[過去ログ] 【あかほん・濱中】氏家ト全 31時間目【妹・生徒会】 (658レス)
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15: 2010/11/02(火)23:07 ID:Zy8Wp/Xd(1/22) AAS
>>1
>>11 GJ 続きが気になったぞ、俺の下半身をどうしてくれる。
16
(1): ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:33 ID:Zy8Wp/Xd(2/22) AAS
連レス失礼しま。

前スレ>>424からパクったプロットを文章化してみた。
してみたらハロウィンに間に合わなかった。
それどころか未完状態だけど、これ以上季節外すのも良くないと思って投下。
続きはそのうち書く。エロくなるまで書く。とにかく俺に餌をくれた>>424に感謝。
タカトシ×カエデです。
タイトル:男の娘と女の子
以下、諸注意。ピンと来たらNG推奨。

・今までもアレなくらい長かったけど、それより長い。超長い。大体40行×19レス。
・今回投下分で全体構想の半分未満。今後も長い。
省7
17: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:34 ID:Zy8Wp/Xd(3/22) AAS
男と女は生物学的には同種の生物であるが、俗説としては全く別の生き物である、と言う意見がある。
身体の構造は違う、力が違う、価値観が違う、etc。
異性が苦手な人間と言うのは、要するにこれらの違いを受け入れがたい者の事だ。
五十嵐カエデの男性恐怖症は、男性へのトラウマに起因するものではない。
五十嵐が男性と価値観を共有出来ない事……否、自分は男性の価値観を共有出来ない、と深く思い込んでしまっている事による。
男は不潔。男はいい加減でだらしない。男はふしだら。……と言った具合に。
逆に、もしその思い込みが消えてなくなってしまえば。

………………………………………………………………………………

「……うむ、中々似合うな」
「やっぱり徹底的にやった甲斐があったわ」
省22
18: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:35 ID:Zy8Wp/Xd(4/22) AAS
ちなみに脚の毛を剃ったのは。

「どこからどう見ても完璧な白人美少女だ。写真を撮っておくか」
「勘弁してください」

T字カミソリを手にしている天草は、腕組みして真顔でそう言っていた。
イベント事当日の天草は普段よりもテンションが高く、すぐに羽目を外したがってしまう困った少女であった。
しかしその割には彼女の仕事ぶりは丁寧且つ完璧で、津田は元々毛の薄い男であったが、脚はそれこそ最初から毛なんて生えてなかったかの如く綺麗に剃り尽くされている。
決して会長が毛を剃り慣れている訳ではない。……訳ではないと思う。
津田は人の育毛事情の詮索を早々に切り上げた。今は自分の事情で精一杯だ。

「なんの罰ゲームですか、これ」
「今流行の男の娘だ。
省23
19: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:36 ID:Zy8Wp/Xd(5/22) AAS
まさか、本当にこの格好で行かなきゃいけないのだろうか。
この格好で、クラスメイトと顔を合わせなきゃならないのだろうか。
暫く呆然とした後、後ろを振り返る。復活したらしいチビッコいジャックランタンが、無機質で邪悪な微笑みをこちらに向けていた。

「……萩村」
「なに?」
「オレ、どうすればいいかな」

萩村は逡巡した後、津田の脇をすり抜けて扉に手をかけた。

「……似合ってるわよ」

諦観の念を込めて萩村が呟いた。つまりは、そう言う事だった。
省18
20: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:37 ID:Zy8Wp/Xd(6/22) AAS
五十嵐は笑顔で手を挙げて返し、そして彼女の隣の黒い布の塊を再度見やる。
ステレオタイプの魔女のコスプレに違いはないのだが……この違和感はなんだろう。
モヤモヤした気分を抱えながら、五十嵐は魔女に目をやる。

「そちらはもしかして、萩村さんのお友達かしら?」

五十嵐の意外な反応に、萩村も津田も驚愕した。
どうやら五十嵐は、この魔女がコスプレをしている少女……のコスプレをしている津田だと気づいていないらしかった。
傍目から見れば無理はない。七条謹製のメイクアップにより、津田の外見は完璧に女性のそれである。
更に言えば、青い目に金髪と言う日本人離れした容姿が、上背の高さと化粧による肌の白さに言い訳の余地を与えてしまっていた。
帽子とマントの襟で、顔が少し隠れてしまっている事も勘違いの要因である。
だからこそ五十嵐は、その少女が萩村と親しげに話していたにも関わらず、津田を津田と認識出来ないでいた。
省23
21: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:37 ID:Zy8Wp/Xd(7/22) AAS
正確に答えようにも、そもそも五十嵐が信用してくれるかどうかも怪しい。
そのまま変態扱いされるのが関の山ではなかろうか。
だったら、いっそこのまま嘘を突き通してしまった方がいい。
津田は思い直して、口角を上げて微笑みながら、普段より高めの声を出した。

「私、タカコっていいます」
「……!」

隣の萩村が絶句しているのが分かるが、この際そのまま黙っていてもらおう。

「そう、タカコさん……と言う事は、日本の方?」
「父はアメリカ人ですが、母が日本人なんです」

咄嗟に設定を捏造しながら、冷や汗を垂らす津田。
省20
22: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:38 ID:Zy8Wp/Xd(8/22) AAS
少し顔が赤いのは、津田の気のせいではない。

「ねぇアンタ今、私の事ス、スズちゃんって……」
「ん?萩村、何か言った?」

あまりに無神経な津田の言動に、萩村は呆れて盛大に長嘆した。
期待したのが間違いだ、と話題を五十嵐に戻す。

「……何で素直に言わないのよ」
「バラしても良い事ないだろ?」

津田は既に声のトーンを戻していた。声色に面倒臭そうな色を添えつつ。
まさかこの時のその場限りの嘘が招く結果なんて、まるで考えもしないまま。
省21
23: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:38 ID:Zy8Wp/Xd(9/22) AAS
「ふぅん……大変なんだね、生徒会って」
「アイツが軟弱なのよ。それよりみんな、どんな格好してるの?」
「皆面白いし、可愛いよ。例えばムツミちゃんとかは……」

徐々に遠ざかっていく二人の声。
津田はそれを確認し、嘆息する。萩村の隣に居ればクラスメイトには流石にバレるし、無闇にからかわれるリスクを増やす必要もない。
五十嵐の手前、自分の正体を知る人間は少ない方がいい。今日一日は完全に別人として過ごそう。
津田は決意を新たに、一先ずクッキーでも摘もうと手近な皿に手を伸ばす。

「あ、すみません」

誰かの手に触れた。
振り向いて手の持ち主を見やると、ついさっき別れたばかりの女生徒が立っていた。
省20
24: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:39 ID:Zy8Wp/Xd(10/22) AAS
自分の周りの猫耳少女を見回して、五十嵐は少し口を尖らせて唸る。

「折角だし、借りて……いや、しかし……風紀委員長の私があのような……」
「悩む余地はあるんですね」
「い、いえ! 別にそう言う訳では」
「良いと思いますケド。こんな日じゃなきゃそんな格好出来ないし」
「そ、そうかなぁ……」

照れながら困ったように目を泳がせて口元を緩める五十嵐の姿は、津田にとって一々新鮮であった。
五十嵐は風紀委員長と言う肩書きの意味する通り、もっと固い人物だと思っていた。
彼女が普通の女の子然としている姿を津田は想像した事もなかったせいだろう。
この人はこんな顔も出来るのか……。当たり前の事だが、それでも津田は完全に虚をつかれていた。
省19
25: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:40 ID:Zy8Wp/Xd(11/22) AAS
五十嵐の、クッキーの甘い匂いのする吐息に頭を揺さぶられながら、津田は必死で答える。

「もしかしたら過去に会ったかもしれませんケドどっちも覚えてないんですし」

少し声の裏返った津田は早口で捲し立てた。
五十嵐は胸中の妙なつっかえにケリがつかない事を不満を覚えつつも、一応は津田の意見に納得を示し、顔を遠ざけた。
ようやく安堵できた津田は、未だに激しい心音を抑えつけるように胸に手を置く。

「それもそうね」

五十嵐が満面の笑みを津田に向けた。
まるで慈愛に満ちた母のような、しかし元気溢れる少女のような笑顔。
頬に出来たえくぼを見るのは、津田にとっては紛れもなく初めてであった。
ある意味では初対面と何ら変わりないな。津田はそう結論づける。
省18
26: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:40 ID:Zy8Wp/Xd(12/22) AAS
帽子をウィッグごと脱ぎ去った津田は、スカートを穿いているにもかかわらず脚を開いたまま椅子の背もたれに寄りかかった。

「何だか疲れてるみたいね」
「本当ですよ……もう金輪際勘弁して下さいね」
「あらそう?意外と楽しそうだったじゃない」

そう言ってお茶を差し出す七条。津田はすみません、と一気に茶の半分程を飲み干した。
気疲れのせいだろうか、適度に熱い茶が身体の芯に染み渡る。
残りの茶も飲み干して、津田はマントの紐を解きつつ言う。

「どう見たら楽しそうに見えたんですか。
 誰かにバレないか戦々恐々でしたよ」
「でも、見ている分には楽しかったよ」
省19
27: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:41 ID:Zy8Wp/Xd(13/22) AAS
「………………」
「私は、やっぱりちゃんと男の子と触れ合う機会が五十嵐さんには足りないって思ったの。
 だから、きっと一度でもちゃんと誰かに向き合えれば克服出来るんじゃないかって。
 そのためには、やっぱりどんな形であっても、一度男の子と交流出来れば……」
「まさか、七条先輩……」

津田は唾を飲む。まさか、彼女はそこまで見越してオレにこんな女装を……化粧までさせて?

「そのために、オレに魔女のコスプレを」
「それは、単に面白かったからだよ?」

盛大な肩透かしを喰らった津田を見て微笑む七条は、そのまま話を続ける。

「でも、偶然に偶然が重なって、五十嵐さんも今日、津田君と普通に接する事が出来たわ」
省21
28: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:41 ID:Zy8Wp/Xd(14/22) AAS
「うっ」

まるで天草が乗り移ったかのように真剣に懇願する七条。
津田は悩んでしまった。女装への逃げ道が開けてしまった。
人助け、と言うワードは非常に卑怯だ。ここで断れば悪人扱いされてしまう。
だから津田は曖昧に首を縦に振る事しか出来ない。

「……気が、向いたらって事で」
「うん。よろしくね」

そこで生徒会室の扉が開き、草臥れた様子の天草と萩村がなだれ込んできた。
二人の会話はそれによって中断され、再び騒がしくなる生徒会室に、先程までの真面目な空気は押しのけられてしまった。

………………………………………………………………………………
省21
29: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:42 ID:Zy8Wp/Xd(15/22) AAS
ちなみに金髪ウィッグとブルーのカラーコンタクトは既に装着済み。これはデフォルト装備らしい。今回はパッドとブラのオプション付きだ。胸の辺りの違和感が気持ち悪い。
津田の周りをグルグルと回っていた七条が満足げに鼻から息を抜いてガッツポーズ。

「これなら大丈夫だね!」
「何が大丈夫だと……」
「五十嵐さんとのデート」

相変わらず重い言葉も平気で吐く七条。
津田は困惑を隠せないし、隠すつもりもなかった。

「……五十嵐さんと? デート? オレがですか?」
「うん。二人っきりで。
 あ、五十嵐さんにはもう昨日、連絡入れてあるから心配要らないよ」
省21
30: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:42 ID:Zy8Wp/Xd(16/22) AAS
彼女とは特別仲良くはないが断る理由もないと、急な誘いではあったが、五十嵐はOKした。
そして今日、少し早めに出て待っていれば、集合時間五分前に『ごめん、他の大事な用事ができちゃった』である。
電話口で『もう一人の子はちゃんと行くから』と言ったのも減点だ。
もう一人居るなら前もって言っておいて欲しい。小五月蝿い姑のような事を考えながら、堅物の五十嵐は苛ついていた。

「あの人は本当に……マイペースというか」

巻き込まれるこっちの身にもなって欲しい。五十嵐の偽らざる本心であった。
いっそ帰ってしまいたかったが、もう一人来るのであればこの場を去る訳には行かない。
時計を気にしながら待っていると、集合時間三分後に、背後から声がかかった。

「すみません、遅れました!」
「あら、貴方は……」
省20
31: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:43 ID:Zy8Wp/Xd(17/22) AAS
音はしっかりと五十嵐にも届いており、彼女は思わず吹き出して破顔した。

「とりあえず、ご飯にしましょうか」
「………………」

津田は恥ずかしさで顔を赤らめて俯きつつも、黙って首を縦に振った。

………………………………………………………………………………

その後のデート自体は至って普通の過程をなぞった。
ファミレスで食事、駅前をウインドウショッピング、そしてゲームセンターで気の向くまま遊び倒す。
男と女のデートと考えても、ギリギリ及第点程度は取れるような、楽しい時間を過ごせた。
そう。素直に楽しかったと、津田は今日一日のデートに満足していた。
津田は隣でプリクラの画面を興味深げに操作する五十嵐を横目で見つめつつ、今日一日を振り返る。
省23
32: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:43 ID:Zy8Wp/Xd(18/22) AAS
しかし、暫く待ってみても返事はない。

「……五十嵐さん?」

流石に怪訝に思った津田が五十嵐の顔を横から窺う。
すぐ目の前、目と鼻の先に五十嵐がいた。彼女の凛々しい横顔が間近にある筈だった。
しかし、津田の目に映った五十嵐の顔はどういう訳か惚けたような表情。
頬が桃色に染まっていて、彼女は胸に手を当てて肩を窄めていた。
急に縮こまってどうしたんだろう。津田はその理由を考え、すぐに正解を見つける。
今の自分の体勢を考えてみればわかる。津田は五十嵐の背中から、殆ど抱きついているような格好だ。
彼女の肩の辺りに顔を置いているような、身体をくっつけた状態なのだ。
擬似的な密室空間での密着。それが今の現状であった。津田はようやくその事実に気がついた。
省18
33: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:44 ID:Zy8Wp/Xd(19/22) AAS
外はいつの間にやら夕暮れを過ぎ、濃紺の空に一番星と月が並んで輝いていた。
津田と五十嵐は、少し距離をおいてゲームセンターを後にする。
気まずい。少なくとも津田はそう感じていた。
先程のアレ以降、五十嵐は口を閉ざしたままだし、声をかけようにも話題が思い浮かばない。
兎に角、この空気を一刻も早く打開しなければ。
頭は依然として明瞭ではないが、津田は二歩前の五十嵐の肩に手を置こうと脚を速める。
しかし五十嵐は背中に目でも付いているかのように津田の手を躱し、振り返った。
顔色はすっかり元に戻っている。
それどころか、今日の楽しかった思い出すらも何処かに置き忘れたかのような仏頂面で、津田を見た。

「時間も遅いですし、そろそろ帰りますよ」
省25
34: ◆ZAtwiNsO4g 2010/11/02(火)23:45 ID:Zy8Wp/Xd(20/22) AAS
確かに私は男性と接するのは苦手だけど、それは同性愛に端を発するものではない。
男性が嫌いだから女性に走ったりした訳でもない。
女性を恋愛の対象として考えた事なんて、人生でたったの一度だってない。
理想とする男性像だって漠然としているがあるにはあるし、将来的にはまだ見ぬ誰かと結婚するつもりだってある。
女の子に恋をするなんて、五十嵐にとっては有り得ない状態であった。
有り得ない、有り得ない。そう心の奥で呟けば呟く程、五十嵐はタカコの事を意識せざるを得ない。
思い出される彼女の声、顔、仕草。
女性としては大きい身体。少し低い声。頼りがいのある言動。
中性的な女性だとは思っていたが、それが自分が恋をする理由になるのだろうか。
いや、ならない。即座に五十嵐は自己否定した。
省24
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