[過去ログ] ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【237】 (1002レス)
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(1): 第六十回ワイスレ杯参加作品 (ワッチョイ 8101-5Ix7) 2022/08/19(金) 21:52:36.63 ID:9QL1AYsl0(1)調 AAS
 むかしむかし。
 桃太郎が持っていたきびだんごとはさぞかし霊験あらたかな食い物であろうと思っていたら、後にトウモロコシの仲間であると知ってガッカリした。
 更に時代を下って、黍と唐黍はまた別の物であると知れたのだが、それを知る頃には俺もいい歳した大人であったので、残念ながら少年時代のガッカリ感を払拭するには至らなかった。
 そんな訳で、トウモロコシという食い物にはどうにも隔意というか、今一つ受け入れがたいものがある。
「で、だ。そう言った話を、かれこれ5回以上はしたと思うのだが」
「はぁ。確かに、毎年毎年、そんなような詰まらない話を聞かされた覚えはあります」
 広くも無いアパートの玄関を信じられない量のトウモロコシで埋めた後輩に対し、俺は精一杯威厳をかざしたつもりであったが。
 当の後輩と言えば、何ら感銘を受けた風も無くトウモロコシを入れていたアルミバッグを折りたたんでいる。
 田舎のジジババは何故だか畑を営む事を自らの存在意義だと勘違いしている節があり、そして田舎特有のコミュニケーションで以て育てやすい作物の情報を共有しており、結果としてどの畑でも大体似たような物を育てている。
 そうした結果、何が起きるかと言えば、当然ながら同じ様な作物は同じ様な時期に実を付け、結果として収穫時期も大体一緒なのである。
 それこそ、10本のトウモロコシをお裾分けすれば15本のトウモロコシが返ってくる仁義なき畑作合戦にあって、畑を持たぬ弱者というのはそれこそ草食獣の群れに放り込まれた肉食獣の如き肩身の狭さであった。
 田舎特有の面倒臭さであるのだが、コミュニティに属すると言うのは、決して貰いっぱなしを享受する事を意味しない。ご恩と奉公、やられたらやり返す鎌倉武士的な緊張感が田舎には存在する。
「では、私はこれで」
「おい、待てい」
 帰ろうとする後輩を呼び止めた。田舎のしきたりには摩訶不思議な力学が存在するが、その一つに「貰ったその場でお返しすれば、多少の不平等は黙認される」と言う物がある。
 急いで冷蔵庫に駆け寄り、中から馬鹿でかいタッパーを取り出して後輩に押し付ける。いやぁ、奴が持っているのがアルミバッグで良かった。
「丁度先日、茄子を貰ったばかりでな。煮浸しにしたので、持っていくと良い」
「なす」
 後輩が嫌そうな顔で言う。
 茄子は育てやすい作物だ。俺は育てた事は無いが、そうでなければあの馬鹿でかい冷蔵庫を半分以上埋める茄子に説明が付かぬ。
 汁気を含んでチャプチャプと音を立てるタッパーを持ちつつ、後輩は精一杯の抵抗を示した。
「茄子と言えば、『嫁に食わすな』なんて言われてませんでしたかね?」
「安心しろ、2日前に収穫された夏茄子だ。それにな……」
 顔を歪める後輩に向けて、とどめの一言を繰り出す。
「俺は独身だ」
「あー、はいはい。先輩がそういう人だと言うのは、よっく存じて降りましたとも。それはもう、この上なく」
 唾を吐きかけたそうな後輩を見送って、俺は一人アパートの玄関で勝利の余韻に浸る。
 後輩に持たせたタッパーよりもトウモロコシの嵩が張るのを認識するのは、この後すぐの事であったが。
208: ぷぅぎゃああああああ◆Puuoono255oE (ワッチョイ 9f2f-qb5s) 2022/08/21(日) 19:20:12.94 ID:R91YXNj/0(5/33)調 AAS
>100
お盆に作る夏野菜の精霊馬! それに乗ってきた祖霊は何故か少女で下手な作りに文句を云い募る!
夢か現かわからない状態で主人公と遣り合う! 二日酔いの状態は悪化して主人公はトイレに駆け込んで吐いた!
その際に精霊馬の夏野菜を踏み潰し、祖霊は帰ることができなくなったのだろうか! 左肩の重さは守護霊ではなくて悪霊に憑依された印象が強い!
少し気になったのはゲジゲジ! 胡瓜は馬に見立てられて来る時に使われる! 帰る時は牛に見立てた茄子が定番! 帰りを心配するのであれば茄子の方がいいように思った!

>102
主人公は離婚の危機に直面していた! どこか両親の状態と似ていて薄味のレトルトカレーの味を切っ掛けに過去を思い返す!
祖父は畑の野菜を使ってカレーを作った! 入れた具によってうどんの味がする薄味のカレーが出来上がった! 小食の主人公がおかわりをするので、
美味しかったのだろう! その後、両親は離婚の危機を回避した! 主人公は過去の力を借りて妻の説得に乗り出す! 子供用のカレーのように甘い結果になるとは限らないが!

>104
野球部が甲子園出場を決めた! 主役は応援する「校長、顧問、PTA会長」と視点がよい! 年甲斐もなく張り切る!
高校のOBのようだった! 真の主役に思えた! 故にもっと中心に据えて懸命な応援をしても、と思わなくもない!
野球部は惜しくも決勝で負けるが応援する側の夏は終わらない! 真の主役の熱い夏が始まる! 想像させる最後がよい!

>106
小学生と書かれているが何年生なのだろうか! 幼いようでいて心中の声は意外としっかりしている!
茄子の件は少しあざとい! 爪楊枝を刺した状態で鍋に入れるだろうか! 選んだ食材は食べられないものではない!
食べさせられた兄の反応を見れば不味いことはわかる! 幼さとあざとさが半々の為、少々首を捻りながら読むこととなった!

>108
トマト視点で話が進む! 人間の行動原理がよくわからない! スーパーに並んでいたトマトを買いながら川に捨てた!
見つけたおじいさんは泳いでトマトを助けた! ホームレスなのだろうか! 横になったあと、息を引き取ったように見える!
中年女性の不可解な行動に意味を持たせる! 結果、食べられないままに終わるトマトの悲しい末路を仄めかせばよい!
あと温室育ち(ハウス栽培)の設定をもう少し話の中に出してもいいのでは! 明るいお嬢様として最後まで書き切れば! 少し惜しいように思った!

>111
トマトちゃんと云うキャラクターに魅力がある! 作中でかなり気になる存在! 主人公が接触する前に引っ越してしまった!
その後、トマトちゃんの空いた席に主人公が収まった! 嫌いなトマトを食べられるようになり、勇気も貰った!
社会人となってまたトマトの世話になる! 酷く酸っぱくて、苦笑いなのだろう! 表情を作ることに成功した!
物語の中心人物のトマトちゃんはどうなったのか! 背後で笑っている等の書き方は死を思わせる! もう少しトマトちゃんの事情を知りたかった!

>113
わらしべ長者ならぬ、モロコシ長者! 物々交換が良い物になってゆく! と思いきや、女性の着物を脱がした状態の見た目に主人公はうろたえる!
そこで戻ってきた店主とキュウリに交換して貰うことにした! 最後の件は少し引っ掛かった! 食べかけのトウモロコシは藁より酷いスタートなのだろうか!
残りのキュウリは一本とは限らない! 何本なのだろう! その数によっては得したことになるのでは! 中途半端に終わった内容を少し残念に思う!

>115
ありそうな路線を貫く! 夏野菜が主役と云えるかどうか! 設定としては微妙であるが内容には妙な迫力がある!
トマトによって結果的に死に追い込まれた蛇! 夢の中に現れた瞼のない妻! 卵から孵化した蛇達は方々に散った! 生まれなかった二つの卵の意味はあとでわかる!
妻は腹に子供を宿して戻ってきた! 卵と同じで双子! 瞼のない子供が生まれるような想像をさせる! 端役のトマトではあるが物語に一翼を担っていた! ほんのりホラーテイスト!

>117
最初から最後まで丁寧に書かれていた! 田舎特有の件もよくわかる! 秋ナスの部分は先輩後輩の間柄でわからないはずはないので、少し作為的に思えた!
あと秋ナスの話は悪い意味ではないので少し気になった! 蘊蓄はいいのだが読み物としての面白さが薄味に思えた!
もう少し先輩後輩のキャラクターを出した攻防を見たかった! 文章自体は読み易く書き慣れた印象を受ける!
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