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若返る女・成長する少女10 [転載禁止]©bbspink.com [無断転載禁止]©bbspink.com
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>>40 > 「それでは最後に、今日からここが職場の代わりに瑠璃子ちゃんが通うところですよぉ?」 > 塚井が瑠璃子の背中を押して、手で指示した先には保育園の門があった。 > 小さくなった瑠璃子にとってはまるで競技場の様に大きな施設に感じられた。 > 「ほら、何て言うところだか分かりますか?」 > 瑠璃子は入口に掛かれている文字を読み上げる。 > ももいろ保育園って……なんで私が保育園なんかに行かなくちゃいけないのよ!? > と叫んだつもりだったが。 > 「えっとぉ……んっと、なんてぇよむにょ?」 > 口から出てきたのは、困った様に質問を投げ返す情けない口調だった。 > 気づけば、また親指が口の中に入れられており、おかげで上手く喋れずにだらしない言葉使いになってしまう。口の横からは涎が垂れてきている。 > 「そっかぁ、まだ文字は読めないもんね、ここはももいろ保育園っていう場所で、瑠璃子ちゃんはここの年少さんのヒヨコ組に通うんですよ?」 > 瑠璃子は戦慄した。到底現実とは思えない魔法使いとやらに見るも無残な幼児にされた挙句、言動まで幼稚にされ保育園に通わされるなど悪夢としか思えなかった。 > > 瑠璃子は塚井に手を引っ張られる様にされながら保育園の中無理矢理入れられる。 > 驚く事に、これも魔法の効力なのか園内にいる誰もが瑠璃子と塚井の事を不審に思っておらず、それどころか毎日会っている様な素振りで接してくる。 > 「あらぁ、瑠璃子ちゃん、おはよう!」 > 保育園の入り口では、保育士と思われる女性が手を振って瑠璃子を呼んでいる。恐らく瑠璃子本来の年齢よりも若い、20代半ばの小柄で可愛らしい女性だった。 > 瑠璃子は名も知らない保育士に助けを求めようとした。 > あの、信じられないかもしれませんが、私はこの人の魔法で小さくされたんです!警察を呼んでください! > と叫んだつもりだった。 > 「ゆかりしぇんせー、おはよぉーございましゅっ!!」 > 気付くと瑠璃子は大げさなほど頭を下げて、名前も知らない保育士をゆかり先生と呼び朝の挨拶をしていた。 > 「今日も瑠璃子ちゃんは元気だねぇー」 > ゆかり先生と呼ばれた女性は瑠璃子の頭を撫でて褒めて来る。 > 瑠璃子は必死になって今のは違うんです、これも魔法で……と伝えようとしたが。 > 「えへへへへぇ」 > 発せられたのは、褒められて嬉しかったのか間の抜けた笑い声だった、瑠璃子は自分がそんな恥ずかしい笑い方をして、しかも口元から涎が垂れそうになっているのが屈辱的でしょうがなかった。 > 「それではお預かりいたします」 > 「はい、お願い致します」 > 塚井は保育士にペコリと頭を下げると、園外に止めてあるタクシーまで帰っていく。 > ちょっと待ちなさい!と瑠璃子は引き留めようとするが。 > 「ばぁいばぁぃー!」 > 出てきた行動は、手を大きく振って別れの言葉を言う事だった。それを見た塚井は笑いをこらえながら小さく手を振り返す。 > 次にあったら絶対にころしてやると瑠璃子は心に決めた。
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