[過去ログ] ホモエロ小説を書くスレ一ページ目 (309レス)
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(1): sweet 2008/01/04(金)04:53 ID:gwwhMTFE(1/14) AAS
始め細やかだった雨粒は、やがて強さを増し量を増し、
抱き締め合ってキスに夢中になっている俺たちの頭上に降り掛かる。
激しい雨では無く、静かな雨。
寒い日の午後に長く降るような雨だ。
髪の毛に降り掛かった水滴を始めは弾き返していたのだが、
やがて湿り顔を伝ってくる程になる。
奴の首に掛かったままのマフラーも、霧吹きを掛けられたみたいになっていたのが
沁みた水のせいで、徐々に重さを増していくようだ。
コートが、頬が、服が、ズボンが、凍える寒さの中で
冷たさを増していく。
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(1): sweet 2008/01/04(金)05:02 ID:gwwhMTFE(2/14) AAS
俺たちの重ねられた唇の間にも水滴が滴り落ちてくる。
そのせいで俺は気を取られ、唇を離す。
吐いた息が今朝以上に白い。
どうやら神様は俺たちの関係が憎いらしい。
いや、それとも禁断を犯して快楽を貪ることにお怒りなのか。
顔に付いた邪魔な水滴を上から手の平で拭うと、
ぼやけていた目の前がハッキリして、奴の首元が視界に入る。
あの綺麗な首筋に水滴が滴り、下に着ていたカッターシャツの
襟が今はもう、濃い色に変色してしまっている。
それから胸、腹と雨は沁み、べったり奴の身体に張り付いている。
省2
124: sweet 2008/01/04(金)05:17 ID:gwwhMTFE(3/14) AAS
奴は俺の様子を見ながら、傘、持ってくれば良かったな、と呟いた。
しかしそれでも俺の震えは治まらない。
見兼ねたのか、奴はコートを脱いで俺の肩に包む様にして掛け、
抱き締めながら、俺のせいだな、ごめん、と謝った。
謝る事なんか、何も無いのに。
奴と一緒に日の出を見られたこと。日の出を見せてくれたこと。
それは何ものにも変え難い、幸福な出来事なのに。
俺はジャージの上着を脱いでそれを奴の頭に掛ける様にする。
多少は水滴を弾いてくれるはずだ。
それから奴を抱き寄せるようにして、
省7
125: sweet 2008/01/04(金)05:36 ID:gwwhMTFE(4/14) AAS
奴のシャツも、俺の白いTシャツもじっとり濡れているのが分かる。
体の外側、末端の方から熱が奪われていく。
凍えるような寒さの中、俺たちの身体が冷えていく。
しかしだからこそ、今目の前にある熱が欲しい。
奴の熱と身体を求めるようにして、きつく身体を抱き締める。
それは奴も同様だ。
やがて奴は腰を動かし出した。
半分ほど勃起した性器が、濡れた布越しに擦り合わされる。
熱い。
外はこんなに寒いのに、身体はこんなに冷たいのに、
省5
126: sweet 2008/01/04(金)05:43 ID:gwwhMTFE(5/14) AAS
俺も自ら腰を動かしながら、暖かな奴自身に、
自分を擦り付ける。
暖めあう身体が熱い。
脳内が熱に浮かされているみたいだ。
身体に張り付いた布越しに、奴の身体が分かる。
ハァ、と白い息を吐き出す。
すると奴の生暖かな息も、俺の耳に掛かる。
どうしてこんな事になってしまったのだろう。
127
(1): sweet 2008/01/04(金)05:57 ID:gwwhMTFE(6/14) AAS
雨の中抱き締め合ってキスをして、
誰かに見られるかもしれない状況の中、
雨に濡れそぼりながら興奮しているのだ。
俺は変態だろうか。
寒さが奴の熱を求めさせる。
快楽と欲望が奴の身体を求める。
どっちがどっちだか分からないが、
どうしようもないのだ。
俺は凍えそうな寒さの中では、奴の熱を求めざるをえない。
こんな風にご丁寧に据え膳まで用意されて、
省4
128: sweet 2008/01/04(金)06:07 ID:gwwhMTFE(7/14) AAS
やがて、奴は俺から離れる。
髪の毛も顔面も、全部が雨を被り、
シャツも全部濡れて、身体に皺を作りながら張り付いている。
俺を見つめながら、薄ら笑いを浮かべている。
何の笑いだろうか。
雨を予測出来なかった自分、そしてそれを無視して行為に耽る自分への嘲笑か。
それとも、こんな状況でペニスを立たせている俺を笑っているのだろうか。
そんな事を考えつつも、奴の透けたシャツの上に手を置いて、
湿ったシャツの上から乳首を擦る。
すると、奴も俺のを擦る。
省3
129: sweet 2008/01/04(金)06:12 ID:gwwhMTFE(8/14) AAS
俺と奴は、手を繋いで来た道を戻った。
服は俺も奴も、元の通り着直したが、奴のマフラーは俺がしたままだ。
奴がそうさせた。
ゆっくりと止まない雨の中、
俺たちは家路に付いている。
生暖かい息が吐き出される。
塗れた地面が水溜りを作り、ぬかるんでいる。
空は灰色で、さっきの朝日と美しいグラデーションの事など
忘れてしまったみたいだ。
130: sweet 2008/01/04(金)06:21 ID:gwwhMTFE(9/14) AAS
景色を見渡してみた。
河はまだ増水するほどでは無く、
今朝と変わり無く水を湛えている。
雨が地面を叩く、静かで優しい音。
家々の屋根を、水が滑るように流れていく。
さっきまで俺たちが佇んでいた端が、
雨の視界の向こうに、霞んで遠く消えていく。
世界は優しい。
冷たくも優しさに包まれているのだ。
雨は冷たくて、暖かいのだ。
省2
131: sweet 2008/01/04(金)06:25 ID:gwwhMTFE(10/14) AAS
俺はただ黙って奴の後ろを歩いた。
手を繋いでいるのだから真横を歩けば良いのだが、
奴が前で、俺は後ろだ。
これは絶対に変えられない距離なのだ。
俺は黙って歩いている奴の背中を、切なげな目で見つめた。
132: sweet 2008/01/04(金)06:30 ID:gwwhMTFE(11/14) AAS
すると、奴は後ろを振り向いた。
まるで俺の気持ちを察したかのように。
俺は奴の手に引き寄せられて、横に並ぶ。
奴は、俺のマフラーの端を、奴の肩に掛けるようにして軽く巻く。
いわゆる、恋人同士がするあれだ。
微笑を浮かべてくる。
俺も微笑んで応える。
会話は無かったが、それでいい。
それでいいんだ。
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(1): sweet 2008/01/04(金)06:33 ID:gwwhMTFE(12/14) AAS
俺は今、奴の隣りに並び、手を繋ぎながら、
雨の中、川原沿いの土手道を歩いている。
冷たい雨が染みる中、奴と繋いだ手だけが、
たった一つの熱源を持っている。
俺と奴の存在を、証明してくれている。
134: sweet 2008/01/04(金)06:37 ID:gwwhMTFE(13/14) AAS
それから家に帰った俺たちは、
当然のようにして冷えた身体を温めあった。
雨の中の方が興奮した、なんて、
奴には言えない、俺だけの秘密なのである。

―了―
135: sweet 2008/01/04(金)06:48 ID:gwwhMTFE(14/14) AAS
ども、sweetです。sad bitter終了ー。
正月だから正月ネタ…て、書き始めて後から気が付いたんですが
お正月の過ごし方は凄い個人差が出ますよね…。
で、考えあぐねて適当に誤魔化して書いてしまった。色々とごめん。
今回はエロ強化(エロ小説らしく…)と思ったんですが…
雨ネタとか書きたかったし…しかも色々と書き間違えてるし…
こんな話が最終話でごめんなさい。
そうです。
実は最終回です。最終話っぽいなと自分で書いてて思いました。
テキスポ?とか言うところにログ纏める作業後でするので良ければ読んでくだしあ。
省3
136
(1): 2008/01/04(金)23:24 ID:VOdDmRKC(1) AAS

137: sweet 2008/01/15(火)03:44 ID:FxbYLxwj(1) AAS
>>136
乙サンクスです。
只今、ログ編集作業中です。
何せ量が量なもので…加筆・修正を加えつつ
体裁を整えるのに思いの外苦戦中です(汗)。
もう少々お待ち下さいませ。
138: Sweet 2008/01/29(火)23:13 ID:4nbqfpNb(1) AAS
テキスポにて公開中です。R18カテゴリからどうぞー。
まとめて読むとまた印象が違ってくるかと思います^^
内容の解説や、モリタポ杯から締め切り落ちした(笑)
ショートショートも何気にあるので読んでもらえると嬉しいです。
では。
139: サクラフブキ ◆rMNMPSLh1Y [age] 2008/08/11(月)21:24 ID:Rs+f8uv/(1) AAS
もう半年以上も書き込みがないなぁ。(汗
ここなんか一年以上だよ(汗)。→ 外部リンク:9109.teacup.com
なんかカキコせいよw
140
(8): 2008/08/12(火)00:57 ID:daJSXn7T(1/3) AAS
「先輩、シックスナインしましょう!」
剣道部の後輩、加納ユウキがいきなり誘ってきた。
ここは俺、笹原シンヤの家。ユウキをわざわざ呼んで、
試験勉強を見てあげている最中だ。
「お前なあ…次ヤバかったら補習で合宿行けなくなるだろうが」
「そうだけど…試験終わるまでおあずけなんて超キビシいよ」
ユウキは制服のズボンとブリーフを脱ぎ捨てると、俺のベッドに
仰向けに寝転んだ。股間のモノは、早くもビンビンに
そそり勃っている。今まで経験してきた中では小ぶりな
方だが、何度も何度も俺の中で暴れ回って乱れさせて
省21
141: 140 2008/08/12(火)04:24 ID:daJSXn7T(2/3) AAS
ウザかったら削除して下さい。続きです。

「ただい……うわっ!!」
カナコがアイスの袋を持って入って来た。
部活帰りなので、汗まみれの体操着のままだ。
「お兄ちゃん!?加納くん!?」
「笹原さん!?」
「カナコ、今アイス食えないからしまって来い」
「う、うん…」
カナコはぱたぱたと冷蔵庫へ行き、すぐに戻って来た。いや、来るなよ。
「えーと…まあ、続けて。それにしても、加納くんが、ねえ」
省16
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