【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目 (507レス)
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抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

202: 2013/03/17(日)21:16 ID:pfhIqNtu0(1/5) AAS
「今年頭の来日時に〜、春希を指名してかずさの密着取材仕向けた上に〜、#※@※&*」
 この声は…あの女だ…何しに来たのだろう。

 不思議と嫌悪感は感じなかった。ドアの中で化け物になっている自分の方がずっと嫌いだったから。

 その女がドアの前でしゃべり始めた。
「『…あのさ、冬馬さん。あれからずっと考えてはみたんだけど…』」

 はて、何を聞いたっけ…?

「『…結局、榛名が和希と結ばれて幸せになるエンディングは思い浮かばなかった…』」
省6
203: 2013/03/17(日)21:17 ID:pfhIqNtu0(2/5) AAS
 外ではまだ千晶がしゃべっている。
「『…例え意地悪な神が※#@&…』」

 ああ、なんか言ってる。こいつの芝居なんて見に行くんじゃなかった。
 たしか、春希や雪菜も来なかったんだっけ。
 …へぼ芝居だからだよ…

 …そういえば、わたしのコンサートにも、春希や雪菜まだ来たことないなぁ…まぁ、しょうがないか…

 あ、思い出した。そういえばこの女、コンサートにも来ていたな…しかも全部…たしか、終始きょろきょろと…誰か探していたみたいで、目障りだった。

 …誰を探していたんだ?
 …もしかして、春希たちが来ていないかと…
省5
204: 2013/03/17(日)21:19 ID:pfhIqNtu0(3/5) AAS
 …まさか、春希だけ呼んで欲しかったとか…

 …そう考えると、いろいろ辻褄が合ってきたように感じる…この女は実は春希のことが好きなんじゃないか?

 そう気づいた瞬間、不思議な感覚が足元を包んだ。
 さっきまで暗い海の底で一人溺れていたような気分であった。そうしたらどこからか、ぴちゃぴちゃ水をかく音が聞こえた。
 こんな胸の中が苦しい世界でも一人じゃない。そう気づいた。

 そのとたん、いままで自分が嵌まっていたのが、深い海でなく、足がつくほど浅い水たまりだったことがわかった。

 …もう出よう…
 かずさはドアノブに手を掛けた。
省3
205: 2013/03/17(日)21:20 ID:pfhIqNtu0(4/5) AAS
**********再び、5/22(土)レストラン 千晶とかずさ

「千晶…あんたさ…春希の事好きだったんだね」
「んなっ!? #$&%$”!」
 千晶の口から言葉にならない吃驚の声が飛びだした。

「そりゃあ千晶もわたしを臆病者呼ばわりして怒るね。私だけが失恋したみたいにあんたの前で喚いてみせてさ。
 あの時はそれに気付かなかったんだ。手を出して悪かった」

「いや、それ、ちょっとちょっと! ちがうちがう!
 個々の事実が合ってるだけで、脈絡も動機も時系列も全部めちゃくちゃじゃん!!」
 あわてて訂正を入れようとする千晶だが、突っ込みどころが多すぎて何から正していいやらわからない。

 それを聞いて曜子が笑いをこらえながら言う。
省3
206: 2013/03/17(日)21:22 ID:pfhIqNtu0(5/5) AAS
 うなだれる千晶を、曜子は娘の意趣返しとばかり容赦なくたたみかける。
「春希ちゃんすごくいい男だしねぇ…わたしも娘の敵討ちにアタックしちゃおうかな?」
「黙れ。この色情狂」かずさがツッコむ。
「でも、千晶ちゃん赤くなって初々しいわねぇ。どう? ゲストの祐子ちゃん」
「いやはや。今のかわいい反応が演技だったらもう降参。似鳥ちゃん、長谷川ちゃん抜いて劇団トップだわ」
「祐子ちゃんはこう言ってますがどうでしょう? 解説の依緒ちゃん」
「ん〜。お友達の前で好きな子言いあてられちゃった中学生か、お前はっ、って感じですね〜」
「社長! からかうのはやめてあげて下さい!」

 ………だめだ…なんだこの茶番
 しかし、「春希の事を言いあてられて思わず赤面してしまう」というミスはどうにも拭い去れない。
省2
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