[過去ログ] 【説教不要】後払い&転売NO924 (1002レス)
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121: 2025/07/18(金)16:14 ID:1RO0OeU20(1) AAS
せんだつても小幡氏から聞いてゐたが、なるほどあのあたり一帯の閑静な屋敷町のなかでも、殊さら樹木の多い一郭の、横町をはいつた奥まつたところに斜めに鉄の門をひらいてゐる外構へは、いかにもそれらしく、まともな勤め先といへば丸の内から日本橋辺のビル街のことを頭に浮べて一も二もなく怖気をふるつてゐた十吉のやうな男には、日々の勤め場所としてまづ気に入つた。これは一種の貴族趣味があるせゐでもあるらしい。
 約束の時間にはまだ少し早いので、その横町の砂利のうへを、暫くぶらぶらしてゐた。登館の時刻はすぎてゐるはずだが、それでも時たま一人二人と、悠然たる足どりで門の中へ消えてゆく外国人がある。やがてそれも絶えた。十吉は退屈まぎれに、木蔦のいつぱいに絡みついてゐる古びた石の門柱へ歩み寄つて、それに掛けてある横ながの真鍮しんちゅうの標札を眺めはじめた。
 真鍮の色のまだ真新しい表面に、D※(アキュートアクセント付きE)L※(アキュートアクセント付きE)GATION COMMERCIALE
122: 2025/07/18(金)16:15 ID:fL9IF6A60(1/2) AAS
がした。なにげなしに振返つてみると、二十歩ほど向ふの隣屋敷の冠木門の軒さきに白服の男が現はれて、こちらへ寄つてくるところであつた。その男全体の気配から、十吉は本能的に或るものを直覚すると、そのまま身を翻すやうに門内へはいつてしまつた。男は追つて来なかつた。
「なんだ、こんなところまで紐がつくのかい!」
 舌うちしたいやうな、それでゐて変に晴れがましい気持だつた。見知らぬ冒険へ乗りださうとする瞬間の、あのスリルに似た感じでもある。わざと砂利をザクザクいはせながら、大股に歩いた。門のなかは、遥か正面にこんもり繁つてゐる馬車廻しまで、両側は鬱蒼うっそうたる樹林だつた。えのき、けやき、しひ、くぬぎ、さくら……そんな樹の名を、わざと念入りに数へたてて行くうちに樹林が尽きて、最後に公孫樹が一本づつ、両側に番兵のやうに立つてゐる。そこで立ちどまつて、腕時計をのぞいた
123: 2025/07/18(金)16:15 ID:fL9IF6A60(2/2) AAS
噛んではいつて来た。みるとその窓には、小幡氏の顔が笑つてゐる。その車が馬車廻しをぐるり一まはりして、また風のやうに出て行つてしまつたのを見送つて(その尻尾の標識にはJ国公使館と、白地の文字が鮮かだつた――)、十吉は車寄せの小幡氏と落合つた。
「いやあ、今朝は起き抜けからの大活躍でね、二三軒まはつて来たところさ。……君が待つてやしないかと心配だつたがね。」
 持前のよく徹る声が、玄関の広間にがんがん響く。まるでわが家に帰つて来でもしたような、傍若無人な大声である。
「実は朝飯にもまだありついていない始末なのさ。……」
と言ひ言ひ、そこへ顔を出した何処か東洋種らしい若いボーイに茶の支度を命ずると、ちよつと待、
124: 2025/07/18(金)16:15 ID:R62HjOid0(1/3) AAS
見知らぬ国へ飛びこむのだ。何に出てこられても仕方がないと観念してゐた。ところが案外にも、まづ現はれたこの人物は、ちよつとアングロ・サクソン系の事務家を思はせる、垢抜けのした紳士であつた。まだ若い。やや不機嫌に寄せた眉根のあたりに、ただよつてゐる一抹の陰鬱さはあるが、こけた頬から張りだした腮あぎとへかけて、いかにも敏腕家らしいするどさが現はれてゐる。
 坐つたかと思ふとまた腰を浮かせて、事務卓の方へ長い腕をのばすと、例の統計表の下をごそごそ云はせて、スリー・キャッスルの緑いろの缶を取りだした。器用に蓋を使つて中蓋を切る。あの煙草特有のぢかに心にしみ入るやうな地味な香りが、朝の日ざしのなかにかぐはしく立つ。ミトローニク氏の長い鼻が、その香を受けて敏感にう
125: 2025/07/18(金)16:16 ID:R62HjOid0(2/3) AAS
せんだつても小幡氏から聞いてゐたが、なるほどあのあたり一帯の閑静な屋敷町のなかでも、殊さら樹木の多い一郭の、横町をはいつた奥まつたところに斜めに鉄の門をひらいてゐる外構へは、いかにもそれらしく、まともな勤め先といへば丸の内から日本橋辺のビル街のことを頭に浮べて一も二もなく怖気をふるつてゐた十吉のやうな男には、日々の勤め場所としてまづ気に入つた。これは一種の貴族趣味があるせゐでもあるらしい。
 約束の時間にはまだ少し早いので、その横町の砂利のうへを、暫くぶらぶらしてゐた。登館の時刻はすぎてゐるはずだが、それでも時たま一人二人と、悠然たる足どりで門の中へ消えてゆく外国人がある。やがてそれも絶えた。十吉は退屈まぎれに、木蔦のいつぱいに絡みついてゐる古びた石の門柱へ歩み寄つて、それに掛けてある横ながの真鍮しんちゅうの標札を眺めはじめた。
 真鍮の色のまだ真新しい表面に、D※(アキュートアクセント付きE)L※(アキュートアクセント付きE)GATION COMMERCIALE
126: 2025/07/18(金)16:16 ID:R62HjOid0(3/3) AAS
はするつもりだ。
 まあ君は多分、あの語学はほんの気まぐれにやつてみただけだと言ふだらうと思ふ。僕としてはその気まぐれついでに、その窓から一思ひに、内部の世界へ跳び込んでみることを勧めたいのだ。青年の弱点は、さうした窓があんまり多すぎて、踏切りがつかない点にありはしないかね。もしさうなら、僕が一つその偶然の代理役をつとめようぢやないか。J国の商務館は、実をいふと僕が引つ張つて来て開かせたやうなものだ。現につい先頃までゐた初代の代表などは、僕がツァラにゐた時代の友人ともいつていい男だつた。僕のゐるかぎり、居心地はさう悪くないと思ふ。もちろん新興国の常として、政情はまだまだ落着きがない。いや、将来ますます然りかも知
127: 2025/07/18(金)16:16 ID:Ep8lIKNs0(1/3) AAS
はするつもりだ。
 まあ君は多分、あの語学はほんの気まぐれにやつてみただけだと言ふだらうと思ふ。僕としてはその気まぐれついでに、その窓から一思ひに、内部の世界へ跳び込んでみることを勧めたいのだ。青年の弱点は、さうした窓があんまり多すぎて、踏切りがつかない点にありはしないかね。もしさうなら、僕が一つその偶然の代理役をつとめようぢやないか。J国の商務館は、実をいふと僕が引つ張つて来て開かせたやうなものだ。現につい先頃までゐた初代の代表などは、僕がツァラにゐた時代の友人ともいつていい男だつた。僕のゐるかぎり、居心地はさう悪くないと思ふ。もちろん新興国の常として、政情はまだまだ落着きがない。いや、将来ますます然りかも知
128: 2025/07/18(金)16:16 ID:Ep8lIKNs0(2/3) AAS
噛んではいつて来た。みるとその窓には、小幡氏の顔が笑つてゐる。その車が馬車廻しをぐるり一まはりして、また風のやうに出て行つてしまつたのを見送つて(その尻尾の標識にはJ国公使館と、白地の文字が鮮かだつた――)、十吉は車寄せの小幡氏と落合つた。
「いやあ、今朝は起き抜けからの大活躍でね、二三軒まはつて来たところさ。……君が待つてやしないかと心配だつたがね。」
 持前のよく徹る声が、玄関の広間にがんがん響く。まるでわが家に帰つて来でもしたような、傍若無人な大声である。
「実は朝飯にもまだありついていない始末なのさ。……」
と言ひ言ひ、そこへ顔を出した何処か東洋種らしい若いボーイに茶の支度を命ずると、ちよつと待、
129: 2025/07/18(金)16:20 ID:kI5/YXfa0(4/4) AAS
ペイあげるから案件くれ
130: 2025/07/18(金)16:21 ID:Ep8lIKNs0(3/3) AAS
噛んではいつて来た。みるとその窓には、小幡氏の顔が笑つてゐる。その車が馬車廻しをぐるり一まはりして、また風のやうに出て行つてしまつたのを見送つて(その尻尾の標識にはJ国公使館と、白地の文字が鮮かだつた――)、十吉は車寄せの小幡氏と落合つた。
「いやあ、今朝は起き抜けからの大活躍でね、二三軒まはつて来たところさ。……君が待つてやしないかと心配だつたがね。」
 持前のよく徹る声が、玄関の広間にがんがん響く。まるでわが家に帰つて来でもしたような、傍若無人な大声である。
「実は朝飯にもまだありついていない始末なのさ。……」
と言ひ言ひ、そこへ顔を出した何処か東洋種らしい若いボーイに茶の支度を命ずると、ちよつと待、
131: 2025/07/18(金)16:21 ID:ccr3pPP80(1/4) AAS
はするつもりだ。
 まあ君は多分、あの語学はほんの気まぐれにやつてみただけだと言ふだらうと思ふ。僕としてはその気まぐれついでに、その窓から一思ひに、内部の世界へ跳び込んでみることを勧めたいのだ。青年の弱点は、さうした窓があんまり多すぎて、踏切りがつかない点にありはしないかね。もしさうなら、僕が一つその偶然の代理役をつとめようぢやないか。J国の商務館は、実をいふと僕が引つ張つて来て開かせたやうなものだ。現につい先頃までゐた初代の代表などは、僕がツァラにゐた時代の友人ともいつていい男だつた。僕のゐるかぎり、居心地はさう悪くないと思ふ。もちろん新興国の常として、政情はまだまだ落着きがない。いや、将来ますます然りかも知
132: 2025/07/18(金)16:21 ID:ccr3pPP80(2/4) AAS
せんだつても小幡氏から聞いてゐたが、なるほどあのあたり一帯の閑静な屋敷町のなかでも、殊さら樹木の多い一郭の、横町をはいつた奥まつたところに斜めに鉄の門をひらいてゐる外構へは、いかにもそれらしく、まともな勤め先といへば丸の内から日本橋辺のビル街のことを頭に浮べて一も二もなく怖気をふるつてゐた十吉のやうな男には、日々の勤め場所としてまづ気に入つた。これは一種の貴族趣味があるせゐでもあるらしい。
 約束の時間にはまだ少し早いので、その横町の砂利のうへを、暫くぶらぶらしてゐた。登館の時刻はすぎてゐるはずだが、それでも時たま一人二人と、悠然たる足どりで門の中へ消えてゆく外国人がある。やがてそれも絶えた。十吉は退屈まぎれに、木蔦のいつぱいに絡みついてゐる古びた石の門柱へ歩み寄つて、それに掛けてある横ながの真鍮しんちゅうの標札を眺めはじめた。
 真鍮の色のまだ真新しい表面に、D※(アキュートアクセント付きE)L※(アキュートアクセント付きE)GATION COMMERCIALE
133: 2025/07/18(金)16:23 ID:QywdZjQL0(1) AAS
コピペ
134: 2025/07/18(金)16:25 ID:6ek5Uulu0(1) AAS
FB=天王寺、M4=CF、FC=フランチャイズの鬼電、FP=高橋名人、毛利名人
135: 2025/07/18(金)16:29 ID:ccr3pPP80(3/4) AAS
せんだつても小幡氏から聞いてゐたが、なるほどあのあたり一帯の閑静な屋敷町のなかでも、殊さら樹木の多い一郭の、横町をはいつた奥まつたところに斜めに鉄の門をひらいてゐる外構へは、いかにもそれらしく、まともな勤め先といへば丸の内から日本橋辺のビル街のことを頭に浮べて一も二もなく怖気をふるつてゐた十吉のやうな男には、日々の勤め場所としてまづ気に入つた。これは一種の貴族趣味があるせゐでもあるらしい。
 約束の時間にはまだ少し早いので、その横町の砂利のうへを、暫くぶらぶらしてゐた。登館の時刻はすぎてゐるはずだが、それでも時たま一人二人と、悠然たる足どりで門の中へ消えてゆく外国人がある。やがてそれも絶えた。十吉は退屈まぎれに、木蔦のいつぱいに絡みついてゐる古びた石の門柱へ歩み寄つて、それに掛けてある横ながの真鍮しんちゅうの標札を眺めはじめた。
 真鍮の色のまだ真新しい表面に、D※(アキュートアクセント付きE)L※(アキュートアクセント付きE)GATION COMMERCIALE
136: 2025/07/18(金)16:38 ID:ccr3pPP80(4/4) AAS
うお

うおうお
うお
うお
うお

うおうお
うお
うお
137: 2025/07/18(金)16:38 ID:GO7mxl9Z0(1/2) AAS
うお

うおうお
うお
うお
うお

うおうお
うお
うお
うお

うおうお
省6
138: 2025/07/18(金)16:38 ID:GO7mxl9Z0(2/2) AAS
うお

うおうお
うお
うお
うお

うおうお
うお
うお
139
(1): 2025/07/18(金)16:39 ID:38NRfMqK0(1) AAS
ディズニーのカード知りたい人
メアド貼れ
140: 2025/07/18(金)16:40 ID:fAU0jmf50(1) AAS
せんだつても小幡氏から聞いてゐたが、なるほどあのあたり一帯の閑静な屋敷町のなかでも、殊さら樹木の多い一郭の、横町をはいつた奥まつたところに斜めに鉄の門をひらいてゐる外構へは、いかにもそれらしく、まともな勤め先といへば丸の内から日本橋辺のビル街のことを頭に浮べて一も二もなく怖気をふるつてゐた十吉のやうな男には、日々の勤め場所としてまづ気に入つた。これは一種の貴族趣味があるせゐでもあるらしい。
 約束の時間にはまだ少し早いので、その横町の砂利のうへを、暫くぶらぶらしてゐた。登館の時刻はすぎてゐるはずだが、それでも時たま一人二人と、悠然たる足どりで門の中へ消えてゆく外国人がある。やがてそれも絶えた。十吉は退屈まぎれに、木蔦のいつぱいに絡みついてゐる古びた石の門柱へ歩み寄つて、それに掛けてある横ながの真鍮しんちゅうの標札を眺めはじめた。
 真鍮の色のまだ真新しい表面に、D※(アキュートアクセント付きE)L※(アキュートアクセント付きE)GATION COMMERCIALE
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