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愛するが故に無理やり…… Part9
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>>20 > ガーデンアーチを潜り抜けた先には、甘い芳香を漂わせる白い花々の垣根が広がっている。 > アスターの少し後ろで感嘆の声が聞こえた。純粋に花々を、甘い香りを楽しんでいるようだ。 > だがずいずいと進んでいくアスターに違和感を覚えたのか、次第にその声が不安げなものに変わる。 > そして。人気の全くない垣根の角にたどり着くと、ようやく振り返って彼女の体を引き寄せ、後ろから抱きしめた。 > 「お前、ネリーと何を話してたんだ?」 > 耳元に唇を寄せ、囁く。彼女の首筋が粟立っていく。 > 「な、なんでもないんです! あの、大したことでは…」 > 「ふーん。そうか、俺には話せないんだな?」 > 彼女の首筋から漂う果実のような芳香が堪らない。刺激するのは、何もアスターの鼻腔だけではなくて。 > 彼女が小さく悲鳴を上げた。どうやら、アスターの変化に気付いたらしい。 > 「や、やだっ…アスター様!」 > 「たまには外でするのもいいだろ」 > 服の上からやんわりと胸を揉む。先ほどまで腕から抜け出そうともがいていたのに、急に動きが鈍った。 > 「いつもより感じるのが早いな。」 > 「そんなこと、……っ!」 > 口ではそう言うがやはり体は正直なもの。胸を強く揉むにつれ、体がどんどん熱を帯びていく。 > 抵抗の意で身を捩っていたはずが、いつの間にかくすぐったさによる身体の反応へと変わっている。 > この素直過ぎる身体がアスターを欲情させる。最も、そう開発したのは自分なのだが。 > 「言いますっ…、言い、ますか、らっ……! も、やめて……」 > 甘い吐息を漏らしながらミオは切なげに懇願する。だが、もう遅い。 > 「やだね。」 > 耳筋に舌を這わせながら、手を徐々に服の中へ侵入させていく…… > > そんな時だった。 > > 「おい…こんなとこで楽しんでる場合じゃねーぞ! アスター!!」 > 突然の乱入者により、漂っていた甘い空気が一瞬にして打破される。 > 乱入者の介入によって生じた一瞬の隙に、ミオはアスターの腕から逃れ慌てて衣服を正した。 > 恨み言の一つや二つ述べてやりたい気分だったが、乱入者の…シュロの珍しく慌てた様子がまたもそれを打破する。 > 「何があった? そんなに慌てるとはお前らしくない」 > 「それは…今ここで言う事はできね。だが、不味い事になってるのは確かだ。」 > シュロがちらりと見遣ったのは、ミオの姿。その視線を察した瞬間、今起きている“不味い事”というのが何なのか、おおよそ察知できた。 > 「すぐに謁見の間へ向かう。…ミオ、お前は部屋へ戻っていろ。」 > 「ですが…アスター様」 > 「今すぐ部屋へ戻り、一歩も出るな!!」 > 冷静なアスターからは考えられないような怒号にミオはただ圧倒され、言葉無く了解するしかなかった。
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