[過去ログ] 百合・レズネタ総合スレッド (592レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
431: [age] 03/03/18 13:51 ID:alT3hJ25(1)調 AAS
初めて同性の他人のまんこに触れる時の高揚感と衝撃を
瑞々しく描写してください。
432: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
433: 03/03/18 20:22 ID:LUztg8Ef(1)調 AAS
age
434: 383 03/03/20 11:50 ID:qu/3Kf5m(1)調 AAS
コピペされたΣ(´Д`)
435: 03/03/22 01:32 ID:Yp8/RuRF(1)調 AAS
またネタ投下。今度は自作(葉鍵ネタだが)。
2chスレ:erog

いままで書いたレズエロSSの中で一番長いかもしれん……。
長く書きゃいいってもんじゃないか……
436: (^^) 03/03/30 03:33 ID:s3qX3d9x(1)調 AAS
(^^)
437: 03/03/30 22:10 ID:dQRWbwnI(1)調 AAS
葉鍵板の女×女の痴漢もの。エロくて上手くてグー。
外部リンク[txt]:sscompe.tripod.co.jp
438: [age] 03/04/08 03:32 ID:Qi9kxjl6(1)調 AAS
保守age
439: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
440: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
441: 03/04/15 00:39 ID:eE02cAHX(1)調 AAS
 
442: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
443: 山崎 渉 [(^^)sage] 03/04/20 04:26 ID:xZEDicTO(1)調 AAS
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
444: 03/05/04 21:11 ID:WYPzv9hC(1)調 AAS

445
(2): 03/05/09 20:01 ID:TB+SK3Ui(1)調 AAS
『復讐の女神』はスルーですかおまいら。

外部リンク[html]:www.russel.co.jp
446: 03/05/11 14:54 ID:NeQTmBxZ(1)調 AAS
画像リンク

↑詳細キ本ぬ!!
447: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
448: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
449: 03/05/11 22:18 ID:CdYOiMVJ(1)調 AAS
(;´Д`)ハァハァ小倉優子のお宝画像が下記スレで発見された模様!!
2chスレ:girls
450: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
451: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
452: 03/05/12 04:51 ID:ESLx3hVN(1)調 AAS
スレ圧縮があったらしいが……広告に保守してもらったらしいなw

>>445
体験版やった時、俺が本スレに報告したような気が……
どっちにしても、本スレで振ったほうがよさげ。
453: 445 03/05/17 17:57 ID:Cvw96nFq(1)調 AAS
本スレも荒れてるような気がして、貼りに行く気がおきんのよ。
各所のマリみてスレもボロボロだし、ユリスキー受難の時節だあな、

じき安くなりそうだから、来月くらいにチェック入れるかな<復讐の女神
454: 03/05/23 02:15 ID:4c/MAjK4(1)調 AAS

455
(1): 03/05/24 23:23 ID:yHzhc2Au(1)調 AAS
>ユリスキー受難の時節

半分以上はユリスキーが自分で荒らしてるような気がする、経験的になんとなくw
我が強い……というか、目茶苦茶許容範囲が狭いうえに他罰的な
ちょっとおかしな人がけっこういるようだからなあ……このジャンル。
2chしか見ないからこのジャンルのそういう事情を知らなくて、
何度も(;´Д`)?って感じになったよ。
456: 03/05/24 23:58 ID:sZCld0rL(1)調 AAS
>>455
昔のやおいもこんな感じだったらしい。
内ゲバに精出してるうちが華、マターリ馴れ合いしはじめたらもう先が見えてる、
ってこった。
457: 03/05/25 01:56 ID:L2Rb2hBw(1)調 AAS
やおいと違って華といえるほど栄えてもいないのに、内ゲバしまくりってのもなあ。
そう言われても、本スレの荒れを促進したいとかも思わんしなあ。
458: 山崎 渉 [(^^)] 03/05/28 13:36 ID:84NJr9+u(1)調 AA×

459: [age] 03/06/10 04:54 ID:ju+AyuIm(1)調 AAS
age
460: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
461: 03/06/23 19:34 ID:VsCkBkAu(1)調 AAS
保守
462: 03/07/03 08:58 ID:a/YQpHff(1)調 AAS
 
463: 03/07/08 14:00 ID:7gUTDkWA(1)調 AAS
板内現存最古スレ
464
(1):   [sage  ] 03/07/11 14:38 ID:pmD/4Nck(1)調 AAS
話題が途絶えているし、あとで何か投下するかな。
465: 03/07/12 21:17 ID:ODfxBX8s(1)調 AAS
2003年12月1日で、スレ立て1000日目になる。
466: 03/07/13 07:58 ID:P9PAG60c(1)調 AAS
>464
ワクワク(゚∀゚)

俺も百合姉妹購入→その勢いでサフィズム再プレイで
なんかむらむらとレズもん書きたくなってるんだよなあ。
467: Dummy Lovers 03/07/13 16:58 ID:vYUQAg4t(1/4)調 AAS
「悪いけど、私付き合ってる人いるから。」
 裏門の前で、長身のショートヘアの少女が眼前の少年にさらりと言い放った。
 「付き合ってるって、、、ゃっぱり、あの噂。。。」
 「そうよ。あ、ちょうどいるわ。結香、こっちにおいで。」
 そう呼びかけると、部室棟のかげから小柄な、短めのポニーテールの少女が
姿を現した。
 「私のことが気になっていたの?結香。でも、のぞき見なんて悪い子よ。」
 「ご、ごめんなさい、竜子先輩。でも、私、、、」
 「紹介しておくわね。この子が私の恋人の結香。」
 「!」
 「ど、どうも、、、」
 「じゃ、じゃあ、噂は本当だったのか。。。」
 二人は、ショックに立ち尽くす少年に、ごきげんようとだけ声をかけ、その
まま去っていった。
468: Dummy Lovers 03/07/13 16:58 ID:vYUQAg4t(2/4)調 AAS
 「お疲れさま、結香。」
 人気のない女子バスケ部部室に入ると、背の高い少女、滝沢竜子が口を開いた。
小柄なポニーテールの少女、水城結香がおずおずと質問する。
 「あの、、、噂って。。。あれからまだ一週間も経ってないのに、私達のこと、
  もう広まってるんですか?」
 「だって私が広めるようにしたんだもの。友達に話したりとか、ほら。」
 竜子は携帯の待ち受け画面を見せる。そこには結香の写真が表示されていた。
 「げっ」
 「なにがげっ、よ。ラブラブぶりをアピールしなきゃ意味ないでしょう?
  ほら、今送るから結香の携帯にも私の写真入れて。」
 「あう、、いえ、嬉しいですけど。。。やっぱりこういうの恥ずかしいですよ、
  先輩。」
 「さっきもだけど、また先輩って言ったわね。私のことはお姉様と呼びなさい
  って演技指導したでしょう?ほら。」
 「い、いわなきゃだめですか?」
 「だめ。お姉様って言ってみなさい。」
 「なんか、そこまですると回りに引かれそうなんですけど。」
 「何言ってるの。その位やっておかないと、馬鹿な男には理解できないのよ、
  私に言い寄っても無駄だって。ほら。」
 「お、、、お、、おねえさま、、、、」
 口ごもりつつも呼びかける結香。その舌の痺れそうな単語を発したとたん、
彼女の心臓と脳は甘やかな恥ずかしさでいっぱいになった。
 「ふむ、まあいいわ。私のいない場所でもちゃんとお姉様って言うのよ?」
 「あうう、、な、なるべく努力します。」
 「明後日の日曜日はデートしてあげるんだから、今週はあと二日、頑張って。
  それじゃまた、部活でね。」
 「わわ、、、はい、はい!」
 デートという餌をちらつかされて、先程までの気恥ずかしさはどこへやら、
結香の顔ははとたんに明るくなった。竜子はそれに微笑を返すと、ショート
ヘアの後ろに伸ばしているしっぽ状のおさげをひるがえして部室を出ていった。
469: Dummy Lovers 03/07/13 16:59 ID:vYUQAg4t(3/4)調 AAS
 「あらあら、そんなうれし恥ずかしいプレイを強要されたんだ。」
 教室の片隅で結香の報告を聞いた親友の斎藤郁美が小声で冷やかす。
 「な、なによ、プレイって。」
 「だって結香もまんざらじゃないんでしょ?」
 「ううっ、、、そ、それは、、、え、えーと、郁美は友達甲斐がないよっ。
  こういう時は、先輩はあなたの気持ちを利用してるだけよーとか、あなたは
  番犬じゃなくて人間なのよとか忠告してくれるのが親友てもんじゃないの?」
 「おやおや。友達でも利用されるだけでも何でもいいからとにかく付き合って
  うやむやのうちに情を移させてなしくずしで本当の恋人になっちゃおう、
  って狙いの人に、私、そんな野暮は言わないわ。」
 「あううう、、そ、その作戦を教えてくれたのは郁美じゃないの〜。」
 「そうだっけ?」
 「そうよ、私が先輩に告ろうかどうしようか相談したときよ〜。」
 「ま、いいじゃん。それより日曜日、デートだって?どこ行くの?」
 「え、えへへ、あのね、、、」
 とにかく、デートの話題を振られたとたんに今までの皮肉の応酬を忘れて、
にやけながら日曜日の予定と妄想を語り始める結香だった。
470: Dummy Lovers 03/07/13 17:00 ID:vYUQAg4t(4/4)調 AAS
 翌日。今日が終わればデートという昼。
 「午後、戦闘OK?」
 結香の携帯に竜子からのメールが入った。またしても言い寄られたとのこと。
今度の相手は3年生で、真面目な優等生だが思い込みの激しいタイプらしい。
 「それにしても先輩、何でこんなひっきりなしにもてるんだろ、男女問わず。
  そりゃ、背高いし、プロポーションいいし、明るいし、美人だけど♪」
 「いや、美人じゃないわよ。」
 「なによ、郁美。先輩は美人よ!」
 「本当に美人だったらかえって男は恐れをなしてよってこないもんよ。滝沢
  先輩は並の上くらいだし、派手でもないから、イケルと思ってみんな言い
  寄ってくるのよ。」
 「失礼ね、先輩は美人だってば」
 「はいはいわかった。美人美人。で、なに?また悪い虫を駆除しに行く訳?」
 「うー、まあそうだけど、ちょっと気が重いよ。」
 「終わったら頭なでてもらえるんだからいいじゃない。番犬上等。」
 「あ、人に言われるとなんかむかつく。」
 「ほらほら、早くお姉様のところへお行き、ポチ。」
 「うー、がるるる」
471: Dummy Lovers 03/07/13 17:08 ID:gXupJ2Kq(1/2)調 AAS
 「君は女として間違っている!」
 その男、黒岩丈一郎はいきなりそう主張した。
 「女は男と結婚し、子供を産んで育てるのが生物学的にも正しい!」
 「男女の性の健全な結び付きが正しい社会を構成する基本単位なのだ。君達の
  ように、一時の欲望に任せた異常な人間が増えてはびこっているのが、今の
  日本をおかしくしているんだ!」
 彼は、あっけにとられる竜子(と物陰で出番待ちの結香)に向かって自信に
満ちた態度でまくしたてた。見た目は背の高いさわやかなスポーツマンなのだが、
言っている内容がなにやらきな臭い。
 (そういえば、あの人の家ってなんかの信者だとかだれか言ってなかったっけ。 
 それで見かけとは裏腹に女の子に敬遠されがちとかなんとか)
 「今ならまだ間に合う。僕と交際しなさい。そうすれば、僕が君を人として、
  正しく導いてあげよう」
 「い、いきなり何いってるのよ。誰が誰を好きになろうと勝手でしょ。自分
  でもどうにもならないものなのに、他人が指図しないでよ。」
 「それが間違っているといってるんだ。正しい相手を選べば必ず幸せが訪れ、
  世界もその分幸せになる。いくら好きでも間違った相手を選んだら絶対に
  幸せになれないし、それは世界を混乱させていく!」
 (うわあ、この人電波だーっ)
 結香がそう思ったのと同時に竜子が切れた。
 「教祖の洗脳鵜呑みにして自分の頭で考えれない奴が偉そうに説教してんな!
  正しいとか間違ってるとか、やりたいだけの猿が理屈つけてんじゃねえ!」
 竜子が言い終わるか終わらないかのうちに、黒岩が女が口応えするななどと
叫びながら掴みかかってきた。結香はあわててものかげから飛び出す。
 「やめて、やめてください!!」
 「お前!お前が竜子を惑わせたんだな!この売女が!」
 「あんたの相手はあたしでしょうが!結香、離れて、、、痛っ!」
 「わ、私、先生呼んできます!」
 「待て!!この魔女!」
472: Dummy Lovers 03/07/13 17:08 ID:gXupJ2Kq(2/2)調 AAS
 その日の午後は台なしだった。黒岩は追って処分、二人には罰こそなかった
ものの、事情聴取され、説教を聞かされた揚句に何やら二人の関係におかしな
噂があるようだが、とねちねち釘を差された。予定していたバスケ部の練習も
中止し、疲れ果てて帰宅した結香の携帯が鳴る。
 「もしもし、、、わ、竜子先輩」
 疲れは一瞬で吹っ飛んだようだ。
 「お姉様っていいなさいっていったでしょ。それはそうと、今日は災難だった
  わね。ごめんなさい、こんな目に遭わせて。」
 「いえ、先輩、、いやお、お姉様こそ、ケガとか、大丈夫ですか。」
 「全然平気よ。それより結香、まだ私と続ける?今日みたいな危ない目にまた
  遭うくらいなら。。。」
 「へ、平気です、全然!!わたし、こんなこと位で。先輩の役に立ちたいん
  ですから!!」
 「そう、でも、、、」
 「それよりあした、デートですよね!」
 「そうね、約束のデートが先よね。気も晴れるだろうし。」
 「ぱーっといきましょうよ、ぱーっと。で、どこで待ち合わせましょうか?」
 「待ち合わせ?学校から直で行けばいいんじゃない?自主トレ来るでしょ?」
 (わ、忘れてた。。。)
 「今日は練習できなかったんだから、あしたはその分頑張らないと。それは
  そうと、、、」
 その後たわいもない会話がしばらく続き、おやすみなさいと通話は切れた。
 (練習かあ、、じゃあ制服着ていくしかないなぁ、初デートなのに。。。あ、
  今日でちょうど一週間かあ)
 結香はベッドに寝転がり、竜子との関係に至るまでの先週の出来事を回想した。
473: Dummy Lovers 03/07/13 17:20 ID:u8YGZ8R7(1/2)調 AAS
 先週の土曜日、部活の後、結香はあらんかぎりの勇気をふりしぼって竜子に
告白したのだった。竜子は2年生で、女子バスケ部のレギュラーだ。175cm
の長身、きつ目のどこかしら猫科の肉食獣を思わせる雰囲気、荒いがさばさば
した、それでいて面倒見のいい性格といった点が相まって、男子のみならず女子
にも絶大な人気がある。女子バスケ部には彼女目当ての入部も多い。そして、
男子も女子も片っ端から言い寄っては振られまくっていたのだった。

 結香の告白に対する竜子の反応は冷たかった。弱小な女子バスケ部では練習
熱心な部員は少数で、土曜日ともなるとレギュラー以外はほとんど参加しない。
竜子目当てのミーハー部員も土日まで追いかけで練習し続けるような根性はない
のが大半だ。結香はその例外的な一人で、竜子には熱心な後輩として可愛がられ
ていた。だから結香も多少は期待して告白したのだが、「そう。残念だわ。」と
だけ言って顔色ひとつかえずさっさと帰ってしまったのだ。
474: Dummy Lovers 03/07/13 17:21 ID:u8YGZ8R7(2/2)調 AAS
結香はその晩は食事もとらず、泣きあかしたのだが、翌日の日曜日には、意を
決して朝から部の自主トレをしに学校に行った。自主トレといっても、弱小の
悲しさ、最近は竜子と結香の二人きりというのが常で、その日もそういう状態
だった。結香が一人で柔軟をしていると、あとから竜子が登校して来た。
 「私、あなたと付き合う気はないわ。昨日はっきりいわなくて期待させたなら
  悪かったけど。」
 「いいんです。私、先輩に自分の気持ちを伝えられて、その、、、後悔して
  ませんから。」
 なおも練習を続けようとする結香に竜子は言った。
 「だから、もう帰っていいわよ。無理に自主トレ出なくても。」
 「え?私、これからも練習しますよ。今まで、確かに先輩目当てで練習出て
  ましたけど、でも先輩に振られたからってやめませんよ。」
 結香は竜子に向き直って胸を張った。
 「振られるのはしょうがないですけど、でも、それで、部活やめたりさぼっ
  たりしたら、先輩、軽蔑しますよね。私、それだけは我慢できないんです。」
 竜子の昨日の不機嫌は、唯一の練習熱心な後輩すら自分目当てだったという
勘違いによる、失望の気持ちからだった。竜子は素直に結香の強さに感心した。
 「。。。ごめんなさい、私、あなたを見くびってたわ。じゃあ、これからも
  みっちりしごいてあげる。いいわね、結香。」
 「はい、先輩!これからもよろしくお願いします。」
 竜子の瞳をまっすぐに見つめ、結香は勢いよく返答した。
475: Dummy Lovers 03/07/13 17:30 ID:nVKSpZAd(1/2)調 AAS
 練習の後、部室で着替えながら竜子は少し聞いてくれる?と切り出した。
 「実はね、私、好きな人がいるの。片思いだけど、すごく好きな人が。」
 そんな情報は初耳だった。秘密を打ち明けられたようで、結香は嬉しくなった。
 「え、そうなんですか。どんな人なんですか?」
 「ふふ、秘密。でも、その人以外にはだれも考えられない位好き。」
 「それで片っ端から男の子振ってるんですね。」
 「ええ。だって鬱陶しいだけなんだもの。」
 「私、先輩のこと、応援しますよ。がんばってください。」
 「ありがとう。嬉しいわ。」
 「先輩のためなら、できることなら一肌でも二肌でもぬぎますよ。」
 竜子は少し考え込み、会話が途切れた。
 「さっきのことだけど。」
 「やっぱり考えたんだけど、それでもかまわないなら、私、結香と付き合っ
  てもいいわよ。」
 「え、あの、それって?」
 「私には外に好きな人がいるけど、それでも結香が私のことを諦めていない
  なら、付き合うわよ。」
476: Dummy Lovers 03/07/13 17:30 ID:nVKSpZAd(2/2)調 AAS
 飲み込めていない結香にさらに語りかける。
 「というか、取引しない?結香は表向き私の恋人になって、うっとおしい男共
  をあきらめさせる。そのかわり、私は結香のしてほしいことをしてあげるわ。
  デートとか。一緒に登下校とか。」
 一見おいしそうではあるが、あまりピュアとはいえない申し出に、結香は少々
複雑な気分になった。
 「取引、、、ですか。」
 「そうよ。一方的に利用するつもりはないわ。」
 「でも、なんで私なんですか?うれしいですけど、でも、付き合ってる振りを
  するなら男の子の方が、、、」
 「だめよ、男はすぐ勘違いするんだから。結香なら、いままで部活で見てきた
  から信用できると思って。あなたじゃなかったらこんな話しないわ。」
 悪くはない、と思う。期待されてるし。楽しむこともできそうだ。でも。
 「先輩の心まではもらえない、ってことですよね。」
 「私だってそれができたらどんなに。。。いや、それよりどうするの?今、
  ここでイエスと言えば来週の今頃は私とデートよ?」
 結局、結香はその即物的な誘惑に負けて取引を受け入れ、そして二人の奇妙な
関係が始まったのだった。
477: 03/07/14 01:38 ID:ygYi/Dl9(1)調 AAS
おお、来たー! 一風変わった設定だね。楽しみ。
478: 03/07/14 12:36 ID:3MIwjcKg(1)調 AAS
dokidoki
479: Dummy Lovers 03/07/14 12:53 ID:t1druNMh(1/3)調 AAS
 「さて、おのろけを聞かせてもらおうじゃないの。」
 その夜、郁美が電話をかけてきて、いきなりそう言った。
 「い、いや、そういわれても。」
 「何いってんだか。念願のデートだったんでしょ?」
 「そうだけど。。。でも、デートっていっても特別な出来事とかなかったし。」
 「本当に?」
 「うん。制服だったし。二人で外食なんて、これまでもしてたし。」
 「それだけ?」
 「まあ、手つないで歩いたり、公園でひざ枕で昼寝とかは、割とデートっぽい
  のかなぁ。」
 デートは、前日までの期待とは裏腹に、大変まったりとしたものだった。
 竜子は何やら睡眠不足だったらしく、メインイベントは昼寝になってしまって
いた。結香がこっそりと、眠っている竜子のしっぽ状おさげを弄んだのは極秘だ。
 「ひゅーひゅー、こいつはお熱いこって。」
 「なによ、ひゅーひゅーって。」
 「それは初デートとしては上出来なんじゃないの?ひゅーひゅー。」
 「そ、そうかな?」
 「そうよ。普通は映画とお茶とかで無難路線で終わりよ。だってのに、手繋ぎ
  だのひざ枕だの、スキンシップOKだなんて竜子先輩も案外まんざらでもない
  んじゃない?ひゅーひゅー。」
 「えー、で、でも先輩は私とは本気じゃないんだよ?」
 「何言ってるのよ。竜子先輩はあなたに油断してるんだから、その隙をついて
  押して押して押し倒して本気にさせるのよ。来週あたり、唇奪っちゃえ!」
 「こらこら、無茶言わないでよっ。」
 こうして、だべりの夜は更けていった。
480: Dummy Lovers 03/07/14 12:54 ID:t1druNMh(2/3)調 AAS
 さて、翌週はさしたる事件もなく、結香の出番は1回、それも顔見せだけで
済んだ。平穏無事な学園生活で、それなりに楽しい1週間だった。
 週末のデートも前回とさして変わらぬ内容で、郁美の過激なアドバイスの甲斐
もなく二人の仲には進展はなかった。
 日曜夜、帰宅した母が結香に尋ねた。
 「何か変わったことはなかった?変な人とか。」
 「別に何もないけど、どうかしたの?」
 「ならいいんだけど。朝ね、郵便ポストにいたずらされてたものだから。」
 「いたずら?」
 「今週の金土は私もパパもいないでしょ。ちょっと心配だわ。そうねえ、結香、
  おじさんの家にでも泊まる?」
 「平気よ、子供じゃないんだから。」
 「でもねぇ」
 「そんなに言うなら、誰か友達に来てもらうわ。」
 「まあ、それでもいいかも知れないけど、戸締まりはしっかりするのよ。」
 「もう、心配性なんだから。」
 さて、あとは誰を呼ぶのかが問題というわけだが。
481: Dummy Lovers 03/07/14 12:54 ID:t1druNMh(3/3)調 AAS
 「そういう話は、真っ先にいとしの竜子先輩にするべきなんじゃないの?」
 翌日、まずは無難に郁美に話を持ちかけた結香だったが、あっさり窘められて
しまった。郁美が「いとしの」を強調したせいか、回りのクラスメイトの何人
かがこちらに視線を向けてくる。
 「ちょちょっと大声出さないでよ。。。」
 「お泊まりなんて、既成事実を作る大チャンスじゃないの。ここで先輩を呼ば
  なかったら、あんた一生ポチのまんまよ。」
 「ば、ばか、、、何よ既成事実って。それに、うちボロ家だから先輩呼んだら
  恥ずかしいよ。」
 「そんなの掃除でも飾り付けでも何でもすればいいでしょ。兎に角、デートと
  いいお泊まりといい、こんなにぽんぽんイベントが発生するなんて、これは
  結香の恋愛運に確率変動が発生してるって事よ。ここで一気に攻め落とさな
  きゃ。」
 「いや、だからね。。。」
 偽装カップルなんだから、他に好きな人がいる先輩がそこまでしてくれる訳ない
じゃん、と言葉が出かけたが、口に出してしまったらすごく悲しくなりそうな気が
して飲み込んだ。とにかくだめもとでチャレンジと主張する郁美に、まあ、考えて
おくわとかなんとか、言葉を濁したところで授業開始のチャイムが鳴った。

 授業中、結香はその事について鬱々と考え込んでいた。ただの先輩後輩ならいざ
知らず、一方的に恋愛感情を持ってると分かっている相手の家に泊まるなんて、
普通しないだろう。勿論、仮に先輩とお泊まりすることがあっても、結香には何も
する気はない。だが竜子にしてみたら、そんなのは飢えたライオンの檻に入るよう
な気分だろう。下心があろうが無かろうが、お泊まりしませんかとか、いや、家に
誰もいないんですなんて言うことですら、竜子の信頼を損ねるに違いない。
 (やっぱり先輩にだけは言うべきじゃ無いよね。)
 そう結論を出して、この件についてはそれ以上考えないことにした。
482: Dummy Lovers 03/07/14 12:59 ID:vdH4/Gdn(1/2)調 AAS
 「ところで結香、最近変なこととか起きてない?」
 部活後の下校の道すがら、竜子が話を振って来た。
 「いえ、別に。。。。」
 「ならいいんだけど。」
 「うちのポストにいたずらがあったくらいで。」
 「いたずら?どんな?」
 「え?さぁ、、、見つけたの母なんですけど、何だか言わなかったなあ。」
 竜子はしばらくまゆをひそめ考え込んでから、言った。
 「少しゆっくり話したいこともあるし、週末、結香の家に泊まりに行くわ。別に
  問題ないでしょ?」
 「え、、、、ええええええーっ!?」
 脈絡無く飛び出したお泊まり話に結香は戸惑った。
 「結香の友達の斎藤さんに言われたのよ。結香の家、今週末は親いないから、
  つきあってるなら泊まりに行けって。」
 「い、郁美がですか?、、、もう、勝手なこと〜」
 真っ赤になった結香に、竜子が追い撃ちをかける。
 「別にいいじゃない。それより、私としては結香が直接誘ってくれなかったこと
  のほうが不満よ。結香の私への気持ちはその程度のものなのね。」
 「ちちち違います!わたわたし、ただ、、、」
 「うふふ、冗談よ。でも、お泊まり会なんて随分久しぶりだから楽しみ。」
 あわてふためく結香をからかう竜子だが、どういうわけか警戒している様子が
まるで無い。ライオンの檻に入るという自覚は無いのだろうか。おそるおそる、
結香はその疑問を口にした。
 「でも、先、、、お姉様、うちでお泊まりなんて、本当にいいんですか?」
 「何か都合でもあるの?それなら止めるけど。」
 「いえ、あの、、、だって私と二人きりですよ?その、、、、私が、何かする
  とか、思わないんですか?」
 「ぷっ。。」
 その瞬間、竜子は吹き出し、そしてその場にしゃがみこんで身体を震わせて笑い
出したのだった。
483: Dummy Lovers 03/07/14 12:59 ID:vdH4/Gdn(2/2)調 AAS
 (ああああ、なんか大変なこと言っちゃったような。。。)
 帰宅後、結香はあの後さんざん竜子にからかわれ、ついとんでもないことを口走
ってしまったのを悔やむ。
 「あ、あんた、私を襲うつもりだったの。。。ぷぷっ。」
 「襲うなんて、わたし、そんなこと考えてないですっ。大体なんでそんなに笑う
  んですかっ。」
 「だ、だってさ、、、くぷぷっ。。。」
 確かに、考えて見れば、結香が20cm以上もの身長差のある竜子を襲うなど、どう
にも滑稽な図になることだろう。それ以前に小柄でたれ目で愛玩動物タイプの結香
は「襲う」という言葉とは大変なギャップがある。現実的にも、高校に上がって
から運動部を始めた結香が、ずっとバスケを続けてきた竜子を襲うのは体力的に
まず不可能だろう。
 「ま、襲えるものなら襲ってごらん。」
 「あーっ、馬鹿にしてる!!襲う!!絶対襲うんだから!!」
 「ぷぷっ、、、ま、楽しみにしてるからね。」
 恋愛感情を告白したのに、可愛い後輩としか見られて無いのは喜ぶべきか、
悲しむべきか。結香は身もだえながらも幸せな眠りに就いた。
484: Dummy Lovers 03/07/14 21:01 ID:lg1C+5WK(1/3)調 AAS
 事件は翌朝起きた。結香は、登校して下駄箱を開けた瞬間に自分の目に見えた
物が何なのか理解できなかった。下駄箱の中がどこか異世界につながっているかの
ような錯覚さえあった。数秒かかってようやく現実を認識した結香は、悲鳴を上げ
る気力も無くその場にくずおれた。

 赤。
 赤。
 赤。

 結香の下駄箱の内側は上履きごと鮮紅に染められていた。

 「さて、楽しくなって来たわ。」
 現場にちょうど居合わせた郁美は手際よく教師を呼び、結香を保健室に連れて
行き、返す刀で竜子を呼んで保健室に見舞いに行かせてから、にやりと笑った。
おなかの真ん中にどきどきするような、むずむずするような感覚の塊があって
それが四肢に広がって行く。ネットゲームでPKしたり、掲示板を荒らしたり
する時と同じ感覚だ。見えない相手に知恵比べ(?)を挑むときのこの高揚感
こそ、郁美が何より好むものだった。友人の精神的ケアも片付けたことだし、
これで心おきなく探偵ゲームを楽しむことができる。
485: Dummy Lovers 03/07/14 21:02 ID:lg1C+5WK(2/3)調 AAS
 「まずは物証を押さえますか。」
 郁美が向かったのは学校のゴミ置き場だった。空缶分別ボックスを覗き込む。
ラッキーなことに、それは一発で見つかった。状況から見て、犯人が直接ここに
ほうり込んだと思って間違いないようだ。携帯のカメラで写真を撮ってから、
回りの空き缶と一緒に持って来たポリ袋にそれをい入れる。それはジュース缶より
小さい赤のスプレー缶だった。
 「次は犯人のプロファイリングね。」
 赤は本物の血ではなくペイントだったが、ただのいたずら、嫌がらせではここ
まではしないだろう。犯人の害意、殺意すら感じられる。竜子がらみで結香を快く
思っていない人間はそれなりにいるだろうが、これほどまでに強烈な憎悪を抱く
者はかなり限られてくるはずだ。突き止めるのはさして難しくないが、問題は
犯人にどうやって犯行を自白させるかだろう。指紋鑑定ができるわけでも、逮捕
して取り調べができるわけでもない学生の探偵ごっこレベルでは、現場を押さえる
か、よほど強力な証拠を入手するかしない限りとぼけて逃げられる可能性が大だ。
 「ま、そのほうが落としがいがあるんだけど。」
と不敵な笑みを浮かべ、郁美は授業にいったん戻ることにした。
486: Dummy Lovers 03/07/14 21:04 ID:lg1C+5WK(3/3)調 AAS
 「結香!」
 竜子は保健室に血相を変えて飛び込んできた。結香はベッドに寝てぼうっとして
いたが、ゆっくりと状態を起こして笑顔を作った。
 「あ、先輩。平気ですよ、全然。」
 「馬鹿!何いってるの、そんなわけないでしょ。」
 「ちょっとびっくりして腰抜けただけです。大袈裟ですよ、そん、、げほっ、
  うっ、、あ、、あれ、、変だな、、平気ですってば、、、あ、先輩。。。」
 平気、と言いながら、結香はぼろぼろと涙をこぼし始めた。竜子は無言で結香を
抱き締める。
 「平気、、うっ、、平気ですから、先輩、、、ううっ、、やだな、恥ずかしい
  じゃないですか、ううっ、、、それより授業でしょ、、、」
 30分ほどして、ようやく結香が落ち着いた。竜子は彼女を抱き締めたまま、
ささやくように話した。
 「ごめんね、結香。私のせいでこんな目にあわせて、本当にごめん。」
 「先輩は悪くなんかないですよ。私も平気ですってば。むしろ、先輩に抱きつか
  れてラッキー、なんちゃって。」
 「。。。。。。あのね、結香。」
487: Dummy Lovers 03/07/14 21:05 ID:veyjLjrj(1)調 AAS
 竜子が言わんとするところを悟り、結香は激しく否定した。
 「私、辞めませんからね、絶対に!」
 「結香、、、聞いて。私のせいであなたを危ない目に合わせたくないの。」
 「いやです!私、あんな卑怯な人には死んでも負けません!」
 「ゆ、結香。。。」
 結香は竜子から身体を離すと、目を見つめて言った。
 「私、もう覚悟決めましたから。悪いけど、お姉様も命賭けてもらいます。」
 後輩の強気な後先顧みない発言に、竜子は内心とまどい、そして頼もしさを
おぼえつつも呆れた口調で言った。
 「あ、あんたねえ、、、勝手に人の命賭けないでよ。」
 「う、だめですか?お姉様、やっぱり。」
 「ま、いいわ、言ってもきかなさそうだし。それに、本当は私もめちゃくちゃ
  むかついてたから、一人でやるつもりだったのよ。こうなったら二人で犯人を
  とっつかまえてやりましょ。」
 「そうこなくちゃ。それでこそお姉様。女子バスケ部の雌豹、滝沢竜子!」
 「。。。勝手に変な称号つけないで。それより、どんな作戦なの?」
 「え、作戦なの、ですか?」
 「そうよ。私の命賭けるんでしょ、その作戦に。」 
 「う、、、あの、、、ごめんなさい。勢いで言っただけで。。。何にも考えて
  ませんでした。」
 「あなたねぇ。。。」
488: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
489: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
490: 山崎 渉 [(^^)] 03/07/15 08:40 ID:IBZIc0Wm(1)調 AA×

491: Dummy Lovers 03/07/15 12:30 ID:VqgUwXsh(1/3)調 AAS
 夕刻、作戦会議と称して結香と竜子、それに育美は駅前の喫茶店に集まった。
 「私の諜報活動の結果では、犯人は3年の黒岩丈一郎の線が濃厚ね。」と育美。
 「でしょうね。あいつ、あれから私のところに来たもの。」
 「ええっ?で、どうしたんですか、お姉様。」
 「今までの非を謝罪して自分と交際しろって。そうすれば守ってやるとかなん
  とか。怒りで目の前が真っ赤になるなんて初めて経験したわ。」
 「先輩、お前が犯人だろとか、余計なことは言いませんでしたよね?」
 「気が付いたら顔面に正拳突き入れてた。」
 「あちゃー。。。火に油注いでどうするんですか、先輩。」
 「さすがですお姉様!!熊殺しの竜子は伊達じゃないですね!!」
 「だーかーらーその変な称号はやめてよ、結香。」
 横道にそれる二人に郁美が口を挟んで本筋にもどす。
 「それで、作戦ですけど。」
 「うん」
 「黒岩がスプレーしてる現場を押さえます。」
 「シンプルね。そんなにうまく行く?もうしないかも知れないじゃない。」
 「いや、あいつはまだスプレー持ってるはずです。ほら。」
 育美はポリ袋に入れた証拠のスプレー缶を示した。
 「犯行に使われたのは、駅前DIYで5個セットで売ってたやつでしたからね。
  だとするとまだ手元に何本か残ってるはず。」
 「手回しいいわね。。。。」
 「で、奴が次に動くとしたら明後日ですね。」
 「なんで?」
 「時間割を確認したら、明後日の4限、うちのクラスが体育の時、奴のクラスは
  化学で教室移動になってます。その移動の隙を突いて、結香の机かなんかに仕
  掛けると見ました。そこを張って証拠写真をとってやろうかと。」
 「うーむ、おそるべし斎藤郁美。」
 「結局私の机は汚されちゃうのね。」
 「んー、ちょっと止めようがないわね。ま、あきらめて。」
492: Dummy Lovers 03/07/15 12:30 ID:VqgUwXsh(2/3)調 AAS
 郁美の作戦は失敗した。時間も攻撃目標も全然違ったのだ。
 「こっちをやられたか。」
 「部室の戸締まり、ちゃんとしないとね。」
 作戦会議の翌日夕方、部活動の隙を突いて、部室の結香のロッカーが赤く染め
られたのだ。結香は今回はショックを受けはしなかったが、無言で立ち尽くして
いた。持ち物を汚されたことより、犯人の害意より、他の部員の同情と恐怖の
入り交じった視線が痛かった。結香はそっとよりそう竜子につぶやく。
 「私、負けませんから。」
 「分かってる。」
 結局、教師による事情聴取が終わり結香が解放されるまで1時間ほどかかった。
ロッカーはすぐには直せず、しばらくは赤く塗られたまま封印されるようだった。
 「勝負に出た方がいいかも。」
 事情聴取から解放された二人の前にひょっこり姿を現した郁美が言った。
 「とりあえず、写真は撮れましたから。」
 デジカメには、不燃物置き場に何かを捨てる黒岩が写っていた。
 「うわ、よく撮れたね。」
 「これをつきつければ、自白を迫れるか。。。」
 「でも。」と郁美。
 「やるのはあしたにしましょう。もうすこし調べたいこともあるし。」
 「それに、迷惑受けたのあなた達だけじゃないんだから、あしたの放課後、
  部室に呼び出してケリをつけましょう。みんなのまえで。」
 竜子もゆっくりとうなずいた。
 「分かったわ。部長とかには話をつけておくから、あいつを手紙かなにかで呼び
  出してちょうだい。」
493: Dummy Lovers 03/07/15 12:31 ID:VqgUwXsh(3/3)調 AAS
 翌日。日中はさしたる変事もなく過ぎ、問題の放課後。
 赤く塗られたロッカーの前で、結香達3人は黒岩と対峙した。他のバスケ部
部員は部室の外から、やじ馬と一緒に固唾を呑んで成り行きを見守っている。
 「いいかげんにしろ、お前ら!」と荒々しい口調で黒岩が脅すように言う。
 「自分たちの非を認めて、俺にかけた迷惑を謝罪するどころか、犯人あつかい
  だと?ふざけるな。誹謗中傷するなら出るとこ出たっていいんだぞ!」
 「あなたは先週の喧嘩の件で1週間の停学を受けた。これは十分な動機でしょ。
  それにアリバイもない。」
 「だからなんだっ!!証拠があるのか証拠が!!そんなことでだれが納得すると
  思ってるんだ!!」
 わめき散らす黒岩に、廊下のギャラリーが引く。だが、郁美は平静に続ける。
 「証拠ねえ。この写真はどう?昨日の事件直後なんだけど。」
 写真には、学校の不燃ゴミ置き場に何かをほうり込んでいる黒岩が写っていた。
 「この写真の後、ごみ置き場からこのスプレー缶が見つかったのよね。」
 と、証拠その2の使用済みのスプレー缶を取り出す。だが黒岩の反応はそのまま
だった。
 「は!それがどうした!!ただの偶然だろう?それとも、俺がジュースの缶を
 捨てては悪いとでもいうのか?ふざけるなよ。」
 開き直る黒岩。だが、ギャラリーの方はざわめいている。それを見て嫌疑十分と
みているのだろうと郁美は思った。切札を投入するタイミングだと結香に合図する。
494: Dummy Lovers 03/07/15 12:32 ID:d6h8pjni(1/3)調 AAS
 「人をなめるのもいいかげんにしろよ。これ以上ふざけたことを言うなら、
  裁判所に訴えてもいいんだぞ。」
 強気に迫る黒岩に、今度は結香が切り出す。
 「まあまあ、黒岩さん。ちょっと落ち着いてくださいよ。」
 「ふん、落ち着いてるぞ、俺は。」黒岩は不快そうに顔を歪めて続ける。
 「俺は忙しいんだ。話が済んだのなら帰るぞ。」
 「分かりました。でも、あとちょっとだけ、付き合ってくださいよ。もう黒岩
  さんを犯人扱いしませんから、現場の確認だけ付き合ってくださいよ、ね?」
 「ち、まあいいだろう。これまでの無礼は大目に見てやる。」
 「ありがとうございます。では。」
 と、話を始める。
 「これがそのロッカーです。昨日の今頃、そのスプレーで中の荷物ともども、、
  塗られました。」
 「ふん、お前らが不埒なことをしたから天罰でも下ったんじゃないのか?」
 挑発に竜子はぴくぴくと眉をふるわせるが、結香は平然と続ける。
 「この部室は、よくカギをかけ忘れられてるので、犯人は内部のものなのか
  どうかは分かりません。そして犯人の手掛かりは、このロッカーとその
  スプレー缶だけです。」
 「それで、終わりだな。帰るぞ。」
 「と、思ったんですが。」
 その言葉に反応するかのように拳を固めた。
 「そこの床を見てください。」と結香はロッカー前を指さす。そこにも少量の
  スプレーが飛び散っていた。そして。」
 「スプレーの上に、上履きで踏ん付けた足跡が残っていました。」
 黒岩は唇を歪ませて口角泡を飛ばすかのように反論してきた。
 「ふん、そんなもの。犯人とは限らないだろうが。お前らのだれかが、乾く前に
  踏付たんじゃないのか?間抜けにも。」
495: Dummy Lovers 03/07/15 12:33 ID:d6h8pjni(2/3)調 AAS
 「うちにはこんな足の大きい人はいません。女子部ですからね。それはそうと。」
 と結香はいっぺん言葉を切り、そしてほほ笑みながら言った。
 「黒岩さん、上履き新しいですね。」
 黒岩は爆発するかのように反応した。
 「それがどうしたぁっっ!!上履きをいつ買い替えようが俺の勝手だろうが!!」
 激高してわめきちらす。
 「俺をまだ犯人扱いするのか、この雌豚が!!証拠がないだろうが、証拠が!!
  俺は正しいことしかしていないんだぞ!!それを貴様らが!!」
 両腕をふりまわし、つかみかからんばかりに叫んだ。
 「証拠ですか?」
 黒岩に詰め寄られようと、身じろぎひとつせずに結香は言う。見ると、郁美が
いつの間にか透明なポリ袋に入った古びた上履きを抱えている。そして、黒岩、
と名前のかかれたそれの靴底には、何やら赤いものがこびりついていた。
 「これ、黒岩さんのですよね。ごみ捨て場にあったんですけど。」

 奇声をあげてつかみかかろうとする黒岩を竜子が押さえ付けようとする。その
隙を突いて、証拠の上履きは廊下にいる女子バスケ部部員にパスされた。ここに
きて、証拠物品を手渡され、ようやく呪縛が解けたかのように、野次馬たちが騒ぎ
だし、黒岩への嫌疑を口にし始めた。そのギャラリーを割って運動部の男子生徒
達が現れ、竜子らと揉み合っていた黒岩を撮り押さえる。
 「お前らが、お前らが!!」
 組み伏せられながら、黒岩は興奮しきった口調で叫ぶ。
 「俺の行いは正しいんだ!!あいつらが、天に背く破廉恥なまねをするから警告
  したんだ!!警告しただけだ!!ふざけるな!!」
 廊下に引きずり出されながら、黒岩は訳の分からないことを叫び続けた。
 「悪いのは、間違っているのはあの女どもだ!!お前らみんな、俺を犯罪者扱い
  する奴は地獄行きだ!!」
496: Dummy Lovers 03/07/15 12:33 ID:d6h8pjni(3/3)調 AAS
 「とりあえず、乾杯だけしたら帰るわよ。」
 と竜子が駅前のファーストフードで席をとりながら他の二人に言った。あの後、
さすがにこう立て続けに事件にかかわったせいで延々と半ば説教に近い事情聴取を
受け、8時を回るまで解放されなかったのだ。
 「二人の愛の勝利に乾杯。」
 「な、なに言ってるのよ。」「や、やめてよそういうの。」
 「あれあれ、そんな照れるのまでシンクロしてるのね。」
 郁美に冷やかされつつジュースで乾杯をあげる。
 「でも、郁美。よく見つけられたわね、あの上履き。あれがなかったらお手上げ
  だったよ。」
 「証拠と言えば」と竜子。「部室の床の足跡、昨日は気づかなかったのよね。
  なんでだったのかしら。」
 郁美があっさりとその疑問に答えた。
 「それはそうです。昨日は足跡なんてなかったんですからね。」
 「え?」「は?」
 「物証なかったらきっと追い込めないと思って。あれ、あのあとこっそり私が
  つけました。」ぽかんとした二人に向かって郁美は続ける
 「黒岩の上履きこっそり持ってきて、床にスプレーちょっと吹いて、足跡つけて
  から下駄箱に返して。そしたらあいつ、裏に赤いのが付いてるのに気づいて、
  何も考えずに捨てにきましたからね。」
 竜子と結香は開いた口がふさがらなかった。
 郁美は「ま、私の計算どおりでした。」とにやりと笑って言った。
497: Dummy Lovers 03/07/15 12:35 ID:Zis0Wv+H(1)調 AAS
 金曜日。いよいよお泊まりということで、結香は朝から浮足立っていた。噂によると、
黒岩は無期停学になったらしい。また、校長室に親が乗り込んできて結構な騒ぎに
なったようだが、うきうき状態の結香の耳にはさっぱり届かなかった。本日部活は
事件の後ということで臨時休部だが、結香は帰宅前に買い物に行くことにした。
竜子も支度があるとかで、現地集合となった。
 「つまり、勝負パンツを買いに行くのね。」
 買い物に付き合うことになった郁美が指摘する。
 「な。。。ばかっ、違うわよっ。タオルとか歯ブラシとか、お客様セットよ。」
 「分ってないわね。勝負パンツは相手に見せるだけじゃないのよ。とっておきの
  下着をはくことで、自らの気を引き締めて勝負に臨む心構えを作るためのものなのよ!」
 「いや、だから勝負とかするわけじゃないし。」
 「戦国時代、合戦に臨む武士たちは真新しい褌で精神を引き締めたというわ。
  つまり勝負パンツとは、戦国武将の伝統を受け継いだ現代のもののふの心意気
  ってことなのよ!!」
 「いやもう何がなんだか。。。」
 そんなこんなで駅ビルを回って買い物を済ませて、外に出る。
 「パンツ買わないと、後悔しても知らないわよ。」
 「だからそれはもういいってば、、、あ、先輩!?」
 何やら見覚えのあるしっぽが視界をかすめ、結香は振り向いて声を上げる。さすがにこんな場所でお姉様という度胸はなかった。
 「あ、結香。買い物?斎藤さんも。」
 「はい、だいたい終わりました。先輩もですか?」
 「そうよ。」
 「でも、身の回りのものは買っておきましたよ。ほら。」
 そこで郁美がにやりと笑って口をはさむ。
 「勝負パンツ買いに行くんですよね、先輩。」
 「ちょっと郁美、馬鹿言わないでよ。」
 だが、竜子はにっこり笑って言った。
 「よくわかったわね。じゃあ、またあとでね。」
 しばしあっけにとられて竜子を見送る結香だったが、やがていつになく真剣な面持ちで郁美に尋ねた。
 「このへん、他にいい下着売ってる店、ない?」
498: 03/07/15 13:05 ID:TZE+kC+H(1)調 AAS
つ、遂にお泊りですか(;´Д`)ハァハァ
499: 03/07/15 21:53 ID:of6/1E2q(1)調 AAS
大作だ…!
500: Dummy Lovers 03/07/16 08:06 ID:bUq9G0X+(1/3)調 AAS
 帰宅した結香がなんとか風呂場とリビングの掃除を済ませると、呼び鈴がなった。
 「あ、お姉様、いらっしゃい。」
 「お邪魔します。」
 「ぼろ家で恥ずかしいけど、上がってください。」
 「そんなことないわ。かわいい家だと思うわよ。」
 結香は竜子をリビングに通してお茶を出した。ぼちぼち、食事にしてもいいかも
しれない時刻ではある。
 「お姉様、おなかすいてますか?ご飯できますけど。」
 「そうね。ちょっと早いけど。これ持ってきたから。」
 「わわ、ケーキだ。」
 「ご飯食べて、これも食べましょ。あと、こっちはご両親にって。」
 何やら箱を取り出す。どうやら洋酒のようである。
 「え、そんな気遣わなくても。。。」
 「会ってご挨拶できないからその代わりよ。うちの親からなんだけどね。」
 「じゃ、ありがとうございます。」
 とりあえず礼を言ってお酒を受け取り、しまいがてら夕食の準備にとりかかる。
料理はあらかた結香の母が今朝の出がけに用意しておいてくれたもので、温めて
並べるだけで済むものが大半だ。
 「すいません、大したものができなくて。」
 「そんなことないわ。私、煮物とかシチューとか好きだし。あ、煮こごり大好き。」
 「そうですか?うち、母結構これ得意で。」
 「おいしそうね。早く食べましょ。」
501: Dummy Lovers 03/07/16 08:06 ID:bUq9G0X+(2/3)調 AAS
 竜子にせかされつつ料理を並べ終え、いただいきますと食事を始める。なんだ
かんだといいながら、料理は結構品数があった。それをカロリーなど気にせず
片端から平らげていく竜子と、その健啖振りをしげしげと見守る結香。
 「そういえば、お姉様って好き嫌いないんですよね。」
 「ないわよ。でも、あえて言えば、納豆とかブルーチーズとか塩辛とかくさや
  とかの発酵食品、」
 「あ、やっぱり嫌いなんですね。」
 「ううん逆。特別に好き。」
 「ありゃ?じゃ、じゃあ、この次は用意しておきますね。。。。」
 竜子はふと箸をとめ、結香に質問する。
 「結香は嫌いなものがあるの?」
 「え、あの、、、えっと、、、」
 「その様子だと何かあるようね。好き嫌いは良くないわよ。運動するなら特に。」
 「な、ないですよ、そんな、、、」
 「正直におっしゃい。直すの協力してあげるから。さあ、ほらほら。」
 その発酵食品が苦手だということを知られたらさぞや恐ろしい目にあうに違いないと、結香は必死に竜子の追求を躱すのだった。
502: Dummy Lovers 03/07/16 08:07 ID:bUq9G0X+(3/3)調 AAS
 食後のお風呂には残念ながら何も起きなかった。結香が洗い物をしているうちに
竜子は入浴を済ませてしまった。まあどのみち乱入するには狭い風呂場なのだが。
結香が風呂から上がると、竜子はソファーでうつらうつらとしていた。
 「あ、ごめんなさい。ついうとうとしちゃった。」
 「これでお姉様は人間の三大欲求のうち2つ、食欲と睡眠欲を満たしましたね。」
 「なに、急に。」
 「じゃあ、これから残りの一つを満たしてあげますね。うふふ、覚悟はいいですか?」
 結香の挑発に竜子も唇を歪める。
 「あら、身の程も知らずに私を襲うつもり?返り討ちにしてあげる。」
 「がーっ」
 結香は竜子に飛びかかってソファーの上で引き倒す。すかさず脇腹にくすぐりの
手を延ばすがが、あっさりひじでガードされる。
 「ふー、、あっ、、ひゃあはははは」
 「ほらほら、どうしたの結香。」
 「やだっ、、ひゃっ、やめ、、あははは」
 攻めあぐねているうちに、竜子の指が結香の脇腹を直撃。力強い揉みほぐしで
腹筋と内臓を刺激して結香を身もだえさせる。

 「あーっ、あっ、もうーっ、がぶ。」
 「わっ、噛むなー、この」
 「あう、ふぐ、、んぎゅー、、ああ、、」
 脇腹の握力が弱まった隙をついて、結香は竜子の上腕に軽く歯を立てて、はぐ
はぐと強弱をつけて顎を動かす。竜子もしばし身もだえた後、しかえしとばかり
目の前の結香の肩口を甘噛みする。
 「なあ、、にゃあああ、、ああんん、、」
 「んんー、、んふっ、、ふっ、、、もう!、、きゃははは、や、やめてー」
 甘噛みのこそばゆさに逃げまどっていた結香だが、すきを見て竜子のおなかを
くすぐり返すことに成功。臍のまわりだの鳩尾だのをソフトタッチで責める。
 「あ、お姉様ここ弱いんですね。じゃあ、もっとこの辺とかはどうですかぁ?」
 「やああん、そ、そこもだめだってば、、、ああんん」
503: Dummy Lovers 03/07/16 08:09 ID:/vNHI6nt(1/2)調 AAS
 「はぁ、はぁ、やったわねぇーっ」
 「おっと、、、、え、あ、きゃあぁ、、やああ、、」
 竜子の反撃の掌を結香は難無くブロックした、のだがそれはフェイントで、
耳たぶに齧りつかれた。軟骨をこりこりと噛まれ、電撃のような攣麻感に身を
わななかせる結香。
 「ひゃうう、あうう、んん、、あう、、せんぱい、、だ、だめえ、、ん、」
 「んふ、ふ、どう?」
 ひとしきり軟骨を堪能し、竜子は耳たぶから口を離す。結香はしばらく息を
整えていたが、やにわに反撃。首筋に歯を当てる。
 「ふう、ふう、、どう、まいった?」
 「はあ、はあ、、、うー、、」
 「がうう」
 「ひゃゃ、、ちょっと結香、そ、そんなとこ噛まないでったら、、あん。」
 そんなこんなで、くすぐったりくすぐられたり、噛んだり噛まれたりの夜は
更けていった。
504: Dummy Lovers 03/07/16 08:10 ID:/vNHI6nt(2/2)調 AAS
 「え、いいんですか、一緒に寝たいなんて。。。また襲っちゃいますよ?」
 「それはもういいわよ。結香に話したいことがあるの。」
 「いいですよ。じゃあいい子にしてます。」
 「話っていうのは、前にも話した、私の好きな人の話なの。結香がそんなの聞き
  たくないなら止めておくけど。」
 「聞きたいです。お姉様のだいじな秘密なんですよね。教えてもらえるなら、
  うれしいですよ、なんでも。」
 「ありがとう。。」
 結香の部屋のベッドにもぐりこむ二人。さすがに長身の竜子も寝るといささか
窮屈だ。くっつくようにして身を横たえる。
 「お、お姉様?」
 「。。。」
 何を思ったか、竜子は布団の中にもぐりこみ、静かに結香の胸元に頭を寄せた。
結香は少し戸惑ったが、手を回して竜子のショートヘアの頭を軽く抱く。しばらく
してから、竜子は語り始めた。
 「結香、私のこと、どう思ってるの?」
 「え?。。。も、もちろん好きです。大好きです。愛してます。最愛です。この
  世で。。。。。ええと、このまま口説き続けていいですか?」
 「くす、そうじゃなくてね、、、ええと、私が他に好きな人がいるのをどう思っ
  てるの?」
505: Dummy Lovers 03/07/16 08:40 ID:aAHLF/rU(1/2)調 AAS
 結香はしばらく考えていたが、言葉を選んで口にした。
 「そりゃあ、、悔しいです。妬けます。けど、、、お姉様の、私の好きな竜子
  先輩が本当に好きな人なんだから、それが先輩のためなら応援したいなって。」
 「ありがとう、なんかもったいないな。。。。ごめんね、結香。あなただけを
  見ていてあげられなくて。」
 「え、、、いえ、あの、それ、、」
 「前、結香は言ってたわね。心まではもらえないのかって。」
 竜子は言葉を区切る。
 「何度も思ったわ。そうできたら、形だけじゃなくて、心まであげられたら、、
  結香だけを好きでいられたら、こんなに辛い思いをしなくてすむのに。。。」
 「そんなに、、、辛いんですか。」
 「うん。。だってね、その人は私の実の兄なんだもの。」
 「。。。。」
 結香は何も言えず、竜子の背中を抱く腕にそっと力を込めた。結香の胸に顔をうずめた竜子からは、ただ息遣いだけが聞こえてくる。しばらくの間、ベッドを沈黙が包んだ。
 「お兄さん、、、が好きなんですか?」
 「うん。ちょっと年は離れてるけど、優しくて、遊んでくれて、あったかくて、
  守ってくれて。。。今は兄さんじゃないのだけど。」
 「?」
 「私が10才のときに、兄さんはおじの家に養子に行ったの。だから、今は兄
  じゃなくて従兄。でも、ちょくちょく遊びにはいくんだけどね。」
 「お兄さんは、その、、先輩の気持ち、知ってるんですか?」
 「知らないと思う。アタックっぽいことは何度かしたけど、私のこと、妹として
  しか見てないみたい。」
506: Dummy Lovers 03/07/16 08:41 ID:aAHLF/rU(2/2)調 AAS
 しばらくの間をおいて、竜子が口を開く。
 「ねえ。。。ちゃんと告白したほうがいいと思う?結香。」
 「。。。」
 「きょうだいなのに好きだなんて、変よね。やっぱり言わないで、秘密にして
  おいたほうがいいと思う?」
 「そんなこと、ないですよ。」
 結香は少し強く言う。
 「竜子先輩みたいに、すてきな、かわいい女性に好きだって言われて、悪く思う
  人なんていません。たとえお兄さんだって、そうですよ。絶対。」
 「そう?」
 「そうです、絶対。それに。。。」
 結香は自分の経験を思い出し、言葉を続ける。
 「大事な人には、大事な人だから、ちゃんと自分の気持ちを知ってもらった方が
  いいですよ。実るとか、振られるとか、関係なしに。」
 「。。。」
 「だって、自分の気持ちを知ってもらえないまま、曖昧な関係で終わったり、
  お別れすることになったりしたら、悲しいじゃないですか。。。」
 竜子は少し間をおいてから言った。
 「。。。そうだね。私、ちゃんと兄さんに告白するわ。」
 「先輩。私、応援しますよ。たいしたことできないかも知れませんけど。」
 「ありがとう、やさしいのね。」
 「いえ、そんな。。。私、先輩が幸せになってくれるのが嬉しいんです。」
 「私、結香に話して本当によかったと思うわ。」
 それから竜子は結香の背中に回した腕に力を込め、そっとささやいた。
 「振られたら、慰めてね。」
507: Dummy Lovers 03/07/17 21:29 ID:jJqa4sfA(1)調 AAS
 翌週の部活は、事件の遅れを取り戻すという名目の5割増のメニューで、結香始め
バスケ部員はヒイヒイ言いながらこれをこなしていた。その中で妙にさばさばした
表情で、かつてないほど真剣な雰囲気で練習している竜子を見て、結香はだれが
この苦行の言い出しっぺなのかなんとなく察した。
 さすがにボリュームばかりの苦行では士気にかかわると見たのか、週のなかば
からは部内でチームを分けてのミニ試合が行われた。竜子はここでも格下の部員
相手に本気で容赦なくプレイして、後で部長に小言を言われた。
 そのほか、番犬結香の出番が久しぶりにあったが、これは特段のアクシデントも
なく終わった。

 そんな日の帰り道。
 「最近絶好調ですね。」と結香。
 「ん、まあね。気持ちが決まったからかな。結香のおかげよ。」
 竜子は結香に体を寄せて、小声で言った。
 「今度の土曜日、告白することにしたわ。」
 「あ、お、おめでとうございます。って変か。えーと、私にできること、何か
  ありますか?お姉様の恋愛成就のためなら、水ごりでもお百度参りでもハン
  ストでも何でもしますよ?」
 「ふふ、いいわよ別に。。。そうだ。」
 竜子は身をかがめて結香の耳に口をよせる。
 「な、なんですか?」
 「日曜は空けといてね。きっと慰めてもらうことになるから。」
508: Dummy Lovers 03/07/17 21:39 ID:N47JZ2xW(1)調 AAS
 (先輩、今頃お兄さんに告白してるのかな。)
 土曜日の午後、結香は自主トレから帰宅してベッドで寝転がりながら考える。
 (先輩ならきっとOKもらえる、、、なわけないよね。。。実の兄妹なんだし、
  やっぱり。いい兄妹でいようとか言われちゃうんだろうな。。先輩、慰めてっ
  て言ってたけど、やっぱそういう意味だと思っていいのかな。。え、えーと、
  どんな手順を踏んだらいいんだろ。。。やだ、私何考えてるの?)
 結香は気恥ずかしさに枕に抱きつきながらもシミュレーションを開始した。
 (慰めるっていっても、場所が問題だよね。あしたはうちも親いるし。まさか
  ホ、ホテル?!でもお金が、、貯金を崩せばいけるかな、、いやいや、、)
 悶々と妄想を暴走させる結香だった。
509: Dummy Lovers 03/07/17 21:54 ID:NfXYRNVH(1)調 AAS
 土曜日は結局竜子からの連絡はなかった。
 日曜日の正午を過ぎようやく入ったメールはシンプルなものだった。
 「これから出られる?」
 やけに短い内容に微妙な違和感を抱きつつも、場所と時間を決めて、結香は
竜子に会いに行った。

 「お姉様?」
 待ち合わせ場所に現れた竜子は無表情だった。少し場所を変えようとのことで
歩きだすが、その間竜子は終始無言のままで、その妙に重い雰囲気に結香はなにも
言い出だせなかった。人気の少ない公園のベンチに並んで腰を下ろすと、そのまま
しばらく無言の状態が続いた。
 やがて、竜子が口を開いた。それは結香が予想だにしなかった内容だった。
 「私達の恋人ごっこ、終わりにするわ。」
 「え、、、あの?」
 「もう必要なくなったから。」
 「あ、の、先輩がそういうならそうしますけど、でも、どうして急に?」
 混乱する結香に、竜子は感情のない乾いた声で淡々と宣告する。
 「私、もう結香とは付き合えなくなったから。告白したら、兄さんが私と付き
  合ってくれることになったの。だから。」
 「、、、え、、、ええっ?」
 「昨日まで知らなかった。兄さんが本当は養子で、だから最初から従兄弟で、
  本当の両親のところにもどっただけだったなんて。」
 静かに言い放って、竜子は口を閉じた。結香は戸惑いつつも、心からの祝福を
口にした。
510: Dummy Lovers 03/07/17 21:56 ID:8mwGGt6K(1/2)調 AAS
 「そ、そんなことって、、、でも、おめでとうございます。よかったですね。」
 「ありがと。でも、無理してそんなこと言わなくていいのよ。本当は怒ってるん
  でしょ?」
 「そ、そんなことないです。私、本当に先輩の恋が実って良かったって思ってる
  んですよ。だって、私、、、、私、先輩が好きだから。」
 竜子は表情を出さず、乾いた口調で続ける。
 「そうだとしたら、私のことを好きだなんて、無駄だからもうやめてね。今まで
  あなたの好意を利用するばっかりで悪かったけど、これからは私のこと嫌って
  くれてもかまわないから。」
 「そ、そんな。。。なんで、、、できません!彼氏がいたって、私、ずっと
  先輩のこと好きなままでいます!嫌いになんか、なりません!」
 「物分かりが悪いわね。さっさと私のことは忘れなさい。もう兄さんと付き合っ
  てるんだから、あなたとは本当の恋人にはなれないのよ。もう無駄な手間を
  かけてもらうことはないわ。」
 結香は混乱しながらも、なんとか誤解を解こうと食い下がる。
 「で、でも、、、そうじゃなくて、私、先輩が好きだから。。。」
 「だからね、もうあなたには私をものにするチャンスはないのよ。今まで、
  あなたはいろいろ良くしてくれたけど、それは私を落とすためだったんで
  しょ。残念だけど、努力は水の泡ってことよ。」
 「。。。。!!」
 竜子の頬がぱしんと鳴った。結香は切れたように叫ぶ。
 「、、、ばかっ、、、!先輩のばかっ!!、、、私、私、、、」
 結香は涙と怒りで言葉に詰まる。
 「私、先輩の言うことなんか聞かない!、、、私、絶対に嫌いになんか
  なってあげませんからね!!」
 そう叫んで走り去る結香。
 竜子は叩かれた頬に手を当てながら、遠ざかっていく背中を見つめた。
 「あの子、ああは言ったけど、、、でも、これでいいのよ。。。きっと。」
511: Dummy Lovers 03/07/17 21:57 ID:8mwGGt6K(2/2)調 AAS
 (ばか、ばか、ばか、ばか、先輩のばか、、、)
 結香は枕をきつく抱き締め声を漏らさないようにして叫んだ。
 (気持ちが通じてると思ってた。恋人になれなくても、1番になれなくても、
 竜子先輩は私の気持ちを受け入れて、その上で恋人ごっこをさせてくれてると
思ってた。そりゃ、本当の恋人になりたいとはずっと思ってたけど、でも、これ
までに先輩にしてきてあげてことで、見返りとか、ご褒美が目当てでやったこと
なんてない!)
 枕に顔を埋め、その中に向って叫ぶ。
 (お兄さんが実の兄じゃなくてショックだったのかもしれないけど、でも、
  あんな言い方はないよ!)
 結香は枕に吸われるがままに涙をこぼした。
 (私の余計なおせっかいとか、付き合いとかがいらないのなら仕方ないかも知れ
  ないけど、心まで、気持ちまでいらないなんて言わなくてもいいじゃない!)
 その晩、結香は食事もとらずに自室にこもって、竜子への憤りと、悲しみと、
そして捨てられない好意を枕にぶつけ続けた。
512: 03/07/18 03:08 ID:666K0KU0(1)調 AAS
ガーンΣ(゚Д゚)
513: Dummy Lovers 03/07/18 08:56 ID:Xwa5TjiV(1/2)調 AAS
 それでも結香は、翌日月曜日からはいつもどおり学校に行って、いつもどおり
授業を受けて、いつもどおり部活に出た。悲しくて、怖くて、悔しかったけど、
逃げたり、負けたりするのは嫌だった。誰に何が負けることになるのかは良く
分からなかったが。
 部活ではできるだけいつもどおりに振る舞った。ただし、なるべく竜子の方向を
見ないように工夫して。練習に集中していると、少なくとも体を動かしている間
だけは、つらい出来事を忘れられた。幸い、竜子とペアを組むようなメニューは
なかったが、それでも何度か視線を合わせ、声を出さなくてはならない場面も
あった。しかし、それについては多分いつもどおりにできたと結香は思っていた。
また、竜子もあいかわらず無表情で、冷静といえば冷静であるように見えた。
 それ以外では、二人は視線を合わせることも言葉を躱すこともなかった。二人で
話せそうな機会もない訳ではなかったが、結香は何となくそれを逃していた。この
間のようなきつい台詞をまた聞かされることを漠然とおそれていたせいだったの
だろう。また、悪いのは竜子なのだから、自分から譲って話しかけるのが気に入ら
なかったのかもしれない。
 そんな日々が過ぎていった。結香の心は癒えはしないものの、感情は落ち着いて
いった。二人の調子がおかしいのを察してか、部長や外の部員がそれとなく質問を
してくることもあったが、結香は(竜子も)ノーコメントで通した。
514: Dummy Lovers 03/07/18 08:57 ID:Xwa5TjiV(2/2)調 AAS
 翌週には練習試合があった。竜子はレギュラーとしてコートに立ち、結香を始め
1年は完全に応援だった。
 「酷いもんね。」
 いつの間にか来ていた郁美が言う。確かに、パスを取りこぼしたり、無謀な
シュートを打って外したりといつもの竜子らしくないミスが目立つ。
 「彼氏のお陰で幸せすぎてのぼせてるのよ、きっと。」
 と辛辣な口調で結香。
 「とてもそういう顔には見えないけど。どっちかというと、何か大きな悩み事が
  あって、頭が一杯で試合に集中できないように見える。」
 「いつもどおり、人前で無愛想なだけよ。あ?」
 ホイッスルが鳴った。チームのメンバーがコートの一角に駆けよっていく。その
先に倒れているのは竜子だった。いつもの竜子なら、たとえ相手選手にぶつかって
もびくともしないのに、転倒するなんて不調もいいところだ。
 顧問や部長が怪我の状況を確認しているそばに結香も寄って行き、自分で
も気づかないうちに声をかけていた。
 「大丈夫ですか、先輩。」
 「平気よ。心配ないわ。」
 少し間を置いて竜子が答える。どこか痛むのか眉をしかめていたが、しかし、
同時に少しだけ嬉しそうな表情がかいま見えた。練習以外での久しぶりの二人の
会話はそれだけだったが、結香はちょっとだけ以前に戻れたような気がした。
515: 名無しさん@Linuxザウルス 03/07/18 09:27 ID:rR4URND8(1/3)調 AAS
 竜子の怪我は大したものではなかったようだが、大事を取って保健室に連れて
行かれた。やがて付き添いの生徒が戻って来て、試合が再開される。
 「応援なんか抜けて、保健室行って来たら?行って、話してきなさいよ。」
 育美が小声でそそのかす。
 「、、、話すことなんて。」
 「先輩とケンカしたままで終わっていいの?」
 「嫌。それは嫌。」
 続けて、自分に言い聞かせるように言う。
 「振られるのは仕方ないけど、誤解されたままなのは嫌。ちゃんと気持ちだけは
  分かっててほしい。」
 「じゃあ今がチャンスよ。」
 「でも、、、行ったって相手にしてくれるかどうか。。。」
 「さっきは普通に話せたじゃない。どうせこれ以上悪くなんかならないんだから
  行ってくれば?」
 郁美は、小さく駄目押しの一言を加える。
 「負けるの嫌いなんでしょ?」
516: 名無しさん@Linuxザウルス 03/07/18 09:27 ID:rR4URND8(2/3)調 AAS
 意を決して結香が保健室に足を踏み入れると、竜子は一人ででベッドで横になっ
ていた。竜子は何も言わなかったが、結香から視線をそらし前を見たままで起き上
がった。少しの間、保健室の時間は止まっていたが、やがて結香はその脇に進み出
て、口を開いた。
 「先輩。このあいだは叩いてごめんなさい。でも。」
 竜子の横顔を見据えながら少し上ずった調子で続ける。
 「私、今まで、先輩が好きだから、自分がそうしたいから、してきたんです。
  部活も、偽装カップルも、犯人捜しも、相談ごとも。。。だから、、、わ、
  私の気持ちを先輩にわかってもらえなかったのが、、、悔しくて、悲しくて
  、、、うっ、、、、っ、、、」
 いつの間にか、これまで押さえていたものがあふれ出し、結香の言葉は途切れて
しまう。やがて泣き声が小さくなるころ、竜子が下を向いたまま話しはじめた。
 「泣かないで、結香。あの時も、私、本当は分かってたわ。結香はそんな子じゃ
  ないって。だから、ごめんなさい。あんなことを言って。」
 「先輩、、どうして、、、」
 「もうこれ以上あなたに負担かけたくなかった。私はもうあなたには応えてあげ
  られないから。だから、あなたが嫌いになってくれるなら、それが一番いいと
  思ったの。私は、あなたに好かれる資格のない人間だから。」
 竜子の自省に結香が応える。
 「そんなことないです。資格とか、彼氏がいるとかいないとか関係ないです。」
 「私、今まであなたに甘えてた。愚痴聞いてもらって、相談に乗ってもらって、
  用心棒してもらって、、、兄さんへの告白だって、あなたがいなかったら
  できなかったのに、、、」
517: 名無しさん@Linuxザウルス 03/07/18 09:28 ID:rR4URND8(3/3)調 AAS
 「兄さんに告白する前までは、お返しに、振られたらあなたの恋人になろうと
  思ってたの。私、結香のことも好きだから。」
 「え、、、そう、だったんですか、、、?」
 「うん。でも、今から考えたら、それってキープって奴じゃない。告白する前は
  どうせ兄さんとは実らないからって思ってたから気にしなかったけど、でも、
  兄さんと付き合えることが分かったら、自分の愚かさが嫌になったの。」
 竜子はそこまでしゃべって、ひとつ息をついた。ゆっくりと続ける。
 「だめね、私って。」
 「あなたとのこと、あの公園で終わらせようと思ったのに、あなたを傷つけた
  だけで終わっちゃった。全然心の区切りがつけられなかった。かえって自分が
  辛くなっちゃった。」
 「あれからずっとあの時のことしか考えられなかった。授業もさっぱり頭に入ら
  ないし、兄さんと電話してもなんだか気が晴れないし、あげくに試合でケガし
  ちゃうし。。。ごめんなさい。本当にごめんなさい、結香。」
 竜子の謝罪を結香が遮る。
 「いいんです、先輩。私が悔しかったのは、先輩が私の気持ちを誤解したままで
  終わっちゃうことだけだったんです。だから、先輩がちゃんと分かってて
  くれて、嬉しいです。」
 「。。。ありがとう、結香。あんなこと言っちゃったのに、許してくれるのね。」
 「先輩の気持ちも、分かりましたから。」
518: Dummt Lovers 03/07/18 09:29 ID:95esuWdp(1/2)調 AAS
 「でもね。」と竜子は前の話題を蒸し返してきた。
 「私、今まであなたの好意に甘え過ぎてたと思う。いろんな、無茶なこともさせ
  てしまった。あなたに何も返してあげられないのに、私、これ以上あなたに
  甘えて、負担をかけたくないの。」
 竜子のしつこい話に、結香はちょっと拗ねながらも柔らかく反論する。
 「だから、そんなの関係無いんですってば。私、お姉様が好きだから、、、そう
  したいから、応援したり、お世話したりしてるんです。見返りとか、、そんな
  のはどうでもいいんです。」
 結香は竜子の腕に手を触れて続ける。
 「これからも、お姉様がお兄さんと付き合ってたって、私に甘えてくれていいん
  です。いえ、甘えてください。」
 「でも、、、」
 「いいんです。」
 結香は竜子の手に触れた掌に少し力を込める。
 「いいの?本当に?あなた以外の、ほかの男のことを好きなのよ?」
 竜子の声は心なしか震えていた。
 「関係ありません。なんでも言ってください。私でも、力になれると思います。」
 「結香。。。ありがとう。。。」
 竜子は差し出された手にほおずりしながら、静かに涙する。
 「じゃあ、、、今からお願いしてもいい?」
 「はい。」
 結香は微笑んでうなずいた。竜子もそれにつられるかのように唇の端を歪める。
519: Dummy Lovers 03/07/18 09:30 ID:95esuWdp(2/2)調 AAS
 「あのね。。。」
 竜子は顔を結香に近づけ、そっと囁いた。そのささやきの、低く、けれど艶やか
な声色は今まで結香が一度も聞いたことのないものだった。

 「抱いて。」

 「え?」
 結香は突然の言葉を理解できなかった。けれど、ひそかな調子のその声色には、
竜子の望むものを直感させるに足りる官能が備わっていた。
 「私もあなたが好きだから。1番ではないけど。」
 竜子は結香の首に手を回し、首筋に顔を埋めながら囁き続ける。
 「だから抱いてほしいの。私が。」
 「で、でも、先輩、、、それは、、、」
 「兄さんとデートしてた時も、先週も、今週も、あなたのことがずっと心に引っ
  掛かっていたわ。」
 竜子は自分の直感を、気持ちの在りかをそっと結香に告げる。
 「だから、私、自分の心にけじめをつけないと、兄さんと一緒になれない。多分
  。。そのために抱いてだなんて、身勝手だとは分かってるわ。けど。」

 「兄さんに抱かれる前に、結香のことをもっと知っておきたいの。結香の肌。
  結香の温もり。結香のくちびる。結香の汗。。。」
520: 03/07/18 13:06 ID:tdyjNeBT(1)調 AAS
フーム…
521: Dummy Lovers 03/07/18 20:18 ID:XUBeWvJk(1/2)調 AAS
 そのささやきを耳にして、結香は、こんな場所で、とか、本当の恋人がいるのに、といった戸惑いを乗り越えて、今ここで竜子と肌を重ねることを心に決めた。
今愛し合えば、これを最後に普通の先輩後輩の関係に戻るだろうことも感じていたが、それでもかまわなかった。それが愛する人のために本当に大事なことだとわかっていたから。

 結香はゆっくりと竜子をベッドに寝かせ、その上に覆いかぶさるように体を預けた。どちらからともなく、唇を重ねる。抱き合ったまま、唇を軽く吸いつづける。ゆっくりと顔を動かし、唇を滑らせ、こすり合わせる。
 やがて結香は、舌で唇をくすぐられる感触に薄目を開けた。見ると、竜子も細く目を開けてこちらを見ながら微笑んでいる。結香は顎を緩めて舌を竜子の口中へと延ばす。それを竜子の暖かく柔らかい舌が搦め捕り、お互いにエロチックな動きでまさぐりあう。
結香の唾液が舌を伝って竜子の口蓋へとしたたり落ち、喉の動きとともにえん下されていく。先程まで自分の一部だった体液が、愛しい女性の中に融け、吸収されていく様を結香はゆっくりと見守った。
 舌と舌、唇と唇を絡め会いながら、結香は空いた右手で竜子の乳房をそっと撫で始めた。竜子は、タンクトップとブラを通してでも、そのたびに小さく体を痙攣らせて反応する。
 結香は、舌を竜子の唇から首筋へと移した。舌が首筋や耳の裏をなぞる毎に、指がタンクトップの上から乳首をかすめる度に竜子は小さく喜びの声を上げる。結香はその反応をたまらなく愛おしく感じた。
522: Dummy Lovers 03/07/18 20:19 ID:XUBeWvJk(2/2)調 AAS
 「結香、、、お願い。」
 やがてソフトな快感の積み重ねに耐えかねて、竜子は更なる愛撫をねだってかすれるような声で甘く囁いた。
 「お願い、、、おっぱい、ちゃんと触って、、、」
 「いいですよ。お姉様。。。」
 結香は請われるがままに、竜子のタンクトップを胸元までたくし上げ、そしてブラのフロントホックを外す。うっすらと汗ばんだ白い乳房と、今までの愛撫に反応して硬く突き立った桃色の乳首があらわになる。
 結香が乳首をそっと口に含むと、竜子はせつなげな吐息を漏らした。舌で転がすと体を震わせ、あっ、と軽い悲鳴を上げた。何度も吸い、転がし、まさぐる。
一つの乳首の愛撫に飽きると、頭を移して反対側の乳首を唇で挟み、舌で押し潰し、吸い立てる。結香は愛撫の度に起こるせつなげな竜子の反応を楽しんだ。
 何度も代わる代わる両の乳首を楽しんだ後、結香は顔を上げ、荒い息をついている竜子に尋ねた。
 「お姉様、、、ほかのところにも、キスしていいですか?」
 竜子は目を開き、恥ずかしげに視線をそらしてこくりとうなずいた。

 保健室の扉が開いたのはそれと同時だった。
523: Dummy Lovers 03/07/18 20:20 ID:FBYoHBgG(1)調 AAS
 「見られちゃいましたね。」
 「思いっきり見られたわね。」
 帰り道、どちらともなく話題にする。
 逢い引きの保健室の扉を開けて踏み込んで来たのは、幸いなことにバスケ部部長だけだった。部長は少々照れながらも、仲直りしてくれてほっとしたけど、そういうことはホテルでしなさいとひとしきり二人に説教をした。
 彼女は竜子の様子を心配して見に来ただけだったので、小言の後、竜子がネコだったとは意外ねなどと少々冷やかすだけで二人を解放してくれたのだった。
 思い返すと、暖かい気恥ずかしさが結香の胸を満たした。
 「あの人、口は硬いから心配することはないわ。」
 「なんか、しばらくからかわれそうな気はしますけどね。」
 「ま、今日のはノーカウントね。よく考えたらシャワーも使ってなかったし。」
 おかしそうに竜子が言う。
 「やり直さない?今度は、ちゃんとした場所で。」

 「やり直し」はいつぞやのお泊まりのお返しで、竜子が宿を予約するということになった。何か良いつてがあるらしい。
 しばらく平穏な日々が続いた。二人は朝は待ち合わせをし、一緒にお弁当を食べ、練習し、帰宅途中で道草する。期限付きではあるが、二人の仲は以前の形に戻った、いや、気持ちを通じ合えた分、前に進んだとも言えるだろう。
 この幸せな日々が永遠に続けば、と結香は思わないでもなかったが、しかし、それは望んではならないことだとも確信していた。
 結香は、竜子を無理に自分のものにすることも多分可能なのだろうとは思っていたが、それでは彼女を幸せにすることはできないこともわかっていた。愛する人に幸せになってもらいたいから、そのためにできることをしようと決意していた。
 楽しいことも、辛いこともあったけど、この日々の記憶は一生心の中で輝き続けるだろう。結香は、自分はそれで十分だと思った。
524: 03/07/18 20:27 ID:oewVa7bI(1)調 AAS
===== 第一部 完 =====
525: Dummy Lovers 03/07/21 12:10 ID:z73F98I4(1/3)調 AAS
 約束の当日。竜子と待ち合わせながら結香は思った。
 これはお互いの想いを整理するための旅。これが終われば、二人は普通の先輩と後輩に戻ってしまう。
けれど、そのほうが相手が幸せになれるのだから、彼女を不幸にしては自分だって幸せにはなれないのだから、かまわない。
それより今日と明日の2日間を大切にしよう。
それに、自分が相手にとって肌、を重ねてでも心の整理をつけないとならないほどの存在だというのは、なんとなく誇らしくうれしい。

 そんなことを考えていると竜子が現れた。二人は、おしゃべりをしながら駅のホームへと向かう。

 竜子が用意した宿は、彼女の父の会社が契約している海沿いの小さなペンションだった。
学生の宿としてはいささか豪華な気がしないでもないが、社員価格とやらで手頃な値段で借りられたらしい。
 昼下がり、二人は電車で1時間半、駅からタクシーで20分というちょっとした旅行を経てそこにたどり着いたのであった。
それは、白い木造の建物で、庭は海に、玄関側は道路に面している。
あたりには似たような家がちらほらと並んでいるがシーズンオフのせいか人影はなく、時折道路を車が走り過ぎて行くのみである。
526: Dummy Lovers 03/07/21 12:11 ID:z73F98I4(2/3)調 AAS
 「うわ、、、なんか、すごくいいですね。ロマンチックというか。」
 「大した場所でもないわよ。さ、こっちよ。」
 ペンションでは管理人が出迎えてくれたが、住み込みという訳ではなく、一通り中の様子を案内すると二人にカギを預け、あしたの昼の帰り際にまた来ますと言って車に乗って帰っていった。
そんなわけで、二人きりである。
 「ここなら落ち着いて、じっくり時間かけてやり直せるでしょ。」
 「そうですね。ほかにすることもなさそうな場所ですし。」
 「あ、、べ、べつに私、えっちすることばっかり考えていた訳じゃないわよ!」
 「、、、、うふ、そういうことにしておきましょうか。」
 「な、なによ。。」

 夕暮れまではまだ時間があるので、少し歩き回ることにした。
庭からは直接海には出られないので、道路に出て、数分歩いて人気のないビーチに出る。
さすがに泳ごうという気になれない気温なので、波打ち際で少し遊んでから、浜の上方の草地に腰を降ろす。
 「なんかちょっと眠いわ。枕、いい?」
 「ええ、いいですよ。」
 竜子は結香のひざに頭を預けて横になった。
結香は空いた右手でそっと竜子の髪を撫でる。それに飽きると、後ろ髪に手を回して、しっぽ状のおさげをそっともてあそんだ。
西の空が茜色に変わるころまで、二人はビーチでまどろんでいた。

 宿に戻り、買い込んでおいた食材で二人で夕食を作って食べる。
夕食のパスタには竜子の好みでブルーチーズのソースがかけられていたが、匂いもなく、さわやかな刺激とこくのあるうまみで大変食欲をそそる味だった。
527: Dummy Lovers 03/07/21 12:12 ID:z73F98I4(3/3)調 AAS
 「お風呂、用意できたわよ。」
 「はーい、え?」
 結香は呼ばれて驚く。彼女が皿を洗っている間に竜子が用意した風呂は、庭の真ん中にあった。
FRPの大きめの湯船が吹きさらしの露天に置かれている。
湯は温水タンクから引いているようだ。
 「ここの売りみたいなもんよ。」
 「す、すごいですけど、、、私、水着もってきてないですよ。」
 結香は展開に戸惑った。道路からは直接は見えないものの、回りの建物とは低い垣根で遮られてるだけだ。
だが竜子は結香の恥じらいを一蹴した。
 「何言ってるのよ。お風呂は裸に決まってるでしょ。ほら脱いだ脱いだ。」
 「わわ、、ちょ、ちょっと、、自分で、自分で脱ぎますからー」

 だれもいないと分かっていても、全裸にサンダルだけを履いて外に出るのは大変刺激的な経験だった。
とはいえ、一緒に庭に出ている竜子とつないだ手の感触がここちよく、湯船にたどりつくまでの数mが惜しくも感じられた。

 ようやく湯船にたどり着き、少し熱めの湯に体を滑り込ませた。
竜子は結香とは反対側から湯船に入り、向かい合わせで座る形で湯に浸かる。
つま先で相手の体をつついたり、湯を掛け合ったりしながらのんびりと体を暖める。
いつの間にかあたりはすっかり暗くなっていて、ふと空を見上げると、町では見られない無数の星が輝いていた。
もう道路を通過する車もなく、二人がたてる水音以外には、海からの波音と虫の声だけが聞こえていた。
528: Dummy Lovers 03/07/21 12:13 ID:Qid2cHnc(1/3)調 AAS
 「気持ちいいでしょ、余計な雑音がなくて。」
 「すごいですね、こんなに星が見えるなんて。来て良かったです。」
 「ふふ、ありがと。」
 竜子はやにわに結香に近づき、もたれ掛かるように抱きつき、耳元でそっとささやく。
 「ねえ、しよっか。」
 「、、、ここで、ですか。」
 周囲に誰もいないとは言え、壁も天井もないここではやはりなんだか恥ずかしい。

だが竜子は返事を待たずにキスをしてきた。軽く吸い、次に重ねた唇をゆっくりと左右に滑らせる。
動きにつられて結香が唇を開くと、暖かく柔らかい舌が口腔に入り込んできた。
結香は、入り込んできた舌に自分の舌を絡めながら軽く噛み、吸って竜子の唾液を味わう。かすかな甘みが感じられた。
 「ん、、、んふ、、、」
 「んん、、、ふ、、、んあっ、、、」
 いつのまにか竜子の手が結香の胸に伸びていて、そっと撫でさするような愛撫を始めた。
触れた皮膚から、全身にさざ波のように繰り返し繰り返し快感が広がっていく。
しばらく乳輪の周囲をさまよっていた指先が乳首をそっと挟みつぶす。電流のような刺激に結香は声を上げる。
竜子は頭を下げて乳房に唇をあてる。ちろちろと舌先が乳首を転がすと、結香の体に連続した快感が沸き起こり、無意識のうちに嗚咽のような吐息が漏れる。
愛撫の合間に結香が目を開くと、暗がりに瞬く無数の星が見えた。
529: Dummy Lovers 03/07/21 12:14 ID:Qid2cHnc(2/3)調 AAS
 「あんっ、、あっ、、ああ、、、ん、、せんぱい、、、」
 「ん、、、あっ、、」
 結香は責めの隙をついて、竜子の乳房に手を伸ばし、乳首を探る。その刺激に竜子も吐息を漏らす。
 「あん、、もう、大人しくできないの?」
 「えへへ、、、交替します?」
 「しょうがないなあ、、、はい。」
 「わーい、先輩のおっぱい。」
 竜子は体を持ち上げ、上から覆いかぶさるように乳房を結香の顔の前にもってきた。乳首に吸い付く結香。
 「うん、、ふふ。」
 「もう乳首大きくなってますね、お姉様。」
 「やん、、結香ったら、、あっ、、、」
 舌と唇でひとしきり乳首をもてあそぶ。もう片側の乳房も、空いた手でやんわりと揉む。
ふといたずら心を起こして、かるく乳首に歯を立てると竜子は鋭い声をあげて撥ねるように体をのけぞらせた。
 「痛くなかったですか?」
 「痛くはないけど、、もう、、、いたずらなんだから、、、あっ」
 嫌がられてはいないようなので、さらに甘噛みを続ける。
何度か強い刺激を与えた後は、癒すかのようにそっと唇に含んで嘗める。それを幾度も繰り返す。そのたびに竜子は喜びの声を上げて反応した。
530: Dummy Lovers 03/07/21 12:14 ID:Qid2cHnc(3/3)調 AAS
 「ねえ。」
 乳房への愛撫の合間に、荒い息をしながら竜子がささやきかける。
 「この前の続き、して、、、」
 「続き、ですか?」
 「続き。この前は、どこにどうキスするつもりだったの?ずっと、気になってたのよ。。。」
 「、、ふふ、案外えっちなんですね、お姉様って。知りませんでした。」
 「そうよ、えっちだもの、私、本当は。」
 「でも、えっちなお姉様も大好きですよ。じゃあ、してみますね。」
 結香は竜子を立たせると、みぞおちに軽くキスをした。そして、腹、臍と徐々に下へと唇を這わせていく。
体毛の生え際を唇でくすぐると竜子はふっと吐息を漏らした。正面からそれて、太ももへと舌を滑らすとじれるように身をよじらせた。
ひととおり唇を遊ばせたところで、竜子に足を少し開いてもらう。
明かりがほとんどないのでよく見えないが、感触を頼りに舌を滑り込ませる。
暖かく柔らかい肉片を舌先がとらえると竜子は声を上げた。
 「あっ、、や、、ああっ、、、んあ、、、ん、、、」
 「ん、、お姉様、、このへんですか?」
 結香は竜子の反応を見ながら舌を進める。酸味がかった粘液が口の中に広がる。
肉塊を何度も舌先で転がし、ついばみ、押し潰す。
 「んん、、あ、、、も、もうだめ、、、」
 やがて竜子は刺激に耐えかねて崩れ落ちてきてしまった。
しばらく折り重なるようにして湯船の中で息を整える。
531: Dummy Lovers 03/07/21 12:15 ID:ua7fpdXC(1/4)調 AAS
 「お湯も冷めてきましたね。そろそろ上がりますか?」
 「そうね、、あ、ごめん、結香、手貸して。」
 「大丈夫ですか、お姉様。」
 結香は竜子が湯船から出るのを助け、サンダルを履いてタオルで体を拭ってから、手を取って母屋に向かった。
 母屋に上がって結香が服を着ようとすると竜子に咎められた。
 「もう服着ちゃうの、結香?」
 「え、、、だ、だって。」
 「次は私の番のはずよ。なのに勝手に服着ちゃうなんてずるい。」
 「いや、あの、そういうつもりじゃ、、」
 「だったらいいじゃない。ほらほら、早くベッドにいきましょ。」
 「お姉様、ちょっとせっかちすぎますよぉ。」

 そんなわけで、結香はペンションの寝室に引きずり込まれ、ふたりはベッドに倒れ込んだ。
不平を言おうとした結香の口を竜子の唇がふさぐ。手足をお互いの体にからめ、唇をむさぼりあう。
竜子が腰を押し付けるようにうねらせると結香もその下から腰を突き上げてくる。
柔らかな体毛がからみあい、恥丘がこすれあう。からめあった手足によって全身の皮膚と皮膚を押し付けあい、摩擦しあう。
情熱的な抱擁が二人の興奮を高めていく。
 「ん、んん、、ん、、、はぁ、はぁ、、、」
 「む、、んむ、、、んはぁ、はぁ、、」
 やがて竜子が抱擁をとき、指と唇での責めに移る。ひとしきり上半身の愛撫で結香をもだえさせた後、竜子が口元に恥ずかしげな微笑を浮かべて提案してきた。
532: Dummy Lovers 03/07/21 12:16 ID:ua7fpdXC(2/4)調 AAS
 「結香、シックスナインって知ってる?」
 「え、、あの、、ええ、、」
 「二人でいっしょに気持ち良くなりたいの。してみない?」
 「ええと、、はい、、、」
 結香がうなずくと、竜子は結香に軽くキスをすると体をいったん離し、向きを入れ替えて覆いかぶさる。
お互いに舌が届くよう、結香に誘導させて体位を調整する。

 「ふーん、こうなってるんだ。あ、これがあれかな?」
 「やだ、お姉様観察しないで!!意地悪!」
 竜子に言葉で観察を告げられて、結香は、愛する人が多分自分の体で一番美しくないであろう場所を間近で見ていることを認識した。
そればかりか、これからそこを唇と舌で愛撫されてしまうことを悟った。
そのとたん、結香の心に急激に羞恥が沸き起こり、ひざを閉じようとしたが、竜子の腕に阻止された。
恥ずかしさで心臓の鼓動が早まり、見られている部分が視線を受けて熱くなってくるような錯覚をおぼえる。
 「あら、結香だって私のを見ていいのよ。」
 「み、見えません、こっち暗いから。。。」
 部屋は電灯をつけておらず、ベッドの足側の窓だけが唯一の明かりだ。
窓側を向いている竜子からは結香の足の間はよく見えるのだが、結香の方は逆光で何も見えない状態だ。
 「、、、お姉様、はかりましたね?ずるい!」
 「うふふ、何のことかしら」
 竜子は楽しげに言ってから、頭を股の間にもぐりこませた。
吐息が結香の粘膜をしばしくすぐり、やがて濡れた舌が押し付けられてくる。
舌先が襞をまさぐると、そこから全身に暖かい快美感が広がっていく。
533: Dummy Lovers 03/07/21 12:17 ID:ua7fpdXC(3/4)調 AAS
 「もうこんなに濡れてるのね、結香のここ、、、かわいいわよ。」
 「や、、だめ、、恥ずかしい、、、」
 「大好きよ、結香、、もっと食べさせてね。」
 「あっ、、ああっ、、あっあっ、、、っ」
 竜子は結香の秘部に再び唇をつけ、襞肉のそこここを繰り返し舌でくすぐり、ころがす。
結香の脳に次々と羞恥と快楽の電流が送り込まれ、思考が混乱していく。
結香は残った意識を振り絞って頭を持ち上げ、眼前にあるはずの竜子の秘部に唇をつけて舌でまさぐった。
そこは熱く、そして滴らんばかりに潤っていた。舌に侵入され、竜子は顔を離して小さな悲鳴を上げる。

 (んっ、、)
 (うわ、、、先輩もこんなに感じてたんだ)
 もうろうとした意識で考えながら、なおも舌を奥に進める。
舌に触れる竜子の肉の熱さに、ほおを濡らすほどにわき出る愛液に、結香は強い興奮と愛おしさを覚えた。
竜子の腰が逃げそうになったので、結香はだきかかえるように腰に手を回して捕まえる。
結香が夢中で舌を使い、愛液を吸ううちに竜子も愛撫を再開してきた。
神経が集中している突起をついばみ、転がされると、電撃のような快感が脊椎を走って結香を貫き、快楽の悲鳴があがる。
舌先が襞の中に押し入り、暴れるようにかきまぜられると、血液が沸騰するかのように熱くなっていく。
前よりも激しく秘部をむさぼられる刺激に結香の血圧は跳ね上がり、脳内の快楽物質の濃度はピークに達しようとしていた。
534: Dummy Lovers 03/07/21 12:17 ID:ua7fpdXC(4/4)調 AAS
 「あ、ああっ、、、ゆいかぁ、、んあ、、、」
 「んふぁ、、ああっ、せ、んぱい、、、」
 度々、竜子の責めに結香の口が外れるが、竜子は口唇愛撫の再開をねだって腰を結香に押し付けてくる。
結香も、竜子の舌が休むと、ひざで竜子の頭を挟み腰をつき上げて奉仕の続きをせまる。
もう結香も竜子も、相手をむさぼり、快楽を与えあうのに無我夢中だった。
ピンク色に染まった世界で、快感のうねりによって高みに押し上げられながらも、結香は無意識に目の前の肉と襞を舌で転がし、ついばみ、さし入れ、動かし続けた。
歓喜の声を上げているのは自分なのか竜子なのか、もう区別がつかなかった。
血管をかけ巡る熱い潮流のような快楽が、自分の陰部から発しているのか、それとも粘膜に締め付けられている舌からなのか、理解できなくなっていた。
まるでお互いの愛液にからだが融けて混ざりあってしまったかのようだった。
二人は、ただひたすらに、熱い歓喜を求めて、かき混ぜあい、吸収しあった。
535: Dummy Lovers 03/07/21 12:18 ID:OODP5SOL(1/4)調 AAS
 どれほどの時間が経ったのだろうか。
 ふと気づくと、窓の外は既にほの明るくなり、海や陸の鳥たちの鳴き交わす声が聞こえていた。
結香のかたわらには竜子が身をすりよせるように横になっている。
 (お姉様。。。)
 昨晩はどのくらい愛し合ったのだろうか。何回エクスタシーを得たのか、どんなことをしたのか、いつ愛撫をやめて眠りについたのか。
いや、それより今思うと昨日の夜はとても恥ずかしいHなことばかりしていた気がする。
 そんなことを考えていると竜子が目を覚ました。
 「おはようございます、お姉様。」
 「ん、、おはよう、結香。」

 二人は視線を合わせると、軽く朝のキスをした。それから竜子は自分と結香の裸の体に目をやり、言う。
 「昨日はすごかったわね、結香。」
 そう言われたとたん、結香は胸の奥から強烈な気恥しさが沸き起こってくるのを感じた。
なにしろ昨日は、理性をすべてかなぐり捨てて快楽をむさぼる姿を竜子に見せていたのだ。結香はつい毛布の中に逃げ込む。

 「ちょっと、結香、何隠れてるのよ。」
 「うう、、だ、だって、、、」
 「そんな反応されたら、なんだかこっちが恥しくなってくるじゃないの。」
 「だって私、昨日はお姉様にすごくHなことをたくさん。。。」
 「馬鹿ねぇ、そのすごくHなこと、私だってしてるのよ。お互い様じゃない。」
 「そ、そうですね。。でも、、、」
 「私だって、自分があんなHなことをしてたなんて、何だかまだ信じられない
  くらいよ。けど。」
536: Dummy Lovers 03/07/21 12:19 ID:OODP5SOL(2/4)調 AAS
 竜子は毛布の下の結香に手を差し伸べながら続ける。
 「あれも私の本性なのよ。自分でも、自分にあんな部分があるなんて最近まで
  知らなかったけど、でも、あれも私なんだから、結香に見て、知ってもらい
  たかったの。」
 竜子は結香を捕まえてもう一度キスした。
 「お姉様、なんか、、嬉しいです。」
 「結香。」
 「だって、お姉様があんなにHだなんて、世界中で私しか知らない秘密がある
  なんて、、、」
 「そ、そうだけど、、改めて言わないでよ。なんだか恥しくなるじゃないの。」
 「あ、お姉様、隠れないでくださいよ。。。」

 それから二人はシャワーを浴び、簡単に朝食を食べて朝の海辺を手をつないで散歩した。
宿に戻り、まったりとおしゃべりして午前中を過ごしてから、昼食をとり、荷物の片付けと掃除をした。
管理人にカギを返すとき、結香はいよいよこれで帰るんだと実感した。
537: Dummy Lovers 03/07/21 12:19 ID:OODP5SOL(3/4)調 AAS
 「これも、通過儀礼というものなのかも知れないわね。」
 駅で列車を待つ間、竜子が独り言のように言った。
 「どんなに楽しい時間にも、必ず終わりは来る。永遠に続く喜びはないわ。」
 「人間が生きていくには、そのときにきちんと終われるか、古い世界にちゃんと
  別れを告げて新しい環境に足を踏み出せるか、それが大事なことなの。
  だから、これはその儀式だったのかも知れないわね。」

 しばらく二人を沈黙が包む。
 「なんか変なこと言ってごめんなさい。気にしないで。」
 「いえ、いいんです。よくわからないけど、でも、お姉様の言ってることは
  私にもあてはまる気がします。」
 結香はそっとつぶやく。
 「私じゃお姉様を幸せにできないから、、、でも、お姉様はこうして、、、
  大事な思い出をくれましたし。。。だから、私もこれでいいんです。。。」
 竜子は結香の肩を無言で抱いた。
 「やだな、お姉様、、、私は平気ですよ、平気。ほら。そんなしんみりしないで
  くださいよ。」
 「ふふ、そうね。結香にもきっと幸せにしてくれる人ができるわよね。そうね、
  きっと来年あたり、結香好みのかわいい女の子が入部してくるんじゃない?
  そうしたら、今度は私が応援してあげるから。」
 「な、なんですかそれはー。私、女の子オンリーってわけじゃないんですよ!」
 「あら、照れなくてもいいじゃないの。」

 竜子は屈み込んでそっとささやいた。
 「あんなにHが上手なくせに。」

 ホームに結香の叫び声が響く
 「お、お姉様の意地悪!」
538: Dummy Lovers 03/07/21 12:20 ID:OODP5SOL(4/4)調 AAS
あとちょっとだけ続くんじゃよ。
539: 03/07/21 13:33 ID:7YD3kY9S(1)調 AAS
ついに完結ですか?楽しみにしてます。
540: Dummy Lovers 03/07/21 18:10 ID:Ui0b+Sh3(1/3)調 AAS
 あれから1年。
 二人はバスケ部の仲のいい先輩と後輩として過ごしてきた。
 普通に部活し、普通に会話する。自主練習の後などは一緒に帰り、道草がてら竜子が愚痴やのろけ話をしたりする。
結香は従兄の話を聞かされる度に自分の中に小さな嫉妬やいらだちの感情が沸き上がるのを感じていたが、幸せそうな竜子の顔を見ているとそれも鎮まり、二人が結ばれて良かったと思えてくるのだった。
それに、そういうふうに竜子が自分に対して素直に感情や悩みをぶつけてくれていることが、頼られているようで、ちょっと特別な存在でいられるようで嬉しかった。
 結香も彼氏を作ろうかとも思ったこともあったが、いまだ竜子への想いは変わらないため、結局気乗りがせずにご破算になるのだった。

 竜子から電話がかかってきたのはそんな何の変哲もない休日だった。

 「あのさ、今から飲みにこない?」
 自宅だったが、いきなりな誘いに結香はつい声を潜めてしまう。
 「え、、先輩、一応まずいんじゃないですか?未成年だし。。。」
 「平気よ、ホテルの部屋で飲んでるから。」
 「は?」
 「いや、ちょっと結香と久しぶりに積もる話でもしながら飲みたいなーなんて。」
 「ど、どうしたんですか?」
 「別にたいしたことじゃないわよ、来ない?あ、襲ったりしないから大丈夫よー」
541: Dummy Lovers 03/07/21 18:10 ID:Ui0b+Sh3(2/3)調 AAS
 どうもただ事ではない竜子の雰囲気に、場所と部屋を聞くと、結香はツッコミも忘れてホテルに向かった。
ホテルは少々離れた町のシティホテルだった。慣れない雰囲気にちょっと戸惑いながら教えられた部屋にたどり着き、ノックする。
 「あ、いらっしゃーい。」
 がちゃがちゃと音がしてドアが空き、ジーンズ姿の竜子が顔を出す。目が少し赤い。
 「ささ、上がって上がって。チューハイしかないけど飲んで飲んで。」
 結香に酒を薦める竜子の態度はどこかしらやつれたな印象があった。
 「せ、先輩。。。」
 「ささ、きゅーっと。。。よーし、いい飲みっぷり。次は私が飲んじゃおうっと。」
 「先輩、大丈夫ですか?」
 「なーにこんなもん、ジュースと変わらないわよ。うーんもう一杯。」
 「そうじゃなくて、、、私に話とか、したくないんですか。。。」
 「。。。ごめん、もうちょっと飲ませてくれるかな。まだちょっと足りないから。」
 苦しそうに言うと、竜子は黙々と缶チューハイを空け始める。結香も何も言えずにそれを手伝った。
 やがて、竜子が買い込んできたらしい缶はすべて空いた。小さい缶ばかりだったが、それでもかなり回ったようだ。竜子はベッドの上にごろりと倒れ込む。
 「先輩。。。」
 「うん。あのね。」
542: Dummy Lovers 03/07/21 18:11 ID:Ui0b+Sh3(3/3)調 AAS
 口ごもる竜子。その傍らに結香は腰を下ろす。
 「いやなら言わなくていいですよ。私、どこにも行きませんから。」
 「ありがとう。。。ごめんね。うまく言えそうにない。」
 「いいんですよ。」
 「。。。あのさ。。I
 竜子が少し口調を変えて尋ねてくる。

 「あのさ、結香は、、、まだ、私のこと、好きでいてくれるの?」
 「ふふ、何度も言ったじゃないですか。私、先輩が他の誰を好きだろうと、
  先輩が好きですよ。変わってません。」
 結香は少し胸を張るように告白する。
 「ありがとう。。。ありがとう、結香。私も、、、私の気持ちも変わってないわ。」
 「先輩、お兄さんと何かあったんですか?」
 「うん、、、、」
 竜子は口ごもり、そして結香を伏し目がちに見上げた。

 「抱いて、、ほしいの、、、」
 「え、、ええ?、、、でも、、」
 「お願い、今だけでいいから、、」
 「だ、だって先輩、、、」
 竜子はすがるようにして言う。結香は、これほどまで不安そうな、切羽詰まったかのような竜子を見たことがなかった。
 「だらしないって思うかもしれないけど、、、でも、結香に抱いて、暖めて
  ほしいの。でないと、私、、、」
 「もう何も言わないでいいですよ、先輩。」
 結香は、喧嘩中のカップルの浮気相手になるのは後々まずいようにも思ったが、今まで見たことのないほど憔悴した竜子の様子を見て心を決め、唇を近づけた。
543: Dummy Lovers 03/07/21 18:12 ID:D16BRGvP(1/3)調 AAS
 一年ぶりの柔らかい唇が押し付けられてくる。
 柔らかく口づけを交わし合った後、竜子のTシャツの前を開け、ブラを外す。
白い乳房は、1年前に比べて大きくなっているような気がする。そっと触れて、乳首をなぞり、揉みしだく。竜子はせつなげな息を漏らし、腕を結香の背中に回してくる。
上半身を丹念に愛撫した後、竜子のジーパンとショーツを脱がせ、下腹部を、淡い茂みを、ふとももを、ひざを、そっと撫でるように愛撫していく。
竜子の吐息がより色めいたものに変わるころ、結香は指を股の奥深くに忍び込ませた。
体液でぬかるむそこにそっと触れ、ゆっくりとかき分けていくと、竜子は小さな歓喜の声を上げて結香の背中に回した腕に力を込めて抱きついてくる。
そのあたりを、浅く、ゆっくりとかきまぜるように、塗り広げるように指で愛撫する。徐々に撹拌のピッチを早めていく。
早い愛撫をしばらく続けると、やがて竜子は結香にしがみつくようにして全身を震わせ、エクスタシーを迎えた。
544: Dummy Lovers 03/07/21 18:13 ID:D16BRGvP(2/3)調 AAS
 久しぶりの情事を終え、二人は一糸まとわぬ姿でベッドの上で寄り添っていた。
乱れていた息もおさまったころ、竜子がポツリと口を開いた。

 「私ね、、、妊娠してるの。」

 結香は驚き、しばらくしてから次の句をついだ。
 「お、おめでとうございます、先輩。じゃあ、お兄さんと結婚するんですね。」
 だが、竜子は乾いた声で否定した。
 「ううん、、、しないわ。兄さんが、まだ早すぎるって、、、まだ結婚したく
  ないって、、、」
 「え、、、じゃ、じゃあ、、、」
 竜子の声が震え始める。
 「だから、、、産むなって、、、」
 竜子のまなじりから涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。声にならない嗚咽を堪えるかのように肩を震わせる。
結香は、その頭を抱きかかえるかのように抱き締めた。しばらく竜子は竜子の胸を濡らしながらつぶやき続けた。
 「ごめん、、ごめんね、、、こんな話して、、、でも、どうしても、結香に会い
  たかったの、、支えて、暖めてほしかったの、、、私、これからひどいこと
  しなくちゃいけないから、、、もう、結香に愛してもらう資格なんかなくなる
  から、、、」
545: Dummy Lovers 03/07/21 18:13 ID:D16BRGvP(3/3)調 AAS
 (どうして)
 竜子の懺悔を聞きながら、結香は考える。
どうして、私は先輩に幸せになってほしいから身を引いたのに、どうしてお兄さんは先輩を幸せにしてくれないんだろう。
どうして先輩は幸せになれないんだろう。
どうして、赤ちゃんを産んじゃいけないんだろう。。。
 やがて結香の心の中に一つの確信が芽生えた。それは気づいてしまえばごく簡単なことだった。
自分はこの人に幸せになってほしい。だから自分がそうすればいいのだ。

 「先輩」
 結香はあやすような口調で優しく語りかける。
 「産みたいんですね、赤ちゃん。」
 竜子は結香の胸で無言のまま小さくうなずいた。
 結香は、頭を下げ、そして手で竜子に触れてこちらを見るように促してから、口を開いた。
546: Dummy Lovers 03/07/21 18:14 ID:4sfid/gU(1/2)調 AAS
 「じゃあ、私と結婚しましょう、先輩。私、働きますから、一緒に赤ちゃん育て
  ましょう。」
 「な、、、なに、、、」
 「だから、先輩さえ良かったら、私が幸せにしてあげます。本気ですよ、私。」
 「え、、でも、、、それって、、、」
 非常識とも言える結香の突然のプロポーズに竜子は戸惑う。
 「お兄さんが先輩を幸せにできないんだから、私も身を引いたりしません。私と
  結婚して、赤ちゃん産んでください。」
 「そ、そんなこと言われても、、、大体、あなたの赤ちゃんじゃないのよ。。。」
 「でも先輩の赤ちゃんなんでしょ。だったら私、愛せます。私の大好きな人の
  子供なんですから。」
 「結香、本当に、、、本当にいいの、、、本当に信じていいの?」
 信じ難いという竜子に結香は笑って畳み掛ける。
 「だから本気だって言ってますよ。これ以上疑うならこのまま誘拐して私の
  部屋に閉じ込めちゃいますからね。」
 「本当なのね、、、嬉しい、嬉しいよ、、嘘みたい、、嬉しい、、、」
 「うふふ、先輩って意外と泣き虫ですよね。」
 「だって、、だって、、、、、」
 竜子は結香の胸を暖かい涙で濡らし続けた。

 そのあと二人は裸のまま、ベール代わりにシーツにくるまって式を二人だけの即興の式を挙げた。
 リングのかわりに小指をからめて、口にした誓いの言葉もうろ覚えだったが、それでもそこが二人の新しい出発点になった。

Dummy Lovers 完
547: 03/07/21 18:16 ID:4sfid/gU(2/2)調 AAS
というわけで、長らくのお付き合いありがとうございました。
またどこかのスレでお目にかかるかも知れませんが、なにとぞご容赦のほどを。
548: 03/07/21 21:12 ID:jwjWH9H2(1)調 AAS
おつでした
549: 03/07/22 02:17 ID:MpAVfURC(1)調 AAS
とりあえず乙。
550: 03/07/22 04:18 ID:ttEi1uQ+(1)調 AAS
感動しますた。
551: 03/07/22 04:51 ID:jftWzxcw(1)調 AAS
80レス近く? 2chのエロSSとしてはすごい大作だ。
乙ー。ラストシーンなんかは作者の願望が出ててとても良かったよヽ(´ー`)ノ
552: 03/07/22 10:15 ID:5zap4yuu(1)調 AAS
んーなんちゅーか想像を超えた結末でしたな。
ティーン向けの恋愛小説とかってこんな感じなの?
553: 03/07/22 12:13 ID:tjaNvARj(1)調 AAS
展開がトンデモすぎて萎えた
554
(1): 03/07/22 12:29 ID:Sl3raQgx(1)調 AAS
オランダへ
555: 03/07/22 20:18 ID:rrEXRCt+(1)調 AAS
お疲れさま。
急展開にちょっとびっくりしたけど、なかなか面白かったYO!
556: 03/07/22 23:54 ID:rRZQy/Eo(1)調 AAS
>>554

warota
557: 03/07/25 02:04 ID:vJ3AL4um(1)調 AAS
感想遅いけどおつかれ〜
百合ものの終わり方としてはちょと珍しいけど
二人が一緒になれるならよしですよ
次回作も期待しています!
1-
あと 35 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ

ぬこの手 ぬこTOP 0.038s