[過去ログ] 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3 (1002レス)
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142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)21:21 ID:mSotq/X9o(1/11) AAS
大きく時間取れたので行きますです。
今回で終わらせるつもりですけれど、出来なかったら申し訳。
それではいきます。
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)21:34 ID:mSotq/X9o(2/11) AAS
本日未明。
僕はこっそりとベッドを抜け出す。
運良く、いつもなら僕を縛っている手足はなく、無事に抜け出すことが出来た。
ううん、とそれは寝返りをうつ。
僕を追いかけて空に手を伸ばすが、それは届かない。
小さく僕の名前を呼ぶ声に後ろ髪を引かれてしまう。
智「……ううん、だめだめ。 このまままたベッドに入ったら、また寝ちゃうし」
二度寝。 甘美な響き。
けれどその結果は言わずもがな、僕より先に今はベッドに篭っているのが起きてしまう。
そうなったらどうなるだろう。
省14
144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)21:45 ID:mSotq/X9o(3/11) AAS
手探りで台所にたどり着き、そこだけ電気をつける。
今日は和食のつもりだったらしい、台所には昨日まで冷凍してあった鮭が置かれ、自然解凍されている。
炊飯ジャーは景気よく湯気を噴出しており、もう十分もすれば出来上がるだろう。
智「さて、じゃあ僕も作っちゃおうかな」
例え途中で姉さんが起きても、既に作り始めている僕を押しのけてまで作ろうとは思うまい。
……多分、だけど。
智「いやいや、流石にそこまでは……」
多少、我侭をいう姉だけど。
結構、無茶をいう姉だけど。
度々、暴論をいう姉だけど……
省8
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)22:00 ID:mSotq/X9o(4/11) AAS
――あなたは、スカートです。
そう言ったのは死んだ母さん……ではなくて、実の姉だった。
それも、今の南総学園に入学する直前の日に。
何故か。
真耶『そっちの方が、智が可愛いもの』
真耶『あと、面白そうじゃない?』
面白くない、全く。
けれどそういった僕の言葉はやはりというか、受け入れられなくて。
結果、不条理な現実に直面してしまったのだった。
省12
146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)22:07 ID:mSotq/X9o(5/11) AAS
皿に盛った朝食を居間に持って行き、姉さんを起こして朝ごはん……のはずなのだけれど。
僕がそれらを持って居間に行ったら、姉さんは既に起床してカーテンを開き、窓の外を眺めていた。
真耶「おはよう、智」
智「おはよう、姉さん。 朝ごはんできてるよ」
真耶「ええ、勿論頂くわ」
今日のお咎めは無し。
それにほっと胸を撫で下ろしつつ、僕は茶碗にご飯をよそってお箸と一緒にテーブルに並べる。
洗面所でパッと顔だけ洗ってきた姉さんも戻ってきて、二人して正面で向かい合う。
省4
147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)22:24 ID:mSotq/X9o(6/11) AAS
朝食後は決まって、僕が身支度を整えている間に姉さんが着替える。
先に着替えているときはその限りではないけれど、二人とも寝間着のままの場合はそうなる。
女性の身支度は長い……とはいわないけれど、少なくとも僕より姉さんの方が長いのは事実で。
ならば効率の良い方がいい。
智「姉さん、終わったよー」
真耶「ええ、今行くわ」
姉さんの髪は僕の二倍程ある。
それも時間のかかる一因だろう。
鏡をみて、制服のリボンを整える。
入学当初はよく曲がってしまっていて、姉さんが他の生徒の前で『タイが曲がっていてよ』的なことをよくやらかしてくれた。
省8
148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)22:42 ID:mSotq/X9o(7/11) AAS
真耶「智? どうしたの、そんなに肩を落として」
鏡を見て落ち込んでいると、姉さんが後ろから声をかけてきた。
一つに結われた長い髪が揺れる。
智「速いね、もう終わったんだ」
真耶「今日は跳ねも少なかったから。 それより鏡でも見て、どうかした?」
智「ううん、なんでもない」
省18
149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)22:58 ID:mSotq/X9o(8/11) AAS
通学途中、若干の視線をその身に受ける。
二年生の和久津家の美人姉妹(この状況においては僕は『妹』でなければならない)は南総学園において知らない者は居ない、らしい。
お姉様肌の姉、孤高な優等生の妹。
それぞれのファンは五十人もくだらなく、姉妹共通を含めると倍以上もいるらしい。
らしいらしい、というのはそれが噂でしか聞いたことのない話だからだ。
その噂の張本人はというと。
真耶「今日は、アレはいないのね」
智「アレって……」
真耶「姉さんにとっては、智に近寄る不届き者、といったところなのだけれど?」
冬篠宮和。 その噂を教えてくれた張本人。
省9
150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)23:15 ID:mSotq/X9o(9/11) AAS
真耶「それじゃあ智。 今日は昼食の約束があるから、放課後に。 いつもの場所、でいいのよね?」
智「うん、多分。 別の場所になったらすぐに連絡するよ」
姉さんは友達が多い。
そりゃ、性別を偽らなくていいのだから自由に振る舞えるのだろうけれど。
なんとなく、羨ましい。
……いや、別に女の子に囲まれているのが、じゃなくて。 単純に、友達が多いのが、だ。
僕の友達、というか気兼ねなく話せるのはクラス内には一人だけしかいないから。
宮和「おはようございます、和久津さま」
智「わっ!?」
省9
151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)23:27 ID:mSotq/X9o(10/11) AAS
緋本「和久津さん、おはようございます」
智「おはようございます」
緋本さんこと〈赤色〉さん。
姉さんをライバル視している、グループ大好き派閥大好き人間さん。
度々僕を誘ってくるところをみるに、対姉さんへの切り札としてでも利用したいに違いない。
魂胆が見え見えな上に僕にその気はないから、袖であしらうのが常だけれど。
緋本「ちょっと小耳に挟んだのだけれど、いいかな」
智「うん、時間あるし構わないけど」
省12
152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/29(金)23:44 ID:mSotq/X9o(11/11) AAS
緋本「ふぅん、そっかそっか。 ありがとう、和久津さん。 今日も一日頑張りましょうね」
智「うん、お互いにね」
僕の返事に僅か思案顔を浮かべ、満足したようにお礼をいう。
僕もそれに表面の笑顔で返して、席に向かう。
宮和「悪、でございますね」
智「何が?」
省13
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