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サイコの図書館

983 ◆Qg.sc1QOmg:2009/10/30(金) 08:21:03 ID:j04hVaPs0
最初にお詫びです。
本スレを賑わせていたリアルま王ネタじゃなくてすみません。

最後の最後にへぼんですみませんが、
10レス分ほどお借りします。
一部スカトロ(笑)表現あり注意。

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「そらちゃんのふくしゅう」



<1/10>



「ジャムのびんにおならつめて、プレゼントしてにおいかがせるのってどう?」
「えー、それならペットボトルにおしっこつめて、『お茶です』ってあげるほうがいいよ」
「中身が全部ねんどでできたお弁当を食べさせちゃうとか?」
「後ろからそーっと近づいて、ズボンのおしりのところにみみずいっぱい入れるのは?」
「それ、誰がみみず取るんだよ」
「みんなでプールの裏の土掘って取るんだって!んで、空き缶に集めるの」
「やだーぁ」
一人が声を上げると、子どもたちは、あははとはじけるように笑った。
2時間目の休み時間。2年1組の教室は、子どもたちの笑い声でいっぱいになる。
ソラは、みんなの笑い顔を見て、少し気が晴れてほほえむ。


「だいっきらいな悪い人に仕返しするとしたら、みんなはどうする?」
ある日、ソラはクラスメイト達に思い切って尋ねてみた。
そうしたら、思いがけずたくさんの子どもたちが、かなり真剣に頭をひねってくれた。
「ソラちゃん、誰かにいやなことされたの?」
気遣わしげに、ソラの顔を覗き込む子もいたが、
「たとえばの話だよ」ソラはそう言って話を逸らした。


「俺だったら、そいつをどこかに呼び出して徹底的にやるな」
みんなの話がふっと途切れた時、
それまでじっとみんなの話を聞いていたマツオくんが、呟くように低く言った。
「俺が大人だったら、サシでケンカしてボッコボコにしてやるんだけどな……
さすがに、大人相手に1対1はきついからさ。
落とし穴仕掛けて、泥ぶつけてやって。水鉄砲とかも悪くねえな。
1対1でなければ、結構いい勝負だと思うんだよな」
頭に描いたビジョンをじっくり検討でもするかのように、マツオくんは言葉を継ぐ。
その眼に、有無を言わせぬ威圧を感じ、子どもたちは知らず押し黙った。


ソラたちが通う小学校は、古い公団住宅群の中にある小規模校で、
ひとクラス20人ほどの子どもたちはみんなおっとりとして仲良しだった。
マツオくんは、2年の1学期に転校してきた新顔だったが、
勉強もスポーツも万能で、その上イケメンで頭の回転も抜群に速い。
いろいろわけありの家庭に育ったようで、少し荒れた目つきを見せることもあったが、
人当たりは悪いわけでもなく、いつの間にかクラスの中心に据わっていた。
席がたまたま近いこともあり、ソラはマツオくんとも結構うまくやっていて、
宿題を教えられたり、苦手な給食のおかずをこっそり処理してもらったり、
何かと世話にもなっていた。


「ふーん。場所は?どこに呼び出すんだよ」
クラスのナンバー2、マツオくんのライバルと目されているタカセが横やりを入れる。
「ひよりフリーパーク、とかどうよ」
「はー……ありかもな」
「そっか、あそこなら何しても怒られないよね」
「つーか」
マツオくんはみんなを見まわし、勿体ぶったように言葉を切る。
「あそこなら、いざってときにはごまかせるだろ?『探検ごっこです!』とか言って」
「へぇぇ……」


みんなが息をのみ、マツオくんに注目したところで、3時間目のチャイムが鳴った。
入口の重い引き戸をがらがら開けて、モガミ先生が入ってくる。
子どもたちは、わらわらと自分の席に戻って行き、
ソラも、国語の教科書をぱたぱためくって、教室にはふたたび静寂が訪れた。




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