タブンネ刑務所13 (1000レス)
タブンネ刑務所13 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/
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840: タブンネ虐アフター [sage] 「バフン!バッフン!」 「………パパ……?」 パパは息子の死体に性行為を行っていたのだが、その陰茎を挿している場所は息子の眼球。 腰を動かす度に、ブリュブリュと目玉が出入りしている様子に先程の卵を吐き出しそうになる感覚を堪えながら叫んだ。 「もうやめてミィ!!元のパパに戻ってミィ!!」 抱き締めるように身を寄せるも激しいピストンに突き飛ばされてしまう。 擦りむいた肘を押さえながらママはその場から去った。 カラになったカップを眺めながらしばらくママは娘の枕元で涙を流していた。 この一週間で世界は大きく変わった。あの幸せな日々はあの人間により破壊された。 狩りが盗みと認識できない野生のタブンネが達する結論は怒りや悲しみ。 息子もそれらに殺されたのだ。そしてママは今と、「あの時」の自分の不甲斐なさにさらに涙を流した。 タブンネが自分達が太刀打ちできない強者にする最終手段は媚び。 ママはパパが壊されてる間、自分はただひたすら人間に尾を振り、笑いかけ、必死に媚びて許しを請うた。 自身もボロボロにされた怒りを堪え必死に人間に媚びるのはとてつもない屈辱だった。 その姿に理由はあれどもきっとパパも幻滅したのであろう。だからこそパパからの仕打ちは必然なのかもしれない。 ここまで陥り、さらに自己嫌悪にまみれてもママが潰れない理由はやはり傍らでまだ生きている娘の存在。 「この子だけでも助けてみせるミィ。……おうちなら助けてくれるミィよね…」 おうちとは幼少時に住んでいた森の奥にある巣のことだ。 勝手に生える木の実と綺麗な川、そして秘密の力による巣の隠蔽は完璧で外敵の侵入を許してなかったあの場所。 外界と隔絶された安住の地だが種の保全のためか自由は無い世界。 ママ姉妹もそこで生まれ育ち、成熟後どうしても外が知りたいと決められた♂を捨てて外へ出た。 そして姉妹はそれぞれのオスと出会い今の暮らしがはじまった。 ママは静かに娘を抱きかかえるとパパに何も言わず巣を後にした。 あそこなら娘も元気になれる、自身のパパママも受け入れてくれる。 「チビお姉ちゃんだけは必ず守るからミィ」 優しく抱き寄せそう呟いた。娘から伝わる心臓の鼓動がママに安堵を与える。 娘もいつぶりかに優しく母に抱かれたからか、身を母の胸に寄せた ママは後ろを振り返らず巣を後にした。息子が命を賭けて集めた菓子に気づかぬまま。 タブンネは決して家族を捨てない。しかしここに居ては娘は確実に死に、自身も危ないのは明白。 ママの決断は正しいのかもしれない。 森の中を身をかがめるよう走り抜けていくママ。集落はそんなに遠くはない、走りきればすぐだ。 ママは自分にそう言い聞かせ歩みを進めた。その先に待つ幸せのために。 「やっと動いたわ」 ママは木の上から自分達を追う鋭い視線に気づかずにいた。 脱出編 終わり 最終編に続く http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/840
841: 名無しさん [sage] 近いうちに終わらせます 言われて気づいたんですが、ニク話は肉の日だったんですね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/841
842: ショーケースの裏側で [] 虐アフターさん、続きありがとうございます こちらも長々と続いてしまってすいませんです このパパンネはタブンネSS史上最低クラスの屑ンネですねぇ ともあれ結末はまた次に持ち越しですか この一家がどんな凄惨な末路を辿るか楽しみです http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/842
843: ショーケースの裏側で [] 勇者ンネを押さえつけた後で、シルフィはハッと気づいた 「自分は今お腹空いてない」と そして押さえつけていた前足をそっと離した 「ミ…ィ…」 「フィ?」 開放された勇者ンネは動きを止め、うつ伏せのままプルプル震えている 精神が限界でもはやハイハイで逃げることも出来ないのだ しかしそんな事シルフィには分からない 死んでしまったのかと思い前足でそっと触ったその瞬間 「ビルルルルルル!!ボギュアビッビ!」プゥッ 勇者ンネはもう一度あの発狂ダンスでのたうち回った。しかもオナラのおまけ付き いくら勇敢とはいえ勇者ンネも所詮は子タブンネ 幼く脆い精神であまりに過剰な恐怖を受けてしまい、少しの刺激でも自分が殺されると心が勘違いするようになってしまったのだ 人間で言うところのトラウマとかPTSDとかその類いだろう 「フィッフィ~w」 リアクション(オナラ付き)を面白がり、シルフィは動きが止まる度に勇者ンネを前足で叩いた まるで触れば動くオモチャのように 勇者ンネは繰り返される悶絶ダンスの中で色々なリアクションを見せた 小便を漏らす、頭を床に叩きつける、あぶくを吹く、白目を剥いて触覚を自分で引っ張る… 男二人は悩んだ末「シルフィが飽きるまで遊ばせとく」という選択肢を取った そのため勇者ンネの悶絶ダンスは死ぬまで続くかと思われた。しかし 「チィチィ… チィチィ…」 勇者ンネはうずくまって頭を抱え、震えながら「チィチィ」と繰り返すだけになった これはタブンネの赤ちゃん、ベビンネの鳴き方、それもママンネを呼ぶときの鳴き方である 勇者ンネは心が壊れて赤ちゃん返りを起こしてしまったのだ それはシルフィにとっては詰まらないリアクションだったようで やっと小突くのを止めてくれたのが勇者ンネにとっての唯一の救いだ 幼い勇者の戦いは無惨な結末に終わった 父の教えの通りタブンネの強さ、危険さを敵に分からせるどころではない 何の抵抗もできずベビンネを食べさせてしまった上に、自分自身もオモチャにされてしまった いつでも安全に美味しく食べられる上に楽しいオモチャも付いてくる… ボクたちは草むらのハッピーセットですと天敵に宣伝したような物ではないか これでは天敵がリピーターになって何度もタブンネの群れを襲いに来てしまうだろう まあ勇者ンネがいた群れなんてもう無いようなもんだからただの杞憂たが http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/843
844: ショーケースの裏側で [] 「ミッグ… ヒッグ…」「ンミィ…」 静けさを取り戻した第二飼育室には、子タブンネのすすり泣く声だけが聞こえてくる 衣装ケースの中にいる勇者ンネの仲間たちはもちろんの事、元々この部屋で飼われていた先住子タブンネも泣いていた あの強い(強そうな)勇者ンネでも何もできずにオモチャにされて、挙げ句の果てには赤ちゃん返り 勇者ンネへの失望、そして自分たちの弱さへの悔し涙がプラスチックの床にポトポトと溢れた 「ホラ、いつまでも泣いてんじゃねぇよ、これからいっぱい食べて強くなるんだぞ」 兄貴分が震える勇者ンネを優しく抱っこして空いてる飼育ケースに入れた この期に及んで親のカタキに励まされるとはもう恥も極まれりである 『ウミィィィィィ!!チィィィィィ!!』 「シルフィ!だめだよ、やめなさい!」 勇者ンネでは遊び足りなかったのだろう シルフィは衣装ケースの縁に乗り掛かり次のオモチャを選ぶべく中の子タブンネ達を覗き込んだ 泣き叫び、一斉に逃げてケースの反対側に押し寄せる子タブンネたち もはやシルフィと闘おうとなどと思う奴はいなかった 端から見れば衣装ケースを覗きこむ可愛いニンフィアだが ケース内の子タブンネ達から見れば壁から顔を出す超大型巨人の如くである 「チッ、チィィ、キチーッ!」 逃げ遅れたベビンネが前足で押さえられ、そして耳を咥えられて捕まってしまった 目の前でベビンネが襲われ、救いを求め泣き叫んでるのにも関わらず、助けようとする子タブンネは誰もいない 目の前の現実から目をつぶり、耳を塞ぎ、必死に逃れようとする タブンネの小さな戦士たちは、残虐な捕食者に威嚇の声一つ上げられない臆病者に堕してしまっていた 「チィーッ!チィーッ!チィーッ!ビャアアアアアア!!!」 泣き叫ぶべビンネを口に咥えたままシルフィはスタスタと飼育室を出ていった 美味しいオヤツをママ(社長)に持ってってあげようと思ったのか はたまた、楽しいオモチャでママと一緒に遊ぼうかと思ったのか それはシルフィにしか分からない 男たちに分かるのは、シルフィのお陰で仕事がやり易くなったという事だ 商品候補が1個ダメになったのはご愛嬌 「こいつらすっかり大人しくなっちまったな」 「これでフーズが食べれたらもう出荷出来そうですぜ」 男たち2人は反抗しなくなった子タブンネたちを次々に飼育ケースに移し 同時にボール付きの給水器に入った水と一掴みのフーズも一緒に入れていく ケースに入れられた子タブンネ達、どの子を見ても隅っこで身体を丸くしてプルプル震えている 大勢の仲間がいても何もできなかった自分の弱さと目の前で悪魔に連れ去られたベビンネへの罪悪感 その二つが混じりあって黒くて重い塊となり、子タブンネたちの幼い心にずっしりとのし掛かった もし、この子タブンネたちがこれからペットショップに売られて行き、そこで優しい飼い主に出会ったとしても 心にこれほど重い物を抱えたままで本当に幸せに暮らせるのだろうか…? 「うぇぇぇぇぇ!!?」 別の部屋から社長の悲鳴が聞こえた 血まみれのシルフィに驚いたからなのは想像に難くない 男たち二人も、震える子タブンネにも負けぬほど恐怖した http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/844
845: 名無しさん [] 決められた♂を捨てつつ故郷を出ておいて助けてもらおうだなんて・・・ 投石されて追い返されそうなものなんですがw パパの気違いぶりに「あるタブの光と闇」のタブンネを連想しました。 死んだ方がマシなぐらいの地獄を味合わせてから解放したら 周囲を破滅させるクズになった所とか一致してます。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/845
846: 名無しさん [sage] たくさん投下されて嬉しいです! 平穏な故郷も巻き添えを喰らうのかなw 勇者ンネは勇者ンネサイドだけでも1作品になりそうな贅沢なボリューム! チビ・ベビ同様に部下の兄貴たちも可愛いすぎるw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/846
847: 名無しさん [sage] >いつでも安全に美味しく食べられる上に楽しいオモチャも付いてくる… >ボクたちは草むらのハッピーセットです これは上手い!吹きましたwww http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/847
848: 名無しさん [] 恐怖に怯えるチビタブちゃん達可愛い!想像したらゾワゾワしてきた! そして可愛い顔して絶望を与えるニンフィアさんマジキュウべえw 虐アフター待ってました! 姉兄チビタブちゃん可哀想…パパンネがクズ過ぎて笑えてくる こんなクズパパは南極サバイバル以来だ、完結編も楽しみにしてます! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/848
849: ショーケースの裏側で [] 男二人は社長からのお叱りに戦々恐々としていたが、今日は客が来るという事でお叱りは先伸ばしになった そして次の仕事に取りかかるべく、最初のタブンネを選別した部屋に戻った 『ミィッ、ミィッ、ミッ、ミッ、ミィッ!』 「ふぃ~、これだけいるとウンザリしてくるな流石に」 青リボンを結ばれた子タブンネ達は週に一回の競りがある日まで部屋で放し飼いにされる そして競りの日になるとキャリーケースに入れられて出荷されるのだ 普通だったら出荷までに2~3日はこの部屋で過ごして、その間に親から離されたショックからある程度回復するのだが今回は違う 「ンミーッ!ミチッ!ミミーッ!!」 「ほらっ、痛くねーから大人しく入れって!」 子タブンネたちは捕まった当日だというのに輸送用のキャリーケースに次々と入れられていく 輸送用のキャリーは直方体で奥行きき70㎝、幅と高さが40㎝しかなく子タブンネ用にしてはかなり狭い 大きさだけ見ればケージというより棺桶である これを入り口を上にしてそこから子タブンネを入れるのだが 狭くて暗いキャリーを嫌がって足をバタバタさせて入れられまいとしたり 入れられても入り口の縁を小さな手で懸命に掴んで懸垂のように登って脱出しようとするが 子タブンネを押し込めるように出入り口のドアを閉められ、ガチャリとカギをかけられてしまうのだった 「お邪魔するざんす、おー、こちらが当社の今度の企画で扱わせて頂くタブンネ達ざんすね 差し障りなければ少し見学させてくれないざんすか?」 「あっ、デパートの担当の方で?、どうぞお気になさらずご自由見てってくだせぇ」 急に子タブンネを集めたのには理由がある それはデパートが企画した「タブンネとあそぼう!Mi Mi パラダイス」というイベントである 具体的に説明すると沢山の子タブンネと触れあって遊べて、その上気に入った子タブンネをその場で購入できるという催しだ そのイベントに使う子タブンネが足りなくなって、急きょこの小さな会社に大量の発注が掛かってきたというわけだ そしてこのざんす男はデパートの社員でイベントで扱う子タブンネの下見にやって来たのだ 「いやー、ここのタブンネたちは綺麗な子ばっかざんすね~、どの子も傷一つなくフカフカで!」 「ええ、ランク分けして厳選してますもんで、ここに居るのはいつでも売りもんに出来る一級品ですぜ」 「れれ?ランク分けってことは他にもタブンネがいるざんすか?」 「野生のやつを捕まえてきてるもんで、人工餌を食わない奴や攻撃的な奴なんかはウチで慣らしてから売るんですよ」 「実を言うと、ここにいる分だけではタブンネが足りてないんざんすよ、 そん中に使えそうなタブンネが居るかもしれないし、良かったら見せてほしいざんす」 「大丈夫ですぜ、これが終わったらご案内しやす」 「お客さんの要望だぞ、しばらく俺一人でやっとくから今すぐ案内して差し上げろ」 兄貴分に急かされて、弟分はデパートの社員を第一飼育室に案内する 弟分と知らない男が入ってきたので、ケージの中の子タブンネ達は「ミッミッ、ミッミッ!」と困惑や警戒の声で一斉に鳴き出した 弟分の操るポケモンに親兄弟を殺された子タブンネもいるのだ そんな子タブンネたちをデパートの社員はケージに顔を近づけて一匹一匹観察していく 「さっきの部屋の子達とそれほど違いは無さそうざんすけど、何が違うんざんしょ?」 「ここに居るのはペレットのポケモンフーズに馴染めない奴等が主だもんで、 見た目だけはさっきの一級品とそう変わらないんですぜ、少しは毛抜けとかもいますがね」 「へぇー、好き嫌いの問題ざんすね、 …アー、このタブンネに餌をあげてみてもいいざんすか?」 「少しなら大丈夫ですぜ、あ 、人間の食べ物や刺激の強えぇもんは止めて下せぇ」 「な~に、ただのフーズの試供品ざんすよ」 そう言ってデパートの社員が懐から取り出したのはタブンネの絵が印刷されたとても小さな袋 カラフルなデザインで餌と言うよりかは駄菓子の小袋のようだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/849
850: ショーケースの裏側で [] ほ~れ、タブンネちゃん、美味しいオヤツざんすよ~」 「ミィッ?ミイッ!!」 食べ残しが残る餌入れに、その新製品のペレットが3粒、袋から転がり落ちた それは鮮やかな赤や黄色の小さなクッキーの様なペレットだった 知らない人が見ると人間のお菓子と間違えてしまうような見た目だ しかし、クッキーの様な見た目には似合わない不自然に強いフルーツの香りを放っている その色と香りは、野生タブンネの最高のごちそう すなわち、完熟した果実をイメージして作られているのだ 雑穀の粉とオカラの塊である子タブンネたちがいつも食べているフーズとは嗜好性が段違いだ その新製品を投入された餌入れの主の子タブンネは、迷わずそれを二つ同時に手にとって食べた 「ミィッミッミ~♪」クチャクチャ 「ホッホッホ!ちゃーんとペレットも食べられるざんすねぇ」 見た目のみならず味もいつものペレットとは比べ物にならない 甘くてフルーティで食感もしっとりと柔らかい これに比べたらいつも食べているフーズの味は土の塊にも等しいだろう 子タブンネもあまりの美味しさにほっぺたに両手を当てて尻尾をフリフリして幸せをアピールしている そして、飲み込んだ後に最後のフーズを餌箱から取ろうとしたその時、 弟分は格子の隙間からそのフーズをひょいとつまみ上げてしまった 「ンミーッ!!ギィィィ!!」 「はえー、まるでお菓子みたいですな」 子タブンネはもちろん怒り出入口の格子のを掴みガタガタと激しく揺らして抗議したが弟分もデパートの男もあまり気にしていない そして弟分はフッフッと息を吹き掛けて汚れを飛ばし、ためらいもなく口に運んだ 「ムミィィィィィィィィィィィィーーー!!!」 「ヒッ?!」 「昔トレーナーやっててね、ポケモンが食べるフーズはこうやって味見したもんですよ」 「…ふえー、すごい事するざんすねぇ」 フーズが口に入った瞬間、子タブンネは絶叫した まるで目の前で肉親が殺されたかのような凄まじい慟哭だった デパートの男はそれにビクッと驚いたが弟分はノーリアクション 仕事上タブンネの悲鳴には慣れっこなのだ 悲鳴には驚かない弟分だが、フーズの味には顔をしかめて静かに驚いていた 口に入れた瞬間に広がる安物の飴のような人工香料の香り そして次に来る果物のような酸味、それもまた不自然な風味だ 食感はマドレーヌのような食感だが口の中でほどけると結構な量の油が含まれているのが分かる そしてほんのりとだが、ポケモンフーズにはあるまじき白砂糖の味がする (こりゃあ酷ぇ、知ってはいたがまさかここまでやってるとは思わなかったぜ) 弟分は知っていた、ペットポケモンショップで売られているフーズにはろくでもないものが入っている事があると 嗜好性を高めるための人工香料、化学調味料、脂肪分、糖分… この新製品のフーズにはその全てが入っている そして鮮やかな色は人工着色料によるものであることは想像に難くない こんな物を自分のポケモンに食べさせる奴の気が知れない… 口の中のフーズの味も手伝って、弟分は気分が悪くなってきた 「おらっ、返すぜ」 「フミィ~ン!」 弟分はまるで痰を吐くように子タブンネのケージの中にフーズを吐き出した 唾液まみれでグチャグチャのそれに笑顔で迷わず飛び付く子タブンネ 「よく帰ってきてくれたね」と再開を喜ぶような嬉しさと感動が混ざった声で鳴きながら 運悪くフーズは先ほどオシッコをした場所に落ちてしまった しかし新製品フーズの虜になった子タブンネは何も躊躇わない 四つん這いになっておしっこと唾液が混ざったフーズを小さな舌でペロペロと嘗めるのであった 「ンー… ところで、赤ちゃんのタブンネはいないざんすかね?」 「あー、こことは別の部屋に何匹かはいますぜ」 子タブンネのあまりの浅ましい行動にドン引きしていたデパートの男だったが 気を取り直して次の目的に話題を切り替える事にした そして2人は子タブンネたちの「ミッミッ!ミッミッ!」と自分にもくれと催促する声を背に第一飼育室を出ていった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/850
851: 名無しさん [] 更新お疲れ様です 前回の勇者ンネに続き浅ましンネという個性的なのが来ましたね センスに脱帽です! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/851
852: 名無しさん [] 「タブンネとあそぼう!Mi Mi パラダイス」 直接触れ合い反応を見てから購入できるのは素敵ですね。 純粋な子を探し出してオモチャにしてあげたいw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/852
853: んショーケースの裏側で [] あの第二飼育室を客人に見せるのは少し抵抗があった弟分だが、ベビンネはそこにしかいない 「かなり臭ってて悪いですが、どうぞお入りくだせぇ」 「ふぇ~、こりゃ強烈ざんすねぇ」 第二飼育室の強烈な悪臭に、デパートの男はハンカチを取り出して鼻を覆った この部屋にも子タブンネは沢山いるはずなのだがその鳴き声は聞こえず カサカサ、カサカサと紙が擦れるような音がかすかに聞こえてくるだけだった 「ここに居るのは攻撃的なヤツや幼すぎるヤツが主でして、 出荷出来る個体になる可能性は高くないもんでこんなぞんざいな扱いしちまってるんです」 「ふーむ、ベビィちゃんはともかく攻撃的な子はこちらとしてもいただけないざんすねぇ」 攻撃的な子タブンネとはどんな物なのであろうか? デパートの男はそんな好奇心から衣装ケースの空気穴から中の子タブンネを覗きこんだ 「ピィッ!!」 視線に気づいた子タブンネはビクッと驚き高い声の悲鳴をあげた そして狭いケースの中をパタパタと走り、壁にぶつかってしまった 「あの、むしろ普通の子より臆病そうに見えるざんすが…」 「あー、社長のペットのニンフィアがこいつらに酷いいたずらをしちまって、 それで怯えちまってみんなビビりになってるんでさぁ」 どんないたずらをしたんだろうとデパートの男は気にはなったが、あまり話題が逸れてもいけないのでここは聞かないでおいた ここに来た本来の目的はベビンネである 「ええと、たしかこのケースだったな… いたいた」 「チィィ…?」 弟分がケースの蓋を開けると、アンモニアの臭気がムワッと立ちこめた ケースの中は無造作にいくつもの糞が転がり、敷き詰められた新聞紙は大部分が小便でしっとりと濡れている そして、新聞紙の残り少ない濡れてない部分にちょこんと座るベビンネがいた 「いやー、汚いとこ見せちまって済まんこってす」 「いえ、大丈夫ざんす、それよりもせっかく見せてもらったのに悪いざんすが、 もうちょっと小さい、ママのミルクを飲んでるくらいのベビィちゃんはいないんざんすかね?」 「えっ、乳飲み子ですって? ここにはいないですぜ 店に置いてからの世話が大変だもんでショップが扱わねぇんですよ ショップの店員でももて余すのに、ましてやポケモンを金で買うような素人なんか…」 「ホホホ、それでも可愛いベビィタブンネちゃんを一目見たい、 あわよくばお家にお迎えしてママになってあげたいという方々は大勢いるざんすよ あのアイドルの女の子がタブンネの赤ちゃんをお世話するテレビ番組の影響ざんすね」 「はぇー、そんなのがあったんすか、タブンネ扱ってんのに不勉強でしたぜ」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/853
854: んショーケースの裏側で [] デパートの男の言う通り、テレビの影響でベビンネを飼いたいと思う人が密かに増えていた だが、イッシュ地方のほぼ全てのポケモンショップが離乳前のベビンネの販売には及び腰であった 餌皿に餌を入れて糞さえ掃除しておけば生きてる子タブンネとは違って乳児ンネには色々と手間がかかる 食事一つとってもいちいち粉ミルクを作り、その上人の手で一匹ずつ飲ませてやらなくてはならない 世話の手間だけではなく身体の弱さも問題だ ママンネから引き剥がされたストレスや急な環境の変化などで乳児ンネはすぐに体調を崩してしまう 乳児ンネの体調不良はすぐに風邪や下痢などの病気に変わり、酷いときには入荷から数日で死んでしまう事もある 入荷しても売れる前にすぐダメになってしまうのでは商品失格という事だ ただ、2日間のごく短期間のイベントで展示販売するとなると話は別である その程度の期間だったら持つだろうし普段のショップの何十倍、何百倍もの客が来るであろうから売れる確率も高い もし売れた後にすぐ死んでしまっても客の自己責任である 最も、弟分が心配した通り可愛いからと衝動買いするようなヤツの下でか弱い乳児ンネが長生きできるワケがないのだが 「う~ん、でも、このベビィちゃんも十分可愛いざんすねぇ お手数ざんすが他のベビィも見せてくれないざんすか?」 「いいですぜ、箱に集めるんでちょっとお待ちくだせぇ」 そう言って弟分は部屋の隅にあった段ボールを組み立て、 部屋中のケースからベビンネを探し出し次々とその箱に移していく ほんの5分ほどで6匹のベビンネが見つかり箱の中に集められた 「チィ?」「チィィ♪」「チィ♪チィ♪」 箱の中のベビンネたちは最初はキョトンとしていたが、久しぶりに同族に触れたのが嬉しくてすぐに他のベビンネと遊びだした 小さな手をペタペタと手遊びの様に合わせあったり他のベビンネの尻尾をもふもふと揉んだり 軟らかなほっぺをくすぐり合ってチッチッと笑いあったりしている そのあまりに微笑ましい光景にデパートの男は思わず顔がにやけてしまう 「おほ~、これはキュートすぎていかんざんすねぇ~ イベントで使わない手は無いざんす! 全部買わせてほしいざんす! 」 「あー、俺は一番下っぱだもんで、売り買いの話は社長にお話くだせぇ 社長室は二階なんで案内しますぜ、一緒に行きやしょう」 そうして男たちはベビンネたちが入った箱と共に二階の社長室へと向かう 階段を上る際の揺れる感覚が楽しかったのか、箱の中のベビンネたちは「チッチッ、チッチッ」と楽しそうに笑っていた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/854
855: 名無しさん [] 屋台のヒヨコと同じですね、可愛いけどすぐ死んじゃう http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/855
856: 名無しさん [sage] 楽しそうなのは今だけ。どんな死に方をするのかな? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/856
857: 名無しさん [sage] 現実のペットショップの問題や裏側も垣間見える素晴らしい話ですね。 犬猫だと心が痛むのにタブンネが面白いのは害獣だからかなww 「ショップで買うのはタブンネちゃんの虐待ミイ」等とデモを行うタブンネ側の話も見てみたいです。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/857
858: 名無しさん [sage] 新聞紙の残り少ない濡れてない部分にちょこんと座るベビンネ可愛い! ママンネが恋しいと騒がずにキョトンとしているのがいいですね! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/858
859: んショーケースの裏側で [] 狭いが小綺麗な社長室では社長が椅子に座って机に向かっていた そこにノックの後にデパートの男が入り、挨拶もそこそこに商談が始まった 「つまり、B級品のタブンネと小さい子も追加で買いたいと。それは大丈夫ですよ」 「いやー、話が早くて助かるざんすよ」 「ただ、B級品はともかく小さい子はそちらにお届けした後の品質は保証できかねますので そちらに送られてからの返品や交換は無しでお願いしますね」 「ええ、そこの所は承知してるざんす。ただ、五匹しか居ないと言うのがちと不足ぜんすが」 「不足?この半分赤ちゃんみたいなタブンネがもっと必要なのですか?」 「そりゃもう、いまタブンネの赤ちゃんは大人気ざんしょ、もう10匹、いや20匹でも大歓迎ざんすよ イベントで赤ちゃんタブンネの授乳体験とかもやる予定ざんしたから」 「へぇ、ところで、イベントは明後日の土曜日からでしたよね?」 「ええ、その通りざんすよ」 「ならギリギリ調達が間に合います ね、何匹に調達できるかは分かりかねますが」 社長室の外で横聞きしていた弟分はぎょっとした 一日で調達と選別に、ついでに配達とか無茶すぎる… しかも乳飲み子だけを狙うとは、これはかなり骨が折れることになりそうだ そして話がまとまってデパートの男が帰ったあと、タブンネの梱包作業を行っていた兄貴分も呼ばれて指令が下された 「明後日の夕方5時のまでにタブンネの赤ちゃんを10匹以上捕まえてきてね」 正直かなりきつい条件だが、シルフィの事もあって男2人は素直に受け取らざるを得なかった そして翌日、日が昇ると同時に男たちはワゴン車の前で狩りの準備をしていた 「さて、どの辺りを探せばいいかなぁ」 「子タブンネならまだしも、赤ん坊となるとなぁ… よく吟味して探す場所を選ばんと一匹も見つからねえって事もありうるぞ」 「こんな事なら昨日の群れの赤ん坊をつかまえておくんだったよ」 今は11月、秋が終わり餌も少なくなってくると野生のタブンネたちは子作りをしなくなる つまりこの時期にベビンネはあまり居ないと言うことだ 居るとしたらパートナーを見つけるのが遅れた、 夏に孵ったベビが早い時期に全滅してしまいもう一度タマゴを産んだ、 冬に餌が少なくなるのが分からないほどママンネがバカ、など何らかの事情があるタブンネのベビだ 昨日狩った群れにはそれらしいベビも結構居たがあれほど荒らしてしまっては同じ場所にいるとは考えない方がいいだろう 仕度が終わって車に乗り込んでも男たちは目的地をまだ決めかねていた 「さて、この時期に赤ん坊抱えてるバカタブンネが居るとすれば… リンゴ畑の側か それとも、昨日みてぇなでけぇ群れを探すか…」 「畑といえば兄貴、近くの果樹園で売りもんにならねえ果物を捨ててる場所が近くにありますぜ」 「そりゃいいや、とりあえずそこを当たってみるか」 その場所は会社から車で10分ほどの所にある雑木林にあり その中の少し開けた場所に割れたり痛んだりしたリンゴや梨などが捨ててあったのだ ただし、男たちが訪れた時には果物の本体は無く変色した芯や腐って溶けた残骸がわずかに残っているだけだった その周りの地面を男二人が少し探すと、あのハート形の足跡が 「やりましたぜ兄貴、タブンネ居るみたいですぜ」 「まー喜ぶのはまだ早ええ、赤ん坊を見つけてからだ」 足跡はまだ新しく、そして藪の中へと続いていた 兄貴分はルカリオをボールから出し、弟分と共に慎重にそれを追跡していく そうして5分ほど足跡を追っていくと、草や蔓を編んで作られたドーム状の巣が見付かった 大きさは高さ約1m、幅は直径1.5m強くらい、タブンネの親子が隠れるには十分な大きさだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/859
860: んショーケースの裏側で [] 「間違いねぇ、この大きさはタブンネの巣だ、ルカリオの波動で探させるまでもなかったな」 弟分が隙間から中を覗くと、タブンネが横になってすうすう眠っていた そしてそのお腹の前には、小さなピンク色の毛玉たちがもぞもぞと蠢いている (やりましたぜ兄貴、大当たりだ) (小声でも喋るな、タブンネに聞こえちまう) 兄貴分は静かに興奮する弟分を諌めると、静かに麻袋を広げる そしてドリュウズを出させ、巣に大きな穴を開けるようハンドサインで指示を出す ドリュウズはそれに応じ、鉄の爪で巣の壁を縦に切り裂いた 「今だ!捕まえろ!」 「ミィッ?!!」 男たちは裂け目を掻き分けて巣の中に押し入りベビンネたちを数匹まとめて両腕で抱え込むように捕まえた それは飛び付いたと言っても過言ではない素早さだった 驚いて飛び起きたママンネだが何がなんだかわからず、ただ寝ぼけまなこで狼狽えているだけだ 『チィッ、チィッ、チィッ、ヂーッ!ヂーッ!ヂャァァ!!ヂーッ!!』 「ミッ?ミィッ!!ミィィー!!!」 袋の中からの助けを求める声を聞いて、やっと自分のベビ達が拐われそうになってると気付いたママンネ 寝起きでふらついた足取りだが必死で男たちに向かっていく しかし、主人が襲われると判断したルカリオに素早く間に入られてしまった 「ん? こいつ小せぇな」 「ああ、かなり若ぇな」 出前のルカリオと見比べてみて二人は初めて気づいたが、このママンネはかなり小さい 身長120㎝のルカリオと比べて頭一つ分ほど低く、身長90㎝も無いだろう それに加えまだ子タブンネの面影を残す顔つきでかなり若いタブンネだという事が分かる 「ガル!」 「ミヒィ!?」 ルカリオの一喝で驚いて尻餅を突いてしまうママンネ 続いて腕を振り上げて殴る真似をするとキュッと目をつぶり手のひらをつき出し ミィミィと涙声で「やめてやめて」と訴えている 「殴るまでもない」と呆れてルカリオが拳を下ろしたその時、ガサッと草が揺れる音がした 「ルカリオ、左だ!追え!」 兄貴分の急な命令に即座に反応してルカリオが音の元へ一足跳びで飛び付く そのスピードは名の通り神速で音の主は一たまりもなく押さえ込まれてしまった 「グルル…!」 「ミィ… ミィ… ミィ…」 兄貴分の直感の通り、音の主はタブンネだった。さっきの奴程ではないが小さめの若い個体だ さっきの奴よりかは根性があるタブンネで 歯を食いしばって右へ左へ身をよじりながら馬乗りになったルカリオの腿をペチペチと叩いて抵抗している ただ力の差は歴然で、いくら足掻こうともルカリオが離す様子はない http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/860
861: ショーケースの裏側で [] 「チィ… チィ… チィィ… 」 「ミィッ!?」 どこからか微かにベビンネの声が聞こえてくると、タブンネの顔に焦りが見え始めた このタブンネもまたママンネだったのだ 無慈悲にも男たちはその声がする方へ正確に向かっていく 「ルカリオ、そのまま押さえつけてろ へっへっへ残念だったな、お前ら程じゃねーが俺も地獄耳にゃ自信があるんだ」 「あー、これじゃねーですかい兄貴」 それはさっきのと同じ様な草でできたドーム状の巣だったが高さは50㎝程とずいぶん低い それは家主のタブンネが穴を掘ってスペースを作り、 その上に草のドームの屋根で覆うという工法で作られているからだ この作りだとさっきのママンネの 巣と違って敵から見つかり辛い しかしそれでも見つかってしまってはそれまでだ 「ドリュウズ、屋根をひっ剥がしちまえ」 「ドリュ!」 ドリュウズがちゃぶ台返しの要領で屋根を剥がすと、巣の中の全容が丸見えになった 全体に分厚く草が敷き詰められており、片隅には乾燥した草の実やドングリなど保存の効く食べ物が集められている そして巣の真ん中には細くて柔らかい草で作られた大きな鳥の巣状のベッドがあり そこで5匹のベビンネたちが身を寄せあってプルプル震えていた 「ハハハ!これでもうノルマ達成じゃねぇか! いやー出来すぎてるぜ」 「このタブンネたちに感謝感謝だぜこりゃ」 男たちが近寄るとベビンネはチィ-チィ-と悲痛な声で鳴きながらベッドからハイハイで懸命に逃げだした 「ミィッガガガガガ!!!ウギィーーーー!!!」 ベビンネが鳴いた途端、ルカリオに押さえつけられてるママンネが激しく暴れだした この鳴き声はベビンネが緊急時にママンネを呼ぶ声なのだ 手足を無茶苦茶に振り回し、体を反らしてバタンバタンと跳ね、ルカリオの手に噛みついた うっかり手のトゲの部分に噛みついて前歯を全部折ってしまったがそれでも怯むこと無く暴れまくる 何がなんでもベビンネを助けに行くべく必死なのだ しかしその抵抗も空しく、ベビンネたちは次々と男たちに捕まって麻袋の中に入れられて行った 捕まった瞬間恐怖でウンチとおしっこを漏らしたベビンネも居たが気にかけられる事も無く股間を汚したまま麻袋へ放り投げられた そして最後のベビンネに兄貴分の手が掛かったその時、 「ウッミィイイイイイイイイ!!!」 突然藪の中から一匹の子タブンネが現れ、兄貴分に突進していく この子タブンネはベビンネたちの兄タブンネで、ママンネの言いつけで草むらに隠れていたのだが ベビンネ達の必死な助けを呼ぶ声にたまらず飛び出してきたのだ 妹や弟を可愛がっていたいいお兄ちゃんなのだが、兄貴分にサッカーボールの様に蹴り飛ばされてしまった 「ミヒィィィィィン!」 「ルカリオ、離していいぞ!」 見事な放物線を描き藪の中へと落ちていく子タブンネ 開放されたママンネはそれの落下地点へ泣きながらまっしぐらに走っていく 「オトリ作戦大成功! よし、ずらかるとするか」 男たちはポケモンを戻し、チィチィ五月蝿い麻袋を肩に下げながらタブンネの巣を後にした http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/861
862: ショーケースの裏側で [] 車に戻った男たちはベビンネの仕分けを始めた 昨日のように麻袋に乱雑に詰めて死なせるといけないので一匹ずつ洗濯ネットに小分けにしていく ベビンネは硬くてざらざらした洗濯ネットの感触を嫌がって中でモゴモゴともがいた しかし外側から堅いチャックで閉じられていては脱出は不可能だ 「チィ-!チィ-!チィ-!チィ-!…」 「11、12、13… 全部で13匹だな」 「あの小さいの8匹も産んでたんですかい」 「捨てられる果物をアテにしてたんだろうよ、それもこれから無くなるってのにバカな奴だ」 2人が最初に出会った若いチビママンネ 彼女は二週間前に親元から独り立ちしたばかりで、その後パートナーに出会ってからあの林に流れ着き 兄貴分が言う通り大量に捨てられる果物をアテにしてタマゴを8個も産んだのだ チビママンネの無知のなせる業である しかし今は11月、収穫も終わりに近づいてきて捨てられる果物も大分少なくなってくる時期だ パートナーのパパンネは日々少なくなっていく廃棄果物に不安になり、 新たな餌場を見つけようと遠征に行ったまま帰ってこなくなっていた 水を飲もうと沼に近づいたらガマゲロゲに食われてしまったのだ もう一匹のママンネの夫もまた遠征中にフシデの毒にやられて力尽きている 男たちもママンネ達も気づく由も無かったが、かなり絶望的な状況だったのだ 「まぁー、赤ん坊さえいなけりゃ成獣2匹にガキ一匹だ、 草の根っこでも食ってりゃ何とか冬も越せるだろうさ」 「俺たちゃあのタブンネを救ってやったのかもなぁ」 会社に着くと男たちはベビンネを洗ってやる事にした 子タブンネの様に冷水で洗うと死んでしまうかもしれないので風呂場で洗面器にお湯を張って一匹ずつ綺麗にする 「チィッ!チィッ!チィッ!チィッ!チィィー!!」 「ほら、綺麗にしてやるからじっとしてろって」 生まれて初めてのお風呂だったが最初のベビンネは嫌がって洗面器の中でジタバタと暴れた シャンプーが目に入って滝のように涙を流し、シャワーのお湯の勢いと熱さ(38度)に泣き叫んだ 腕を捕まれ、体じゅう泡立てられながらイヤイヤと首を振り、 ヂィ-ヂィ-とこの場にいるはずのないママンネに必死で助けを求める その光景を見ていた順番を待つベビンネたちは何か怖くて痛くて苦しい事をされるんだと勘違いして、 処刑の順番を待つ死刑囚にも似た心境で次は自分の番かとガクガク震えていた 「兄貴、それシルフィ専用の高いシャンプーですぜ、勝手に使っちゃまずいよ」 「いいんだよこの際、赤ん坊の肌と毛並みは繊細だからなるべく刺激が少ねぇ奴を使ってやらんと…」 ベビンネ全員のお風呂が終わった後男たちがバスタオルで体を拭くと、 怖かったのと泣き疲れたのとでみんなグロッキー状態だ そんなベビンネたちを床に広げたバスタオルの上に並べてドライヤーで温風を送ると、暖かくて気持ちが良くなった様でみんなそのままスウスウと眠ってしまった 「こりゃ丁度いいや、うるさくなる前にこいつらの寝床を作ろうや」 2人が作る寝床というのは特大の段ボールの中に古くなったバスタオルを敷き詰め、 保温に布を巻いた湯たんぽを置いただけというシンプルな物だ 手早く完成させたそれに眠っているベビンネを一匹ずつ寝かせていく 抱き上げられてもベビンネたちは起きる事なく眠ったまま 朝早くに起こされた上に色々な事があってとても疲れていたのだ 赤ちゃんなので元々睡眠時間が長いというのもあるが 男たちはその寝床を中のベビンネごと選別部屋へ持っていくと、社長が子タブンネが入ったキャリーケースを整理していた 「おはよー… ふぇっ、もうベビちゃんたち捕まえて来たの? すごーい!」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/862
863: 名無しさん [sage] いいですねー、チィチィ泣きわめくベビンネちゃんたち可愛い http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/863
864: 名無しさん [] また禄に越冬の準備も出来てないのに子供を産んでるwww やはりタブンネは考え無しの淫獣なのかも http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/864
865: 名無しさん [sage] 伝統芸とも呼べる安定の「餌を探しに行って帰って来ないパパンネ」w そして放物線を描き藪の中へと落ちていく子タブンネ可愛い その光景が目に浮かびます!頑張って冬を越してね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/865
866: 名無しさん [] 更新お疲れ様です! ベビンネと引き離されるところが堪らないですね ママンネと子タブンネもこれからどうなるか気になるくらいキャラが立っていてすごいです! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/866
867: ショーケースの裏側で [] 「いい場所を見つけましたもんで、一度に13匹も見つけられたんでさぁ」 「良かった良かった、じゃあ開店時間になったらデパートの方に連絡するから、仮眠室で休んでていいよ ベビちゃん達は私が見てるから大丈夫!」 「はい、少し眠らせてもらいますぜ」 男二人は二階にある仮眠室のベッドに入ると、すぐたグウグウとイビキをかいて眠ってしまった 早起きしてすぐの野外での仕事は体にも精神にも堪えるものだ そうして3時間ほどたった頃、社長がデパートの男に連絡して、午後三時に子タブンネたちを輸送するトラックを会社へよこす約束を取り付けた 今現在11時、社長が子タブンネ達の最終チェックをしている時、ベビンネたちは人知れず目を覚ましていた 目が覚めた時、肌に伝わる感触はいつものふかふかな柔らかい草のベッドではなく、古いタオルのゴワついた感触 隣に居るのは見慣れた兄弟とそれに混ざっている知らない子 ママンネの姿を求めて周りを見たけど、見えるのは見たことのない茶色い壁ばかり ママンネの音を求めて小さな耳をピンと澄ましたが、 聞こえてくるのは知らないタブンネたちの辛そうな声と怖い怖い人間の足音だけ 人間の存在に気が付いた瞬間、ベビンネ達の心の中に今朝の辛い出来事が一気に甦った 突然目の前が明るくなって、突然現れたママンネより大きな生き物 そいつに手で捕まれた時の痛さとゴツゴツした感触 大好きなママンネを苛める青いポケモン どこかへ飛んでいく大好きなお兄ちゃん… 眠ってる間には悪い夢のようにも思えていたそれらは確かな現実の記憶となり、 今の自分達の状況とも混ざってベビンネの小さな心を恐怖と不安でたっぷりと満たした そして心で受け止めきれなかった分は涙となり、数日前に開いたばかりの青い瞳から止めどなく溢れ出た 『ヂィ… ヂィ… ヂィ-!ビィィー!!ビィィー!! 』 一匹のベビンネが大声で泣きだした それに釣られて隣のベビンネも泣きだして 隣、その隣と次々と泣き声をあげ、段ボールの中のベビンネ皆が大声で泣きじゃくった それはママンネを呼ぶための涙の大合唱だった 声が届く所にママンネが居ないかもしれないのはベビンネでも薄々分かっている だが、こうしていないと心が不安で潰れてしまいそうなのだ 「あらら起きちゃった、お腹すいたのかな?」 泣いてるのに気付いた社長はキッチンへ行き、お湯を湧かして粉ミルクを溶かして人肌の温度のミルクを手際よく作る そしてベビンネのうちの一匹を抱っこして哺乳瓶を口に近づけた しかしベビンネは嫌そうな表情で飲み口から顔を逸らし、小さな手で哺乳瓶を押し退けてしまう 今までママンネの母乳しか口にしたことがなく、初めて見る哺乳瓶が怖かったのだ 「あらら、飲んでくれないのね…」 「チヒッ?!ヂィィィィィ!!ヂィィィィィィ!!」 腕の中のベビンネはビクッと何かに驚いたかと思うと、さっきよりさらに大声で泣き出した そして足をバタつかせ、両手で自分を抱く腕を押し、必死に社長の腕の中から逃げ出そうとしている その泣き声は「お腹がすいた」とか「さみしい」というベビンネのよくある泣きかたではない 恐ろしい何かに出くわして恐怖で泣き叫んでるといった泣きかただった ベビンネが出くわした恐ろしい物、それは「殺意」 不意に社長の胸に触れていた触角からそれを感じ取ってしまったのだ 産まれて初めて感じ取った他者の負の感情、敵意に、ベビンネは心の底から恐れおののいた それが敵意の最上級とも言える殺意をいきなり感じ取ってしまったのだからなおさらだ しかし、社長は貴重なベビンネを殺す気は毛頭ないのだが、いつものクセというやつだ 「ヂッ… ヂィッ… ヂィィィィン!! ヂィィィィィィン!!」 「えっ、わっ、ちょっと… どうしよ~」 さらに勢いを増していく泣き声に焦りを感じ、ユサユサと揺らしたり背中を優しく撫でたりしてあやそうと頑張る社長 しかしどうやってもベビンネが泣き止む気配はない しかも泣いてるベビンネはあと12匹もいるのだ 「ふぇー、困ったな…」 家中に響き渡るベビンネ13匹の泣き声の中、社長は為す術もなく呆然としていた そして色々思案した結果、とりあえず泣きたいだけ泣かせておけばいいやという結論に達して抱いていたベビンネを箱に戻した そして子タブンネの最終点検に戻ろうとした時 ドン!ドン!ドン!ドン!! ドン!ドン!ドン!ドン!! 玄関のドアを激しくノックする音が社長がいる選別室まで響いた 音が激しすぎるので変に思った社長だが「デパートの人かな?」などと思いつつ小走りで玄関に急ぐ 「はーい、今開けるよー」 社長がドアを開けた瞬間、一匹のタブンネが玄関に飛び込んできた それは男たちが今朝最初に襲った 巣の主 身長90㎝もないチビママンネだった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/867
868: 名無しさん [] 連れ戻しに来たかチビママ・・・ 我が子だけでも八匹居るから、鈍足で逃げきるのは絶対無理だぞw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/868
869: 名無しさん [sage] 助けに来たのは最初のママンネか >どこかへ飛んでいく大好きなお兄ちゃん… を追いかけて行った2匹目のママンネは今頃どうしてるかなw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/869
870: 名無しさん [sage] すげー大作になってきてる。 期待。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/870
871: 名無しさん [sage] 「はぁ…」 住宅街の外れにある一軒家に住む青年は朝一番から深いため息をついた。 というのも、自宅の庭のど真ん中にタブンネの死体が横たわっていたからだ。 原因は家の周りに設置された対ネズミポケモン用の毒餌。 青年は前々からコラッタの被害に悩まされており、その対策のためつい先日設置したのだった。 コラッタは被害にあった場所には二度と近付かないと聞いていたので、かなり強力な毒を持った物を選んだのだが、まさかタブンネがそれを食べてしまうとは彼自身も思っていなかった。 せっかく天気の良い休日の朝だというのに、いきなり見馴れぬポケモンの死体を見た事で穏やかな陽気に対して気分は最悪だった。 やがて、いつまでもこうしていても仕方ないと死体を引き取って貰うため保健所に連絡しようとしたその時、 「チィチィ。チィ?」 青年の耳に甲高い声が聞こえてきた。その声は眼前の死体の向かい側から。 恐る恐る覗いてみると、そこには大きさ30センチ程度のベビンネ2匹の姿。 この息絶えたタブンネは子持ちだったのだ。 「チッチィ、チィ」 ベビンネ達は動かないタブンネを揺すり、何かを求めるような声で鳴き続けている。 それはベビンネ達がお乳を求める声。 2匹のベビンネはその幼さ故に既にこのタブンネが事切れている事にまだ気付いていないのだ。 「マジかよ…」 チィチィと鳴き続けるベビンネを見て、茫然とする青年。 彼自身、コラッタを駆除したかっただけでタブンネを殺すつもりは毛頭なかった。 漸く歩けるようになった程度の乳飲み子である2匹は自分達で餌を確保することも出来ず、餓死するか他の野生ポケモンの餌になるかだ。 見つけた瞬間、青年が第一に持った感情はただただ面倒臭いというものだった。 が、眼下にお乳を求め尻尾を振り、小さな手でタブンネ揺すりながらチィチィと懸命に鳴き続けるベビンネ2匹。 その姿を見る内に、間接的とはいえタブンネを手に掛けてしまった事に対する罪悪感が徐々に青年に芽生えていった。 暫くベビンネ達の声を聞きながら頭を抱え葛藤していたが、やがて意を決して自宅の中へ戻り、小さめの段ボールに不要になったバスタオルを敷いて庭に戻ってきた。 この子らが自分達で餌を取れるようになるくらいまでは面倒を見てやろう。 それがこのタブンネへの罪滅ぼしになると考えたのだ。 青年の存在にも気付かず、未だ小さい手でタブンネを揺さぶっているベビンネを青年は左右で1匹ずつ、出来るだけ優しく掴んでやる。 ベビンネ達にとっては巨人にも等しい青年の手に捕まれた事に驚き、そこで漸く青年の存在に気付いた。 上を見上げると強張った表情で自分達を親から引き離そうとする未知の存在。 「チィッ!?チィチィチィ!」 ずっと一緒だった親から引き離される事、今まさに自分達を掴んでいる存在への恐怖から今度は激しく泣き喚き始めた。 青年は突如大きくなった声に驚いて手を離してしまい、ベビンネ達は段ボールの上に図らずも叩きつけられてしまった。 「チィィ!チィチィ!チィ!ビィーー!」 バスタオルがクッションとなったものの、その衝撃を切欠に軽いパニックを起こし、一層激しく泣き出すベビンネ2匹。 青年はその声の煩さに思わず顔を歪める。 「すまない、お前達のお母さんはもう死んでしまったんだ。だから今日からここで暫く暮らすんだ」 その言葉を理解出来る訳がないと思いつつも、あやすように段ボール箱を優しく揺すりながら家の中へ戻っていった。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/871
872: 名無しさん [sage] いいねいいねー 最近は子タブやベビンネものが多くて嬉しい限り http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/872
873: 名無しさん [] 人工哺育ものにワクワクします。 どうやって餌の取り方とか教えるんだろ? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/873
874: ショーケースの裏側で [] 「ええっ、タブンネ!?」 社長が驚く間もなくチビママンネは玄関から廊下へ上がり、我が子が居る選別室へ脇目も振らずバタバタと真っ直ぐに向かっていく あまりの急な事態に呆然とする社長 だが、母タブンネが赤ちゃんを取り返しに来たのだと気付くのにそう時間はかからなかった 「うー、まずいまずい、早く追っ払わなくっちゃ」 おとなしいタブンネ相手とはいえ野生のポケモン相手に素手ではまずい そう考えた社長は玄関にある傘立てから古いビニール傘を持ち出して選別室へソロソロと向かう そしてドアの前で一旦立ち止まり、身を隠しながら中の様子を覗き見る 「ミィッ、ミミッミッ!」 「チィチ!チィチィ!チィチィ!!」 部屋の中のチビママンネはベビンネたちが入っている段ボール箱を何とか引き千切って壊そうと頑張っていた 自分の肩ほどの高さのある大きな厚い段ボールなのでかなり苦戦している 箱の中のベビンネたちはさっきまで家中に響き渡る大声で泣いていたのが嘘のようにケロリと泣き止んでいて その代わりにチィ、チィ、と可愛らしい声で鳴いている。顔を見なくても喜んでるのが分かるような歓喜の声だ (うっそ、もう泣き止んじゃってる… やっぱり本物のママが一番なんだね) 社長は驚いていた 自分があれほど手を尽くしてあやしても一匹のベビンネすら泣き止ませる事ができなかった それなのに、あのタブンネが顔をちらりと顔を見せるだけでみんな泣き止んでしまったのだから チビママンネに興味を持った社長は追い払うのを止めて少し観察する事にした 依然として段ボールに苦戦しているが、体重をかけてグイと引っ張ると角の部分からびりりと破けた 古い段ボールだったため所々劣化していたのだ 後ろに体重を掛けた時に急に破けたためチビママンネはバランスを崩して尻餅をついてしまった しかし、段ボールは大きく破けベビンネが通れるくらいの隙間ができた 「チィ…! チィ…!!」 「ミッミ、ミッミ!」 チビママンネが破いた隙間からベビンネたちが次々と這い出てくる 精一杯であろうスピードでパタパタとハイハイしてチビママンネへまっしぐらだ 尻餅をついたままキョトンとしているチビママンネだったが 箱から出てきて自分に寄ってくる我が子を見ると両手を伸ばし自力で自分の所まで来るよう促した 「ママはこっちだよ」とミィミィと柔らかく優しい声でベビ達に鳴きかけながら 母と子の微笑ましい戯れなのだが、敵陣の真っ只中でやることではない そしてチビママンネの下にたどり着いたベビ達はそれぞれ思い思いに甘えだした 柔らかなお腹に顔を埋めたり、太ももの毛皮をキュッと掴んで昇ろうとしていたり、ふわふわした尻尾に抱きついたり チビママンネの小さな体は8匹ものベビンネがくっ付いて忙しいことになっている http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/874
875: ショーケースの裏側で [] 「チィィ… チィィ…」 再開を満喫してるチビママンネ親子だったがあの二番目に見つかったママンネの5匹のベビンネたちは気が気ではなかった チビママンネのベビと同じように隙間から箱の外へ出たベビンネたち 段ボールの周りを闇雲にハイハイしてはチィと鳴き、必死で自分のママンネの姿を探した 自分たちのママンネも来ているに違いない。幼すぎる心でそう信じて しかしどこにも自分たちのママンネの姿はない。そして横目に見えるは母親に触れ合うベビンネたち 「チィッグ… ヂッグ…」 五兄弟のうちの一匹が疲れたようにハイハイを止め、メソメソと泣き出した 母親が来てくれなかった悲しみ、捨てられたのかもという不安 、そしてチビママンネ親子への羨ましさ その三つが幼い心の中でぐちゃぐちゃに混ざりあった涙だった 「ミィミ、ミィ」 「チィ…?」 そんなベビンネに、チビママンネはそっと手を伸ばし優しく頬を撫でた 「あなたのママはベビちゃんたちを見捨てたりはしないよ」 そんな事をミィミィと優しい声で語りかけながら 「チィ… チィィ」 ベビンネはほっぺを耳と一緒にチビママンネの手にふわりとくっ付けた その顔はまるで本当のママンネと触れあっているときのような安らいだ顔だった 「チィィ…」 「チィィ…」 それを見ていた他の4匹のベビもチビママンネへと集まっていく 例え実の母でなくとも母性のぬくもりを切ないほど欲しているのだ そんなベビンネたちをチビママンネは何も拒否することなく我が子と同じように受け入れた 「ミィー♪ ミミミー ミミミー♪ ミミミィ~♪ ミィ~♪」 「チィィ~ チチィ~♪」 自分の子とお隣さんの子、全てのベビンネが体にくっつくと、チビママンネは子守唄のような歌を歌いだした 子守唄といってもベビンネたちが眠そうな様子はない それどころか少し外れた音程で真似をするベビもいた おねむが出来ないほどにベビンネ達はママンネに夢中だった もう二度と離れたくないと小さな白い手できゅうっと毛を掴み、柔らかな毛皮に頬をくっ付けている 温もりだけではなく、ベビンネはその小さな触角でママンネの命の音を聞くことによって安心感を得るのだ 「へ~、あの子、背は小さめだけど凄いタブンネなのかも」 この一部始終は社長にしっかりと見られていた そして社長の頭のなかでは、あのチビママンネを排除するのではなく利用する方向に考えが動いていた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/875
876: 名無しさん [] どうやって利用するんだろ・・・ ルカリオ見せて、恐怖で服従させるとか?wwww http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/876
877: 名無しさん [sage] 社長、向こうから労働力がやって来て良かったですねw シルフィさん、出番ですよ! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/877
878: 名無しさん [sage] 「チッビィィィ!チィヤアアア!」 「うるさっ…!頼むから静かにしろって…」 庭からリビングへ戻った青年はベビンネの入った段ボールを緩かに上下左右してみるも、一向に泣き止む気配がない。 人間の赤ん坊のように抱き抱えてあやす事も考えたが、じたばたと駄々っ子のように暴れており、とても掴める状況ではない。 「ビチィ!チィチィチィチィ!チィィーーーー!」 親を失ったベビンネに待ち受ける現実は死。 あのまま放置されれば半日と待たずに他のポケモンの餌食となっていたか、一晩空腹と喉の乾きに苦しんだ後に餓死していたかのどちらかだっただろう。 客観的に見れば今のベビンネ達は青年によって命を救われたのだ。その事は間違いない。 「ンチィ!ヂィィィ!!ヂィィィィイ!!」 しかしそんな事を理解する事の出来ないベビンネは、親から引き離された事に対する悲しみ、知らない存在への不安、恐怖でいっぱいになっており、力の限り親タブンネへ助けを求め続ける。 離されても、その分声を大きくすればきっと届くに違いない、そう健気に考えて。 「あー、もう…くそ…」 家中に反響する、耳をつんざくような騒音に青年はとうとう音を上げた。 いつまでも泣いている訳ではないだろうと、あやす事を諦めベビンネ入り段ボールにお盆で蓋をし、その上から毛布をかけ、様子を見る事にした。 「…チィー!ンミィ!チミィィ…!」 今度は周りを暗闇に覆われ、一層恐怖したベビンネは限界を越えて来る事のない親タブンネへと助けを求めた。 しかし、漸くハイハイを卒業した程度のベビンネ達にとって、泣き続けるという行為は想像以上にその未熟な体力を奪っていく。 やがて蓄積された疲労は眠気という形で現れ、突如としてベビンネ2匹は意志とは無関係の強烈な睡魔に襲われる。 「チィ……チィィ…」 本能的に体力を回復させようと脳から送られる指令に抗う事は出来ず、身体を丸め眠る体勢を取る。 程なくしてベビンネ達は意識を失った。 寸前、目が覚めれば目の前にきっと親タブンネがいると信じて。 「あ、静かになった…」 青年が恐る恐る毛布を上げた先に見えたのは海老のように丸くなっているベビンネ2匹。 一瞬ショック死でもしたのかとヒヤッとしたが、緩かに上下するピンクの身体を見て眠っている事を理解する。 今のうちだと青年は毛布をかけ直し、リビングを後にする。 ベビンネ達が眠っている間に親タブンネの死体を保健所に引き取って貰う為だ。 流石に目の前で保健所職員に引き取られる姿をベビンネに見せたくないと考えたのだ。 その後、インターネットでタブンネの育て方を調べようとスマートフォンの検索エンジンに「タブンネ 赤ちゃん」と入力する。 すぐに表示された結果を見て、青年は愕然とする。 「な、何だこれ…」 検索候補の上位に出てきたのは、生まれて間もないベビンネや幼い子タブンネをケージや水槽などに閉じ込め餓死させた、親タブンネの目の前でその子供達を弄んだなどというものだった。 こんな世界があるのか、とその生々しい記述に驚きつつ画面をスクロールしていき、漸くそれなりのベビンネ育成サイトを見つけた。 早速開き、その内容を確認していく。 ・与えるミルクはポケモン用の物で良い。それを湯煎し、人肌まで冷ました物を哺乳瓶でゆっくりと与える事 ・排泄物の処理は小まめに行う。その際、血便や血尿がないかを確認する事 ・2日に一回程度、ぬるま湯にで身体を洗い、その後すぐにドライヤーの温風を弱風で当て体を乾かすこと ・周2回程度、ポケモンセンターで検診を受ける事が望ましい ・ミルクを卒業したら、ケージからだして屋内で飼育する。このところから餌をミルクから子供用ポケモンフーズ、きのみへ変更する ・ある程度育ってきたら適度に遊ばせ体力を付けさせる事 「はぁぁ……なんだよこれ…」 その他事細かに書かれた注意点の多さに肩を落とし、深いため息をつく。 青年は早速ベビンネを育てようと思った事を後悔しつつあった だが、殺してしまったタブンネへの罪滅ぼしの為に引き取ったのだ。 やるだけやってみよう。 何とか気を取り直した青年は、ベビンネの眠っている今のうちにポケモン用のミルクやケージ等を買ってこようと考え上着を着た。 毛布のなかのベビンネがまだ眠っている事を確認し、近くのフレンドリーショップへ急いだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/878
879: ショーケースの裏側で [] これはまた楽しみなSSが出てきましたな 飼い始め早々に不穏な空気が漂ってるのが素敵です http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/879
880: 名無しさん [sage] 食材の気持ちが、我慢の限界に取って代わられるまでどれくらいかな ちなみにタイトルは今のところ未定ですか? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/880
881: 名無しさん [sage] 間違えました、×食材 ○贖罪です タブンネは基本的に食材と思ってるから無意識に間違えたかw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/881
882: 名無しさん [] 上コメの食材の気持ちに笑ってしまった ベビンネSSはやはりいいですね 贖罪から虐待に変わって最後に食材になるのも面白そうですね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/882
883: 名無しさん [sage] ケージからだして屋内で飼育する・・・ 見張り用のポケモンとかが居ないと悪戯とかしそうで出したくない。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/883
884: ショーケースの裏側で [] 「こんにちは、タブンネちゃん。可愛い赤ちゃんだね♪」 「ミッ!?」 突然部屋に入ってきた人間、社長にチビママンネはぎょっとした ベビ13匹を体にくっ付けている状態ではまともに逃げることは出来ない もし逃げられたとしても、ベビたちの半分は見捨てることになってしまうだろう チビママンネは敵を前にしてどうしたらいいか分からなくなってしまっていた そんなチビママンネに社長はにこやかに話しかける 「怖がらなくていいよ。私は可愛い子タブンネちゃんが大好きなの 可愛い赤ちゃんを見せてくれたお礼にプレゼントを持ってきたよ」 「ミッミ!」 社長がプレゼントと言って差し出したのは丸ごと一個のオボンの実 それを見たチビママンネは目を丸くして驚いた 食料の乏しい場所で生まれたチビママンネにとっては幼い頃にひとかけら食べただけのごちそうだ それが今、丸ごと差し出されているのだから 受けとる前に、目の前のオボンの実と社長の顔を交互に見比べる 同じ人間と言ってもベビたちをさらっていった怖い男たちとはまったく違う 背は小さくて目も丸くて大きく、高くて柔らかな声もどこか自分たちタブンネに近いように感じる その優しそうな雰囲気からこの人間は自分達の味方なのではないかとママンネは思い、オボンを受け取った 事もあろうに昨日同じ部屋で捻り殺されたベビンネの兄と同じ致命的な勘違いであった チビママンネのお腹に顔を埋めてブルブルと震えるベビンネ、 あの社長の殺意を感じ取った個体だけがそれが間違いだと知っていた 「ミッミィミィ…」 「ふふ、美味しそうに食べるね~」 渡されたオボンの実をシャクシャクと音を立てて美味しそうに食べるチビママンネ 体に纏わりつくベビンネたちも一匹を除いてその様子をじっと見ている 丸ごとのオボンの実は1分も経たずに芯も残さずチビママンネのお腹の中に収まってしまった チビママンネが満足したタイミングを見計らって、社長はお願いを始めた 「タブンネちゃんには、ここに残って赤ちゃんたちのお世話をして欲しいの ご飯はいっぱいあげるし、ベッドも用意してあげちゃうよ~」 「ミィ?」 チビママンネは社長が言ってる事をあまり理解出来ていなかったが、ここでベビ達の世話をしてれば良いということだけは分かった ベビの世話は言われなくても喜んでやるだろうが 「チィチィ、チィチィ、チィ!」 母親が食べてるのを見て自分達もお腹が空いてきたベビンネたち チィチィと鳴きながらチビママンネの皮膚を揺さぶってお乳を催促した 気づいたチビママンネはすぐさま寝そべって授乳の体勢になりそれに応えた 「チィィ!チィィ!」「チィチ、チィチィ!」 本当の子もそうでない子も、ベビンネ達はチビママンネのお腹に殺到した 身長90㎝弱のチビママンネのお腹に25~30㎝のベビンネが13匹も集まったものだから大変だ お腹の前は小さなピンクの毛玉が折り重なってぎゅうぎゅう詰めになった チィ!、チィ!、と強い口調の鳴き声が時折ベビンネの塊から聞こえてくる 普段は喧嘩することなどないのだが数が増えたからどうしても乳首の取り合いになる、 おまけに朝から何も口にしてなくてベビ達もお腹が空いて気が立っているのだ そんな中、ベビンネの塊の中から 一匹のベビンネが這い出してきた。25㎝ほどの小さいベビンネだ 小ベビンネは目に涙を一杯溜め、震える手の弱々しいハイハイでチビママンネの顔へと向かっていく 涙目でチィチィと何かを訴えるベビンネを、ママンネは片手で優しく抱き寄せた そして「おちびちゃんの分もちゃんとあるからね」と後ろ頭を撫でながら優しい声で慰めている その光景を見ていた社長は思わず微笑ましい気持ちになってしまった 「よーし、お姉さんがおっぱいのお手伝いをしてあげちゃうよ ちょっと待っててね」 そうチビタブンネに話してから先程作ったミルクを温め直しに戻ろうとした瞬間、社長はあることに気づいた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/884
885: ショーケースの裏側で [] (そういえば、イベントで授乳ショーをやるって言ってたよね) そう、授乳ショーをやるためには 粉ミルクを飲めるようにしなければならないのだ その為には今すぐにベビンネたちに母乳を絶たせなければならない 「タブンネちゃん、ストップ、スト~ップ!」 「ミッ、ミィッ!?」 社長は寝そべるチビママンネの脇の下に手を回して持ち上げて無理矢理立たせた 急に立たされたもんだからベビンネたちは乳首に吸い付いたまま一瞬宙ぶらりんになってしまい、そしてボトボトと床に落ちた どうしてどうしてと困惑するママンネに、社長は何とか授乳を止めさせようとする 「おっぱい、あげる、ダメ!」 「ミィッ!ミィィッ!ミィッ!」 簡単な言葉と身ぶり手振りで授乳を止めるように伝える社長 チビママンネにその意図は伝わったのだが、首を激しく横に降り言うことを聞く様子がない お腹を空かせた赤ちゃんにお乳をあげてはいけない理由などあるのだろうか? あったとしても、そんなものチビママンネは分かりたくも無いのである 社長も譲歩してもう一個オボンを見せるなどいろいろやったが結局交渉は決裂 横になって授乳の体勢に移ろうとするチビママンネを社長が腕を引っ張って止めるという不毛な争いが10分も続いた 「ンミーッ、ミーッ!ミィーッ!!」 「痛っ、痛い!やめてよ!」 お腹を減らしたベビンネたちを前にして、ママンネの神聖な行いである授乳を何度も止められる… 今まであまり怒った事がないチビママンネも流石に我慢の限界だ 唸り声を上げながら社長の胸やお腹を手のひらでバシバシと叩きだした 小柄で戦闘経験がない未熟なチビママンネだったのでビンタの威力はかなり弱かったが 一応はポケモンの攻撃なので身長160㎝弱の小柄な社長には結構効いている 結局社長は耐えかねて、後ずさりしてチビママンネ親子から離れていった 「うー、そっちがその気ならこっちにも考えがあるんだからねっ!」 「ミッミ!ミッミ!」 涙目になって部屋から出ていってしまう社長 その後も腕を振り回しながら怒るチビママンネだったが、ベビンネたちがぐずり始めてるのに気づいてハッと正気に戻った そして授乳の再開すべく寝そべると床からスタスタと階段を下りる音が聞こえてきた 「音の間隔からして二足歩行」「体重はさっきの人間と同じくらい」 タブンネに先天的に備わっている能力で無知で未熟なチビママンネでもこのくらいの分析はできた この2つの情報からさっきと同じくらいの大きさの弱い人間だろうと高を括ってそのまま授乳に入ろうとする 「ガルッ!」 「ミヒィッ!!?」「チィィ!!」 しかしというか、案の定チビママンネの読みは外れていた 駆け足で部屋に飛び込んできたのは、今朝出会ったあの恐ろしいルカリオだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/885
886: 名無しさん [] とりあえずママンネの顔面にバレパンを 叩き込んでほしいですw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/886
887: 名無しさん [sage] 目鼻の区別がつかなくなるくらいタコ殴りにしてほしいんだが 授乳ショーに出すとなると傷物にはできない ということは、ベビンネ1匹を見せしめにすることで万事解決! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/887
888: ショーケースの裏側で [] ルカリオはドリュウズと共にシルフィの見張り兼遊び相手を兄貴分たちに命じられていたのだが 下の階の騒ぎを不審に思いシルフィをドリュウズに任せて様子を見に来たのだ そうして目に入ってきたのは今朝脅したタブンネがなぜか家の中に居るという異常事態だ 「ミッミッミ、ミィー」 さっき人間を追い払ったことで少しだけ自信が着いたチビママンネ 今朝あれほど怯えていたルカリオを前にしても恐れることは無かった 横になったままベビンネたちを腕で庇いつつ「おっぱいあげてるから静かにしててね」とお願いする だが今のルカリオにはそんな物を聞く耳は持たない チビママンネを自分達の家に堂々と侵入し、事もあろうに授乳をしている不届き者と認識しているのだ もし、社長を攻撃している場面を見られていたら今頃命は無かったであろう その点だけチビママンネの運は良かった 『ヂーッ!ヂーッ!ヂィィィィィィィ!!ビィーッ!!』 「ワウ! ワウ!」 「ミィッ… ミィッミィーッ!!」 恐怖と空腹でベビンネたちが大声で泣きじゃくる中、ルカリオとチビママンネの戦いが始まった ルカリオに耳を引っ張って持ち上げられて無理矢理立たされ、その耳に至近距離で怒声を浴びせられるチビママンネ 耳が千切れそうな程痛くて怖かったが、お乳を待ってるベビたちを前にして負ける訳にはいかない 社長にやったようにベシベシ叩いて必死に反撃を続ける しかし、鍛え上げられた身体に鋼の骨格を持つルカリオには全く効いていない 急所である下顎にビンタが当たっても平然としているのだ 最初は穏便に脅して追い払おうとしていたルカリオだが ベビンネがのうるささとチビママンネのしつこさにとうとう我慢の限界に 全身に怒りの青い波動のオーラを纏いながら掌に光の塊、波動弾を形作る だが波動弾がチビママンネの顔面に発射されようとしたその時、大きな工具箱を片手に社長が部屋に戻ってきた 「あっ、ルカリオちゃん駄目だよ、その光るやつ引っ込めてね」 「ガルッ!?」「ミィ?」 社長の一声でハッと我に帰るルカリオ 同時に青いオーラと波動弾は蝋燭の火が吹き消されたようにしゅんと消えてしまった チビママンネもまた呆気に取られて攻撃の手が止まりキョトンとしている 「いい子いい子~、…そうだ、そのタブンネちゃんを後ろから捕まえといてくれないかな?」 「ワゥ!」「ミィッ?!」 社長のお願いに即座に反応し、ルカリオはチビママンネの後ろに素早く回り込んでがっちりと羽交い締めにした 身長に差があったのでチビママンネの身体は持ち上がって宙に浮いてしまう ビービーと声を荒げ足をバタバタさせて抵抗したが、力の差は歴然である 「すごくうるさくなると思うけど、ルカリオちゃんちょっと我慢してね」 そう言いながら社長は工具箱の蓋を開け、ゴソゴソと中を探る そしてそこから取り出したのは、少し大きめのペンチだ 「えーと、ここかな… あったあった」 社長は前屈みになってチビママンネの胸の毛皮をまさぐり、ピンク色の乳首を探し出してペンチの先端で軽く鋏む 「ヒイッ?!」 敏感な乳首へ伝わるペンチの固くてひんやりとした感触にママンネの背中に悪寒が走り、冷や汗が流れる 猛烈な嫌な予感に怯え顔を青くしてプルプルと震えるが、数秒後にその予感は現実の物となった 「ルカリオちゃん、すっごい暴れそうだからしっかりと押さえといてね」 社長はペンチに力を込めて乳首を思いっきり鋏むと、周りの肉ごと乳首をブチリとむしり取った http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/888
889: ショーケースの裏側で [] 「ヂビャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」 その瞬間、鋭い痛みがママタブンネの乳首から脳天へ、そして全身へと駆け巡る 目から涙が洪水のように溢れ、首も腰も足も、動くところは全部めちゃくちゃに動かしてバタバタと大暴れだ 乳首は神経や毛細血管が集中している場所、その痛みは想像しただけでも寒気がする程だ 乳首が取れた痕からは血液と白い母乳がタラタラと流れだし、クリーム色のお腹を濁ったピンクで汚した ルカリオもあまりの所行に青い顔をさらに青くしてドン引きしていたが、拘束の手を緩めることは無かった 「うぇぇ~、自分でやっといて何だけどすっごい痛そー…」 「ヒィッ… ヒィッ… ヒィィィッ…」 「でもがんばって、はい、次いってみよー」 悶絶が収まったのを見計らって、社長は次の乳首にペンチで狙いをつける ペンチの先端が乳首に触れると、チビママンネはガクガクと激しく震えカタカタと歯を鳴らして怯えだした 地獄は始まったばかりだ。乳首はあと七個も残っているのだから 「ジビビーッッ!!クキュウゥゥゥゥゥッッ!!!」 二つ目の乳首をむしり取られた時、チビママンネは全身をビクビクと激しく痙攣させ、失禁して床に水溜まりを作った もう限界と言わんばかりに白目を剥き、舌をダランと出してゼェゼェと苦しそうに息を吐いている 『チィ… チィチィ… チィィ…』 「ミィ…? ミィ…」 二つ目で限界に達したかに見えたチビママンネだが、ベビンネたちのか細い声がその精神を正気へと連れ戻した 血まみれのペンチを持つ社長の後ろに見えるのは、怯え震えるベビンネたち 目の前で大好きな母親がなす術もなくズタズタにされ泣き叫ぶ… ベビンネたちにとってかなり絶望的な光景である ベビンネたちの前でこれ以上情けない姿を見せるわけにはいかない… チビママンネは強い母としての覚悟と共に歯を食い縛り、キッと目の前の社長を睨み付けた 「ミッ!ミッ!ミッ!ミッフィフィィィーン!!!」 だがそんな覚悟も乳首をもぎ取られる毎に薄れていき、三つ目をむしられた時には跡形もなく吹き飛んでしまった こうなるともはやベビ達の姿は目に入らなくなり、 痛みから逃れるために情けなくミィミィと泣きながら社長に命乞いをするのであった だが社長にそんなものは通用しない 六つ目の乳首も容赦なく千切り取られ、部屋中に悲鳴を響かせるのであった 「最後は二つ同時にやっちゃうよ~♪」 右手にペンチ、左手にラジオペンチを持ってカチカチと鳴らす社長 言葉は分からずともやろうとしてることを察したチビママンネは震え上がり、ふるふると首を横に振った もちろん許されるはずもなく、お腹に最後に残った二つの乳首にペンチが襲いかかる 「ヂビガァァァァァァァーーーッッ!!!!」 「あ、一個失敗しちゃった」 二つの乳首のうち左手のラジオペンチの方が完全には取れずに皮と乳腺と血管でぶら下がってるという状態になっていた 血と母乳だらけの傷口から垣間見える白い筋が非常に痛々しい チビママンネの方は叫び尽くして行きも絶え絶えと言った感じだ そんな状態でも社長は妥協せず、取れかけのままだと気分が悪いのでしっかり全部取ってしまう事にした 「えーと、この筋が硬いんだねー」 「オギョワギョオオオオオオ… カッ…」 社長がラジオペンチを傷口に突っ込んでぐちょぐちょとかき回しながら先端で筋を摘むと チビママンネは目をギョロギョロと出鱈目と動かし、もはやタブンネの鳴き声ではなくなった声で喘いでいる 痛すぎてもう発狂する寸前なのだ そして筋を力ずくでブチッと引き抜かれると、チビママンネはガクンと気絶してしまった 「はい、終わったよ~。あとはこれで仕上げっと」 血を拭き取り、パウダーを吹き付けて傷口を塞ぐタイプの傷薬を乳首の痕に一つずつ吹き付けていく社長 処置が終わってルカリオが解放すると、チビママンネは力なく床にバタンと倒れこんでしまった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/889
890: 名無しさん [sage] 乳首いてててててwww オギョワギョで笑った 過去作にはミェェェェェイ!ワアアアオ!みたいな断末魔も有ったな http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/890
891: 名無しさん [sage] 素晴らしい処刑です、隠れて授乳させることも不可能だ! チビママンネの薄っぺらい自尊心を破壊してくれてありがとうございますw >ミェェェェェイ!ワアアアオ! 断末魔だっけ?眼球破壊だったと思うけど。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/891
892: 名無しさん [sage] 検索したら「あるタブの光と闇・ビギニング 第二部」で 「ミェェイ!ワアアアオッ!ワオオオオオッ!!」 だったw こちらの作者さんもそうだけど、悲鳴の描写もみんな上手いよね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/892
893: 名無しさん [sage] ちなみにその娘ンネは 「ミェェイ!!ワアアアアオッアオオッ!」 同じく眼球破壊 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/893
894: ショーケースの裏側で [] 「あ、ミルク暖めて持ってこなくちゃ ルカリオちゃん、タブンネちゃんたちが変なことしないように見張っててね」 社長はルカリオとタブンネたちを残してまた部屋から出ていった 「たかが赤ん坊と気絶してるタブンネがどんな悪さをするというのだ」 そんな事を思いながらルカリオはダルそうにタブンネたちを見下ろす そんな中床にうつ伏せに倒れたチビママンネにベビンネたちが弱々しいハイハイでよろよろと集まっていく もちろんすぐ傍で怖いルカリオが睨んでいるのはベビたちにも分かる しかし、恐怖よりも耐え難い空腹の方が勝っているのだ 「チィィ… 」「チィチィ… 」「チィチ、チィチ…」 「ミィ… ミィ!!」 か弱く悲痛な乳を求める声と、たくさんの小さな手に触れられる感触がチビママンネの意識を現実へと引き戻した そうだ、お腹を空かした赤ちゃんたちにお乳をあげなくちゃ… ズキズキとした激しい痛みと朦朧とした意識の中、ただそれだけを思い出し授乳の体制をとるチビママンネ ベビンネたちはハイハイで再びお腹の前に集まった 「チィィ?」「チィ?」 先陣を切ってお腹にたどり着いたベビンネたちが不思議そうに鳴いた 乳首がどこにもなくて、あったはずの場所には白くてザラザラした何か(傷薬)があるだけ それならばとその周りの毛皮に顔を埋めて探すが、乳首はどこにもない 「ミッ… ミィ… ?」 チビママンネもまた自分の身体に違和感を感じていた 大勢のベビたちがお腹の前に集まっているというのに、誰もお乳を吸ってこない あの身体の中からお乳が吸われていくむず痒いけど心地よい感覚がやってこないのだ そんな中、ベビンネのうちの一匹が我慢できずに傷薬を塗った傷口にパクリと吸い付いた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/894
895: ショーケースの裏側で [] 「ミピィ!!」「ヂボェッ!!」 急な激痛に驚き、ママンネは叫んで横になった状態から飛び起きてしまう 処置をしてあるとはいえ出来立てホヤホヤの敏感な傷口に食い付かれるのはかなり痛い 一方、吸い付いたベビンネの方は涎を大量に垂らしながらオエオエと嗚咽している 何故かというとポケモン用の傷を覆い隠すタイプの傷薬はポケモンが付けた薬を舐め取ってしまわないようにかなり苦い味がつけてあるのだ その苦味はカンポー薬の数倍とも言われている ルカリオは舐めてしまったベビンネを苦い顔つきで見つめていた 実はルカリオもリオル時代に自分に塗られた傷薬を舐めて苦い思いをしたことがあるのである 一生の思い出に残る、それほどの苦味だ それをただでさえ敏感な赤ちゃんの舌で思いきり味わってしまったのだからもうたまらない 「…エッ!ォエッッ!! ェエーッ!… ハァ… ハァ…」「ミィ… ミィ…」 苦味がなかなか口の中から消えず、床に涎と涙をポトポト落としながら激しく嗚咽するベビンネ チビママンネは優しく声をかけながらその背中を優しく擦って慰める 他のベビンネたちはその様子を心配と不安が入り交じったような心境で泣きもせずにじっと見ていた ベビンネを慰めてるうちに、チビママンネの目から涙が数滴こぼれ落ちた 「なんでお乳を吸おうとしたベビちゃんがこんなに苦しんでるんだろう」 「どうして吸われたときあんなに痛かったんだろう」 疑問と悲しみが頭の中をぐるぐるする中、チビママンネ何気なしにベビに吸われて痛かった部分に手を触れてみた 「ミィ…? ミ!?」 傷を触った時、チビママンネは猛烈な違和感を感じた そこにあるはずの大事な出っ張りが完全になくなっている そんなはずはないと痛みを堪えて軽く絞ってみるも、傷薬のコーティングに血が滲むだけ おバカなチビママンネはようやく自分の体の状態と、あの拷問の意味を理解した 「ミッ… ミグッ… ヒグッ…」 チビママンネはガクガク震えだし、瞳から絶望の涙が止めどなく流れた 目の前にいるまだ乳離れしてない8匹の我が子と5匹の大切な友達の子供たち 何よりも大切で愛しいベビたちが飢えて苦しみ、そして死んで行く… 想像しただけでも胸が張り裂けそうな未来が、確実に訪れようとしている なぜ、ここからベビたちを連れてすぐに逃げ出さなかったのか なぜ、ルカリオと戦おうと思ってしまったのか… なぜ、8匹もベビを作ってしまったのか… 様々な絶望と後悔がチビママンネの心の中で膨らんでギチギチと胸を締め付ける 「ヂッ… ヂビッ…」「ビィィ… ビッ…」 チビママンネの絶望に呼応して7匹のベビンネたちもグスグスとぐずりだした 嗚咽ンネのはまだ嗚咽したままだが タブンネは他者の感情に敏感なポケモン。血の繋がった親子なら尚更だ ベビンネたちもまた、自分の将来が閉ざされてしまったのを母の心の音から察したのだ その絶望と悲しみはやがてお隣さんのベビンネたちにも伝わり、やがて涙の大合唱へと発展していった そんな泣き声の嵐とたまに聞こえる嗚咽の中、部屋のドアがガチャリと開いて社長が戻ってきた ミルクが詰まった哺乳瓶を満載した箱を持って 「ふぇー、重い… ルカリオちゃんに手伝ってもらえば良かったよー」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/895
896: 名無しさん [sage] ベビたちを連れてすぐに逃げ出すが最悪の選択肢だと思う。 素早さ50の鈍足だから、ルカリオの神速で追いつかれてママンネ撲殺ルートに繋がるw 「空腹は最高の調味料」と言いますがベビンネにも適応されるかな? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/896
897: 名無しさん [sage] >おバカなチビママンネはようやく自分の体の状態と、あの拷問の意味を理解した あの拷問はペンチでつねられていただけと思っていたのか?バカすぎるw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/897
898: 名無しさん [sage] 傷薬が剥がれてきたら授乳出来るようになるのでは? 友達が飼ってる保護犬も乳首ない(前の飼い主に虐待されたらしい)けど子犬に乳あげてるし。 だけど痛みでママンネが発狂する方が先かなw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/898
899: 名無しさん [sage] 何か社長の喋り方がBWのベルっぽいなー やめたげてよお!の本家本元なのがなんとも・・ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/899
900: 名無しさん [sage] 個人的にはFRLGとDPのポケモンブリーダーを足して2で割った感じ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/900
901: <削除> [<削除>] <削除> http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/901
902: <削除> [<削除>] <削除> http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/902
903: <削除> [<削除>] <削除> http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/903
904: ショーケースの裏側で [] 「ミィ… ミィ…」 ここは社長に怒りの一撃を食らわしてやるのが筋なのだろう しかし、乳首を奪った張本人である社長が目の前にいてもママタブンネは座り込んだまま動かなかった 余りにも深すぎる絶望で身体が動かせないのだ 「お待たせ~、お腹空いてるでしょ。ミルクの時間だよー」 社長は箱を床に置き、一本の哺乳瓶を取りだして飲み口をベビンネに近づける しかし向けられたベビンネは口を固く閉じて後ろに引いてしまう さっきと同じように哺乳瓶からミルクが出てくると理解できないのだ 「うーん、やっぱり飲まないなぁ… これならどうかな?」 今度は自分の手の甲にミルクを数滴垂らし、そっとベビンネたちの前に差し出してみる すると匂いに惹かれた一匹のベビンネが社長の手の甲に近づいてきた 少し怖がって恐る恐るなゆっくりとしたハイハイだったが、社長の手に辿り着き手の甲のミルクをペロリと舐めた 「…!!」 ベビンネは目を見開いて静かに驚いた 母親のとは少し違うが、確かに待ち焦がれていたお乳の味だ なぜ人間の手の甲からお乳が出ているのか? そんな事は空腹の極限状態であるベビンネは気にも留めなかった ただ手の甲のお乳を塗ってあった場所に夢中でむしゃぶりついて皮膚をチュウチュウと吸っている もちろん人間の手からお乳は出てこない だが、ベビンネはお乳が出ると信じて力一杯手の甲を吸い続ける 小さな手で社長の指をしっかり掴み、涙まで流しながら 「あいたた、おっぱいはこっちじゃないよー」 「ヂッ? ジビッ… ビーッ!」 少し痛くなってきたので社長はプルプルと少し手を振ってベビンネを振りほどいた 手の甲の真ん中なベビンネの口の形にほんのり赤く充血していたのでけっこうな力で吸っていたのが分かる 一度は手を離したベビンネだったがは焦った声で鳴きながらまた社長の手にすがり付いた 朝からお腹がカラッポのベビンネにとっては生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ 数滴とはいえミルクを見てしまえば必死になるのも無理はない 「ベビちゃんのは、こっち!」 「チグッ?!」 社長は手の甲を吸おうとする横から哺乳瓶の吸い口をベビンネの口に無理矢理突っ込んだ もちろんベビンネは嫌がって押し退けようとする しかし、押し込んだ拍子に吸い口から飛び出したミルクが数滴舌の上に落ちると態度は一変 素早く哺乳瓶を掴んでゴクゴクとすごい勢いで飲みだした 「チィィ…?」「チイ?」「ミ?」 他のベビンネたちとママンネはミルクを飲んで喉を鳴らす音に反応し、視線を社長とミルクを飲むベビに集める 世の事は何も知らないベビ達にもその音がミルクが喉を通る音だという事は分かる 兄弟たちの喉で鳴るその音をすぐ隣で聞いているからだ そして一匹、また一匹とハイハイを始め、しゃがんでミルクを飲ませている社長の下へと集まっていく http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/904
905: ショーケースの裏側で [] 「チィチィ!」「チッチ!」「チーッ!チーッ!」 「えわわ、ちょ、みんなにもちゃんとあげるから待ってね」 12匹ものベビンネに群がられると流石の社長も焦った ベビンネたちは足やお尻を小さな手で揺するように押したり エプロンの紐やスカートの裾を引っ張ったり、ミルクを飲むベビンネぴったりくっついて横から吸い口をペロペロ嘗めたり ふくらはぎにできていたおできを乳首と勘違いしてチュパチュパ吸ったりと大騒ぎだ やられている社長はたまった物ではないが、この全ての行為はただお乳が欲しいが為だけの必死なおねだりなのだ 「ほらほら、ミルクはここだよ~!」 『チィーッ!!』 困った社長は無理矢理片手に3本ずつ哺乳瓶を持って群れるベビンネ達の目の前に差し出す すぐに全ての哺乳瓶にベビンネが食いついてミルクを飲み始めた が哺乳瓶が6本に対しベビンネは13匹 まだ半分以上のベビがミルクからあぶれたままである 結果哺乳瓶の周りはギュギュウの押し合いになり、ヂーヂーと声を荒げて喧嘩するベビも出てきた チビママンネはそんなベビンネ達をミィ、ミィとあやす時の声で鳴きながら頭や背中を撫でてなだめようとするが ベビ達の注意は完全に哺乳瓶の方に向いていてなんの効果も無かった 「そうだ、ルカリオちゃんも手伝って!そこの箱に哺乳瓶入ってるからベビちゃんにあげてね」 「ワフ?」 ルカリオは指示に戸惑いながらも箱から哺乳瓶を取り出して両手に1本ずつ持ち そして膝をついて吸い口をベビンネ達に向けた オスなのでこういう事には慣れてないのだ 「チィ?」「チィィ?」 「クゥ~ン…」 哺乳瓶に気づいたベビンネ2匹がそろそろとしたハイハイでルカリオに近づき、持っている哺乳瓶から恐る恐るミルクを飲み始めた やはり社長よりか見た目が怖いので若干警戒しているのだ ルカリオも慣れない猫なで声など出して頑張ってはいるのだが 「チィ… チィ… 」 「ミィ…」 ベビンネの押し合いの中から一匹がよろよろと抜け出してきた 先程チビママンネが授乳しようとした時、乳首争奪戦に負けてママンネに慰められていたあの25㎝ほどの小さいベビだ 知らないベビにも、仲良しだった兄弟たちにも揉みくちゃにされ、押し退けられて今までにないほどに泣いたのであろう 顔の毛皮を涙でくしゃくしゃに濡らした、この上なくみじめで悲しみに溢れる顔だった その顔を更に涙と鼻水で濡らしながら、小ベビンネは震える手のハイハイでチビママンネに近づいていく そんな小ベビンネをチビママンネはそっと抱き上げて、濡れた顔をペロペロと嘗めて綺麗にしてあげた くすぐったいのと嬉しいのとで、小ベビンネは「チッチッw」と少しだけ笑った その笑顔とは裏腹に、小さなお腹はキュルキュルと鳴り悲痛に空腹を訴えるのだった そしてその音は、お腹を空かした我が子に何もしてあげられない無力なチビママンネの心を、キリキリと締め付けるのであった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/905
906: 名無しさん [sage] 最初から強引に飲ませれば良かったな・・・社長さん要領悪いw 25㎝ベビはどうなる? 普通なら淘汰されて衰弱死がふさわしいけど http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/906
907: <削除> [<削除>] <削除> http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/907
908: ショーケースの裏側で [] 「ルカリオちゃん、そのタブンネちゃんにも手伝わせて!」 「ワウ」 ルカリオは一端授乳を中断して、哺乳瓶を箱から取り出してチビママンネに手渡す 哺乳瓶を小脇に挟み、なぜ敵のルカリオが自分に哺乳瓶を渡すのか状況が掴めずに困惑するチビママンネ 小ベビンネは抱っこされたまま頑張って体を伸ばし、哺乳瓶の吸い口をチュウチュウと吸った しかし、ビンが上を向いていたのでいくら吸ってもミルクを飲むことができなかった 「ワウ、ワウ、」 「ミィ?」 チビママンネに、ルカリオは瓶を下に向けるとお乳が出ることを教える 理解は出来たがチビママンネの手は小さく片手では哺乳瓶を持てかった 仕方なく小ベビをそっと床に下ろし、両手で哺乳瓶を持って授乳を始める すると小ベビンネはコクコクと小さく喉を鳴らしてミルクを飲み始めた 「ミィ…!ミィ…!」 「お、けっこう飲み込みが早いね~、その調子でお願いね」 ミルクが小ベビンネの細い喉をゆっくりと通り、そしてお腹の中に落ちていく音は チビママンネが失いかけていたベビたちの将来への希望と母親としての自信を少しずつ取り戻していった ミルクを飲み終わって満腹になり、哺乳瓶から口を離しても小ベビンネはチビママンネの足に抱きついたまま離れなかった どんなにお腹が空いても、酷いことをされても、悲しくても、最後は優しいママが助けてくれる… 今朝からの出来事で、小ベビンネのチビママンネへの信頼と依存はこれ以上無い程深いものになっていた 『チィ… チィ… チィィ…』 「ふぅ、やっと飲み終わってくれたよ」 社長が8匹、ルカリオが3匹、チビママンネが2匹のベビンネにミルクを飲ませ、どうにかベビ達の全員の授乳を終わらせる事ができた お腹一杯になったベビ達は再びウトウトしだして、何匹かは床に突っ伏してそのまま眠ってしまっている 「ミッ… ミミッ」 次々と眠りに落ちていくベビンネたちを目の前にして、「暖かいベッドに連れてってあげなくちゃ」とチビママンネは思った しかし、この場所にはベビを安全に寝かせられるような隠れ場所も、気持ち良く眠れるような柔かな草のベッドもない それらが備わっている自分の巣は遥か遠く、ついでにこの場には何を考えてるのか分からない人間とポケモンがいる ベビ達にお乳を与えた安心感から忘れかけてはいたが、今はかなり危機的な状況なのだ 経験と判断力が圧倒的に不足していたチビママンネは困りながらただウロウロとベビ達の回りを歩き回ることしか出来なかった 「あっ、もうおねむなんだね~ 今ベッドを用意してあげるから出荷の時間までゆっくりおねんねしててね」 そんなチビママンネとは対照的に、おねむのベビンネ達にも落ち着いた様子で対処する社長 ベビを3匹まとめて抱っこして、先程の段ボールの寝床にそっと寝かせていく 「ンミッ?ミーッ…!」 それを見たチビママンネはまたベビ達が閉じ込められてしまうと勘違いしてしまった そしてベビを取り戻そうと先程破いて開けた隙間を無理矢理押し広げながら段ボールの中へ入っていく 「ミィ…?」 最初は一刻も早く段ボールの中から出してあげよようとしていたチビママンネ だが、段ボールの中に踏みいってバスタオルの上ですやすやと気持ち良さそうに眠るベビンネを見ると気持ちは変わった フローリングよりかはほんのり暖かい段ボールの床に、いつもの草のベッド程では無いが柔らかいバスタオルのベッド… かなり狭いがここでベビ達が安全に眠れるんじゃないかとチビママンネは思いついた そして段ボール箱の中で身を丸めながら横になり、眠るベビンネたちを優しく抱き寄せる 「んー? もしかしてベビちゃん達と一緒に眠りたいの?」 社長はチビママンネが入っているのも関係なしに次々と段ボールの中へベビンネを寝かせていく やがて13匹全てのベビンネが入れられると、段ボールの寝床はぎゅうぎゅう詰めになった タオルの上に置ききれなかったベビはチビママンネの上に乗せられ、まるでベビンネのかけ布団という状態だ ベビの布団はけっこう重かったが、温もりと今朝からいろいろあった疲れに負けチビママンネはゆっくりと眠りに落ちていく 「うふふ、もう少しで出荷だから今のうちにゆっくり休んでてね」 眠りに落ちていく中で、チビママンネは部屋に積まれた箱から子タブンネの静かにすすり泣く声が聞こえてくることに気づいた 「どうしてあんな所からに子どもの声が聞こえるんだろう?」 気にはなったが、そんな疑問は睡魔に負けて眠りの中に消えていった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/908
909: 名無しさん [sage] ほのぼのしてていいですねー 嵐の前の静けさなんだろうけど http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/909
910: 名無しさん [sage] 小ベビンネの信頼と依存ですか・・・売買での引き離しが楽しみw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/910
911: ショーケースの裏側で [] それから何事もなく時間は過ぎて午後三時になり、中形のトラックが会社へとやってきた 子タブンネたちをデパートへ出荷する時間がやってきたのだ 「お疲れさまです、もう出荷の準備は整っていますよ」 「こんちはこんちは、それでは早速持っていかせてもらうざんす ホレ、荷物は家の中ざんす、中身はポケモンざんすから気をつけて運ぶざんすよ~」 「あっ、玄関でうちの社員が2人待ってるから詳しい場所はその人に聞いてね」 デパートのざんす男の指示で、運送屋の2人の男が家の中に入っていき、子タブンネの入ったキャリーケースを次々と運び出し、トラックへ積み込んでいく 『ミィッ!ミィッ!ミィッ!ミィッ!ミィーッ!!』 棺桶のような狭いケースの中では眠るしかないので眠っていた子タブンネたちだが 早足で運ばれる激しい振動で目を覚まし、何が起こっているのかわからず寝ぼけながらミィミィと騒ぎだした 「ふう… いったいいくつあるんですか?」 「詳しい数は社長に聞かないと分からねえですが、確か250くらいですぜ」 「ひぇー、そんなに売れるもんなんすかねタブンネって」 「まあー、イベント用らしいですからな、しかしウチにいるタブンネをほとんど全部お買い上げとは恐れいったぜほんとに」 兄貴分の言う通り、傷物意外ほぼ全ての子タブンネがデパートに買われたのだ 売り値は質に関わらず一律で一匹9000円、そして売れた子タブンネは243匹 218万7000円の会社始まって以来の大商談である 「ところで、あのケージが置いてある部屋にあった破れた段ボール 、 あそこにもタブンネが入っていたんすけどアレは持ってくんですかね?」 「あ、今朝獲って来たやつだ、急いで梱包しねぇと…」 「破れてる?まさか」 そう、チビママンネとベビンネ達は輸送用のキャリーに入れられる事なく未だ段ボールの寝床の中にいて運送屋の屈強な男たちの大きな足音で目を覚ましていた 狭い段ボールの中、チビママンネは足音の主に見つからないように身を屈めて今にも泣き出しそうなベビたちを必死になだめていた こう書くと頼もしい母親に成長してきたように思えるが、チビママンネもまた泣きそうになっているのがまだ頼りない所だ 一方、社長もまた自分の失敗に気づいていた 「あっ、ベビちゃん達をケージに入れるの忘れてた!」 「ほう、先程連絡があったベビィちゃんざんすな 運ぶ前にちょいと見せて貰っても構わないざんすかね?」 「はい、大丈夫ですよー、家の中にあるので私についてきてくださいね」 「それではまたお邪魔するざんすよ」 そうして家の中へ入っていった社長とざんす男 そして子タブンネが入ったキャリーとチビママンネ親子が置かれている部屋に入ると、 男2人と運送屋の男が段ボールを囲み怪訝な顔で中を覗きこんでいた その中のチビママンネはベビを庇いながらも敵に囲まれた恐怖でプルプルと震え、 その恐怖はベビ達にも伝わってベビたちも同じように震えていた 「あれ、どうしたの2人とも」 「あっ、社長。何故か今朝獲って来た赤ん坊の親タブンネが箱の中に居るんですよ 連れてきた覚えは無ぇのにまったく不思議なもんで」 「あ、言うの忘れてた。ベビちゃん達を追いかけて来ちゃったみたいなの、 それで丁度いいから臨時のお世話係として置いておいたってわけ」 「赤ん坊の泣き声を聞き付けてここが分かったんでしょうな 5kmくらい離れてても聞けちまうとは、耳がいいのは知っていたが想像以上だぜ」 「はえ~、すごいもんざんすねぇ ところで、このマーマさんに退いてもらってベビィちゃんたちをもっとよく見てみたいんざんすが よござんすかね?」 「オーケーですぜ、ちょいと騒ぐかもしれやせんが勘弁してくだせぇ… よいしょっ!」 「ミッミッミー!!」 弟分は「よいしょ」の一声と共にチビママンネの両腕を掴んでまるで大根でも引っこ抜くかのように箱から一気に持ち上げた 持ち上げられたチビママンネは足をバタつかせて抵抗し、 宙に浮いても尚その視線を段ボールの中のベビたちから離さず、必死に鳴いて何かを訴えていた 人間の言葉に直せば「泣かないで」「大丈夫だよ」などの意味を含んむ慰めと励ましの声である もうこれ以上、可愛いベビに涙を流させる訳にはいかない… チビママンネはベビたちを不安にさせまいと必死なのだ 「チピィィーー!!」「チーッ!!チー!!」「ビィィィ!!!」 しかし、その声も空しく箱の中に残されたベビたちは一斉に泣き叫んだ 母親と触れあっていることで押さえられていた恐怖と不安が無理矢理離された事で一気に爆発したのだ 興味が勝るのか、ざんす男は13匹のベビンネが一斉に泣き叫ぶ爆音にも怯む様子もなく段ボールの中を覗きこんだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/911
912: ショーケースの裏側で [] 「ほほ~、昨日見せてもらったベビィちゃんよりもっと小っちゃいくて可愛いざんすねぇ~ でも、ちょっとマーマさんにべったりすぎるじゃないざんすか? お客さんに触らせていいものかちぃと不安ざんすよ」 「うーん、その点は大丈夫だと思いますよ。 さっきは私の手からミルクを飲みましたし、抱っこしても泣きませんでしたし 今泣いているのは寝てるときにドタドタした足音で起こされてご機嫌斜めなのかもです」 「抱っこして人の手からミルクを? それなら授乳体験も大丈夫そうざんすねぇ~ いや~、社長さんにも社員のお二方にも改めてお礼を言わせて頂くざんすよ~」 「いえいえ、こちらこそこんなに沢山お取引頂いてありがとうございます」 「どういたしましてざんす、 ところで、あのマーマさんはお世話係という話ざんすがどういった事をしてくれるざんすかね?」 「そうですねぇ… 泣いてたらあやしてくれますし、哺乳瓶でミルクも飲ませてくれますよ えーと、あとは…」 思い出してみたらそれくらいしかやってなかったので言葉に詰まってしまう社長 それを見かねて、兄貴分がトレーナー時代に学んだうろ覚えの知識で続きを話しだした 「あー、糞尿の処理もやってくれますよ。こう見えても野生の個体ですからねこいつぁ あとは保温ですかね。人の手で育てるときは湯たんぽやら電気あんかやら使うんですが、やっぱ母親の体温で暖めるのが一番ですぜ」 「ふむふむ、それは大助かりざんすねぇ… 」 「あ、でも母乳は出ないからミルクは私たちで作らないといけないですね」 ざんす男はベビたちの泣き顔を眺めながら少し考え、ある事を決断した 「このマーマさん、イベントの間レンタルさせて頂けないざんすかね? 買ってからのベビィちゃんの管理はこちらとしても不安があったんざんすよ」 「あー、大丈夫ですよ。沢山買ってくれたからサービスでお付けしちゃいます!」 「サービス! いや~器量もきっぷもいい社長さんで良かったざんすよ~」 「へぇ~、こいつもイベントに出すんですかい?」 「いえ、裏方としてベビィちゃんのお世話をして頂くざんす ベビィちゃんは売り物でもあるざんすから お売りするときにお客さんの目の前で母親と引き離すなんて事したらマイナスイメージざんすよ」 「あー、言われてみたらその通りですなぁ よくよく考えたら俺らもなかなか酷ぇ商売してるよなぁ、ハハハ」 弟分が笑いながらチビママンネを地に下ろして手を離してやると 脇目も振らず段ボールの中に裂け目から押し入り、撫でたり抱っこ したりしてベビたちをあやしだした 「ふむふむ、熱心ざんすねぇ~」 「それじゃあ、こいつらを運べるようにするとしますか でけぇケージに親子一緒に入れちまうのがいいかな?」 「トラックで運ぶんだぞ。シートベルトも無しに一緒に入れたんじゃあ輸送中に親が転げて赤ん坊を押し潰しちまうかもしれん」 「うーん、親子を別々の入れ物に入れて輸送した方がいいかもしれんざんすねぇ」 「そうですねぇ、じゃあ、早速箱を用意して詰め込んじゃお~」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/912
913: ショーケースの裏側で [] その後色々と話し合いをした結果 チビママンネは大型の青果用木箱、ベビンネたちは特大の発泡スチロール箱に纏めて入れられる事に決まった 「ミ゙ーッ!ミ゙ーッ!ンビビーッ!」 「オラッ!暴れんなよコラ!」 兄貴分と弟分によってまだ泣いているベビンネから引き剥がされるチビママンネ 必死に暴れて抵抗したが手足を縛り上げられ、いつもの麻袋に首だけ出して入れられてから箱詰めにされた 『ヂビィィィィィィィ!!ムビィィィィィィィ!!』 「はいはい、ベビちゃんのおうちはこっちですよー」 一方、ベビンネたちは泣きながらも必死にハイハイして引き離された母親に必死に追いすがろうとする しかし、チビママンネに近づくそばから次々と社長に捕まり、小型の洗濯ネット一網に一匹ずつ入れられていく そうして全てのベビンネが洗濯ネットに入れられると、社長はそれを緩衝材の入ったスチロール箱に一匹ずつ丁寧に入れていく 「ふむー、半分はこっちが原因とはいえなかなか壮絶ざんすねぇ」 3人の手によって作業開始から10分ほどでミィミィとうるさい荷物の箱が2つ出来上がった 「梱包終わりました! 赤ちゃんの箱にはエアポンプをつけて空気を送っているので大丈夫だと思いますが、 酸欠以外にもストレスも心配ですのでそちらに着きましたら早めにキャリーから出してあげてください」 「了解ざ~んす、重ね重ね丁寧な心遣い感謝するざんすよ」 その後、それほど時間はかからずに積み込み作業は終わり ベビンネたちとママタブンネ、そして子タブンネたちを載せたトラックはデパートへと向かっていった 3時間の道のりの中、子タブンネ達は暗闇と震動とエンジンからの轟音に怯えていた 恐怖から必死にキャリーの壁を叩く子、引っ掻く子、キュッと目を閉じて眠くもないのに必死に眠ろうとする子 そして闇に浮かぶママンネの幻覚に必死に助けを求めて泣き叫ぶ子… 子タブンネが必死に足掻く騒音や泣き声、叫び声が他の子タブンネの恐怖を煽り、3時間の道のりを永遠にも感じられる地獄の時間に変えていた そんな中、あの13匹のベビンネ達は小さな耳と触角で叫喚の中から近くにいるチビママンネの存在を必死に聞き分け、 辛うじてその幼く弱々しい精神を正気に保たせていた その道のりもやがて終わり、トラックはデパートに到着してバッグで荷台を搬入口に向けて停まった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/913
914: 名無しさん [] 相変わらずザンス男の喋り方は面白くていいね。 そして麻袋に首だけのチビママに、 サンドバッグ系ssを連想してしまったw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/914
915: 名無しさん [sage] 洗濯ネットに入れられ、緩衝材の入ったスチロール箱に 思いっきり「物」扱いで梱包されるベビちゃんたちの姿想像して吹いたw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/915
916: ショーケースの裏側で [] トラックの荷台が開かれてタラップが下ろされると、待ち構えていたデパートの社員達が子タブンネが入ったケージを次々と荷台の中から運び出していく そして用意してあった台車に数箱ずつむとめて乗せて保管部屋へと運んでいった 「フィィ… フィィ… ミッ… ミッ…」 「チィチ… チィチ…」 台車の上のキャリーからは子タブンネたちの弱々しい声が聞こえてくる 地獄の長旅でだいぶ憔悴してはいるがしっかりと生きている トラックから少し遅れて、ざんす男も車でデパートに到着した 「ふぃー、遅れてすまんざんすよ お、搬入は順調に進んでるざんすね」 「はい、保管場所に運び次第検品も行っております」 「ふむ、私もすぐに検品に入るざんす」 そうしてざんす男は部下と共に検品場である会議室へと向かった そこの様子はいつもとは違い、ドアに近づくだけで子タブンネたちの鳴き声が聞こえてくる 中ではいつも並べられている机は折り畳まれて壁際に片付けられておりドアには脱走防止用の腰の高さ程の金柵が設けられており その向こうで新聞紙が何重にも敷き詰められた床の上を何匹もの子タブンネがオロオロと歩き回っていた そんな所に、ざんす男が柵をひょいと飛び越えて入っていく 「おつかれさんざんす、おおー、」 「あ、チーフ(ざんす男)、お疲れ様です 現在75匹のタブンネの検品が終わりましたが、今のところ死着はゼロです」 「ほっほ~、けっこうけっこう。 いやー、イベント直前に急いで見つけたけどいい業者に当たって良かったざんすよ」 「前の業者は最悪でしたからね… 素人以下ですよあそこは」 「うむ、まったく思い出したくもないざんすよ」 ざんす男の部下が言う前の業者と言うのは、このイベントをやるに当たって事前に子タブンネを発注していた業者で ざんす男は安さに惹かれてそこに決めたのだがそれは大きな失敗で、とてつもなくいいかげんな業者に当たってしまったのだ その業者は野生からかき集めた300匹近くの子タブンネやベビンネを空気穴も空けていない貨物用の小型のコンテナに一度に詰め込み、 それを屋外に半日放置したあと中身を確認せずデパートにそのまま送って来たのだ ざんす男とデパートの平社員はそのコンテナを開けた時の事を忘れることは出来ないだろう 異様に重いコンテナの扉を開けた瞬間、沢山の子タブンネやチビンネの死体が悪臭と共にドドッと雪崩落ちてきたのだ 半日以上放置されたコンテナの中は酸欠状態になり、 中の子タブンネたちは息苦しくなって外に出ようと扉に殺到したものの 結局出られずにそのまま窒息死、もしくは他の子タブンネに押し潰されて圧死してしまったというわけだ 奇跡的に的に生き残っていた子タブンネも数匹はいた。しかしイベントを開催するにはどう考えても足りない 業者に苦情と代わりの子タブンネを要求もしたが 代金は要らないというだけであの数の代わりの子タブンネは用意できないという事だった そのため急遽別の業者に頼む事となり、あの社長と男二人の会社に白羽の矢が立ったのだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/916
917: ショーケースの裏側で [] 惨劇を思い出してざんす男と部下が嫌な気分になっていると、女性社員が大きなスチロール箱を持って入ってきた 「あっ、そのスチロール箱の中にベビィちゃんたちが入っているざんす 13匹入ってる筈ざんすから確認するざんすよ」 「はいっ、すぐに… え?」 蓋を開けた時、女子社員は困惑した ピンク色の小さなタブンネが沢山の入っている思っていたら、 青い網の塊らしきものが何かが緩衝材の間にポツポツと入っているだけだったのだ 「その洗濯ネットの中にベビィちゃんが入ってるざんすよ」 「ええ…? かわいそ…」 「むーん、でも少し静かすぎるざんすね、手にとって確かめてみるざんす」 まだ頭に混乱が残る中、その洗濯ネットを手にとってみると、ほんのり暖かい そして手の上でもぞもぞと動きながら「チィ、チィ」と小さく鳴くのであった 「眠っていただけだったみたいざんすね。安心安心 ネットから出して品質を確認したら… えー、子タブンネとは別にしておいた方がいいざんすねぇ…」 ざんす男がベビをどこに置いていくかか少し迷っていると、男性社員が部屋の一角の柵で囲ってある所を指差した 「自分もそう思ってベビーサークルで赤ちゃんタブンネ用のスペースを用意しておきました」 「おほ、気が利くざんすね~ では、品質に問題が無かったらそこのサークルに入れておくざんすよ」 「はい」 そうして女子社員は洗濯ネットのチャックを開けて中からベビンネをそっと取り出すと、 掌の上に寝せるように両手で優しく抱いてどこかおかしな所が無いか観察した 「チィィ… チィ…」 女子社員の手の上で、ベビンネは涙の跡が残る目元を小さな手でくしくしと拭った そして小さな耳をピコピコと動かした後、キョロキョロと周りを見回しながらチィチィと何かに呼び掛けるように鳴いている 「ふへ~…、可愛いなぁ…」 その愛らしい仕草に、女子社員は仕事中だという事も忘れてうっとりと見とれてしまったのであった 「ホッホッホ、可愛いのは分かるけどあと12匹もいるざんすよ さ、次のベビィちゃんを検品するざんす」 「あ!すいません…」 女子社員は慌ててベビンネをベビンネ用のスペースの中に仰向けにして置くと、 すぐさま次の洗濯ネットを空けて中のベビを検品し始めた 「チィー… チィ… 」「ミィ?」「ミィーミ~」 ベビーサークルの周りでは、数匹の子タブンネが中のベビンネを覗きこんでいた 心配そうな表情をする者、不思議そうな表情な者、ミッミとおどけてみてベビを笑わせようとする子など個性豊かだ 目が覚めたら近くに母親が居なくて不安でたまらなかったベビだが、 この子タブンネたちのお陰でだいぶ寂しさと不安が和らげられている http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/917
918: ショーケースの裏側で [] その後作業が順調に進む中、体格がいい社員が木箱を台車に乗せて会議室の前にやって来た チビママンネが入っている木箱だ 「チーフ!この箱だけやたら重いんですけどこれも子タブンネなんですか?!」 「おお、マーマさんも来たざんすね~ 早速出してあげるざんす」 「あっ、はい」 体格がいい社員はネイルガンで閉じられていた木箱の蓋をベリリと剥がすと、チビママンネがムクリと起き上がってパチパチと数回まばたきをした その後、何が何だかわからないという感じでキョロキョロと見回していたが、 突然驚いたように目を丸くして部屋の中のある一点を見つめた その一点とはベビンネを抱っこしながら検品している女子社員だ 作業を急いで扱いが荒くなっていたのか、ベビンネは泣きそうな顔をしている 「ン、ンミィィィーーーーー ッ!!!!」 「うわっ、何だ!?」 その瞬間、チビママンネは雄叫びを上げて箱から飛び出した ベビンネが酷いことをされていると勘違いしたのだ そしてベビを助けるべく、全速力で女子社員に向かって突進しようとした …が部屋の入り口にあった柵にガシャンと腹を強打して後ろに転がってしまった その音で子タブンネたちは一斉にビクッと驚いて動きを止めた 「何がしたいんだこいつは…」 「あー、きっとベビィちゃんの所に行きたいのざんしょ、 この子はあのベビィちゃんたちのマーマさんざんすからね イベントまでのベビィちゃんのお世話係として借りてきたざんす」 「へえー、それじゃあ、あのベビーサークルに一緒に入れてあげましょう」 「ミッミッ!ミィー!」 転んだせいで腰が抜けたチビママンネは体格のいい男性社員に持ち上げられて運ばれ、 ベビたちのいるベビーサークルへと入れられてしまった 「チィ!」「チィィ~」「ミッミィ~」 自分の置かれてる状況がよく分かってないチビママンネだったが 泣きそうになってるベビ達を見るとすぐに一匹を抱き寄せてあやしだした ベビたちの方もチビママンネの側に集まり、チィチィと甘え声を出して我先に構ってもらおうとする 「はい、この子が最後だよ。優しくお世話してね」 「チィィ… チィィ…」 「ミィ?」 ベビ達の検品が終わり、女子社員はチビママンネに最後のベビンネを手渡した チビママンネは女子社員をベビを虐める悪いやつだ思い込んでいたので何故自分に返してくれるのかがよく分からなかったが ここは素直に受け取って一刻も早くベビを慰めてあげる事にした チビママンネもベビのお世話に集中し、子タブンネの検品作業も終盤に差し掛かった時、 検品前のキャリーに「あかんぼう」と横に書かれたものがあることに女子社員が気づいた 扉を空けて中を見てみると、そこにいたのは他の子タブンネより一際小さい、書いてある通りのベビンネだった 同じベビでも先程のベビよりかは一回り大きい、歯も生えてきていてあんよを始める時期のベビンネだ 「 あれ、 赤ちゃんはさっきの13匹だけじゃなかったのですか?」 「ああー、それはさっきのとは母親が違うベビィちゃんざんす 確か6匹いたざんすけど危うく忘れるところだったざんす」 「品質に問題はなさそうですね、こいつもあのベビーサークルに入れておきますか」 「ふーむ、母親が違うというのが不安ざんすが… まあとりあえず置いてみるざんしょ 観察してみて、もしマーマさんがおっきいベビィちゃんを虐めるようだったら別のところに移すざんす」 ※ざんす男はチビママンネが世話をしているベビンネの中に本当の子じゃないベビが混ざっているのを知らない http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/918
919: ショーケースの裏側で [] 「チィ…」 社員の男によってサークルの中に置かれた大きいベビンネ その目に飛び込んできたのは、すぐ目の前で母親とじゃれたり抱っこされたりしてチッチと笑うベビンネたち 子タブンネの呻き声と叫び声しか聞こえない部屋、糞尿で汚れきった衣装ケースの中 そこで何の楽しみも無く孤独に暮らしていた大ベビンネにとって、正視に耐えぬほど羨ましい光景だった そして辛い暮らしの中で絶望し、心の奥に無理矢理しまい込んでいた 「ママに甘えたい」という感情が再びムクムクと顔を出し始めていた 「チィ… チィ… チィ…!」 震えながら立ち上がり、おぼつかない足取りでチビママンネの所へと向かっていく大ベビンネ その目からは止めどなく涙が流れていた あのタブンネは自分のママじゃないことは分かっている、拒絶されるかも知れないことは分かっている だがそれでも、ほんの少しでも母の温もりが欲しくて必死に歩みを進める そしてようやく座っているチビママンネにたどり着き、 太ももの所へ倒れ込むように抱きついた 「ミィ?」 知らないベビンネが抱きついてきたので驚いたチビママンネだったが 毛皮が濡れる感触で泣いていることを察すると、大ベビンネの頭と背中をを優しく撫でた その時、大ベビンネの触角からチビママンネの感情が伝わってきた それは「かわいそう」という憐れみの感情「だいじょうぶだよ」という励ましの感情 そして「ここにいていいよ」という許容の感情だった 「チィッグ… ヂィィィィィ… ヂワァァァァァァァン…ヂワァァァァァァァン…!」 「ミィミィ…」 大ベビンネは毛皮に顔を埋めて号泣した 久しぶりに感じる事ができた母性愛と優しさに我慢が出来なくなってしまったのだ チビママンネはそんな大ベビンネを他のベビンネの相手をしながらも心の中で励まし、 手が空いた時には撫でるようにそっと触れてあげた そのうち大ベビンネは泣くのを止め、チビママンネの太ももを枕に安らいだ顔で眠ってしまっていた 「大丈夫みたいです」 「ふむ、他のベビィも入れるざんすよ」 その後五匹の大ベビンネがサークル内に入れられ、チビママンネ一家は19匹の大所帯となった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/919
920: 名無しさん [sage] かわいそうだけどこれ以上は無理って感じで、やんわり拒絶してほしかったなーw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/920
921: 名無しさん [sage] 儲ける気がない最悪の業者最高w 裏であっという間に3ケタのチビ・ベビが消えてるなんてw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/921
922: 名無しさん [sage] 実はタブ虐愛好会の下部組織で、子タブを売って儲けるより、 コンテナ内の隠しカメラで惨状を録画するのが目的だったのかもw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/922
923: 名無しさん [sage] ざんす男面白い―!! そして良いキャラですね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/923
924: ショーケースの裏側で [] その後19匹を相手に大わらわのチビママンネを尻目に作業は順調に進み、子タブンネたちの検品は終わりを迎えた 「ふぃ~、これで終わりざんすね。みんなお疲れさんざんすよ」 「うーむ、これだけの数がいて商品にならないのが居ないとは 運がいいのかタブンネ屋さんがすごいのか…」 検品した結果、死んでいたり怪我をした子タブンネは一匹も見つからなかった 輸送中に漏らした糞尿で汚れた子タブンネは十数匹いたが、ウェットティッシュで拭いてあげると問題無く綺麗になった 検品が終わった会議室はキャリーから出された243匹の子タブンネ達で大変なことになっている どこもかしこも子タブンネだらけでそれが部屋中を闇雲に動き回るものだから、一歩踏み出すのにも不自由する程だ 『ミィ… ミッミ… ミィ?ミィ? ミィーッ!ミィーッ! ミィミィ…』 「うー… なんかみんな元気ないよ。 大丈夫なのかな…?」 棺桶のようなキャリーから十数時間ぶりに解放されて嬉しい筈だが子タブンネ達の鳴き声には元気がない 既に時計は6時を回り、キャリーに閉じ込められてから何も食べてない子タブンネたちは空腹の限界なのだ 体力を無くしてへたりこんでいたり、気を紛らす為にチュパチュパと指しゃぶりしていたり、 新聞紙の端を千切って食べてしまったりしている子も目につくようになった 「さて、あとはおチビちゃんたちのディナーざんすね。後一息がんばるざんすよ~」 「用意は出来ております。ポケモンフーズと野菜、いずれも期限切れの廃棄処分品ですが」 「ふむ、抜かりは無いざんすねぇ~」 気が利く社員が用意した子タブンネ達の餌の内約は、ハピナスが描かれたパッケージの袋入りフーズ、10kg入りが4袋 そして断面が少し黒ずんだカットキャベツ、葉がしおれたチンゲン菜、表面がしなびたニンジン等の廃棄野菜だ まず社員たちはフーズの袋を床に置き、ハサミで縦に裂いて袋のまま食べられるようにする 「ミッ!」「ミミッ!?」 袋に切れ目を入れると、その回りにドライフルーツのような香りがぷぅんと漂う その香りに子タブンネ達は即座に反応し、とたとたと早足で開いたフーズの袋へと殺到して ピンク色の小山の如く群がり息を荒げながら我先にと口の中にフーズを詰め込んでいった 『ミフッ!ミフッ!ミィーッ!!ミッ!ミッ!ミッ!ミミーッ!!!』 「おー、すごい食いっぷり」 「こりゃ元旦の初売りより凄まじいざんすねぇ」 「あわわ…そんなに慌てて食べると詰まらせちゃいますよ」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/924
925: ショーケースの裏側で [] 子タブンネとはいえなかなか迫力ある光景に呆気に取られていた社員たち そんな中、ピンクの団子の中からフーズを口一杯に詰め込んだ数匹の子タブンネ達がよろよろと出てきた たらふく食って満腹になって出てきたかと思うかもしれないがそうではない 口の端からダラダラと止めどなく涎を垂らし、涙まで流してかなり辛そうな様子だ 「フーッ!フーッ!フーッ!フッ!フッ!フッ!フッ!」 「ふぇっ!?このおチビちゃん息出来てないざんす!」 女子社員が心配した通り、子タブンネ達は口に詰め込んだフーズを飲み込めずに満足に息が出来なくなっていた 期限切れのフーズはカサカサに乾燥して硬くなっており、まだ噛む力が弱い子タブンネが食べられる代物では無くなっていた それを頬がパンパンになり、口が閉じられなくなるほど詰め込んだのだからもう大変だ 乾パンか蕎麦ぼうろの如く乾燥しきったそれは口の中の水分を根こそぎ奪い それを補おうと分泌された唾液も閉じることが出来ない口からは カサカサの口内を潤すこともフーズを溶かすことも出来ずに流れ出てしまう おまけに吐き出そうにも目一杯詰め込みすぎて顎が動かないのだ 見かねた女子社員が子タブンネを捕まえて口に指を突っ込んでかき出そうとしたが、 指が入る隙間も無いほどフーズの粒が詰め込まれているのだった 急なトラブルに社員たちが戸惑っている間にも口に詰め込みすぎて呼吸困難になっている子タブンネはどんどん増えていく 「うう… どうしよう… どうしよう…」 「そうだお水!お水を飲ませてあげるざんすよ!」 「飲み水はヤマジさん(体格のいい社員)が今持ってきますよ」 気が利く社員がそう言う間もなく体格のいい社員が片手に水の入った大きなポリタンクを持って戻ってきた もう片方の手には水桶代わりの平べったい発泡スチロールの空き箱を持っている 「えーと、どの辺に置くかな?」 「どこでもいいから早く飲ませてあげてください!」 いまいち状況が飲み込めてない体格のいい社員だったが、 急かされるままに適当な場所にスチロール箱を置いてそこに水を注いでいく 「フッフゥーッ! フゥゥ-ッ! フゥーッ!!!」 「お?そんなに喉が乾いていたのか?」 水の流れ落ちる音を聞き付けた呼吸困難ネ達はパタパタと全速力でスチロール箱に集まってきて 飛び込むような勢いで顔面を水に浸けてガブガブと口に入れていく さしもの超乾燥フーズも水に浸かると口の中でグズグズと崩れだし 苦しんでいた子タブンネたちも乾きと息苦しさからようやく解放された 水から顔を上げた子タブンネたちはハアハアと息を切らし食事どころではないといった表情だ 子タブンネがフーズを口に詰め込みすぎて窒息死という笑えてくる悲劇は何とか免れた、が 体格のいい男がせっかく持ってきてくれた水は1分も経たずに吐き出されたフーズによって茶色い汚水と化してしまっていた 「あの… やっぱりこれ取り替えなきゃダメですかね…?」 「そうざんすね」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/925
926: 名無しさん [sage] デパートでもまともな食事を貰えない 子タブンネちゃんが微笑ましいですねw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/926
927: 名無しさん [] 大わらわなチビママちゃんの方もベビちゃん達の乳争いになっていそうで修羅場の予感 ママに甘えたい気持ちを満たされたくて夢中な大ベビVSママへの信頼と依存心たっぷりのチビベビファイトか http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/927
928: 名無しさん [sage] 243匹の子タブンネがうごめく会議室を歩き回りたい 踏み潰して回りたいw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/928
929: 名無しさん [sage] やっぱ子タブ&ベビンネものは良いねえ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/929
930: ショーケースの裏側で [] ざんす男に言われて体格のいい社員は水を取り替えようとしたがそれは出来なかった フーズを口に詰め込み過ぎたバカ以外の子タブンネ達も水を飲みに続々と集まってきたからだ フーズを食べていない子タブもキャリーに閉じ込められてる間中ずっと給水無しだったので全ての子タブンネが死ぬほど喉が乾いていたのである ほんの十秒足らずでそんな子タブンネ達が箱が見えなくなるほど群がってしまい、水箱を回収するのは不可能になってしまった 『ミッ!ミィッ!ミーッ!フーッ!フーッ!ミッミ!』 乾きは飢え以上に切実である。子タブンネ達の必死さもさっきの餌の時以上だ 周りの子タブンネを掻き分け、押し退け、順番を争って取っ組み合いの喧嘩を始め、他の子タブンネを踏み越えて水に頭から飛び込み… 発泡スチロールに入った15リットルの水だけで会議室はピンクの戦場と化してしまっていた その勢いにとうとうスチロールが耐えきれなくなり、角の所からパキパキと音が鳴り… 『ミッ!ミッ!ミィィーッ!!ミヒーッ!!』 「ウヒーッ!大惨事ざんすー!」 パリッ!と大きな音と共に箱が壊れ、中の水が一気に溢れだした 子タブンネ達はいきなり水が飛び出してきた事で驚いてパニックを起こし、 蜘蛛の子を散らすように箱の周りから一斉に逃げだした まるで旧約聖書にある争いを止めない人間に神が怒って洪水を起こした話の様だ 子タブンネ如きにはいささか過ぎた喩えではあるが 子タブンネたちは訳もわからず部屋の中を逃げ惑い、子タブンネ同士でも社員の足にも至るところでぶつかってしまっていた 「ど、どうすりゃいいんですこれ?」 「とりあえず追加で入れ物と水を持ってくるざんす! 今度はもっと頑丈なやつ! ミナツ君(気が利く社員)はバケツとモップと代わりの新聞紙! チカちゃん(女子社員)はベビィちゃんたちのミルクの用意ざんす! 私はおチビちゃんたちを拭いてあげて乾かすざんす!」 社員たちは「はい」と一声返事をすると子タブンネを蹴らぬよう気を付けながら指示された仕事に向かっていく 床に敷いてあった新聞紙がいくらか水を吸ってくれて、幸いにも溢れた水が部屋中に広がることは無かった 体格のいい社員は代わりの水の用意を急いではいたが、子タブンネたちはそれを待ちきれなかった 床に溢れた水をズルズルとすすったり、水が染み込んだ新聞紙を千切って口に入れてチュパチュパとしゃぶったり、 水に濡れた他の子タブンネの毛皮をペロペロと嘗めたりと必死に水分を口に入れようとしていた 十数時間給水なし+超乾燥パサパサフーズ+急激な運動で喉の乾きはさらに凄絶なものとなっていたのである 一旦口に入れて溶けたフーズや唾液、 新聞のインクや新聞紙の上に漏らしていた子タブンネの尿も混ざっている口に入れるには余りにも汚すぎる水である だが今の子タブンネ達にはそんな事は頭に入らない、ただただ喉を潤す事に必死なのだ 「ヒェ~ッ! そのお水ちゃんはバッチイから飲んじゃダメざんすよ~!」 「赤ちゃん達のミルク、用意できましたした」 子タブンネ達が汚水を飲むのを止めさせようとざんす男が四苦八苦していると、 女子社員が19本の哺乳瓶が入ったビールケースを持って部屋へと戻ってきた 哺乳瓶の中のミルクがちゃぽんと揺れる音に、部屋中の子タブンネ達がギラついた視線を向けるのであった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/930
931: ブヒンネ [] タブンネは親子要素が入ると面白いですね http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/931
932: 名無しさん [sage] ヤマジさん(体格のいい社員)とかミナツ君(気が利く社員)とかチカちゃん(女子社員)とか そう見てもモブ役の人間に名前を設定するあたり、なかなか細かくていいですね。 ざんす男も名前がその内出てくるのかな? http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/932
933: タブンネ生態研究報告書 [] タブンネ生態研究報告書 その1 タブンネは優れた繁殖力を持つという。 今回駆除にいかす為に調査することにした。 調査対象は研究所の庭に住み着いた一組のタブンネ夫婦だ。 まずはタブンネ夫婦にタマゴや子供がいると厄介なのでサーナイトに催眠術を 遠距離で使って眠らせる。その間に巣にあるタマゴ2つとベビンネ2体を没収し 研究所に持ち帰り檻に入れ防音加工された地下室に置いた。 タブンネは耳がいいからな。 ここで友人からもらった薬を使う。一見ただの栄養剤にしか見えないが 成長ホルモンを抑えるためベビンネは育たずずっとベビのままだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/933
934: タブンネ生態研究報告書 [] 「チギャアー」(痛い) 遠距離でやったからかかりが悪かったらしく注射の痛みで目を覚ました 翻訳装置がうまく働いてるようでイヤホンから子供の声で痛いと聞こえた それにつられてもう一体も起きて泣き出した 「チィチィ」(ママどこ) 「チィチィ」(ここどこ) うるさい…と思ったらぐうぐう寝だした サーナイトナイス もう一体にも注射を打つととりあえずこっちは終わりだ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/934
935: タブンネ生態研究報告書 [] お次は親ンネどもだ 俺が庭に出るとミィミィ騒いでいるからサーナイト経由で話しかける 「さっき野生のネイティオがやってきて君たちの巣から赤ちゃんを連れていったよ」 「なんとか追い払ったけどタマゴ1つしか守れなかったんだ」 と言いながらタマゴを渡すと赤ちゃんと泣きながらも 「ミィ」(ありがとう) と言ってきた。 おい この辺にネイティオなんかいないぞ 少しぐらい警戒しろよ 吹き出しそうになるのを抑えつつこう言った。 「かわいそうだね 野生のポケモンに襲われないよう柵を作ろう 研究所の周りに。食べものはあげるから心配はいらないよ」 そしたら 「ミィミミィ」(かわいそうなタブンネちゃんを助けるのは当然だミィ) 俺は呆れてしまった。予想をはるかに超えたお花畑だ。 まあいい計画通りだ。 タブンネに手伝わせて巣と研究所を囲むように鉄の柵でを設置し一ヶ所だけ 鍵のついたドアをつけて完成。 柵の上にはギザギザがついていて乗り越えられない。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/935
936: タブンネ生態研究報告書 [] まあ空はガラ空きだから鳥ポケは防げないんだがタブンネは気づかない 流石だ まあこの柵はタブンネの檻にするためだからいいし 時々うちのガブリアスが飛んでるからまず鳥ポケはこない。 ガブリアスは空を飛ぶを覚えない? いや ただ乗れないだけだから。 自分の檻(本人は知らないが)を作って喜んでるタブンネどもは早速 「ミッミッ」(オボンくれ) と騒ぎはじめた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/936
937: タブンネ生態研究報告書 [] 面倒くさいので一箱(5キロ)のオボンを巣の前に置いてやると もりもり食べだした。 まあ食料が無尽蔵のときどのぐらい繁殖するかを調べるのだから都合がいい。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/937
938: タブンネ生態研究報告書 [] 翌朝ムックルの目覚ましのけたたましい音に起こされて研究所兼自宅の二階 のベランダから庭を見てみるとタマゴが9個も生まれている。そして昨日のタマゴは すでに孵りベビンネが生まれている。おそるべき繁殖力だ。 そして箱の中のオボンは無くなっていた。おそるべき食欲だ。 サーナイトにオボンとカルシウム補給ようにズリをサイコキネシスで 巣のそばに置くとママンネが起き出して 「ミッ」と叫んで貪りはじめた。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/938
939: タブンネ生態研究報告書 [] ズリのみは酸っぱかったらしく口からよだれを垂らして転げている。 手持ちに朝メシを与えると地下室に降りる。 ミィミィうるさいチビンネどもに注射を打ち込むと 二階の部屋に戻ってシンオウの研究者に頼んだ記憶消去装置が昨日届いたので 開けてみる。あっちにはタブンネがいないので5体ほど送って調整してもらった。 ユクシーがギンガ団に捕まった時にとられたデータをもとに作られ 純粋な研究目的に作られたのを譲ってもらったのだ。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/939
940: タブンネ生態研究報告書 [] 昼飯にタブステーキを食ってると庭からチィチィという声が聞こえてきた。 庭を見るとタマゴがすでに孵りベビンネが10匹になっている。 平均的なタマゴの孵化までの期間は3日なのでかなりはやい。 どうやら食料が不足しない場合は孵化がはやまるようだ。 サーナイトの催眠術で眠らせて地下室の檻にベビンネどもをぶち込んで ママンネにヘルメット型の記憶消去装置をつける。 36時間と入力して装置をon http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/940
941: ショーケースの裏側で [] 『ミッミ!ミッ!ミッ!ミィ!ミッミッミ!』 「ひぃぃ、いきなりどうしたんですか?!」 女子社員が柵を開けて会議室に入った瞬間、その周りへ子タブンネ達が一斉に集まっていく そして次から次へとズボンににしがみついて引っ張り、ミィミィと切なげな声で鳴いてそのミルクをちょうだいと懇願している 「これは赤ちゃん達のですから、みんな離れて下さい~!」 しかし女子社員はそれに応える事は出来なかった 子タブンネ達を引きずりながらチビママンネとベビ達がいるベビーサークルへと歩みを進める 「ううう… もうダメです…」 しかしそれもベビーサークルへあと4mと言うところで限界に達した 体重3kgから5kgの子タブンネが片足に4匹ずつしがみついてるのだから歩けなくなるのも当然だ まるでピンク色の足枷である しかもまとわりつく子タブの中によじよじとズボンを上ってくる腕力の強いやつらもいて、 女子社員はベルトに捕まられ上着の中に頭を突っ込まれたりボタンをむしり取られたりとやられ放題であった 「ああっ!早くそのミルクをこっちに渡すざんす」 「ひぃぃ、お願いします~!」 汚水を飲んでいる子タブを必死に止めていたざんす男も女子社員の 窮状に気づき、急いで助け船を出した ビールケースを手渡そうにも女子社員の周りで犇めき合う子タブンネ達に遮られて中々手が届かない そうしている間にも女子社員に登る子タブはどんどん増え、あれよあれよという間に胸の下辺りまで埋め尽くされてしまった それはピンクの毛皮の巨大なスライムに女子社員が飲み込まれている様な異様な光景である 『ミィッミィッ、ミィーッ、ミィ!ミッミッ、ミピ!ミピ!』 「ふぇっ!? いきなり… 重く…」 あたふたしてるうちにとうとうミルクがビールケースに手が届く子タブンネが出てきてしまった その子タブはビールケースの底にに雲低のようにぶら下がって闇雲に足をじたばたさせている ミルクの近くまで来たはいいがその後どうするか全く考えて無かったのだ 満タンにミルクが入った哺乳瓶が19本も入ったビールケースは意外と重かったのだが、 そこに子タブンネの体重が加わって更に重みを増したのだから大変だ しかも悪いことに、新たに二匹の子タブンネがビールケースに手が届いてぶら下がりだしたのだ 「 ううう… 腕が… もう…」 女子社員の腕はもう既に限界に近い その重さで腕が震え、ビショビショに手汗をかき、いつ子タブンネ達の上へビールケースを落としてもおかしくない状況だ 身体中子タブンネ達がまとわり付くむず痒さにも苦しめられている それによって力が抜けて手からスポッとビールケースが抜けていってしまっても不思議ではない だが女子社員はビールケースを落とすことは無かった 身長150㎝台と小柄で力も強くないが優しい性格で、ここで落としたら子タブンネ達が潰れてしまうとギリギリの所で踏ん張っている 「ええい!こうなりゃ力ずくざんす!」 意を決したざんす男は犇めく子タブンネの中に足を踏み入れ、女子社員からビールケースを奪うように素早く受け取った その際に何匹かの子タブンネの足を踏んでしまっていて「ミィッ!」「ビーッ!」と悲鳴が響く ざんす男は大事なイベント商品である子タブンネを傷つけたく無かったのだが、この際仕方ないと判断したのである ついでにビールケースにぶら下がってた子タブンネ達は渡す際に振り落とされてしまった 群がっていた子タブンネ達は女子社員から離れていき、今度はざんす男へぞろぞろと集っていく 「ケェーッ!!! こっちゃ来るなざんすーっ!!」 ざんす男が怪鳥音で一喝すると向かってくる子タブンネ達がビクッと驚いて足を止めた 女子社員とチビママンネまでビクッと驚いたのはご愛敬 その隙にざんす男はスタコラとベビーサークルの側まで近づき、その中にビールケースをがちゃんと置いた 「ささ、早くベビィちゃんにミルクをあげるざんすよ」 「は、はい」 女子社員は子タブンネ達に乱されて、おまけに色んな体液で染みだらけになった制服を着替える間もなく ベビンネ達にミルクを与える仕事に入るのであった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/941
942: 名無しさん [sage] 怪鳥音・・・MHのクルペッコ亜種みたいですねw それにしてもタブンネちゃん如きが人間様の手を煩わせるなんて 許せませんね、鞭で教育的指導をしてやりたい。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/942
943: ショーケースの裏側で [] 『ミィッ!ミィーッ!ミッミッ!ヴミィーッ!ミィーッミィーッ!』 『ヂビィィィィ!!ヂビィィィィ!!!』 「ヒ~!やっぱベビィちゃんたちは別室にしとくんだったざんす!」 ケースから哺乳瓶を取り出して授乳をしようとした女子社員だがそう簡単にはいかなかった なぜなら子タブンネ達が今度はベビーサークルの周りに押し寄せて自分にもミルクをくれと騒ぎ立てているからである ベビンネ達はそれを怖がって泣き出してしまいミルクどころではない 243匹も集まると子タブンネとはいえかなりの力で ベビーサークルの頑丈な木製の柵もキシキシと軋み、倒されまいとざんす男が必死に支えてている チビママンネは「ミッミ!ミッミ!」と叱るような口調で何やら語りかけているが、子タブンネ達が聞いてる様子はない 「ううう、どうしよう…」 「ヂィィィィ!!ヂィィィィ!!」 火が付いたように泣き叫ぶベビンネたちに、女子社員は迂闊に触ることもできないでいた 事態が膠着する中、チビママンネは子タブンネ達をなだめるのを諦める事にした そして子タブンネ達に背を向け、ベビンネ達の中から三匹を優しく抱き寄せる 「ミィミィ、ミィィ…」 「チィィ…」「チ… チ…」 チビママンネが自分の胸にベビの触覚を押し当てながらそっと抱き締めると、二匹のベビはピタリと泣き止んだ これはチビママンネが盾になって怖い物(子タブンネの大群)をベビ達の目に入らない様にし、 意識を自分の心音に集中させ安心させるというチビママンネなりの育児テクニックである 「え、泣き止んでる… ? そうだ、ミルクが冷えないうちに飲ませないと…」 「ミィ、ミ!」「チィィ!」「チ、チ、チ」 女子社員が哺乳瓶を渡すとチビママンネはそれを受けとり、泣き止んだベビンネたちにそれを向けた すかさす一匹が吸い付き美味しそうにごくごくと飲んでいるが、 出遅れた方のもう一匹はそのすぐ隣に入り、横からなんとか吸い口を吸おうとしている 吸い口を奪わんとするような勢いで横から顔を押し付け、その表情からはかなりの切実さが伺えた 恐怖で気が紛れてはいたが、やはり赤子が6時間ミルク無しでは死ぬほどお腹が空くのだ 「…ほら、おっぱいはここにもあるよ」 「チッチ!」「ミッ!」 女子社員がもう一本哺乳瓶を取り出し、膝をついて飲めてないベビンネに近づけると ベビはそれに素早く、そして迷い無くパクリと食いついて飲み始めた 女子社員を少し警戒していたチビママンネだったが、優しそうな態度と仕草 そしてあの社長よりさらに華奢で小さくて弱そうに見える容姿から 「この人間は優しそうだから大丈夫」と 「万が一ベビたちに変な事されてもこいつなら自分でも勝てる」との半々の考えでベビのお世話を許すことにした 自分だけで19匹のお世話は正直かなりキツかったというのもあるが 「ヂヂ!ヂヂ!」「チィチィ!チィチィ!」 「え…? 皆もミルクが欲しくなったんですか?」 ミルクを飲ませていると他のベビンネ達も女子社員とチビママンネの回りに目に涙を溜めたまま続々と集まってきた ミルクが喉を通っていく音を聞いたのがスイッチになって恐怖より空腹の方が勝ったのだ そして女子社員とチビママンネは下半身をベビンネに埋め尽くされながら次から次へとミルクを飲ませていく チビママンネも女子社員もかなり焦燥はしていたが、ベビ達のお腹は順調に満たされていった 『ミ゙ーッ!!ミ゙ミ゙ミ゙ーッ!!ヴビーッ!!!』 だが、それを目の前にして気が気ではないのが喉がカラカラの子タブンネ達である 液体が喉を通る音で喉の乾きが更に煽り立てられ、その行動も更に必死で浅ましい物となっていた 歯をむき出しながらギーギーと鳴きながらベビーサークルの格子をガタガタ揺らしてベビ達を威嚇したり 格子にギュッと力一杯顔を押し付けて口を乳を吸う形にしてチュウチュウと鳴らしたり ハイハイをしながら「チィチィ、チィチィ」と鳴いてベビの真似をして飲ませてもらおうとしたり 格子の隙間から手を伸ばして哺乳瓶を奪おうとしたりと見苦しいが個性豊かだ 更に勢いを増す子タブンネ達にベビーサークルとざんす男に限界が迫る中、 気が効く社員と体格のいい社員が戻ってきた 気が効く社員はバケツとモップと雑巾と新聞紙を手に持ち、 体格のいい社員は直径1m程の大きなタライと3つのポリタンクを乗せた台車を押しながら http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/943
944: ショーケースの裏側で [] 「すいません、丁度いい水入れ探してたら遅くなりまして」 「ウヒーッ!何でもいいから早くお水あげて頂戴ざんすーっ!」 「は、はい。おーいチビ共、待ちに待ったお水ちゃんだぞ~」 体格のいい社員が急かされてタライの中にトプトプと水を注ぐと、 その音に子タブンネ達は即座に反応してピタリと暴れるのを止めてタライの方へ振り向き そして水が満ちるのを待たずにドドドドと一斉にタライへと押し寄せていく 『ミィィィィィィィィ!!!ミィィィィィィィ !!!』 「うわ、待て!待てって!」 水を飲みに行くと言うよりかはプールに飛び込む様な勢いで殺到する子タブンネ達 まだ水を注いでいる途中だというのに大きなタライの中は子タブンネでぎゅうぎゅう詰めになった 当然上から容赦無く水がぶっかかるが、乾ききった子タブンネ達はそれすらも嬉しそうだ 水が流れ出るポリタンクの真下で上を向きながら口を開けて直飲みを試みて溺れかける奴や 全身ビショビショのままタライから出てきてまだ水を飲めてない子タブンネ達に身体中をチュウチュウとしゃぶられて悶絶する奴など 水入れタライの周辺は混迷を極めている そして子タブンネ達がタライの水に気を取られているうちに、床の汚水を掃除している気が効く社員だが、 それも一筋縄ではいかなかった 「ミィ、ミィ、ミィ!」 「おい!その水は飲んじゃダメだぞ!」 水を目一杯吸ったモップをバケツに絞ると、その水音に反応して十数匹の子タブンネ達がバケツに集まってきてしまったのだ 群がるベビンネたちをモップで追い払い、倒される寸前でバケツを持ち上げてまた床を汚されるのは防いだものの 今度は水分が残るモップに吸い付かれてしまったのだ ブンブンと振って何とか振り払うも、振り払った側から別の子タブンネが吸い付いてくるので掃除は一向に進まなくなってしまった 「ヂーヂ!ヂーヂ!ヂィィィィ!!」 「うう… お腹が空いてないの…?」 比較的順調に進んでいたベビンネの授乳も終わりが見えてきた所で行き詰まっていた 小さいベビンネの中でも一際小さなベビンネが女子社員の手からミルクを飲まないのだ あの身長25㎝の甘えっ子の小ベビンネである 女子社員は落ち着けるよう正座した膝の上に寝かせるように乗せ、 左手で後ろ頭を支えながら飲ませようとしたのだが 小ベビンネは泣きわめきながらじたばたと暴れて女子社員から逃げ出そうとするのだ 「ヂィ!ヂィ!ヂー!!」 「ミィ!」 小ベビンネが一際大きな声で泣き叫ぶと、チビママンネは授乳を中断して女子社員の側へ駆け寄った ミルクを飲んでいる途中で突然放り出されたベビはキョトンとしている 「ミィミ! ミッミ!ミィ!」 「ヂィ!ヂィィ! 」 チビママンネは少し威嚇する様な感じで女子社員に鳴き声を浴びせたが タブンネ特有の怖くなさでその怒りは理解して貰えなかった しかし、ベビンネを返して欲しいという事は辛うじて伝わった 「… 大丈夫かな?」 女子社員が小ベビンネをチビママンネに渡すと、小ベビンネはその胸に顔を埋めてヂーヂーと激しく泣き出した 「知らない人に捕まって怖かったよ」と必死に訴えるように チビママンネはそんな小ベビンネをきゅっと抱き締め 「よしよし、もう怖くないよ」と優しく頭を撫でながら慰めるのであった そして抱っこされてから一分も経たぬうちに小ベビンネは泣き止んでチィチィと嬉しそうに笑いだした 「…このおちびちゃん、お母さんが大好きなんですね… 」 その後社員たちはなんとかタライの水場を二つ作り、 子タブンネ達に邪魔されながらも床の掃除を終え フーズは食べやすいように水でふやかしてから野菜と共に与えられ ベビンネたちの授乳も一人と一匹がかりで何とか終えて 嵐の様な子タブンネ達の夕食は終わりを迎える事が出来た 満腹になってごろ寝する子タブンネ達を前に、 満身創痍の社員たちは「この企画ホントに大丈夫なのかな」と心の中で思ったのであった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/944
945: 名無しさん [sage] 続きありがとうございます、 浅ましい子供達にはミルクではなく爆竹をプレゼントしたい。 チビママ以外受け付けない小ベビンネは 売却先で生きられそうにないですね、ワクワクしますw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/945
946: 名無しさん [sage] 社員さんたち大変だな 浅ましい畜生どもにはそろそろイライラしてきたので 是非地獄を見せてあげていただきたい http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/946
947: ショーケースの裏側で [] その後、夜10時の閉店時間となりデパートの看板の照明が消され、店内からお客さんの姿が消えた この時間になると子タブンネ達はおねむの時間である 蛍光灯が点いていて明るいままだったが床の上で数匹から十数匹ずつで身を寄せあってぐっすりと眠りに落ちていた 人間から見ると子タブンネは皆同じ顔にしか見えないがタブンネ同士ではちゃんと個体の区別がついていて 兄弟や友達など仲良し同士で身を寄せあって団子のように一塊になり お互いに相手の体温とふわふわの毛皮で暖まり合って気持ち良く眠っているのだ ベビンネ達も眠るチビママンネを中心にして塊になって眠っていた 疲れていたのもあってその眠りは深く、体格のいい社員がすぐ側をドタドタと歩いても全く起きる気配がない程だ 社員達が頑張って遅くまで働いてるのにいい気分で眠っているとはけしからんと思う人もいるだろうが これから子タブンネたちを移動させる社員達にとっては非常に都合が良いのであった 「せっかくチビちゃんたちが塊になってくれてる事ざんし、 そのままケージに入れて運んであげるざんすよ」 子タブンネ達はグループの塊ごとに大きな檻のようなケージに起こさないようそっと入れられ そのままイベントを行う催事場に移された 「ミミ… ミィ…」 「ささ、こっちですよ。部屋を移ったら寝ちゃっても大丈夫ですよ」 チビママンネは寝ぼけたまま女子社員に手を引かれ、 眠るベビたちはスチロール箱に数匹ずつ入れられて男性社員二人の手で催事場の準備室に移されて そこで再びベビーサークルの中に 入れられる事となった 「ミルクとそれ用の保温器、用意しております そしてベビーサークルの中に消臭効果のあるペットシートを敷き詰めておきまして あとは定期的に様子を見て貰えるよう守衛さんにお願いしておきました」 「うむ、これでやっと今日はお仕舞いざんすね みんなお疲れざんしたざんす~」 「赤ちゃんたち大丈夫かな…」 気が効く社員が用意したミルクの保温器というのはお湯を一定の温度に保てるという四角い鍋の様な電気式の調理器具で 本来は熱燗を作る為の道具なのだが出力を下げると赤ちゃんのミルクでも大丈夫という訳だ それを二台稼働させ、ミルク入りの哺乳瓶を24本を用意しておく 気が効く社員の備えにざんす男はこれで心配ないざんすと太鼓判を押したが 女子社員はそれでもまだベビンネたちが心配で帰る時になっても後ろ髪を引かれる思いだった 中でも一番気になったのが、あのママっ子の小さなベビンネであった 午前2時、守衛さんが言われた通りにチビママンネ達の様子を見に行こうとすると、 部屋に近づいた時点でベビンネのけたたましい泣き声が聞こえてきた 「ジビーッ!ジビーッ!ビャァァァア!!!」 「ミ~ ミミミ~ミミミミ~ ミミミィ~♪ ミィ…」 「ウビィィィィィィ!!ヴビィィィィィ!!」 「ありぇま~、大変な事になっちょるだべさ」 19匹ものベビがいると、大体30分おきにそのうちの一匹が何らかの理由でママンネを起こしてくる お腹が空いてるだのウンチでお尻が痒くなっただのが主な理由だが 何にせよチビママンネは眠ることも満足に出来ずお世話に追われる事となる 対応が遅れるとベビンネは泣き出してしまい その泣き声が五月蝿くてまた別のベビが泣き出すという悪循環に陥ってしまうのだ そしてたった今、その悪循環が始まってしまったというわけだ 「ビィィィィィィ!!!!ビィィィィィィ!!!」「ヂーーッ!!ンヂーーーッ!!」 「ミ~ミィ~ミッミミィ~♪ ミヒ~ン!」 「まぁ~、タブのわらすにゃタブのおっかさんに任すのが一番だべし 餅は餅屋ってもんだべや」 結局守衛さんは何も助けてくれず、チビママンネは不眠不休でベビの世話に追われる事となった ミルクを飲ませ、お尻を嘗めて綺麗にして、泣く子に子守唄を歌って眠るまであやす… 明け方になり、空が白くなっても準備室からベビたちの泣き声が止むことは無かった 午前6時、女子社員は本来の出勤時間より一時間も早くデパートへやって来た そして制服に着替えもせず、真っ先に催事場の準備室へと向かっていく ベビンネ達とチビママンネが心配でたまらず早く来てしまったのだ 準備室からは未だにベビンネの泣き声が聞こえていた その声に女子社員も早足になり、飛び込むように準備室のドアを開けた 「えっ…? お母さんタブンネが…」 その目に飛び込んで来たのは、12匹の泣きじゃくるベビンネ達と5匹の表情が固まったまま呆然とする大きめのベビンネ そして空になった哺乳瓶を片手に持ったまま仰向けに倒れているチビママンネ そしてそんなチビママンネの胸にしがみつく様に抱きつき、 涙を流しながらプルプルと震えている小さなベビンネだった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/947
948: 名無しさん [sage] おっ急展開 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/948
949: 名無しさん [sage] 何が起こったのかな、続きが楽しみ! http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/949
950: タブンネ生態研究報告書 [] うちのフカマル 最近フカマルがどうもおかしい やたらとものに噛み付いたりあばれたりしている まあ数日前にシンオウから引っ越してきたばかりだ 無理もない と思っていたがさすがに心配になってきた ニンフィアに落ち着かせてもらってボールに戻しポケセンに向かう 愛ポケのニンフィア以外育てたことのない素人の俺だ やはりドラゴンは難しかったのか ~~~~~~~~ ドクター「ただの欲求不満です。何の問題もありません」 俺 「欲求不満?」 ドクター「はい、欲求不満です。餌は何を与えてますか?」 俺 「餌…ですか? ドラゴン用のフーズを1日3回とオボンを1日3個 あとおやつにポフィンを…」 ドクター「ベビンネはどのぐらいの頻度で与えてますか?」 俺 「ベビンネ? 何ですかそれ」 ドクター「ベビンネを知らない?もしかして他地方の方ですか?」 俺 「はい シンオウから引っ越したばかりで」 ドクター「なるほど どうりで ベビンネっていうのは… 見た方が早いですね ペットショップにエサ用ベビンネがありますから 適度に与えてください ドラゴンタイプの子供には生きてるエ餌が必要なんです」 ~~~~~~~~~~ ふうー なんともなくて良かった 帰りにそのベビンネとニンフィア用のフーズを買うか http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/950
951: タマゴン [] 俺 「すみませーん 餌用ベビンネってありますか?」 店員「こちらです 何匹ほどでしょうか?」 俺 「このフカマルにあげたいのですが」 店員「その子なら1日一匹くらいですかね」 俺 「じゃあベビンネ十匹とフェアリー用のフーズ あとこのベビンネ水槽(中)ってのください」 店員が25センチくらいのピンクのポケモン ベビンネがびっしり 入った水槽の蓋をあけると中からチィチィと鳴いているのが聞こえてきた 店員が手を伸ばすと大合唱はより騒がしくなりポテポテ歩いて逃げようとする しかしあっという間に捕まって水槽の中に入れられた 入れられたベビンネはチギィーとかチギョェァーとか鳴いている 全くうるさい奴らだ 水槽をベチベチ叩いているのでその音も合わさり余計うるさい 店員がスライド式の蓋を閉めると全く聞こえなくなった さすがベビンネ用の水槽だ その様子を食べたそうに見ているフカマルをボールに戻し 代金を支払って店を出る 早く帰って食わせてやろう http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/951
952: ショーケースの裏側で [] 死んでしまったのではないかと焦った女子社員だがチビママンネの口元に耳を近づけてみると 微かに「ヒューヒュー」という音が聞こえ吐息が耳に当たった どうやらまだ生きているようで、女子社員はホッと胸を撫で下ろした あまりの疲れと眠さにミルクをあげてる途中にぶっ倒れ、そのまま眠ってしまったのが事の真相である 胸で泣いてる小ベビンネは母親の限界を超えた疲労をその心音から感じ取り チビママンネが死んでしまうと絶望しかけて泣いていたのだ チビママンネ無しで自分は生きていけない。それほど愛し、そして依存しきっているのである 「うわぁ… 酷すぎます…」 チビママンネが気絶してから二時間弱ほどの間、なんの世話も為される事無く泣かせるまま放置されたベビンネたち 糞尿を垂れ流したまま動き回ってお互いを汚し合い、泣きすぎて飲んだミルクを吐き戻し 泣いてるベビも呆然としてるベビも、ついでにチビママンネも皆一様に汚物まみれの悲惨な状態で 床に敷かれた白かった筈のペットシートも糞尿と吐き出されたミルクで世にもおぞましい斑模様に染まり切っていた 「とりあえず赤ちゃんたちを綺麗にしてあげないと…」 この惨状を片付けるべく女子社員はまずゴム手袋を着けてシートを取り替え、 次にミルクの保温器を応用してお湯を作ってタライに張り、ポケモン用シャンプーでベビンネ達を洗おうとしたが それが一筋縄ではいかなかった ベビンネは体にシャンプーを塗られると捕まった直後に無理矢理洗われた苦痛を思い出し、タライの中でじたばたと暴れだしたからである 「ンヂーッ!ンヂーッ!ビビーッ!」 「うわっととと、暴れないでください」 ベビンネが暴れるたびに汚れとシャンプーが溶けたお湯が跳ね、女子社員に容赦無く掛かっていく 一匹目を洗い終わる前に既に私服はビショビショだが、それでも女子社員はめげること無く懸命にベビンネを洗い続ける その洗いかたは男二人のそれよりはかなり優しく丁寧だったが それでもシャンプーはベビンネにとって恐ろしい拷問でしかなかった 「ヂィーッ!ヂィーッ!ンビビーッ!!ビーッ!」 「ごめんね… ごめんね… すぐ終わるから我慢しててくださいです」 ベビンネが泣き叫ぶ度にチビママンネの耳がピクピクと反応した 死んだように眠っているがベビの救いを求める声には本能で反応してしまうのだ しかしいくら泣き叫ぼうともチビママンネが起き上がる事は無く、 ベビンネはすっかり綺麗にされてしまったのだった シャンプーと悲鳴に怯え順番を待つベビンネ達はチビママンネの陰に隠れようとしたり、 ベビーサークルの格子の隙間に体を突っ込んで逃げようとしたりと 何とか逃れようとしているが 所詮ベビごときが何をやろうと無駄であり、次々と女子社員に捕まりぶくぶくと泡まみれにされて泣き叫ぶのであった チビママンネのベビは死ぬほど嫌がるが、大きめのベビンネ達は少し怯えた声を出す位で洗われる時も大人しくしていた 捕まったときに経験した粉石鹸に高水圧洗浄器よりはマシというわけだ 洗った後は数匹纏めてドライヤーで乾かし、ベビンネ達は綺麗な毛皮を取り戻していった それと対照的に女子社員の服はベビたちが暴れてはね飛ばした水でグショグショになり見るも無惨な姿になっている それでも洗浄は何とか順調に進み、最後はあの小ベビンネを残すのみとなった 「さて、後はおちびちゃんで終わりです」 「チィィ… 」 チビママンネは未だにチビママンネの胸の上に陣取っていたが 女子社員が怖がらせないように抱き上げようとそっと手を触れるとガクガクと激しく震えだした 結構強い振動だったので驚いて一度は手を離してしまったが 改めて抱き上げようとするとチビママンネの毛を掴んで持ち上げられまいと抵抗するのであった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/952
953: ショーケースの裏側で [] 「そんなに引っ張ると、お母さんが痛がりますよ…」 「チィッ!チィッ!チィ!チ!チ!チ!チ!!ビァァァァ!!!」 小ベビンネの手をそっと包むように掴み、揉むように毛を掴む指を一本ずつ解きほぐしていく女子社員 チビママンネの毛ごと力ずくで無理矢理引き剥がしても良さそうなものだが、女子社員にはそれが出来なかった しかしそれでも小ベビンネにとっては自分が強制的に母親から引き剥がされるという事態は十分に絶望的で チビママンネから指を一本ずつ引き剥がされる度に焦燥した声で喚き散らしている 「グエオッ!ビィッ!!ウヂャァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!!」 そして完全に手が離れてチビママンネから引き剥がされると、小さなベビから出たとは思えないような凄まじい絶望の慟哭を上げた あまりの大声に女子社員は一瞬怯んだが、小ベビンネから手を離すことは無かった 「うう… お風呂が終わったらお母さんの所へ返してあげるから、少しだけ我慢してください」 チビママンネから離された絶望とシャンプーへの恐怖で、小ベビンネは手の中でさらに激しく震えた 余りの怯えぶりに不憫に思った女子社員が頭や背中を撫でて慰めようとするが、 今の小ベビンネにとっては逆に恐怖を煽る効果しか無かった 「フィッ… フィィッ… ヒィッ…!」 だが、小ベビンネが洗面器のお湯に浸けられようとしたその時 深い眠りに落ちていた筈のチビママンネがむくりと起き上がってきた 「ミィミィ… ミィ?」 「キチィーー!!キチィーー!!チィッ!チィッ!」 小ベビの慟哭で本能的に危機を感じて目覚めたのだが相当無理して起きたらしく 足元はふらついていて目もまともに開けられない有り様だ しかしそれでも小ベビンネの自分を呼ぶ悲痛な泣き声を聞いているうちに少しずつ目が覚めていき ベビを取り返すべくよろよろと女子社員に歩み寄っていった しかし、取り返すまでもなく女子社員は小ベビンネをチビママンネに渡したのであった 「ベビちゃんをお風呂を怖がっちゃって困ってるのです。入れるのを手伝ってください」 「ミィ~…?」 女子社員から小ベビンネを返されるのは昨夜に引き続き二回目である 意図を計りかねたチビママンネは女子社員の胸に触覚を当て心を読んだ そこからは色々な事情が伝わってきたが、 とりあえず今はタライのお湯で小ベビンネを綺麗にしてあげたいと思っているという事は理解できた 「チィッ♪ チィッ♪ チィィ~♪」「ミィ~ミィ」 「ほらほら、そこにもウンチがついちゃってますよ」 あんなにシャンプーを怖がっていた小ベビンネも、 チビママンネの手で洗われれば怖がる事無く遊んで貰っているかのように喜んで受け入れている 洗いかたは女子社員より下手だったが、チビママンネへの愛と信頼はそれを補って余りあるものだった 女子社員はそれに感心しつつ、チビママンネの体を濡れタオルで拭いて綺麗にしてあげている 「チィィ…?」 小ベビンネは嬉しそうだが、それを見ていて面白くないのが他のベビンネ達だ 「どうしてあのぶくぶくが平気なの?」 「あいつだけママにかまってもらってずるい」 「チィが泣いてもママは助けててくれなかった… ママはチィがきらいなの?」 「なんでチィたちを苛めた悪いやつとママは仲良くするの? ママも悪いやつの味方なの?」 色々と複雑な感情を心に浮かべながら、ベビンネたちは二匹と一人をじっと見ていた そうして綺麗になったベビ達全員に女子社員とチビママンネが協力してミルクを与え終わったその後 色々あった後でみんな疲れていたのだろう ベビンネ達もチビママンネも、女子社員までもがその場で横になって眠ってしまっていた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/953
954: 名無しさん [sage] こいつらが売り物じゃないなら50℃ぐらいのシャワーで洗いたくなる(--#) 一番ウザい小ベビは他のベビ達にいじめられてほしい所だw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/954
955: 名無しさん [sage] >一番ウザい小ベビは他のベビ達にいじめられてほしい所だw 「ママを独占するな」って、他の連中にリンチされる最期かな http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/955
956: 名無しさん [sage] あまりに酷い子達や世話係が終わりそうなママンネ用に 試食イベントが新設されないかなぁ・・・。 このデパートの社員達には公私とも幸せになってほしい。 あと女子社員さん結婚してください。 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/956
957: 名無しさん [] タブンネお肉検査 食べ頃のタブンネ全員が受ける必須身体検査 合格すれば店頭に並ぶ 検査官「これよりお肉検査の合格者を発表する」 タブA「頼むミィ…落ちていてくれミィ…」 タブB「合格したら即お肉だミィ…」 検査官「おめでとう!全員合格!」 タブ「ミヤァァァァァアアア!!!」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/957
958: 名無しさん [sage] 仮に不合格でも死ぬと思う。 毛皮・尻尾ストラップ・経験値サンドバッグ・・・幾らでも活用法があるからw http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/958
959: ショーケースの裏側で [] 「チカちゃん、仕事熱心なのは結構ざんすが、タイムカードくらい押さなきゃダメざんすよ」 「ふゃ… チーフ…?」 それから30分後、女子社員はざんす男の声でハッと目覚めた 寝起きでぼやけた視界に見えたのは、自分を見下ろす三人の男性社員たち そして頭の下にあるのはチビママンネのお腹で、周りには眠っている沢山のベビンネたち 意識がはっきりしていくうちに自分が何をしていたのかを思い出し、ババッと焦りながら飛び起きた 「す、すいません、今すぐ着替えてきます!!」 顔を赤くして部屋を飛び出していく女子社員 その歩いた後にはポタポタと水滴が落ちていた その様子に可愛いなだのそそっかしいなだの色々と思った男性社員たちだったが 気を取り直して顔を見合わせながら現場検証を始めた ゴミ袋に満載された汚れたペットシートと空になったポケモンシャンプー そして洗われぬまま放置された大量の哺乳瓶が女子社員とチビママンネの苦闘を物語っていた 「世話が追い付かなくて母タブンネが力尽き、 赤ちゃんタブンネ達は放っとかれるうちに自分達のうんちおしっこで汚れてしまい そこにチカさんがやって来てベビ達を洗ってミルクをあげた …という所ですかね 1匹で19匹の赤ん坊の世話は流石に無理がありました。完全に俺の準備不足です」 「でもまあー、準備っていったってなぁ… 守衛さんに手伝って貰うわけにはいかんし人手不足はどうしようもないよ」 「ふむ、チカちゃんが来てくれて無かったら大変なことになってたざんすよ」 男性社員たちはベビ達の世話で散らかった部屋を片付けると、会場の設営をするべく催事場へと向かった 催事場は一階の中心部分にある30m四方ほどの広いスペースで普段は季節モノや特売品を置いたり地方の物産展を開いたりして使っている場所だ 簡素なステージを設置してヒーローショーやちょっとした歌手のライブを開催したりする事もある そこが今は柔らかい人工芝が敷き詰められ、その周りを木の柵で囲われているという デパートの中に突然牧場が現れたかのような異様な光景と化している 柵内への入口は外柵と同じ様なデザインの木の柵に蝶番とバネを着けた簡素な扉があり そこは子タブンネが簡単に脱走できないように二重扉になっていて 扉と扉の間には糞尿を踏んでしまった時に拭くためのマットが敷かれている 入口の横には入場受付をする為の長机が設置されており 餌や子タブンネを購入する為のレジもそこに置かれている そして通路を挟んで向こう側にはタブンネのぬいぐるみやグッズを売る祭りの屋台風の売り場が準備を終えていた 前日の作業が予定より早く進んでいたのもあって会場設営は最終点検くらいですぐに終わり いつでも柵内に子タブンネたちを放牧できる状態となった http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/959
960: ショーケースの裏側で [] 「そろそろ子タブンネを放しても良いですかね?」 「そうざんすね、まず今日の分 チビちゃん達にも汚れている子がいるかもしれないざんすから一匹ずつ点検してから出してあげるざんすよ」 子タブンネ達が入っているケージは柵の中に積まれており、その中からは「ミィ、ミィ?」と戸惑った声がちらほらと聞こえてくる 目が覚めたらいきなり檻の中という状況をまだ理解できていないのだ その声も子タブンネの総数を考えるとかなり少ない。大多数の子タブンネはまだ眠ったままなのだ 男性社員達はケージの出入口の前にペットシートを起き、 傍らに消毒用のアルコールが含まれた濡れティッシュの箱を大量に用意してから点検に取りかかった 「前、汚れ、無し!背中、汚れ、無し!手、汚れ、無し!足、汚れ、無し!尻、汚れ、無し!」 「ミッミ、ミィィ?!ピィ!」 社員たちは眠っている子タブンネをケージから引っ張り出してシートの上に仰向けに寝かせ 素早くくるくるとひっくり返しながら体に目立つ汚れが無いかチェックして見つけたら濡れティッシュで拭き取り 仕上げにに尻尾を引っ張り上げてお尻の穴も同じようにチェックして終わりである その作業はスピード重視の手荒な物で子タブンネ達はひっくり返される度にビタンビタンとシートの上に叩きつけられ 間髪入れずに敏感な箇所である尻尾を無配慮に引っ張られて「ミギッ!」と悲鳴を上げた そしてチェックが済んだらマットの上から半ば突き飛ばすように人工芝の上に転がされて終わりである その作業時間は1匹あたり30秒前後。なかなかのスピードだ 「肛門、汚い!」 「ミッヒ… ヒギィ!!!ピィィ!!」 汚れは濡れティッシュで拭かれるのであるが、股間を汚していた子タブンネは悲惨である 拭いた跡がスースーするアルコール入りの濡れティッシュで 肛門と性器という敏感な部分を容赦無くゴシゴシと拭かれてしまうのだから 当然そんなことをされた子タブンネが平気な筈はなく チェックが終わった後で泣きながら両手で股間を押さえ人工芝の上でのたうち回って激しく悶絶した その様子にケージの中で順番を待つ子タブンネ達は震え上がり、自分の順番が来るかと恐怖した 「ミッミィィーー!!ミヂーーーー!!!」 「前、汚れ、無し!背中、汚れ、無し!手、汚れ、無し!足、汚れ、無し!尻、汚れ、無し! 」 しかし社員たちには泣いてる子タブンネも寝てる子タブンネも関係ない ケージの中から手当たり次第に引っ張り出して次々とチェックを進めていく 子タブンネの中には全く汚れてなかったにも関わらずシートの上で仰向けにされたとたん恐怖で小便を漏らしてしまい、 股間を容赦無く濡れティッシュで拭かれて泣き叫んだというおバカな子もいた 途中で女子社員も加わり、ものの30分で子タブンネをケージから出す作業は完了したのであった 「ミィ? 」「ミィィ!!」「ミッミ、ミッミ…」 広い人工芝の上へと解放された子タブンネ達 最初はだだうろうろと右往左往するばかりであったが、 次第に四つん這いになって人工芝を穴を掘るかのように引っ掻くという行動をする子タブンネが増えてきた お腹が空いて草の根っこを掘り起こしてを食べようとしているのだ だが人工芝には根はないしどうやっても食べられはしない アローラのベトベトンなら食べるかも知れないが、生憎子タブンネの胃袋はそこまで強くはないのである http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/960
961: 名無しさん [sage] >泣きながら両手で股間を押さえ人工芝の上でのたうち回って激しく悶絶した 可愛いwwwそのスースーする股間にねりからしでもすりこんであげたいwww http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/961
962: 名無しさん [] ケージを畳んで片づけている最中、女子社員は子タブンネ達の空腹をいち早く察した 「タブンネさん達お腹がすいてるみたいです、朝ご飯をあげないと」 「いや、ちょっと可哀想ざんすけど朝ごはんは抜きざんす お客さまがおチビちゃんにエサをあげるのがこのイベントのキモざんすからね イベントが始まった時にお腹一杯で食べないなんて事はあってはならないざんす」 「でもさ、昨日の会議室みたいにお客様に一斉に群がられたら大変だよ 少しは何か腹に入れさせといた方がいいんじゃないですかな」 「ふーむ、それも一理あるざんすねぇ…」 体格のいい社員の提案にざんす男は少し考えた後、朝飯をどうするかを決めた 「嗜好性の低い餌を少しだけ与えるざんす これならおチビちゃん達も食べすぎることは無いざんすよ」 「嗜好性の低い餌 …ですか? 何が良いのでしょう?」 「自分が食品の部門を回って集めてきます」 「じゃあ餌の方はミナツ君(気が利く社員)に任せてその間に片付けを済ませちゃうざんす」 気が利く社員は会場から出て行き、残った三人はケージを畳んで台車に載せる作業を続けていく エサをねだって来る子タブンネ達の邪魔は入ったが作業は終わり 程無くして気が利く社員も緑色の中身が詰まったゴミ袋を両手にぶら下げて帰ってきた 「お、来たざんすね、 さーて今日のチビちゃん達のブレックファーストは何ざんすかね~」 「青果からの大根とカブの葉っぱとキャベツの外側の葉、 それと惣菜からの人参と大根のヘタと皮、おまけに三つ葉の根っこですね」 そう言いながら気が利く社員はゴミ袋を床に置き、1つずつ引き裂いて敷物のように広げた 会場の中心2つのクズ野菜の山ができ、その周りに青臭い匂いがむわっと漂う 人間には軽い悪臭としか思えない臭いであるが、数匹の子タブがその匂いに引き付けられて集まってきた 「ミィ…?」「ミミィ…?」「ミッミッ…」「ミミィ!」 餌だという事は分かったらしいがその反応は芳しくない 大根の茎を一かじりしただけでポイッと捨ててしまったり、 嫌そうな顔をしながらキャベツの芯の部分だけをもそもそと齧っている タブンネは植物系の物なら毒がない限りほぼ何でも食べるが 好物は甘みのある果実の類であり青臭い葉はあまり好まない それが味覚の敏感な子供ならなおさらだ 「ミフーッ!ミフーッ!」「ミィミィ!ミィィーッ!」 「あっ、喧嘩しちゃダメです!」 「まったく、ゴミ食うタブも好きずきってとこか?」 二匹の子タブンネたちが人参のヘタを取りあって喧嘩を始めた 辛い大根とカブ、臭いキャベツが大多数を占めるの朝食の中、 青臭さも辛味もなくわずかに甘みのある人参だけが唯一の希望なのだ 喧嘩をしている子タブンネ達は女子社員によって引き離され、 体格がいい社員が人参のヘタを二つに割って両者に分配し喧嘩は止まった やがて全ての子タブンネがクズ野菜の山に集まってきて野菜を食べ始めたが ほぼ全員が嫌々食べていて嬉しそうな顔の子タブは一匹もいなかった そして袋を開けてから三十分もしないうちに一匹、また一匹と野菜山から離れて行き 結局、気が利く社員が用意した餌はほぼ半分が食べ残されてしまった 「人参と三つ葉だけ無くなってるな、キャベツも見事に芯だけ食ってやがる」 「大根のアタマは一かじりしただけで止めちゃったみたいざんすね」 「昨日のカットキャベツは食べてくれたんだけど、外葉は苦くて食べられなかったみたいですね そもそも昨日ほどお腹が空いてはいなかったのかも」 食べ残しもそのまま包んで片付け、男性社員たちが一息ついている中 女子社員はメソメソと泣いている子タブンネを見つけ、屈みながら話しかけた 「これからお客様たちがおいしいご飯をたくさん持ってきてくれますから、楽しみに待っててください」 デパートの開店時間、すなわち「タブンネとあそぼう!Mi Mi パラダイス」の開催時間はすぐそこに迫っていた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/962
963: 名無しさん [sage] 深夜か早朝に新着レスがあると更新か?と期待してしまう http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/963
964: 名無しさん [sage] 食材の分際で食い物に好き嫌いを言うとは生意気な http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/964
965: 名無しさん [] それから最終確認も終わりいつでもお客を受け入れられる体制となった 現在午後9時45分、開店時間まであと15分 女子社員と気が利く社員は柵の中で子タブンネの管理とお客様への対応 ざんす男と体格がいい社員は裏方で物品の搬入とクレーム対応役割が分かれた 入場受付とレジ係は専門の店員が他の部門から特別に呼ばれて担当している 「テイツ君、ちょっといいかな」 「ん?何かあったざんすか店長」 「もう既にイベントが目当てのお客様が50人ほど入口に集まっているんだよ ドドッと入ってくるだろうから、受付が一人じゃあとても間に合わないよ」 「フェ?了解ざんす、それじゃヤマジ君、私たちも受付に入るざんす」 ざんす男と体格のいい社員は整理もそこそこに準備室を出て レジ係に事情を話しその横に入った 二人が受付の段取りを確認してるうちに開店時間の10時になり 開店を告げる放送とともに客たちがドッと押し寄せた 「えーと、あそこだ!」「うわー!すごいいっぱい!」「ね、ね、早く入ろ!」 男の声女の声、子供の声大人の声 さまざまな声がガヤガヤと混じり合い、多くの足音と共に会場へ近づいてくる 今までに見たことも聞いたこともないほどの大勢の人の群れに、 柵の中の子タブンネたちはブルルと身震いした 「ヤマジ君!お客さんを二列に並ばせるざんす!」 「はい!」 体格がいい社員は机の裏から抜け出し、メガホンを片手にお客さんを待ち構える ちなみにメガホンは気が利く社員が使いそうだな用意していたものである 「どうか走らずにカウンターの前に二列にお並びくださーい! タブンネは沢山ございますのでどうか焦らずに順番をお待ち下さーい」 「さあさ、入場はこちらで受け付けてるざんすよ、坊ちゃん兄ちゃんお嬢さん方 駆けず慌てず真っすぐに並んでチョーダイませませ!」 体格のいい社員の指示でバラバラだった客は二列に並び、 先頭の客がさっそく入場受付を始めている このイベントの一番最初の客は若いカップルであった 「ご入場ありがとうございます。こちらが場内のタブンネに与えるフーズとなります」 「へぇー、何かビスケットみたいだねぇ」「ねね、早く入ってあげてみようよ」 ここでこのイベントの詳細を説明しよう まず入場希望者が受付で入場料(200円)を払うと紙袋に入った餌が貰え それを持って場内に入り子タブンネたちにその餌をあげながら一緒に遊んで 気に入った子タブンネがいたらその場で購入が出来るという仕組みだ 入場者に配られる餌は直径10センチ程の煎餅型の餌が10枚 見た目はビスケットだがフルーツに似た匂いと味のタブンネ好みの餌だ デパート内のポケモンショップでも「ポケビスケ」という商品名で普通に売られている 無くなっても10枚100円で場内の係から追加購入も可能だ ショップで買えば50枚で300円なので結構ぼったくっている 注意事項もあり、タブンネを傷つける行為、会場以外で購入した餌を与えるなどの行為をした場合 軽微な時は注意で済むが悪質な場合は会場から退場させられてしまう http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/965
966: ショーケースの裏側で [] 場内の子タブンネの値段はどれでも1匹2万円。こちらは相場よりもだいぶ安く設定している さて、場内に入ったカップルだが、 彼氏は入ってみて改めて実感した子タブンネの多さに少々気押され、 彼女の方はどこを見渡しても愛くるしい子タブンネという状況に目を輝かせていた 一方子タブンネ達の方はというと、多くの人間の気配に怯えてしまい 逃げるようにおろおろと歩き回っていたり隅っこに固まって震えていたりと とてもお客さんをもてなせるようなムードではない 「・・・なんかみんな怖がってないか?」 「うん、でもとりあえず餌をあげてみよーよ」 物は試しと彼女は餌の端をサクッと折り、 近くでこっちを見ていた子タブンネの足もとに投げて落した 「ミッ!?」 何か得体の知れないものが突然自分に向って飛んできたものだから 子タブンネは驚いてぴょんと小さく飛び上がり そのま落ちた餌に背を向けてとてとてと逃げ出してしまった 「プッwクw」「あーw逃げちった」 餌を食べなくて残念という気持ちはあったが 子タブンネが逃げる時の滑稽な姿にカップルは思わず笑みが零れた 白い尻尾をフリフリと揺らしながら 短い脚をチョコチョコ動かして必死に走る姿はまるでオモチャのようだ 走っているはずなのに人間が歩くより明らかに遅いのも微笑ましい 「ミィー?」 さっきの子タブが逃げてから間もなく、他の子タブンネが餌に興味を持って近づいてきた 怪訝な顔をしながら両手で餌のかけらを拾い上げ 鼻に近付けて匂いを嗅いでからすぐにサクサクと齧り始めた この煎餅型の餌のかけらは子タブンネにとっては見たこともない物体で 会社の安フーズとも野生下での食物とも似ても似つかぬ外見だったが、 香料のお陰で匂いを嗅いでから餌だと判断するのに時間は要さなかった チャプチャプと舌を鳴らしながら美味しそうに咀嚼する音は周りの子タブンネの視線を集めた 「ミィ!ミィィィィィィ!!」「ミッミ!」 カップルが「あっ、食べてる」と喜ぶ間もなく 先ほど逃げて行った子タブンネがあの走り方で走って戻ってきた さっき飛んできたのが食べ物だと気づいて急いで戻ってきたのだ そして「それは僕のだぞ、返して!」と言わんばかりに 手の中の食べかけの欠片を引っ張って奪い取ろうとしている もちろん食事中の子タブンネも抵抗し、キーキーと奇声を上げての喧嘩に発展してしまった 「ミキーッ!!ミキーッ!!ビーッ」「ミッミギミィ!キピーッ!!」 「おー、チビなのにけっこう激しくバトるね」 喧嘩の最中に餌は砕けて散り散りになってしまい、 目的を見失って際限なくエスカレートしていくかに思えた 「喧嘩はダ~メっ!ほらほら、ごはんはこーこ」 「ミ!」「ミッ!」 しかし、見かねた彼女が餌を差し出すと子タブンネたちはぴたりと喧嘩を止め 喧嘩相手から手の上の餌へと視線を移す 拾い食いンネは見知らぬ人間を恐れて受け取るのを躊躇ってしまったが 逃げンネは差し出されたそれに迷わず食いついた http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58124/1404741040/966
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