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祖父の実話ですが。。。

1いしい:2002/06/05(水) 02:26
実体験怪談を募集していると聞いたので投稿です。

今は亡き祖父の実体験。
長文御免。

祖父は自衛隊を退官の後、公園などの設計をする仕事につきました。
おそらく30年ほど前のある日、小さな戦争の記念館をつくってくれ
との依頼をうけました。
空襲のあった場所で、直撃弾をくらった防空壕がひとつあり、そこ
をベースにして小さな公園と記念館を設計したそうです。

数ヶ月が経ち、戦争記念館が完成しました。
開館式には大勢の関係者があつまり、午後からは一般に公開される
ことにもなりました。
予定では5時に閉館し、その後別の場所に移って打ち上げをすること
になっていたそうです。
祖父と何人かの関係者は正門の前に陣取って閉館時間が訪れるのを
待っていました。

時刻は四時半過ぎ、夕暮れ時のことでした。
祖父とその関係者が正門でおしゃべりをしていると、不意に修学旅行生
たちが記念館にはいっていきました。
時刻が時刻でしたから、いそいでください、と声を掛けておいたそう
です。
しかし十分しても二十分しても修学旅行生たちは記念館からでてきま
せん。

祖父は呼びに行こうと記念館にはいっていきました。
すると中には、修学旅行生たちが一列になって陳列品を見学している
最中でした。

「すみません。もうそろそろ閉館時間ですから」

祖父はそう声をかけたそうです。しかし修学旅行生たちは気にとめる
わけでもなく、奥へ奥へといってしまいます。
祖父は声をかけながら修学旅行生たちの後についていきました。

その時、祖父はふっと背中に冷たいものを感じたそうです。
修学旅行生たちは奥へ奥へと歩いていっているのですが、記念館自体
は小さく、まっすぐ歩ける通路なんてないはずなのです。
しかし修学旅行生たちはどんどん奥へすすんでいっているし、祖父も
追うような形でついていっている。
このまま後を追っていったらどこか別の世界についてしまうのではないか。

祖父はそんなことを直感的に感じて、黙ってうつむくともときた道を
ゆっくりともどっていったそうです。

記念館をでて、入口にあるチケット売り場にいくと、先程まで一緒
にいた関係者が売り場のお姉さんと話をしていたそうです。
関係者のひとりが、売り場のお姉さんにこういっていました。

「中に修学旅行生がいるだろ。早く呼び出してあげなよ。もう閉館
時間だから」

売り場のお姉さんは一瞬キョトンとした顔をしてこう答えたそうです。

「そんな方々はきていませんけど」

祖父は何もいいませんでした。
その後、話がかみあわなくなってきた関係者たちは自分たちが呼びに
いくといって黙っている祖父をつれて記念館にはいっていきました。
しかし誰一人としてお客さんはいなかったそうです。

ということは、修学旅行生たちは幽霊だったのでしょうか?

焼夷弾が直撃した防空壕に誰が潜んでいたかはわからなかったそう
ですが、空爆のあった場所ですから小学生がたくさん死んだことは
充分にありえる。

祖父はそんなことをすました顔でいっていました。
祖父にいわせてみれば、幽霊か幽霊じゃないかということよりも、
もしあのままついていったら「どこの世界」につれていかれたか
を考える方が恐ろしかったそうです。


ちなみに、うちの家系は霊力をまったくもっていません。
祖父がそんな体験をしたのも最初で最後のことなのかもしれません。
ただ、現場にいた全員が全員その修学旅行生を見たというのは
不思議ですよね。

どこの記念館だったか、ということは祖母が存命ですので、尋ねたら
わかるかもしれません。

9ここぷりちゃん:2002/06/09(日) 22:00
哀しい戦争の爪痕ですね…


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