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アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ7
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>>124 > 千里の苛立ちは頂点に達していた。螺旋王に対するやり場のない怒りに、小さな胸は強く締め付けられた。 > 腐葉土を踏み締める足取りは重く、肩は小刻みに震え、吐く息は荒い。 > ふと、握り締めたコンパスに視線を落とす。ひと呼吸を置いてから、力任せにそれを足元へ叩きつける。 > コンパスは手応えの無い音とともに、湿った地面にへばり付いた。 > がたがたと雑音を発しながら、コンパスの針はひたすら踊り狂っている。この森へ迷い込んでからというもの、ずっとこの調子なのだ。 > つい先ほど、市街地の外れに辿り着くまでは、何ら異常は無かったというのに。 > おかげで現在自分がどこに居るのか、どちらへ向かって歩いているのか、皆目見当がつかない。 > されど、苛立ちの原因は、ただそれだけではなかった。 > > 午前六時。千里の起床予定時刻に、螺旋王の放送は始まった。 > きちんと整頓された荷物の、一番上に詰めておいた筆記具は既に手の中にあり、万端の備えで放送に臨む。 > 『殺し合いは――あまり、はかどって……』 > 冗長な駄弁を聞き流し、いよいよ脱落者の発表が近付くと、千里の心は大いに昂った。 > “実験”の進行度合いを知ることのできるそれは、千里にとってなにより重要な情報である。決して聞き逃すわけにいかない。 > だが、その瞬間は唐突に訪れた。 > 『さて、禁止エリアについて説明しようではないか。 > 死亡者から話しては、自我を喪失し、放送を聞き取れなくなる者もいるやもしれんからな』 > 「……へ?」 > 千里は目を丸くする。放送で流されるのは、脱落者の情報だけではなかったのか。 > 「禁止、エリア、て……」 > 『B-1、D-5、G-6、以上を禁止エリアと定める』 > 螺旋王は坦々と英数字の羅列を述べる。千里はほぼ反射的に、人名が並ぶはずであったメモ用紙に、それらをきっちりと書き連ねた。 > B-1、D-5、そしてG-6。記入した内容に間違いは無い。脳を小突く重たい声が、耳鳴りでもない限りは。 > 『最初に言った通り、ここに足を踏み入れれば、首輪が爆発する事になる。 > そう、始めに我に歯向かってきた、あの男のように血肉の塊と化すだろう』 > 禁止エリア。その名の通り、侵入することを禁じられた区域。何人も寄り付くことのない、デッドスペースである。 > ……デッドスペース。口にするのもおぞましい。その邪悪な響きに、千里の精神は急速に蝕まれていく。 > 『もっとも、この場には字が読めぬ者がいるのでな。警告後一分以内に離れれば、首輪は爆発しない』 > 会場を虱潰しに踏破すること。それが千里の目的であり、また至福でもある。 > だが補足説明によると、当該エリア内で行動可能な時間は一分。たった一分で、中を調べ上げることなどできるはずがない。 > 入れない。調べられない。きっちりできない。無情な現実に打ちひしがれ、千里は枯葉の絨毯に膝を衝いた。 > 『戦わずして吹き飛ぶ事ほどつまらぬモノはないのだからな。十分に、気をつける事だ』 > 「きっちり……したい……のに……」 > 『さて、最後の一人を目指す者、このゲームを破壊しようと目論む者』 > 「……うっ、うう……う」 > 『どちらにとっても感心があるだろう、死亡者の発表に』 > 「うな――――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!」 > 千里の理性はいよいよ崩壊した。傍らに広げた地図を乱暴に拾い上げ、そして絶叫する。 > 地図の両端を握り締め、外側へと力一杯引っ張る。地図は中央を縦方向に走る折り目に沿って、綺麗に真二つになった。 > ……そこからは、一切の記憶が無かった。完全に自我を喪失していたらしい。 >
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