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【774の真夜中連載小説】

7ぽにょ ◆Ponyo.BYss:2014/10/01(水) 22:50:15 ID:???0
「なあ、生き物なんてみんな獰猛で野蛮さ…己れが生き延びる為に他を殺し喰らう…君も私もやっていることだろう? 違うかい?」
当然始まった先生の独白にキョトンとするわた坊。その彼女のまだ伸ばしたままだった右腕の先を長く大きな舌がゾロリと舐めた。
「ヒッ!!」
思わずその手を引っ込める。
「なっ、可愛いだろ? こいつは人懐こい奴なんだ…」
チワワニは舌を出しながら、先細りの尻尾をぶるんぶるんと千切れんばかりに振っていた。
わた坊は舐められた右手をさすっていた。感覚の無い筈の右手。しかし今確かにざらりとした舌でゾロリと舐められる感触があった。
先生の言葉は続く。
「チワワニはこの奇形地味た体型のせいで、自由に陸に上がって餌を求めることが出来ない」
わた坊は素直に頷いた。目の前のチワワニは頭の重さに負けて今にも膝から崩れ落ちそうだ。
「じゃあ、チワワニは何を餌にしているんですか? 魚ですか?」
同情の気持ちが湧きあがったのか、彼女から質問する。
「いや、チワワニは水中の生物を捕食しない。それどころか、特定の種目、いや、特定の品種しか喰わないんだ」
「ええっ!? 一体ナニを食べてるんですか!!?」
「そりゃあ、もちろんチワワだよ。川岸に水を飲みにきた野良チワワを捕食するんだ」
先生はそう言うと遠い目で川面に視線を移した。
その流れは先程とは違いどんよりと重い流れのようにわた坊は感じた。


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