[過去ログ] ガンダムヒロインズMARK ??I (152レス)
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27: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:27 ID:WxyynVNG(9/11) AAS
「ここ来るとき、P−04の小惑星本体の周りにプラント群が見えたでしょ? アレの一つにウチがあるの。ってか、ここの住民は大体そういう住み方してるんだけどね。この辺もともと、ルウム戦役でジオンが潰しきれなかったプラントの生き残りを集めて作った町だし」
「えっ。いいんですか?」
「もちろん。重力もあるし、農業プラントだから空気もいい。産地直送の新鮮な食い物も山ほどある! メシの旨さは保証したげる」
「え、ええ……で、でも……」
 明るいノリで迫るサブリナに対し、アイネは申し訳なさが先立って話へうまく乗れずにいる。途中でサブリナは何かに気づいて勢いを緩めた。
「あ、そうだ……。ウチはマコトとシェアしてるから、アイネがウチに来たらマコトとも毎日顔を合わせることになるな。ごめん、アイネ。自分は仕事中なのに、休暇中の上官の顔を朝から毎日見るのが嫌なんだったら――」
「ぜひ入居させてください。よろしくお願いいたします」
「え? そ、そう?」
 ガシッ、とサブリナの手を力強く取りながらアイネは即決し、鼻息荒く入居を申し込んだ。ぐっと拳を握りこむ。
 これで毎日、ハヤカワ准尉の顔が見られる……。
煮え切らなかった態度から瞬時にいきなり切り替えてきたアイネに、サブリナは目を瞬かせながらも、すぐに頷いてのけた。身を翻し、格納庫内で思い思いに待機していた他のパイロットたちにも声を掛ける。
「オッケー、まずアイネちゃん確定! そんじゃあ、そこのシュン、ついでにロブとガルノフも! あんたらも下宿ないんでしょ? まとめてウチ来ない?」
「えっ、……俺らもいいんすか?」
「大丈夫! ウチ広いから、いけるいける。まあ、お前らはアイネちゃんの部屋から離すけどな!!」
 一瞬固まりかけたアイネを素早くフォローしつつ、サブリナはどーんと来い、と大きく胸を張って見せる。
「じゃ、じゃあ、お願いします」
「う、うっす……オナシャス……」
「マジかー……」
「任せとけい!」
「が、ガルノフ軍曹と、カーペンター伍長とも一緒に暮らすのか……」
 アイネにとって不可抗力だったとはいえ、危うく男女の関係を持ちそうになってしまった二人である。
 前者だけでなく後者に対しても、先ほど出会ったルウム農協所属という予備役兵の、不穏な美少女パイロット二人組の言葉で搔き立てられた警戒心が沸き起こる。
 あの二人の船団もP−04へ帰港した。おそらく、また会うことになるのだろう。
MS隊でもマコト以外のパイロットは比較的新参が多い一方で、整備兵らは古参がほとんどらしかった。話の流れにも、特に関心を示していない。
 そんな空気の中だったから、整備兵たちの中でなぜか一人だけ凍り付いていたマリエル・エイムズ軍曹の存在は特に目立って、アイネの目に付いたのだった。
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