[過去ログ] 【ガンバレ童貞!】サモンナイト萌え25【鬱兄貴!】 (795レス)
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789: 2007/01/10(水)21:25 ID:Nv9hWgOM(10/16) AAS
今は濁ってしまった泉の前、青年と少女が立ち会っていた。この場、この瞬間だけは敵同士である事を忘れながら。
「そんな……じゃあ貴方は子供の頃から虐待を……?」
雪のような白い髪を持つ少女は敵対する事など露にも思わず、ただ青年の過去に耳を傾け、そして驚きを隠せない。
「そうさ、あの祖父は狂ったように私をいたぶったのさ。実験と銘打ってはいたものの本当の所、
 ただ私に憎しみをぶつけたかっただけなのかもしれないがね。だから……殺したんだよ」
激しく燃える炎のような赤い髪を持つ青年は、その瞳にも憎悪の炎を灯しながら過去を語る。
「理解してもらえたかな?血が繋がっていようとニンゲンは異分子には容赦なくその刃を向ける。
 …君にそうなってもらいたくはないんだ。君に私と同じ道を歩んでもらいたくはないんだよ、フェア」
フェアは答えられない。眼前にたつ青年―ギアンが嘘をついていないと理解出来たからこそ答えられない。
顔をうつむかせる少女にギアンは尚も言葉を続ける。
「君も幼い頃から家族に触れ合うことなく独りで過ごしてきた。幼馴染の友人がいたようだが、それでも孤独感は隠せなかっただろう?
 時折、寂しさが募っただろう?何故自分は独りなのか。どうして自分の傍には誰もいないのか。
 そんな自問が頭を何度もよぎっただろう?………こんな境遇を、世界を呪ったことがあるだろう?」
「わたしはっ…!そんな事……」
続ける言葉が出ない。否定など出来るはずがない。ギアンの言うことに何一つ間違いはなかったのだから。
言い当てられて悔しいのか、それとも自分を理解出来る人がいたことに嬉しかったからか。
どちらかはわからないが思わず涙が出てきて、それを見せたくなくて後ろを向く。
その一筋の涙を見て、ギアンの心にある感情が浮かび上がってくる。
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