マツダで働く正社員 13 (698レス)
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686: 06/22(土)11:18 ID:4P1lKrfi(1) AAS
トヨタのハイブリッドシステムの将来性について 
 
2024.6.18   多田 哲哉
 
いろいろな経済評論家も言っていることですが、これまで栄枯盛衰のあったさまざまな業界のなかで、ダメになったか生き残れたかの“分け目の戦略”を見ると、むかしの技術や製品に執着して「まだいける」「まだ大丈夫」と考えてしまった組織は、ほとんどが没落の道をたどっていますね。しかし、その技術がメジャーになるまでの数年間は、たしかに、どこも大いにもうかっている。

それを自動車業界のハイブリッドに当てはめると、いまはまさに、新しい時代のクルマ――最終的にはそれが電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)なのかわかりませんが――に移りゆく前の「ぬれ手で粟(あわ)」の状況なのでしょう。

多くの方は、「当分はハイブリッドやプラグインハイブリッドでいいんじゃないか」と思われるでしょうが、本当に効率的なEVなりFCVなりが開発されれば、ハイブリッドのような2つのパワーソースをもつシステムは全くのムダ、ということになります。

エンジンとモーターを合わせて搭載するハイブリッドシステムというのは、人間でいうなら、いつも大きな荷物を背負いながら走っているようなもの。片方のパワーソースを使っているときは、もう片方はただの重りであり、物理の原理原則からいって、“最も効率のいいもの”にはなり得ないのです。

しかし、いまはまだそれぞれの技術が発展途上にあるため、エンジンとモーターの組み合わせでお互いを補い合うということが成立している。その結果(特にゴー&ストップの多い日本では)重宝されているにすぎません。

補完といっても、カバーし合える範囲はさほど広くはありませんし、そのシンクロ率が極端に上がり、パワーソースとしてナンバーワンになる、という展開も期待できません。ガソリンエンジンとモーターはそもそも親和性がなく、親和性がないからこそお互いの足りないところを補っているのですから。

かつてこのコーナーで、ロータリーエンジンとモーターの組み合わせの可能性や期待について話しましたが(関連記事)、それもまた、最も効率的なパワーユニットになるということはないはずです。

いまはたまたま、政治・経済的な理由もあって、再びハイブリッドに注目が集まっています。しかし長い目で見れば、どれとは断言できないものの、ハイブリッド以外のどれかが必ず抜け出し、インフラも含めて本命のパワーソースになることでしょう。

多田 哲哉
1957年生まれの自動車エンジニア。大学卒業後、コンピューターシステム開発のベンチャー企業を立ち上げた後、トヨタ自動車に入社(1987年)。ABSやWRカーのシャシー制御システム開発を経て、「bB」「パッソ」「ラクティス」の初代モデルなどを開発した。2011年には製品企画本部ZRチーフエンジニアに就任。富士重工業(現スバル)との共同開発でFRスポーツカー「86」を、BMWとの共同開発で「GRスープラ」を世に送り出した。トヨタ社内で最高ランクの運転資格を持つなど、ドライビングの腕前でも知られる。2021年1月に退職。
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