回し者だったのか
686 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/21(月) 23:08:51.68 ID:cNTGKiLb0(1)
皆さんお祝いの言葉ありがとうございます!
まぁぶっちゃけ更新が遅いせいでここまで長引いたわけですから、めでたいかどうかで言えば微妙なところですが……
今日はちょっと時間が無いんで、投下は明日か明後日を予定しています。
一年立つ前に完結させたいなーとは思っていたんですが、もうしばしお付き合いをお願いします。
687 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 23:13:57.81 ID:k/tAYDl/o(1)
明日か明後日まで待ちます。
もう1年続けてしまうのはどうでしょう?
688 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 23:19:34.45 ID:UpLz/tDro(1)
明日明後日なら週末位の気持ちで待ってます
689 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/21(月) 23:43:52.15 ID:n4EUNUGc0(1)
最近の更新の速さはすごいな…
余命宣告でもされた?救急車呼ぼうか?
690 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:07:33.49 ID:b0oTqJpy0(1/15)
そろそろ投下するよー
人いるかな?
691 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:10:08.13 ID:BTRDSAhPo(1/2)
キター
692 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:10:35.88 ID:/EJ7ooLao(1)
さぁ来い
693 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:12:13.77 ID:nzoUSoaoo(1/2)
キター
694 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:13:50.65 ID:b0oTqJpy0(2/15)
ー 金曜 friday ー
八幡「ーー何でだッ!」
柄にもなく、叫んでしまう。
こんなに喉が痛くなる程声を出すなんて、俺らしくない。
しかしそれでも、叫ばずにはいられなかった。
絶対に諦めるわけには、いかなかったんだ。
奈緒「…………」
そんな俺を、酷く冷めた目で見つめる奈緒。
呆れ果てたように、どこか侮蔑を含めた視線で、ただただ俺を射抜く。
何だってんだ……
そんなに、そんなにいけない事なのかよ……!
695 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:15:23.69 ID:b0oTqJpy0(3/15)
未央「なおちん……」
そしてその隣では、奈緒を宥めるように声をかける本田。
どちらかと言えば、彼女は俺を擁護してくれている側だった。
未央「少しくらいなら、ね? プロデューサーもここまで言ってるんだし……」
奈緒「ダメに、決まってるだろ……」
八幡「ッ!」
だが、それでも奈緒は引き下がらない。
俺への睨みを強くし、更に畳み掛けてくる。
奈緒「そんなの……そんなの許されるはずがない! 例え周りが良いって言ったって、アタシが認めないっ!」
絶対に引かないという、奈緒の強い意志が伝わってくる。
だがな、そんなのは俺だって一緒なんだよ。
絶対に、引けるかーーッ!
八幡「いいぜ……お前が俺の頼みを聞けないってんならーー」
奈緒・未央「「ッ!!」」
696 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:19:34.37 ID:b0oTqJpy0(4/15)
八幡「ーーまずは、そのふざけた幻想をぶt「そろそろ本番でーす! 出演の方は準備お願いしまーす!」
…………。
奈緒「あ、はーい。今行きまーす」
未央「ごめんねプロデューサー? もう始まるし、行ってくるね♪」
スタッフの声が聞こえるや否や、奈緒と本田はさっきのノリから一転、何事も無かったかのようにさっさとその場を後にする。
残されたのは、ただ虚しく右拳を掲げる俺一人。
……なんでだ。
俺はその場に崩れ落ち、無様にも膝をつく。
どうしようもない想いが、溢れてしょうがなかった。
なんで、なんでーー
八幡「なんで俺も『千葉散歩』に出してくれないんだ……!」
奈緒「いや無理に決まってるだろ」
奈緒のツッコミすら、今の俺には虚しかった。
わざわざ戻ってくるなよ……
697 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:22:03.99 ID:b0oTqJpy0(5/15)
そんなこんなで、今日の俺の仕事は奈緒と未央の番組『千葉散歩』の同行だ。
千葉出身の二人が、千葉の名所を紹介していくローカル番組。今最も俺の中で熱いテレビ番組だと言えよう。
ちなみに毎週録画しているのは秘密である。
俺が今日このロケに同行しているのは、先日奈緒たちに相談を受けた事が発端になる。
より身近な意見を取り入れたいという事で、出演者以外の千葉出身者からの案が欲しかったらしい。
もちろん、俺は二つ返事でOKした。むしろ心待ちにしていたまである。
俺が積極的過ぎてスタッフが若干引くくらいだったが、まだまだこんなもんじゃ足りないくらいなんだよこっちは!
そしてそんな俺の意見が採用された回の収録が、今日というわけだ。
やはり原案者としては現場まで同行せねばなるまいと、半ば強いn……快諾を得てロケに付いて来た。
本当なら少しだけでもいいから出してほしかったが……やっぱ無理ですよねー
まぁ俺もダメもとだったしね。半分冗談だったしね。いやホントホント。超出たかったーーッ!!
というわけで、俺は大人しくスタッフさんと一緒に静かに見守るのでした。
未央『いやー楽しかった♪ 今日はどうだったナナミン?』
菜々『ナナもすっごい楽しかったです! ゲストで呼んで頂きありがとうございました♪』
カメラ越しに見えるのは、今日のゲストである安倍菜々……さん。
既にロケも終盤で、残るはエンディングを残すのみだ。
698 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:25:08.75 ID:b0oTqJpy0(6/15)
菜々『いやー最近は忙しかったから、あまり帰ってこれn……あっ』
未央『帰って??』
菜々『い、いやあのそのっ、そう! ウサミン星へのワープホールが千葉にあってですね! それで……』
未央『そう言えばナナミン、マザー牧場行った時に、昔よく遊びに来てたとかなんとか……?』
菜々『ミ、ミミミン……』ダラダラ
奈緒『こ、今週はこの辺で! また来週も千葉のどこかでお会いしましょう! またなー!』
『はーい、オッケーでーすっ!』
八幡「…………」
オッケーなのかよ。
心の中でツッコミを入れ、今日の収録は無事終了した。
いや、約一名無事じゃない気もするが。
なんでもファンには、このグダグダな緩い感じがウケているらしい。
まぁ、気持ちは分からんでもない。
ちなみにレギュラーは本田と奈緒。
そして順レギュラーには同じく千葉出身のデレプロ所属アイドルの、太田優に矢口美羽がいる。
ただ基本的には本田と奈緒の二人進行なので、たまーに太田さんか矢口がそれに参加するといった具合だ。
基本的にゲストは珍しいのだが、何故か安倍さんはよく呼ばれる。ナンデダロウネー。
そろそろ凛もゲストに呼んでほしいものだ。
699 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:27:32.41 ID:b0oTqJpy0(7/15)
そんなわけでロケも終了し、場所は変わってロケバス内。
今日はもう上がりなので、東京の会社まで送ってくれるらしい。良いスタッフさんたちだ。
奈緒は疲れたのか、窓へもたれ眠ってしまっている。
安倍さんは……なんか凹んでるな。そっとしておいてあげよう。
そんで本田はというと……
未央「お疲れ様プロデューサー♪」
何故か、俺の隣の席へと座っている。
いや、他にも席結構空いてるよ?
八幡「……お疲れ」
未央「もうプロデューサー、そこは闇に飲まれよ! くらいは言ってくれないと!」
八幡「お前は俺に何を求めてるんだ……」
からかうような笑顔で、これでもかと絡んでくる未央(比喩です)。
ロケが終わったばかりだというのに元気な奴である。ちょっと杏に分けてやれ。
俺が鬱陶しそうな態度を隠そうともせずにいると、それが気に食わなかったのか、わざとらしく拗ねた顔になる本田。
700 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:29:24.87 ID:b0oTqJpy0(8/15)
未央「あーあ、折角千葉散歩に出演出来るようにディレクターさんにかけあおうかと思ったのになー」チラッ
八幡「クックック、闇に飲まれよ!」
そして俺は単純な男であった。
くっ、俺を即陥落させるとはな。やりおるわい。
未央「あはは、期待せずに待っててね」
そう言って笑う本田だが、俺としては期待せずにはいられない。
ぶっちゃけ俺が出演した所で一体誰得なの? と、当たり前過ぎる疑問も湧くが全力でスルー。
いやぁ、まさか本当にかけあってくれるとはな。マジ本田△。
内心で彼女に対し賞賛の嵐を送る。
と、そこで本田はふと、いつもとは少し違う笑みを見せた。
それは何と言うか、昔を思い出し、懐かしむような微笑み。
俺だって本田とはそれほど長い付き合いというわけでもない。臨時プロデュースした事だってたかだか数回だ。
が、それでも今の表情は少し違って見えた。
いつもの眩しい笑顔とは違う、どこか哀愁を漂わせた微笑。
その見た事のない一面に、不覚ながらも一瞬目を奪われる。
701 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:31:14.64 ID:b0oTqJpy0(9/15)
未央「……ありがとね、プロデューサー」
八幡「えっ? あ、あぁ……」
不意に声をかけられるもんだから、思わず変な声を出してしまう。
俺は何とか取り繕い、言葉を続ける。
八幡「別に気にすんなよ。こんくらいなら千葉県民として当然のことだ」
未央「あはは、そっちじゃなくってさ。……まぁ、それもあるんだけど、それとはまた別のこと」
八幡「別のこと?」
何だろう。何かお礼を言われるような事をしただろうか。
この間凛のブロマイドあげたけど……でも代わりに凛の写メ貰ったしなぁ。あれじゃないか。
未央「忘れてないよね? 宣材写真だよ」
八幡「宣材写真って……あの、初めて会った時の事か?」
未央「うんっ。しぶりんとしまむーと……私たちの、初めてのアイドル活動」
初めてのアイドル活動。
確かに今にして思えば、あれが俺にとっても最初のプロデュースだった。
八幡「そういや、お前らが初の臨時プロデュースだったな。つっても写真撮っただけだが」
702 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:33:28.39 ID:b0oTqJpy0(10/15)
思わず、俺も懐かしむように思い出す。
あれをきっかけに、奉仕部のデレプロ支部として活動するようになったんだよな。
まぁ最初の臨時プロデュースと言っても、俺は精々見てたくらいだが。
しかし本田はと言うと、俺の言葉に対し首を振る。
未央「ううん。確かに写真を撮っただけだったけど……でも、私たちにとっては大切な第一歩だったんだよ」
八幡「……第一歩、ね」
未央「うん! しまむーも、同じことを感じてると思う」
そう言う本田の言葉に、妙に納得してしまう。
確かに、島村なら同じような事を言いそうだ。
未央「そりゃプロデューサーにとっては、たくさん臨時プロデュースしてきたアイドルの一人かもしれないけど……私たちにとっては、ただ一人のプロデューサーなんだよ?」
俺の目を見つめて、そんな事を平然と宣う。
未央「たぶんこれは、臨時プロデュースしてもらったアイドルみんなが感じてると思う」
そう言って、本田はまた微笑んだ。
……中学の時にこいつに出会わなくて良かったな。
危なく、勘違いで好きになってしまいそうだ。
703 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:34:55.64 ID:b0oTqJpy0(11/15)
八幡「……その内、お前らにも新しいプロデューサーがつくさ」
未央「フフフ……実は私たちがそれを断ってるって言ったら……?」
八幡「えっ」
ニヤリ、という擬音がこれでもかと思うほど似合う表情。
いやいや、まさか、ねぇ。
八幡「……冗談だよな?」
未央「さて、どうだろうね♪」
いやそんな可愛く舌出しても騙されんぞ。
まぁでもさすがに冗談だろ。あいつらがプロデューサー断ってるとか……冗談だよね? ね。
と、俺が悶々と深みに嵌っていると、本田が思い出したように口にする。
未央「そうだ、プロデューサーにお願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
八幡「お願い?」
お願い。なんだろう、ついこの間もそのワードを聞いた気がする。
しかし俺が思い出す暇もなく、本田は俺に面と向かって口を開く。
704 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:37:29.35 ID:b0oTqJpy0(12/15)
未央「しぶりんの事、よろしくね」
そして言われたのは、ある意味では予想通りのものだった。
まさにデジャヴ。
八幡「……それ、この間も別の奴に言われたぞ」
未央「え、ホント? そっかぁ、やっぱり私だけじゃなかったんだね」
そう言う本田は、納得したように一人でうんうん頷いている。
いやどういうわけよ。
未央「なんだろうね。二人を見てると、頑張ってほしいなって思うというか、心配になるっていうか……」
八幡「オカンかお前は」
そんな親心みたいな心境で見られてたのか俺たちは。
なんとも恥ずかしいものである。
未央「まぁそういうわけで、よろしくお願いね。それと……」
スッ、と。不意に右手が差し出される。
それは小さく奇麗な本田の手で、握手を求められているという事に気付くのに、数瞬かかった。
705 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:40:00.64 ID:b0oTqJpy0(13/15)
未央「私たち臨時アイドルの事も、これからもよろしくね♪」
八幡「…………おう」
それは、これからも奉仕部として頑張ってくださいという意味でいいのだろうか。
そう思うと中々に複雑な心境であったが、まぁ、ここは良しとしておこう。
ただ恥ずかしいものは恥ずかしいので、握手した後はすぐに手を離した。
やべぇな。手汗とか大丈夫だろうか。
とりあえず、平静を装って話題を変える。
幸いにも、到着まで間もなくだ。
八幡「ほら、そろそろ着くぞ。安倍さんは……なんかブツブツ言ってるから起きてるな。本田、奈緒のこと起こしてやってくれ」
未央「むむむ……」
と、ここで何故かしかめっ面の本田。
未央「プロデューサー、もっかい言ってくれる?」
八幡「あ? いやだから、奈緒を起こしてくれって…」
未央「……そうじゃなくて、もっかい呼んでみて」
八幡「呼んでみろって…………本田?」
706 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:42:43.00 ID:b0oTqJpy0(14/15)
俺が若干困惑気味に呼ぶと、本田はあからさまに肩をすくめながら溜め息を吐く。
今にもやれやれだぜと言いそうな雰囲気だ。何だオイ。
未央「そうかぁ……やっぱり私としまむーは、まだその段階まで達してないって事か。道のりは長そうだなぁ……」
八幡「何の話だ?」
一人でブツブツ言っている本田に俺が訊くと、一度だけこっちをチラッと見る。
そしてその後、フッと鼻で笑う。え、何この子。
未央「あーいいよいいよ〜その感じ。正にラノベ主人公って感じ? きゃーモッテモテー☆」ふっふー♪
八幡「バカにしてんだろオイ」
その後ヒートアップした会話のうるささで奈緒が起きるのだが、まぁ手間が省けたという事にしておこう。
スタッフさんには迷惑をかけたので、後で菓子折りでも送っておく。
けど、今日はやっぱ同行して良かったな。
こうして臨時プロデュースしたアイドルたちの現状を知れるという意味では、貴重な機会だ。
もちろん、本人たちの前では口が割けても言わんがな。
しっかし、本田には困ったもんだ。どっちが鈍感なのやら。
………………改めて呼び方変えるの、恥ずかしいだろ。察しろっつーの。
707 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/24(木) 01:44:49.55 ID:b0oTqJpy0(15/15)
次回は土曜! 一週間も残す所、土日のみ。
最近、パーフェクトスターちゃんみおゲットしてはしゃいでしまった。
708 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:45:56.17 ID:nzoUSoaoo(2/2)
乙です
709 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:46:14.47 ID:BTRDSAhPo(2/2)
乙
710 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/24(木) 01:47:50.40 ID:6ieawSgX0(1)
乙!
生更新に初めて会ったわ。
残りの土日分楽しみにしてるよー
711 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 01:50:59.79 ID:OCO9D7YQo(1)
乙乙
次はきのこか姉妹かそれとも蘭子か
土日も楽しみに待ってます。
712 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 05:58:38.52 ID:Q+5TbV4xo(1)
順レギュラー→準レギュラー
安倍さん→安部さん
じゃなかろか。
ともかく乙乙
713 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 16:21:42.37 ID:rDGZH4hSO携(1)
アッキーさんとジョーズ矢口はサブ扱いなのか。
乙
714 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/24(木) 18:23:45.25 ID:8oifuBI80(1)
ちゃんみおはナナさんのことウサミンって呼んでなかったか
まぁ些細なことなんだけど面白いのにはかわりないから応援してるよ
715 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 23:00:50.17 ID:am5E9DsZo(1)
俺ガイル6.5巻のぼーなすとらっくに激寒ダジャレお姉さんネタがあって草生えた
716 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 23:31:51.88 ID:NC+2xz/Jo(1)
>>715
あ? 布団ふっ飛ばすぞテメエ
717 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/24(木) 23:55:16.23 ID:wbz81KdC0(1)
>>715
まだ聴いてないからネタバレやめてくれ…
718 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 00:54:06.74 ID:kgKSoSxXO携(1)
またそのくだりやんのかよw
新刊未読ならスレ覗くのは我慢しよう
ネタバレ雑談、感想投稿もなるべくそれ専用のスレでやろう
719 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/25(金) 04:07:21.12 ID:ls2Th33no(1)
まあここに感想言いに来てどうすんだよって感じはする
720 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/26(土) 01:18:38.64 ID:68jxxpRSO携(1)
そんな深く考えてした発言じゃないだろ
<細けえことはいいんだよ!
721 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/26(土) 07:38:28.72 ID:SbzXT0ny0(1)
あべななさんじゅうななさい可愛い
722 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/27(日) 20:02:50.10 ID:mzs4vElx0(1/2)
今夜更新しますよぉ。
まぁネタバレに関しては難しい所ですな。
面白かったとか、こんな感じの話とか、詳しく内容を言わない程度なら大丈夫かと。
そんで、前回はやけに誤字とか間違いが多かったようで申し訳ない……
眠いと色んな所で確認怠ったり妥協したりしちゃうので反省。ウサミンごめんなさい。
723 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/27(日) 20:13:26.24 ID:AmOrp/tN0(1/2)
気にしないで
そんなことより今年は誕生日どうすんの?
タイムリープするの?
724 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/27(日) 20:18:06.97 ID:mzs4vElx0(2/2)
>>723
理想としてはヒッキーか凛ちゃんの誕生日に最終回を迎えたいですな。
今の所は番外編は特に予定してないよ。
725 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/27(日) 20:44:50.98 ID:AmOrp/tN0(2/2)
なるほど期待して待っときます
726 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:34:55.12 ID:ssSX13fx0(1/18)
そろそろ投下するよー
727 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/07/28(月) 00:38:03.76 ID:gZtjI2U60(1)
まってた
728 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:39:59.48 ID:ssSX13fx0(2/18)
ー 土曜 saturday ー
東京都内にそびえ立つ一つのビル。
総勢200人以上ものアイドルと社員を抱える、ご存知シンデレラプロダクションだ。
その姿はコンクリートジャングルの景観の中、周りにとけ込み過ぎる程にとけ込んでいる。
しかしそれは如何せん地味という意味であり、別に立派だとか、外観が美しいとかいう意味ではない。
しかも一階は喫茶店。小奇麗で良い店ではあるのだが、それがまた芸能プロダクションらしさを打ち消しているような気もする。
コーヒーも美味いし、ウェイトレスさんも可愛い。けれど、何だか締まらない。ちなみに可愛いウェイトレスさんはこの間社長にスカウトされてアイドルになりました。もう提携でも結んどけ。
だがそんな何とも言えないうちの会社も、その地味さから未だファンからあまり場所が特定されていない。
いや、ホームページとかに普通に住所は載っているんだけどな。ファンが押し掛けてきたりもあんましない。
たぶん実際にアイドルに会いに来ても「あれ? ここであってる、よな……?」とかってなって、いまいち確信が持てないのかもしれない。やったね。良いカモフラージュになってるね。
とまぁ、そんなお世辞にも豪華な装いとは言えないシンデレラプロダクション本社だが(別に支店とかは無い)、それでも俺は評価している点はある。
729 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:42:06.19 ID:ssSX13fx0(3/18)
例えば、冬場はコタツが出る。今はソファーだが、これも中々良い。時系列とかは気にしちゃいけない。
休憩所は奪い合いになるからな。杏あたりに奪われると5時間は動かない事を覚悟せねばならない。でも俺が座ってると皆座ろうとしなくなるんだよね。不思議ダネ。
例えば、嫌な上司がいない。というか、俺は一般Pだから直属の上司がそもそもいない。金銭面にがめつい事に目を瞑れば、奇麗な事務員さんはいるよ。
ちなみによく求人票とかに「アットホームな職場です!」とか書いてあるけど気をつけろよ。あれは嘘だ。
そして俺が最も評価している点。それは……
ガコンッ、と。一本の缶が取り出し口に落ちてくる。
その黄色く細長い。特徴的な缶。
俺のマイフェイバリットドリンク。
八幡「やっぱこれだね。MAXコーヒー」
一口飲み、口の中いっぱいに広がるその甘さ。
こいつを買える自販機が置いてあるんだから、分かってる会社だぜ。
心の中でサムズアップをし、社内へと戻るのであった。
……外に無ければもっと良いんだがな。
730 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:44:14.67 ID:ssSX13fx0(4/18)
今日は土曜日。
一般Pとしてこの会社へやってくる前であれば、今頃は家で休日を満喫していただろう。
だが、今では立派な社畜。
当時の俺からすれば、目を疑うような状況だ。
が、それに慣れてしまったのだからそれが一番恐ろしい。
階段を上りながらそんな事を考えていたら、心なし足が重くなっていうような気がした。
やべぇな、俺もう歳じゃね? アンチエイジングしなきゃなんじゃね? 平塚先生なんじゃね? ……いや、俺はまだ大丈夫だな。
そんな失礼な事を考えて少し楽になり、俺は会社への扉を開く。
会社の中へと戻ると、そこにはソファーでくつろぐアイドルの姿が。
一応言っておくが、杏ではない。
美嘉「おっ、プロデューサーじゃん。お疲れ〜★」
卯月「お疲れ様です、プロデューサーさん♪」
こちらを見るやヒラヒラと手を振ってくる美嘉に、ペコッと軽く礼をしてくる島村。
この組み合わせがいるって事は……
八幡「お疲れさん。お前らはデレラジの収録帰りか?」
美嘉「うん。今さっき帰ってきた所」
卯月「今日も楽しかったです」
731 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:47:05.10 ID:ssSX13fx0(5/18)
満面の笑みの島村。
その反応を見れば、建前とかではなく本当に楽しかった事が伝わってくる。
うむ。仕事を楽しめるというのは良い事だ。杏に爪の垢でも煎じて飲ませたれ。
八幡「…………」
しかし、あれだな。
このメンバーだと、ついついアイツがいないかと思っちまうな。
そんな事はありえないと分かっていつつ、俺はなんとなしに空いたソファーを見てしまう。
そしてふと、視線を戻した時に美嘉と目が合った。
美嘉「? 凛ならいないよ?」
八幡「……いや、知ってるが」
え、なに。今の視線の動きだけで察したの?
八幡「そんな事言われんでも、あいつのスケジュールくらい把握してる」
美嘉「ふーん? まぁ別にいいけどさ。なんか凛いないのかなーって顔してたから」
八幡「なに言ってんだ。しちぇるわけねーだろ」
卯月「かみかみですね」
女の勘って怖い。
改めてそう思いました。
ちなみに今頃凛は海の向こうへ行っているだろう。いや、別に世界レベルさんとかじゃなく。
今回は輝子と一緒に海外ロケ。あの例のキノコ採取番組のゲストとかで、輝子が嬉しそうにしていたのを思い出す。
それに対し凛の表情は複雑そうだったがな。南無三。
732 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:49:28.36 ID:ssSX13fx0(6/18)
八幡「そういや凛がいない代わりに代行としてデレラジに一人着くって聞いたが、誰だったんだ?」
卯月「ちひろさんですよ」
八幡「…………は?」
え? 今なんて言った?
八幡「鬼?」
美嘉「いやだから、ちひろさん」
八幡「あ、そうか悪魔か。なに、蘭子の奴ついに召還術でも会得したのか」
卯月「そろそろ怒られますよ?」
さすがに呆れた様子の島村。
いやだって、ねぇ?
当然アイドルが代わりに出ると思ってたのに、まさかの事務員ちひろさん。
いや、確かに美人だけどね? 確かにサトリナボイスだけどね?
さすがにこれは予想外である。
美嘉「スケジュール的に代わりに出てくれそうなアイドルがいなくってさ。もうこの際アイドルじゃなくてもいいかって話になって」
卯月「そこで、普段お世話になってるデレプロ関係の人って事で…」
八幡「ちひろさんが選ばれたわけ、ね」
まぁ確かにアイドル意外でとなれば無難な選択と言えるな。
アニメのラジオとかでも原作者や監督が呼ばれる事は多々ある事だ。面白いかどうかは別として。
733 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:51:33.19 ID:ssSX13fx0(7/18)
八幡「けど、よくちひろさんもOKしたな」
断言は出来ないが、あの人はあまり目立つのは好きそうにないと思ったんだがな。
俺の疑問に、美嘉は何とも言えない表情をする。
美嘉「あー……ちひろさんもね、最初はしぶってたんだけど…………お給料を弾むよって社長に言われたら…」
卯月「快く引き受けてくれました♪」
八幡「さすが、さすがだちひろさん……!」
やっぱブレねぇなあの人は!
もはやここまでくれば、平塚先生とは別の意味で心配になってくる。誰か早く養ってあげてよぉ!
美嘉「でも今思えば、プロデューサーでも良かったかもね」
八幡「は?」
俺でも良かったって、それはつまりデレラジのゲストって事だよな。
卯月「あ、それもいいね! どうですか? プロデューサーさんもその内ゲストととして出演するのは」
八幡「いや、無理だろ。普通に考えて」
一体何を妙案みたいな感じで言っているんだコイツらは。
俺が? ラジオのゲスト? どう考えたってあり得ないだろ。
八幡「十時のプロデューサーとかならともかく、俺みたいな捻くれ卑屈プロデューサーの話聞いたってなんも面白くないだろ」
美嘉「あ、自覚はちゃんとあるんだ」
今この子サラッと酷い事言いませんでした?
いや自分で言った事だから別に良いんだけどさ。
734 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:53:19.59 ID:ssSX13fx0(8/18)
美嘉「んーでも、プロデューサーの話もそれはそれで面白いと思うけどなぁ」
卯月「そうですよ。前のライブの時みたいに、凛ちゃんの魅力を沢山話してくれれば!」
八幡「もうその話はよしてくれ……」
そういやこいつ総武高校のライブ見に来てたんだったな。
確かにあれのせいで俺の事を知ってる一部の奴らはいるかもしれんが、それでもほんの一握りだ。需要があるとは思えん。
八幡「大体、そのせいでリスクを増やす必要もない」
卯月「リスク?」
八幡「俺と凛の事だよ」
決して多くはないだろうが、それでもつまらない因縁をつけてくるファンは少なからずいるだろう。
つまり、俺と凛の関係を勘繰る奴らだ。
八幡「アイドルのファンって奴は、少しでも男の陰を見ると疑ってかかるもんなんだよ。俺みたいな若い男が凛のプロデューサーだと広めて、いらん誤解を招くのも面倒だろ」
美嘉「はーなるほどね。そんなものかぁ」
八幡「そんなもんなんだよ」
よくブログやらツイッターで「弟と〜」とか言ってるアイドルがいるが、あんなん疑ってくれと言ってるようなもんだ。どんだけアイドルの皆さんは弟と仲良いの? 弟とそんなしょっちゅう遊びに行くの? 絶対嘘だろ。ただしやよいちゃんには当て嵌まらないがな!
八幡「お前らも気をつけろ。不用意に男の名前とか出すなよ」
美嘉「心配しなくても、そんな相手いないよ」
卯月「……」
735 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:56:11.69 ID:ssSX13fx0(9/18)
しかし俺の忠告に対し、美嘉とは違い島村は俯き無言のままだった。
え、もしかしてそういう相手いんの?
と、俺が若干不安になっていると、突如軽快なメロディがその場に流れ出す。
恐らくはケータイの着信。もちろん俺ではない。
美嘉「あ、ごめんアタシだ。……って、嘘!? もうそんな時間!?」
卯月「美嘉ちゃん?」
美嘉「ゴメン卯月、プロデューサー! アタシ莉嘉の迎え行かなきゃだから、もう行くね!」
言うや否や、美嘉はカバンを引っ掴むと慌てて事務所を後にした。
大方、莉嘉からの催促のメールでも来たのだろう。相変わらず仲の良い姉妹である。
八幡「ったく、あんな変装も碌にしないで帰りやがって。もう少し自分の知名度を自覚しろよな」
卯月「そ、そうですね。あはは……」
俺の呟きに対し、島村は言葉を返すもどこかぎこちない。
……なんなんだ一体。
いつもの天真爛漫を絵に描いたような島村を知っている為、今の状態はどうもやり辛い。
やっぱ、さっきの話が原因か?
まぁそうだとしても、俺にはどうする事も出来ないし、どうしようとする気もない。
仮にそんな相手がいた所で、それは島村の問題だ。俺がどうこう言う理由もないしな。
あくまで俺は、凛のプロデューサーだ。
ふとーー
そこで、一瞬だけ頭を過った。
736 ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/07/28(月) 00:57:53.85 ID:ssSX13fx0(10/18)
もしも。
もしも凛に、そんな相手がいたら?
いる事を知ってしまったら?
そんな考えが一瞬だけ思い浮かんで、そして、直ぐに頭から追いやった。
そんな事を考えた所で、意味は無い。
例え現実逃避だと言われようと、その時に考えればいい事だ。
だから。
だから、一瞬胸の内に宿った黒い感情は、気のせいだ。
きっとこれも、ただの気の迷いで、無視していい感情だから。
八幡「お前も気をつけて帰れよ」
そう一言だけ言い残し、俺は事務スペースへと戻る事にする。
余計な事に気を割く余裕は無い。さっさと事務処理を終わらせて、今日は帰って寝るとしよう。
卯月「ーープロデューサーさん」
だが、そんな俺を島村は呼び止めた。
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