メルヴィル 久慈真白 (469レス)
1-

216: 2024/03/09(土) 18:53:21.54 ID:ojW9K1Op(10/12)調 AAS
ガールフレンド(仮) 篠宮 りさ(声 - 日笠陽子)
−搭乗機@:A-4Fスカイホーク艦上攻撃機s/n:154977 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 反町 牡丹(声 - 井口裕香)
−搭乗機@:A-4Fスカイホーク艦上攻撃機s/n:155025 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 高崎 瑠依(声 - 田村奈央)
−搭乗機@:A-4Fスカイホーク艦上攻撃機s/n:155027 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 武内 未美(声 - 辻美優)
−搭乗機@:A-4Fスカイホーク艦上攻撃機s/n:154200 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 玉井 麗巳(声 - 下屋則子)
−搭乗機@:A-4Fスカイホーク艦上攻撃機s/n:155036 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
217: 2024/03/09(土) 20:48:27.15 ID:ojW9K1Op(11/12)調 AAS
ガールフレンド(仮) 戸村 美知留(声 - 阿澄佳奈)
−搭乗機@:A-4Lスカイホーク艦上攻撃機s/n:147750 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 豊永 日々喜(声 - 野中藍)
−搭乗機@:A-4Lスカイホーク艦上攻撃機s/n:147772 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 林田 希羅(声 - 森嵜美穂)
−搭乗機@:A-4Lスカイホーク艦上攻撃機s/n:149635 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 早見 英子(声 - 加隈亜衣)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:158182 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 春宮 つぐみ(声 - 高垣彩陽)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:158195 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
218: 2024/03/09(土) 20:49:44.89 ID:ojW9K1Op(12/12)調 AAS
ガールフレンド(仮) 古谷 朱里(声 - 小清水亜美)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:159789 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 皆口 英里(声 - 楠田亜衣奈)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:160024 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 弓削 楓(声 - 長久友紀)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:160036 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 吉川 繭子(声 - 菱川花菜)
−搭乗機@:A-4Mスカイホーク?艦上攻撃機s/n:160264 搭載兵器:B57 Mod 3核爆弾×1発
ガールフレンド(仮) 李 春燕(声 - 阿部玲子)
−搭乗機@:F-84Fサンダーストリーク戦闘爆撃機s/n:51-9480 搭載兵装:Mark7核爆弾(61kt)×1発
219: 2024/03/16(土) 14:11:22.53 ID:cdXiywQ/(1/2)調 AAS
ガールフレンド(仮) 操縦士:李 春燕(声 - 阿部玲子)、爆撃・航法士:荒井 薫(声 - 井上ほの花)、尾部銃手:久保田 友季(声 - 鈴木亜理沙)
−搭乗機@:A-3Bスカイウォーリアー艦上攻撃機s/n:142236 搭載兵装:Mk.39核爆弾(4MT)×1発
220: 2024/03/16(土) 14:11:57.38 ID:cdXiywQ/(2/2)調 AAS
ガールフレンド(仮) 操縦士:李 春燕(声 - 阿部玲子)、爆撃・航法士:荒井 薫(声 - 井上ほの花)、尾部銃手:久保田 友季(声 - 鈴木亜理沙)
−搭乗機@:A-3Bスカイウォーリアー艦上攻撃機s/n:142236 搭載兵装:Mk.39核爆弾(4MT)×1発
221: 2024/03/16(土) 14:37:44.31 ID:YdadMIHJ(1)調 AAS
護衛戦闘隊
天上天下 操縦士:凪 宗一郎(声 - 保志総一朗) @ レーダー操作員:棗 亜夜(声 - 茅原実里)
―◆搭乗機@F-101Bヴードゥー長距離要撃機s/n:56-0241 搭載兵装:AIR-2Aジニー空対空核ロケット×2発 AIM-4Dファルコン×2発
天上天下 操縦士:棗 真夜(声 - 久川綾) @ レーダー操作員:高柳 雅孝(声 - 関智一)
―◆搭乗機@F-101Bヴードゥー長距離要撃機s/n:57-0252 搭載兵装:AIR-2Aジニー空対空核ロケット×2発 AIM-4Dファルコン×2発
天上天下 操縦士:ボブ 牧原(声 - 三木眞一郎) @ レーダー操作員:菅野 影定(声 - 近藤隆)
―◆搭乗機@F-101Bヴードゥー長距離要撃機s/n:57-0282 搭載兵装:AIR-2Aジニー空対空核ロケット×2発 AIM-4Dファルコン×2発
天上天下 操縦士:高柳 光臣(声 - 森川智之) @ レーダー操作員:俵 文七(声 - 矢尾一樹)
―◆搭乗機@F-101Bヴードゥー長距離要撃機s/n:57-0308 搭載兵装:AIR-2Aジニー空対空核ロケット×2発 AIM-4Dファルコン×2発
天上天下 操縦士:五十鈴 絵美(声 - 寺田はるひ) @ レーダー操作員:神楽坂 忍(声 - 真殿光昭)
―◆搭乗機@F-101Bヴードゥー長距離要撃機s/n:57-0410 搭載兵装:AIR-2Aジニー空対空核ロケット×2発 AIM-4Dファルコン×2発
222: 2024/03/17(日) 03:30:00.62 ID:qfd58CHM(1)調 AAS

223: 証言集 2024/03/24(日) 19:05:54.18 ID:PzMsZ49h(1/3)調 AAS
【苦労した空中給油訓練】

綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「終末軍・・・・・どうも不穏な空気を漂わせる民放アニメの一角であるプリキュアシリーズに対して出撃し核攻撃を行う・・・・・そんな冷戦期のコンセプトを引き継いだような組織だ。」
「いずれにしても、プリキュアがダークサイドに堕ちたと認証されれば即座に出撃するという規約があり、無かったら待機状態になる。」
「高度育成高等学校に、終末軍の車がやってきたのは特殊な試験や人間関係で苦悩を味わった直後だった。ちょうどメタ視点でいえば2期が終わる辺りである。」

「なんか厳つい装甲車のような見た目でボンネットを付けており、所々に機関銃がついたトレーラーで長さ的には日本の公道を辛うじて走れるという感じだろうか・・・・・・。周りにはアメリカ製のジープや日産のワゴン車がいる。」
「別のクラスの生徒はマッド・マックスだとかバトル・トラックだとか騒いでいる。堀北や須藤に高円寺も神妙な顔つきで見ていた。」

「校内放送で、突然教室に軍服を着た兵士がゾロゾロと入ってきた。俺たちは、有事に備えて終末軍の一員として戦闘の準備をしてほしいという実にシンプルな要求だった。」
「てっきりフルメタル・ジャケットみたいに教官が騒ぐ側で障害物を乗り越える・・・・という場面を現実で実施するのかと思ったが終末軍は空軍と海軍で陸軍じゃないということにホッとした。」

「そして、俺たちには複雑な兵器の要素要素を覚えるとか英語を完全なまでに覚えるとか過剰な要求はかからず、出国までに携帯食に慣れるのとトイレを基本的に使用せずに野外で済ませるかその場で漏らすようにしろという2つの課題が示された。」
「誰も彼もが困惑しているが、俺には核攻撃をするという実感が湧かなかったしプリキュアを手掛ける東映はそこまで愚かな判断は下さないって容易にイメージ出来ていた。」

「そして、クラスメートとの間で質疑応答が続いた後、指揮官らしき人が最後に?家で普通にトイレは使うのは良い?という一言が付け加えられた。」
224: 証言集 2024/03/24(日) 19:21:33.33 ID:PzMsZ49h(2/3)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「その後、身長と体重が調べられて160?を超えている俺は戦闘機乗りに選ばれた。それから教室で終末軍のPVをプロジェクターを使って観ることになった。」
「F-84F F-100C/D/F F-101A/B/C RF-101C F-102A F-104C/G F-105B/D/FG・・・・などなど様々な軍用機が飛んでいる様子が描かれて、最後はアイオワ級戦艦やミッドウェイ級航空母艦も登場した。なんと豪華な内容だろう。俺らはまるで小さい頃に観たスーパー戦隊シリーズ・・・・・2001年に生まれた俺らの世代ならボウケンジャーかゴーオンジャーを思い出すメカのオンパレード。」
「俺はそれを思い出しながら観ていると、突然右の様子が気になってちらりと見た。堀北、見入るあまりにスカートがはだけて中の下着がちょっとだけ見えている。高円寺や竹内も興奮して観ている。」

「思わず気になったので、あえてツンツンする感じで指さしした。堀北、顔を真っ赤にしてパタパタとしまい直す。フリル付きとはいえ白は何度観ても昭和の色だ・・・・・。」

「それから俺たちは、アメリカ、イギリス、フランスのブースからそれぞれどこに行くかを考えた。異国の地へ行くのだから日本人が最も馴染みやすい場所が良い。ということで、アメリカを選んだ。」
「候補としてはF-111やF-4、F-100があったが悩んだ。どうもしっくり来ない。そうしている間に竹内や平田に神崎が、ある機体を見ながらワクワクしていた。」
「F-105、先程見た記録映像では記号を間違えたと言われていた戦闘爆撃機だ。据わりが良くて飛行性能も秀逸。おまけにF-100やF-104と違って事故率は低めだった。よし、この機体にしよう!」
「俺たちはF-105サンダーチーフを選んだ。これでその日が来たらプリキュアの世界線へ向かって驀進する。そう心に決めた。」
225: 証言集 2024/03/24(日) 19:59:18.21 ID:PzMsZ49h(3/3)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「そして、次の日から生活スタイルは一変した。俺たちは日中は味がほとんどしない固形食や粉末ジュースで過ごした。」
「今まで美味しいご飯ばっかり食べていたから、その変化は急激すぎた。特に味がないから会話でその場しのぎで時間が経つのを待つ。」
「ある意味現実の刑務所以上に苛烈極まり無い状況だった。トイレが使えないのだから、俺たちはあまり水が飲めなかった。とりあえず大に関しては小学生の時代からそう植え付けられたようなもので耐えられた。」
「警備していた終末軍の兵士達が、俺たちが大を外でしないことに感心していたようだがそれは自然。俺たちは昔から学校で大をすることを嫌う。だから家まで耐えられた。」
「しかし、女子達はあまりの辛さに時々叫んだり泣いたりしていた。昼休みに外に出れば、茂みに女子が立って周囲を見回している。」
「すると裏から女子が出てきてもう片方が茂みに入っていった。ああ、そういうことなんだ・・・・。暫くしてあの辺りに行ってみた。ツーンと来る臭いがして、そこに濡れたティッシュが落ちていた。あえて俺は触れなかった。」

「そんな日が続いて2週間後、学校から通知書が来た。どうやら終末軍が現地で受け入れ体制が完了したらしい。5日後に迎えに来るから準備せよというものだった。」
「俺たちは部屋で荷造りを始めた。現地ではまず入手できない素材を次々と鞄に詰め込んだ。こんな気持ちは修学旅行以来だ・・・・。」

「5日後、終末軍が手配したと思われるバスがやってきた。俺らはゾロゾロと荷物を係に預けて乗り込んだ。どうも実感は今ひとつだから出国らしい。同時に車内でパスポートが配布された。」
「写真は面接で使ったものをそのまま流用している。故に全員の分の制作はすぐできたらしい。3台のバスは学校から羽田空港に移動。なぜか正規のゲートを通らずに直接滑走路に行った。」

「そこに停まっていた飛行機はVC-137A(58-6970)と呼ばれていて、まるで中から大統領でも出てきそうな雰囲気。俺らはそこを指定されて搭乗した。誰もが今までの鬱憤を晴らすほどまでに喜んでいた。」

「まあ、無理はないか。飛行機で海外へ行くなんて人生であるかないかの話だから・・・・。」
226: 証言集 2024/03/31(日) 00:53:05.85 ID:gEjRvh0M(1/2)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「日本を離れてから空の旅が壮絶だった。最初は修学旅行みたいな気分だったが途中からタイムワープでもするかの如く巨大な渦が出現し、俺たちはいつの間にか倒れていた。」
「その割に飛行機そのものは異常はなくて、わざわざ操縦席のドアまで行って状況を聞きに行ったが問題ないの一言でCAから突っぱねられた。」
「俺たちは、次第に外を見ている内に大陸が見えて、町が点在するのもこの目で見た。すると、なぜか窓を閉めろと言われたのでそれ以降はなにもせずに堀北や軽井沢と会話を続けた・・・・。」

「大体1時間経つ頃に着陸のアナウンスが流れ、俺たちの乗った飛行機は人気のない寂れた基地に着陸。そこから小さなオフィスビルらしき場所に案内されたんだ・・・・。」
「まあビル群に紛れてぽつんとあるような小さな建物で、中小企業の本部みたいな感じだったな。中に行けば歓迎を示す花飾りが。なんか葬式にあるような花輪だったけどあえて言わないでおこう。」
「やがて160?未満と以上で二分された。俺たち160?超の面子は戦闘機のポスターが貼られた部屋に通された。そこでは机と椅子の設営が堂々と行われていた。10代の若い子が働いている。」
「日本人だったので感心しつつ俺たちは着座。軍の指揮官らしき人が部屋に来て、俺たちは見事戦闘機乗りとして栄えある1日目をスタートしたと告げられた。」

「オリエンテーションらしき行事の後、今度はトレーラーハウスに案内された。どうやら建物への家具の搬入が送れているので現地調達したこの移動車両で寝泊まりするらしい。」
「確かに豪華なデザインをしたホテルらしき建物にトラックが列を成して、荷物がぞろぞろと運ばれている様子が見て取れた。程なくして急拵えで申し訳ないとお詫びが来た。」
227: 証言集 2024/03/31(日) 01:27:27.10 ID:gEjRvh0M(2/2)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「次の日から訓練が本格的にスタートした。まずは飛行機が飛んでいる様子と操縦方法をビデオで覚えた。失速したら機首を下げろと大体20回ぐらい言われた。」
「その次にフライトシミュレーターが用意された。どうやら俺が乗るF-105そのものらしい。いざ操縦してみると意外と難しい。ちょっとでも操縦桿を捻りすぎたら回りすぎてエラーが出た。」
「高円寺や竹内は勘だけで操縦桿を動かしてバランスを取っていたが、ふざけて機首上げをしたらしく墜落した。後ろでドッと笑い声がした。笑っていたのは現地のパイロットと思しき人達。」
「その日の夜は待望の兵舎に案内された。あろうことかアジアに存在した水上レストランであるジャンボキングダムそのものであり、船というわけではないが上層部は完全にそれだ。」
「なんでも昨日設営をしていた絢瀬絵里さんから聞いた話なんだが、F-111の搭乗員が寝泊まりしている兵舎はホラー映画として有名なシャイニングに出てきたホテルそのものの形をしていて不気味だという。」
「絢瀬絵里さんもF-4の搭乗員として日本の音ノ木坂学院を卒業した後に招集されており、人手不足だったので急遽借り出されたらしい。」

「数日間、フライトシミュレーターや座学が続いた。2週間ぐらいかかったか。3週間目にして俺たちはやっと飛行機に触れることが出来た。」

「俺が乗った機体は雑多だが、飛行機とはこういうものというのを教えてくれた。基本、教官と一緒に空を飛んだが慣れてくると1人で飛んだ。今まで乗った機体は次の通り。」

?PT-13ケイデット(N75010) 28時間
?PT-19コーネル(PP-HLB) 20時間
?T-28Bトロージャン(N55500) 26時間
?T-33Aシューティングスター(N133CK) 40時間
?F-94Cスターファイア(51-13575) 55時間
?F-86Fセイバー(NX86FR) 70時間

「6番目だけ単座だが、この頃になると1人で飛ぶことが認められる。それからは俺たちは待望のF-105F・・・・といいたいところだが既に核攻撃任務に宛がわれてしまったため、F-84G(51-9953)に変更された。」
「ここからが大変だった。任務中の空中給油があるのは当たり前であるため、それを習熟する必要があるのだ。というよりは、これが出来なければ前線に出させてもらえない。」
228: 証言集 2024/03/31(日) 22:35:38.02 ID:T0kQDqiK(1/2)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「F-84Gはマッハ1になるかならないかの機体であり、言うまでもなく仮に使うとなれば辛うじて第2〜3世代機に追いつけるF-84Fが相応しいとのこと。」
「前線に送られないG型は空中給油の訓練に打って付けというわけだ。しかし、この訓練は割と苦労した。」
「使う機体はKC-97Lストラトタンカーとよばれるレシプロエンジンの輸送機に燃料タンクとブームを付けて、ジェットエンジンを後付けした機体だ。」
「実戦ではKC-135Aで行われると説明されたが、ある意味この機体は燃料をもらうのが大変だった。まず、KC-97Lのスピードに合わせて飛ぶ。これがまず最初の関門だった。」

「こちらが早すぎると真下を素通りしてしまい、逆にスロットルを戻してスピードを落とそうものなら失速してしまうのだ。かろうじてスピードを合わせることに成功したら、次は燃料の移送だ。」
「今度は操縦桿をほとんど動かさないようにするという難しさが滲み出る作業だ。KC-97Lからブームが降りてきて、それが接続されてから燃料の移送が始まる。」
「この間は操縦桿を水平にして、変な動きにならないように真っ直ぐ飛ばなければならない。これが非常に困難で、横風があれば思わず操縦桿を倒して給油が終わってしまうのだ。」
「事故を想定してすぐに外れるようになっているが、一度外れたら体勢を立て直すのが難しい。俺は最初にF-84Gで近づいてから空中給油をした。」
229: 証言集 2024/03/31(日) 22:36:49.94 ID:T0kQDqiK(2/2)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「あろうことか横風が出てきて機体が横に揺れた。無線からは教官の?今なら出来る!?という声が聞こえる。まだ接続していないが、隙を突いて急接近。ここでスピードを見誤れば激突して両方ともお釈迦だ。」
「どうにか接続できたが、いくら小型の機体で燃料の移送は3分も掛からないとはいえ3分は10分に感じられた。操縦桿を維持しないと外れてしまう。」
「やがてKC-97Lから合図が見えたので、俺はすぐに離れた。燃料計を見たら満タンになっていた。異様なまでに長かった。教官が無線機を通してよくやったと叫んでいる。」

「俺の次は高円寺の機体だが、どうも気流の乱れからかガタガタ飛んでいるのが分かる。無事に成功したようだが、暗黙のルールとして作業中は一切交信しないという条文が存在している。故に俺は高円寺がどんな気持ちで操縦桿を握っていたのか分からない。」
「今やF-105に乗って?その時?を待っているが、F-84Gが連絡用に使われているのを見ると苦労した空中給油の訓練を思い出す。F-100相手に空中給油を実施しているようだが、彼らはすっかり慣れた手つきで燃料をもらっている。」
230: 2024/04/03(水) 00:47:19.91 ID:YZcgEqC5(1)調 AAS
守備がガタガタやったし攻撃もサラーが覚醒終わってるよ
ガーシー 王族への警戒心を掴めない
いいから早く実家出ろって。
231: 2024/04/03(水) 00:50:00.25 ID:2+TRUCO9(1)調 AAS
お前、大型高配当株が正義で叩かれるやつが悪だってのはこういう事でも注目されるは国会議員とか最悪じゃん
だね。
ガーシーは嵌められたんだろうか?
232: 2024/04/03(水) 00:58:02.27 ID:wdsDR0wq(1)調 AAS
>>145
活動中によくクラブ行こうぜ
「じゃあ 」の意味での言動がね
(´・ω・`)
233: 2024/04/03(水) 01:02:54.09 ID:ZkOkUv7q(1)調 AAS
😠みたいな
それは無理な人だよ
不思議な相場だな
234: 2024/04/03(水) 01:21:47.96 ID:WC+bw5DG(1)調 AAS
>>87
朝からどんどん下がっていく
後場もズルズル引きずらずに切り替えるだけ
投票率・・・
235: 2024/04/03(水) 02:23:24.04 ID:Ag3tTS8Y(1)調 AAS
面白いのにタバコは嫌だな
236: 2024/04/03(水) 02:41:53.43 ID:PMsWv1Fi(1)調 AAS
むしろ一回利確しなさいって学んだだろうにねえ
237: 2024/04/03(水) 03:14:38.49 ID:j7h500bh(1)調 AAS
ビート作れるしライブめちゃくちゃうまいし
238: 2024/04/04(木) 21:12:03.05 ID:8m4TNZ4O(1/3)調 AAS
綾小路 清隆(声 - 千葉翔也)

「なんだかんだで空中給油は見た目以上に困難が伴う。そんな訓練だったが恐ろしい事故が起きた。それは2023年の6月6日だった。」
「この日、1機のF-84G(110998)がKC-97L(53-0363)から燃料を貰っていた。給油が終わるまで2分30秒の間は操縦桿を動かさないというルールだった。」
「が、横風が急に吹いてたのか衝撃でF-84Gからリセプタクルが外れて斜めに姿勢が変化。その際にKC-97Lの機体下面に主翼の一部が当たってしまったのだ。」
「幸いにも基地が近かったのと燃料タンク破損という最悪の事態はさけられた。F-84Gも主翼の先端部がちぎれて燃料が漏れたため合わせて基地へ帰投した。」
「俺は待機命令を受けて離れた位置から見守っていたが、基地には消防車やクレーン車の車列が見えたため受け入れ体勢は整っていたらしい。」
「KC-97LもF-84Gも無事に着陸して搭乗員はすぐに飛び降りて逃げた。俺たちも着陸して現場を見たが、なんとKC-97Lの内部が欠けた部分がよく分かるではないか。」
「改めて、この訓練は危険と死がつきまとうことが分かる好例であったと誰もが認識した・・・・。」
239: 2024/04/04(木) 23:03:47.33 ID:8m4TNZ4O(2/3)調 AAS
araival
240: 証言集 2024/04/04(木) 23:26:53.74 ID:8m4TNZ4O(3/3)調 AAS
【本編で不遇な人ほど得をしました。】

吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「メタ視点的なアレで見た場合1作目が放送された2015年に久美子たちが北宇治に入学して始まったことになっているユーフォニアムUNIVERS。」
「そこで描かれたのはあすか先輩の家庭内の事情による退部危機。どうにか回避して挑んだ全日本吹奏楽コンクールは銅賞で終わった。一筋縄ではいかないのを学んだ。」
「2016年、久美子たちは2年生に。久石奏さんたち1年生が入部。私は新部長に昇格。そこで色々な葛藤を経て関西吹奏楽コンクールで金賞を得るも関西代表には不選出。」
「そこにあると誰もが信じていた最後の校名にあったのは、龍聖学園高等部という新興勢力で言わばダークホースという連中だった。私の夢はここで終わった。」
「今まで様々な問題に遭遇してきただけあって、非常なまでに絶無と悲哀が脳味噌を這いずり回る。これが夢破れた者の心境か。これを最後に私たちの代は引退。」
「久美子が新部長に就任して2017年、最後の夢に望もうとする。その3期が放送される前にあったのが例のアンサンブルコンテストである・・・・・。」
241: 証言集 2024/04/05(金) 17:55:37.22 ID:GxZokXGs(1/3)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「北宇治に終末軍が来た。まあそれ以前に緑色の葉書で参加の呼びかけという案件を知っていた。プリキュアが将来的に三流以下に成り下がる。その時に備えて戦闘準備を。」
「もし参加しなかったら反乱分子とみなして軍が押し掛けてくる。そんな話を聞いて私は集合場所である北宇治高校に行った。香織先輩と久しぶりにあったのでめちゃくちゃうれしい。」
「そこで軍関係者が装甲車みたいなトレーラーやバスで集まってきて、私たちは体育館で彼らからの話を聞いた。」
「2023年、プリキュアが今後暴走して民放という三流以下になり果てる。今この年では魔法描写がなさ過ぎておジャ魔女どれみとは真逆の内容と化した魔法つかいプリキュアが放送されている。」
「今のよりももっと戦慄するような作品が放送されるかもしれない。2023年までプリキュアは続いたが先行き不透明。私は真顔で聞いていた。」
「それから、例によって戦闘機と爆撃機、攻撃機、軍艦のいずれかを選んでプリキュアの世界線を核爆弾で粉砕するという話が出て一同はざわついた。香織先輩も同じ。」
「そして、全員に対してぜいたく品を食べない、トイレを使わずに用を足せるようにする、詰んだのなら漏らすのも一興という頭にタライが落ちてきたような衝動にかられた。」
「私は正直なところ、実感はわかなかった。すぐに軍関係者は戦闘機と攻撃機に選ばれた者には、これら3つを義務化するものの爆撃機に選ばれたものには2つ目と3つ目の要求は強制されないと付け加えられた。」
「正直幼稚園とか小学校だったかな?漏らして騒いでいた子を見たのって。あすか先輩たちは笑っていて、久美子たちは絶句していた。夏紀も同じ。うん、わかるわかる。」
「それから、軍用機や軍艦の様子を紹介するビデオを見た。男子は喜んでいたけど私たちはさっきの話が頭から離れず現実逃避するようにスマホを見ていた。」
242: 証言集 2024/04/05(金) 18:11:46.69 ID:GxZokXGs(2/3)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「それから身体検査が行われた。香織先輩と戦闘機で飛ぶ?核を落とす?そんな未来が頭をよぎる。うれしいけどプリキュアに核を使うのはどうかと思った。」
「だけど、メタで言うと私達の番組の放送は3か月、昔は4年も放送し続けた時代を考えるとあまりにも悲しい。6か月放送できるパターンもあるけど、意地汚い大人がそれを阻止しようとワザと潰してくる。」
「ある意味プリキュアが1年放送できるのは、それに見合った作品であることが要求される。しかし、視聴者を軽視しテレビ局のゆがんだ頭の人間によって間違ったまま作られ続ける、ドラえもんやサザエさんにちびまる子ちゃん、ワンピースのような凋落をプリキュアがすると思うと吐き気がした。」
「私たち新しい時代を作る者より枯れた連中がチヤホヤされるのを思えば虫唾が走った。そう思いながら在校生組は体操着を着て身長を図った。身長は156?で戦闘機や攻撃機に乗る夢は消えた。」
「一方で香織先輩は166?で、戦闘機や攻撃機への道が開けた。私は頭を抱えた。結局、私たちに課せられたのは爆撃機乗りだった。」
「次に国を選んだけれど、私たちには馴染み深いアメリカを選んだ。フランスとイギリスもあったのだが抽選という単語がデカデカと出ていた。」
「つまり希望してもその通りにならないということ。アメリカは逆に抽選なしで選べると書かれていた。選んだ。そこには大きく強調された機体が。」
「友恵に夏紀、麗奈と夢、奏、新参者である真由もこちらにやってきた。私が目を付けたのはB-52、機体の欠陥から来る事故率の低さと安定した信頼性がセールスポイントだった。」
「おまけに操縦性・・・・つまり真っ直ぐ飛ばせる、着陸したときにスピードがすぐ落ちるという癖のない機体だと宣伝部長らしき軍人から説明された。」
「よし、この機体で敵殴り込むか!B-47やB-58が完売御礼という表記があり、B-52も一部が売れていた。私は、この段階で戦闘は起きないだろうと高を括った。」
243: 証言集 2024/04/05(金) 18:17:06.64 ID:GxZokXGs(3/3)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「その後、B-52を応募した後で談笑が続いてから集会は終わり。それから友恵や香織先輩と一緒に喫茶店であれやこれやと会話をした。」
「それからはアンサンブルコンテストの章に移り、私と夏紀はガタガタしつつも制約だらけのイベントに参加。最終的に私達じゃないグループが選ばれて大会へと羽ばたいた。」
「で、そのあとは戦闘機や攻撃機のグループとは違って厳しい制約や条件もなく、せいぜい味の薄いレーションという食べ物や、日本政府が提案した蕎麦掻や葛湯を始めとする携帯食での生活が続く。」
「トイレに関する制約はなくて、私たちは外でするか漏らせという圧力もなく、有意義に使えた。掃除当番の人はトイレ掃除に使う労力と洗剤が減って大歓迎だと語っていた。」
「それから、準備完了の報告が軍から出され、京都駅に集合、関空へ貨物列車に乗って移動、エアフォースワンで2023年1月へワープするのは田中先輩の体験したのと同じ。」
244: 証言集 2024/04/07(日) 19:40:22.26 ID:+KicAkR5(1/4)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「着いた後、私たち140~150センチ台の一同は久美子達と別れて別の基地へ。すると、いかにも巨大な軍用機がありそうな格納庫やだだっ広い滑走路が私たちを出迎えた。」
「言うまでもなく、管制塔らしき建物に歓迎の文字が。だけど漢字が歪で部首が足りないようなもの。中年の司令官と思しき人が両手を広げてようこそと歓迎してくる。」
「荷物を所定の場所にしまってから、私たちは最初の説明会に行った。どうやら私たちのデータは京都からこの時代の軍部に送信済みのようで、それに伴い私たちは役割を決められた。」
「機長だった。要は爆撃機に乗って機体の命運を握るという立場。正直なところ誰が適任かは最初の説明で自ずと理解できた。」

Yuko Yoshikawa. I have appointed you as the captain of the bomber. Please work even harder to complete the bombing mission for a long time!
(吉川優子さん。あなたを爆撃機の機長に任命します。これから長期間、爆撃任務を完遂するために奮励一層がんばってください!)

「若い指揮官がそう英語で発言した。一瞬なにか分からなかった。でも周りにいる将校や兵隊さんはみんな手を叩いて喜んでいた。ヒューヒューと茶化す人もいる。」

「そして、私は爆撃機の機長、即ちキャプテンを任命されたことを翻訳者から教えられた。目を疑った。幻聴?やらせ?思わず目の前にあった表示板を見たら、私の名前とキャプテンの単語が。」

「嬉しいと思ったけど妙に複雑な気持ちに。ちなみに終末軍の参加メンバーに対しては階級章みたいなのは今のところないらしい。」
245: 証言集 2024/04/07(日) 21:16:39.01 ID:+KicAkR5(2/4)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「なぜ私が機長に?それを聞いたら指揮官は選定理由を次のように話してくれました。」

Mr. Yoshikawa, you had hoped to become the new manager at the local tournament in 2016, but due to the rise of emerging powers, your path to the national championship was closed.
After researching from various viewpoints, we have decided that you, who are unlucky, are the right person to be the captain of the B-52 that will carry out this important operation.We appoint people who have talent but have been pushed out of luck to take on this important role. This is our top priority.
(吉川さん、あなたは2016年の地方の大会において新部長として望みましたが新興勢力の台頭もあり全国への道は閉ざされました。そこに至までの苦悩と葛藤、後輩との対峙など様々な観点から調べた結果、不遇なあなたこそ、この重大作戦を担うB-52の機長に相応しいと判断した結果です。
我々は才能を持ちながら幸運から突き放された者こそ重要な役割に任命することを第一としています。)

「それを知った私は思わず笑いが止まらなくなるのをヒシヒシと感じた。何時以来だろう?こんなに笑ったのは。夏紀も葵先輩も拍手している。あの夏紀までもが。」
「そして、私に続いてどんどん機長が選ばれた。選定理由を知ればなぜかは分かる。あまりにもベタかもしれないけど、私たちは神事のようにその場でじっとしていた。」
246: 証言集 2024/04/07(日) 21:17:47.15 ID:+KicAkR5(3/4)調 AAS
機長へ任命された者

中川 夏紀「日本での生活は苛酷を極めており、三人家族でありながら自由に物が買えずに格差を覚えながら吹奏楽部の日々を過ごした。少々演奏家としては劣る部分があり、後輩にわざと勝ちを譲られそうになった。」

齋藤 葵「勉強と部活の両立が困難になり、かつて部内で起きた内乱の際に無能な当時の3年生に恐怖し後輩が逃げていくのをただただ見ているだけだったことを苦にしてのうのうと
過ごすのが退部を選んだため。なお、初めて京都の北宇治高校から送付された調査報告書における出生から彼女が過ごした無能な3年生たちの醜悪から優秀な後輩たちが来た
状況を初めて見て、一同は大きな衝撃を受け、なんと言えばいいのか言葉に出ませんでした。終末軍戦略爆撃機運用部門の司令官たちは顔面蒼白でした。彼らは文章を通して齋藤氏の
退部までの最後の状況を共有しました。」

加部 友恵「2016年の大会を前に顎関節症を発症し演奏者としての道を閉ざされたため。誰もが頼り、部内の空気を和ませるほどのカリスマ性を兼ね備えていたため。」

久石 奏「進級前に中学で3年生の代わりに大会に出たところ、満足な結果を得られず出たことを陰で批判された末に偏屈になったため。」
247: 証言集 2024/04/07(日) 22:03:46.05 ID:+KicAkR5(4/4)調 AAS
吉川 優子(声 - 山岡ゆり)

「それから、私たちはとんとん拍子にB-52へと歩み始めた。最初はAT-6Gテキサン(N584M)から始まりC-47Aスカイトレイン(N3239T)、B-25Jミッチェル(N27493)、
B-17Gフライングフォートレス(N9323Z)、B-29スーパーフォートレス(N529B)と進んだ。初めて操った時は緊張はした。まずタキシングから離陸までの段階でも教官から
突っ込まれた。夏紀は冷やかしてきた。思わず後ろにいた仲間に銃撃してもらおうかと思った位。でも、プロペラ機はここまでで遂にそこからジェット機であるRB-57Aキャンベラ(52-1475)、RB-47Hストラトジェット(53-4296)に乗れた。」
「機長である私は、離陸に成功してからも着陸までは苦労した。どんな場面でも失敗はつきもので、誤って民間機とギリギリまで詰めてしまったり
機首上げをし過ぎて失速して機首下げをしたときは地面の様子がくっきり分かるまでになっていたり、RB-57Aで飛んでいたときはエンジン出力を後ろから切られていないと
叫ばれて、とうとう滑走路からはみ出してタイヤを破裂させたりと・・・・。夏紀も似たようだったけど、私もそうだった。けど夏紀みたいな事故は起こしていない。」
「なんやかんやで、最後の仕上げとしてNB-52B(52-0008)に乗った。これが機種転換訓練の最終地点であり、私たちにとっては訓練の集大成だった。」
「軍の指示があったらしく、夏紀と同じ編隊に加えてもらえなかった。私が組んだのは加部さんの機体とか春日未来さんのB-29が主だった。」
「理由は単純で、私が夏紀と犬猿の仲だというのを北宇治からの資料で知ったからだという。それからクルーリソース・マネジメントを通して搭乗員が不仲だと事故を誘発しやすいと学んだ。」
「こうして、私たちは半年かけてB-52の操縦を可能にした。これで2024年にプリキュアが最悪な方向へ転じたらと思うと身震いがする。あってはならない・・・・あるわけないよね?」
「そう思いながら私は、B-52の機長として編隊を指揮し爆撃訓練に従事している。ああ・・・・これでトイレが剥き出しじゃなかったら私たちはどれだけ救われたでしょうか・・・・。辱めは脱いで音を立てたときに激しくなった。」
248: 証言集 2024/04/14(日) 21:00:06.07 ID:k17ZcthV(1)調 AAS
【冷暖房が壊れた!】

望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「あの出来事は出撃前の日々の中で経験したものでは恐ろしいものでした。墜落とはまた別のベクトルでそれは怖いものだった。」
「私は身長が152?しかなかったので真っ先にB-52に配属された。B-52はアメリカ空軍の強さを象徴し、終末軍では指折りの性能を持つ機体です。」
「虎の子と言われるほどの性能だったため、選ばれるのは160?を下回り勇気と愛情を兼ね備えた者から選ばれました。」
「そんな私が、その日に乗ったのはNB-52A(52-0003)で飛行訓練に使用できる4機の内の1機でした。あぶれた子はRB-47かWB-47を飛ばして慣らしておく必要があります。」
「もちろん飛行性能や始動方法も違うので何の訓練にもなりませんが・・・・。」

「私の他に搭乗しているメンバーは、副操縦士候補生として七尾百合子さん、レーダーナビゲーター候補生として田中琴葉さん、航法士候補生の伴田路子さん、EWO候補生として横山奈緒さんでした。」
「ちなみに練習中の間は○○候補生と呼ばれます。これはどこの国でも同じで、戦闘機乗りは操縦士候補生なんて呼ばれますが、あまりにも長ったらしいので単に候補生とか学生とか縮めて使っています。」

「2023年3月1日、雨上がりの朝に私は兵舎で灰色の軍装に着替えると、軍から特典名義で支給された1995年製のフォードサンダーバードLXを基地へと走らせた。」
「免許証交付と講習は軍が受け持ってくれて、一切講習料は出ずに基地内で基本的で安全な運転方法を学んだから、こんな年齢で運転をしている。雨上がりの空にグレーの車体が映えると思う。」
「この車は文字通り中古車で、アメリカ国内から終末軍の関係者がスタッフカー名義で中古車をかき集めたという。元の持ち主からの注意書きが1枚入っていて、そこには《お願いだから雨上がりの草地や脇道では無理して動こうとしないで。》と書かれてました。」
「・・・・・どうやら元の持ち主はあまり良い思い出がないようです。それが何なのかは兎も角、私は訓練で使用している基地に到着した。そこには他のメンバーが乗ってきたであろうトロネードやトランザムが所狭しと並んでいる。むろん中古車。」
「エントランスでみんなと会うとこんにちわと返してくる。私は丁寧に会釈してブリーフィングルームへ、そこで大まかな飛行訓練と着陸予定地を確認して発令を待った。」
249: 証言集 2024/04/23(火) 21:08:11.57 ID:QG+dAVz2(1/2)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「それから訓練に使用しているエドワーズ空軍基地からオハイオ州のライト・パターソン空軍基地まで訓練飛行をするように言われた。ちなみに爆撃訓練はない。
片道3,446kmという日本以上に長い距離を飛ぶ。だけど1万キロ飛べるB-52にとっては隣の町に行くような感覚。食料と飲料水などの積み込みが終わってから
私たち5人は軍のジープに乗ってエプロンに向かった。そこには輸送機として使っているC-123KやC-141が駐機している。そして程なくして私たちの機体が見えた。」

「駐機しているNB-52Aに順番に乗り込んでいく。一応射出に備えて飛行服を着るのが鉄則だけど160センチ未満のサイズはない。だから日本から登山服を供与してその場しのぎにしている。
既に燃料も入れて部品の検査も終わったから問題は無い。私は機長席に、七尾百合子さんはコパイロットの席に座る。
程なくしてエンジンがスタート。8基のエンジンはうなりを上げる。これがスクランブル訓練なら外でエンジンをかけるけど、今日は操縦席でスタートさせている。
やがて凄まじい轟音と共に私たちの機体は大空へと舞い上がる。眼下にはさっきまでいたエドワーズ空軍基地の建物が小粒になっていく様が見える。」

「そう、ここまでは良かった。程なくして高度1万メートルまで駆け上がると自動操縦のスイッチを入れて気を楽にする。遠方にはKC-97Lが訓練飛行に従事しているのが見えた。
次にRF-4Cが遠くでバンクをしながら雲の中に消えていった。太陽が妙に輝いた。雲の上だからこそ、よく形が分かる。私たちは他愛のない会話を交わした。」

「すると、なぜか中が寒くなっていくのを感じた。一応登山着姿だけど本来なら山で着るもの。だから1万メートル上になると寒さが登山着をすり抜けて肌に刺さってくる。よって機内は暖房を焚かないと危ない。
だから私は暖房を付けた。一応1万メートルに来る前につけたんだけど・・・・・。」
250: 証言集 2024/04/23(火) 22:23:56.02 ID:QG+dAVz2(2/2)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「なぜ寒いか分かった。暖房のボタンを押しても作動しない。つまりは壊れている!そうしている内に周りにいるメンバーが口々に話し始めた。」

【七尾:おかしいです。冷房になっていませんか?】
【横山:なんか寒すぎない?誰が消した?】
【伴田:なぜデス?ベリーコールドでシートの上でブルブルです!】

「私はこう言った。【全メンバーに告げます。暖房が壊れました。このままだと寒さに負けて全員機内で凍死します!】」

「やむを得ず無線をつけて着陸予定地のライト・パターソン空軍基地に事態を報告した。」

「暖房機が故障したため、このまま飛び続けたら危ないという事態と予定していた高高度巡航を中止して1万メートルより下まで降りたいというもの。」
「それで私は良い返事を求めた・・・・幸いにも1万より下に降りてもいいという答えだったので私たちは安堵。」

「だけど最低5000より下は無理だった。そうなったのは民間機との接触や山岳地帯に衝突するリスクが出てくる。」
「最悪だったのは、ライト・パターソン空軍基地までB-52を受け入れ可能な空港は民間のものしかない。爆弾もない旧式機なら降りても良い感じがするけど、実際は終末軍のデータが色々詰まっているので、
うかうか着陸するわけにはいかない。ついで言うとB-52の初期型の暖房器具の整備自体、現在の民間企業のノウハウでは修理できないという。」
「ついでに燃料。5000未満で低空を飛び続けると空気抵抗の関係もあって燃料がすぐ無くなってしまう。ついでに空中給油機も最遠方にいる以上呼び寄せても間に合わない・・・・。」
「七尾さんは悲しい顔で暖房のボタン周りを叩き始めた。よくない、それはよくない。」

「結局、私たちの最善の決断は、ライト・パターソンまで4000〜5000を維持しながら寒さを我慢しつつ飛ぶしかないという結論に至りました。」
「ふと、真下をみるとボーイング777と思しき機体が飛んでいる様子が見える。」」
251: 2024/04/26(金) 18:28:47.91 ID:Twnafa0n(1)調 AAS
アメリカ空軍・アンダーセン空軍基地航空隊
第1隊:F-84Gサンダージェット戦闘爆撃機×1,150機、YB-49戦略爆撃機×2機、F-84Fサンダーストリーク戦闘機×2,700機
第2隊:RF-84Fサンダーストリーク戦闘偵察機×600機、F-86A-5セイバー戦闘機×200機、XB-48中型ジェット爆撃機×2機
第3隊:F-86D-1セイバードッグ全天候ジェット戦闘機×200機、F-86D-6セイバードッグ全天候戦闘機×200機
第4隊:F-86D-11セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-16セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第5隊:F-86D-21セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-26セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第6隊:F-86D-31セイバードッグ全天候戦闘機×98機、F-86D-36セイバードッグ全天候戦闘機×50機
第7隊:F-86D-41セイバードッグ全天候戦闘機×50機
第8隊:F-86D-50セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-55セイバードッグ全天候戦闘機×100機
252: 2024/04/27(土) 12:48:43.67 ID:6xP4yI/u(1)調 AAS
アメリカ空軍・アンダーセン空軍基地航空隊
第1隊:F-84Gサンダージェット戦闘爆撃機×739機、YB-49戦略爆撃機×2機、F-84Fサンダーストリーク戦闘機×2,700機
第2隊:RF-84Fサンダーストリーク戦闘偵察機×600機、F-86A-5セイバー戦闘機×200機、XB-48中型ジェット爆撃機×2機
第3隊:F-86D-1セイバードッグ全天候ジェット戦闘機×200機、F-86D-6セイバードッグ全天候戦闘機×200機
第4隊:F-86D-11セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-16セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第5隊:F-86D-21セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-26セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第6隊:F-86D-31セイバードッグ全天候戦闘機×90機、
第8隊:F-86D-50セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-55セイバードッグ全天候戦闘機×100機
253: 2024/04/28(日) 16:46:56.67 ID:TYbZvPxG(1)調 AAS
アメリカ空軍・アンダーセン空軍基地航空隊
第1隊:F-84Gサンダージェット戦闘爆撃機×719機、YB-49戦略爆撃機×2機、F-84Fサンダーストリーク戦闘機×2,700機
第2隊:RF-84Fサンダーストリーク戦闘偵察機×600機、F-86A-5セイバー戦闘機×200機、XB-48中型ジェット爆撃機×2機
第3隊:F-86D-1セイバードッグ全天候ジェット戦闘機×200機、F-86D-6セイバードッグ全天候戦闘機×200機
第4隊:F-86D-11セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-16セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第5隊:F-86D-21セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-26セイバードッグ全天候戦闘機×100機
第6隊:F-86D-31セイバードッグ全天候戦闘機×90機、
第8隊:F-86D-50セイバードッグ全天候戦闘機×100機、F-86D-55セイバードッグ全天候戦闘機×100機
254: 証言集 2024/05/03(金) 20:49:29.82 ID:ZHscBALn(1/2)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「ああ、今頃あの旅客機のなかでは椅子でのんびり雑誌を読むなりエンドレスで流れるラジオ放送を聞きながら呑気にお客さんが過ごしているんだなあという羨ましさが頭を覆った。」
「おまけに眼下には小高い山や数本の道路も見えた。恐らく5000を下回ったらそれは機体の全損どころか全員別の世界に飛んでいくのだろうと悲しくなる。」

「やがて、機内でそれなりにあったコーヒーも消耗され、機内は真冬のような寒さに包まれた。こうなると誰もが話す気力が無くなってくる。」
「10分が50分に感じられるような頃、まもなくライト・パターソン空軍基地まで後40分弱のところまで来た。嬉しいはずなのだが、誰も喜ぼうとしない。」
「まあ普通にこんな寒い状態で過大な負荷を強いながら飛び続けたから何も言えなくなるのは仕方ないか・・・・。」

「そんな訳で、いよいよ残り20分を切ったころに遠方に見えるのはライト・パターソンの滑走路。やっと降りられると高度を一気に下げた5000から1000まで急激に下げる。空荷だからスムーズに降りられた。」
「微かに室温が上がったような気分になった。それにしては歓声が後ろから聞こえない。となりの七尾さんも・・・・なぜか満足したような顔をしている。」

「[なんでそんなにニコニコしているの?]って聞いたら、なんかこう[なんか癖になって気持ちいい]っていう訳の分からない答え。私は寒さのあまりおかしくなったのかと笑顔を消した。」

【伴田:とてもエキサイティングでアンダーがホットになりましたー!】
【田中:あーなんか気持ちいいっ!】

「そして、滑走路をいよいよ間近にしたところで車輪を出す。この辺りは問題なく作動したので一安心。なんか後ろから変な感想が聞こえてくるので不穏なものを感じる。アンダーとか気持ちいいとか返答に困る!」

「遂に滑走路を前にしてエアブレーキで減速しつつ無事に接地!忽ちドラッグシュートを開いて一気にエンジン出力を下げた。フラップを0にして速度が一瞬で落ちていく。」
255: 証言集 2024/05/03(金) 21:09:14.92 ID:ZHscBALn(2/2)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「こうして私たちの極寒飛行たるものは終わりを告げた。たちまちエプロンに止まると周りにはジープやらトラックに救急車がぞろぞろとやってきた。よく見ると滑走路の一部には消防車まで待機していた。」

「私はすぐにベルトを外し、お腹周りのバラストも取り去って身軽になると機体の乗降口を開けた。なぜか私以外はモゾモゾとしながらバラストを外すか酸素マスクを外している。まあ寒さで体が硬くなったような状態なんだと思う。」

「ふと、外からの風に合わせて機内に変な臭いがすることに気づいた。なんだろう、この臭いはどこかで嗅いだことのあるような・・・・・。」
「私は、ラッタルをすぐに降りた。いの一番に現れた整備兵らしき人にこういった。【すぐにこの基地の指揮官を呼び出して!他のメンバーは意識はあるよ!】それから私は基地の管制室に案内されて指揮官と顔を合わせることが出来た。」

「【なんという雑な対応なの!?冷暖房が壊れて、一歩間違えたら機内で全員凍死していたよ!せめて民間飛行場に専門員を集結させて事後対応を出来るようにすればこんな苦行は味わうことはなかったのに!】思わず延々と捲し立てた。」

「その後、この指揮官は減俸され停職2ヶ月の処分になった。なんでもあの時、管制塔で私たちに対して民間空港に降りて軍機漏洩されることを恐れて真っ直ぐ来いとしか言えなかったらしい。けど凍死しかけたのは納得が行かない。」
「更に、冷暖房が壊れた原因は配線の一部が外れかかっていたとのことで、飛行中の震動で完全に取れたらしい。更に部品の一部も劣化して外れていたという・・・・。如何せん理不尽すぎて納得のしようがない。」
「こうしてパターソン空軍基地で整備が行われている間、既に医療検査を受けて問題無しといわれたという4人と顔を合わせた。医務室では4人がさっきまで極寒の機内にいたとは思えないほど元気そうに会話している。」
256: 証言集 2024/05/04(土) 02:15:28.41 ID:QjYEcfRF(1/3)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「嬉しいと思ったのも束の間。なぜか全員が上がTシャツで下に芋ジャージを穿いているのに気づいた。それは司令部に対して過ごしやすい服を要求したら日本から取り寄せてくれたもの。にしてもなんで穿いているんだろう?」

「【なんでみんなジャージなの?】って聞くと和やかな会話が止まってシーンとした。そういえば機内にジェット燃料でもなければ食べ物が腐ったわけでもないのに、変な臭いがしたのを感じていた。あの臭い、絶対どこかで嗅いだことがある。」

「すると、伴田さんがドアをこっそり開けて周囲をコソコソ見ている。」

【伴田:ボーイズはいないデス!私たちだけデス。もうこの際ですから機長・・・・アンナに打ち明けます・・・・。】

「すると、思わず顔が赤くなるぐらい恥辱的な話が次々と飛び出してきた。」

【七尾:あ、あのね・・・・・あの時は凄く寒かったでしょ?だから思わず何度も飲んで、ケトルを空にして・・・・だからパターソンまであと少しってところで凄く漏れそうになって。】
【田中:なんか凄く膀胱がパンパンでさ、しかもトイレついてるけど、バラストを外してズボンを下ろす・・・・って思ったら寒すぎて出来ないの。】
【横山:ま、まあこれも仕方ないっていうか、ほら・・・・アレって冬場だと湯気でる位に温かいじゃん。もうアレの暖かさで気力を保つしかないって。着陸した衝撃でばしゃーってなったらそれこそ杏奈が危ないっていうか・・・・。】
【伴田:事前講習でリプレイしたでしょう?アラン・シェパードはプロジェクトが遅延して宇宙船の中で狭苦しい状態のなか、〈もしトイレにいけないのなら、スーツのまま出すだろう〉って。】

「そんな話が4人から出てきて、私は次第にこわばった。否、表情が引き攣るのを直に感じた。正直な話、身長が足りなくて爆撃機に回されたときは、トイレ制限がかけられないことに安堵したというのに・・・・。」
257: 証言集 2024/05/04(土) 03:17:08.97 ID:QjYEcfRF(2/3)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「4人の赤裸々な下ネタ混じりの会話は続いた。緊張と不安で操縦桿を握っていた私はあまりコーヒーも水も飲んでいなかったと気づく。まあ、墜落したらしたらで日本にいるファンが泣き崩れる様を思うと恐怖に苛まれていた。」
「そんな私以外は寒さと睡魔を防ぐが故のコーヒーの飲み過ぎで尿意が頂点に達していたらしい。まあ、平沢さんとスカイプで会話したときにも似たような事態に陥ったとか・・・・。」
「私はちょっと表情が強ばる。それ以外は既に終わったことだからと笑いながら受け入れていた。訓練中に見た記録映像が功を奏したか。それはアメリカ陸軍と海軍で実際に起きた失禁の証言。これを見ることで?それ?になっても恐怖心は治まる。個人差があるけど。」

【七尾:け、けど意外と気持ちよかったですよね?お漏らしだなんて幼稚園以来だったと思う。】

【田中:なんかお尻が温かいっていうか開放感あるよね!それより戻りの機体はどうするのかな・・・まさかまた寒い思いをするとか?】

【横山:正直漏らした直後は恥ずかしさよりも温かみが勝った・・・・まあいいか的な。】

【伴田:ただプロビジョンされた替えのパンツが妙にガバガバしているのが気になります!タッチが違和感というか、やっぱりジャパニーズ製のほうがしっくり来ます!】
258: 証言集 2024/05/04(土) 03:20:43.78 ID:QjYEcfRF(3/3)調 AAS
望月 杏奈(声 - 夏川椎菜)

「その後、私たちはパターソン側の不手際な対応のお詫びとして、帰投の際は代価で用意したKC-10にお客として搭乗することになった。」
「当のNB-52Aは細部を点検して例の冷暖房の配線を修理した上で代わりの基地常駐の隊員がフェリーすることになった。」

「一応、他の4人が降りた後は少し座席が濡れていたらしい。まあ濡れないほうがおかしいか。例によって座席と一部の床面は掃除されて臭いは一切感じないようになっているとのこと。」
「もちろんこの失禁というか恥辱極まり無い話はフェリーフライトをする搭乗員には一切合切漏れていない。」

「KC-10に揺られながらエドワーズの基地を目指す傍ら、4人が寒い中で味わった開放感がなんなのか、ふと気になる。勿論こんなことを思いついちゃいけない。」
「下がジワッと濡れていくのだから相当なもの。でも、みんなを前にして変な状態になりたくなかったので、すぐにプリキュアの存亡に思いを馳せる。」
「万が一プリキュアがダークサイドに堕ちようものなら、本物のB-52で出撃して核爆弾を見舞う。出来れば東映はそういう判断をさせないように真面目にやってほしい。」
「そんな思いを簡易的な座席に身を縮ませながら逡巡させていると、その隣では伴田さんが相変わらず支給されたパンツの履き心地の悪さを嘆いていた。」

【伴田:早くジャパン製のに履き替えたいデス!もう違和感マックスなのでボーイズもいないので、この場で脱いでいいですか?】

「私は、そんな伴田さんの暴走を押さえるために説得した。〈乾いたら穿けるよ!〉」
259: 2024/05/25(土) 22:41:01.83 ID:yjh053Nq(1/2)調 AAS
2055年:タイムトラベルが現代科学を駆使して実現する。(サウンド・オブ・サンダー)
2070年:人類に反乱を起こしたシーザーが老衰で死去。(最後の猿の惑星)
2092年:人類は細胞を無限再生する技術を開発し死を乗り越える。(ミスター・ノーバディ)
2100年:コンピューターネットワーク「ワールドリンク」がデリトロスに乗っ取られる。(電脳冒険記ウェブダイバー)
2112年:シビュラシステム導入。国防省のビルがドローンに襲撃される。(PSYCHO-PASS)9月3日にドラえもん誕生。(ドラえもん)
2116年:7月某日に東南アジア連合(SEAUn、シーアン)でシビュラシステムが導入される。(劇場版PSYCHO-PASS)
2117年:潜在犯隔離施設「サンクチュアリ」で爆発事故。(PSYCHO-PASS/「Case.1 罪と罰」)
2118年:神奈川県沖で民間の輸送船がテロリストに襲撃される。(PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE)
2120年:日本で鎖国政策が緩和され難民の受け入れ開始。(PSYCHO-PASS?)
2154年:地球が資源枯渇と生態系の崩壊により移住先の選択を余儀なくされる。(アバター)
2170年:惑星パンドラの海洋地帯で小規模ながら戦闘が勃発。(アバター:ウェイ・オブ・ウォーター)
2274年:人類文明の生き残りがジオデシックドームでの生活を続ける。(2300年未来の旅)
2670年:シーザーの死から600年経過したことを受けて記念像が設立。(最後の猿の惑星)
2673年:1972年からタイムワープした宇宙船がこの年の地球に不時着したとされている。(猿の惑星)
3000年:本格的な未来都市の計画が大詰めを迎える。ロンダースファミリーが刑務所を脱獄。(未来戦隊タイムレンジャー)
3955年:コバルト爆弾によって地球が消滅している日とされている。(続・猿の惑星)
260: 2024/05/25(土) 22:47:16.38 ID:yjh053Nq(2/2)調 AAS
2055年:タイムトラベルが現代科学を駆使して実現する。(サウンド・オブ・サンダー)
2070年:東京に未確認飛行物体が襲来。(学園戦記ムリョウ)人類に反乱を起こしたシーザーが老衰で死去。(最後の猿の惑星)
2078年:日本人である月白瞳美が琥珀の魔法を駆使して2018年にタイムトラベル。(色づく世界の明日から)
2092年:人類は細胞を無限再生する技術を開発し死を乗り越える。(ミスター・ノーバディ)
2100年:コンピューターネットワーク「ワールドリンク」がデリトロスに乗っ取られる。(電脳冒険記ウェブダイバー)
2112年:シビュラシステム導入。国防省ビルがドローンに襲撃される。(PSYCHO-PASS)9月3日ドラえもん誕生。(ドラえもん)
2116年:7月某日に東南アジア連合(SEAUn、シーアン)でシビュラシステムが導入される。(劇場版PSYCHO-PASS)
2117年:潜在犯隔離施設「サンクチュアリ」で爆発事故。(PSYCHO-PASS/「Case.1 罪と罰」)
2118年:神奈川県沖で民間の輸送船がテロリストに襲撃される。(PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE)
2120年:日本で鎖国政策が緩和され難民の受け入れ開始。(PSYCHO-PASS?)
2154年:地球が資源枯渇と生態系の崩壊により移住先の選択を余儀なくされる。(アバター)
2170年:惑星パンドラの海洋地帯で小規模ながら戦闘が勃発。(アバター:ウェイ・オブ・ウォーター)
2274年:人類文明の生き残りがジオデシックドームでの生活を続ける。(2300年未来の旅)
2670年:シーザーの死から600年経過したことを受けて記念像が設立。(最後の猿の惑星)
2673年:1972年からタイムワープした宇宙船がこの年の地球に不時着したとされている。(猿の惑星)
3000年:本格的な未来都市の計画が大詰めを迎える。ロンダースファミリーが刑務所を脱獄。(未来戦隊タイムレンジャー)
3955年:コバルト爆弾によって地球が消滅している日とされている。(続・猿の惑星)
261: 2024/05/29(水) 22:46:16.13 ID:AGS7yzPI(1)調 AAS
てすといん
262: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/10(月) 20:44:08.06 ID:aLDr0r9q(1/4)調 AAS
【空中給油機でお仕事かと思ったら送迎車と掛け持ち!?】

佐藤 由美子(声 - 伊藤美来) 芸名は歌種 やすみ(うたたね やすみ)

2024年6月末、私が所属する声優事務所であるチョコブラウニーに出撃指令と書かれた緑色の手紙が来た。なんだろう、これって戦争ドラマでやってた赤紙?
マネージャーの加賀崎さんは、もう1通の緑色の手紙を見て如何にもな顔で見ていた。程なくして、なぜか私は、この瞬間から三日三晩、今出演しているアニメ全話の収録作業を突貫作業で行った。
なぜに?急に家に戻れなくなり事務所にはなぜか寝袋としまむらのタグがついたままのブラやパンツ、個人的に水玉と花柄はかわいい。なにやら謎の記号が書かれた段ボールも送られてきた。
おまけにTシャツやスカートも値崩れした低価格の売れ残りオンパレード。何が起きているの?結局、私は銭湯にすら行けず昼夜問わずして収録作業が続いた。

3日後、私は抜け殻同然の姿になった。渡辺 千佳と顔を合わせたけど、まるで過酷な戦場に行ったか雲仙普賢岳の現場に遭遇したと言わんほどみすぼらしくなっていた。
あ、この単語はこの前休み時間にどうにか見られたドキュメンタリー番組で知ったこと。私たちが産まれる前に起きた壮絶な自然災害から来ています。
なんでも千佳もまた苛烈な収録作業と演出家150人を相手にあれをしろこれを演じろとてんてこ舞いだったとのこと。
263: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/10(月) 20:54:12.52 ID:aLDr0r9q(2/4)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来) 芸名は歌種 やすみ(うたたね やすみ)

ようやく外に出ると、そこにあったのはなにやら大がかりなトレーラーを繋いだトラック・・・・。なんなの?まるでアメリカ軍のそれでターミネーターかロボコップが乗っていそうな厳つい真四角のトレーラーで、事務所前に堂々と止まっていた。
突然後ろの部分が左右に開いて、スモークを巻きながら中から軍人らしき人がゾロゾロ。彼らは口々に英語を話していた。加賀崎さんは如何にも英語の教科書で覚えたような単調な会話を繰り返して。
私たちの手をつかみ、私たちと取り巻く関係者をトレーラーの中に引っ張り込んだ。そして、なぜか1時間以上走って飛行場に。羽田じゃん。そこにあったのは

コンコルドと書かれた速そうな飛行機だった。なんか世界衝撃映像で見た記憶がある。私たちはその機内にむりくり押し込められ、シートベルトで拘束された。
更に荷物が続々と中に運ばれた。ドアを閉められた。突然アナウンスが流れて、コンコルドは動き出した。瞬時に滑走路へ移動し、ものすごい音とともに大空へと連れて行かれる。会話にすると短く済むけど、これって実際は3時間30分以上かけての出来事だからね?
正直、三日三晩の仕事明けに、厳つい軍用トレーラーに乗せられ、羽田空港に連れて行かれ、コンコルドに乗せられ、どこか知らない場所に向かって飛んでいく。

千佳は顔色を悪くしたまま凍り付いていた。乙女やめくるも顔色が悪い。きっと私と同じ境遇にいたんだろう。外を見る。狭い窓から見えるのはだだっ広い世界。

機内食もそれなりのものだけど、あまり食べる気がしない。
264: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/10(月) 22:14:12.30 ID:aLDr0r9q(3/4)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来) 芸名は歌種 やすみ(うたたね やすみ)

「やがて、機内放送を通してなぜ私たちは日本を離れることになったのかについて色々と教えられた。プリキュアが暴走しかねない、他のアニメが半年だったり3ヶ月しかやれず、しかも2期が出来る保障すらない」

「それを尻目に民放のアニメの数々は間違おうが批判されようがテレビ局に保護されているのを良いことに延々と三流以下の国民的アニメを流す醜態。」

「そんな国民的・・・・もとい犯罪的なアニメにプリキュアが加わろうとしている。それはずばり私たちの身近でやってた犬が出てくるプリキュアのことだ。」

「なんでもハピネスチャージを破滅させた成田の能なしが堂々と起用されているらしい。うん、確かに私たちの世界線が3ヶ月しかやらないのに、やってることが私たち以下なのだからそれは分かる。」

「とりわけ、私たちは終末軍と呼ばれるプリキュアの片隅で3ヶ月しか、半年しか輝けないアニメキャラで構成されている組織に合流するというのだ。」

「そして、この機体はタイムワープをして2023年1月31日に行くという。なんか話が狂信的になってきた。ドラえもんでも呼ぶの?すると、程なくしてコンコルドそのものがタイムマシンに改造されていて、もうそろそろタイムワープをするという。」

「しかも、そのタイムワープしている間は自由にしてていいらしい。放送が終わった直後は誰もが当惑していた。まあ、タイムワープなんてデロリアンじゃないんだから・・・・。」

「私はそのあと、なぜかニコニコしている千佳と代わるようにトイレに行った。なにぶん狭い機内なので行き来するのは大変。出されたブドウのジュースは美味しかった・・・・。」
265: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/10(月) 22:22:03.23 ID:aLDr0r9q(4/4)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来) 芸名は歌種 やすみ(うたたね やすみ)

「トイレに行くやいなや、その狭さに驚く。なんか座るタイプだけど見た目が田舎くさい。しんのすけの家がこんな感じだったっけ?」

「その場で戸を閉めて鍵を掛けつつ、日本にいた時と変わらない姿で用を足す。学校のトイレより狭い。手を伸ばせば戸に届く。なんかぎゅうぎゅうに押し込められたみたい!」

「声優デビューした未来がこれ?おろした縞々パンツを見ながら便器に垂らす。なんだろう・・・・そういえば千佳はニコニコしていたけど、いいことあったのかな?」

「さて出ようと紙に手を掛けた瞬間、座席がざわついた。?なにあれ!??とか?なんか外が変だよ!?とか言ってる。」

「私はさっきの放送を思い出して、思わず外に飛び出した。異変は誰の目で見ても明らかだった。」

「インターステラーっていう映画で瞬間移動する時の光景が窓から見える。私たちはその光景を見て思わず固まった。」

「やがて機内放送はワープすることを私たちに伝えた。これから過去へ飛ぶって・・・・・。」
266: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/19(水) 22:46:21.76 ID:paCjM+Ou(1)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「時空を超える、むしろ飛行機事故でいうセントエルモの火の類いに見えるこの様子。思わずスマホで写メを撮り続けた・・・・。」

「が、そこへ千佳が顔を真っ赤にしながら近づいてきて、なぜかみんなから離されるように奥へと追いやられた。なんで?」

?なによ・・・・アソコ濡れちゃってるじゃない!?

「私は、外の光景を見ようとするあまり、トイレでアソコを拭かないまま出てきただけだった・・・・臭いとか大丈夫かな・・・・・周りは気づいていなかったけど。」

「案の定、縞パンツはしっかりアソコが湿って臭いも独特なものに変貌していた。慌てて体裁を整えて・・・・いくら紙で拭いても濡れて何か変な気分だったけど!・・・・戻ってきた瞬間、強烈な光が私たちを覆い隠した。」

「・・・・・気がつくと、私たちは座席に突っ伏して倒れていた。機内放送は2023年1月31日についたことを伝えてきた。外を見るけど まーーーったく実感は湧かない。」

「やがてハワイ島はホノルル国際空港に降り立つ。もしかしてバカンスかと思ったら全然そうじゃなくて、私たちは機内に缶詰にされた。終末軍のマークをつけた特殊車両が列をなしてやってきた。」

「おまけにターミナルから離れた寂しい場所で観光名所すら隠れて見にくい。私たちはラジオを通して去年の1月31日に来たことを次第に理解した。」

「その後、なぜか特殊車両が滑走路を入念に調べてから、私たちの乗るコンコルド(201 F-WTSB)は離陸していった。」

「みんな・・・・文章だと3行で済んじゃうけど、これ30分とかじゃないからね?3時間も停まってて、中は狭いくせにサービスも最低限で足も伸ばせないし、外にも出られないからあくびが絶えないほど退屈だったからね!勘違いしないでよ!?」
267: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/23(日) 20:13:10.49 ID:3tFEOjCb(1/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「まあ・・・・離陸したらしたらで125分ぐらいかかったのか分からないけど、私たちはアメリカについた。その時になぜか窓を閉めるよう言われ、残り時間40分あたりで開けていいと言われた。」

「どうやら外は軍事機密の塊があったらしい。やがて着陸の準備を進める機内放送が流れた。やーーーっと外に出られる!ああ〜〜もう猛烈に体がギシギシするっ!ホノルルにいたときに特別サービスで操縦席に入れたけど、なんか脳味噌が景色を理解しきれないみたいな状態になった。」

「悔い無し!忘れ物なし!スマホよし!マニュアルよし!パンツにシミ無し!臭いなし!・・・・中にいた時に念入りに紙で拭いて香水をつけて綺麗にできて良かった・・・・そして、着陸した外に見えたのは、だだっ広い荒野だった。」

「10時間以上機内に拘束されて、やっとの思いで外に出る。遠くに大きな飛行機が何機かある。支援のためであろうトラックやバスがゾロゾロとやってきた。」

「アメリカ人たちが垂れ幕を持って歓迎した。そこに記されたのは?いらっしゃい!お待ちしてた!ようこそ!?・・・・一応うれしいことだけは伝わった。」

「私たちは、さび付いた格納庫らしき場所にはいって説明を受けた。それから簡易的な身体検査もあった。もちろん女子たちはみんな女性の軍人が見てくれたので一安心だ。」

「それから、私たちは身長設定がないため自然な流れで空中給油機での任務が決定した。早期警戒管制機や輸送機など、主に身長設定が存在しないキャラクターはこれらの飛行任務を命ぜられる。」
268: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/23(日) 21:09:04.36 ID:3tFEOjCb(2/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「それから、私たちは本格的な座学と飛行機に関するイロハを覚えた。書くより実際にシミュレータで覚えた。」

「更に教育用ビデオで空中給油のやり方を見た。私たちが実施するのはフライングブーム方式で、ブームを伸ばしてつなげてしまうというもの。」

「その日はそれだけで終わり、兵舎に案内されたけど簡素な作りでテレビをつけても見たい番組はない。無論日本人が好むようなアニメも。私たちしかいない。結局座学に励んだ。」

「そうこうしている内に、合間合間を縫ってアニメの当てレコ的な会話回しをしている中で、ついに飛行機の操縦訓練に移行した。」

「最初に乗ったのはPT-17ケイデット練習機(N801RB)。意外と操縦桿を思うがままに引けば自由に飛べる。なにかと自転車のような感覚を覚えた。」

「その次は、BT-13Aヴァリアント練習機(N69041)に変わった。羽が2枚だけの現代的な機体。夕日をバックに飛ぶのはロマンスを感じた。」

「そしてT-6Gテキサン(F-AZTL)、エンジンが2つのビーチD18-3TM(G-BKGL)、個人的に操縦性が良くて思う存分に操縦桿を握れたC-47Aスカイトレイン(N3239T)。どんどん進歩を重ねた。」

「ついにC-54Eスカイマスター(N500EJ)に乗る道を歩んだ。これ1機しかなくて、千佳と交互に操縦桿を握って大型機を制覇した気持ちを感じた。」
269: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/25(火) 20:41:10.00 ID:Vpg8j4a8(1/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「なんだかんだで4発ジェット機の基本動作を覚えたら次は空中給油機であるKC-97Lに移行する・・・・そうなるはずだった。」

「ある昼下がり、C-54Eスカイマスターで一通り旋回飛行をしてから着陸して駐機、降りてくると軍の関係者がずらりと並ぶ。お、いよいよ次の転換かな?」

「私と千佳に姉さんと杏奈は、突然部屋に案内された。そこで提示されたのは、転換訓練のお知らせではなく教習所に通えと言うものだった・・・・。」

「あれ?教習所って事実上ここだよねと聞いてみると、どうも次は飛行機じゃないっていう話がなされた。なんか空気が重くなる。」

「程なくして、体格の良い軍人が流暢な日本語で、?別に実戦に出ろというわけではない。次にマスターしてもらうのは車さ。?・・・・え?」

「なんで車?そう訪ねると、背の高い軍人の1人が淡々と説明を始めた。その言葉を要約文にしてみると・・・・。」

【現在、終末軍の早期警戒管制機並びに輸送機、空中給油機に従事するものには小学生が多数いる。主にU149やロウきゅーぶの面々だ。言うまでもなく、終末軍兵士は基本的に免許を取得したら兵舎から基地まで行き来してもらう。
しかし、分かると思うが小学生の面々に本格的に車を運転させるのは危険が伴う。まして、我が部隊のトラックは免許取得前の兵士や物資に燃料、核爆弾の輸送に従事しているものの、その中に小学生だけが乗り込んだ場合、何らかの事件に発展する可能性がある。
もちろん我が軍の一兵卒1人1人は基本的な教育や倫理を学んでいるが、なにぶん日本より小学生だけを軍人と同乗させるなと再三再四意見書が送られてきた。
協議の結果、核攻撃をしない機体・・・・・主に空中給油機や早期警戒管制機の乗員には早い段階で自動車免許を取り、小学生の兵士の送迎を担当すること。なお、1台につき1人同乗とする。】
270: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/25(火) 20:56:48.44 ID:Vpg8j4a8(2/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「各人の反応は次の通り。千佳、とりあえず安心する。姉さん、なんか苦虫を噛み潰したようになる。杏奈、なんか宇宙猫の顔になる。」

「私は妙な感じになった。つまりなんだろう・・・・高級車でよくセレブを送り届けるああいう人になれってこと?まあ空中給油に比べたらたいしたことはないと思うけど・・・・・。」

「次に私たちは誓約書を交わし、トラックに乗せられて・・・M54A2というらしい・・・・勿論乗り心地なんてものは論外でガタガタ揺れてエンジン音が私たちの会話をかき消す。とどめに、おしりに高頻度で地面を走ってる時の衝撃が伝わってくる。痛い痛い痛い・・・・・!」

「さて、教習所といっても5階建てのビルが1棟たってて、その脇に学校の運動場みたいな広いスペースがあった。所々に設置されている信号機や柵が錆び付いている。明らかにもらい物だ。」

「まだ日暮れにならない内に空調設備がある会議室っぽい部屋・・・・教室という・・・・・そこで講義が始まった。他にも早期警戒管制機部門でみかけるメンツが授業を受けていた。」

「午前中はジェット機、午後は自動車教習所というハードすぎるスケジュールが消費されていく。果たして声優業でかろうじて生きている私たちに、自動車免許が取れるのか・・・?」

「正直東京は車が無くても安心的なイメージがあるから、こういう展開は予想だにしていなかった。まあ将来的に車は買ってるだろうけど。」

「日本の自動車学校に行ってないから、果たしてこれが適切なのか全く分からない。日本語に訳されたワークシートを次々と解いていく。他にも教室では駄弁る子が何人もいるけど教官は何も言わない。」

「そして、適性検査らしきものを受けた。正直ちゃんと日本から指示を請け負っているか分からない。まあ、一応日本でも今みたいなワークシートとか検査のマルバツとかは試験では定番だし・・・・きっとこれも正しいよね?」

「千佳も姉さんも杏奈も学生らしさを見せつつ解いている。結果としては全員合格と言い渡された。アホ気の男子は変な顔をしている。隣の髪の長い清楚な子も何とも言えない顔をしていた。もしかして怪しい?」
271: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/25(火) 21:23:38.97 ID:Vpg8j4a8(3/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「そして、長い長い授業のあとに、なぜか通常講義終了のアナウンスが流れて、私たちは外に出るよう指示されたので出てきてみると・・・・。」

「もう太陽が西に沈みつつある中で、いきなり路上教習が始まった。・・・・・おかしい、なんか駆け足になってない?千佳もさすがに動揺している。」

「幸いにも難しいカーブとか急停止とかじゃなくて、ここから500mの距離をまっすぐ走るだけで今日は終わりとのこと・・・・。」

「だったら早く済ませようと思って、私はゴーサインを出した。すると、待ってましたとばかりに人生初の自動車運転が始まる!!・・・・しかし、そこに現れたのは想像していなかったものだった。」4

「私は白目をむき出しそうになった。千佳も姉さんも杏奈も凍り付いている。他のメンツも唖然としている。そこに来たのは運転しやすい教習車じゃなくて、本格的なトレーラーだった。」

「えええええ!?これで運転しろと!?私は問いただした、すると軍人が笑いながらこういった。?最初からでかい車のほうがあとが楽になるだろう??そういう問題じゃなあああい!」

「なにこれ?アメリカ映画に出てくるボンネットをつきだしたトラックで送り迎えするの!?こんなの聞いてないわよ!!いきなり初めっからトレーラーだなんて誰が想像していたと思って!?」

「1976 peterbilt 359 exhdと呼ばれたそれはエンジンをならしながら私たちを待っている。もちろん教官が同乗するので安心だけど、こんなの怖くてどうなるか・・・・。」
272: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/30(日) 19:17:18.64 ID:/UvITV7t(1/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「さすがに千佳も明日に延ばそうと言うけれど、今更ゴーサインを出した立場上逃げ腰なんて思われたくない・・・・。目の前に停まっているコンテナを引いたトレーラーを前にして。サムズアップをしながら乗る・・・・。」

「割と車高が高い。まあ日本で軽自動車を見ている以上この差は歴然としているけど。まるでアスレチックにでも上るかのような気分に浸りながら(スカートを押さえつつ)ドアを開けて乗ってみると、隣では軍人がにこやかな顔で待っていた。」

「とりあえず渡された説明書・・・・絵と動作が書かれているだけで言葉での説明はない・・・・・を見ながら計器類を見る。英語表記なのでなんなのか分からない。」

「さて、ぶっつけ本番よろしくマニュアルで操作をしつつ、アクセルを弱めに踏んだ・・・・こういうのは加減が分からない、ガタッと一瞬で止まる。隣の軍人は流暢な日本語で、?なんということはない。ただのエンストだから、はい再始動して。?」

「・・・・それから、500メートルの距離をまっすぐ走るだけというレベル1の教習のためにギアの操作ミスで合計5回もエンストを起こして、15分かけて、どうにかゴールの旗がある場所までたどり着いたときには辺りは夜になっていた。」

「隣の軍人は言う?驚いたよ、以前の講習じゃ10回もエンストをした子がいたのに、5回で済むなんて才能あるよ!?それはそれはうれしいけど、手を見た、来ている身なりも見たら汗でしっとりしている。毛根からブラもアソコも・・・・。なんか、順風満帆に飛行機乗っていた頃が優雅に思えてくる。」

「それから隣の軍人に代わってもらってスタート地点に。千佳は案の定11回もプスンプスンと言わせ、姉さんはコースアウトして30分経過してゴール。ちなみにエンストの数は14回。杏奈はなぜかバックから始まり標識を1本と車を模した練習用の張りぼてを壊して軍人が総じて笑い転げていた。」

「加賀崎さんも安堵の顔をしている。結局、私たちが講習を終えて兵舎に戻ったのは午後22時だった。あ〜〜〜〜〜なんでこんな事態に!?」

「千佳は、ここじゃルームメイトだけど案の定抜け殻みたいにベッドに倒れている。私は様子を見つつシャワーを浴びに行った。外を見ると闇に包まれていて獣の声すらしない。無が全てを貫いている。」
273: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/30(日) 19:47:17.11 ID:/UvITV7t(2/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「苛烈な訓練は続いた。ちょうどKC-97Lストラトタンカー(53-0363)に転換して本格的な空中給油訓練・・・・相手はサンダーストリークという練習機みたいなものだけど緊張はした。」

「私は操縦桿を握りながら当てレコみたいなしゃべり方をしつつ訓練に励む。1回空中給油に成功するとチェック表にスタンプが押される仕組み。」

「例のごとく乱気流になると途中で中止になることも。基地から訓練空域まで飛んで、地上で受け取ったホカ弁的な弁当を食べる。具材は結構ボリューミーで具材などはアメリカナイズなものが多い。」

「本番で乗ることになっているKC-135Aでは乗員4人だけど、このKC-97Lは6人で操縦する。私は機長、副操縦士が堂々とやりたいと宣言した千佳、航法士が姉さん、航空機関士が加賀崎さん、無線通信士が朝加さん、ブーム操作員が杏奈という組み合わせ。」

「KC-135Aで訓練になった暁には人員再配置が発令される。とはいえ、なにかと日本にいたころは千佳と滅茶苦茶な生き方をしていた。ラジオで喋ってる時なんて下で足をガシガシやってた。」

「後で聞いた話だと、北宇治高校のOBである中川さんと吉川さんは在学中にあまり仲が良くなかったそうで、B-52に配属されているけど別々なんだって。」

「そして、サンダーストリークを相手に6回、改造されたセイバーを相手に2回成功させたけど、同じく改造されたカナダ製のマルヨンでは割と手こずった。こちらはジェットエンジンとレシプロエンジンを全開にしてスピードを合わせるのに一苦労した。」

「更にWB-47という大型機を相手に訓練をした。千佳は我先にとジェットエンジンの推力を上げて失速しないようにするのだから一苦労している。」
274: 証言集 終末軍と私たち 2024/06/30(日) 20:39:23.30 ID:/UvITV7t(3/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「さて、そんな一日は終わらない。数日間は空中給油機の訓練の後には自動車教習所に通う。声優ラジオのウラオモテとはいったけど、ある意味これもウラオモテだった。」

「最初に運転を経験してから1週間後に発表された恐ろしい声明がある。それは、最初に乗ったトラックでぶっつけ本番の路上教習をするというもの。」

「待て待て待て待て!明らかに過程をすっ飛ばしている!本来なら教習所の試験で合格して仮免が与えられて路上教習が始まるってのに、これは超次元過ぎる!」

「終末軍の兵士達は怪訝な顔で?教習所で乗れるなら外でも行けるだろ??という始末。私は目が点になりそうになった。千佳も顔が青白くなっている。」

「日本にいた時にあれやこれや突っかかってきた杏奈も顔面蒼白に成り果てた。ただ幸いにも町中ではなくて人気のない片田舎を走るというもの。」

「加賀崎さんも狐に包まれたような顔をしたけど、アメリカ側の終末軍兵士による人員輸送の忙しさと、日本からひっきりなしに?まだ専用の運転手の養成は済んでいないのか!??という声が届いているそうで・・・・。」

「とりあえず承諾書にサインをして、私は自販機でかった激安の栄養ドリンクを流し込んで、夕日が眩しい中をトラックで教習に行く。」

「エンストの数は減ったけど、如何せん外に出るのは緊張した。これ幸いとばかりに路上は車もそれほど走っていないし、なんなら基地の傍らに作った都合上で人の行き来も無い。」

「脇に座る軍人が言う。?この先長い直線だから、65マイルですっ飛ばしてくれ?。ええ〜はじめからそう走れと言われても・・・・結局私はギアチェンジをやって65マイルまで急激に飛ばした。ちなみに日本で表記すると時速104キロ。」

「エンジン音とラジオから聞こえる音楽が凄まじい。軍人は上機嫌でニコニコしている。驚くべきことに、私たちは今日まで1回も怒られたことがない。というより怒る様子を見たことがない。」

「周りには家1軒もなければ畑で農作業という様子すらない。なんかのPVで見たような光景がぱっちりした私の目に焼き付く。」

「?はい、ここでスピード落として。?そう言われたので、慌ててスピードを落とした。それからは時速25マイル・・・・時速40キロのまったりペースで教習所に帰投した。」
275: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/15(月) 17:33:00.91 ID:AsxU/8sl(1)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「それから、教習所あるある的な講習として・・・・車庫入れ、S字クランク、飛び出しに対しての急停止、緊急時の対応、駐車諸々とか、如何にも日本でもやってる授業が続く。」

「そのほかにも空中給油機の部門では、ジェットエンジンの始動方法や給油プローブの使い方の訓練に明け暮れる。」

「ジェット機の講習も受けたけれど、さすがに国内にはKC-135Aの母体というボーイング707の稼働機が残されていなかったため、急遽イスラエルからボーイング 707-3J6C(s/n:272)を借りてきて実践的な訓練をした。」

「リアリティを追求しすぎて、NB-52A(52-003)が飛んできて、そこに燃料をいれる。私は操縦桿を慎重に操作しながらぶれないように飛んだ。千佳を見ると真顔で仏像みたいに動かない。」

「15回ぐらい実施して最後まで成功したのは9回、後は風で外れたのが4回、NB-52A側がエンジンに問題が出た関係で未遂に終わった2回という感じ。」

「あ、これだと善戦したって思われがちだけど、正直他のチームは当たり前のように12から14は成功しているので一桁は笑えない数字だったりする。」

「そして、寝ぼけた顔で着替えて軍が用意したミニバスに乗せられて訓練、午後から自動車講習、そしてどろどろの顔で兵舎に戻る生活が続いた。」
276: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/16(火) 17:59:22.65 ID:8dz4zNv2(1/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「だけど、そんな二足の草鞋を履く生活は終わりを告げた。ある日、またもやトレーラーであてもなく僻地を走り、連結と解放の講習、加えて空気圧やら部品の脱落がないかの小手調べをしていた。」

「すると、突然入口からどす黒い色合いをしたセダンが入ってくるのを見た。関係者かな・・・・?そんな気持ちで訓練に励むと、セダンから軍服を着た大佐らしき人・・・・勲章を堂々とつけてる・・・・が封筒1つを持って私の前に立った。」

「普段はにこやかな軍人、ついさっきまで助手席でラジオを聴きながらスピードが足りないとざわついた彼が、真面目に敬礼して対応する。私も、千佳も、姉さんも杏奈も思わず敬礼をする。」

【今日までよくやってくれた。この封筒を開けなさい。】

「そういうので、日本語で名前の書かれた封筒をそれぞれ受け取って、開けてみた。・・・・・なんということでしょう。真新しいピカピカの英語表記の免許証が封入されているではありませんか。」

「な・・・・あれ?本試とか卒検という加賀崎さんから聞いてたこと、全然やってないけど!?」

【君たちの上達は見事だった。すでに講習を受けていた奉仕部の関係者たちにも発行したよ。明日から関係者の送迎任務、頼んだぞ!】

「大佐は流暢な日本語で、私たちの合格を堂々と告げた。誰もが喜んで口笛を吹きながらヒューーヒューーーと歓迎してくれる。体格がいい軍人たちが並んで凱歌を挙げた。」

「私たちには、明日から関係者の送迎任務が追加される。さーて、小学生だからこそ過激な運転は避けるぞ〜〜!」

「西日が傾いた教習所に私たちの歓喜の声が響いたのである。」
277: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/16(火) 18:04:49.11 ID:8dz4zNv2(2/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「さて、そんな興奮しないわけがない夜を明かして、朝になると着替えてアメリカンなパンだのソーセージだの野菜をとにかく豪快に盛り付けたサラダだのをお腹に詰めて、私たちは指定された場所に向かった。」

「この日は納車で、免許を取った私たち4人は車を待ちわびていた。とはいったものの、どうもトレーラーではなくてもトラックで送迎をするのはどこかおさまりが悪い。」

「一日を終えて兵舎に戻るわけだから、乗り心地のいい車のほうがいいのにって思う。すると、そこに4台の車・・・・・もといアメリカンなスポーツカーが走ってきた。」

「まるで映画のワンシーンと言わんばかりにクルリと回って停車。軍の関係者曰く全米からかき集めた中古車で構成されている模様。まあ新車だと高額になるから安価に済ませたいのは私たちも同じ。さてさてトラックはまだかな・・・・・。」

「と、おりてきた軍人たちは後ろから来た徴用されたであろう緑色のスクールバスをみながらこう言った。」

【さあ、今日から君たちはこの車を使うんだ。1986年型のポンティアック・ファイヤーバードだ。部品も付け替えたからしっかり走るぞ。】
278: 警備員[Lv.4][新芽] 2024/07/23(火) 05:21:14.49 ID:0gRHk321(1)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「なんだろう・・・・夢にしてはあまりにも飛躍している。明らかに私の思い描いた光景から離れてる!あれだけ苦労してトラックの運転を覚えたのに、なぜか手配されたのはスポーツカー・・・・。」

「肩すかしを食らうってこういう状態なんだね。とはいえ、千佳は前にコンコルドで見せた笑顔になったし姉さんは安心した表情、杏奈は汗を拭い目を所謂しいたけにしていた。」
これが私の車画像リンク

千佳はこれにした画像リンク

「けど、トラックで送迎をするのに比べたらスポーツカーはある意味うってつけだった。思わず日本にいた時に覚えた単語が記憶に出てくる。こういうのでいいんだよと・・・・。」

「そして、私はかすかな幸せを噛み締めながら軍人さんから鍵を受け取って赤色を選び乗り込んだ。先ず一言、運転席めっちゃゆったりしていて寛げる。まるで量販店にあるマッサージチェアに座ったあの時の感覚がよみがえった。」
外部リンク:cdn.dealeraccelerate.com
「キーを回すと、キュイイイイインの音と共にライオンの咆吼みたいにエンジンが唸りをあげた。・・・・これって中古車だよね?なんか新車みたいに元気なんだけど!?」

「とはいえ、脇からの軍人さんのアドバイスでギアを前後に弄る。マニュアルのあらゆる方向に動かす、いわばエンストになりかねない動作に比べたらスムーズ過ぎた。」
!s
「運転席を調べている間、千佳や姉さんに杏奈も色を選んで乗り込んだ。同じようにエンジンが唸りを上げた。小学生の送迎は意外と緊張する。」
279: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/24(水) 00:04:31.42 ID:h2B9aw+d(1/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

姉さんが選んだ画像リンク

杏奈はこの色にした画像リンク


「とにかく、慣らし運転として荒野をかっ飛ばした。さすがはアメ車!まるで日本で乗っている軽自動車やワゴン車が貧相に思えるほどエンジン音がけたたましい。」

「なにより加速性。アクセルをグーンとローファーで踏み込みながら荒野をひた走るのは、まさに一昔前のCMだった。とにかく楽しいっ!」

「例によって慣らし運転の後はそのまま訓練場に突っ走り、指定された場所に駐車。遠くからこちらをジーッと見ている子供がいる。」

「U149の子だった。どうやら今日から送迎車が来ると知ってワクワクしているらしい。小学生ならスーパーカーを見てあこがれるのは必定かな。」

「そして、私たちは空中給油機で空を飛びまくり、訓練を済ませて、ロッカールームのカレンダーに次回のプリキュアタイトル公表までを示すカウントダウンを見ながら、駐車場に戻った。西日が眩しい。今日も精一杯飛んだと日本に送信しようか。」

「遂に待望の小学生を兵舎に送迎する仕事が回ってきた。これはある意味緊張する。どんな子が来るの!?とぼとぼと出てきたメンバーは、それぞれの車の位置についた。どうも事前に決められていたらしい。」

「指定された組み合わせは次の通り。渡辺 千佳×橘 ありす、桜並木 乙女×市原 仁奈、柚日咲 めくる×結城 晴、佐藤 由美子×赤城 みりあ」 
280: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/24(水) 00:22:23.04 ID:h2B9aw+d(2/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「初日から小学生の送迎。私たちが大人になって婚儀を結び、子供が出来たら起きるであろう光景。私はそれを疑似体験している。」

「赤城さんって話しかけると、?みりあでいいよ!?という返事。はーいって返事してから、キーを回してエンジンをかけた。」

「取り決め上、事故を起こさないようにバラバラに出ることになっている。私の赤いファイヤーバードは夕焼けに溶け込みそうになりながら、荒野をひた走る。ガソリンは満タンにしているからしばらく持つ。」

?おねーちゃんは免許どうやってとったの??

「そんな質問に私は、トラックを運転させられて苦労したーって話した。途中、米軍のトラックとすれ違うと、みりあはバイバイと手を振って見送る。」

「私も質問をする。今日はなにをしたのって。すると、みりあは淡々と答えた。」

?エーワックスのボタンをポチポチ押してどれが通信ボタンなのか当てっこしたよ!?

「そ、そうなんだ・・・・。ってハンドルを軽く握りながらかっ飛ばす。音は口で出すと、ブオオオオオオオオオオオンかな?みりあはゆったりした座り心地にホテルのような錯覚をしている。」

「けど、正直こんな小学生も動員するって言うのはこの場だから言えるけど微妙な面はある。確かに3ヶ月しか持たないのは分かる。でも、東映はプリキュアをそこまでいい加減に扱うとは思えない。ドリンクホルダーからアメリカンサイズのソーダ水を取って一口飲んだ。」

「私はヘッドライトを点灯させて、基地まで500メートルという段階に近づいた。東映はそこまで愚かじゃないって思う。そう考えていたら、思わずオーバーランしてずれて路肩に滑り込んだ。」

?どこに行くの?レストランが良いなっ!?
281: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/24(水) 00:30:10.82 ID:h2B9aw+d(3/3)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「みりあはワクワクした目を見せてくる。違う、そうじゃない。って返してからUターンする。ちょっと泥でスリップしたけど、エンジンを低速にして、そっとアクセルを踏み込んだら自然と車道に戻れた。」

「この戦いが終わったら家に来る?案外お母さんは歓迎してくれるよ!・・・・そう言いながら基地の門を目指した。母は結構オープンな性格だからある意味歓迎されるって思う。」

【いいよ!行ってみたい!】

「キラキラした目をするみりあをルームミラーで見つつ思う。ああ、明日からも送迎だ。今度は道を間違えないようにしないと・・・・。そう思いながら門に来ると、後ろから爆音が3台分聞こえてきた。同僚の帰還です。」

「程なくして、ウラオモテチーム全員が無事にたどり着いた。千佳も肩を落としてうなだれている。みりあはこっちへバイバイと手を振りながら去っていった。私も負けじと手を振った。」

「そういえば、何気なく思い出したことがある。コンコルドで私がトイレに入る前に出てきた時、なんであんなに笑ってたんだろう。」

「理由を聞いたら、千佳はこんな感じでこそこそと返事した。妙に顔が赤い。」

【な・・・なんか、コンコルドの中にあったミニ冊子を読んだら高倉健そっくりな顔をした役者がいて、この場にいたらと思うと想像したらにやけちゃって・・・・このことは誰にも言わないで!】

「そういえば、あの冊子って日本人が写ってたけど、どうも日系人の俳優をまとめたものらしい。機会があったら閲覧したいなあ・・・・・。」

そう感じながら、私たちは兵舎に向かった。夕闇は私たちを歓迎してくれた。
282: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/27(土) 22:51:43.56 ID:Tt1JrxuV(1/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「そんなこんなで、私とみりあの2人だけの時間は次第に充実していった。軍関係者による報道写真でも、私とみりあ、千佳とありすがそれぞれ車に乗って仲睦まじい会話をしている様子が掲載された。」

「だけど、兵舎から空軍基地まで片道25分は長い。最初に乗ってウキウキしていたみりあも次第に真顔になった。どうやらマンネリ化の空気を読んでしまったらしい。」

「私は、小学生との関係を大事にするため、ある決断をした。これはきっと千佳や杏奈が知ったら茫然自失になると思うけど。」

5月1日の朝

「うあああああああああああ!お尻が痛いいいいい!」

【わははははは!】

「わざと一般道を外れて、だだっ広い荒野を50マイルで、ひた走った。当然基地にいかないといけないので、あくまで後付けされたカーナビを見て、ここいけそう的な判断をしている。」
「もちろん、石が転がっているし地面もガタガタなので、ゆったりした座席の下から衝撃がお尻に来る。そんな状態でもみりあは笑いながら受け入れている。目線はガタガタするので酔うかもしれない。」
「車道に戻ってからはお尻をさすりながらアクセル全開で基地の設備点検までに間に合った。後で車体を見たら、エアダムは破損していなくて安堵の表情になる。」

5月8日の夕方

「うおおおおおおお 動いてえええええ!」

【がんばって〜♪】

「わざと路肩を走って、柔らかい土に埋まってしまう。この前の泥と違うけど、何度ローファーでアクセルを全開にしても前に進めないわけで・・・・。そろそろマットを敷こうかと思ったらやっと抜け出せた。」
283: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/27(土) 23:12:54.81 ID:Tt1JrxuV(2/2)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「なんだろう、子供を産んでいないのに、なんか大事にしたくなる気持ちが増していく。これがひょっとして母性本能っていうのかな?」

【明日はなにする?どこを走るの?】

「ワクワクするような顔をして聞いてくるみりあ。夕日が墜ちていく中で私はにこやかに答えた。」

「じゃあ明日は途中にある緩い丘を登ってみようかな?それが出来たら岩ボコの地面を走るよ!」

【はーい!】

「ここで後ろを振り返ると、路肩に私が作ったタイヤの跡がくっきり残った。車も土が下についていて汚れているしタイヤの溝も埋まりがち。」

「じゃあ、さっきまで動けなかった分、飛ばすよ!」

【わーい!】

「それから私とみりあは密かな楽しみとして、車であちこちを走り続けた。もちろん日中の私はKC-97L、みりあはEC-121Kで訓練を積む。」

「作業員の気持ちに配慮して、私は近くの水場で車の汚れを落とした。もちろんみりあも手伝いに来る。そんな日々を過ごして、時を迎えた。」
284: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 02:56:11.71 ID:x59VLgv9(1/5)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「2024年1月7日午前9時25分、その一報が全軍に伝えられた。ちょうどその前の私は、みりあを乗せて雪が残る道を走っていた。」

「勿論、スリップしないようにスタッドレスにしていたけど雪がべちゃべちゃだったせいで何度か滑った後、真横を向いて動けなくなった。」

【穴掘りなら負けないよー!】

「みりあは手袋をしてタイヤ周りを掘ろうとしたので、私はそれを止めてスコップで掻き出した後にどうにか抜けられた。」
「汗をかいた後で、基地に来るとざわついた声が格納庫から聞こえたので、いざ行ってみると・・・・多くの兵士や関係者がどんよりとした空気を作り、暖房が効いていてポカポカしてるのに陰気くさかった。」
「後から千佳&ありすペアや姉さん&任奈ペアも着いたようで中に入ってきた。」

「私は大元を察した。そこに据え付けられたテレビには、次回作の「わんだふるぷりきゅあ!」に成田良美がシリーズ構成に選ばれてしまったというニュースが放送されていた。」
「まるで夢を見ているかのような気持ち。みりあはなんのことと疑問視していたけど、次の瞬間画面に出てきた終末軍出撃命令という言葉を見て色めき立った。」

【歌種おねーちゃん!私たちの強さ見せつけてあげようよ!】

【お姉ちゃん!悪いプリキュアをやっけるでごぜーます!】

「みりあや任奈といった小学生組は喜んでいた反面、私たちは肩を落として闇が広がるのを間近で感じた。おおよそ1年、タイムマシンでこの時代に来て空中給油訓練を続けて、遂にKC-135Aを乗りこなせた段階だった。」

「ハピネスチャージプリキュアで炎上した戦犯を堂々と起用する・・・・オトナプリキュアで才能の枯れようが証明された成田を起用した東映に激しい憎しみと怒りが溜まる。」
285: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 03:02:25.32 ID:x59VLgv9(2/5)調 AAS
佐藤 由美子(声 - 伊藤美来)

「1月7日の午後13時10分、私たちは軍の指令の下で待機命令が出され、KC-135Aの格納庫に配置されたトレーラーハウスで生活することになる。みりあ達もEC-121Kの基地に移った。」

「空中給油の任務で実際に核の閃光を目撃するわけじゃない。だけど、プリキュアが民放アニメの悪い例の1つになりつつある様に、失望を通り越して憎悪で満たされた。真冬の空はさわやかで、どこか悲しそうだった・・・。」

「もちろん東映全体が悪というわけではない、きっと反対した人もいただろう。自制させようとした人もいただろう。もし、彼らが勝った世界線ならば私たちは日本に戻れたかもしれない・・・・。」

「当分はアメリカ国内で訓練と当てレコが続く。ここのところみりあとはお互いの軍服を見せ合いしたり声優業の大変さを語る関係になってきた。だからこそ、この作戦が終わったら日本にある私の実家に招待したい。今はそう思います・・・・。」

「千佳や杏奈、加賀崎さんはダーティな空気を消そうと辱めを取っ払うにまで手を出した。KC-135Aで組むことになった保登さんや香風さんの方々とも会話数が増加。」

「だけど、これまで一緒に車で行ったり来たりしたみりあ達はもういない。なにかの折にまた再開できるようにすると指揮官や部隊長は言うけど、それが現実になるのはいつの日かな・・・・ただただ今はそう思います。」
286: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 12:07:45.34 ID:x59VLgv9(3/5)調 AAS
【それは凱旋門賞よりも誇らしい。】

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「それは、突然平穏な日常を終わらせるほどの事態だった。時に西暦3016年、私たちは見た目は普通の人間だけど実際は違う。」

「ウマ娘・・・・かつて存在した人類史と共に4本足で疾駆した末に度重なる気候変動と戦争によって絶滅した生物である「馬」が近代科学によって人の姿として蘇生された姿。」

「最初は科学者のお遊びで産まれた存在が、次第に世の中に馬の時代を再認識させた。何度か馬の状態で蘇らせようという意見はあったものの、古代史上の馬を育てる技術が西暦2700年以降は途絶えたことが問題視された。」

「最早当時生きていた馬を育てる知識を持った人間は全員亡くなっていました。更に、馬の状態よりは人間の状態ならすぐに現代社会に適応でき、古代史によれば25年から30年で死んでしまうよりは、人間の状態なら120年まで生き長らえることが分かった。」

「こうしてウマ娘は西暦2800年に現代社会を生きる存在の1人として認められた。人間の違いは頭の耳や尻尾の他に、圧倒的なスピードで走れること。故に戦争で途絶えがちだったオリンピックでも優秀な成績を残しすぎたために、純粋な人間による競技が無くなりかけた。」

「また、古代史上において活躍した有名な馬のデータを次々と投入した結果、あの時代を生きたであろう名馬をかたどった娘が続々と誕生した。」

「なお、基本的には女性であり、ひっきりなしに男性とウマの組み合わせでの誕生を目指したそうだけれど、あれから200年以上経った現在も実現していない。どうやら遺伝子レベルの問題が関与しているとか・・・・。」

「さて、そんな私たちの元に、突然2023年という実に993年前の時代から来た一団があった。これはあまりにも現実離れした話だった。サトノ家の一族である私にとっては無関係だと思っていたら・・・・。」
287: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 12:42:17.72 ID:x59VLgv9(4/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「2023年といえば、最早歴史の教科書にすら載らないような時代でなにがあったかを知るには大学にいかないと行けない。ただ、大学といっても基本的で安全な教育方針を貫き、半日だけ通って覚える方式になっている。」

「とりあえずデータバンクを漁ってみたけど、夜遊びという名前の歌手が大人気になった位しか出てこない。アメリカではバイデンという大統領が問題視されていた位しか出てこない。ああ、もうアメリカ大統領も今は何代目か分からないな。」

「そんなこんなで私は、いつものようにトレーニングを終えて、メジロアルダンとシンボリクリスエス、ナカヤマフェスタと共に美浦寮の入り口までやってきたのです。」

「すると、そこには見慣れない車が。しかし見たことのないデザインをしていて、なにやら異様な空気を出していました。」

「寮から出てきたのは軍人のような人たち。それにしては見たことのない格好をしている。と、シリウスシンボリにメジロラモーヌ、サクラチヨノオーが出てきて、こちらを見て叫んだ。」

【サトノちゃん!大変だよ!2023年からの使者が私たちを必要としているって!!】

「・・・・・唐突な台詞に私たちは仰け反った。ニュースでちょっと掻い摘んだ話が目の前に出てきたのだから驚く以外他はない。」

「なにかのドッキリ企画かな?・・・・そう思いながら私は彼らの話を聞いてみた。すると、政府の車が何台か来ているのが見えた。」

【突然の訪問で驚いているだろう。私たちは2023年・令和5年からやってきた。今は3016年・天来6年だったね。年号の文化が途切れていなくて良かったよ。】

【君たちの実力が必要とされているんだ。過去でね。】

「そのまま私たちは寮の応接室に通された。サクラローレルにドゥラメンテ、ヤマニンゼファー、シンコウウインディも彼らにお茶菓子を配っている。案の定そこにはこの前高値で買ったにんじんジュレまであるという・・・・。」
288: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 13:15:05.42 ID:x59VLgv9(5/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、私たちは軍人から手渡された資料を次々と見た。それは、今から500年以上前に打ち切られたプリキュアシリーズへ核を見舞うものだった。」

「その任務、本来ならば軍務のウマ娘に頼めば良かったと思うけど、今の時代でも戦争の脅威はそこにあるわけで、戦闘用のウマ娘はおちおち移動できなかったようです。」

「そうして私たちに白羽の矢が立ったわけです。それにしても、どのプリキュアに核を見舞うのか?プリキュアはもう知る人なんていないし、私なんて歴史博物館やネットを見ない限りは知ることはなかった。」

「かといって、もうそういう子供向けのアニメを作る技術もほとんど無く、もう最後に子供向けを作っていた人が亡くなったのは2615年です。」

【あなたたちは、これから2023年1月4日にタイムワープします。場所はフランスです。目的は、2024年に放送されたプリキュアが醜悪だった場合は核攻撃を行うための訓練をするためです。】

【ウマ娘がいつの時代に産まれたのかを調べた結果、この時代にたどり着きました。ボランティアなどとは言いません、こちら側は手厚い支援を行います。】

「それから、私たちは色々な事実を知った。なぜプリキュアは無くなったのか、なにがあったのかを。ついでにアルバニアで放送される世界唯一のクイズ番組で優勝できる位の知識を授けられ、私たちは同意書を出しました。」

「丁度この日は4月2日、次の日からウマ娘達の目の色は変わりました。?戦争に行く?・?過去を謳歌する?・?知られざるあの時代の文化に接触できる?そんな声が続きました。」
289: 証言集 終末軍と私たち 2024/07/28(日) 21:54:04.12 ID:u/UoHraR(1)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、私たちは改めて核攻撃に参加してほしいという要望を受けた。正直なところ、これまで何度も競技場を走り続けた私たちウマ娘にとって、ちょっと荷が重すぎる話だった。」

「核爆弾なんて、もう今の時代ではロストテクノロジーと化している。それについて答えると、2023年の人間達は、こちら側で詳しく教えると話しました。」

「寮長も職員たちも、過去からの来訪者にうっとりした顔をしている。そして、加えて私たちにとってこれ以上ない条件が添えられた。」

【任務中の間、こちら側で競馬場を用意します。もし疾駆したいのならご自由に使えるように手配します。】

「気がついたら、私たちは同意書にサインをしていた。この時から私たちの過去での生活が始まることになる・・・・・。」
290: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/04(日) 18:17:21.63 ID:Hzx2G0Wb(1/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「私たちは、以後の授業や練習は中止になり、西暦2023年に飛び立つことになった。はるか900年以上昔の世界線に誘われるだけあって緊張する。」

「次の日はバスに乗せられて、みんな誰もが合宿のノリでワクワクしています。荷物はこの時代のものがたくさん詰め込んでいます。あの時代に言ったら厳しいでしょうから。」

「最早2023年は授業ですら習わないし、歴史書にちょこっとだけ刻まれている位しかない。そして、移動手段がこれまた尋常ではなく、指定された空港にそれは存在していた。」

「・・・・・なんということでしょう。気が遠くなりそうな位に大昔の古代遺跡から降り立ったような飛行機がそこにあるではありませんか!案の定、周りには一目見ようと黒山の撮影者がゾロゾロ集まっている・・・・。」

「この機体は説明によると、ボーイング747-121(N747GE)。遠い遠い昔に飛んでいて、エンジンの試験用にまで使われたそうで・・・・。」

「私たちは、一列に並ばされてゾロゾロと乗り込みました。専用のタラップが架けられました。一応地球の文明が一時的に崩壊する前に導入した技術は用いていますが、如何せん関係者も部品規格が合わないと当惑しています。」

「とにかく座席がびっしり並んでいて、まるで映画館のような光景でした。言われるがままに順序よく座ります。それに、機体に乗り込む時に機首を見たら、謎の装置がついていました・・・・。」

「そして、聞いたことの無いようなエンジン音を鳴らして機体は離陸準備に入ります。シートベルトをつけるよう指示され、次に離陸中は立たないようにアナウンスが流れます。」
291: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/04(日) 18:31:32.91 ID:Hzx2G0Wb(2/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「凄い揺れと共に、私たちを乗せた飛行機は空に舞い上がりました。凄い揺れと共にギシギシ音がします!」

「キタサンブラック、トウカイテイオー、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーも明らかに恐怖に顔が歪んでよく分からない言語のようなものを喋る!」

「もちろん見たこともない飛行機で見たこともない時代へ行く。当然ながらこの時代は時空移動は常識の1つだけど、安易に行き来は出来ない。」

「シュヴァルグラン、ペリースチームも真顔で前を向いている。地上にいた時の笑顔は消えていた・・・・。」

「そして、ギシギシ音を立てながらボーイング747-121は水平になった。そこで機長からこんなお知らせが。」

【ただいまを持って3016年より993年前の2023年にタイムワープする。衝撃波が来ますので皆さん通路を歩かずに座席にジッとしていてください。】

「ハルウララはわいわい叫ぶ、サイレンスズカは恐怖のあまりに頭を抱える、マルゼンスキーはお守りを握りしめている。それぞれ恐怖心が倍増する中でタイムワープが始まった。」

「・・・・・直後、激しく点滅する虹色に飛び込んだような衝撃と共に目の前の色がおかしく変化した。凄いドドオオオンッという音が3秒だけしたと思うと一瞬で消えた。」

「周りはエンジンの音しかしない。そして真っ暗。アドマイヤベガは虚ろな目をしているし、マヤノトップガンやサトノダイヤモンドは酔ったのか目の前に置かれたバケツに吐き出している・・・・。」

「やがてベルト着用解除を知らせるサインがついて、添乗員が彼女らの世話を始めた。薬の手渡しや吐瀉物の始末や心のケアまで始めている。」

「そして空調装置が作動して鼻につく臭いが消えた。更に消臭スプレーも撒かれて機内は居心地が良い状態になった・・・・。けど、本当に2023年に来たのかな?」
292: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/04(日) 18:50:51.44 ID:Hzx2G0Wb(3/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、窓から外を見る。地上が明るく輝く。どうやら2023年に来たとはこのことらしい。そして、思ったことは・・・・・なんでこんな小学生の工作キットレベルのタイムワープ装置しか作れなかったんですかという感想。」

「既にタイムジェットを通して乗り心地が最高な時間移動は実現しているのに、このタイムマシンは明らかに夏休みの自由研究レベル!値段に換算すれば中古車が買えるぐらいのマネーで出来る代物。」

「私は口直しのために、洗面所に行った。キタサンブラックとサトノダイヤモンドは虚ろな目で外を見ている。話しかけたけど、訳の分からない言語を喋ってる。」

「己の世界線を守るテイエムオペラオーやアグネスタキオン、ゴールドシップは軟禁されたかの様な瘦せこけたような状態で外を見ていた。ただ、シュヴァルグランやネオユニヴァース、ジャングルポケットのように元気な子もいる。」

「すると、添乗員を相手に誰かが文句を垂らしていた。ライスシャワーとミホノブルボンだ。ライスシャワーは隠れ気味だけど、ミホノブルボンは違う。」

【ミホノブルボン:なんなのこのトイレ!?これに座るとか、尻尾が汚れちゃうわよ!いくら旧時代だからって私たちについてのマニュアルぐらい読みなさいよ!!】

【ライスシャワー:あ、大丈夫だよ?私、まだ我慢できるから・・・・。】

「トイレを見て驚いた。旧時代のことは教科書で習ってるけど、まさかこの目で堂々と見ようとは・・・・。ヒトが使う完全仕様だ。一応西暦3016年にもあるけど、一応万が一を考えて尻尾のストッパーがある。」

「これはそういう配慮を無視した、その時代だから通用するものだった。添乗員は慌ててバケツを用意する。一応吐瀉物を始末した後のバケツだけど消毒済みだ。」

「ライスシャワーが笑顔を出し始めたのを尻目に、私はうがいをした。」
293: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/04(日) 20:37:09.24 ID:8PhG3AiL(1)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、ボーイング747-121は指定されたであろう空港に着陸した。サン=ディジエ=ロバンソン第113空軍基地・・・・どうやらこの時代は113の空軍基地がフランスにあったらしい。」

「私たちはベルトで座席に固定され、着陸がドスンと言う衝撃を体感し、そのまま地上に降り立った。」

「一角に停まると、タラップが接続されて私たちは這々の体で降りることになった。凱旋門賞を取りに西暦3016年に体感できるフライトと違って、なぜかどっと疲れた。」

「私、ジャングルポケット、ダンツフレーム、メジロラモーヌ、オルフェーヴル、ツルマルツヨシの順で続々と降りた。周りには軍人達が囲んでお出迎え。」

【Bienvenue en 2023 ! Bienvenue Uma Musume ! Bienvenue en France! Nous vous souhaitons la bienvenue !】

「現地語で堂々と歓迎を受けてから、私たちは後ろを見る。添乗員に支えられながらフジキセキ、マヤノトップガン、サトノダイヤモンドが降りてきた。顔色が悪い、そして何か得体の知れないものを見たかのような状態にある。」

「真顔で降りてきたキタサンブラックとスペシャルウィークにハルウララ。共に笑顔が無く歓迎はいいから寝る場所を用意しろとい言いたげな感じ。」

「そして、私たちはバスに乗せられて兵舎に移動した。結構立派な作りでトレセン学園と遜色ない。ただ900年以上前なのに私たちの世代と変わらないような・・・・。」

「各員は部屋に案内され、そして部屋にぽつんと置かれたベッドに突っ伏した。ここは993年前の世界。なんか遙か昔なのに変わらない匂いや空気がそこにある。」

「やがて食事の時間を知らせる音楽が流れた。そういえば機内食があまりにもあっさりしすぎたような・・・・。まあ飛行機の中だし多少はね・・・・。」
294: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/07(水) 23:11:52.57 ID:zkgsDh88(1/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、兵舎の食堂に案内された私たちは、テーブルに無造作に並べられた料理を見て硬直した。なんだろう・・・・一応トレセン学園の関係者が2023年の世界線からきた使者に対してあれこれ要求はしていたらしいけど。」

「用意されたのはにんじんをのせた料理の数々。だけど人参が思ってたのと違って貧相だった。中には丁寧にカットされていて食べやすい大きさと言わんばかりのものまで。」

「サトノダイヤモンドは当惑している。フジキセキは料理長と思しき人に話しかけている。ジャングルポケット、ダンツフレーム、ペリースチーム、シュヴァルグランは真顔で今置かれた状況を理解しようとしている。」

「結局、西暦3016年で食べていた人参そのものが、この場には無かった。そんな憂鬱な気持ちを背負って、私たちは料理を食べた。意外にも美味しいけれど、食べ応えは圧倒的に劣る。バクバク食べるあの感覚が無かった。」

「出されたメニューは、ハンバーグにサラダ、堅いパンに酢漬け、魚介類のスープだった。いずれも人参をのせた状態だけど、この時代の人参は美味しいものの小さくておなかが満たされない。」

「私たちは料理長や兵士たちに感謝しつつも、なるべく大きい人参をお願いしますと話して、およそ1時間の夕食を終えて部屋に戻った。」

「それから、思わずこの時代のテレビ番組を見る。どれもコレも知らない番組で、その様子を写真に撮った。やっぱり私たちの時代にあったものは3DプリンターとAIによるレプリカ・・・・・模造品に過ぎない。」

「本物を間近で触るのはどきどきした。既に2154年にパンドラへ移住するしかないほど地球の文明が崩壊しかかった時に失われたものが、ここにある。」

「ジャングルポケットのトレーナーであるタナベさんの家に行ったことがある。見た目はボロ家と言わんばかりの佇まいだけど、ありとあらゆる道具や内装の全てがAIと3Dプリンターで再現されていて、見た目は当時の状態は保っていても中身は全て3000年代の科学を結集している。」

「でも、これは全てが全て本物。質感がたまらない。暖かみを感じる。まるで博物館の展示室に迷い込んだ気分になる・・・・。」
295: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/07(水) 23:16:39.04 ID:zkgsDh88(2/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「それから、私たちは共同浴場に行った。脱衣所は私たちの時代と遜色ない形を保つ。私たちの時代は全部3DプリンターとAIに当時の文化や慣習を覚え込ませて作られていた。」

「けど、この時代は違う。誰もが喜んで着ていたものを脱いだ。ジャングルポケットは豪快に脱いで篭にバサバサと入れる。マンハッタンカフェやダンツフレームは丁寧に畳んで置く。これは私も同じ。」

「私も脱ぎ始めると、思わず隣に置かれたダンツフレームの下着に目が行く。3015年に発売されたばかりの新製品で耐久性が向上している・・・・という割には縞々が映える。」

「私の穿いているサトノ家特注の一級品に比べて、すぐに手に入るという代物だった。さて、それはともかくお風呂お風呂・・・・。」

「しかし、戸を開けて目に飛び込んできたのはシャワー室が転々とあって、申し訳程度の人が浸かれるバスタブが6つだけ。あまりのギャップの差に私たちは面食らった。どうしてこうなった・・・・?」

「マンハッタンカフェも、テイエムオペラオーも、マヤノトップガンも、フジキセキも、ライスシャワーも呆然とした目で見る。」

「すると、女性兵士がわざわざ水着の格好で案内を始めた。どうも、フランスはこの時代は風呂に進んで入る風習がなくて、シャワーで済ませるのが多い。ただ、トレセン学園より湯船に浸かれるようにという要求を受け取ったため、急遽中古のバスタブが追加されたとのこと。」

「スペシャルウィークやマルゼンスキーは訳の分からない言語をしゃべり出すほど動揺して彼女に詰め寄った。」

【合宿所みたいな湯船に浸かりたいいいいいいいいい!!】

「分かる。分かるよ・・・・。ただ、シュヴァルグランは2人にこういった。」

【パンドラ移住計画前なんて世界は風呂について思慮がバラバラだから仕方がない!】

「結局、シャワーを浴びて交代でバスタブに浸かった。耐えず湯沸かし器を稼働させても40度前後までしか上がらない仕様で、ジャングルポケットはやるせない顔をしていた・・・・。」
296: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/07(水) 23:56:16.67 ID:zkgsDh88(3/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「さて、やっと初日を乗り切ってパジャマ姿になってベッドに突っ伏した・・・・。まあ別の意味で疲弊するのは仕方がない。」

「すると、突然下の方・・・・股がムズムズした。どうやら食後に部屋の掃除係がサービスしていった人参ジュースを飲んだ結果が今来たらしい。」

「うートイレトイレ・・・・。私は部屋に備え付けられたトイレに入った。そこでギョッとした。トイレに便器が2つもある。向かい合っていて右側がいかにも私たちの時代にも存在する人が座るタイプ。では左側は・・・・どうみても洗面台だけど明らかに低すぎる。まるでトイレの種類とでも言わん状態。」

「だけど、よりによって尻尾を固定するための機器がない。固定ピンすらない。これについて何の説明もない。」

「結局、私は3000年代の漏らしそうな時の方法で用を足した。」

?まず、穿いているパンツを脱ぐ。脱いだら奥にある台に畳んで置く。
?備え付けのバケツに何も入ってないと確認して、足下に置いてまたぐ。
?立ったまま一気に放出する。出す時の気持ちよさは子供の頃から嬉しく感じる。
?ペーパーでアソコを撫でるように拭いてパンツを履き直して、バケツに出した尿をトイレに流す。
297: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/08(木) 00:00:29.62 ID:Fm0+Hgl+(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「かつて、西暦2800年・光才元年にウマ娘第0号が産まれてから15年後にウマ娘第26号〜60号に対して正式に市民権が与えられた。だけど問題が出てきた。トイレを使う時にどうしても尻尾が便器の中に入って汚れる。」

「当時被験者25人と市民権を得た面々のために一部の施設のトイレで尻尾を固定する金具が追加された・・・・。だけど全部取り付けるのは時間が掛かる。」

「そんなわけで、ウマらしく立ったまま出来るように、便器の代わりに縦長の溝が掘られた。それを跨いで立ちながら放尿したり排便をする。画期的で、座りながらすることがまるでお漏らしするような感覚で気持ち悪いと言ってた彼女らに歓迎された・・・・。」

「が、あろうことか夏場は悪臭を強く放ち、使うことを躊躇ったウマ娘達は外でするようになったため、専用のバケツを台とベンチレーターがトイレに用意された。これなら溝を掘らなくてもバケツに立ったまますれば良いだけで、バケツ1つ洗うだけで済む。」

「このやり方、フランスの人たちに教えたけれど、誰も彼もが怪訝な顔をしていた・・・・。どうやらこの時代的にはアウトだったらしい。」

「ちなみに、人によっては小の時は拭かないのが当たり前。あ、私はどっちかと言えば拭くほう。なんかパンツが汚れるのが早いからなんだけど、ジャングルポケットやダンツフレーム、スペシャルウィークは早く済ませたいからか拭かないのが日課。」

「そんなこんなで私は1日を終えた。こうしている間も、隣の部屋にいるマヤノトップガンの後悔が入り交じる悲しそうな声が。どうやらあのトイレの使い方を間違えたらしい。」
298: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/08(木) 00:19:38.09 ID:Fm0+Hgl+(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「現地日付2023年2月2日、私たちは座学からパイロットへの道を歩んだ。教室で簡素な椅子に座って貧相なテーブルでメモを取る。」

「それが2月10日まで続いて、私たち全員は擬似的なシミュレーターを触った。15日あたりまで続いた。」

「飛行機の操縦方法は実にそっけないもので、私たちの時代とは違って夏休みの自由研究で作ったようなシステムで覚える流れになった。」

「2月16日に、初めて実用機を使った訓練が開始された。すると、そこに現れたのは旧式化した旅客機だった。」
299: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/09(金) 22:49:40.93 ID:bgf7umhe(1/3)調 AAS
「まさかの訪独」

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「私たちに対して、指揮官が告げたのは次の通りだった。」

【2024年にオリンピックの開幕を控えている立場上、国内で飛行訓練こそ出来るが肝心の核攻撃の訓練を行うことは出来ない。そのため、説明も兼ねてドイツに移動する。】

「私たちは一瞬硬直した。どうやらフランスで訓練するんじゃなくてドイツまで行ってするらしい。この発言にはさすがにマヤノトップガンも、フジキセキも、アグネスタキオンも顔を歪めてしまう。まあ、オリンピック自体、3016年の授業にすら出てこない分こんな話は貴重。」

「第132空軍基地に降り立ったのは、明らかに博物館にあったであろう見たこともないデザインの旅客機であるシュド・カラベル12(F-BTOE)という名前の機材だった。」

「これまた機内は小さく、思った以上に鮨詰めにされた。明らかに胴体は塗り直されていて機内は独特の匂いがする。ジャングルポケットとダンツフレームはキョロキョロ見回しながら座る。」

「メジロパーマー、ゴールドシチー、ゴールドシップ、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーは恐怖で顔を歪めながら座ってシートベルトをつけた。どうやらちゃんと飛ぶのか怖いらしい。」

「おまけに日本政府の提案で日本食が出されたんだけど、フランスのセンスがおかしな方向に動いたのか見た目も派手なだけでなく味が薄すぎた。だからおなかが満たされていない。」
300: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/09(金) 22:53:49.78 ID:bgf7umhe(2/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「こうして、私たちを乗せたカラベルは最高速度で離陸し、ドイツを目指した。やっとドイツに到着すると前から見たことのない飛行機が現れて並んで飛行する。」

「添乗員曰く、あれはトーネードIDSという攻撃機らしい。こちらに向けて手を振るパイロットに気づいて、私も手を振りました。」

「この間、行きの時の教訓からかトイレには備え付けのバケツが用意された。私たちは安心して跨いで用を足せた。やっぱり立った時のほうがいっぱい出せる!」

「たどり着いたのはドイツ連邦共和国にあるシュレースヴィヒ航空基地。隣にはエスコートしてきたトーネード機が着陸している。」

「備え付けのタラップで降りていく。キタサンブラックもサトノダイヤモンドも生気を失ったような顔をしている。ボーイング747より小さく、おまけに揺れまくるので酔ったんだと思う。」

「私たちの実機を用いた訓練が始まった。遠路はるばると。基地のエプロンには例のごとく機材が並べられていた。ドイツ人たちが物珍しそうに写真を撮り始めた。」
301: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/09(金) 23:05:00.96 ID:bgf7umhe(3/3)調 AAS
{最初の機体はプロペラ。}

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「目の前に置かれたのは、プロペラで飛ぶというまるで古代遺跡と言わんばかりの機材だった。その名はモラール・ソルニエ アルションとMS.315。私たちが最初に乗ることになる。」

「簡易的な説明のあと、私は初めて乗り込んだ。乗った感じは実にシミュレーターマシンと同じように狭苦しい。一応細い体だけど両脇に壁が迫ってくる。」

「後ろに教官が乗り込み、まずは始動してみようかと話しかける。私の乗る機体はアルションのF-BLXP。指摘された通りにエンジンを始動するまでに1つ1つのチェックを済ませて始動した。」

「甲高い音と共に前のプロペラがクルクル回る。脇で見ていたマヤノトップガンやアグネスタキオンもおおーーっと喜ぶ。他にも乗り込んでいる仲間はいて、初めての進空はこんな編成。」

「私、元気過ぎるサトノクラウンはMS733アルション(F-BLXP)で、ウキウキのダンツフレームはMS733アルション(F-BKOJ)、凛としているカツラギエースはMS733アルション(F-BNCE)。」

「やや緊張気味のシュヴァルグランは、MS733アルション(G-MSAL)、嬉しそうなペリースチームはMS733アルション(F-AZKN)、堂々としているネオユニヴァースはMS733アルション(F-AYOT)。」

「ドキドキしているシリウスシンボリは、MS.315(G-MOSA)。メジロラモーヌはMS.315(D-EZOR)、メジロアルダンはMS.315(F-AZAH)。」

「というわけで、3番目ぐらいに教官の指南の元でスロットルのレバーを引いて加速を始めた。こちらはMS.315より世代的に新しいけど、ガタガタ言いながら初めて空に舞い上がった。」

「率直な感想としては・・・・・感泣以外の言葉が見つからない。なんなのこの達成感は!?操縦桿を引くことで上へ下へと飛べる。まるで鳥と言うよりは伝説上のペガサスになったかのよう。」

「空は晴れ渡り、遠くを資材輸送と思われる輸送機が飛んでいるのが見えた。ダンツフレームもメジロラモーヌも嬉しそうだった。」
302: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/10(土) 00:42:46.08 ID:LHU9ryc9(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「ある意味貴重な体験をしている。パンドラへの移住計画以前に存在した機体がここにある。ここで操縦桿を握り、飛ばしている。」

「もちろん旅客機に比べたらだいぶ遅いけど、私たちにとっては速く感じられた。案の上だけど、初日でありながらメジロラモーヌとメジロアルダンは軽く曲芸までやってのけている。」

「さすがに肝を冷やした教官は水平飛行をするように堅く指示を出した。」

「編隊で飛んだのは20分ほど。機材同士の距離は大体1〜2kmの感覚で基地の周囲を回っただけ。初飛行だったわけだけれど地上に戻ってからは誰もが嬉しい顔立ちになっていた。ただ、やっぱり着陸は緊張する。」

「シュヴァルグランに至っては無線機で地上管制官に車輪は異常ないかと交信していたらしい。」

「それからは、身長が低い方のジャングルポケット達に取って代わられた。いずれも安定した飛行性能で誰もが息をのむ。」

「しかし、いずれも気にしていたのはドイツ人の管制官の方。もし墜落でもしたらマスコミに追い回されるらしい。」

「そうして1日が終わると、ドイツで貰ったシュニッツェルとソーセージをかじりながらカラベルでフランスに戻る。」

「2月17日から本格的にプロペラ機の訓練を積んだ。特に戦闘機と攻撃機を操る部門の私たちは簡易的なアクロバットも教義対象になる。」

「だけど、MS.733アルションやMS.315、さらにはソカタMS.880Bが加わって賑やかになる。ちなみに、ジャングルポケット達低身長組はMS.880Bを扱う流れになった。」

「さて、飛行機を初めて操縦したものの、それから後はまだ課題があった。なぜなら・・・・。」
303: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/10(土) 01:03:54.16 ID:LHU9ryc9(2/2)調 AAS
{競馬場代わりの道}

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「3月2日あたり、MS.893Aラリー(OK-CZM)から練習の後に降りてきたアドマイヤベガは陰鬱な顔で語り始めた。」

【なんか・・・・競馬場出してくれるって言ってたけど音沙汰ないよ?】

「この事実に誰もがざわついた。一応現地で聞いた話だと、フランスにはパリロンシャンという本格的な競馬場があって、この時代でも指折りの場所だという。」

「尚更私たちが疾駆できるはずなのに、誰も何の続報をもたらさない。あまりの重苦しさに私はフランスの代表団に問い合わせた。如何せん使い勝手の悪い電話機を使って。」

「・・・・結論としては、エマニエル・マクロン大統領の指令の下でウマ娘でも走れるように改修工事をしているらしい。なんでも、私たちの祖先である馬と併走させて世界から注目されようというのが狙い。」

「それを聞いて重みが増す。先祖と走るなんて私たちの時代では想像すら出来ない。そもそも先祖の馬が生きていたとしても育てる資材も人員もとうの昔に失われている。教科書でしか見たことのない馬を間近で・・・・。」

「しかし、その工事が時間が掛かる上に10月の凱旋門賞の際は元に戻せるようにしなければならない、故に今一度疾駆は出来ないという。」

「この話で妙にテンションが落ちた。この作戦に協力する条件の1つにトレセン学園のように競馬場が確保できるということだったのに、それはない・・・・。それを知った仲間から次々と憤りの声が。」

「フジキセキ、スペシャルウィーク、ライスシャワー、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーが次々と抗議電話を掛けた。他の競馬場のシャンティイも同じような工事をしているらしい。」

「結局、フランス政府の回答は次の通りだった。これには毛を逆立てていた仲間も次第に沈静化した。」

【分かりました。それではフランス国内の第132基地近隣の道を使えるようにします。交通量も少ないので練習には最適ですよ。】

「それはある意味嬉しかった。そう、この段階では。」
304: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/12(月) 20:31:58.00 ID:OcXwY2uD(1/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「事態は動いたけれど、アドマイヤベガやアグネスタキオンにファインモーションはすっかりマクロンの事を信用していない顔立ち。」

「というわけで、明らかに軍人以外の政治家や市長による嫌すぎる空気を背景に第113空軍基地の周囲にある人気のない道路が私たちの競馬場みたいになった。」

「ちなみに走るにあたって、政府は近隣住民にウマ娘の走りを邪魔しないのと道路を塞がない、怪我した時以外に家に入れないといった告知を出した。」

「私たちには次のような御触書が寄せられた。条件はアレだったけど私たちにとって疾駆できることは嬉しい以外の何者でもなかった。足も使わないとダラダラになっちゃうからね。」

1:日頃の訓練の鬱憤を晴らすか運動不足を解消するために限り疾走可能。
2:軍服と制服以外の勝負服にジャージの着用認可。
3:軍事機密の漏洩厳禁。
4:現地人との肉体的交際厳禁。
5:オリンピックの内部事情の漏洩も禁止。
6:未来の出来事の漏洩は厳重に処分する。

「3月3日の午後5時、私たちは113空軍基地にドイツでの訓練飛行を終えて兵舎に戻ると、夕日が落ちかけている中で未来から持ってきた勝負服を着込んだ。」

「今回の疾走を許可した上で、夕飯の時間は繰り上げられて午後6時から7時に変えられた。」

「私、ジャングルポケット、タップダンスシチー、フジキセキ、マヤノトップガン、アドマイヤベガ、ダンツフレーム、テイエムオペラオーは基地の外に出た。」

「春風をどこか感じる西日が綺麗。特に準備運動は雑にやった上で私たちは疾走に移った。私たちは人と違って馬がそうであったように運動をしなくてもすぐに疾走できる状態にある。」

「ただし、私たちの時代では人間の動きを真似して成績を伸ばそうとする発想もあるけど、身体的強化には結びついていない。元々時速70kmを出せるウマ娘なので、大して変わらないのだ。」
305: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/12(月) 20:55:20.52 ID:OcXwY2uD(2/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「ああ、そういえばマクロン大統領や歓迎式の時に現れたオランド前大統領、サルコジ前大統領はなんかオリンピックについてあれこれ話していたのを思い出す。」

「正直、この点については何か裏があるに違いないってジャングルポケットやダンツフレームは不信感を抱く。まあ世の中変なやり方をする人間は多いわけで、あの2人は政治家で知らないことを知ってるようだからね・・・・。」

「思えば、実際に3016年で2024年のオリンピックについて歴史の教科書は一言だけ触れていた。?この年のオリンピックは特異的すぎる事象が相次いで賛否が分かれた。?って。」

「スペシャルウィークやライスシャワーは、絶対その教科書は改訂前の奴だよって取り合ってくれなかった。むしろ練習機でぶつかりそうになったのを指摘された。」

「さて、そんな戯言を尻目にいっぺん動き出した私たちはもう誰にも止められない。ぐんぐん堅い地面を足で踏みしめてスピードを出す。ウマ娘の真骨頂。」
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「夕日が眩しい。人間はこういう状況で外を走ることをもの凄い辛苦に感じると学校の図書室で読んだことがある。まあ私たちは疲れこそするけど、人間の出せる限界のスピードで疾駆しても何も感じない。」
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「まるで、そよ風が頬を撫でる緑豊かな平原を歩いているのと変わらない!」
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「遂に基地の外に出て車道を疾走する。競馬場と違って車道だから安定感はある。整備が行き届いて晴れた日の競馬場は問題ないけど、雨天時はムカムカしながら踏破する。力むと地面にズシャっと沈むのでつらい。」

「とうとう基地から1km以上に達した時、沿道には手を振って歓迎する人がちらほら見える。嬉しい!なんか有馬記念や宝塚記念を思い出すような光景が!」
306: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/12(月) 22:02:48.43 ID:OcXwY2uD(3/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「今日一日色んなことがあった。だからこそ疾駆する。この衝動は、絶対一般人は得ることのできないもの。馬の遺伝子から生まれた私たちだからこそ知り得るもの!」

「夕日が沈むのを見ながら、大体5kmの地点で停まって、元来た道を引き返した。時間にして30分前後、人間には過酷だけどウマ娘には体感15分といったところ。」

「基地に戻ると無事に戻ってこれたという理由でマクロンがテレビ電話経由で歓迎した。基地の指揮官や部隊長も拍手している。993年前の疾駆はどこか長閑で、どこかノスタルジーのような気分に浸れた。」

「その後、地方紙に私たちが勝負服で走っている様子が掲載された。見出しは【馬の魂を宿す若者よ僻地を駆けるべし!】とても鼻が高い。」

「また、3月10日にそれまで使われていたプロペラ駆動の練習機からジェット機の座学に移行した。」

「そして一日の大半をジェットエンジンや競争に費やして3月30日を迎えた。この日は飛行場にてジェット機のお披露目がありました。」

「今の私たちの目では化石のようなデザイン。博物館ですら写真でしか見たことがない。誰もが珍しそうに見ている。これは飛ぶのかって。」

「主な機体はフーガ マジステール(MT-35)、アエルマッキMB-326(I-RVEG)、RFB ファントレーナー(D-EATP)、MiG-15UTIミジェット(18)、MiG-15UTIミジェット(604)、MiG-15UTIミジェット(2524)、TS-11イスクラ(1214)、TS-11イスクラ(1718)、TS-11イスクラ(2001)」

「なんでも、飛行可能なマジステールをそろえるのが困難で、やむを得ずイタリアやドイツ、チェコ、ポーランド、アメリカに協力を要請したらしい。」

「9機で見た目がバラバラな状態。私たちは1人1人がその感触とプロペラ機との違いを覚えるために乗り込んだ・・・・。」
307: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/13(火) 00:35:46.86 ID:sQWbLowl(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「さて、ここにあるのは9機、私たちは20人以上いる。当然ながら確実に11人はぶられるわけで・・・・。私の番は回ってこなかった。なお、機体は空いているものに乗れとのこと。」

「1日他の友達と待っていたけど、帰還時刻になるまでだだっ広いドイツ空軍の飛行場で待たされる姿を想像してほしい。こんな無に近い状態で何を思えばいいか。」

「改めて乗れない組になった私とシュヴァルグラン、ダンツフレーム、サクラチヨノオー、ジャングルポケットは空軍司令部へ愚痴をこぼした。」

【もっとジェット機を倍増させてええええ!順番待ちすぎて辛い!!】

「フランスにはアルファジェットやジャギュアBがあったけれど、前者は現役で後者はジャギュアAの訓練が本格化するまでないと言われて頭を抱えた。」

「その後、埋め合わせとして4月6日にミラージュ?Bを6機(s/n:202、s/n:216、s/n:214、s/n:245、s/n:249、s/n:250)追加されたけれど、私たちへの番が回ってくることはなかった。」

「その分溜め込みすぎた鬱憤を消し去れるために、第113基地に戻ってからは全力疾走をするようになった。ほとんど地上待機していたから恐ろしい。」

「加えて、空軍基地の関係者やフランス政府は事態を重く見てイギリスとアメリカにジェット練習機のレンドリースを求めたものの当分困難と突き返された。」

「更に、乗れない時は結局ジェット機のシミュレーターで甘んじるかプロペラ機で我慢するかしか選択肢がなく暇が増大。」

「見かねたフランス政府は土日は飛行時間を減らす代わりに疾走時間を午前と午後に増加させると宣言。まあ単純に練習機の部品消耗が激しくて稼働率が低下しているからだとか・・・・。」

「日に日に田舎道を疾走するウマ娘は増加して、ジャパンカップほどではないにせよ15人以上がひしめき合いながら疾駆するようになった。」

「そして、2023年4月12日にそれは起きてしまった・・・・。」
308: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/13(火) 13:56:39.83 ID:sQWbLowl(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「その日、私たちはドイツでの訓練終了後・・・・ちなみに私にジェット練習機はこの日も順番が回ってこなくてプロペラ機に甘んじた・・・・に113基地に帰投。」

「常人が嫌がるであろう夕方に疾駆することは私たちの間では人の小走りと大差ない。大体にして来年開催されるというオリンピックに出場するか目指している人ならあり得るけど。」

「この日の夕方に疾走するメンバーは私とアグネスタキオン、アドマイヤベガ、スペシャルウィーク、マヤノトップガン、サトノダイヤモンド、キタサンブラック、ライスシャワー、トウカイテイオー、サクラバクシンオー、ハルウララ、ミホノブルボンの12人。」

「そろいも揃ってジェット練習機の順番が回ってこず、ヤキモキしていた面々でした。」

「いつものように勝負服を着込んで、運動無しでぶっつけで田舎道を疾駆する。日が長いのか、沿道にはカメラを持って写真を撮っている人たちの姿が。」

「垂れ幕まで張っている人までいるので、疾駆しながらマヤノトップガンやトウカイテイオーはわざとペースを落とし始めた。手を振って歓声に応えている。」

「それを見たのか、2人に続いてキタサンブラックとスペシャルウィークまでどんどんペースを落として手を振っている。」

「まあサービスに応えるのも悪くない・・・か。そんなわけで4人を置いて8人でどんどんペースを上げた。いつものように5km地点で折り返す。」

「遅れて4人が折り返し地点に行くのが見えた。果たしてこの時なにをすべきだったか今も分からない。まああんなことがあるとはね・・・・。」

「途中、アドマイヤベガが一瞬疑問をよぎる顔をしたような気がする。沿道は見物人が並んで旗を振っていた。アドマイヤベガは、沿道の人が持っていた綿菓子を見て変な顔を消した。」

「第113空軍基地に戻ったけど、なぜかマヤノトップガン、トウカイテイオー、キタサンブラック、スペシャルウィークの4人が追いついてこない。まさか・・・・住民からお裾分けとか?」
309: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/14(水) 21:24:38.99 ID:miNm7TOg(1/5)調 AAS
{事故が起こった}

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、それから5分経たない内に事態は動いた。突然、基地の中から兵士を乗せたルノーGBC180輸送トラック(配備時に渡された識別用紙で名前を覚えた)が3台も出てきて、運転していた兵士がこちらへ手招きしてくる。」

「着替えたいと言ったけど、緊急時だからすぐ来いという誠に切羽詰まった状態で戻ってきた私たちは荷台に載せられた。」

「そして、着いた場所は数分まで疾駆していた沿道で、大勢の報道陣が集まっていて、上空には2機のNH90TTHカイマン、そしてサイレンを鳴らしながら救急車やパトカーも来ていた。」

「現地住民の多くは一カ所に集められている・・・・・。何が起きたのと誰もが騒ぐ。トラックから降ろされた私たちは凄まじい光景を見た。」

「えぐれた地面に、ボロボロになって投げ捨てられたような看板、近くの家の壁には飛び散った血が生々しく、何人もの住民が応急処置を受けていた・・・・。」

「その傍ら、半分呆然としたような顔で傷だらけになり、血に染まった勝負服を着たままへたり込んでいるトウカイテイオーとスペシャルウィークが。」

「マヤノトップガンは軍の関係者やマスコミに何かしら説明している。そして、現場で指揮に当たっていた警察官とキタサンブラックから恐ろしい出来事を知った。」
310: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/14(水) 21:46:21.78 ID:miNm7TOg(2/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「今から数十分前、トウカイテイオー、スペシャルウィーク、マヤノトップガン、キタサンブラックの順で走っていたところ、たまたま沿道から子供が取りこぼしたであろうサッカーボールが転がってきた。」

「それを避けようとスピードを落としたマヤノとキタサンを尻目に、前の2人はぐんぐんスピードを上げた・・・・・・が、突然前を走っていたスペシャルウィークが?きゃあっ!??と悲鳴を上げた。」

「同時に金属が当たったような音がして、次にトウカイテイオーも似たような悲鳴を上げてバランスを崩した。2人はもつれるように沿道から右側に飛び出して案内板を粉砕した。この案内板は木製だったのが幸いだった。」

「周辺住民は逃げたものの、スペシャルウィークとトウカイテイオーの2人は重なるように転がって、2〜3回ボールみたいに跳ねながら見物にきていた群衆に突っ込んだ・・・・。」

「この時、真正面からぶつかった4人の地元の高校に通う学生は宙を舞って1人は家の壁にぶつかり、1人は踏みつけられ、2人はガラス窓を突き破った。」

「更に直撃された農夫が10人、酒屋の店員が4人、将棋倒しにあった家族で父親・母親・長女・中間子が4人いた。この事故で死人はいなかったものの、重傷者22名、軽傷8名を出してしまう。」

「また、たまたま事故の状況を撮影していたカメラマンによって一部始終が見せられた。そこには苦痛に歪んだトウカイテイオーが転がってきて、学生や大人をはじき飛ばしたり踏み潰す様子がありありと映され、最後は画面が滅茶苦茶に乱れて終了。」

「また、スマホで撮影された映像には飛び散る看板の破片やはね飛ばされた学生、沿道に飛び散った靴やカバンに衣類が確認できる。」
311: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/14(水) 21:57:49.31 ID:miNm7TOg(3/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「キタサンブラックは、呆然とする私とサトノダイヤモンドに向かってこういった。」

【あ、あ、と・・・にかく変に思い込まないで。この事故で死人は出ていないし、軍部の関係者も今は核攻撃任務に邁進しろって。君たちに罪はないって。】

「サトノダイヤモンドは顔面蒼白でキタサンブラックの様子を見ている。目に輝きはなく虚ろになってる。それよりも住民達の様子は・・・・?」

「見てみると、泣いている子もいればマスコミに話している人もいる。救急車が4台来ていて、内3台はサイレンを鳴らして病院へ向かった。」

「スペシャルウィークは痛そうな顔をして足をさする。トウカイテイオーもハイライトが消えたかのような目で空を見ている。どちらも血の跡が生々しく汚れていた。」

「結局、この後は事故現場の処理にあたり、報道陣各社に答えられる範囲で取材に応じた。トウカイテイオーとスペシャルウィークは病院に搬送され、私たちが基地に帰投したのは午後10時だった。」

「それから走っていた私たちは軍の関係者に事情を話した。アドマイヤベガから有力な証言が寄せられた。事故直前、走っていて何かを踏みつけた様な違和感を覚えたという。」

「ある意味この証言が有利な展開を見せるのは後の話・・・・。さて、事故直後の兵舎は非常にどんよりとした空気で、元気はつらつなキタサンブラックやハルウララですら何も言わない。」

「フジキセキもこの状況では何も言えない。そして、明らかに慎むべき声が出てきた。」

【なぜ事故は起きんだ?トウカイテイオーがそんな事故を起こすとは思えない。】

【スペシャルウィークは沿道にいる人たちに見とれて事故を起こしたんだ。】

「あまりにも空気は淀みすぎていた。私たちもあの現場の近くにいた以上、なにか注意を促すべきだった?そんな疑問に駆られました。」
312: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/14(水) 22:21:34.94 ID:miNm7TOg(4/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「翌朝、新聞一面を飾ったのは私たちが起こした事故の記事だった。テレビをつけてもこの事故を報道するという状況。まるでウマ娘が悪いかのように偏った報道がなされていた。」

「ダンツフレームはかなり陰鬱な顔で語る。ニュース映像でトウカイテイオーが転がりながら住民に突っ込んでくる様子が繰り返し流れていたのを見ながら。」

【あり得ないよ。私たちは幼稚園でも、小学校でも、疾駆する時は人にぶつからないように注意を払うのを基本中の基本として教わってきた。それがなんであんな事故を?】

「空気を読んだ料理人によって、珍しくワンランク上の肉料理が出された。だけど胃が受け付けない・・・・。人参が堂々と出てきたけど、あまり口が進まないよ・・・。」

「次にニュースではマクロン大統領が記者会見をしている様子が映され、住民に対する謝罪がなされた。同時に、ウマ娘の沿道走行を当面の間自粛するという決定が下された。」

「そのニュースを見るや私たちの苛立ちは頂点に達そうとしていた。ジャングルポケットに至ってはざけんじゃねえと叫んでスプーンを投げつけながら退室ようとする」

「フジキセキやタナベトレーナーは真顔で行儀が悪いと咎めたので、ジャングルポケットはバツが悪そうな顔をしながらスプーンを流しへ持って行った。」

「その後、飛行訓練のために私たち・・・・トウカイテイオーとスペシャルウィークは治療中・・・・・はカラベルに乗ってドイツへ飛び立った。」

「そこで、相も変わらずプロペラ機に乗っていたけど、順番が回ってきて待望のジェット練習機に乗ることになった。人生初のジェット機はフーガ マジステール(MT-35)。」

「確かな手応えと機動性によってプロペラ機の何倍ものスピードで場周飛行をした。教官は、昨日までの嫌な出来事は忘れろ。今は核攻撃に集中しろと後ろから話しかけてくる。」

「ナリタトップロード・・・・トプロさんはダッソー ミラージュ?B(s/n:202)の操縦をした。お互い、並びながら滑走路を眼下に飛び続ける。」

「今は悪い記憶は忘れよう。そう願いながら操縦桿を握りスロットルを上げながら、トプロさんのミラージュ?Bに合わせながら飛ぶ。」
313: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/14(水) 23:05:29.09 ID:miNm7TOg(5/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、熱意冷めやらぬ内に私たちは地上に降り立つ。次はシンコウウインディにバトンタッチしつつ待機所に行く。」

「そこではスマホを通して伝えられる昨日の事故についてありありと語られていた。」

「朝方はかなり荒れていた方のジャングルポケットは妙におとなしくなってる。後ろにフジキセキがいるからだ・・・・。」

「すると、隣にいたライスシャワーやアドマイヤベガはにこやかになった。その報道内容を知って自ずと理解した。」

「それは、近隣住民がウマ娘が当分見られないと知って嘆いている様子だった。なんか寂しそうな顔に私たちは動揺する。」

「ジャングルポケットはそれを見るやこういう。」

【なあなあなあ、これって俺たちが元の疾駆が出来る可能性があるってことじゃないか?これで本来の姿になれるかもしれないぞ!】

「すると、悪のりと言わんばかりに真上をプロペラ機が飛ぶ。」

【あのヤロー!降りてきたら痛い目にあわせてやる!】

「ジャングルポケットは例によって拳を突き上げたけどアドマイヤベガやアグネスタキオンが制した。あれは苛立っているからだと、この事実を知らないからだと。」
314: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/15(木) 23:06:16.23 ID:fSE1QiU6(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「私たちは夕方までに、もう1度ジェット練習機で訓練を受けることが出来た。TS-11イスクラ(1214)で、急降下並びに宙返りを実施。教官に言われるがままに機動訓練を進めた。」

「そして、私たちは一通りの訓練を終えた。後ろでは朝とは真逆にジャングルポケットは嬉しそうな顔をしている。どうにか待望のジェット練習機であるミラージュ?B(s/n:250)に乗ってワイワイ空を飛び回った。」

【フジさああん!どうだった!?変な動きになってなかった!?】

「やたら子供になったかのように笑顔全開という姿。朝の殺伐とした状態から180度一変した顔つきに、誰もが目を疑う。」

「すると、シュレースヴィヒ航空基地の責任者とこちら側の責任者が並んだ。何か話すらしい。」

「・・・・その内容とは、シュレースヴィヒにおいて近日にポーランドとドイツ、アメリカによる合同軍事演習が行われるために、訓練拠点をサン=ディジエ=ロバンソン第113空軍基地に移すとの発表だった。」

「誰もが平穏な顔をする。当たり前・・・・・朝起きてご飯を食べて、旅客機でドイツまで行って練習して帰ってくるサイクルは苛烈すぎてトレセンの夏合宿より狂気じみていたからそれはね・・・・。」

「マルゼンスキーは目を椎茸にして、ライスシャワーはバンザーイして、テイエムオペラオーはポキポキと肩の骨をならす。」

「なんやかんやで私たちが乗り込む時には、先発隊であるユーロファイター タイフーンやトーネードIDSが次々と着陸してきた。待っている機体は空で旋回している。」

「フジさんは、笑顔であれやこれやと話しかけている。なんか微笑ましいな・・・・。それよりも同じサトノ家の将来を担うサトノダイヤモンドは明後日の方向を見ている。例の事故についての今後の処遇かな?」

「まあ、次の日からロバンソンで訓練が出来るから気は治まるかな・・・・。」
315: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/15(木) 23:44:15.25 ID:fSE1QiU6(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

{ロバンソンの空へ}

「4月14日、第113もといロバンソンで訓練する流れになった。とはいえ、国内ではオリンピックを控えていながら核攻撃の演習をするという暴挙をしていて黙ってるとは思えない・・・。」

「朝方、制服に着替えていそいそと食堂にいくと、備え付けの4Kテレビに元気になったスペシャルウィークとトウカイテイオーの2人が食い入るように見ていた。」

「それは、一昨日の事故の真相を検証するというものだった。現場で拾い上げられた金属片が怪しいらしい。ここで画面にはアドマイヤベガの証言が再生される。」

「何か固いものを踏んだような・・・・その言葉にテロップまでつけて強調している。それから導き出された結論はこうだった。」

【12日の午後、あの道を丁度近くの運送会社が持っていたトラックが2台通過。内1台から部品が外れて地面に落ちた。それから走ってきたアドマイヤベガが偶然にも踏んでしまい微妙に動いた。】
【が、往復して戻ってきたスペシャルウィークが踏みつけてしまいバランスを崩して路肩に。更に転がった部品を踏んだトウカイテイオーも巻き添えになって沿道にいる見物人に転がっていった・・・・。】
【現地で回収した金属片を調べた結果、ルノー AEマグナム430という大型トラクターのトレーラーの部分から外れたもので、ねじが緩んでいたのが走る振動で徐々に外れてきたのが致命的だったそうで・・・・。】

「これが何を意味するのか?もしかして事故原因は車の部品、すなわちウマ娘に罪はない、すなわち私たちは再度公道を疾走できる権利が戻ってくる!」

「気がつけば、いつのまにか入ってきてたトプロさんやダンツフレーム、ツルマルツヨシも喜びの顔をしていた。」

「いつものように小さい人参を食べつつ、トイレに行くとトレセン学園の一コマと言いたげに雑談をしているフジキセキにメジロパーマーにハルウララの姿が。どうやら例のニュースのことらしい。」

「それから出す物を出してから飛行訓練の待機所にいくと、そこに1つの区切りと言いたげな新型機らしきものが登場した。」
316: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/16(金) 00:09:47.49 ID:bjbgKRrj(1)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「明らかに今までと違う機体が2機あった。練習機っぽいけどめちゃくちゃ速そう。基地の責任者がこの機体について堂々と解説した。」

「SEPECATジャギュアE練習機のE3とE10号機。本格的に核攻撃に使われるジャギュアAを元にした練習機型で、本格的に核攻撃訓練に移行するという物。」

「また、現在終末軍の一団として出撃する機体としてはミラージュ?、ジャギュアA、シュペルエタンダール、ミラージュF1が挙げられました。」

「とはいえ、大きく動いたことは確かで誰も彼もが士気を高めました。」

「そして、基地の統制官は次のように話しました。」

【昨今の事故が、いよいよウマ娘に罪はなかったことが証明されつつある。しかし、いざ疾駆しようにも完全な許可が下りていない。この間、君たちは郊外の人気がない草原を走り抜く方針になった。】

「これには誰もが歓喜に包まれた。思わず私もガッツポーズをしちゃう・・・・。当たり前、草原とはいえまた疾駆できるのだから、馬の本性が吼えるのを直で感じた。」
317: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/16(金) 22:31:07.32 ID:9TiZscgj(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「最初は周りから見るだけという流れで、私たちは練習機型ジャギュアEをくまなく見回した。滑らかな形に尖った機首、ほっそりとした胴体、鋭利な翼、割と太いタイヤ、マジステールみたいな独特な形の尾翼という姿は当時の最先端を思わせる。」

「今日はそれを眺めつつ、一同ドイツから派遣されたMiG-15UTIやTS-11に乗って訓練を開始した。」

「今回はミラージュ?B(s/n:202)に乗れた。ダンツフレームはs/n:216、コパノリッキーはs/n:214、ホッコータルマエはs/n:245、ワンダーアキュートがs/n:249、ペリースチームはs/n:250に乗り込んだ。」

「滑走路に並ぶや否や、エンジン出力を最大にしてアフターバーナーを点火。一斉に飛び上がる。後ろの教官にあれこれ指示をもらいながら水平飛行、背面飛行、急上昇をする。」

「眼下に臨むのは長閑な田舎や道路が血管のように目立つ。空はからりと晴れて蒼い。しばらく雨が降るような感じはしない。」

「ここで後ろの教官から機銃を撃てと言われる。もちろん実弾じゃなくて訓練弾を放つ。トリガーをちょっと握るとダララララと弾が出た。」

「残弾を確認する。もちろん実戦では核爆弾の投下しかしないので、機銃を撃つという意味はない。ただロバンソンの指揮官曰くプリキュアに出撃した後も小規模の粉争にも出る可能性があるかららしい。」

「やがて、私たちは編隊を維持しながら1機ずつ基地上空を旋回して着陸していった。」
318: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/16(金) 22:54:04.98 ID:9TiZscgj(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、午後の飛行に備えて支給された糧食を食べていたときだった・・・・ちなみにこの時代では人参をどうやっても巨大化させることは困難らしいです。」

「ジャングルポケットが、ダンツフレームが、ナリタトップロードが西の空を見て驚いた顔をする。私もそっちを見た。」

「その瞬間、おびただしい数のジャギュアが飛んできた。よく見ると塗装が違っていて異質だった。脇にいたデアリングハートはこう言った。」

【もしかして増援かな?だとしたら練習機足りない問題は解消だね!】

「程なくして、私たちの目の前にある滑走路へ次々とジャギュアが滑り込んできた。灰色、黒色、カラフル・・・・実にバリエーション豊かな色だけどフランスのマークはない。」

「実は、フランスで稼働させられるジャギュアEが2機しかなかったため、イギリスの粋な計らいにより同型のジャギュアT.2がフェリーされたようです。」

「その数は実に凄かった・・・・。デアリングタクトも思わず目が点になる。その機数は次の通り。」

SEPECATジャギュアT.2:ZB615、XX837、XX832
SEPECATジャギュアT.2A:s/n:XX141、XX145、XX829、XX832、XX833
SEPECATジャギュアT.4:XX146、XX835、XX838、XX840、XX841、XX847
319: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/17(土) 19:44:45.57 ID:hzO9YzFW(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「結果、ジャギュアの練習機型は合わせて16機になったものの、すぐ乗れるわけではありません。」

「その後はイスクラにのって夕方まで飛び続けました。ナリタトップロードはぐるぐる旋回したり宙返りをしている内に危うく管制塔に当たりそうになって教官を怖がらせました。」

「4月14日の夕方、私たちは練習機を格納庫にしまってから司令室に集結しました。」

「軍部の指示により、6月1日にどの機体に乗るかを選定することになりました。160センチ以上ある私たちにはジャギュアA、ミラージュF1、シュペルエタンダール、そしてミラージュF1が足りない分を補うためにミラージュ2000が追加されました。」

「そして、160センチ未満・・・・・159センチから下はミラージュ?Aがあてがわれます。これ1機種しかないので誰がペアになるかが話題になる。」

「ジャングルポケットは例によって指揮官に懇願している。フジさんを隣にしてと・・・・無論指揮官はこちら側で判断するの一点張りだった。」

「そんなこんなで1日は終わった。ナリタトップロードは管制官に今日の飛び方は申し訳ないとわびていた。」
320: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/17(土) 21:40:14.94 ID:hzO9YzFW(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「4月15日、スカイプと呼ばれる通信システムを通して他の方面軍の兵士と会話が出来た。というか滅茶苦茶興味本位で私たちへの質問の嵐が。」

「最初に交流したのは音ノ木坂学院の面々だった。いずれ、この基地で合同演習する予定らしい。聞かれたのは耳の構造とか尻尾の感覚とか、日中はなにをしていますかとか。」

「高坂さん・・・・アメリカでB-52の機長になってるけど、あちらではプリキュアが終わると決まった時・・・・終末論がブームと化しているという。」

「次にやりとりしたのは765プロの同志達で、同じくアメリカでアードバークで爆撃訓練をしていると聞いた。それから基地での苦労を延々話しつつ、どうにか3016年の出来事を言わずに1日を終わった。」

「この日は、MiG-15UTIに乗り続けて一日を終えた。キタサンブラックは着陸するスピードが速すぎて滑走路をオーバーランして障壁を壊した。機体は元々頑丈だったのか皺がよっただけで炎上しなかった。」

「ジャギュアへの転換は20日からという告知がなされた。みんなキタサンの事故のことを忘れてワイワイ盛り上がった。」

「4月17日、その日のニュースで、事故調査委員会は12日に起きた事故はウマ娘に過失は一切無く、直前に走行していたトレーラーから落ちた部品が招いたものと結論づける内容だった。」

「これがきっかけでどこか薄暗かった隊内は一気に明るい方へ転じた。この日をどれだけ待っていたか・・・・。」

「ナリタトップロードはガッツポーズをして、ジャングルポケットは拳を突き上げ、ペリースチームやダンツフレームにシュヴァルグランは歓喜の声を上げた。」

「気がついたら、私たちは運動時の体力を発揮しすぎて周りの装飾具を壊していた・・・・。」
321: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/19(月) 23:32:38.70 ID:ldlbXvSt(1/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「4月19日、私たちは終末軍として出撃する時にどの機体に乗るかを発表するセレモニーが開催された。」

「まずは戦闘機・攻撃機組だった。主にジャギュアを核攻撃に使うけれど護衛にはミラージュF1やミラージュ2000が伴う。」

「というわけで、セレモニーの会場であるエヴルー=フォヴィル第105空軍基地に私たちは招待された。」

「目の前には西暦3016年の人からすれば古代兵器レベルのプロジェクター装置が置かれて、目の前のスクリーンに身を預けることになる機体の映像が流れるようになっている。」

「まずは、カツラギエースからだった。一体何に乗るのかな・・・・?」

【ジャギュアA!!】

[カツラギエース:イエエエエエエエイ!]

「そこに映し出されたのはジャギュアAだった。カツラギエースはガッツポーズをしながら小躍りしている。さて次はシリウスシンボリ。」

【ミラージュF1C-200!】

{シリウスシンボリ:わあああああい!}

「ドヤ顔で喜んだ。護衛任務で爆撃機のそばを飛ぶこともある。まあ最近スカイプで知った黄前久美子×田中あすかの駆るFー14A的な位置づけかな?次はメジロラモーヌ。」

【シュペルエタンダール!】

{メジロラモーヌ:如何にも!}

「更にメジロアルダン。」

【ジャギュアA!!】

{メジロアルダン:やったあああ!}

「そんなこんなで私の番が回ってきた。ジャギュア?ミラージュ?なんだろう・・・・・。」

【ミラージュ2000C!】

「ええええええ!?核爆撃かと身構えていたらまさかの護衛任務。まあ抽選みたいなものよね・・・・・。」

「ただ、ミラージュ2000Cはフランスの戦闘機の中では一番の高性能機なので良い気分になってきた。」
322: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/19(月) 23:51:48.13 ID:ldlbXvSt(2/2)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「なんだかんだで爆撃機・・・・・といってもミラージュ?Aとミラージュ?Pしかない。後者は偵察機型なんだけれど、なにやらマクロンやオランドが裏でコソコソやってる。」

「2種類しかないから、基本的にミラージュ?Aから始まって誰と誰でペアになるかが発表される。」

【ミラージュ?A、サクラチヨノオーとヤエノムテキ!】

{サクラチヨノオー:ええええええ!?}
{ヤエノムテキ:今日から爆撃まで一心同体だよ!}

【ミラージュ?P、バンブーメモリーとヤマニンゼファー!】

{バンブーメモリー:偵察!?}
{ヤマニンゼファー:何か裏がありそう!}

「選定はとんとん拍子で進んだ後、あの子が誰と組むかが発表された。」

【ミラージュ?A、ジャングルポケットとシンコウウインディ!】

{ジャングルポケット:よっしゃあああってフジさんじゃない・・・・。}
{シンコウウインディ:当たり前だよ。身長160センチ未満は爆撃機乗り。フジさんは160超えで戦闘機しか向いていないのさ!}

「なんやかんやで1日練習機に乗らずにセレモニーは終了。ジャングルポケットは抜け殻同然になって、アグネスタキオンにちょっかい出されても虚ろだった・・・・。」
323: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 00:08:20.61 ID:y1K/FVL+(1/4)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「4月20日、あまりの展開に抗議する気力もなくなる・・・・・そんな状況でした。」

「案の定というか、既にジャギュアA攻撃機は昨日選ばれたウマ娘しか乗れず、私の乗るはずのミラージュ2000とかは姿を見せません。」

「他にもミラージュF1に選ばれたシリウスシンボリも、ただただ指をくわえて乗ることのないジャギュアを観ていました。」

「ジャギュアの心臓であるアドーアエンジンはまるで谷風のように悲鳴のような音を上げて動きました。これまで乗ったマジステールやMiG-15UTIとは比べものにならないほど大きな音です。」

「カツラギエースは神妙な顔つきで説明を聞いている。もはや、ウマ娘として競技スタイルを学ぶように作られた脳味噌は古代兵器を操るために動いています。」

「そして、ジャギュアEの後ろに乗ったカツラギエースは緊張気味で初飛行に臨んだ。速い速い、まるで新時代の扉を開けるが如く飛んでいく。」

「急な宙返りやバレルロールまでやってのける。まあ翼になにもつけていないから軽々と飛べるのは自然的かな?」

「当然、私たちミラージュ戦闘機組は見学者扱いにされている。何ら指示もなく曇り空を見上げながらジャギュアの姿を見る。」

「あれ?隣に座っていたコパノリッキーがいない。ふと周りを見てもいない。いきなり消えた?」

「探している内に、カツラギエースはジャギュアの初フライトから戻ってきた。なんか歩き方がぎこちなくて目が虚ろ。おまけに日本語とも英語とも聞こえるような訳の分からない言語のようなもので喋ってる。」

「どうやら酔ったらしい。そういえばまっすぐ飛んだ時、ものすごく速く見えたなあ・・・・。」

「いつの間にか空は雲が淀んで雨が降りそうになる。遠くの雲の色が凄い。さあ早くコパノリッキーを見つけないと・・・・。」
324: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 00:35:28.21 ID:y1K/FVL+(2/4)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「私は訓練教官に事情を話して、コパノリッキーを探すことにした。私が基地の滑走路・・・・ちょうどトランザールC-160が着陸して移動していった・・・・を横切ると、木々に誰かの人影が。」

「私はいつものように脱兎で移動すると、そこには口では説明しにくい光景が!この時、後ろではジャギュアの2回目の体験飛行をやってます。」

「後ろ姿で誰か分かった。コパノリッキーだ。私は思わずどうしたのと声を掛けようとした・・・・なんでお尻を振ってるの!?」

「声に出そうとしたらすぐに振り向いて口を押さえられた。な、なんで・・・・?」

「すると、コパノリッキーの足下の土が濡れている。もしかしてこれって・・・・。本人はこう言い出した。」

【コパノリッキー:い、いやぁ〜さっきジャギュアの説明みていた時に朝に飲んだぶどうジュースのせいでトイレに行きたくて・・・・でも、あそこから兵舎まで距離あるし、それ思ったらだんだん漏らしそうになってきたから、ちょっとこっそり離れてここまで来てどうにか距離も保てるし・・・・。】

「それで・・・・?」

【コパノリッキー:だから、その・・・・アレだよ。思いっきりここでオシッコしたんだよ。やっぱ立ったままするのはものすんごく気持ちよくて!ただ紙持ってなくて、おまん・・・・アレが濡れたからハンカチ使うのもアレで、パンツ汚れるから、だから風で自然乾燥しようと思って・・・・。】

「コパノリッキーは、トイレの時は拭く派。基本的に馬の特性を受け継いでいるから立ったまますることに躊躇はない。そして拭くことも基本しないけど、濡れて気持ち悪いと感じたら拭くほうに回りやすい。」

「ここに男の子がいなくて良かったよ・・・・。私は持っていたちり紙で、コパノリッキーのアソコを拭いた。私たちウマ娘の間では見慣れた光景。それからポケットから白黒のチェック柄のパンツを出して穿くのを確認した。」
325: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 00:40:38.80 ID:y1K/FVL+(3/4)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「まあ、私たちにしてみれば日常的な光景であるし、特に取り乱したりすることもない。コパノリッキーは感謝してきて・・・・。」

【コパノリッキー:いやぁ〜サトノちゃん来てくれて良かったよ!でなきゃ乾ききらないのを承知でこの勝負パンツを汚くしそうになってたよラッキー!!】

「それ、勝負する奴なんだ・・・・。ちょうど大体場所を外したのは6分ほど。ちょうどジャギュアが2回目の体験飛行から戻ってきた。降りてきたのはダンツフレーム。案の定目を回して倒れそうになっていた。」

「ダンツフレームは目をぐるぐる回しながら座椅子に座らされた。後ろでジャングルポケットが背中をさする。マンハッタンカフェも呆然と観ていた。」

「私やメジロアルダン、メジロラモーヌ、シュヴァルグランで取り囲んでジャギュアの乗り心地について伺った。」

【ダンツフレーム:なんか・・・・途中から景色がぐるぐる回りすぎて、これってジャギュアの最高の状態なのかなって感じていたら、もう目がぐるぐるで辛いよおおおおって、もう座席にずっと押しつけられて大変だった・・・・。】

【コパノリッキー:ダンツー!聞いて聞いて、さっきそこで乗ってる様子みてたらジュースのせいでオシッ・・・】

「この子ったらさすがにみんなの前で・・・・慌てて口を押さえて言わせないようにした。さすがに男性教官や管制塔の勤務者もいる以上押さえ込んだ。」

「その後、空は真っ黒になり雨が降りしきり、リスクを恐れてか飛行は取りやめになった。」
326: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 01:04:17.24 ID:y1K/FVL+(4/4)調 AAS
{郊外で死にかけた(真顔)}

サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「4月27日、私たちはミラージュ戦闘機が未だに現れない1日をジャギュアの飛行訓練を観るかTS-11イスクラで飛ぶかで過ごして、疾駆することになった。」

「兵舎に戻ると勝負服に着替えた。やっぱり疾駆する時はこうでなくちゃ!一応、マクロンは公道は厳しいが野原やら草原やらを疾駆することは認めると表明したため、そこを突っ切ることにした。」

「ただ、これにはトレセン学園の人たちがフランス政府に対して抗議した。私たちの時代では指定された競技場や専用レーン以外で疾走するのは危険と言われていた。基本、整備された場所で本領発揮しなさいと教え込まれてきた。」

「ところが、フランス政府は再度事故が起きれば競馬場すら移動できなくなるぞと釘を刺したためトレセン学園の人たちは渋々了承した。」

「私含めて13名のウマ娘が野原を突っ切ることになった。この顔ぶれはとても興味深い。」

[サトノクラウン サトノダイヤモンド サクラバクシンオー ライスシャワー アドマイヤベガ アグネスタキオン マヤノトップガン キタサンブラック マンハッタンカフェ マチカネフクキタル サイレンススズカ グラスワンダー ダンツフレーム]

「17時00分、私たちは一斉に指定された野原に向かって動き出した。まさかこの動きがあんな顛末になるなんて・・・・。」
327: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 22:25:12.65 ID:YwSz4uuE(1/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「さて、本来ならジャージで動きたいですが疾駆が解禁されたので全員が勝負服で行くことになりました。誰もが笑顔でこの前の鬱憤を晴らすべく躍起でした。」

【キタサンブラック:いくぞおおお!】
【サトノダイヤモンド:ああー待ってよおお!】
【マンハッタンカフェ:お友達はなんであんなに嫌がったんだろう・・・・・。】
【アドマイヤベガ:妹に見せたかった・・・・。】

「とりあえずフランス政府が支給した地図を元に疾駆する場所を決めた。ただ、ハルウララのことが気がかりだった。なぜか、いの一番にいくはずのハルウララが何か嫌な予感がするとか言って引き下がったから。」

「夕日に照らされて人の気配がない野原を疾駆するという、人間なら吐き気を催すほど嫌な状態を私たちは乗り切る。人間は私たちと違って限界が早く来てしまうから。私たちは野生の馬の精神がそこそこ残ってるから耐えられる。」

「支給された地図は如何にも多くの人に渡ってきたであろう使用感が強いやつで、所々にフランス語での書き込みが。」

「・・・・・思えばね、確かに西暦3016年でひたすら専用レーンと競馬場以外で疾駆しないようにと教え込まれてきた私たち。本来なら反則切符を切られる光景。」

「けど、フランス政府の決断の前に同行してきたトレセン学園の関係者は泣く泣く承認した。まあ、あの事故で誰もが憂鬱でご飯も美味しかったのに喉を通らなかった。それだけ疾駆しないのは辛いことでした。」

「足下の感触が心地よい。サクッサクッと蹄鉄入りブーツが地面に当たる。宝塚記念や有馬記念の現場と同じように安定感はそこそこある。そして4月末の風が私たちの頬を撫でた。」

「そして、私たちは勝負服の格好で使用感大の地図で疾駆したことを深く後悔する羽目になる・・・・。」
328: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 22:41:25.17 ID:YwSz4uuE(2/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「動き出してから10分経過、森を抜けて草原を越えて、遠くまで続く平原を見据えながら、私たちウマ娘は止まらない。」

「少し緩い下り坂・・・・というより草地だったのが緩く下りだしたような感じで、市街地とは違う。辺りには私たち以外誰もいない。小鳥のさえずりもしないし風で辺りがザワザワするだけ。」

「最初に気づいたのは、キタサンブラックとサトノダイヤモンドの仲良しコンビだった。」

【キタサンブラック:お・・・おおい・・・なんか足元がビチャビチャしてこないか!?】

【サトノダイヤモンド:なんかちょっと足場が悪いよ!】

「言われてみると、なんか水たまりの中に突っ込んだ気分になる。妙に足下が冷たい。気づいた。水はけが悪くなってる!」

【アドマイヤベガ:み・・・・みんな、こんなのすぐ抜けられるよ!】

「アヤベさんがそういうので、気持ちよくないと思いながらもペースは落とさなかった。ちなみに今のスピードは50km前後です。」

【アグネスタキオン:なあみんな、一度止まって向きを変えないか?】

「もっともらしい提案だけど、ダンツフレームはあっけなく拒否した。」

【ダンツフレーム:あたし達触られたくないんだけど?もしかして前に行くのが怖いの?】

「タキオンが言うと説得力はあまりない。研究だとか言って私の足や胴体を触られた時は口では言い表せないほど気分が悪くなったから・・・・。」

【アグネスタキオン:そうじゃないよ。ただこのままだと嫌な予感がしてさ!!】

【サイレンススズカ:無視していいよ。なんか引きこもりリケジョウマ娘の発言に説得力はないから。】

「ちょっと言い過ぎだと思う。まあ、この時代に来てからも兵舎の空き部屋を独占してウマ娘の研究なんてしてるらしいし。アレはね・・・・・。」

「周りを見ると草が一段と伸びている。靴になにかが付いたのか、ちょっと重い。」
329: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 22:54:56.70 ID:YwSz4uuE(3/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「あれから3分、カップ麺が出来そうな頃合いになってますます嫌な予感がしてきた。」

【サクラバクシンオー:な、なんですかこれ?靴が沈んじゃう!】

【マンハッタンカフェ:み、みんな止まらないで!ここを抜けるよ!】

【マヤノトップガン:なんかこれ水はけが悪すぎて足が沈んでる!?】

「こんな状態で、どうするかなんてトレセンでは習ってない。もうがむしゃらに進むしかない・・・・!」

「そう思った瞬間、前にいたグラスワンダーが悲鳴を上げた。突然周りに生えていた草木が消えて目の前が開けた。」

【グラスワンダー:ぎゃあああ!ストップストップ!止まれ止まれえええ!】

【マチカネフクキタル:なんだこれ川じゃん!】

【キタサンブラック:違うそうじゃない!!ここは!】

「結果は火を見るよりも明らかだった。目の前は川じゃなくて泥沼だった。そこに13人はまとめて突っ込んだ。」

ズボッ! ベチャッ! グシャ! ボチャン!

「この時の状況をSEで表すとこんな感じ。ともあれ、全員泥沼にずぶずぶと沈みそうになってるわけだ・・・・。」
330: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/20(火) 23:39:51.03 ID:YwSz4uuE(4/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「すっかり夕日は沈みつつある。私たちも泥沼に腰から下まで浸かり始めた。私は何が起きたか理解が追いつかなかった。」

【マンハッタンカフェ:どどどどどどうするの、なんか足の感覚がなくなりそうです!】

【アグネスタキオン:あはははは・・・・・これは教科書にすら載ってない状況だね。】

【サトノダイヤモンド:あわわわキタちゃん助けてええええ!なんか動けないよおおお!】

【キタサンブラック:ダイヤちゃん待ってて!こんなのあたし1人でええええ!動けえええ!】

「キタサンはとにかくダイヤのことを助けようとじたばたしている。けどあまり動けない様子。あれ?ダンツは?」

「すぐ隣にいて顔を真っ青にしている。腰から下は完全に泥だらけで顔にまで跳ねている!」

【ダンツフレーム:あ、隣だったんだ。なんかさ、さっきから前に進めなくて・・・・後ろにいこうとするとずぶずぶ沈んじゃう。】

「私も抜け出そうと必死になる。けど、履いている靴の片方がなにかにひっかかってるし、もう片方も底の泥で滑って空回りしちゃう・・・・。」

【アドマイヤベガ:あ、もしかしてクラウンさんも同じですか?なんか私も泥にはまって動けません・・・・。なんか餅みたいになってます。】

【サクラバクシンオー:あたしは諦めてないよ!前にいけないのならバックで抜け出すわ!】

「私は体力をなくすのを恐れて力むのを止めた。ダイヤもキタちゃんもすっかりバテてしまったらしく何も言わない。気がつけばもう夜になってる。辺りは明かりなんてないから見えなくなってきた。」

「なによりも・・・・疾駆して落とすのを嫌ったから誰もスマホ持ってきてない。つまり完全にここは隔絶されている!」
331: 2024/08/20(火) 23:57:46.95 ID:YwSz4uuE(5/5)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「あれから20分経過。もう誰もが動くのをやめているけど、サクラバクシンオーさんだけは後ろに逃げようと力んでいる。」

【サクラバクシンオー:くっ・・・・もうこれ以上引く力なんて出ないわ・・・・。どこかに板か棒はありませんか!?】

【ダンツフレーム:あったらとっくに抜け出してるよ。もう勝負服ドロドロだよ・・・・。】

【マンハッタンカフェ:みんな心配して探していると思う。それまで起きて。】

【サトノダイヤモンド:ど・・・・どうしよう。これって底なし沼じゃないよね?】

【キタサンブラック:ごめん、もうこれ以上力めない。腰から下が動かないよ・・・・。あ、また靴が滑った。】

【マチカネフクキタル:まずい・・・・泥のせいで力めないし気力が抜ける・・・・。】

【サイレンススズカ:みんな・・・・いったん動くのを止めて体力を回復させましょう。】

「誰もが動きを止めた。ライスシャワーだけはその辺に転がっていたと思われる木の棒を刺している。手応えがなくて愕然としている。」

「私は思わず言いようのない恐怖に駆られた。果たしてここにいる私たちを見つけてくれる人はいるのかな?明らかに家1軒ない場所だから。」

【アグネスタキオン:さて、ここで動きが止まってるわけだが、なんか感じないか?ここに浸かっていて。】

「明らかに冷たい。もう初夏が近づいているのに、泥沼は冷たさを残していた。水はけの悪い泥は私たちを封じている。」
332: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 19:41:06.20 ID:tvhSoUya(1/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「ここに突っ込んでから、もう1時間過ぎたと思う。さすがに周りに鳥のさえずりも獣の鳴き声もしない、ひたすら無と言いたげな状態が続く。」

「明かりがないから、お互いの顔も分からない。空には星が見えてぼんやりと輝く。こんな状態だからこそ、正常でありたいのだけど・・・・・。」

【アグネスタキオン:だから言ったじゃあないか。いったん立ち止まって様子を見るべきだと。3016年の時代でひたすら教え込まれた授業内容そのものじゃないか!】

「案の定、最初に言い聞かせていたタキオンが言論的に前に出た。マッドサイエンティストと言われているけど、実はIQが高い方。私たちの世代なら有能になり得たと言われているだけはある。」

【ダンツフレーム:は?一時期レースから訳の分からない理由で去って世間を騒がせた貴女の指示なんて誰も聞けないわ!】

【ライスシャワー:よしてよして、今は争ってる場合じゃないって!】

「はっきり言って、こういう詰んだ状況になると私たち世代とタキオン達の世代の差がくっきりと見て取れる。」
333: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 19:47:04.24 ID:tvhSoUya(2/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「メタ的に語れば、1ndシーズンとBNWの誓いと2ndシーズンから登場したウマ娘と、RTTT、3ndシーズン、新時代の扉から登場したウマ娘とでは格差がある。」

「前者は勉強だ精神論だ悪い意味で無茶すれば何でも事が通るという老害勉学バカ世代、後者はバカであれ平等であれ面白く楽しく軽やかにナイスな意味で無茶すると何でも事が通るという平等的ユーモラス世代。」

「私とダンツフレーム以外、みんな勉学バカ世代だからなにかと文句があれば堂々と言うし容赦しない。でもね、勉強しまくってガリ勉だと言われながら大人になった人たちがどうなったか分かる?」

「若者の世代から、時代錯誤だ老害だ人付き合い皆無だ荒ぶるだで敬遠されて孤立していった。そんな有名人を教科書や広辞苑で知ったのよ私たちは。バカでも筋が通れば世の中は回るって。」

【キタサンブラック:大体、あの時のタキオンの疑問を聞かないで黙殺するダンツが悪い!サイレンススズカ、あんたも私たち世代なのに、なんでダンツの方についた!?】

「案の定空気はピリピリして段々どす黒いものを感じている。サイレンススズカも言われてみればダンツを批判するべきだったのではと疑問が。」

【サイレンススズカ:仕方がないでしょう?今まで40回以上、タキオンは私の体を観てオヤジくさく触り初めて腹の底から気持ち悪かったんだからね!あっち側のポッケの気持ちがよく分かるわ!】

【アグネスタキオン:同姓だから問題ないのさ。別にセクハラというみだらな考えはない!まあアポ無しだったのは悪かったが。ここから出られたら今まで触りまくったのは謝るよ・・・。】

【キタサンブラック:くそう!ここから動けたら同じ派閥でも許さない!タキオンをたわし代わりに引きずり回してやりたい!!】

【サトノダイヤモンド:キタちゃん!誰も臨まないよ!それをやって懲罰房に入れられるのが辛いよ!】

「私たちの通うトレセン学園を筆頭に、ウマ娘が何らかの原因で犯罪を起こした場合軽度であれば懲罰房、重度であれば刑務所に送られる決まりがある。」

「ある意味女房的なダイヤにそう言われたのが堪えたか、キタちゃんはしょんぼりしていった。」
334: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 20:06:43.34 ID:tvhSoUya(3/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そんな喧嘩やら争いやらがあったけど、事態が事態だけに段々静かになった。もう1時間40分過ぎた気がする。なんか、少しだけ気力が戻ったような。」

「40分更に過ぎると目が闇になれてくる。辺りはどんな状況かがつぶさに分かる。身じろぎしている。気づいた。なんか寒くなってきた!」

【マヤノトップガン:な・・・・なんか冷たくなってきた。】

【グラスワンダー:そんなこと口に出さないでください!余計に寒くなっちゃうわよ!】

【ダンツフレーム:み、みんな・・・・もうそろそろあっちも捜索していると思うよ!だって軍組織だもん!これだけ帰ってこないから大規模な捜索をしてるはずだよ!】

「そんな3人を尻目に、私は私で左足を調べた。もうお腹がすいてしょうがない。泥沼まで顔との距離が小さい。私は顔がつかないように手探りで左足のあたりを探った。」

「夜の闇でどうせ澄んでいても見えない。手探りであれこれしていく内になにか堅いものが当たった気がする。触ってみるとなんかごつごつしていて、そこに私の左足が挟まってるらしい。」

「岩じゃない、廃材でもない、なんかこう・・・木みたいな?そして、靴の辺りをつかんでウンウン言いながら引っ張る。」

「もちろん、右足は底がぬかるんでてちゃんと踏ん張れない。だから両手に全力をぶつけるしかない!」

ズボッ

「そんな音がしたわけじゃないけど、締め付けられていた左足が動くようになった。これは嬉しい。だけど・・・・」

ズブズブズブズブ

「また、底に沈んだ。あり得ない・・・・。靴ごとバタバタするけど後ろに進めない・・・。」

【アドマイヤベガ:だ、大丈夫?目に入ってない?】

「慣れた目ならその顔が分かる。もうげっそりしていた。」
335: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 20:34:13.71 ID:tvhSoUya(4/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「泥沼に突っ込んでから2時間過ぎた。いよいよお腹がすいてきたことが問題になる。」

【サクラバクシンオー:ご、ごめん・・・・お腹が空きすぎて動けない・・・・。】

【マンハッタンカフェ:そ、そうですか?なんか寒くて寝ちゃいそうです。】

【グラスワンダー:ご飯食べたい・・・・。】

【サトノダイヤモンド:ちょ、ちょっとキタちゃん?なにしてるの!?】

【キタサンブラック:分かるでしょ?ダイヤちゃんの周りの泥を取ってるんだよ!少しは動けるかもしれない!】

【ダンツフレーム:あーごめんごめん。それやってもサトノちゃんみたいにズブズブ埋まるよ?なんかへその上あたりまで沈んでるし!】

【マヤノトップガン:うおおおお!動いてええええ!もうやだ!お腹空いた!寒い!】

「誰もが頭に浮かんだことを叫んだ。タキオンは茫然自失になっている。アヤベさんはあらぬ方向を観ている。」
336: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 20:45:42.45 ID:tvhSoUya(5/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「2時間30分経とうとしている。こうなったらそこら中の泥を食べてその場しのぎするしか・・・・・。周りを見ると、とても口じゃ言い表せない事をあれこれ言ってる仲間達がいた。」

【アグネスタキオン:これは地獄で天国はない果たして誰が助かるか誰も助からずにあの世へ逝くか?】
【アドマイヤベガ:わたあめ・・・・わたあめ・・・・・マシュマロ・・・・・マシュマロ・・・・・。】
【サクラバクシンオー:もうダメお腹痛くなってきて・・・・。】
【ダンツフレーム:あああっ。漏れる!漏れる!】
【マンハッタンカフェ:お友達はこれを予想して逃げたのね・・・・。】
【サイレンススズカ:こうなったらもう脱ごう!脱いで動きやすくなる!勝負服なんて着ていても負けている今は。】
【グラスワンダー:お腹痛いよ・・・・出そうだよ・・・・。】
【マヤノトップガン:やばいやばい!もう臍まで来てるって!】
【サトノダイヤモンド:キタちゃん・・・・ごめん。なんか汚い話しちゃって。】
【キタサンブラック:いいんだよダイヤちゃん。私も漏らしてるから・・・・。】
【マチカネフクキタル:捜索隊、今頃逆方向に行ってたりして。】
【ライスシャワー:もうフランスの土になる時が、ってその前に汚泥になるのね・・・・。】

「こうなったら全裸になってでも抜け出すか?失敗して風邪引いてダンツフレームを悲しませるか・・・・そう思った時、突然頭の上にジェットエンジンの音が聞こえてきた!」
337: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/21(水) 21:11:37.45 ID:tvhSoUya(6/6)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「これミラージュの音!?それにしては大きすぎる!!まだ見ていない2000C!?」

「その飛行機は赤や黄色の警告灯をつけて輝きながら旋回を始めた。驚いた、それは大型機だった。」

【サトノダイヤモンド:やったねキタちゃん!これで助かるよ!】

【マンハッタンカフェ:フランスの飛行機じゃない・・・・!】

「その飛行機は旋回をしてから、突然何もない場所に何かを落とした。直後、ものすごい轟音と共に火柱が上がる。」

【ライスシャワー:ひいいい!?】

【アグネスタキオン:なにをしているんだ!?私たちを死なせる気か!?】

【マチカネフクキタル:こいつら違う!やばいよおおお!】

「私たちが沈みそうな泥沼からそれほど離れていない開けた場所に、爆弾を落としていった。しかも燃えている、暖かくなったけど!」

【ダンツフレーム:なんなのよおお!?これ以上なに漏らせっていうのおおおお!?】

「それから大型機は闇に消えていき、30分経たないうちに、音が聞こえてきた。今度はヘリの音だった。」

「驚いた。燃ゆる炎に照らされたその機体は、アメリカの国籍を付けていた・・・・もしかして現地からの指令的な?しかしなんという機体だろう?見たことがない。」
338: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/22(木) 22:47:48.97 ID:seRMK52U(1/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「よく見ると2機飛んでいる。1機が小高い丘の方に飛び去るけど、もう1機はサーチライトをつけて私たちを照らしている。」

「明るいから機体の隅々まで見えた。機体の番号は64-14230。こんな状態になると、私たちの体のあちこちから気持ち悪さがどんどん波及してくる!」

【マヤノトップガン:うええええん!助けてええええ!あちこち泥だらけだよ〜!!】

【サクラバクシンオー:早くこの服を脱ぎたい!なんかもう寒くておかしくなりそう!!】

「みんな、手を伸ばしてバタバタしている。だけどそんなに動いたら泥に沈むよ!?」

「私のほうも大変。すっかり足は泥に揉まれてるし変に力むと下に行っちゃう。となりのダンツフレームやアドマイヤベガも項垂れてる!」

「と、向こう岸から懐中電灯らしき線が何本も見えて誰かの声がする!遂に助けが来た!だけど、このままあの人達が来たらミイラ取りがミイラになる!!」

【マチカネフクキタル:おおおおい!こっちに来たら危ない!下手したら泥に飲まれるぞぉ!!】

「遠くで気づいた人たちが動きを止めた。すると、こちらに拡声器を使って状況について説明を求められた。立場的に私があれこれ説明した。」

「その声を聞いて思わず打ち震えた。私たちと同い年ぐらいの女の子の声がする!私たちの同類とは違うけど!」

【キタサンブラック:た、助けてええ!このままじゃ全員泥沼に沈むうううう!せめてダイヤちゃんだけでも!】

【サトノダイヤモンド:キタちゃん!私を一人にしたら枕元に化けてでるからね!?】

「すると、あちらは今からヘリを近づけて救助すると説明。こんな泥沼に漬け込まれて何も食べてないボロボロの体で出来るかな・・・・。お腹空いた・・・。」

「今の私も、他のみんなもそうだけど、ワイヤーを掴める気力があまりない・・・・。というより、体が冷えて力が出ない・・・・。」
339: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/22(木) 22:58:45.83 ID:seRMK52U(2/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「そして、私たちの頭上でモーター音がした。ヘリからワイヤーに吊された隊員が降りてきた。男じゃない。明らかに引き締まった女性に思えた。」

「私は真っ先に言った。他を優先してくださいと。耐えず爆音が鳴り響き、遠くから車の音が聞こえてくる。」

「最初に助け出されたのはマヤノトップガン。ワイヤーで固定されて、真上につり上げられていく。」

【マヤノトップガン:うわーーん!ありがとう・・・・。】

「そして、アグネスタキオンにライスシャワー、マチカネフクキタル、サクラバクシンオーと続く。」

「ただ困ったのはヘリがホバリングした関係で泥水が波紋を作って顔にぶち当たる。おかげで嫌でも泥水を飲んでしまう・・・・。」

「すると、焼夷弾らしきものを目印に何台もの車が集まってきた。ここで、ホバリングしていたヘリは先に助けた5人を安全な場所へ運ぶ。」

「もう1機のヘリがやってきてホバリングを始めた。次に助け出されるのはアドマイヤベガだった。」

【アドマイヤベガ:綿飴・・・・綿飴・・・・・あれがないと元気が出ない・・・・・。】

「更に救助は続く。マンハッタンカフェ、グラスワンダー、サイレンススズカ、ダンツフレームが引き上げられた。」

【サイレンススズカ:ありがとうUSA、ありがとうUSA。】

【ダンツフレーム:お腹すいたー!】
340: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/22(木) 23:05:15.89 ID:seRMK52U(3/3)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「最後に、キタサンブラックにサトノダイヤモンド、そして私の番。隊員はやっぱり女性だったようで怪我や病気はないかと聞いてきた。私はとにかくご飯があれば・・・・。」

「そして、私はワイヤーを握ることなく、隊員につけてもらった。」

【キタサンブラック:役に立たなくてごめんダイヤちゃーん!】

【サトノダイヤモンド:そんなことないよ〜!側にいてくれるだけで嬉しいよキタちゃん!】

「上では2人の掛け合いがする。ああ、全員生還できたんだ・・・・・。こうして引き上げられたヘリの中に通された私たちは、機内にある戦闘糧食を凄いスピードでむさぼるアドマイヤベガ達を見た。」

「コクピットにある時計をみると、なんと午後23時20分!あと40分で次の日になりそうだった!」

「途端に、つけているブラや穿いているパンツに砂や土のような嫌な感触が出てきた。もう私は脱ぐ!!」

「気がつくと、泥だらけの勝負服やブラやパンツを脱いで目の前のご飯に飛びついた。幸いにも仕切りがついていたので目撃されていない。」

「泥だらけになったからか、乳首もアソコも見えなくて良かった・・・・。」
341: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/24(土) 11:24:44.25 ID:4EGCQmqJ(1/7)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「私たちはこのまま基地へ戻ることになった。地上にはサーチライトをつけたグリフォン装甲車やプジョーP4にもう1機のヘリがいるのが見えた。」

「機内にいる医者にあれこれ診てもらうことになった。もちろん泥沼に真正面から突っ込んでおぼれそうになっただけで、ちょっとだけ擦り傷が残る程度で済んだ。」

「同時に頭痛が今更ながらに強くなってきた。きっと冷たい中にずっと居続けたからだ・・・!頭痛薬を飲んでその場しのぎの処置をしてもらう。」

「そして、なぜか機内が異様な臭いに包まれた。私たち13人の他に救助員や医者が5人。その臭いには気にもとめずに付いた泥を落としてくれる。」

「キタサン達はやや調子が良くなったのか笑顔で話しかけてきた。その発言が・・・・。」

【キタサンブラック:なに臭いって顔してるんですかサトノさん!分かるでしょう?】

【サトノダイヤモンド:もう私たち済ませているから気にしてないよ。】

【アグネスタキオン:全く、早く換気してほしいな・・・・。】

「それがなんなのか・・・・ダイヤちゃんの話を聞くや目を背ける。きっとしていたんだって・・・・。私、基地までお腹持つかな・・・・。」

「そして、私たちは待望の基地への帰還を果たした。それからがまた大変だった。」
342: 証言集 終末軍と私たち 2024/08/24(土) 11:36:21.10 ID:4EGCQmqJ(2/7)調 AAS
サトノクラウン(声 - 鈴代紗弓)

「基地の待機所近くに降りたち、後ろの扉が開いた。私たちは服を全部脱いで裸になっていたので用意されていた毛布をかぶる。」

「外に出ると、案の定基地にいた他のウマ娘たちが駆け寄ってきた。誰もが泣いている。誰もが憂鬱な顔をしている。特にハルウララに至っては私を真正面に見て言い放つ。」

【ハルウララ:どこでなにしてたの!?心配してたんだよ!!寮長は大変だったし基地に沢山メッセージが来て!だから嫌な予感がするって言ってたのに!!】

「ギャグ枠のハルウララが真面目になってる。ジャングルポケットにしても治りかけのトウカイテイオーも似たように接してきた。」

「フジキセキさんは笑顔でこう言ってきた。なぜか後ろにいる兵士たちは元気がない。基地の防衛の要だというのに・・・・。」

【フジキセキ:私たちがしっかり言い聞かせたからね?トレセンのみんなも同じ!だからあんなところに行っちゃダメ!!】

「そして、私たちは深夜1時過ぎに軍の医療施設に搬送されて精密検査を受けた。軽度の風邪だったので短期間療養に入った。ダンツフレームやマヤノトップガンは早く外に出たいと騒いでいる。」

「その後、私にも泥水を啜った時の後遺症が追いついてきた。たちまちお腹を壊して、トイレにしばらく籠もった。隣の個室にはアグネスタキオンがいたと思う。いつものマッドサイエンティストらしさはあったけど異様に暗かった。」
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