【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目 (507レス)
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196: 2013/03/17(日)21:04 ID:OE8gDgfq0(1/6) AAS
予定早めてスマホから投下
改行乱れ勘弁
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(1): 2013/03/17(日)21:05 ID:OE8gDgfq0(2/6) AAS
**********5/22(土)フィリア音楽ホールにほど近いフレンチレストランにて

 千晶が復活した冬馬かずさのコンサートに来てみれば、チケットを購入したC席にはかずさのマネージャーの工藤美代子が待ち受けていた。
 そして、S席に案内された。おかげで1ランク上の音楽鑑賞ができた。
 さらに、『コンサート後に会食があるのでかずさの友人のあなたも来てほしい』と言われた。

「こないだの件か…S席に案内して聴かせてくれた上に、わざわざ食事に呼ぶのは和解の呼びかけかな? 向こうも訴訟ちらつかせたりしてたし」
 と、その時千晶は思っていた。

 会食の席もメンバーもだいたい千晶の予想どおりだった。
 自分がなぜかかずさの隣り。
 板倉や依緒、美代子が周りを囲んでいたが、一人だけ予想外の人物が曜子の隣りにいた。
198: 2013/03/17(日)21:07 ID:OE8gDgfq0(3/6) AAS
 毛利祐子…今の座長の奥さんだ。劇団の営業主任でもある。
 無名の時代から座長を支えてきたヒトだが、嫉妬深く、すぐ座長の浮気を疑うらしい。
 入団する新人女優をチェックするのもその一環だとまことしやかに噂されている。

 どうやら、曜子と祐子は旧知の間柄だったらしい。
 食事は「かずさのコンサート成功を祝して」ということで始められたが、ほどなく祐子と曜子の昔話に花が咲きだした。いや、火花がちりだした。
 表面上はにこやかであるが、座長、毛利久志の話になるや、言葉の節々に棘が飛び出し始めたのだ。
「しっかし、あの久志くんのほうからあなたにプロポーズしてきたなんて、今だに信じられないわねぇ」
「ええ、どこぞの性悪女が引っ掻き回してくれやがらなったら、もっと平和だったでしょうねぇ」
「まぁ、賞味期限切れまで平穏無事、なんてことなくて良かったわぁ。ところで、10年目にもつれこんだ結婚生活はまだ楽しい?」
「もちろん。和えて不満を言うとすれば、あなたが永遠にウィーンで頑張ってくれていたらもっと楽しかったのにねぇ」
省3
199: 2013/03/17(日)21:08 ID:OE8gDgfq0(4/6) AAS
「瀬之内ちゃん。曜子となんかトラブったんだって?」
「はい、ちょっと…冬馬かずささんと」
「本当に?」
「? はい」
「…う〜ん。本当か…」
 何を疑っているのか、という疑問は曜子が明らかにした。
「だからそう言っているじゃない。久志クンと会ったのは、あくまでかずさと瀬之内ちゃんの件だってば。ここにいるみんな証人よ」
「娘の件をダシにしてまた久志にコナかけに来た、という可能性も残っているけどね」
 …四十路めぐってるのにどれだけ信用ないんだ、曜子さんは。
 察するに、曜子が劇団を訪れたのを聞いて座長、つまり夫の浮気を疑った、ということらしい。
省2
200: 2013/03/17(日)21:09 ID:OE8gDgfq0(5/6) AAS
「で、かずさちゃんはウチの劇団員とどんなトラブルがあったの?」
「あ…それは…ちょっと話す前に『千晶』に確認することが」
「…っ!?」
「ねぇ、千晶…」
 千晶は戦慄した。かずさに『千晶』と名前で呼ばれたのは初めてだ。なれなれしさよりもっと危険なものを感じる。
 彼女の勘が非常ベルをけたたましく鳴らし始めた。

「千晶…あんたさ…」
201: 2013/03/17(日)21:10 ID:OE8gDgfq0(6/6) AAS
**********先週の真相、5/16(日)籠城中のかずさの部屋

 かずさは深く、暗い海の底にいた。
 明るい場所で現実を見たくなかったから。
 電気を消して、厚い遮光カーテンを閉じれば何も見えない世界ができた。
 胸の中の苦しみだけは消えないが、その世界の居心地は良かった。
 あの女、瀬能千晶はもちろん、雪菜も春希も、そして、一番嫌いな自分すらいなかった。
 こうしてピアノを弾かずにいると、自分自身すら見ずに済んだ。

 3日間そうしていると、友人達が来た。
 拒絶する気力もなく、ふらふらと漂うようにドアの前まで足を進める。

 依緒は自分の身体を心配してくれた。
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