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>>97 > その日 ─ いよいよ、夜が明けた。 > 大学入試の本番、寒空なんか、なんのその。 > 理紗は窓をカラリと開けて、大きく深呼吸、やるだけやった、もう悔いは無し! > 両親とは簡単に会話を済ませ、一路まっすぐ受験会場に向かう。 > > バスから眺める見慣れた情景も、この朝ばかりは、違う…何もかもが私の過去を、いや現在を無言で見つめている。 > かつて級友たちと談笑のひとときを共にしたあの喫茶店も、ピアノを学んだあの音楽教室も、いつも優しかったあの塾の先生も…。 > 何故かぽっと湧いてはそこはかとなく過ぎ去っていく、真っ白な情景が、窓の外に次々と。 > きゅん、と胸の奥が痛切に響く、しかし理紗は感傷に流されまいと、自身の心中に言い聞かせていた。 > > 一つ目の停留所からバスに乗ってきたのは、ああやっぱり…あの人! > 高校ではとうとう会話せず仕舞いだったけど、ずっとずっと憧れていた、俊一くん、東大狙いの本格派の人。 > 理紗は懸命に背を向けて、視線を交わすことを避けた。 > あなたは、あなた、私は私、今はともに頑張りましょう、とりあえず今は…。 > > 二つ目の停留所で、スタスタッと軽快にバスに駆け込んで来たのが、ああ、やっぱり、真司くん。 > 早稲田狙いの、ちゃんとした人。 > 「あっ、理紗ちゃん!やっぱりね!」だなんて、相変わらず元気な人、そして賢い人。 > 理紗は少しだけ照れ笑いを浮かべ、会釈した。 > もちろん真司も分別は有る、ちょっとおどけた仕草で手を振ると、決然とした表情になって背を向けた。 > 頑張ってね、いや、あなたはライバル、ともに頑張りましょう!と理紗はつぶやいた。 > > 三つ目の停留所では、明治を狙っている権三くんが懸命に駆けてきたが、バスに間に合わなかった。 > 「発車っす…」運転手の囁くようなアナウンス、無情にプシューと閉まるドア。 > 理沙が苦笑を押し殺しつつ最後部の窓から見下ろせば、権三は悲痛な表情に半口を開けたままバスを懸命に追いかけてくるのだった。
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