[過去ログ] 【たまには】サモンナイト萌え12【そんなカプも】 (1001レス)
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889: 04/06/11 22:55 ID:5qmDWREW(4/8) AAS
轟声。

草が、風が、石が、大地と空までもが震えているかのような錯覚。
目の前のビジュはおろか、周囲の帝国軍兵士、延いては味方の護人や海賊一家までもが何事かと振り向くような大音声。
マルルゥなどに至っては危うく気を失いかけ、慌ててドライアードが墜落しそうになった彼女を受け止めた程である。
ヤッファの“雄叫び”を真正面から受け止めて腰を抜かさなかっただけでも、ビジュは賞賛されるべきだろう。

「…………っ」
凶眼は狂眼となって獲物を狙う。
両の手から伸びた爪は担い手の意識を反映してか、海に沈み行く夕日を受けて鈍い光を放ち、敵を切り裂くのは今か今かと解放の瞬間を待つ。
その姿に気圧されながらも、自分の矜持に縋り付いてビジュが猛った。
「…………ッソッタレがぁっ!!」

手にした四本の飛具を一斉に投射。
一本は負傷した腕、もう一本は足、三本目はフェイントの咽喉で続く四本目が前の三本を囮とした本命の目。
「ウオオオオオオッッ!!」
ビジュの投擲に対し、真っ向正面からヤッファは突っ込んでいった。
四閃は狙い通りの軌道を疾り、標的の箇所へと吸い込まれる。
だが狂化したヤッファには避けるという選択肢は無い。
腕と足への飛具はそのまま受ける。ただ目への一投は獲物の捕捉に不利と本能が判断し首の動きだけで避ける。
その過程で首への三投目も狙った箇所を反れて首筋を浅く薙いだだけに留まった。

己の首筋から漏れる赤など気にも留めず後ろに置き、ヤッファが間合いを詰める。
ビジュはロングレンジからの召喚術、またはミドルレンジの不意打ちや狙撃を得意とする戦士であり、ヤッファのようなクロスレンジやショートレンジで戦う相手には真正面から間合いを詰められると一方的に弱い。
自分の攻撃に全く怯まず突撃してくるヤッファに狼狽しながら、バックステップで距離を取ろうとするビジュ。
だがヤッファは文字通り獣の様な敏捷さで難なくそれに追いつくと、手にした爪を大きく振りかぶった。
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