メルヴィル 久慈真白 (740レス)
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100: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:08:38.84 ID:I1RpEp2n(1/18)調 AAS
松原 穂乃花(声 - 諏訪彩花)

「朝、眠い目をこすりながらベッドから這い出る。窓から外を見ると青い空がどこまでもひろがっていました。ここはイギリスにある田園地帯の一角に作られた兵舎。」
「パジャマをモソモソと脱いでブラとパンツだけになった姿が鏡に映る。なんだろう・・・・離日する前にカレンと二人で都心部にあるデパートで買ったんだけど、なんか扇情的過ぎる。大人っぽい!」
「白黒のしまパンは見た目も良い・・・・ああ、これで着替えの時にチヤホヤされたら恥ずかしいな・・・・。」

「カレンとお揃いで買ったから、今頃同じのを穿いてるかなと思いつつ制服を着て、近所にあるスーパー・・・・・といっても小さな店だけど・・・・・で買ったハギスやヨークシャープディングを食べて迎えを待つ。味が変だったけどもう慣れた。」
「兵舎の玄関前で遠くからドロドロとやってくる1台の車、ベッドフォードTM6-6カーゴトラック・・・・現地の人達はそう言ってた・・・・で幌が後ろを覆っている。そこからなじみ深い声がした。」

「カレンが手を振って私を荷台へ引っ張り上げた。別にステップが後付けされているから意味はないんだけどね。緑の風景が目を癒やす、イギリスにしては珍しく晴れ渡る空、後ろでワイワイ騒ぐ友達。」

「空軍基地に入ると、格納庫に置かれた椅子に座る。建物が無い代わりに格納庫がそのまま教室みたいになっています。そこで上層部から話される今後の予定について注目!」
101: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:09:54.08 ID:I1RpEp2n(2/18)調 AAS
松原 穂乃花(声 - 諏訪彩花)

「私とカレン、アリス、忍、綾の5人は軍部から募集があった?ひろがるスカイ!プリキュアの最終回の様子を偵察する?という特殊任務に志願しました。」

「他に志願したのは結城友奈さん、東郷美森さん、犬吠埼樹ちゃん、三好夏凜さん、乃木園子さんの勇者部チーム。使うのはご存じ愛称が空飛ぶ魔法の絨毯ことバルカンB.2。私たちが選んだ最良の爆撃機。」

「159?以下はみんな爆撃機、早期警戒機、空中給油機、輸送機のどれかを選ぶことになってる。低身長で戦闘機に乗れるのは特殊な訓練を積んで余程の権限がある人じゃないと無理らしい。」

「私は大体の説明を受けると、すぐに格納庫へ向かった。格納庫では私たちが乗るバルカンB.2のメンテナンスが進んでいる。あれこれチェックしたり翼を調べているのは全員もえぎ高校の在校生や卒業生と少数のイギリス軍属の兵士です。」

「全ての検査は完了。可愛いサイズのトラクターDC12-44がバルカンを外へ引っ張っていく。私たちはそれに続いた。」
102: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:12:19.29 ID:I1RpEp2n(3/18)調 AAS
松原 穂乃花(声 - 諏訪彩花)

「ここで持ち物を改めてチェックする。既に前の日に運び込んだんだけど。カレンもこの時は真面目そうな雰囲気で持ち者リストをざっと見ている。」
「予備の軍服、抗生剤、拳銃2丁、弾薬4箱、医療キット、替えのパンツとブラと靴下、照明弾、投擲用のナイフ、非常食・・・・・あと空のペットボトルとポリ袋も持っていく。飛行機の中で漏らしそうなときに使います。」

「こうして私たちはバルカンB.2(XH558)に乗り込み、カレンとアリスが全員の着座を確認。私の役割は航空電子戦士官。ミサイルが来たら電波を照射して照準を狂わせるのがお仕事。」
「だけど、正直な話があって私はアリスのところに座りたい。一応アリスに言ったら二つ返事でオーケーしてくれた。ありがとう!だけど戦闘任務以外に限定されるって。」

「こうして搭載されているオリンパスエンジンのフル出力による加護を受けながら、私たちの乗るバルカンは目的地へ向けて飛び立った!」

「眼下に広がるのは緑色の果てない風景、頭の中にはバトル・オブ・ブリテンのメインテーマが鳴り響いているよ。とりあえずカレンは操縦桿を動かして結城さんの機体を待つ。」
「旋回していたら結城友奈さんの乗るバルカンが追いかけてきた。編隊を組んだ2機はプリキュアがある方向へ向けて飛んでいく。途中で黄前さんと田中さんが乗るF-14Aと合流することになる。今回の護衛機がアメリカから来たF-14Aということもあってみんな興味津々。」

「そして思うのは・・・・唯々思うのは、プリキュアがこのまま腐れ果てていくという現状が目の前にあるってこと。」
「糧食であるマーマイトとうなぎゼリーを食べながらそう思う。そして紅茶を啜る。やっぱりイギリス本場の紅茶はひと味違う。」

「そして、その後にすぐ待っているのは・・・・ブルッと来る尿意と軍用機でお馴染みの剥き出しのトイレとの羞恥心です。開放感あって気持ちいいけど!ああ、いつかイギリスにまた来るときはロンドンとかポーツマスで観光地巡りがいいな・・・・。」
103: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:32:46.43 ID:I1RpEp2n(4/18)調 AAS
【核攻撃が決まった日。】

幸平 創真(声 - 松岡禎丞)

「なんとも言えない気持ちだ。それをしったのは2024年1月8日だった。俺はいつもと変わらない顔で料理を仕上げていた。」

「プリキュアという、民放アニメでは常識がある部類のコンテンツが2024年1月28日をもって終了するというんだ。打ち切りではない。」

「信じがたいことに、10年前の炎上したハピネスチャージプリキュアのシリーズ構成をやっていた成田をまた起用してしまったのだ。」

「2016年から、プリキュアシリーズは暗黒時代に突入し2020年で持ち直したかと思えばコロナ渦に負けて後ろ向きの姿勢に。」

「更に2021年でまともかと言われればそうではなく、成田に村山まで呼んでほぼ1クール分の話が潰れた。2022年はまともかと思わせて不正アクセスを喰らったからというそれだけで」

「季節回を悉く放棄した。その割には戦闘じゃなくて麺フェスとかイベントとかキャンプとかを平然とやっているのは気障りであった。」

「そんな中でひろがるスカイプリキュアはマシでとりあえず標準値になったぐらいというべきか。俺も安心していたんだ・・・・。」

「しかし、次回作でそれは悪夢が現実になった。悲劇だ。成田を起用しやがった!おかげで俺たちはプリキュアに対して核戦争を仕掛ける流れになったんだ!」

「俺がいる兵舎の窓から見えるのは、滑走路上に留められているF-100Cスーパーセイバー。鯉のぼりみたいで格好悪いが当時は最新鋭だった。しかも俺が初陣だ。核爆弾投下第1号になるんだ俺は。」

「あまり嬉しくないし、できれば装置が故障してそのまま帰投なんていう結末を求めてしまう。けど仕方がない。もうプリキュアに未来はない。悪夢しかないんだ。だから征くのだと。」
104: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:45:05.96 ID:I1RpEp2n(5/18)調 AAS
【支給品の車を運転して その1】

有村雛絵(声 - 三森すずこ)

「1月31日。西日が見える時間帯なのに、どんよりとした空が目立つ。私はアメリカ国内にある名称秘匿の空軍基地に勤めています。あ、場所は詳しく言えません・・・・。」

「宮代くんを隣に、いそいそと買い出しへ出かける。目の前に駐車しているのは支給された車である2006年型のダッジチャージャーRT。シルバーのボディーにはそそるものがある。たぶん誰かが使っていた中古車だと感じる。」

「この車は、終末軍に加わった御礼としてアメリカ軍の上層部が支給してくれた特典です。軍部は全米から不要になった車をスタッフカーとして集めているらしい。」

「買い出しで運転するにしては少々豪華すぎるといったところ。え?無免許の私がどうして運転できるのかって?それは軍部により免許を免許を発行してくれたからです。」
「あ、別に不正はしていないよ。一応シミュレーターと最低限の運転の仕方は軍部から教わっていて、未成年ですけどまさかの公道デビューという感じになりました。」
「宮代くんはいきなり規定内の試験をせずに公道を走るのは危ないと言いたげな顔をしています。けど、私は2〜3回ぐらい敷地内と基地周辺を走っていく内にどうにか慣れました。マニュアルと比べて操作が容易で、軽くアクセルを踏むだけで猛スピードで走れるのは日本の車じゃまず味わえないとおもう。」

「そもそも軍がトラックを出してくれるのではと思いがちだけど、それはイギリスとかフランスでの話。アメリカではトラックは四六時中行ったり来たりするので私たちを乗せてなんていう余裕は無い。だから車が支給される。」
「春日さんのいる部隊の基地ではトラックで兵舎まで行き来してるって言うけど、その内に車の入手を申請するっぽい。」
105: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 00:52:02.21 ID:I1RpEp2n(6/18)調 AAS
有村雛絵(声 - 三森すずこ)

「宮代くんを助手席に乗せて、エンジンをかける。キュイイイイイという独特な甲高い音は明らかに爆音ですが聞いていると心地よいものが。スピードメーターは200まで刻まれていますがどこを走ったら出せるのか・・・・。」

「相変わらず親じゃないのに不穏な顔をする宮代くんを隣に基地の門にいる衛兵に会釈して地方のスーパーを目指す。ギアをガチャガチャと小刻みに動かすとスピードが更に出る。これが日本なら無免許だ道交法違反だで大騒ぎかもしれない。」

「それにしても、プリキュアがなくなったら民法アニメで見続けられるものはあるのかな・・・?Eテレは軒並み低クオリティで出されるから、かといって終わらせてくれないコナンもアレなわけで・・・・。」

「さあ、とりあえず缶詰とドリンクと生野菜を買いに行く・・・・・。ただ、意外と高いので多く揃えられないのが欠点かな・・・・。そう思いながらアクセルをほんの少し踏んで車のスピードを上げた・・・。」

「走ること15分、上層部から指定されたスーパーで買い物をした。陳列棚を見て目を疑った。1つ1つが大きい。缶詰にしても軽く4人分詰まってそうなもの。野菜も独特の形で目を見張る。あと牛乳やソースも知らない表記。」

「宮代くんは英語なので賞味期限が分からないと当惑して、とりあえず目の前にあった食べられそうなものを籠に放り込んで会計する。軍から渡された貨幣支払うと60ドル!なんと日本円に置き換えたら8961円!8〜10品買っただけでこの値段って・・・・。」

「ちょっと絶句しながら車に積むと、私と宮代くんは店を後にした・・・・。」
106: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 01:10:50.99 ID:I1RpEp2n(7/18)調 AAS
【あの日、私とあすか先輩はプリキュア最終話の現場にいた。】

黄前久美子(声 - 黒沢ともよ)

「先週の最後のプリキュアは割と良かった。ただそれに尽きます。その時の私はイギリスから飛来する2機のバルカンの護衛でした。」

「あの日は北欧の僻地にある空軍基地・・・・場所と名前は非公表・・・・から、F-14Aを駆って大空を目指した・・・・・。」
「後ろでは、相も変わらず一昨日公開されたガンダムSEEDの映画をあれやこれや語り続けるあすか先輩がいます。確かに語り出したらキリがないのは分かるけど。」

「このF-14Aはいつもとは違う。本来ならAIM-54Aフェニックスを6発積んで飛ぶミサイリアーとでも言いたげな姿。でもね、正直な話だと爆撃機専用の大型ミサイルだから取り回しは大変。」
「使わなくて空母に帰還して、いざ着艦となれば未使用のフェニックスを一部投棄しないといけない問題点を抱えていた。」
「だから軍の上層部にかけあって、バルカンの護衛をするためには鈍重ではなく身軽でなければならないと説明して、AIM-9サイドワインダーとAIM-7スパローの混成にしてもらいました。」
「うん、お陰で警戒に私は操縦桿を動かして好きな位置に持って行けた。まさに身軽に飛べるのは良いことだ!」

「離陸してから数十分、遠方に2機の大型機が見えた。バルカンB.2だ。私たちは近くまで寄ると手を振った。向こうも手を振ってきた。もえぎ高校のカレンちゃんと穂乃果ちゃんだった。」
「やがて無線をONにしてガンダム映画の話題や、イギリス料理の異質さをのうのうとフリートークしたあとで、目的地へ向かう。」
107: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 01:28:51.24 ID:I1RpEp2n(8/18)調 AAS
黄前久美子(声 - 黒沢ともよ)

「そこに着くや否や、スター・デストロイヤーの巨大な物体が見えて、遠方では色んな遺物を吸い上げている見たこともない宇宙船が浮かんでいた。」
「あすか先輩は持ってきたカメラで写真を撮る。私は相も変わらず操縦桿を握ってバルカンの周りをクルリクルリ・・・・。その遙か下ではヘリコプターが色んなものをぶら下げて編隊飛行をしている。どうやら壊れた戦闘機のようだった。」

「時間は16分程度。ひろプリで非道な展開があったらカレンちゃんと友奈ちゃんがそれぞれ操るバルカンは搭載している爆弾を一斉投下して大規模な攻撃をするだろう。おまけに真上を覆い尽くして闇を作り出しているスター・ドレッドノートであるスプレマシーから放たれる何千もの光線を想像すると回避できるか怖さのあまりに膀胱が緩くなっちゃう。」
「うしろで、あすか先輩や僚機の中世古先輩と下で広がる風景についてあれこれ会話しながらバルカンの速度に合わせるように機首上げをした。」

「更に乱気流を避けるために降下して下を見ていると、輸送機が距離を開けて10機以上着陸しているのが見えた。後ろが開いていて、大勢の人間が乗り込んでいる様子が見える。後で友奈ちゃんから聞いたらプリキュアで橋頭堡を作っていた人達を乗せていたとのこと。」
「私は機体をバンクさせて失速ギリギリの状態までスピードを落としてフライパスした。下にいる人達の中に帽子を振って答える人までいたと思う。」

「幸いにも大規模な反攻は起きず、ひろがるスカイプリキュアは無事完結。撤収作戦の全ては無事終了した。荒れ地がどこまでも広がる無人と化したプリキュアの世界線を後ろに見ながらバルカンを護りつつ後にする。上にいたスター・デストロイヤーはワープで次々と去っていった。」
108: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 01:34:26.86 ID:I1RpEp2n(9/18)調 AAS
黄前久美子(声 - 黒沢ともよ)

「西日が流麗な機体を照らしている。ミサイルは1発も撃たなかった。機関砲もトリガーを引かなかった。実に平和的な結末だった。」

「なによりも、恐怖と緊張のあまりお漏らししなかったのが何より・・・・。昔、学校であすか先輩に冷やされたペットボトルを直接当てられた記憶が蘇る。」
「実は、あれでちょっと漏れてパンツを濡らしたことはあすか先輩や麗奈たちには絶対的な秘密にしている。トイレで必死でティッシュでこすって、替えも無いからパンツが冷たいのを我慢して練習していたけど夏だったからちょうど良かったかもしれない。この秘密は天寿を全うして異世界まで持っていきます。」

「やがてイギリスに戻るバルカンと別れると、私たちは元の基地に着陸。そこで多くの士官や整備兵から帽を振って出迎えられた。その後にテレビで知ったのはプリキュアの世界線から全てが去って無人化したというニュースだった。」
「滝先生にこのことを伝える。その時のテレビには報道特集が組まれ、撤退中の船団を捕らえたライブ映像も流れた。そこにはビスマルクとシャルンホルストが輸送船を護りつつ2隻ならんで航走している姿が映っていた。」

「更に撤退直後の輸送機も映し出され、現地で撮影された映像には私の乗るF-14Aのフライパスが映っていた。次に映された兵士がこう言った。護ってくれてありがとうと・・・・。」
109: 2024/02/10(土) 01:38:11.89 ID:I1RpEp2n(10/18)調 AAS
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110: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 02:18:09.88 ID:I1RpEp2n(11/18)調 AAS
【支給品の車を運転して その2】

有村雛絵(声 - 三森すずこ)

「なんか詰んだっぽい・・・・。宮代くんに言ったのはそれだった。基地までの帰り道、私の車は問題なく走っていた。突然、後ろに積んでいた荷物が缶が倒れて助手席に転がった。なんか凄く気になったし宮代くんも慌てているので、私は路肩に車を寄せて止めた。」

「缶を後ろに積み直して、一段落してから道に戻ろうとした。だけど、車は前後に揺れるだけで前に進まなかった。窓を開けてみると、後ろのタイヤがドロドロになってた。あれ?なんかまずいかも。」

「そんなに深く沈んでいないので、その場から動かそうと小刻みにアクセルを踏んで抜け出そうとする。スリップするだけで動けない。私は慌ててギアを後ろにしてぬかるみから逃れようとする・・・・。」

「結局、私はシフトを握って苦労したけど車が少し汚れただけで終わった。それから二人で外に出て板か石がないかと脇に広がる草原を探す。一応軍部に万が一の時は現地のカーレスキューに通報するようにと言われているけど、とても出来なかった。」

「きっと手持ちの紙幣で払いきれないほどの代金を請求されるかもと想像すると背筋が寒くなる。それよりは板を噛ませて押せばなんとかなる・・・・。1時間経ってやっと棄てられた布きれや石や棒切れが見つかった。」

「それらをタイヤの下に差し込んで、宮代くんは押してくれる。私はエンジンを動かしつづける。まだ足りない、もっと踏まないと・・・・5分たってタイヤを泥で滑らせながら、どうにか抜け出すことができた。まあ普通ならこうやって対処するのが基本。よく冬場の街中でノーマルタイヤを履いたまま助けられる車を何回かニュースで見ている。それをみるとなんでこうしないんだろうって思う。」

「宮代くんにお礼をいって、遅れた分を取り戻そうとフルスピードで道を走る。結局基地は門限がないとはいえ、東の空が暗くなりかけるころに帰ってきた。」
111: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 03:42:54.06 ID:I1RpEp2n(12/18)調 AAS
有村雛絵(声 - 三森すずこ)

「戻った後、基地にある個別の冷蔵庫や戸棚に食料品をしまった。なんか点数が多くてぎちぎちになったよ。それが終わった後は宮代くんと割り当てられた部屋に戻って今後の方針について詮議する。」

「そして、その直前に整備兵から聞いた話だけど、あの車の持ち主は噂によればYoutuberで自身の車を荒れ地で擱坐させたり足でペダルを踏む様子をひたすら撮って再生数を稼いでいたらしい。」

「しかし、車のナンバープレートから身元がバレたので違う名前に変えてそれまで使っていた車を手放し、今は別の名前と車で似たような動画を撮っているとか。」

「そういえば、最初にあの車に乗ったときに良い匂いがしたなあ・・・・。きっと前の持ち主が好きな香水だったのかもしれない。妙にタイヤがすり減っているのもその影響・・・・。」

「程なくして、支給された料理を食べていた時に同じくアメリカ行きを志願した蘇峰玲奈さんと都築栞さんと一緒になり、宮代くんを挟みつつ今日の出来事を話した。」

「蘇峰さんは、元のWitchBlade.Universeで車が動かなくなった経験をしていた。それからは実の娘を置いて戦いに挑んで死亡。その後国防軍により再臨して今に至ります。蘇峰さんは、こんな話をしてくれました。」

?あの時は普通の道を走っていたけど、見つかりにくくなるようにわざと山道を走った。だけど途中で雨が降り出した。地盤が緩くなって危ないと思って市道に戻ろうとしたときに上り坂でタイヤが滑りだした。?
?梨穂子が心配そうに見ている。なんとかしようと思っても車は少し揺れるだけだった。都合がいいように板が落ちてるわけでも何か転がっているわけでもないから、ただただ前に進もうとするしかなかった・・・・。?
?結局、後ろにも行けず、追いついてくる脅威を察知して、体力を車を押す方から戦う方に回すしかない、そう判断するしかなかった・・・・。?

「まあ、確かに余裕がないと周りが見えなくなったりするよね・・・・。その後は外で聞こえる飛行機の音や行き来する兵士達を見ながら部屋に戻った。」
112: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 13:57:57.67 ID:I1RpEp2n(13/18)調 AAS
【学校にてまさかの軍発足セレモニー】

優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「とうとう、この日が来た。前から風の噂で学園内にも同好会でも伝わっていたけど、本当に来てしまった。」

「2023年6月23日、その時の私たち虹ヶ咲の面々は活況を呈していました。短編映画が大盛り上がりで、作画の緩さこそあったものの資金援助によりどうにか安定した作風で世の中を席捲。」
「加えて、新作映画が3本という発表が成されるが否や全国のライブビューイング会場は凄まじい熱気に包まれました。初代であるミューズはもう終了し、アクアは沼津市を話題にするも映画含めてイマイチ、リエラは2期で壊滅し3期は保障できず、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブはまだ未成熟でした。」
「とどのつまり、私たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会がラブライブのコンテンツを支える基礎になっていたのです。既にライバルの1つであるアイドルマスターシリーズは小学生アイドルのU149に39人体制のミリオンライブ、クリストファー・ノーランの作風で出来たシャイニーカラーズという作品を発表し大躍進を遂げようとしていました。」
「私たちの存在意義は非常に大きい。同好会内や学園の統率部門でもコンテンツを護る最後の砦のような位置付けになっていたのです・・・・。」

「さて、壮大なラブライブの背景と私たちの重要性が分かったところで、それ以降に起きた出来事について話しましょう。翌24日、私たち同好会を始め様々な部や生徒の皆さんへ学園からのメールが届きました。文頭には最重要という三文字の漢字が。25日に学園に集合せよという発表でした。時間は午前12時、お昼は各自調達するようにという旨が伝えられました。」
「もしかして体育祭の予行演習?研修旅行の用意?それにしては上原歩夢さんの扱いはどうなるの?そんな疑問を背負いながら終日同胞達と会話していました。」
113: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 14:00:40.19 ID:I1RpEp2n(14/18)調 AAS
優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「そして、翌25日に寮を出た私は途中のコンビニで昼ご飯を調達し、新交通システムに乗って学園へ行きました。メールによりいざなわれた私たち同好会のメンバーをはじめ多くの生徒は、普段は講演会をする講堂に集まりました。推定2800〜3000人という中高一貫校の凄まじさが伝わります。」
「そこで、校内放送を通して講堂内に音楽が流れました。まだ教師達は現れません。しかし、その音楽は教科書で習ったことがない知らない曲でした。桜坂さんや天王寺さんも小首をかしげます。」

「すると、離れた場所にいた外国音楽同好会の生徒達が口々に騒ぎ始めた、[信じられない!この曲はワルシャワ労働歌だ!][今のご時世ウクライナが大変なのに・・・][これは普通の集会じゃない!][♪砦の上に我らの世界、築き固めよ勇ましく〜!]というものがちらほら・・・」

「そして、目の前にスクリーン、後方にプロジェクターがせり出してきたではありませんか。しかも入り口が開いて見えたのは先生の他にガンダムに出てくるような軍服を着た人達がゾロゾロと。次に周りに?Kいカーテンが引かれた。目の前の講壇に理事長が登り、私たちを見つめてこう言った。」

『皆さん!日曜日という全国的に休みの中で集まっていただき、ありがとうございました。この集会は留学している生徒の方々にも配信を通して伝えられています。そしてこの瞬間も見ています。』

「そんな理事長のハキハキとした挨拶の後に、どこかで見ているような格好をした知らない人が登壇し、私たちの前に全てを語った。」
114: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 14:05:10.29 ID:I1RpEp2n(15/18)調 AAS
優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「理事長は、とんでもないことを語り始めた。」

『生徒の皆さん。国防軍司令部より終末軍の編成が告げられました。終末軍がなにを意味するかはご存じかと思われます。この講堂内にて準備をしていらっしゃる方々は国防軍の兵士です。』
『既に、プリキュアシリーズが2004年から始まって今年で19年目。今や安心して観られる民放アニメでは数少ない存在となりましたが、近年は完成度に極端なまでの落差が感じられますよね?。』
『特に、ハピネスチャージプリキュアは常識が通用しないぐらい醜悪なものとなり、今なおアニメ界の最底辺に存在しているのは知っての通り。しかし、そんなプリキュアシリーズでは不信感が年々募っておりました。』
『今年のひろがるスカイプリキュアは無難かつ新要素を散りばめて尚基本ルールは遵守するお手本のような内容になっております。しかし、来年は2024年で事実上の20年でありハピネスチャージから10年でもあります。』
『もしもハピネスチャージのスタッフをメインにまた起用しようものなら、我々はプリキュアとは制式に断交を表明し如何なる神作画があっても、いかなる水着回があっても、いかなる人気声優が出ていても一切録画も視聴もしないと宣言しましたね?』
『軍令部は、来年がちょうど10年であることやハピネスチャージの風化が加速化している点、本来なら業界追放されている戦犯が他作でのうのうと仕事をしている点などを踏まえ、来年のプリキュアが一番危険性が高いと判断いたしました。』
『よって、噂にあった緊急召集令並びに徴兵制度ですが、今回の事態により制式に皆さんに受諾して頂く流れとなりました。冷静に考えましょう。私たちのアニメは3ヶ月、他はよくて半年しか放送出来ず、その半年すら放送出来なくなるような流れを作り、しかもメディアに取り上げられない。』
『逆にプリキュアを初めとする民放アニメは半永久的に放送され、万策尽きず、グッズも市場展開もコラボも迅速化していて、はっきり言って優遇されています。しかし、その割には作品の完成度やクオリティは最低水準を上回っているのです。』
115: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 14:09:50.97 ID:I1RpEp2n(16/18)調 AAS
優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「理事長は、まるで政治家にでもなったかのように熱弁を振るいました。なんかいつもと違って別人になったかのようです。」

『これは許せない。あり得ない。信じられない。なぜ民放はいい加減な仕事と汚職と不正を重ねているのに平然と続けられるか?それは至極単純のこと。視聴者を小馬鹿にしているのと長期化の結果潰れないから安心という考えが芽生えてしまっているのです。』
『こんな連中に、唯一の良心的存在だったプリキュアが加わるとき、それはプリキュアとの断交と決別を意味します。それはハピネスチャージという史上最悪の汚点を作った連中が再び舞い戻ってきた時こそがプリキュア最期といっても過言ではありません。』
『生徒のみなさんは、これからは終末軍の一員として軍事行動を行ってもらいます。ハピネスチャージのスタッフがまた来たとき、それはプリキュアの頭上に核が落とされるのです!!』

「私たちは呆然とした。これから兵士になる?確かプリキュアへの核攻撃の手段は飛行機と艦艇だけど、操縦するの!?」

「当惑した・・・・・当惑した・・・・・そして、全てを受け止めた。周りはあっという間に熱気に包まれた。拍手する人、拳を突き上げる人、うなり声を上げる人、桜坂さんや天王寺さん、中須さんも近江さんも凱歌をあげているように見えた。」

「この胸がキュッと締め付けられる気分になった。間違いない。プリキュアは最悪の判断を下すかもしれない。それは来年かもしれない。なぜなら仮面ライダーのディケイドの次のジオウはファンからすれば史上最悪の出来で、以後の令和ライダーが感覚を麻痺しながら作られるきっかけになったぐらいなのだ。」

「ニチアサを見続けているけど、例の如く放送時期がずれたり良作が揃わないで不満もあった。同時に2月に放送するとおもちゃの売上が戦隊とライダーで半々になるというのが理由らしいけど、古参の私には理解しがたいもの。」
116: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 14:18:11.22 ID:I1RpEp2n(17/18)調 AAS
優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「そして、それから全員床に座って上映会が始まった。映し出されたのは作戦が始まるや否やで使用される軍用機の数々だった。」

「その時の私は、日曜朝の戦隊やガンダムシリーズのメカに通じるかっこよさと凄まじさに圧倒された。そして戦闘機の飛んでいる映像が次々と映し出され、核実験の様子が映された。カラーフィルムなので鮮明だった。さすが名門校、大音響は映画館に負けていない!」

「昔のNHKでやってた映像の世紀のようだった。まさにそんな感じ。ナレーターが英語だったけど字幕付きはうれしい。私は興奮して見ている内にお尻が冷たいのに気づいて我に返った。直パンをしていた。セイレンをご存じの人なら分かると思います・・・・。スカートをお尻に敷くのを忘れて直パン座りになっていた。」

「思わずハッとする。私としたことが・・・・かつて新宿の映画館でガンダムOOの終盤戦を観て興奮した瞬間でさえお尻の下にスカートを敷くという当たり前の所為をしていた私が・・・・周りを見たけど誰も気づいていない。履いている薄いピンクのパンツが見られないか周りを気にしながら頬を染めてスカートを敷き直す。」

「男子はいない。女子でいっぱいだけど、かつて中川菜々を演じていた頃にせつ菜だと校内生徒に正体を明かした立場上、直パンを見られたら更に興奮を集めてしまう。そうなれば暫く学校で過ごせる自信がない。」
117: 終末軍と私たち 2024/02/10(土) 14:19:41.23 ID:I1RpEp2n(18/18)調 AAS
優木せつ菜(声 - 林鼓子)

「そんな上映会が終わってから、軍の指揮官があれこれ説明を始めた。それは、私たちが日本を離れて海外で訓練を受けるというもので、選択肢はアメリカ、イギリス、フランスに分けられていました。」

「そして、作戦の方法は核攻撃という事実が淡々と告げられた。プリキュアである以上それは当然、私たちはプリキュアの暴挙への逆襲をするのだと教えられました。」

「私たちスクールアイドル同好会はアメリカを選んだ。アメリカは娯楽も独自の文化も魅力的だった。万が一なにかあったら日本大使館がすぐ手を打つので嬉しい。犯罪が多いのが問題だけど護身用の武器が手渡されるとのことで安心しました。」

「次に身長測定が行われました。160?以上あれば単座の戦闘機か攻撃機が宛がわれ、更には複座の戦闘機か攻撃機も宛がわれます。159?から下になると爆撃機が宛がわれました。身長が公式に乗っていなくて不明の場合は早期警戒管制機、空中給油機、輸送機、そして水上艦艇が宛がわれました。」

「私は154?だったので、めでたく爆撃機の配属になりました。中須さん桜坂さんも近衛さんも同じです。150cm台の仲間が多いなら必然だった。エマさんとかは戦闘機乗りに選ばれた。そして階級章が配られました。下級兵の称号です。そんなこんなで2時間にわたって続いた集会も終わりました。」

「コンビニで買ったパンをかじりながら家路につく。来週から更に説明が行われるとのことで、まだ先は分かりません。唯々言えるのは、私たちがプリキュアに鉄槌を下す日が来るかもしれない・・・・それだけです。」
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