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>>114 > 「なあアイジャ」その声は老いていた。だが老いて尚、研ぎ澄まされた、鋭い声。老いた声の主は、鋭い。俺は言葉を返す。「なんだ」 > 「おぬしが……あの娘に近寄って良い事はない」と、髭を弄びながら言った。彼は俺の師だった。今は占い師をしていると聞く。 > 俺が口が下手であるのは物心つく前、元々何も話せなかったところをこの当時、五十を過ぎていた堅物の男に拾われたからだと、俺を知る人間は口を揃えて言う。 > 紛れもない、俺の師だった。もう齢七十近い。白髪をうなじで束ねている厳格な老人だ。 > 都は賑わっている。商人達の声が飛び交う表通りから、ミアがおそるおそる路地裏から様子を見ている。表情が僅かなこわばっていた。 > 俺が声をかけると、僅かに安心したような、機嫌の良い柔らかな表情になる。 > 俺や師と違い、ゲンキンなものだ。長生きするだろうか。体の疲れのせいか、雑念が過ぎる。いや、疲れたのは心か。 > 「街を歩いてきても、いい?」という彼女のか細い問いに対し、俺は首を縦に振った。箱庭のような安全な街だ。 > 危険を気にする必要はない。あれから数ヶ月が経つが、大分背が伸びた。何も食べていなかったのだろう。 > 「……アイジャ。経緯を、話せ」 > 間延びした声。老いたものだ、と俺は少し傲慢な考えを抱いた。俺はこの、何処から浮浪してきたかも分からない男に十六まで育てられた。 > 師の事なら、二番目に良く知っているだろう。そしてその経験から言えば、俺の師は隠し事を嫌う。何故か嘘も通じない。溜息を吐くと説明を始めた。少女の事、そして自分のことを。 > 昼過ぎ、街は賑わっていた。今日は戦争が終わってから、ちょうど一周年の祭の日だった。 > 戦争から一年。戦争? 戦争。 > > * > > 二十年前の冬。冬? 冬。その日見た女性の輪郭が、最も淡く古い記憶である。 > 初めは一兵士としてこの国に赴くまで、俺はこの右手の指が一つ無い壮年の老人に育てられた。 > 毎日、分厚い本を読んで生きる限り必要最低限の生き物を狩り続けた。殺したとは言いたくはない。
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