小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】 (268レス)
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1: ◆bhlju8wMK6 2021/06/06(日)21:42 ID:35WDfJzJ0(1/29) AAS
・「小林さんちのメイドラゴン」の二次創作SSです。原作とアニメ版1期の両方を参考にしていますが、基本的にアニメ版準拠の内容となります。

・独自設定を多少ですが含みますので、ご注意ください。

・VIPで投稿するのは初めてですが、頑張りたいと思います!至らぬ点があれば遠慮なくご指摘ください。

SSWiki : 外部リンク:ss.vip2ch.com
231: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:30 ID:Q1GPiNtR0(5/14) AA×

232: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:31 ID:Q1GPiNtR0(6/14) AAS
ファフニール「無論、何も言わなければお前を殺す。どうだ、分かりやすいだろう?」

滝谷「……ッツ………………………」フウーフウー

ファフニール「さあどうした。俺はそれ程気の長い方ではないぞ、今も指に力を入れるのを必死に堪えている位だ。何か言ってみろ」

滝谷「…………ッ………っ…………」ハアハア

滝谷「………………………、本当に」ポツリ

ファフニール「む?」ピクッ
省15
233: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:33 ID:Q1GPiNtR0(7/14) AAS
滝谷「――本当の所を言うと」ポツリ

ファフニール「む……?」

滝谷「隠してた本心……、というか下心みたいなものは、あったんだ」

滝谷「ご明察の通り、僕は利己的で、小賢しくて……。人に良く見られる為に善人を装う事はしょっちゅうで……」

滝谷「実の所、トール君の事については、気の毒で大変そうだとは思うけど、正直面倒事に巻き込まないでくれという気持ちも大分ある」

滝谷「魔法だとか並行世界だとかも、筋は通ってるし、魔法もこの目で見たから、とりあえずは信じた振りをしてるけど……。
   まだ感覚的には全然腑に落ちていないさ」
省12
234: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:34 ID:Q1GPiNtR0(8/14) AAS
滝谷「さあ殺すなら殺してみなよ。けれども僕は生来の痛がりでね、予防接種の注射でも毎回泣き喚きそうになるのを必死に堪えるぐらいさ!」ハハッ

滝谷「死ぬ様な大怪我すればきっとアパート全部屋に響き渡るくらいの大絶叫をかますだろう。
   そうすれば小林さんは勿論、トール君やルコアさん? にも聞こえてしまうね、それはまずいんじゃない?」フウフウ

ファフニール「………………………」

滝谷「さあっ、それでも――」

ファフニール「…………フッ」

滝谷「へ?」
省8
235: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:36 ID:Q1GPiNtR0(9/14) AAS
ファフニール「貴様が自分で言ったろう、殺せばトールやあの調和勢が五月蠅いに決まっている。誰がやるか」フン

滝谷「……あ、あ、あなたねえ゛………………」ヒクヒク

ファフニール「フン――――――」パチン

チカッ チカッ ブーン……

滝谷(あ、電気点いた……)

ファフニール「――勿論、本当に何か企んで竜を謀っていたのなら、忘れられない恐怖を与えるくらいはしたがな」ブンッ!(首から手を外す)
省11
236: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:38 ID:Q1GPiNtR0(10/14) AAS
ファフニール「安心しろ。お前の応答は馬鹿馬鹿しかったが、良い退屈しのぎになった。一先ず呪いはしないさ」ククク

滝谷「さいですか………………」ハア

ファフニール「クックック………………」フフフフ

滝谷「………………(退屈しのぎ、ねえ)」

滝谷『本当は、トール君の事を慮って、僕と小林さんが彼女に害為す存在じゃないか確かめときたかったんじゃないですか?』

滝谷(――とか言ってみたいけど、言ったら今度こそ本当に殺されそうな気がするので黙っておく滝谷真なのであった、まる)
省6
237: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:39 ID:Q1GPiNtR0(11/14) AAS
ファフニール「!? ……な、何だ突然奇声を上げて」ビクッ

滝谷「ピ、PC!PC! 忘れてた! 電灯が消えてたって事はPCも消えてた!? まだ仕事中で、データ保存してなかった!」ワタワタ

滝谷「い、今どうなってる? 今日の分の進捗吹っ飛ぶだけならまだしも、作業データ丸ごと消えてたり――」カチカチ

滝谷「――――あれ? 消えてない。そもそも電源も落ちてない……」キョトン

ファフニール「ああ、その光る板か。変化がないのは当然だ。何しろ実際に消えていた訳ではないからな」

滝谷「へ?」
省14
238: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:40 ID:Q1GPiNtR0(12/14) AAS
………………

【魔法界・終焉帝のねぐら】

………………

ブウン スタッ

ルコア「――さあ、着きましたよ終焉帝」

終焉帝「うむ……」ヨロッ
省17
239: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:42 ID:Q1GPiNtR0(13/14) AAS
終焉帝「もう二度と……“アレ”が生きている姿など見れぬと……思っていた……」

終焉帝「……笑う顔など、見れぬと、思っていた……」フウフウ

ルコア「…………………………」

終焉帝「……例え“アレ”が、本当は並行世界の存在で……よく似た別物であったとしても……」

終焉帝「それでも今日、“アレ”と出会えたのはまるで、奇跡の様で……っ、ゴホッ、ゴホッ!」

ルコア「終焉帝ッ! ご無理なさらず――」
省14
240: ◆bhlju8wMK6 2023/08/23(水)23:43 ID:Q1GPiNtR0(14/14) AAS
今回はここまで。それではまた。
241: ◆bhlju8wMK6 2023/10/21(土)09:55 ID:9sevB68D0(1) AAS
スレ保持用投稿。
242: ◆bhlju8wMK6 2023/12/16(土)04:39 ID:JpCv0Z+R0(1) AAS
スレ保持用投稿。
243
(1): 2023/12/17(日)11:58 ID:LuPyZ6Y10(1) AAS
5年は放置されてるスレが普通にそのまま生きてる管理放棄板だぞ
いちいち保守なんてせんでええわ
244: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:01 ID:r52j5KEa0(1/25) AAS
>>243
そうだったんですか…?(無知)書き始める前に調べたガイドラインにずっと沿って保守してました…。
教えて頂きありがとうございます。まあ、そもそも2か月以上も空けるなという話ではあるのですが。

それはそうと、少しですが更新しようと思います。
245: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:03 ID:r52j5KEa0(2/25) AAS
…………………………

【早朝・滝谷宅】

チュンチュン チチチ……

トール「――――んっんっ……。よし、これで準備OKです!」ギュッ

トール「小林さん! 滝谷さ〜ん! そちらは支度、済みました〜?」

小林「ん、大丈夫。出来てるよ〜。頼まれてた生ゴミももう出したし」ヒョコ
省3
246: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:03 ID:r52j5KEa0(3/25) AAS
【滝谷宅・玄関】

チュンチュン チチチ サンサン……

ガチャ バタン

テクテク テクテク……

トール「――ん〜〜〜〜! 快晴、良い朝です!」ノビー テクテク

小林「いやあ、気持ちの良い朝だね、トールちゃん」テクテク
省12
247: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:05 ID:r52j5KEa0(4/25) AAS
トール「あ、夕食と言えば……。昨日の夕食、どうでした?」ボソリ

小林「え?」

トール「その、お口に、合っていたかなって……」モジモジ

小林「そりゃもちろん、美味しかったよ〜!」

トール「…………!」パアッ

小林「味良し、量良し、栄養バランス良しで大満足の料理だった。ここ数年で一番ってくらい!」
省7
248: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:06 ID:r52j5KEa0(5/25) AAS
テクテク テクテク……

【滝谷宅近くの公園】

トール「――皆さ〜ん! お待たせしました!」

カンナ「あ。トール様きたー」パタパタ

エルマ「ああ、来たかトール」

ファフニール「……フン」
省15
249: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:06 ID:r52j5KEa0(6/25) AAS
ブウン

トール「! っと、二人もご到着ですか」

ルコア「皆、お待たせ〜」スタッ

終焉帝「…………………………」ザッ

小林「おお、虚空に現れた魔法陣から二人が……」ホヘー

滝谷「空間転移か……。やっぱ便利だねえ〜魔法、楽ちんそうでいいなあ」ホウ
省14
250: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:09 ID:r52j5KEa0(7/25) AAS
――――――――

ルコア「――さて、楽しいおしゃべりもそこそこにして……、本題に入ろうか」パンッ

トール「はい」

エルマ「う、うむ。お願いする」

ルコア「よし。では、出発の前に一度、改めて状況を確認しておこうか」

ルコア「昨日の話し合いによって導かれた現状に対する仮説は、この世界は今ここにいるトール君にとっての並行世界であり、
    トール君は“この世界のトール君”と引き合った事でやって来たという事」
省25
251: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:10 ID:r52j5KEa0(8/25) AAS
ルコア「じゃあ早速だけど、トール君と小林さんが出会ったという山まで移動しようか」

トール「はい、小林さん達の為にも、できれば日帰りで終わらせたい所ですし!」

滝谷「ハハハ、まあその為に無茶をして欲しくはないけれど」ハハハ

小林「そうなって頂けると仕事的にぶっちゃけ助かるね」アハハ

トール「ええ! では、時間も勿体ないし転移魔法でサクッと行きましょうか。私が準備しますね!」

ルコア「よろしく頼もうかな」
省10
252: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:11 ID:r52j5KEa0(9/25) AAS
トール「な、何かミスっちゃいましたかね……。もう一回!」ブオンッ

ブオンブオン――パキンッ!

トール「駄目だあ……。何でえ……?」

ルコア「待ってね、僕も一応やってみよう」ブオンッ

ブオンブオンブオン――バチンッ!

トール「ルコアさんでも失敗……?」
省8
253: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:11 ID:r52j5KEa0(10/25) AAS
ルコア「う〜ん、これだけだと誰が、というのはまだ分からないけど……。ただ、何者かが干渉しているのは間違いないかな」ポリポリ

ルコア「前に捜索の為この辺りに来た時は、こんな事はなかったはずなんだけど……」ムムム

ファフニール「状況が変わったのだろう、このトールがこの世界にやってきた事で」

トール「状況……。何者であれ、並行世界から来た私に山へ来ないで欲しい存在がいる、という事ですね?」

滝谷「ん? それって、逆を言えば……」

小林「うん、“私達にとって重要な手がかりが山にはある”って示してる様なものかもね」
省2
254: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:12 ID:r52j5KEa0(11/25) AAS
ルコア「転移魔法が使えないなら仕方ない。予定変更して、空を飛んで直接現地に向かってみよう」

トール「はい、繊細な転移魔法は妨害できても、ドラゴンの直接突破を止められるモノはそうそうありませんから!」ビシッ!

滝谷(なんて力こそパワーな物言い……!)
小林(流石ドラゴンって感じだね)

ルコア「さて、そうなるとちょっと、組分けが必要かな?」

トール「あ、確かに。人間のお二人は、誰かの背に乗って頂かないと……」

小林「あ、じゃあトールちゃんに頼んでもいい?」
省11
255: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:13 ID:r52j5KEa0(12/25) AAS
ファフニール「フン、俺は無論一人で飛んでいく」

終焉帝「うむ、私も自力で――、ゴホッ、ゴホッ――」ゲホゲホ

ルコア「ああ、終焉帝もまだご無理せず! どうぞ僕の背に――」

トール「あ……」チラッ

終焉帝「むう……」

トール「……………………」モジモジ
省16
256: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:14 ID:r52j5KEa0(13/25) AAS
ルコア「滝谷君が移るというなら、終焉帝はトール君の背に乗られては? 折角の機会ですし」ズイッ

トール「!」

ファフニール「おい、無視す――」

終焉帝「……構わん。好きに配するが良い」

ルコア「ええ! それではトール君、頼めるかい?」

トール「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします……」ドキドキ
省15
257: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:14 ID:r52j5KEa0(14/25) AAS
エルマ「――よし、では私も出立する。現地でまた会おう!」ズズ……

バシュン!

トール「えっと……。じゃあ、私達も行きましょうか。あ、小林さん、移動の間、籠を持ってて頂いても良いですか?」スッ

小林「あ、了解」ヨイショ

トール「よろしくお願いします。それでは……」ズズズ……

トール(竜形態)「――さあ、二人共、乗って下さい」ズズン
省5
258: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:16 ID:r52j5KEa0(15/25) AAS
【市街上空・ファフニール組】

ゴオオオオ……

滝谷「――きゃー、サラマンダーよりずっとはやーい!」キャッキャッ

ファフニール(竜形態)「――ム、待て。サラマンダーとは誰だ、ドラゴンの名か?」ピクッ

滝谷「へ?」

ファフニール「お前、以前にもドラゴンに乗った事があるとでもいうのか?」
省19
259: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:17 ID:r52j5KEa0(16/25) AAS
滝谷「……しかしあれですな、話してみると、ファフニール殿は中々面白いでヤンスな?」ニヘッ

ファフニール「……何だと?」ピキッ

滝谷「小林さんの、呆れながらも返してくれる温もりある対応とはまた別の、
   打てばその分返ってくる様な、やや天然が入りつつもキレのあるツッコミ……」

滝谷「同性だからですかな? 変に気兼ねなく喋れるのも心地好い……」

滝谷「ですので、親愛を込めて“ファフ君”と呼んでいいでヤンスか?」ニカッ

ファフニール「――――は?」プッツーン
省10
260: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:18 ID:r52j5KEa0(17/25) AAS
………………

【市街上空・トール組】

ゴオオオオ……

トール「………………」

小林「………………」

終焉帝「………………」
省18
261: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:19 ID:r52j5KEa0(18/25) AAS
小林(出発時、滝谷君が急に組分けを変えてもらってた意図は、やっぱりこの親子二人のギクシャクしてる仲に関してだろう……)

小林(というか去り際にチラッと私に向けて『後は頼んだでヤンス♪』みたいな視線向けてきてたし)ムー

小林(とは言え……)チラッ

終焉帝「…………」ゴゴゴ

小林(う〜、黙ってても凄味あるなあこの方。私にできるか〜……?)

小林(――いや、トールちゃんの為だ。やるだけやってみようか!)ギュッ
省20
262: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:21 ID:r52j5KEa0(19/25) AAS
終焉帝「……一つ、良いか?」

小林「っ! は、はい! なんでしょう?」

終焉帝「昨日の話で、貴殿が1年前に退職したという会社だが……、何という名だ?」

小林「へ? えっと、『地獄巡商事』ですけど……」

トール(改めて聞いても、名前だけは個人的に好みなんですよねえ、あの会社)

終焉帝「ふむ、やはりか……」
省29
263: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:23 ID:r52j5KEa0(20/25) AAS
小林「――いや〜、プレッシャー凄いから内心、腰が引いちゃってたけど……。
   話してみるととっても気さくで面白――興味深いお父様だね、トールちゃん?」チラッ

トール「………………ムウ」プク

小林「ってあれ、トールちゃん? なんかご機嫌斜め?」タジッ

トール「だって……、小林さんズルいんですもん。そんなフランクにお父さんと会話してみせちゃったりして……」プク―

小林「え? 特段無理もせず、普通に話してるだけなんだけど……」ポリポリ

トール「それが普通じゃないんですっ! 普通の人間は、いやドラゴンでさえお父さんの前では呼吸すらままならなくなるものなんです!
    かく言う私ですら、お父さんの前では緊張で総毛ならぬ総鱗が立つ位なんですから!」
省30
264: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:24 ID:r52j5KEa0(21/25) AAS
小林(場の雰囲気が程良く和んできた今なら……!)

小林「――恥ずかしがる事はないよトールちゃん! むしろもっと素を出してっていいと思うよ?
   折角の機会だし、今まで話せなかった事があれば話してみるのはどうかな?」ズイッ

トール「え? えっと……」ピクッ

終焉帝「………………」

トール「うんと…… その……」タドタド

トール「………………」シーン
省25
265: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:25 ID:r52j5KEa0(22/25) AAS
トール(……でも、本当に、そうなのかな……)

小林「――いや、そんな事はないと思うよ」

トール「!」

終焉帝「何…………?」ゴゴゴ

小林「私って、昔からそんなに人付き合いが得意って訳じゃないからさ。
   仕事先ならともかく、家の中でまで気の合わない相手と過ごそうとしても、多分数日も保たないと思うんだよ」

小林「けど、トールちゃんはそんな私……、厳密には違ってもほぼ同じなそっちの世界の私と、一年も一緒に生活してきたんでしょ?
   ならその事実だけできっと大丈夫。喧嘩したってまた、仲直りできるさ」ニコッ
省11
266: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:28 ID:r52j5KEa0(23/25) AAS
トール「私は別に傷付きたくないから、争いたくないから小林さんと暮らしてきた訳ではありません」

トール「時に衝突しても、すれ違って辛い思いをしても……。
    それらも含めてこの人と同じ時を過ごしたいと、共に歩んで乗り越えていきたいと、そう思ったから一緒に居るんです!」

終焉帝「………………!」
小林「………………!」

トール「勿論、こちらの世界の小林さんと離れてしまうのも、寂しいですけれど……」

トール「それでも、私は戻れるなら元の世界に戻ります。辛くても苦しくても、あの人と共に在れるならどんな時間も私にとって宝物なんです!」ギュッ

終焉帝「………………そうか」
省16
267: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:29 ID:r52j5KEa0(24/25) AAS
トール「――あ、そうだ! 小林さん、持って頂いている籠の中の、一番上の保温容器を出して頂けますか?」

小林「ん? いいけど……(ゴソゴソ)……これ?」

トール「はい、それをお父さんに――」

小林「了解。えっと、では、どうぞ」スッ

終焉帝「む、これは…………?」パカッ

トール「――昨日のお夕飯の残りです。折角だから、お父さんにも召し上がって頂きたくて……」
省7
268: ◆bhlju8wMK6 03/04(月)22:32 ID:r52j5KEa0(25/25) AAS
今回はここまで。それではまた。
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