【モバマスSS】前川みく「待ち合わせ」 (23レス)
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1: [saga] 2018/02/22(木)19:32 ID:60BbHll00(1/22) AAS
ひゅうっと冷たい風が通り過ぎる

うう……寒い……Pチャンまだぁ?

こんなに寒いなら手袋を持ってくれば良かったな

冷たくなっちゃった手を合わせて、ほうっと息をかける

ちょっぴりあったかくなって、すぐにまた冷たくなっちゃう
省3
2: [saga] 2018/02/22(木)19:35 ID:60BbHll00(2/22) AAS
雲一つなくて、今日はとても綺麗に見えるな

うう……上向いてると首元が開いて寒い

みくが寒さに震えていると、革靴が石畳をこつこつと叩く音

「お待たせ。寒いのに悪かったな」

ほんとだよ、みくの手はひえひえなんだからね
省2
3: [saga] 2018/02/22(木)19:38 ID:60BbHll00(3/22) AAS
まぁ、それはそれとして

みくの手がこんなに冷たくなっちゃったから、Pチャンにあっためてもらおうかな

「どうした? そろそろ行くぞ」

ちょうどよくPチャンが背中を向けたので、こっそりと忍び寄って

「……えいっ!」
省3
4: [saga] 2018/02/22(木)19:39 ID:60BbHll00(4/22) AAS
「みくの手がこんなにひえひえになっちゃんだよ? 責任とって」

「責任ってお前なぁ……あ、ラーメンでも食いに行くか」

ラーメンかぁ、体も温まりそうだしそれも良いかも

「後、俺のほっぺから手を放せ」

「それは聞けないお願いかにゃ、それと魚介系はなしだよ?」
省2
5: [saga] 2018/02/22(木)19:42 ID:60BbHll00(5/22) AAS
Pチャンとみくの「待ち合わせ」

別に付き合っていたり、デートをするわけでもなくて、いつもの場所で待っているってだけ

でも、Pチャンを待っている時のみくはきっと退屈とか、そんな感じじゃなくて

んー……言葉にするのはちょっと難しいかも

その日のお仕事のこととか、ほかのアイドルの子たちのお話をして
省3
6: [saga] 2018/02/22(木)19:45 ID:60BbHll00(6/22) AAS
みくが事務所のソファで雑誌を見ている時

「悪いみく、今日の待ち合わせは無しだ」

Pチャンがみくを見つけるなり、そう言った

「う、うん。お仕事忙しそうだもんね」

「埋め合わせはいつかするからさ」
省3
7: [saga] 2018/02/22(木)19:53 ID:60BbHll00(7/22) AAS
今日はハンバーグ♪ 蘭子ちゃんのお墨付きなら期待できるかも

食べたカロリーはレッスンで消費するから大丈夫! なはず

まだ見ぬハンバーグにテンションが上がっちゃって、いつもの「待ち合わせ」の場所を通りすぎる

……そこで、見慣れた二人の背中を見つけた

待ち合わせでもないのに誰かを待つPチャンと
省4
8: [saga] 2018/02/22(木)19:55 ID:60BbHll00(8/22) AAS
「これからどうしましょう?」

「そっすね……時間もありませんから、とりあえず物を見たいと思います」

「ええ、わかりました。素敵な物があると良いですね」

むぅ……なんか楽しそうに話してるし

「タクシー拾いますから、ちょっと待っててください」
省2
9: [saga] 2018/02/22(木)20:01 ID:60BbHll00(9/22) AAS
でも、そんなに上手くいくわけなくて、前のめりになりすぎた

気づいた時にはバランスを崩していて、楓さんに気付かれちゃった

「あら……みくちゃん、お疲れ様」

「お疲れ様です、楓さん」

Pチャンとどこに行くんですか? とは聞けなかった
省3
10: [saga] 2018/02/22(木)20:04 ID:60BbHll00(10/22) AAS
「えっと、みくは一人でも帰れるので……」

失礼しますと頭を下げて、楓さんから逃げるようにして走り出した

後ろからPチャンと楓さんの声が聞こえた気がしたけど、気にしない

人込みを抜けて、とにかく走る

息が上がってもお構いなしに、とにかく前へ、嫌なことが追いかけてこないように
省2
11: [saga] 2018/02/22(木)20:09 ID:60BbHll00(11/22) AAS
はぁ……みく何やってるんだろう

ベンチに座って、ため息をひとつ

白い息がふわりと登って、やがて消える

そこに残るのはもやもやした、嫌な気持ちだけ

楓さんとPチャンどこに行くのかな、ご飯? お酒?
省2
12: [saga] 2018/02/22(木)20:12 ID:60BbHll00(12/22) AAS
嘘はついてほしくなかったかな

二人で出かけるなら、そう伝えてくれてもいいのに……

そりゃあ、みくもいい気分じゃないけど……それでも嘘をつかれるよりかは全然良いよ

空を見上げると、いつかの空みたいにお月様が綺麗に見えた

お月様は大きな空で一つだけで寂しくないのかな?
省2
13: [saga] 2018/02/22(木)20:15 ID:60BbHll00(13/22) AAS
「ここにいたのか……」

みくとお月様の間に見慣れた顔

「ほっといて、猫ちゃんは気まぐれなの」

走ってきたのかな、Pチャンの息がぜぇぜぇしてる

「ほっとけるかよ……くそ、最近運動不足がたたってるな……」
省4
14: [saga] 2018/02/22(木)20:19 ID:60BbHll00(14/22) AAS
「都合が良すぎると思わない? みくに嘘までついて」

「あれは確かに俺が悪かった、すまない」

頭を下げるぐらいなら、最初からやらなければいいんじゃないかな

「話はそれだけ? みくはもう帰るから」

体も冷えてきたし、もうPチャンと話すことはないかな……
省3
15: [saga] 2018/02/22(木)20:26 ID:60BbHll00(15/22) AAS
「どうせ大した理由じゃないんでしょ? お疲れさまでした」

適当にお辞儀をしてから、Pチャンに背中を向けて歩き出す

今日は李衣菜ちゃん呼んでたくさん愚痴っちゃおうかな

そうだ、スイーツとかいっぱい買ってやけ食いしちゃうんだからっ

「……みくの誕生日が近いから、プレゼントを見繕ってもらおうかと思ったんだ」
省3
16: [saga] 2018/02/22(木)20:28 ID:60BbHll00(16/22) AAS
「楓さんとお酒飲んだり、ご飯食べに行くんじゃなかったの?」

「トップアイドル様に手なんか出せるかよ、明日から飯が食えなくなる」

ふぅん、そっか

「でもさ、なんで嘘なんてついたの? それに、他の女の人と買いに行こうとしたの?」

「それは……」
省2
17: [saga] 2018/02/22(木)20:37 ID:60BbHll00(17/22) AAS
あ……確かに最近は毎日みたいにPチャンと帰ってたかも

「楓さんは……みくちゃんのプレゼントなら私が選びませんと! とかつまらないダジャレ言って、な?」

楓さんはぶれないにゃあ……

じゃあ、つまりはみくの勘違いってことかな? でも、やっぱり嘘はよくないよね?

「でもでも……やっぱり嘘は良くないよ? みくの気持ちわかる!?」
省2
18: [saga] 2018/02/22(木)20:45 ID:60BbHll00(18/22) AAS
「すまない。みくのためと思って動いたけど……この通りだ」

「謝るのなんて誰でもできるよっ! なんで? ……なんでみくに……」

気持ちが抑えられないや、もう自分でもどうしたらいいのかわからない

「ばか、ばかばかっ! Pチャンなんて大っ嫌い!!」

子供みたいにPチャンを一方的に責めちゃったけど
省3
19: [saga] 2018/02/22(木)20:49 ID:60BbHll00(19/22) AAS
「みく……」

Pチャンがみくに少しずつ近づいてくる

「見ないで……泣いてる顔見られるの、嫌だから」

Pチャンと顔を合わせたくなくて、そっぽを向くけど

「ふにゃあっ!?」
省4
20: [saga] 2018/02/22(木)20:57 ID:60BbHll00(20/22) AAS
「Pチャンの、ばか……」

みくのばか……心の中でそう呟く

「ああ、馬鹿で良いよ」

ほっぺに触れているPチャンの手はまだ冷たいけど

胸の奥がぽかぽかしてきて、全然気にならない
省3
21: [saga] 2018/02/22(木)21:05 ID:60BbHll00(21/22) AAS
「行動? ……今誰もいないよな」

きょろきょろと辺りを見回すPチャン。そして、こほんと咳払いをしてから、みくに顔を近づけてくる

それから、おでこの辺りにちょっとカサついてて温かい感触がした

「今回はこれだけだ。それにしても、みくのほっぺ本当にあったかいな」

恥ずかしそうに言うPチャンに、みくはできる限りの笑顔で返す
省4
22: [saga] 2018/02/22(木)21:06 ID:60BbHll00(22/22) AAS
読んでくれた人に感謝を

みくにゃん担当P、また、みくにゃんを愛する方たちに送ります
23: 2018/02/23(金)01:04 ID:1bXQogUPo(1) AAS
お疲れさまです!
みくにゃん良いにゃん
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