蝶が舞う時… ―絆― (351レス)
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1: 2011/10/12(水)21:41 ID:zaq3dc00753.zaq.ne.jp(1/56) AAS
いよいよ第2期startです!!!!

今回は絆とついていますが・・・そこら辺も頭に入れておいてください。

で、ジャンルはですね・・

今回は 純愛×切なさでございます。

決して私の小説を真似、パクリなどはしないでください。
省2
332: 2012/01/11(水)18:48 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(17/29) AAS
私はフラフラになりながらも誠と誠のお母さんと共にエレベーターに乗り、憐の病室に向かった。

憐の病室の扉を開くと憐はベッドに寝かされていた。

私は誠の手を離して、ゆっくりと憐に駆け寄った。

憐のベッドの横には見られぬ機械が3台ほど置いてあり、その中の一つは心拍数を示す機械だった。

憐の口元には呼吸器が取り付けられていて、両腕には包帯が巻かれていた。
省10
333: 2012/01/11(水)19:01 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(18/29) AAS
その時、憐が少しだけ私に握り返してくれた。

「夜那…。」

憐はうっすら目を開ける。

「憐…!良かった…。」

私は嬉しさの余り、憐の手を握り締めながら涙を零した。
省10
334: 2012/01/11(水)20:00 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(19/29) AAS
“大事にしてね?”とはどう言う意味だろう?

「ずっと好きだったよ夜那。さよなら…。」

その声に私は我に返った。

今…憐の声がした。

悲しくて何処か虚しい…。
省6
335: 2012/01/11(水)20:23 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(20/29) AAS
――――…。

「此処は…何処?」

ぼやけた視界で私は辺りを見回す。

「私の…部屋?」

私あれからどうしたんだっけ…?
省13
336: 2012/01/11(水)21:42 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(21/29) AAS
『…夜那と誠へ。夜那と誠がこの手紙を読んでいる頃には僕は居ないかもしれない。
 でもそれで僕は満足なんだ。だって僕が好きって言っても夜那はきっと僕に振り向いてくれなかっただろうし…。
 ならこのまま君達を応援するね。僕ね…夜那に出会えて良かったと思ってるよ。
 僕にとって初めての初恋が夜那で良かったと思ってる…。半年前…夜那に初めて逢った時、
 一目惚れしちゃったんだ。それで君が住んでる所を探して僕は隣に引越して来たんだ。
 だから夜那の為なら死んだって構わなかった。夜那の為なら全てを捧げるってそう決めたから。
 でも…もうそれは遅かったんだね。夜那には誠が居たから敵わなかった。
 だから二人を祝福するね。僕はもう諦めるよ。
 最後になったけど僕は静かに夜那を見守る事にするよ。ずっと夜那の傍に居るね。
 それから、僕の黒い蝶も出来たら預かって欲しいな。一人じゃ寂しがってるから。
省4
337: 2012/01/12(木)08:02 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(22/29) AAS
私は紙を握り締めてベッドのシーツに涙が零した。

私は右手で涙を拭いながら2枚目の紙を開ける。

2枚目の紙には真ん中に大きい字でごめんね。と書かれていた。

「…夜那。」

私は起き上がって前方を見た。
省26
338: 2012/01/12(木)13:55 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(23/29) AAS
誠は低い声で呟く。

「…ごめんなさい。。」

私は誠の肩に顔を埋めた。

身体の震えが止まらないよ…。

誠は黙って私の背中を優しく擦ってくれた。
省7
339: 2012/01/12(木)15:19 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(24/29) AAS
中からはシルバーのハートのネックレスだった。

装飾もなにもないシンプルなデザイン。

「付けてやるから。貸して。」

私は誠の問いかけにネックレスを渡す。

誠は黙って私の首元にネックレスを付ける。
省13
340: 2012/01/12(木)15:40 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(25/29) AAS
誠は私を一瞥して部屋を出て行った。

「はぁ…。」

誠が出て行った途端、私の口から出た深いため息。

憐は死んだんだ…。

現実をちゃんと受け止めなくちゃ…。
省13
341: 2012/01/12(木)16:12 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(26/29) AAS
「ねぇ…答えて?答えてくれないと私…泣いちゃうから…。。
 泣いちゃうからぁ…。」

私は両手で顔を覆って泣き叫んだ。

「…大丈夫か?」

誰かの手が私の頭をそっと撫でる。

「誠…。うん…。大丈夫……。」
省5
342: 2012/01/12(木)17:23 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(27/29) AAS
私の言葉に誠は黙ってしまった。

「…そうか。」

「どうしたの誠?顔色悪いよ?」

私は誠の顔に覗き込む。

「何でもない…。さ、憐に逢いに行こう。」
省1
343: 2012/01/12(木)18:07 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(28/29) AAS
それから私と誠は車に乗せられて葬式場に向かった。

葬式場に向かうと10人位の人がパイプ椅子に座っていた。

中心には憐の写真が飾られていた。

その写真はとびっきりの笑顔で笑っていた。

写真の下には棺が置かれていた。
省11
344: 2012/01/12(木)18:20 ID:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp(29/29) AAS
憐の顔は無表情だった。

両手はお腹の前で握られていて左手首にはミサンガがある。

でも憐の顔は悲しい顔じゃなかった。

嬉しい顔でもない。不思議な顔だった。

「憐…ずっと私の傍に居てね。憐と私と誠は一生の友達だよ。
 その絆を心に刻んでこれからも生きていくから。」
省1
345: 2012/01/13(金)13:59 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(1/7) AAS
それから憐の棺は火葬場に運ばれた。

憐の親戚の人達が次々と火葬場に足を運んでいく。

私はそれに紛れて火葬場に向かう。

私は必死に涙を堪えて火葬場に向かった。

火葬場は葬式場の隣にあり、私は玄関から静かに入った。
省16
346: 2012/01/13(金)14:22 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(2/7) AAS
「そうだな。」

誠は笑顔で返す。

私と誠は笑顔で憐が居る所に向かった。

憐の所に向かうと、ちょうど棺が窯みたいな所で焼かれる所だった。

親戚の人達が2、3人集まっていた。
省10
347: 2012/01/13(金)14:58 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(3/7) AAS
それから30分後。

窯の蓋は開いて、白い骨だけになった憐が居た。

「夜那ちゃん。この袋に骨を詰めて?夜那ちゃんと誠でやった方が憐君も喜ぶと思うの…。」

誠のお母さんに言われ私は泣きながらお骨用の袋に手で骨を入れる。

ポタポタと大粒の涙を零しながらお骨を袋に入れる。
省13
348: 2012/01/13(金)16:05 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(4/7) AAS
「憐…。」

私は無意識に憐の名前を呼んだ。

憐はもう居ない。

私…何やってんのかな?

きっと誠が居なかったら今頃私も死んでたな…。
省17
349: 2012/01/13(金)16:27 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(5/7) AAS
「2人とも帰るわよ!」

誠のお母さんに呼ばれ、私は誠の手を握って駆け寄る。

「夜那ちゃんは何時まで経っても真面目ね。それに比べて誠は…。」

誠のお母さんは呆れた表情をする。

「悪かったな。不束者で。」
省13
350: 2012/01/13(金)16:57 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(6/7) AAS
「冗談ならもっとマシなのにしてよ…。」

私は怪訝な顔で呟く。

でもそれでもいいと思った。

いつもの誠だなぁ…って思った瞬間だった。

憐…。
省18
351: 2012/01/13(金)21:14 ID:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp(7/7) AAS
第2期は完結と言うか・・・第3期に続いてます。

第3期は・・・たぶん泣けます。

残酷なシーンが一部含んでいるんで・・・。

きっと私自身も書くのが辛すぎて一時期休むかもしれませんが・・。

最後までお楽しみください(-_-;)
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