タブンネ刑務所13 (1000レス)
タブンネ刑務所13 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/
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439: 名無しさん [sage] 純真なタブンネちゃん大好きです http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/439
440: タブンネ2016 [sage] タブンネ2016 今の時勢タブンネの死骸を見ることは珍しくない。 生存競争に負けたか、人為的な殺傷か、病死、餓死、事故死、様々だ。 ただそれを人々がどう感じているのかは、ただスルーするか処理を押し付け合うのが現状。 「なぜこのタブンネは死んだ?」など考える人間はいるだろうか この話はそんな数あるタブンネのうちの一匹、 そこの路地に転がっている♀タブンネの死骸の話 ――――――――――――――― とある港。 様々な輸入物資をより分け一時保管する倉庫の建ち並ぶ場所から少し離れた小さな草むらに、 まだ若いママンネと歩けるようになったばかりのベビンネが住んでいた。 慌ただしくトラックや台車を押した人間が行き交う場所の近辺なのだが、 そういった理由から野生ポケモンが寄り付かず、さらに人間もここを手入れや管理などしない。 あくまで風景の一部で、ここだけ別世界の様に静かで平和だ。 さらに近場のゴミ捨て場に行けばここで働く人間達のゴミや廃棄品があるため食料や生活品に不自由はしない。 この♀タブンネは頭がよく、これらの理由からここに目をつけ見事移住に成功した。 確かに行き交う騒音は不快だが外敵よりは遥かにマシだろう。ここで巣を構え、孕んでいた卵をなした。 もちろん例に漏れずつがいの♂は他界しているが。 さらに産まれた子はこの環境で育った為か、喧騒が当たり前で気にもしないのは幸運中の幸運。 今日もママンネはベビを寝かしつけてから餌を求め夜のゴミ捨て場に向かう。 そんな平穏な親子の幸せが崩れ去る日は唐突に訪れた。 今日は休日で作業車も人間もないので、ベビンネを連れ散歩に出掛た時にそれは起きてしまう。 ふと目をやったいつものゴミ捨て場に廃棄品の野菜や木の実が山のようにあったのだ。 もちろんママンネはベビンネにバケツの影で待つよう伝え宝探し兼食料確保の為ゴミ山に飛び込む。 しかしそれは間違いだった。 物事に興味を持ち出したベビは人間社会の喧騒で育ったからなのか、人間や人工物への本能的な恐怖がない。 草しか目にしてないベビからすれば、建物や資材一つでも全て興味の対象だ。 足は自然とそちらに向かい出す。 さらにママは見たこと無い木の実や食料を集めながら、いつもの現地立ち食いに夢中でベビを意識の外へおいてしまった。 「チーチー♪チィーッ?」 よちよち歩きでベビが向かっているのは運搬リフトのついた小型作業車。 何故ならそこには休日出勤の人間が空ケース撤去のためそれのエンジンをかけていた。 仲良くなりたいのか近づくベビに、人間は休日出勤の苛立ちからかベビどころか、ママにすら気づかない。 さすがにエンジンに気づいたママは口から野菜を溢れさせながらベビがいないことにようやく気づく。 見つけたベビは排気ガス噴き出す作業車のタイヤへ歩みを進めていた。 「ボフェアヂ!ブォッフ!」 口から野菜を噴出させながら必死にベビの元へ向かったが… 「チィッ♪チィーィ?」 ピーッピーッピーッ 「ブフェ!ベビちゃんダメエエ」 ピーッピーッブチュンッーッピーッ 人間は全く気づくことなく作業車を倉庫へ走らせ、赤いタイヤ痕が続いたがすぐに消えた。 「ベビちゃん?…ベビちゃああ」 ママは轢き潰されたベビの残骸に駆け寄り、抱き上げようにも真っ赤に染まったわずかにピンクの皮膚から滴り落ちるは血と臓物。 可愛らしい目、まだ巻いてない触角と横に張ってない耳、すべてが赤に染まった。 ママはそれらを必死にかきあつめ走り去る。現場残ったのは血痕と細かい臓物だけだった。 陽も落ち出した頃、静かな草むらにはママのすすり泣く音だけが小さく響いていた。 「ミッグエッグ」 血に濡れ赤黒くなった草のベッドにはベビのシルエットに似せたのが残骸がそれらしく並んでいた。 頭にあたる部位の細かい白いものが並んでいる物は歯茎だろうか?ママは野菜クズを小さくちぎりそこに指で置いた。 結局あれだけの量を回収せずに帰り、これは巣に貯蓄してあるもう緑が黄色になった菜葉だ。 「お野菜おいしいミィね。ママオヤチャイオイチィ」 その姿はまるで人形遊びのようだ。 ママは笑顔で頭らしき部位を撫で、布団がわりだったボロキレを優しくかけそのまま座り込んだ。 子を見つめ笑顔のまま涙を流し続けるママを沈む陽が優しく照らしていた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/440
441: タブンネ2016 [sage] 深夜。 ママは建物へ憎悪の視線を送っていた。 「あいつらがベビちゃんを殺したのミィ、ミィ達何も迷惑かけてないのミ…!やっぱり人間は許さないミィ…絶対ゆるさなミィ!!」 溢れ出した涙を拭いママは走った。ずっと流し続けた涙で目元は染みになり、濡れた跡がまるで隈取りのようだ。 「まずはあいつだミィ!人間の手先の煙りを吐くポケモンだミィ!」 小型作業車の駐車場。 道中で黒染みに変わったベビの血痕をみて余計に興奮したのか、寝ていると思ってるポケモンこと作業車に突進をしかけた。 「イダイミィ!」 車は微動だにせず、足掛けステップやボディの一部により体の様々な部位を強打した。 突進の反動どころか、全ダメージ反射にのたうちまわるもすぐに立ち上がり肩で息をしながら間合いを計る。 「ミィの突進を食らって目を覚まさないなんてオバカミィ。仲間も気づいてないミィから今がチャンスミィ!」 「ベビちゃんの恨ミィィィィ!」 タブンネにしては引き締まったような体と、凄まじい気迫でなんと運転席まで登り詰め、 運転席に突き出たリフト操作レバーを握りしめた。 「角を折ってやるミィギッア………アア…ムギィ…」 顔を真っ赤にしてレバーに力を込めるが、あいにくそんなんで壊れるほど科学の力は甘くない、凄いのだ。 ただ全体重を乗せればその限りではないだろうが。 「ミバッ!」 手が滑ったのかそのままレバーに顎を強打し、シートから落下した。 「ミビッ!」 立ち上がる際にさらに頭をレバーに強打し、うずくまるママ。 涙を堪え立ち上がる時、雲から顔を出した月の光はある物を照らした。 「ッ……イーブイ…イーブミィィ!!」 それはキーにつけられたイーブイのラバーキーホルダーだ(300円ガシャポン) 誰かに撫でられているような気持ち良さそうな顔。 「ミギィィィッ!!こんなとこでまでミィをバカにするミィ!?」 ここまで怒るのは理由がある。 このママはここに来るまで苦しい生活をしてきた。 幼少時公園で大ケガをした自分のママを介抱ながら、こそこそゴミ漁りをしていた時公園で堂々と走り回るイーブイを見た。 キラキラした笑顔とその美しい毛並み、優しそうな飼い主の姿は触角が無くとも幸せな感情が理解できる。 労せずおいしい食べ物をもらい、さらに食い散らかしても褒められ抱き締められ、周りからも可愛い可愛い大絶賛。 それにひきかえ自身はみすぼらしい姿でわずかな食い残し最後の一粒、一滴を親子でわけあう身。 人前に出れば汚いくさいと罵られ、食べ物ではなく与えられるのは石かゴミか死。 この日の夕食はイーブイの食い散らかした菓子の欠片を拾い集めたものとなった。 ママこと当時チビンネは生まれて初めて敗北を味わった。 そのカスをママは喜んで涙しながら食べてくれたが、自分は土の味しかしなかった。 間もなくママは衰弱死。あてもなく夜の町をさ迷い歩いていた時もイーブイを見た。 寒さに凍える中で目にした人間の家の窓の向こうでは人間とポケモン達とイーブイが暖かそうな暖炉の前で笑顔でいた。 ゴミ捨て場で夜を明かしてまず目にしたのは、暖かそうなお洋服を着て靴まで履いたイーブイが人間と庭で雪遊びをしていた。 こんな冷たい雪で笑ってるのが不気味でならなかった。 その後とあるタブンネの群れに拾われた時に♂の捨てタブンネから人間社会への恨みつらみを聞いた。 だが悪いことばかりではなく、イーブイへ恨みを持つ共通点から関係は親密になっていったのも事実。 ♂から聞いた話、いや愚痴はこのようなものだ。 同じノーマルなのにこの差はなんだ?たいした苦労もせず進化できるのも恨めしい。 それにタブンネがフェアリーになったらあっちは当たり前のようにフェアリーへ進化した。 その条件はいっぱい可愛がられてハートマークがたくさんつく。そんな嘘みたいな話。 エーフィやブラッキーとは違い、人間の直接的な愛情の賜物だ。 常に他者から愛されたい、仲良くしたいと願うタブンネからしたらこれはとてつもなく羨ましい事実だろう。 あちらは可愛い可愛いと『飼われ』こちらは経験値経験値と『狩られ』 それらを行った人間の元で酷使され、時にはストレスの捌け口にされていた♂は涙ながら語り続けた。 しばらくは平穏だったが、群れは彼らの悔しさを踏みにじるよう人間により駆逐された。 その虐殺で無数のポケモンの先頭に立っていたのはグレイシア。つがいの首を撥ね飛ばしたのはリーフィア。 完膚なきまで叩きのめされたチビ…♀タブンネこと現ママンネはすべてを忘れ、 ♂ンネの忘れ形見となるであろうお腹に宿る命と静かに暮らそうと決意し現在に至る。 ママの頭の良さはこれら理由があったのだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/441
442: タブンネ2016 [sage] 長くなったが話は現在に戻り、ママンネはプルプル震えながら拳を握りしめた。 「ミアアアアアアアア!」 叫びつつキーホルダーに往復ビンタをしたが、イーブイは笑顔のまま一切動じない。 それを怒りひきちぎろうとしたときだ。 ブルルルン! なんとエンジンがかかってしまった。 「ミヒャアアアア!」 エンジン始動音はまるで鳴き声のように感じられ、驚き身を隠すもそこはアクセルの上。 全体重がかかったアクセルによりエンジンはさらに咆哮する。 「やめてミィィィッ!たすけミィーッ!ミィは悪いことしてなミオオオオ!」 ママンネはパニックを起こし暴れるとハンドル、レバー様々にぶつかり、ギアの入った作業車は暴走をはじめる。 恐怖から尿や糞を撒き散らしハンドルやシートどころかママンネ自身も黄と茶に染まっていく。 そのまま振り落とされママは意識を失った。 「………」「……!」 物音に目を覚ましたママンネ。 身体中が痛み、さらに臭う。警戒心の強いママンネはしばし気絶したフリを続けた。 「いやはや、やってくれたなこいつ」 「だいたいキー抜かなかったの誰だ!?まあたいした被害はなかったが、洗浄しなきゃならん」 「例のゴミ漁りもこいつじゃね」 「そこ朝方みたらすんごい荒れようだった。しかし、クソだな二重の意味で」 そういいつつママンネを足で軽く蹴りつけた。 ママンネは歯軋りした。どいつもこいつも誰一人ベビに対する言葉もない。 それでも気絶のフリをし続けるのは様子をうかがっているのか、体が痛むからなのか。 「おーいみろよこれ」 ガサッという音にビクつき、ママンネはそちらに視線を送ると透明ビニール袋の中に赤黒い物体が詰められていた。 「巣があるかと探しててさ、したらあっちの草むらで生ゴミと一緒にハエたかってたんだが、これこいつの子の残骸じゃね?」 そのとおりだ。 「ミィーッ!」 ママンネは飛び起きビニール袋に飛び付いて涙した。 「ベビちゃんベビちゃん!」 ……… だが頭上に感じる複数の視線におそるおそる顔をあげると、眼前には人間の顔があり鼻と鼻がつく距離。 「やっぱお前か」 人間は拳を振り上げるが、ママは恐れる素振りも見せず人間を睨み付けた。 「まって。へえ、お前いい根性だね」 数人のうちの一人が制し、彼に耳打ちすると不気味に笑い一歩引いた。 「タブンネちゃん?僕のいうことわかるかな?わかんないよね、じゃあ通訳っと」 制した男性はホルダーからボールを解放するとエーフィが現れた。 その美しい姿に歯軋りするママを無視して、エーフィは男性の言葉をテレパスで伝えた。 (人間には数秒で回復できる道具や機械がある。お前がが謝って掃除するならベビを考えてやる) ママは瞳に決意の火を灯し条件を飲んだ。 理由は簡単、死んだ♂ンネから聞いていたから。♂ンネ自身何度も世話になった、ならされた。とも。 土下座しつつ「ありがとうミィ」と人間ではなく♂ンネに感謝し、ママは立ち上がり人間に従うことをエーフィに伝えた。 「よし、お利口さんエーフィ」 人間達はエーフィを撫でちやほやしはじめた。再び歯軋りするママだがそれを飲み込むよう笑顔を見せた。 つづく http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/442
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