【バンドリ】今井リサ「友希那離れ」 (34レス)
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1: 2017/12/24(日)13:47 ID:XyBB5t7O0(1/33) AAS
※ 友希那「私と付き合ってくれないかしら」紗夜「……え?」 の設定を引きずってます。

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2: 2017/12/24(日)13:48 ID:XyBB5t7O0(2/33) AAS
――ファーストフード店――

氷川紗夜「……珍しいですね、湊さんからここへ行こうと言うなんて」

湊友希那「ええ、ちょっと相談したいことがあって」

紗夜「相談、ですか」

友希那「そうなのよ。ちょっとリサのことなんだけど……」
省4
3: 2017/12/24(日)13:49 ID:XyBB5t7O0(3/33) AAS
紗夜「そっけない?」

友希那「ええ。紗夜はそんな感じがしない?」

紗夜「……いえ、特には」

友希那「そう……。じゃあやっぱり私にだけそっけないのね、リサは……」

紗夜(そっけない……とは違うけれど、最近今井さんの行動で不可解だったのは「紗夜のために作ったんだー☆」と意地悪な笑顔でキャロットクッキーを手渡されて感想を求められたことくらいかしら……)
省3
4: 2017/12/24(日)13:50 ID:XyBB5t7O0(4/33) AAS
――2週間前、通学路――

友希那「おはよう、リサ」

今井リサ「あ、う、うん、おはよう……」

友希那「……? どうしたの、なにか元気がなさそうだけど」

リサ「えっ!? う、ううん、そんなことない、そんなことないよー」
省9
5: 2017/12/24(日)13:50 ID:XyBB5t7O0(5/33) AAS
リサ「う……うん、そう、そうだね……」

友希那「……リサ? ボーっとしてるけど本当に大丈夫? やっぱり熱があるんじゃない?」

リサ「う、うわっ!?」

友希那「え……」

友希那(リサのおでこに手を当てようとしたら大げさに身を引かれた……)
省11
6: 2017/12/24(日)13:51 ID:XyBB5t7O0(6/33) AAS
友希那「――というようなことがあったわ」

友希那「普段なら私がおでこに手を当てたくらい何ともないのにその日は大げさに身を引くし、そのあともどこかうわの空で、まともな会話がなかったわ」

紗夜「その日はもしかして、今井さんが練習を早上がりした日ですか?」

友希那「ええ、そうよ」

紗夜「確かにあの日は今井さんの様子が変でしたね」
省3
7: 2017/12/24(日)13:52 ID:XyBB5t7O0(7/33) AAS
友希那「そうかしらね……」

紗夜「ええ、普段の今井さんと湊さんを見ていればそういう印象を抱きます」

友希那「そう……」

紗夜(というより、今井さんが湊さんにされて気に障るようなことが思いつきません。湊さんに意図的に無視されても「何か心配事でもあるのかな、大丈夫かな」とフォローすることを考えそうですね)

紗夜「他にもそっけないと感じたことがあるんですよね?」
省4
8: 2017/12/24(日)13:53 ID:XyBB5t7O0(8/33) AAS
――1週間前、カラオケルーム――

白金燐子「君が出てくならそれでいいよ 借りたものは返すから」

宇田川あこ「うーん、コーラスで聞いてて思ってたけどやっぱりりんりんって歌上手だよね!」

リサ「あはは、普段からあれくらいしっかり声出せばいいのにって思うけど、やっぱり恥ずかしいのかな」

友希那「そうね、それを克服するために、今度作る曲に燐子のソロ歌唱パートでもいれようかしら」
省6
9: 2017/12/24(日)13:54 ID:XyBB5t7O0(9/33) AAS
あこ「りんりーん、ロゼリアでも一緒に歌おうよー」

燐子「忘れた過去に泣いたりしない 過ぎない時間に泣いたりしない」フルフルフル

リサ「『無理なものは無理なんです……!』って感じだね」

燐子「君と笑った 季節が終わる 時は流れる たったそれだけ」

燐子「……お、終わり、です……」
省13
10: 2017/12/24(日)13:55 ID:XyBB5t7O0(10/33) AAS
あこ「やったー! じゃあ、あこはこれでー♪」

燐子「わたしは……この抹茶パフェを……」

リサ「オッケー」

友希那「じゃあ私は……」

リサ「はい、メニュー」
省17
11: 2017/12/24(日)13:56 ID:XyBB5t7O0(11/33) AAS
友希那「ということがあったのよ」

紗夜「…………」

友希那「紗夜? どうかした?」

紗夜「いえ、色々と尋ねたいことがあったので、どれから聞けばいいのかと……」

友希那「? リサのそっけなさ以外に気になるところでもあったの?」
省7
12: 2017/12/24(日)13:57 ID:XyBB5t7O0(12/33) AAS
友希那「……いまいちピンと来てないみたいね。でも紗夜だって双子の妹さんと同じようなことがない? 考えてることがすぐに分かるとか」

紗夜「いえ……日菜は近くにいればいるほど何を考えてるのか分からないタイプの人間ですので」

友希那「そうなの? リサから聞いた話だと四六時中紗夜のことばっかり考えてるみたいだったけど」

紗夜「……それはなんとなく分かりますけど、流石にその時食べたいものや飲みたいものが些細な一言で分かるなんてことはありませんね」

友希那「そう……じゃあこの話はあまり参考にならなかったわね……」
省5
13: 2017/12/24(日)13:58 ID:XyBB5t7O0(13/33) AAS
――3日前 湊家――

リサ「はい、じゃあカレー作っといたから、食べる前にはちゃんと温めてね」

友希那「……いつも悪いわね、リサ」

リサ「いいっていいって、困ったときはお互い様だよ」

友希那「いえ、私が料理に興味がないばっかりに、毎回こういう時にはウチまで来て晩御飯を作ってもらって……本当に感謝しているわ」
省15
14: 2017/12/24(日)13:59 ID:XyBB5t7O0(14/33) AAS
友希那「――ということがあったのよ」

紗夜(……今気付いたけれど、もしかしてこれってただの惚気話では……?)

友希那「紗夜?」

紗夜「あ、ええと、すみません、少し考え事をしていました。それで、この話のそっけないポイントは今井さんがすぐに帰ったというところですか?」

友希那「いいえ、それは少し寂しかっただけでそっけないとは思わなかったわ」
省8
15: 2017/12/24(日)14:00 ID:XyBB5t7O0(15/33) AAS
友希那「幼馴染としてお互いに隠し事なんて――あっ、そういえば私、ロゼリア結成の時に隠し事をしてたわね……」

友希那「……そう。きっとリサもあの時こんな気持ちだったのね……今さらになってしまうけど、ものすごく申し訳ないことをしたわ……」

紗夜(隠し事……ああ、あのスカウトの話……)

友希那「確かにこれだけでもリサを怒らせるには十分だわ……しかもそれにまったく気付かないなんて……。それによく考えてみるともっと昔にも……」

紗夜(こんなに肩を落として落ち込む湊さんを初めて見ました……。話の内容はどうあれ重症みたいですね……)
省5
16: 2017/12/24(日)14:01 ID:XyBB5t7O0(16/33) AAS
友希那「そう……かしら」

紗夜「そうです。それに、気になるならば直接今井さんと話をすればいいじゃないですか」

友希那「…………」

紗夜「今の今井さんと向き合うのは怖い……ですか、湊さん。でも、この間だって、私に言ってくれたじゃないですか。苦しみと逃げずに向き合うことが何よりも大切で尊いことだと」

紗夜「あの言葉のおかげで、私はもう一度日菜と向き合うことができました。だから、今度は私から湊さんにその言葉を送ります」
省4
17: 2017/12/24(日)14:01 ID:XyBB5t7O0(17/33) AAS
友希那「リサはそんな人間じゃない……わ」

紗夜「ならきっと大丈夫です。私が背中を押しますから、あとは湊さんが向き合う勇気を持つだけです」

友希那「そう……そうよね。私が気付かないうちに何かをしてしまったのなら、それを謝らないと。仮に私が何もしていないのなら、どうしてそっけないかをちゃんと聞かないと」

紗夜(最初の話はともかく後の二つは『そっけない』といえない代物に見えますけどね)

友希那「……ありがとう、紗夜。やっぱりあなたに相談して正解だったわ」
省9
18: 2017/12/24(日)14:02 ID:XyBB5t7O0(18/33) AAS
――翌日 CiRCLE・スタジオ内――

ジャーン……

紗夜(練習開始から一時間……そろそろ休憩を提案するのにはちょうどいい頃合いね)

紗夜(昨日のうちに、休憩中は宇田川さんを外へ連れ出すよう、事情を話した白金さんに根回し済みです。あとは私から話を切り出せば……)

友希那「……ふぅ」
省5
19: 2017/12/24(日)14:04 ID:XyBB5t7O0(19/33) AAS
あこ「はーい!」

燐子「あこちゃん……一緒に飲み物を買いに行かない……?」

あこ「うん、いいよー!」

燐子「ありがとう……。良かったら……みなさんの分も買ってきますけど……どうですか……?」

リサ「ん、ありがとー。でもアタシは大丈夫だよ」
省7
20: 2017/12/24(日)14:04 ID:XyBB5t7O0(20/33) AAS
紗夜(白金さんは上手く宇田川さんを連れ出してくれましたね……)

紗夜「では、私もちょっと日菜に電話をしてきますので」

今井「はいはーい、じゃあ友希那とお留守番してるねーっ」

紗夜「ええ、頼みます」

紗夜(私の仕事はここまでです、湊さん。健闘を祈ります)
省5
21: 2017/12/24(日)14:05 ID:XyBB5t7O0(21/33) AAS
友希那「ねぇ、リサ」

リサ「ん? どったの、友希那?」

友希那「ちょっと尋ねたいことがあるんだけど……」

リサ「尋ねたいこと?」

友希那「ええ。……その、もしかしてなんだけど、私……なにかリサの気に障るようなことをやっていないかしら……?」
省6
22: 2017/12/24(日)14:06 ID:XyBB5t7O0(22/33) AAS
友希那「でも……最近のリサはそっけないし、今だって何か含みのありそうな反応だったし……」

リサ「だ、だからこれは違うんだって! その……これはアタシ自身の問題というか……ああでも友希那にも関係することなんだけど……」

友希那「やっぱり私が何か嫌なことを……」

リサ「ああ違う違う! だからそんなに落ち込まないでって!」

友希那「じゃあ一体どうして……?」
省5
23: 2017/12/24(日)14:08 ID:XyBB5t7O0(23/33) AAS
リサ「ほらっ、二週間前だったかな? アタシがちょっと調子悪くて練習を早上がりした日あったじゃん? ちょうどあの日にその夢を見ちゃったんだ」

友希那「……朝からリサの様子がおかしかった日ね」

リサ「そうそう、あの時のことはあんまり思い出したくないけどその日っ」

友希那「それとリサがそっけなくなるのにどういう関係があったの?」

リサ「あーうん……その、過保護って言うとオカシイと思うけどさ、ほら、アタシたちって小さいころからずっと一緒だったじゃん? だからさ、今は当たり前になってるこの距離感とか、友希那に近すぎて迷惑になってないかなって……そう思ったんだ」
省4
24: 2017/12/24(日)14:09 ID:XyBB5t7O0(24/33) AAS
友希那「そう……そうだったの……」

リサ「うん。……ごめんね、友希那」

友希那「なんでリサが謝るのよ」

リサ「だってこれって、アタシが勝手に変な夢を見て勝手な思い込みでやったことだし……それにすぐに気付かれちゃってさ、本当……ダメダメだなぁ、アタシ」

友希那「……ダメダメなんかじゃないわ」
省6
25: 2017/12/24(日)14:10 ID:XyBB5t7O0(25/33) AAS
友希那「今回の件だってそうよ。リサは私のことを考えて距離を置こうとしてくれたのに、私はただそっけなくされて寂しいって理由だけで、あなたを問い詰めるようなことをしてしまった」

友希那「……土下座くらいしなきゃいけないのは私の方よ。ごめんなさい、リサ」

リサ「ちょっ、ちょっと! 友希那が謝ることなんて一つもないってば! 今までのことだってアタシが好きでやってたことだしっ!」

友希那「それでもリサに私が何度も救われていたのは確かな事実よ。なのに、今までそれを蔑ろにしていた。だから……ごめんなさい」

リサ「そ、そんな風に畏まって謝られるのは……ちょっと……」
省2
26: 2017/12/24(日)14:11 ID:XyBB5t7O0(26/33) AAS
友希那「あなたのことをお節介だなんてと思ったことは一度もないわ。リサと出会わなかった人生なんて想像もしたくないくらい、あなたは大切な……私の一番の親友よ」

友希那「だから、これからも今まで通りのリサで私と接してほしいの。あなたのことを迷惑だなんて、微塵も思わないから」

リサ「友希那……」

友希那「……やっぱりダメかしら」

リサ「……ずるいよ、そんな風に、言われたら……っ、頷くしかないじゃん……」
省3
27: 2017/12/24(日)14:11 ID:XyBB5t7O0(27/33) AAS
友希那「……なにも泣くことなんてないじゃない」

リサ「だって、ッグス、だって、友希那がそう思っててくれたのが嬉しくて……」

友希那「はいはい。この辺りに関しては私の方が大人ね。ふふっ」

リサ「グスッ、友希那ぁ……!」

友希那「リサは泣き虫さんね。はい、ティッシュ。もうすぐ休憩時間も終わるから、早く顔を拭きなさい」
省6
28: 2017/12/24(日)14:12 ID:XyBB5t7O0(28/33) AAS
友希那「そろそろスタジオの時間も終わるわね」

リサ「ん、もうそんなに経ってたんだ……気付かなかったー」

紗夜「それだけ集中して練習が出来たということね」

あこ「なんだか今日の演奏、いつもよりすっごくしっくり来ませんかっ!?」

燐子「そうだね……。なんだかいつもより……息が合ってるみたいな感じがするね……特に友希那さんと今井さんが……」
省3
29: 2017/12/24(日)14:13 ID:XyBB5t7O0(29/33) AAS
リサ「う、うーん、それはないかなぁ……」

友希那「そうね。言うなれば日頃の練習の賜物じゃないかしらね」

紗夜「そうですね、湊さんの言う通りかと」

あこ「えー、そっかー、闇の契約じゃなかったかぁ……残念」

紗夜(……湊さん、上手く今井さんと話せたみたいですね)
省2
30: 2017/12/24(日)14:14 ID:XyBB5t7O0(30/33) AAS
リサ「さて、それじゃあ次が今日の最後の曲になりそうだね」

燐子「そうですね……どうしましょうか……」

あこ「今ならあこはなんでもドーンと来いっ! って感じだよ!」

友希那「……じゃあ、今度のライブで最後にやる曲にしましょうか。イメージも湧きやすいでしょう」

紗夜「最後の曲ですか?」
省7
31: 2017/12/24(日)14:15 ID:XyBB5t7O0(31/33) AAS
友希那「……傍にいる人ほど、その大切さには気付けない」

友希那「当たり前のように思えることでも、それはずっと尊くて得難いもの」

友希那「いつも隣にいてくれる人へ、伝えられない、伝えきれない感謝の言葉を歌に込めて送るわ」

友希那「ロゼリアで、最後の曲よ。……あなたの大事な人へ」
32: 2017/12/24(日)14:17 ID:XyBB5t7O0(32/33) AAS
「陽だまりロードナイト」
33: 2017/12/24(日)14:18 ID:XyBB5t7O0(33/33) AAS
おわりです。

ちょっとシリアスなのを書きたかったんですごめんなさい。

お目汚し誠に申し訳ございませんでした。

HTML化依頼出してきます。
34: 2018/02/03(土)06:22 ID:5tW+ivJOo(1) AAS
良かった
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