[過去ログ] 【あかほん・濱中】氏家ト全 31時間目【妹・生徒会】 (658レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
520: ◆ZAtwiNsO4g 2011/04/25(月)00:45 ID:5hzQ+Edh(7/14) AAS
安心、とは少し違う。だが、胸の奥がじんわりと暖まるような、そんな穏やかな感情が湧いてくるのだ。
ようやく落ち着いてきた心を胸に抱え、萩村は生徒会室の扉を開ける。
その先に居た津田は、真剣な顔でノートにペンを走らせている。
手に握っているのは萩村のペン。そしてノートも同様に、萩村の会計帳。

「津田、なにやってるの?」
「あぁ、おかえり、萩村。ちょっと会計の仕事、やってみたんだけど……」

困ったような苦笑いをしながら、取り上げたノートを開いて萩村に向ける。

「案外時間かかるね、これ。オレには出来ないよ」
「アンタねぇ……」

萩村は呆れたような声を吐くが、内心では少しだけ嬉しい気分でさえあった。
息子から親孝行をされた親のような、弟から頼れる男の片鱗を見た姉のような気分であった。
口元に薄く笑いを浮かべながら、萩村は席に付いて牛乳の封を切る。

「……津田」

ノートを受け取った萩村はゆっくりした口調で、津田に問いかける。

「アンタは、自信無い?」
「…………生徒会長になる自信も、二人で生徒会を運営する事も」

津田は申し訳なさそうにそう言った。
如何にも津田らしい、頼りない言動だったが、萩村は鼻から息を抜いて微笑んでみせる。

「だらしないわよ、津田」

萩村は腕を組んで、胸を反らす。後ろの二束の金髪が、少し揺れた。

「アンタは次期会長なんだから、もっとしゃんとしなさいよ」

萩村は津田を叱咤する意味を込めて、腕を目一杯伸ばして津田の肩を叩いてやる。
叩かれた津田は萩村を見ずに、キョトンとした顔で呟く。

「萩村は、どうしてそんなに楽しそうなんだ?」
「……え?」

津田に指摘されて、萩村はようやく自分の声が少し弾んでいる事に気がつく。
1-
あと 138 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.008s