[過去ログ] 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3 (1002レス)
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395: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [saga] 2014/02/10(月)00:58 ID:ntyCRVgTo(3/7) AAS
惠「全く、ままならないものだ」

 きっと、誰にいうでもない。
 それでも僕に聞こえるように、惠は続ける。

惠「真実は突き止められる。 悪事は白日の下に晒される」

惠「人智を超えた予知すらも絶対じゃない。 ならば、僕のやっていたことが露見してしまうのは当然のことだったのだろう」

 また一度、椅子が軋む。
 どこか遠くを見ていた筈の惠の目は、しっかりと僕を捉えていた。
 佐知子さんがどこか慌ただしく厨房から戻ってきて、異変に気がついた浜江さんも現れてここは自分がやるから席に座っていろと指示をした。
 その一連の流れを横目に見つつ、惠は僕へと問いかける。

惠「さぁ、智。 君の聞きたいことはなんだい? 僕は答えられないかもしれないが――できることなら、佐知子が話すだろう」

智「……佐知子さんが話すのは大丈夫なの?」

惠「ああ、佐知子は話すことができる」

 断定。 そして、確信。
 惠の呪いは、『自分のことについて告げることができない』だろう。
 思えば、惠の言動はいつも確信を得なかった。 何か感想を求めた時でも、喩えを引き合いに出したり、同意を求めたり。
 暖簾を腕で押すような、そんな僅かな感触しか得ることが出来なかったのだ。
 当然だ。 それこそが、惠の呪いだったのだから。

智「わかった。 でも話しを聞く前に聞いてほしい。 僕はこうして、惠の秘密を暴こうとしてる。 でもそれは決して興味本位から、なんかじゃない」

智「僕は、惠の仲間だ。 だから惠の背負っているものを知りたい。 真実を確かめたい。 そしてできることなら、それを共に背負いたい」

智「ただ、それだけなんだ」
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